JP5207479B2 - 雑音抑圧装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、音響信号から雑音成分を抑圧する技術に関連する。
目的音成分と雑音成分との混合音から雑音成分を抑圧する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、遅延加算型のビームフォーマで目的音成分を強調した音響信号のスペクトルから、独立成分分析で推定された雑音成分のスペクトルを減算する技術が開示されている。
特開2007−248534号公報
しかし、特許文献1のように周波数領域で雑音成分を抑圧する技術では、雑音成分の抑圧後に時間軸上および周波数軸上に点在する成分が、人工的で耳障りなミュージカルノイズとして受聴者に知覚される。雑音成分の減算の度合を抑制すればミュージカルノイズは減少するが、雑音成分を充分に抑圧できない(処理後のSN比が低い)という問題がある。以上の事情に鑑みて、本発明は、ミュージカルノイズの低減と雑音成分の効果的な抑圧との両立を目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る雑音抑圧装置は、複数の収音機器が生成した複数のチャネルの音響信号から雑音成分を抑圧する装置であって、各チャネルの音響信号について雑音成分を抽出する雑音抽出手段と、雑音成分に含まれる定常雑音を推定する定常雑音推定手段と、定常雑音のスペクトルを減算係数に応じた度合で各チャネルの音響信号のスペクトルから減算する第1雑音抑圧手段と、各チャネルの雑音成分のスペクトルから定常雑音のスペクトルを減算することで非定常雑音のスペクトルを推定する非定常雑音推定手段と、目的音成分を強調するフィルタ係数を非定常雑音のスペクトルから生成する係数設定手段と、第1雑音抑圧手段による処理後の複数のチャネルの音響信号についてフィルタ係数を適用したフィルタ処理を実行する第2雑音抑圧手段と、音響信号の強度の度数分布における尖度が第1雑音抑圧手段による処理前と第2雑音抑圧手段による処理後とで変化する度合を示す尖度変化指標を算定する指標算定手段と、尖度変化指標に応じて減算係数を可変に制御する係数調整手段とを具備する。
以上の形態においては、音響信号の強度の度数分布における尖度が第1雑音抑圧手段による処理前と第2雑音抑圧手段による処理後とで変化する度合を示す尖度変化指標に応じて第1雑音抑圧手段の処理の減算係数が可変に制御されるから、第1雑音抑圧手段による処理に起因したミュージカルノイズを抑制しながら雑音成分を効果的に抑圧することが可能である。
本発明の好適な態様において、係数調整手段は、尖度変化指標が所定値に近づくように減算係数を設定する。以上の態様においては、第1雑音抑圧手段による処理に起因したミュージカルノイズを所定値に応じた所望の度合に抑制しながら雑音成分を効果的に抑圧できるという利点がある。
以上の各態様に係る雑音抑圧装置は、雑音抑圧に専用されるDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェア(電子回路)で実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)などの汎用の演算処理装置とプログラムとの協働でも実現される。本発明に係るプログラムは、複数の収音機器が生成した各チャネルの音響信号について雑音成分を抽出する雑音抽出処理と、雑音成分に含まれる定常雑音を推定する定常雑音推定処理と、定常雑音のスペクトルを減算係数に応じた度合で各チャネルの音響信号のスペクトルから減算する第1雑音抑圧処理と、各チャネルの雑音成分のスペクトルから定常雑音のスペクトルを減算することで非定常雑音のスペクトルを推定する非定常雑音推定処理と、目的音成分を強調するフィルタ係数を非定常雑音のスペクトルから生成する係数設定処理と、第1雑音抑圧処理の実行後の複数のチャネルの音響信号に対するフィルタ係数を適用した第2雑音抑圧処理と、音響信号の強度の度数分布における尖度が第1雑音抑圧処理の実行前と第2雑音抑圧処理の実行後とで変化する度合を示す尖度変化指標を算定する指標算定処理と、尖度変化指標に応じて前記減算係数を可変に制御する係数調整処理とをコンピュータに実行させる。以上のプログラムによれば、本発明の各態様に係る雑音抑圧装置と同様の作用および効果が相される。なお、本発明に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態でサーバ装置から提供されてコンピュータにインストールされる。
実施形態に係る雑音抑圧装置のブロック図である。 音響信号の強度の度数分布における尖度の変化を説明するための概念図である。 指向性アレイ処理の作用を説明するための概念図である。 減算係数と尖度変化指標との関係を示すグラフである。 減算係数と雑音抑圧率との関係を示すグラフである。 雑音抑圧装置の動作のフローチャートである。 実施形態の効果を説明するためのグラフである。 実施形態の効果を説明するためのグラフである。 変形例に係る雑音抽出部のブロック図である。 変形例に係る雑音抽出部のブロック図である。
図1は、本発明のひとつの形態に係る雑音抑圧装置100のブロック図である。相互に所定の間隔をあけて平面PL内に配置されたJ個(Jは2以上の自然数)の収音機器12[1]〜12[J](マイクアレイ)が雑音抑圧装置100に接続される。収音機器12[j](j=1〜J)は、周囲から到来する音響の波形を表す時間領域の音響信号V[j]を生成する。記号jは、音響信号V[j]のチャネルの番号である。
