JP5207359B2 - 金属配位型有機ナノチューブの大量製造法 - Google Patents

金属配位型有機ナノチューブの大量製造法 Download PDF

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    • D01F6/68Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyaminoacids or polypeptides

Description

本発明は、医薬、化成品分野などにおける包接・分離・徐放材料として、あるいはエレクトロニクス分野などにおける触媒・電子・磁気・蛍光など高機能性材料として有用な、金属配位型有機ナノチューブの製造方法に関するものである。
ナノテクノロジーを代表する材料として、0.5〜500ナノメートル(以下nmと記す)の細孔を有するナノチューブ状材料が注目を集めている。
本発明者らは、長鎖炭化水素基とペプチド鎖とを結合させたペプチド脂質の自己集合により形成される有機ナノチューブの合成について検討を進めた結果、該ペプチド脂質と遷移金属イオンとを水中に共存させることにより、ナノメートルサイズの遷移金属配位型の有機ナノチューブが形成することを見出している(特許文献1、非特許文献1)。
特開2004−250797号公報 M.Kogiso, Z.Yong, T.Shimizu, Adv.Mater., 2007, 19, 242
しかしながら、従来の遷移金属配位型の有機ナノチューブの製造方法においては、ペプチド脂質を完全に水に溶解させてから遷移金属イオン水溶液を混合するため、ペプチド脂質を溶解させるための加温や超音波照射などの操作が必要であり、また、ペプチド脂質の溶解度(最大50ミリモル)によって、溶媒の単位容量当たりの製造効率は最大でも5グラム/リットルと限られていた。
また、前記特許文献1及び非特許文献1に記載されたペプチド脂質は、RCO(NHCHCO)OHで表わされるペプチド脂質であるが、下記の一般式(II)で表されるペプチド脂質は、水中では、金属配位性のアミノ基ではなく、金属配位性でないアンモニウム基として存在するため、従来の製造方法では金属配位型有機ナノチューブを形成しなかった。
H(NH−CHR’−CO)NHR (II)
(式中、Rは炭素数7〜25の炭化水素基、R’はアミノ酸側鎖、mは1〜10の整数を表す。)
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、これまで最大でも5グラム/リットルと限られていた金属配位型有機ナノチューブの製造効率を大幅に向上させることを目的とするものである。また、本発明は、水溶液中で金属配位型有機ナノチューブを形成することのなかったアミンを末端にもつ上記一般式(II)で表されるペプチド脂質からも金属配位型有機ナノチューブを製造することを目的とするものでもある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、ペプチド脂質を有機溶媒に懸濁し、金属塩の溶液と混合するだけで、従来の水中の場合よりも10〜100倍の製造効率で、金属配位型有機ナノチューブが形成することを見出し、本発明を完成させるに至った。また、水中では金属配位型有機ナノチューブを形成することがなかった上記一般式(II)で表されるペプチド脂質は、有機溶媒中では金属配位性のアミノ基として存在するため、金属配位型有機ナノチューブを製造することが出来ることが判明した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものであり、以下のとおりのものである。
[1] 下記一般式(I)
RCO(NH−CH −CO)mOH (I)
(式中、Rは炭素数6〜24の炭化水素基mは2又は3を表す。)又は
下記一般式(II)
H(NH−CHCH −CO)mNHR (II)
(式中、Rは炭素数7〜25の炭化水素基mは2又は3を表す。)
で表わされるペプチド脂質を有機溶媒に懸濁させる工程、その懸濁液に金属塩の溶液を混合させる工程、その懸濁液を室温で静置することにより金属配位型有機ナノチューブを生成させる工程、金属配位型有機ナノチューブを懸濁液から回収し、室温で風乾又は減圧乾燥させる工程からなる、金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
[2] 前記金属塩がアルカリ金属塩を除く全ての金属塩である、[1]に記載の金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
[3] 前記一般式(I)におけるRが、炭素数11又は13の炭化水素基、或いは前記一般式(II)におけるRが、炭素数12又は14の炭化水素基である、[1]又は[2]に記載の金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
[] 前記金属配位型有機ナノチューブの平均外径が10〜500nmであり、平均長さが0.1〜100μmである、[1]〜[]のいずれかに記載の金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
[] 前記有機溶媒が、沸点が120℃以下のアルコール類である、[1]〜[]のいずれかに記載の金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
