JP5204415B2 - CZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法 - Google Patents

CZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、CZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法に関し、特に需要者から要求される各種のSiウェーハに応じたSi単結晶インゴットの安定した作り分けを可能ならしめようとするものである。
Si単結晶インゴットの製造方法としては、FZ法(フローティングゾーン法)とCZ法(チョクラルスキー法)が知られている。これらのうち、CZ法は、FZ法に比べて、大径化が容易で生産性に優れることから、汎用ウェーハの製造方法として多用されている。
このCZ法によってSi単結晶インゴットを製造する場合、その品質は引き上げ速度に依存する。すなわち、CZ法によってSi結晶の内部に原子空孔や格子間シリコン等の点欠陥の凝集によって形成されたボイドや転位クラスタなどのGrown-in欠陥がほとんどない、いわゆる無欠陥結晶を育成するには、引き上げ速度Vを厳密に管理して、得られるSi結晶が無欠陥結晶となるように育成する。
しかしながら、この引き上げを、目標どおりの引き上げ速度Vで行っても、種々の要因から所望する無欠陥結晶が得られない場合がある。
たとえば、CZ装置のホットゾーンの経時変化がある場合には、結晶内の温度勾配Gが変化するため、目標とするV/Gを実現するためには、引き上げ速度Vのプロファイルを変更する必要が生じる。
従来は、ある引き上げ速度プロファイルで育成されたSi結晶の適当な位置からサンプルを切り出し、その位置での欠陥領域のタイプを決めていた。またその結果を、後続の引き上げ処理にフィードバックするために、R−OSF(Ring-Oxidation induced Stacking Fault)/Pv/Piのパターン、R−OSFまたはPv/Pi境界部の直径を引き上げの制御パラメータとしていた。ここで、Pv,Piはいずれも、無欠陥領域に含まれるものであるが、Pvは若干の原子空孔(vacancy)を有する領域、またPiは若干の格子間Si(interstitial Si)を有する領域を意味する。
また、従来、無欠陥領域のタイプPv,Piは、Cuデコレーション法や熱処理後の酸素析出分布から決定していた。すなわち、Pv領域では若干の原子空孔が存在するため酸素析出が促進されるのに対して、Pi領域では若干の格子間シリコンが存在するために酸素析出は抑制されることから、Cuデコレーション後や酸素析出熱処理後のX線トポグラフなどで観察することにより、PvとPiの各欠陥領域を区別していた。このように、これらの方法は、基本的に酸素析出核の有無によりPv,Piのタイプを決定する方法である。
従って、Si結晶が、高酸素結晶や低酸素結晶の場合には、両者を区別することが難しい。すなわち、高酸素の場合には、Pv,Piのどちらの領域においても酸素析出する場合があり、また低酸素の場合には、どちらの領域においても酸素析出しない場合があるためである。
さらに、両者を区別することができる酸素濃度範囲であっても、煩雑な熱処理を必要とするため、時間と費用がかかり、後続の引き上げ処理に迅速にフィードバックできないという問題があった。
ところで、発明者らは、最近、結晶の酸素濃度に依存せず、また熱処理の必要なしに、Si結晶中の原子空孔を直接観測し、かつその存在濃度を定量的に評価できる原子空孔の定量評価方法を、世界に先駆けて開発した。
この方法は、原子空孔に捕捉された電子軌道の三重項と超音波歪みとの相互作用が極めて大きいことを利用して、Si結晶の弾性定数の極低温化に伴う減少(ソフト化)の大きさから、Si結晶中における原子空孔の有無およびその濃度を直接、短時間で評価することができる技術である。
この方法によれば、図1(a), (b)に示すように、Si結晶中に原子空孔が存在すると、極低温にした場合に弾性定数の減少(ソフト化)が生じるので、その減少度合いによって、原子空孔の濃度を把握することができる。また、不純物がドープされたSi結晶の原子空孔は磁場を帯びているので、強磁場を印加した場合には磁場の影響を受けて弾性定数のソフト化が解消されるのに対し、不純物がドープされていないSi結晶の原子空孔は磁場を帯びていないので、強磁場を印加した場合でも弾性定数のソフト化傾向に変化がないことから、この磁場依存性の有無によってSi結晶の種類を識別することができる。
この原子空孔の定量評価方法をより具体的に述べると次のとおりである。
すなわち、シリコンウェーハから所定の部位を切り出したシリコン試料に対し、外部磁場を必要に応じて印加した状態で、25K以下の温度域で冷却しながら、前記温度域でシリコン試料の温度低下に伴う膨張に追随できる物性をもちかつC軸が所定の方向に揃った薄膜振動子を表面に直接形成したシリコン試料に対し超音波パルスを発振し、発振させた超音波パルスをシリコン試料中を伝播させ、伝播した超音波パルスの音速変化を検出し、この音速変化から、冷却温度の低下に伴う弾性定数の減少量を算出し、この算出した弾性定数の減少量からシリコンウェーハ中に存在する原子空孔の種類と濃度を定量評価することを特徴とするシリコンウェーハ中に存在する原子空孔の定量評価方法である。