目的音成分と雑音成分との混合音が周囲から収音機器12[1]〜12[J]に到来する。目的音成分は、収音の目的となる音響(音声や楽音)である。目的音成分は、平面PLの法線に対して既知の角度ξをなす方向から収音機器12[1]〜12[J]に到来する。例えば、利用者の音声を入力する電子機器(例えば携帯電話機)に雑音抑圧装置100が搭載された場合を想定すると、電子機器の本体に対して正面の方向(ξ=0°)から到来する音声が目的音成分に相当する。
他方、雑音成分は、目的音成分以外の成分であり、定常雑音と非定常雑音とを含み得る。定常雑音は、音響的な特性(例えば音圧)の経時的な変化が少ない(あるいは経時的に変化しない)成分である。例えば、空調設備の動作音や人混み内での雑踏音が定常雑音に相当する。他方、非定常雑音は、音響的な特性が経時的に刻々と変化する成分(瞬時性雑音)である。例えば、目的音成分以外の音声(発話音)や楽音が非定常雑音に相当する。
雑音抑圧装置100は、雑音成分(定常雑音および非定常雑音)を抑圧するための処理を音響信号V[1]〜V[J]に対して実行することで時間領域の音響信号VOUTを生成する。雑音抑圧装置100が生成した音響信号VOUTは、放音機器14(例えばスピーカやヘッドホン)に供給されることで音響として再生される。なお、音響信号V[1]〜V[J]をデジタル信号に変換するA/D変換器や、音響信号VOUTをアナログ信号に変換するD/A変換器の図示は便宜的に省略されている。
雑音抑圧装置100は、記憶装置(図示略)に格納されたプログラムを実行することで複数の機能(周波数分析部22,雑音抽出部24,定常雑音推定部26,第1雑音抑圧部32,非定常雑音推定部34,フィルタ処理部40,波形合成部52,抑圧制御部60)を実行する演算処理装置で実現される。ただし、雑音の抑圧に専用される電子回路(DSP)が図1の各要素を実現する構成や、図1の各要素が複数の集積回路に分散された構成も採用される。
周波数分析部22は、音響信号V[j]を時間軸上で区分した各フレームのスペクトル(パワースペクトル)X[j](X[1]〜X[J])を音響信号V[1]〜V[J]のチャネル毎に生成する。スペクトルX[j]は、周波数軸上に離散的に設定された所定個の周波数の各々における強度(パワー)の系列である。スペクトルX[j]の生成には公知の技術(例えば短時間フーリエ変換)が任意に採用される。
雑音抽出部24は、各チャネルの音響信号V[j]に含まれる雑音成分をフレーム毎に抽出する。具体的には、雑音抽出部24は、雑音成分のスペクトル(パワースペクトル)N[j](N[1]〜N[J])をフレーム毎に生成する。音響信号V[j]のうち目的音成分が存在しない雑音区間内では、スペクトルX[j]が雑音成分のスペクトルN[j]に合致する。そこで、雑音抽出部24は、音響信号V[j](スペクトルX[j]の時系列)を時間軸上で目的音区間と雑音区間とに区分し、雑音区間内の各フレームのスペクトルX[j]を雑音成分のスペクトルN[j]として特定する。目的音区間と雑音区間との区別には、公知の音声検出(VAD:voice activity detection)技術が任意に採用される。
定常雑音推定部26は、雑音抽出部24が抽出した各チャネルの雑音成分に含まれる定常雑音を推定する。定常雑音は、前述のように雑音成分のうち時間的に定常な成分である。そこで、定常雑音推定部26は、雑音抽出部24が生成した雑音成分のスペクトルN[j]を雑音区間内の複数のフレームにわたって平均(時間平均)することで定常雑音のスペクトル(パワースペクトル)Nw[j](Nw[1]〜Nw[J])を生成する。スペクトルN[j]を平均することで非定常雑音はスペクトルNw[j]から除去される。定常雑音のスペクトルNw[j]は雑音区間毎に順次に更新される。すなわち、目的音区間内では直前の雑音区間にて推定されたスペクトルNw[j]が維持される。
第1雑音抑圧部32は、音響信号V[j]に含まれる定常雑音を周波数領域でチャネル毎に抑圧する。図1に示すように、第1雑音抑圧部32は、音響信号V[1]〜V[J]のチャネルの総数に相当するJ個の減算部SA[1]〜SA[J]を含んで構成される。第j番目のチャネルに対応する減算部SA[j]は、音響信号V[j]のスペクトルX[j]から定常雑音のスペクトルNw[j]を周波数領域にて減算(スペクトル減算)することでフレーム毎にスペクトル(パワースペクトル)Y[j](Y[1]〜Y[J])を生成する。具体的には、減算部SA[j]は、以下の数式(1a)および数式(1b)の演算でスペクトルY[j]を算定する。
Figure 0005207479
すなわち、音響信号V[j]のスペクトルX[j]が閾値Th1を上回る周波数については、数式(1a)に示すように、定常雑音のスペクトルNw[j]と減算係数αとの乗算値をスペクトルX[j]から減算することでスペクトルY[j]が算定される。他方、音響信号V[j]のスペクトルX[j]が閾値Th1を下回る周波数については、数式(1b)に示すように、定常雑音のスペクトルX[j]とフロアリング係数βとの乗算でスペクトルY[j]が算定される。閾値Th1は、例えば、減算係数αとスペクトルNw[j]との乗算値に設定される。数式(1a)および数式(1b)から理解されるように、減算係数αは、雑音成分(定常雑音)の抑圧の度合を決定する数値として機能する。すなわち、減算係数αが大きいほど定常雑音の抑圧の効果(雑音抑圧の性能)は増加する。
非定常雑音推定部34は、各チャネルの音響信号V[j]に含まれる非定常雑音のスペクトル(パワースペクトル)Nd[j](Nd[1]〜Nd[J])をフレーム毎に推定する。図1に示すように、非定常雑音推定部34は、音響信号V[1]〜V[J]のチャネルの総数に相当するJ個の減算部SB[1]〜SB[J]を含んで構成される。