本発明は、ペプチド脂質を溶媒に懸濁させるだけでよいので、これまでペプチド脂質の溶解に必要であった加温や超音波照射などの操作が必要ではなく、またペプチド脂質の溶解度に制限されないため、通常で50〜500グラム/リットルと、水中よりも10〜100倍の製造効率が達成できる。また、水中では金属配位型有機ナノチューブを形成することがなかった一般式(II)で表されるペプチド脂質は、有機溶媒中では金属配位性のアミノ基として存在するため、本発明の製造方法により金属配位型有機ナノチューブを製造することができる。
本発明のペプチド脂質は、長鎖炭化水素基を有するペプチド脂質、すなわち
一般式(I)
RCO(NH-CHR’-CO)OH (I)
又は一般式(II)
H(NH-CHR’-CO)NHR (II)
で表わされるペプチド脂質である。
上記一般式(I)中、Rは、炭素数が6〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数2以下の側鎖が付いてもよい直鎖炭化水素である。この炭化水素基は飽和であっても不飽和であってもよく。不飽和の場合には3個以下の二重結合を含むことが好ましい。Rの炭素数は6〜24、好ましくは10〜16、より好ましくは11もしくは13である。
また、上記一般式(II)中、Rは、炭素数が7〜25の炭化水素基、好ましくは炭素数2以下の側鎖が付いてもよい直鎖炭化水素である。この炭化水素基は飽和であっても不飽和であってもよく。不飽和の場合には3個以下の二重結合を含むことが好ましい。Rの炭素数は7〜25、好ましくは11〜17、より好ましくは12もしくは14である。
上記一般式(I)及び(II)中、R’はアミノ酸側鎖であり、このアミノ酸としては、天然及び非天然のアミノ酸が挙げられ、好ましくはグリシンである。より好ましくはグリシンが二つ以上連続した部分が一ヶ所以上あると良い。
次に、これらのペプチド型脂質を用いて炭化水素基を表面にもつ有機ナノチューブの製造方法について述べる。
本発明では、有機溶媒に、上記一般式(I)又は(II)で表されるペプチド脂質を懸濁し、得られた懸濁液に金属塩の溶液を混合した後、その懸濁液を室温で静置することで、金属配位型有機ナノチューブを生成させるものである。
このペプチド脂質を懸濁させる有機溶媒としては、沸点が120℃以下であるアルコール類を用いることができるが、好ましくはメタノールあるいはエタノールである。アルコール類は単独でもよいし、2種以上の混合であってもよい。
更に、このアルコール類に、芳香族炭化水素類、パラフィン類、塩化パラフィン類、塩化オレフィン類、塩化芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類、含窒素化合物の1種以上を混合した混合溶媒を用いてもよい。この混合溶媒はアルコール類を好ましくは少なくとも10容積%、より好ましくは少なくとも50容積%含む。
また、前記金属塩としては、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属、その他金属(アルミニウム、ゲルマニウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛、ビスマス)、半金属(ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、ポロニウム)など、アルカリ金属以外のすべての金属塩が挙げられる。塩としては酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物などすべての塩が利用可能である。金属塩を溶解させる溶媒は水が好ましいが、水とアルコールの混合溶媒、またはアルコール単独でもよい。
ペプチド脂質の懸濁液と前記金属塩の溶液を混合して得られた懸濁液を、室温で、10分から数時間静置すると、金属配位型有機ナノチューブが生成される。生成に必要な時間はペプチド脂質の濃度、金属塩の種類、溶媒などにより異なる。この際、ペプチド脂質の懸濁液にトリエチルアミンなどの弱塩基を0.1−1当量加えることで、金属配位型有機ナノチューブが生成する速度を上げることが出来る。
本発明においては、この生成した金属配位型有機ナノチューブを、懸濁液から回収し、室温で風乾又は減圧乾燥させることにより、金属配位型有機ナノチューブを得るものであるが、金属配位型有機ナノチューブの回収方法は特に限定されるものではなく、吸引ろ過や遠心分離などの通常の方法が用いられる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[N−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミドの合成]
グリシルグリシンベンジルエステル塩酸塩0.57g(2.2ミリモル)にトリエチルアミン0.31ml(2.2ミリモル)を加えエタノール10mlに溶解した。ここにトリデカンカルボン酸0.46g(2ミリモル)を含むクロロホルム溶液50mlを加えた。この混合溶液を−10℃で冷却しながら1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.42g(2.2ミリモル)を含むクロロホルム溶液20mlを加え、徐々に室温に戻しながら一昼夜撹拌した。反応溶液を10重量%クエン酸水溶液50ml、4重量%炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、純水50mlで洗浄した後、減圧下で濃縮し白色固体(N−(グリシルグリシンベンジルエステル)トリデカンカルボキサミド)0.57g(収率65%)を得た。得られた化合物0.43g(1ミリモル)をジメチルホルムアミド100mlに溶解し、触媒として10重量%パラジウム/炭素を0.5g加え、接触水素還元を行った。6時間後、セライトろ過した後、減圧下で濃縮することにより、N−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミド0.21g(収率60%)を得た。