雑音成分は定常雑音と非定常雑音との混合音である。そこで、第j番目のチャネルに対応する減算部SB[j]は、雑音抽出部24が特定した雑音区間内の各フレームのスペクトルN[j]から定常雑音のスペクトルNw[j]を周波数領域にて減算(スペクトル減算)することで、雑音区間内のフレーム毎に非定常雑音のスペクトルNd[j](Nd[1]〜Nd[J])を生成する。目的音区間内の各フレームについては、直前の雑音区間内の最後のフレームのスペクトルNd[j]が減算部SB[j]から継続的に出力される。
なお、以上の説明のように、目的音区間内の各フレームにおける非定常雑音は目的音区間内から直接的には抽出されない。しかし、目的音成分が例えば1人の発声者の音声であるような場合には、非定常雑音の変動の速度に対して充分に短い時間で雑音区間と目的音区間とが交互に切換わる。したがって、雑音区間内の各フレームから抽出されたスペクトルNd[j]を目的音区間内の非定常雑音のスペクトルNd[j]として利用するとは言っても、雑音抑圧の精度が過度に低下することはない。
演算部SB[j]によるスペクトルNd[j]の算定には以下の数式(2a)および数式(2b)が適用される。
Figure 0005207479
すなわち、雑音成分のスペクトルN[j]が閾値Th2(例えば係数δとスペクトルNw[j]との乗算値)を上回る周波数については、数式(2a)に示すように、定常雑音のスペクトルNw[j]と係数δとの乗算値を雑音成分のスペクトルN[j]から減算することでスペクトルNd[j]が算定される。他方、スペクトルN[j]が閾値Th2を下回る周波数については、数式(2b)に示すように、非定常雑音のスペクトルNd[j]は所定値εに設定される。所定値εは、例えば、雑音成分のスペクトルN[j]と所定の係数との乗算値に設定される。
音響信号V[j]には目的音成分と定常雑音と非定常雑音とが混在するから、第1雑音抑圧部32による定常雑音の抑圧後のスペクトルY[j]は、目的音成分と非定常雑音とを含む。フィルタ処理部40は、目的音成分を強調した(非定常雑音を抑圧した)音響信号VOUTのスペクトル(パワースペクトル)Zを定常雑音の抑圧後のスペクトルY[1]〜Y[J]からフレーム毎に順次に生成する。波形合成部52は、フィルタ処理部40が生成した各フレームのスペクトルZを逆フーリエ変換で時間領域の信号に変換し、相前後する各フレームの変換後の信号を時間軸上で相互に連結することで音響信号VOUTを生成する。音響信号VOUTの生成には音響信号V[1]〜V[J]の何れかの位相スペクトルが適用される。
図1に示すように、フィルタ処理部40は、第2雑音抑圧部42と係数設定部44とを含んで構成される。第2雑音抑圧部42は、目的音成分を強調するための信号処理(フィルタ処理)を、第1雑音抑圧部32による処理後のスペクトルY[1]〜Y[J]に対して実行することでフレーム毎にスペクトルZを生成する。第2雑音抑圧部42が実行する信号処理は、目的音成分が強調されるように設定されたフィルタ係数Wを適用した指向性アレイ処理である。目的音成分が到来する方向(角度ξ)に指向するビーム(収音の感度が高い領域)を形成するフィルタ処理、または、雑音成分(非定常雑音)が到来する方向に死角が設定されたビームを形成するフィルタ処理が、指向性アレイ処理として好適に採用される。具体的には、第2雑音抑圧部42は、フィルタ係数Wに応じた遅延をスペクトルY[1]〜Y[J]に付加したうえで加算する遅延和アレイ処理を実行する。
係数設定部44は、第2雑音抑圧部42の処理に適用されるフィルタ係数Wを生成する。具体的には、係数設定部44は、非定常雑音推定部34が生成した非定常雑音のスペクトルNd[1]〜Nd[J]を利用した適応型ビームフォーマで目的音成分の強調用のフィルタ係数Wを生成する。例えば、角度ξの方向から到来する目的音成分の強度を維持したまま当該方向からの雑音成分(非定常雑音)の強度を最小化するようにフィルタ係数Wを決定するMVDR(minimum variance distortionless response)が適応型ビームフォーマとして好適に採用される。
具体的には、係数設定部44は、以下の数式(3)の演算で各周波数fq(q=1,2,……)のフィルタ係数W(fq)を算定する。フィルタ係数W(fq)の生成は、例えばフレーム毎に順次に実行される。
Figure 0005207479
数式(3)の記号RNN(fq)は、スペクトルNd[1]〜Nd[J]の各々における周波数fqの成分の強度の共分散行列である。すなわち、共分散行列RNN(fq)は、スペクトルNd[1]〜Nd[J]の各々における周波数fqでの強度Nd[1](fq)〜Nd[J](fq)を要素とするベクトルvN(fq)(vN(fq)=[Nd[1](fq),Nd2(fq),……,Nd[J](fq)]T)を利用して以下の数式(4)で定義される(記号Tは転置を意味する)。
RNN(fq)=E[vN(fq)vN(fq)H] ……(4)
数式(3)や数式(4)の記号Hは行列の転置(エルミート転置)を意味する。また、数式(4)の記号E[ ]は、現在のフレームを含む所定個のフレーム(例えば、現在のフレームから過去の所定個のフレーム)にわたる平均値(期待値)または加算値を意味する。数式(3)のフィルタ係数W(fq)の算定に利用される共分散行列RNN(fq)の逆行列が存在するように、数式(2b)の所定値εは、好適にはゼロ以外の数値に設定される。
数式(3)の記号dξ(fq)は、角度ξの方向から到来する周波数fqの音波(平面波)が収音機器12[1]〜12[J]の各々に到来する時間差を示すJ行1列の方向制御ベクトル(steering vector)である。係数設定部44は、目的音成分が到来する既知の角度ξに応じて数式(3)の方向制御ベクトルdξ(fq)を生成する。なお、角度ξが未知である場合、係数設定部44は、目的音成分の角度ξを推定したうえで方向制御ベクトルdξ(fq)を生成する。角度ξの推定には、MUSIC法やESPRIT法などの公知の技術が任意に採用される。また、指向性アレイ処理(遅延和アレイ処理)で複数の方向にビームを形成し、音響信号V[1]〜V[J]の音量が最大となるビームの方向を角度ξとして特定する方法(ビームフォーマ法)も好適である。以上の手順で生成されたフィルタ係数W(fq)を第2雑音抑圧部42による指向性アレイ処理に適用することで、目的音成分が強調されたスペクトルZがフレーム毎に順次に生成される。
ところで、第1雑音抑圧部32が音響信号V[j]のスペクトルX[j]から定常雑音のスペクトルNw[j]を周波数領域で減算する処理(スペクトル減算)は、時間軸上および周波数軸上に分散的に分散する高強度の成分(孤立点)を発生させ、人工的で耳障りなミュージカルノイズの原因となる。スペクトル減算に起因したミュージカルノイズの発生について以下に詳述する。
図2の部分(A)は、第1雑音抑圧部32による処理前の所定個のフレームにわたるスペクトルX[j]の強度の度数分布(強度を確率変数とする確率密度関数)FAのグラフである。図2の部分(A)に示すように、スペクトル減算前に各強度が分布する度数(確率)は、強度がゼロから増加するほど減少するように非線形に分布する。他方、図2の部分(B)は、第1雑音抑圧部32による処理後の所定個のフレームにわたる強度(例えばスペクトルY[j]やスペクトルZの強度)の度数分布FBのグラフである。強度がゼロに近い数値となる度数(確率)は第1雑音抑圧部32による減算で増加するから、スペクトル減算後の度数分布FBのうち強度がゼロに近い数値となる区間内の分布は、スペクトル減算前の度数分布FAと比較して急峻な形状となる。
いま、度数分布の形状(傾斜の急峻度)の尺度として尖度(kurtosis)を導入すると、スペクトル減算後の信号強度の度数分布FBの尖度KBは、スペクトル減算前の信号強度の度数分布FAの尖度KAと比較して大きい数値となる(KB>KA)。尖度がガウス性の尺度であることを考慮すると、音響信号V[j]のうち強度の度数分布のガウス性が高い定常雑音が第1雑音抑圧部32にて抑圧されることで度数分布の非ガウス性が増加すると理解される。ミュージカルノイズは非ガウス性が強い雑音(ゼロの付近の強度の度数が高い雑音)であるから、スペクトル減算の前後で尖度が増加するほどミュージカルノイズが顕在化するという傾向がある。
したがって、信号強度の度数分布における尖度がスペクトル減算の前後で変化する度合(以下「尖度変化指標」という)KRは、スペクトル減算に起因してミュージカルノイズが発生する程度の定量的な指標として機能する。スペクトル減算前の尖度KAに対するスペクトル減算後の尖度KBの相対比(尖度比)を以下では尖度変化指標KR(KR=KB/KA)として例示する。以上の定義から理解されるように、尖度変化指標KRが大きい(尖度の変化が大きい)ほどミュージカルノイズは顕著となる。
図3の部分(A)および部分(B)は、尖度変化指標KRを周波数毎(縦軸)毎に図示したグラフ(分布図)である。網掛の濃度が濃い領域ほど尖度変化指標KRが大きい(ミュージカルノイズが発生し易い)ことを意味する。図3の部分(A)の尖度変化指標KRは、第1雑音抑圧部32による処理前のスペクトルX[j]の強度の度数分布における尖度Kx(スペクトルX[1]〜X[J]の平均値)と、第1雑音抑圧部32による処理の直後のスペクトルY[j]の強度の度数分布における尖度Ky(スペクトルY[1]〜Y[J]の平均値)との相対比(Ky/Kx)である。他方、図3の部分(B)の尖度変化指標KRは、第1雑音抑圧部32による処理前のスペクトルX[j]の強度の度数分布における尖度Kxと、第2雑音抑圧部42による指向性アレイ処理後のスペクトルZの強度の度数分布における尖度Kz(スペクトルZ[1]〜Z[J]の平均値)との相対比(Kz/Kx)である。すなわち、尖度変化指標KRは、第2雑音抑圧部42による指向性アレイ処理で、図3の部分(A)から図3の部分(B)に変化する。
図3の尖度変化指標KRは、方向性雑音と拡散性雑音とを混合した雑音成分(白色ガウス雑音)を発生させたときの測定値である。方向性雑音は、ひとつの方向(狭い範囲)から収音機器12[1]〜12[J]に対して指向的に到来する雑音成分であり、拡散性雑音は、複数の方向から拡散的に収音機器12[1]〜12[J]に到来する雑音成分である。図3の部分(A)および部分(B)における横軸は、拡散性雑音の強度に対する方向性雑音の強度の相対比(以下「方向性指標」という)Dを意味する。方向性指標Dが大きいほど方向性雑音が支配的となり(方向性が強くなり)、方向性指標Dが小さいほど拡散性雑音が支配的となる(拡散性が強くなる)。
図1におけるフィルタ処理部40の指向性アレイ処理(遅延和アレイ処理)は信号の非ガウス性を減少させるように作用するから(中心極限定理)、図3に示すように、雑音成分の拡散性が強い場合には、スペクトル減算後の指向性アレイ処理で尖度変化指標KRは充分に減少する。すなわち、雑音成分の拡散性が強い場合には指向性アレイ処理でミュージカルノイズが充分に抑制される。他方、雑音成分の方向性が強い場合には、図3に示すように、尖度変化指標KRが、指向性アレイ処理後もスペクトル減算の直後と同等の高い数値を維持する、という傾向がある。すなわち、雑音成分の方向性が強い場合には、指向性アレイ処理がミュージカルノイズの抑制に寄与し難い。図3に示すように、周波数の広い範囲にわたって以上の傾向は同様に現れる。