この物理的性状及び元素分析値(燃焼法による)の測定結果を次に示す。
融点:158℃
元素分析(C18H34N2O4
計算値(%)C63.13、H10.01、N8.18
実測値(%)C62.09、H9.65、N8.25
(実施例2)
[N−(グリシルグリシン)トリデシルアミド塩酸塩の合成]
t−ブチルオキシカルボニル−グリシルグリシン0.51g(2.2ミリモル)にトリエチルアミン0.31ml(2.2ミリモル)を加えエタノール10mlに溶解した。ここにトリデシルアミン0.40g(2ミリモル)を含むクロロホルム溶液50mlを加えた。この混合溶液を−10℃で冷却しながら1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.42g(2.2ミリモル)を含むクロロホルム溶液20mlを加え、徐々に室温に戻しながら一昼夜撹拌した。反応溶液を10重量%クエン酸水溶液50ml、4重量%炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、純水50mlで洗浄した後、減圧下で濃縮しオイル(N−(t−ブチルオキシカルボニル−グリシルグリシン)トリデシルアミド)を得た。得られたオイルをクロロホルム100mlに溶解し、4N塩酸/酢酸エチル10mlを加えてペプチドの脱保護を行った。4時間後、減圧下で濃縮することにより、N−(t−ブチルオキシカルボニル−グリシルグリシン)トリデシルアミド塩酸塩0.19g(収率27%)を得た。
この物理的性状及び元素分析値(燃焼法による)の測定結果を次に示す。
融点:140℃
元素分析(C17H36ClN3O2・1.5H2O)
計算値(%)C54. 6、H10.43、N11.15
実測値(%)C53.81、H10.86、N11.43
(実施例3)
実施例1で得られたN−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミド8.6gを、エタノール200mlに懸濁させた後、硝酸亜鉛(II)の水溶液(5.5g、50ml)を室温大気中で混合した。混合液を、3時間静置した後、吸引濾過し、減圧で乾燥して、固形物9.5gを得た。
得られた固形物について、赤外吸収スペクトルを測定し、1700〜1750cm-1に存在していたペプチド脂質のカルボン酸に由来する吸収帯がほぼ消失し、新たに1570cm-1にカルボキシレートアニオンが亜鉛イオンに配位したことを示す吸収帯が生じたことから、得られた固形物が、N−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミドが金属イオンに配位した物であることがわかる。図1に赤外吸収スペクトルを示す。
また、得られた固形物を電子顕微鏡により観察した。図2に、得られた走査電子顕微鏡写真を示す。その結果、平均外径が100nm程度の亜鉛イオン配位型ナノチューブが形成していることがわかった。
(実施例4)
実施例1で得られたN−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミド8.6gを、メタノール200mlに懸濁させた後、酢酸亜鉛(II)の水溶液(5.5g、50ml)を室温大気中で混合した。混合液を、1日静置した後、吸引濾過し、減圧で乾燥して、固形物9.5gを得た。
実施例3と同様、赤外吸収スペクトルにより、得られた固形物が、N−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミドが金属イオンに配位していることがわかる。
また、得られた固形物を電子顕微鏡により観察した。図3に、得られた走査電子顕微鏡写真を示す。その結果、平均外径が100nm程度の亜鉛イオン配位型ナノチューブが形成していることがわかった。
(実施例5)
実施例1で得られたN−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミド8.6gを、エタノール200mlに懸濁させた後、酢酸亜鉛(II)の水溶液(5.5g、50ml)を室温大気中で混合した。混合液を、3時間静置した後、吸引濾過し、減圧で乾燥して、固形物10gを得た。
実施例3と同様、赤外吸収スペクトルにより、得られた固形物が、N−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミドが金属イオンに配位していることがわかる。
また、得られた固形物を電子顕微鏡により観察した。図4に、得られた走査電子顕微鏡写真を示す。その結果、平均外径が100nm程度の亜鉛イオン配位型ナノチューブが形成していることがわかった。
(実施例6)
実施例1で得られたN−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミド8.6gを、エタノール200mlとトリエチルアミン0.7mlに懸濁させた後、該懸濁液に、硝酸銅(II)の水溶液(5.5g、50ml)を室温大気中で混合した。混合液を、1日静置した後、吸引濾過し、減圧で乾燥して、固形物10gを得た。