次に、図4は、数式(1a)の減算係数α(横軸)と尖度変化指標KR(縦軸)との関係を方向性指標D毎に図示したグラフである。また、図5は、数式(1a)の減算係数α(横軸)と雑音抑圧率NRR(縦軸)との関係を方向性指標D毎に図示したグラフである。図4および図5の各々においては、雑音成分が拡散性雑音のみである場合(D=−∞)と、拡散性雑音と方向性雑音とが同比率で混合された場合(D=0)と、方向性雑音が支配的である場合(D=20)とが想定されている。
図4の尖度変化指標KRは、図3の部分(B)と同様に、第1雑音抑圧部32による処理前(スペクトルX[j])の尖度Kxと第2雑音抑圧部42による指向性アレイ処理後(スペクトルZ)の尖度Kzとの相対比(Kz/Kx)である。ただし、図4の尖度変化指標KRは、周波数の全域にわたる平均値である。また、図5の雑音抑圧率NRRは、雑音抑圧装置100による処理後の音響信号VOUTのSN比ROUTと処理前の音響信号V[j]のSN比RINとの差分である(NRR=ROUT−RIN)。したがって、雑音抑圧率NRRが高いほど雑音抑圧の効果(性能)が高いと評価できる。図4および図5に示すように、減算係数αが大きいほど、ミュージカルノイズが発生し易くなる(図4において尖度変化指標KRが増加する)とともに雑音抑圧の効果が増加する(図5において雑音抑圧率NRRが増加する)という傾向がある。
図4から理解されるように、雑音成分の方向性が強い場合(例えばD=20)には、雑音成分の拡散性が強い場合(例えばD=−∞)と比較すると、減算係数αを増加させることで尖度変化指標KRが大きく増加する。他方、図5から理解されるように、雑音成分の方向性が強い場合には、雑音成分の拡散性が強い場合と比較すると、減算係数αが小さい場合でも雑音抑圧率NRRは充分に高い。つまり、図1の構成のもとでは、雑音成分の方向性が強い場合に、ミュージカルノイズが抑制されるように減算係数αを小さい数値に設定した場合でも雑音抑圧率NRRは高い水準に維持される。
また、図5から理解されるように、雑音成分の拡散性が強い場合(例えばD=−∞)には、雑音成分の方向性が強い場合と比較して雑音抑圧率NRRは低い。他方、雑音成分の拡散性が強い場合には、図3を参照して説明したように第2雑音抑圧部42による指向性アレイ処理でミュージカルノイズが有効に低減されるから、図4に示すように、減算係数αを大きい数値に設定した場合でも尖度変化指標KRは小さい(すなわちミュージカルノイズは発生し難い)。つまり、図1の構成のもとでは、雑音成分の拡散性が強い場合に、雑音抑圧率NRRを高く維持するために減算係数αを大きい数値に設定した場合でもミュージカルノイズは有効に抑制される。
以上の傾向を考慮して、図1の抑圧制御部60は、尖度変化指標KRに応じて減算係数αを可変に制御する。図1に示すように、抑圧制御部60は、指標算定部62と係数調整部64とを含んで構成される。指標算定部62は、フレーム毎に尖度変化指標KRを算定する。尖度変化指標KRの算定について以下に詳述する。
尖度κは、n次のモーメントμnから以下の数式(5)で算定される高次統計量である。
Figure 0005207479
M個の強度x1〜xMの度数分布(確率密度関数)は、以下の数式(6)の関数Ga(x;k,θ)で近似される。
Figure 0005207479

数式(6)の係数Cは、ガンマ関数Γ(k)を利用して以下のように定義される。
Figure 0005207479
2次のモーメントμ2の定義式における分布関数(確率密度関数)P(x)を数式(6)の関数Ga(x;k,θ)に置換することで以下の数式(7)が導出される。
Figure 0005207479
2次のモーメントμ2の導出と同様に、4次のモーメントμ4の定義式における分布関数P(x)を数式(6)の関数Ga(x;k,θ)に置換することで以下の数式(8)が導出される。
Figure 0005207479
数式(7)の2次のモーメントμ2と数式(8)の4次のモーメントμ4とを数式(5)に代入すると、尖度κを定義する以下の数式(9)が導出される。
Figure 0005207479
図1の指標算定部62は、尖度変化指標KRの算定の対象となるフレームを含む所定個(当該フレームから過去の所定個)のフレームにわたるスペクトルX[1]〜X[J]のM個の強度x1〜xMについて数式(9)の演算を実行することでスペクトル減算前の尖度Kxを算定し、尖度変化指標KRの算定の対象となるフレームを含む所定個のフレームにわたるスペクトルZのM個の強度x1〜xMについて数式(9)の演算を実行することで指向性アレイ処理後の尖度Kzを算定する。そして、指標算定部62は、尖度Kxに対する尖度Kzの相対比を尖度変化指標KR(KR=Kz/Kx)として算定する。
図1の係数調整部64は、指標算定部62が算定した尖度変化指標KRに応じて減算係数αを可変に設定する。具体的には、係数調整部64は、尖度変化指標KRが目標値K0に近づくように減算係数αを設定する。図4に示したように、減算係数αを増加させると尖度変化指標KRは増加する。係数調整部64は、尖度変化指標KRが目標値K0を上回るまで減算係数αを増加させる(雑音抑圧の度合を増加させる)。すなわち、目標値K0は、スペクトル減算に起因したミュージカルノイズが許容されるべき度合を示す数値(許容値)に相当する。目標値K0は、例えば、利用者からの指示(利用者がミュージカルノイズを許容できる度合)に応じて可変に設定される。ただし、目標値K0は所定の固定値に設定され得る。
図6は、減算係数αの調整に着目した雑音抑圧装置100の動作のフローチャートである。図6の処理は所定の周期(例えば所定個のフレーム)毎に順次に実行される。図6の処理が開始すると、係数調整部64は、減算係数αを所定値(例えばゼロ)に初期化する(S1)。次いで、第m番目のフレーム(現在のフレーム)について、減算係数αを適用したスペクトル減算で第1雑音抑圧部32がスペクトルY[1]〜Y[J]を生成し(S2)、スペクトルY[1]〜Y[J]に対する指向性アレイ処理で第2雑音抑圧部42がスペクトルZを生成する(S3)。ステップS3で生成されたスペクトルZは波形合成部52に出力される。指標算定部62は、第m番目のフレームのスペクトルX[1]〜X[J]とスペクトルZとから尖度変化指標KRを算定する(S4)。
次いで、係数調整部64は、ステップS4で算定された尖度変化指標KRが目標値K0を上回るか否かを判定する(S5)。尖度変化指標KRが目標値K0を下回る場合、係数調整部64は、現在の減算係数αと所定値Δαとの加算値を更新後の減算係数αとして算定する(S6)。ステップS6に続くステップS2では、更新後の減算係数αを適用したスペクトル減算が次(第(m+1番目)のフレームについて実行される。すなわち、第1雑音抑圧部32は、更新後の減算係数αに応じて、第(m+1)番目のフレームの各スペクトルX[j]から定常雑音のスペクトルNw[j]を減算する。
以上のように、減算係数αの更新(S6)と、更新後の減算係数αを適用したスペクトル減算(S2)と、スペクトル減算後の指向性アレイ処理(S3)と、尖度変化指標KRの算定(S4)とが順次に反復される。したがって、尖度変化指標KRが目標値K0に順次に近づくようにフレーム毎に減算係数αが所定値Δαずつ順次に増加する。そして、尖度変化指標KRが目標値K0を上回ると(S5:YES)、図6の処理は終了する。すなわち、直前のステップS6における更新後の減算係数αが、次回の図6の処理の開始まで維持される。
図7は、方向性指標D(横軸)と尖度変化指標KR(縦軸)との関係を示すグラフであり、図8は、方向性指標D(横軸)と雑音抑圧率NRR(縦軸)との関係を示すグラフである。図7および図8においては、尖度変化指標KRが目標値K0(K0=1.4)に近づくように図6の処理で減算係数αを制御した場合(実線)と、減算係数αを1に固定した場合(破線)と、減算係数αを2に固定した場合(鎖線)とが併記されている。
以上の形態においては、第1雑音抑圧部32のスペクトル減算に起因したミュージカルノイズが目標値K0に応じた度合に抑制される(尖度変化指標KRが目標値K0に近づく)ように、係数調整部64が減算係数αを可変に制御する。雑音成分が拡散性雑音を豊富に含む場合(方向性指標Dが小さい場合)には、図4を参照して説明したように、減算係数αを増加させた場合でも尖度変化指標KRは増加し難い(ミュージカルノイズは発生し難い)から、減算係数αは自動的に大きい数値に調整される。したがって、目標値K0に応じた度合にミュージカルノイズを抑制しながら、図8に示すように、減算係数αを2に固定した場合と同等の高い雑音抑圧率NRRを達成できる。
他方、雑音成分が方向性雑音を豊富に含む場合(方向性指標Dが大きい場合)には、図4を参照して説明したように、減算係数αの増加とともに尖度変化指標KRは増加し易い(ミュージカルノイズは発生し易い)から、減算係数αは自動的に小さい数値に調整される。しかし、方向性雑音が豊富な場合には、図5を参照して説明したように、減算係数αが小さい場合でも高い雑音抑圧率NRRが達成される。したがって、減算係数αを1に固定した場合と同等の雑音抑圧率NRRを維持しながら、図7に示すように、効果的にミュージカルノイズを抑制できる。すなわち、本実施形態によれば、減算係数αを所定値に固定した場合と比較すると、方向性雑音および拡散性雑音の何れが多い環境でも、ミュージカルノイズの抑制(音質の向上)と雑音抑圧率NRRの向上(SN比の向上)とを両立できるという利点がある。
例えば、雑音抑圧装置100を搭載した携帯電話機を駅構内や展示会場などの空間内で利用する場合を想定する。空調設備の動作音は拡散性雑音として携帯電話機に到達する。また、携帯電話機から遠い位置にある音源からの放射音(例えば、他の利用者の音声や歩行音、あるいは放送用のスピーカからの音響)も、空間内の壁面や床面で反射することで拡散性雑音として携帯電話機に到達する。他方、携帯電話機の近くにいる他の利用者の発声音や歩行音は方向性雑音として間欠的に携帯電話機に到来する。すなわち、駅構内や展示会場などの空間は、方向性雑音と拡散性雑音とが短時間に切換わる典型的な環境である。以上のような環境でも、図1の雑音抑圧装置100によれば、方向性雑音が支配的である期間および
拡散性雑音が支配的である期間の双方において、ミュージカルノイズの抑制と雑音抑圧率NRRの向上とを両立しながら雑音成分(定常雑音および非定常雑音)を効果的に抑圧することが可能である。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合される。
(1)変形例1
フィルタ係数Wの算定には、MVDR以外にも、公知の適応型ビームフォーマが任意に利用される。例えば、指向性アレイ処理後の音響信号VOUTのSN比が最大となるようにフィルタ係数Wを決定するSNR最大化ビームフォーマが好適に採用される。具体的には、以下の数式(10)で表現される固有値問題のもとで固有値が最大となる固有ベクトルを、係数設定部44はフィルタ係数W(fq)として算定する。