実施例3と同様、赤外吸収スペクトルにより、得られた固形物が、N−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミドが金属イオンに配位していることがわかる。
また、得られた固形物を電子顕微鏡により観察した。図5に、得られた走査電子顕微鏡写真を示す。その結果、平均外径が100nm程度の銅イオン配位型ナノチューブが形成していることがわかった。
(実施例7)
実施例1で得られたN−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミド8.6gを、エタノール200mlに懸濁させた後、該懸濁液に、塩化コバルト(II)の水溶液(5.95g、50ml)を室温大気中で混合した。混合液を、1日静置した後、吸引濾過し、減圧で乾燥して、固形物9.5gを得た。
実施例3と同様、赤外吸収スペクトルにより、得られた固形物が、N−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミドが金属イオンに配位していることがわかる。
また、得られた固形物を電子顕微鏡により観察した。図6に、得られた走査電子顕微鏡写真を示す。その結果、平均外径が100nm程度のコバルトイオン配位型ナノチューブが形成していることがわかった。
(実施例8)
実施例1で得られたN−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミド8.6gを、エタノール200mlに懸濁させた後、該懸濁液に、塩化ランタン(III)の水溶液(4.65g、50ml)を室温大気中で混合した。混合液を、3時間静置した後、吸引濾過し、減圧で乾燥して、固形物10gを得た。
実施例3と同様、赤外吸収スペクトルにより、得られた固形物が、N−(グリシルグリシン)トリデカンカルボキサミドが金属イオンに配位していることがわかる。
また、得られた固形物を電子顕微鏡により観察した。図7に、得られた走査電子顕微鏡写真を示す。その結果、平均外径が120nm程度のランタンイオン配位型ナノチューブが形成していることがわかった。
(実施例9)
実施例2で得られたN−(グリシルグリシン)トリデシルアミド塩酸塩1.82gを、エタノール20mlに懸濁させた。該懸濁液に、トリエチルアミン(1.05ml)を加えた後、酢酸亜鉛(II)の水溶液(1.49g、5ml)を室温大気中で混合した。混合液を、3時間静置した後、吸引濾過し、減圧で乾燥して、固形物2gを得た。
実施例3と同様、赤外吸収スペクトルにより、得られた固形物が、N−(グリシルグリシン)トリデシルアミドが金属イオンに配位していることがわかる。
また、得られた固形物を電子顕微鏡により観察した。図8に、得られた走査電子顕微鏡写真を示す。その結果、平均外径が100nm程度の亜鉛イオン配位型ナノチューブが形成していることがわかった。
本発明の製造方法で得られる金属配位型有機ナノチューブは、例えば、医薬、化成品分野などにおける包接・分離・徐放材料として、あるいはエレクトロニクス分野などにおける触媒・電子・磁気・蛍光など高機能性材料としての利用が期待される。
実施例3で得られた固形物の赤外吸収スペクトル。 実施例3の走査電子顕微鏡写真。 実施例4の走査電子顕微鏡写真。 実施例5の走査電子顕微鏡写真。 実施例6の走査電子顕微鏡写真。 実施例7の走査電子顕微鏡写真。 実施例8の走査電子顕微鏡写真。 実施例9の走査電子顕微鏡写真。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)
    RCO(NH−CH−CO)mOH (I)
    (式中、Rは炭素数6〜24の炭化水素基、mは2又は3を表す。)又は
    下記一般式(II)
    H(NH−CH−CO)mNHR (II)
    (式中、Rは炭素数7〜25の炭化水素基、mは2又は3を表す。)
    で表わされるペプチド脂質を有機溶媒に懸濁させる工程、その懸濁液に金属塩の溶液を混合させる工程、その懸濁液を室温で静置することにより金属配位型有機ナノチューブを生成させる工程、金属配位型有機ナノチューブを懸濁液から回収し、室温で風乾又は減圧乾燥させる工程からなる、金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
  2. 前記金属塩がアルカリ金属塩を除く全ての金属塩である、請求項1に記載の金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
  3. 前記一般式(I)におけるRが、炭素数11又は13の炭化水素基、或いは前記一般式(II)におけるRが、炭素数12又は14の炭化水素基である、請求項1又は2に記載の金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
  4. 前記金属配位型有機ナノチューブの平均外径が10〜500nmであり、平均長さが0.1〜100μmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
  5. 前記有機溶媒が、沸点が120℃以下のアルコール類である請求項1〜のいずれか1項に記載の金属配位型有機ナノチューブの製造方法。
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