β・SNN(fq)K(fq)=SXX(fq)K(fq) ……(10)
数式(10)の記号SXX(fq)は、目的音成分のうち周波数fqの成分の強度の共分散行列を意味し、数式(10)の記号SNN(fq)は、雑音成分のうち周波数fqの成分の強度の共分散行列を意味する。目的音成分の共分散行列SXX(fq)は、例えば、雑音抽出部24が検出した目的音区間内のスペクトルX[1]〜X[J]の各々における周波数fqでの強度から、数式(4)と同様の方法で算定される。また、例えば非定常雑音のスペクトルNd[1]〜Nd[J]から数式(4)で算定される共分散行列RNN(fq)が数式(10)の共分散行列SNN(fq)として適用される。SNR最大化ビームフォーマを利用した場合、目的音成分の方向(角度ξ)を特定する必要がないという利点がある。
(2)変形例2
以上の形態においては、図6を参照して説明したように、減算係数αをフレーム毎に順次に更新する方法(すなわち、複数のフレームにわたって減算係数αを徐々に最適値に近づける方法)を例示したが、図6のステップS2からステップS6の処理を1個のフレームについて複数回にわたり反復することで、減算係数αをフレーム毎に最適値に設定する構成も採用される。もっとも、図6のように減算係数αをフレーム毎に段階的に更新する方法によれば、減算係数αを各フレームについて個別に最適化する方法と比較して、雑音抑圧装置100の処理量が大幅に削減されるという利点がある。
また、以上の形態においては、第1雑音抑圧部32によるスペクトル減算と第2雑音抑圧部42によるフィルタ処理(指向性アレイ処理)とを実際に実行しながら、尖度変化指標KRが目標値K0に近づくように減算係数αを制御したが、尖度変化指標KRが目標値K0に近づくように減算係数αを解析的に算定する(すなわち、第1雑音抑圧部32や第2雑音抑圧部42を実際には動作させずに減算係数αを算定する)ことも可能である。具体的には、減算係数αを適用したスペクトル減算とフィルタ係数Wを適用したフィルタ処理とで算定されるスペクトルZに残留する雑音成分の強度(2次統計量)と、スペクトル減算前およびフィルタ処理後の尖度変化指標KR(4次統計量)との関係を表現する数式(反復式)を定義し、尖度変化指標KRが目標値K0に維持するという条件のもとでスペクトルZの雑音成分の強度を最大化する減算係数αを算定する(4次統計拘束のもとでの2次統計量最適化)。以上の構成によっても図1の構成と同様の効果が実現される。
(3)変形例3
以上の形態においては、雑音区間から推定した非定常雑音のスペクトルNd[j]を目的音区間における非定常雑音のスペクトルNd[j]として流用したが、目的音区間内の非定常雑音のスペクトルNd[j]を目的音区間内の各フレームから直接的に特定する構成も採用され得る。例えば、図1の雑音抽出部24を図9の雑音抽出部24Bや図10の雑音抽出部24Cに置換した構成が採用される。
図9の雑音抽出部24Bは、目的音成分が到来する方向(角度ξ)に収音の死角(感度が低い領域)を形成する死角制御型のビームフォーマとして機能する。例えば、目的音成分の角度ξがゼロである場合、雑音抽出部24Bは、図9に示すように、J個の収音機器12[1]〜12[J](J個のチャネル)のうち相隣接する2個の収音機器12の各組合せに対応する(J-1)個の減算器72[1]〜72[J-1]を含んで構成される。減算器72[j]は、音響信号V[j](スペクトルX[j])から音響信号V[j+1](スペクトルX[j+1])を減算することで角度ξからの目的音成分を抑圧する。したがって、雑音成分のスペクトルN[1]〜N[J-1]が雑音抽出部24Bから出力される。
図10の雑音抑圧部24Cは、J個の収音機器12[1]〜12[J]のうち相隣接する2個の収音機器12の各組合せに対応する(J-1)個の分離部74[1]〜74[J-1]を含んで構成される。分離部74[j]は、音響信号V[j](スペクトルX[j])と音響信号V[j+1](スペクトルX[j+1])とを利用した独立成分分析(ICA)で雑音成分のスペクトルN[j]を生成する。具体的には、分離部74[j]は、目的音成分と雑音成分とが統計的に独立となるように設定された分離行列を音響信号V[j]および音響信号V[j]のフィルタ処理(音源分離)に適用することで雑音成分を抽出する。したがって、雑音成分のスペクトルN[1]〜N[J-1]が雑音抽出部24Cから出力される。
図9および図10の何れの構成においても、定常雑音推定部26は、スペクトルN[1]〜N[J-1]の各々の時間平均で(J-1)系統のスペクトルNw[1]〜Nw[J-1]を生成する。そこで、第1雑音抑圧部32は、J個のチャネルの音響信号V[1]〜V[J]のうちの(J-1)個の音響信号V[j](例えば音響信号V[1]〜V[J-1])からスペクトルNw[j]を減算することで、(J-1)系統のスペクトルY[1]〜Y[J-1]を生成する。他方、非定常雑音推定部34は、スペクトルN[1]〜N[J-1]の各々から定常雑音のスペクトルNw[j]を減算することで(J-1)系統のスペクトルNd[1]〜Nd[J-1]を生成する。したがって、係数設定部44が数式(3)の演算で生成するフィルタ係数Wは(J-1)行1列の行列となる。第2雑音抑圧部42は、第1雑音抑圧部32が生成した(J-1)系統のスペクトルY[1]〜Y[J-1]についてフィルタ係数Wを適用したフィルタ処理を実行する。
図9および図10の構成によれば、非定常雑音のスペクトルNd[1]〜Nd[J-1]が目的音区間内の各フレームから直接的に抽出されるから、雑音区間内のスペクトルNd[j]を目的音区間に流用する図1の構成と比較すると、非定常雑音を高精度に抑圧できるフィルタ係数Wを設定することが可能である。
(4)変形例4
尖度変化指標KRの定義は以上の例示(尖度Kxと尖度Kzとの相対比)に限定されない。例えば、尖度Kzと尖度Kxとの差分値を尖度変化指標KR(KR=Kz−Kx)として算定する構成や、尖度Kxおよび尖度Kzを変数とする所定の関数の演算値を尖度変化指標KRとして算定する構成(例えば、尖度Kxと尖度Kzとの相対比や差分値の対数値を尖度変化指標KRとして使用する構成)も好適である。また、以上の形態においては音響信号V[1]〜V[J]から尖度Kxを算定したが、J個のチャネルのなかから選択された1個の音響信号V[j]のみから尖度Kxを算定する構成も採用される。
以上の形態においては、尖度Kxに対して尖度Kzが増加するほど尖度変化指標KRが増加する場合を例示したが、尖度Kxに対して尖度Kzが増加するほど尖度変化指標KRが減少するように尖度変化指標KRを定義した構成も採用される。以上の例示から理解されるように、尖度変化指標KRは、信号強度の度数分布における尖度が第1雑音抑圧部32による処理前と第2雑音抑圧部42による処理後とで変化する度合の尺度として包括され、具体的な算定の方法(定義)は任意である。
(5)変形例5
以上の形態では周波数分析部22から波形合成部52までの処理を周波数領域で実行したが、第1雑音抑圧部32によるスペクトル減算以外の処理は適宜に時間領域の信号処理に変更され得る。例えば、時間領域の音響信号V[j]の各強度から指標算定部62が尖度Kxを算定する構成や、時間領域の音響信号VOUTの各強度から指標算定部62が尖度Kzを算定する構成が採用される。また、雑音抽出部24や定常雑音推定部26の処理も時間領域で実行され得る。
(6)変形例6
以上の各形態においては定常雑音のスペクトルNw[j]を音響信号V[j}のチャネル毎に生成したが、複数のチャネルに対して共通のスペクトルNw(例えば図1のスペクトルNw[1]〜Nw[J]の平均)を生成する構成も採用され得る。第1雑音抑圧部32は、スペクトルX[1]〜X[J]の各々から定常雑音の共通のスペクトルNwを減算することでスペクトルY[1]〜Y[J]を生成し、非定常雑音推定部34は、雑音成分のスペクトルN[1]〜N[J]の各々から共通のスペクトルNwを減算することで非定常雑音のスペクトルNd[1]〜Nd[J]を生成する。
100……雑音抑圧装置、12……収音機器、14……放音機器、22……周波数分析部、24……雑音抽出部、26……定常雑音推定部、32……第1雑音抑圧部、34……非定常雑音推定部、40……第2雑音抑圧部、42……第2雑音抑圧部、44……係数設定部、52……波形合成部、60……抑圧制御部、62……指標算定部、64……係数調整部。

Claims (3)

  1. 複数の収音機器が生成した複数のチャネルの音響信号から雑音成分を抑圧する装置であって、
    前記各チャネルの音響信号について雑音成分を抽出する雑音抽出手段と、
    前記雑音成分に含まれる定常雑音を推定する定常雑音推定手段と、
    前記定常雑音のスペクトルを減算係数に応じた度合で前記各チャネルの音響信号のスペクトルから減算する第1雑音抑圧手段と、
    前記各チャネルの雑音成分のスペクトルから前記定常雑音のスペクトルを減算することで非定常雑音のスペクトルを推定する非定常雑音推定手段と、
    目的音成分を強調するフィルタ係数を前記非定常雑音のスペクトルから生成する係数設定手段と、
    前記第1雑音抑圧手段による処理後の複数のチャネルの音響信号について前記フィルタ係数を適用したフィルタ処理を実行する第2雑音抑圧手段と、
    音響信号の強度の度数分布における尖度が前記第1雑音抑圧手段による処理前と前記第2雑音抑圧手段による処理後とで変化する度合を示す尖度変化指標を算定する指標算定手段と、
    前記尖度変化指標に応じて前記減算係数を可変に制御する係数調整手段と
    を具備する雑音抑圧装置。
  2. 前記係数調整手段は、前記尖度変化指標が所定値に近づくように前記減算係数を設定する
    請求項1の雑音抑圧装置。
  3. 複数の収音機器が生成した各チャネルの音響信号について雑音成分を抽出する雑音抽出処理と、
    前記雑音成分に含まれる定常雑音を推定する定常雑音推定処理と、
    前記定常雑音のスペクトルを減算係数に応じた度合で前記各チャネルの音響信号のスペクトルから減算する第1雑音抑圧処理と、
    前記各チャネルの雑音成分のスペクトルから前記定常雑音のスペクトルを減算することで非定常雑音のスペクトルを推定する非定常雑音推定処理と、
    目的音成分を強調するフィルタ係数を前記非定常雑音のスペクトルから生成する係数設定処理と、
    前記第1雑音抑圧処理の実行後の複数のチャネルの音響信号に対する前記フィルタ係数を適用した第2雑音抑圧処理と、
    音響信号の強度の度数分布における尖度が前記第1雑音抑圧処理の実行前と前記第2雑音抑圧処理の実行後とで変化する度合を示す尖度変化指標を算定する指標算定処理と、
    前記尖度変化指標に応じて前記減算係数を可変に制御する係数調整処理と
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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