本発明は、上記したSi結晶中の原子空孔の直接観測法を利用して、ある引き上げ速度プロファイルで育成されたSi単結晶の欠陥領域あるいは無欠陥領域のタイプを明確に検出し、このデータを次の引き上げにフィードバックすることよって、欠陥領域のないSi単結晶を安定して育成することができ、さらには無欠陥領域のタイプPv,Piを作り分けることができる、CZ法によるSi単結晶インゴットの有利な製造方法を提案することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)CZ法によってSi単結晶インゴットを製造するに際し、先行する引き上げ処理で育成されたSi単結晶インゴットの複数の結晶位置から切り出されたウェーハの径方向における原子空孔の濃度分布を、下記に規定した原子空孔の直接観測法によって検出し、それを後続の引き上げ処理にフィードバックして、後続の引き上げにおける速度プロファイルを調整することを
特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。

本発明において、原子空孔の直接観測法とは、シリコンウェーハから所定の部位を切り出したシリコン試料に対し、外部磁場を必要に応じて印加した状態で、25K以下の温度域で冷却しながら、前記温度域でシリコン試料の温度低下に伴う膨張に追随できる物性をもちかつC軸が所定の方向に揃った薄膜振動子を表面に直接形成したシリコン試料に対し超音波パルスを発振し、発振させた超音波パルスをシリコン試料中を伝播させ、伝播した超音波パルスの音速変化を検出し、この音速変化から、冷却温度の低下に伴う弾性定数の減少量を算出し、この算出した弾性定数の減少量からシリコンウェーハ中に存在する原子空孔の種類と濃度を定量評価することからなるシリコンウェーハ中に存在する原子空孔の定量評価方法を意味する。
(2)上記(1)において、前記速度プロファイルを調整することにより、Pvタイプの無欠陥領域のみからなるSi単結晶を育成することを特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。
(3)上記(1)において、前記速度プロファイルを調整することにより、Piタイプの無欠陥領域のみからなるSi単結晶を育成することを特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。
(4)上記(1)において、前記速度プロファイルを調整することにより、Pvタイプの無欠陥領域およびPiタイプの無欠陥領域からなるSi単結晶を育成することを特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。
(5)上記(1)において、前記速度プロファイルを調整することにより、R−OSF領域、Pvタイプの無欠陥領域およびPiタイプの無欠陥領域からなるSi単結晶を育成することを特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。
本発明によれば、先行する引き上げ速度プロファイルで育成されたSi単結晶のタイプを迅速に把握し、それをフィードバックすることにより、後続の引き上げにおける速度プロファイルを、無欠陥領域となるように的確に制御することができる。
また、本発明によれば、無欠陥領域のタイプPv,Piを識別することができるので、従来、極めて難しいとされたPv単味またはPi単味のSi単結晶を安定して製造することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
前述したとおり、本発明に先駆けて開発されたSi結晶の原子空孔の直接観測法を用いれば、極低温化した場合における弾性定数の減少(ソフト化)を観測することにより、Si結晶中における原子空孔の有無を判別することができる。
すなわち、Si結晶中に原子空孔が存在すると、極低温化した場合に弾性定数のソフト化が生じる。従って、Pvタイプの無欠陥領域であれば、極低温において弾性定数のソフト化が生じることになる。
一方、Piタイプは、格子間にSi原子が侵入している状態であり、原子空孔は存在しないので、極低温にした場合であっても弾性定数のソフト化は生じない。
図2(a)に、典型的なSi結晶インゴットの縦割り断面の欠陥状態分布を、また図2(b)には、Pv,Pi領域から採取した試料について、本発明に従う原子空孔の直接観測法を用いて極低温域でのソフト化傾向について調べた結果を示す。
同図(b)より明らかなように、Pvタイプの場合には極低温域において弾性定数の著しいソフト化が生じたのに対し、Piタイプの場合には極低温域においも弾性定数のソフト化は生じなかった。
従って、この直接観測法を利用すれば、PvタイプとPiタイプを明確に識別することができる。
また、Pv領域とPi領域の境界を明確に決定することもできる。このPv/Pi境界を煩雑な熱処理やCuデコレーションなどの処理を施すことなく定めることは、従来極めて難しかったのであるが、本発明の直接観測法を利用すれば、育成直後のas-grownの状態で簡便かつ迅速に決定することができる。
次に、本発明に従う結晶タイプの作り分け法について説明する。
需要者側におけるSiウェーハの代表的な製品パターンとして、図3(a)〜(d)に示す4種が考えられる。
これらの製品を製造するには、引き上げ速度を製品パターンに合わせて調整する必要があり、この点を図4を用いて説明する。
図4(a)は、前述したのと同じSi結晶インゴットの縦割り断面の欠陥状態分布図であり、図4(b)は、図4(a)に示した各引き上げ速度:A〜Fで引き上げたときに得られたSiウェーハの横断面中心位置における原子空孔の濃度分布〔V〕(任意単位)を示すものである。
図4(a)において、Pv領域が得られる引き上げ速度は、図中「速度C」と「速度E」の間であるから、横断面中心位置における原子空孔の濃度分布は図4(b)に示したようになる。なお、原子空孔の濃度はPv領域の中心部で最も高く、中心部から外れるに従って次第に低下し、R-OSF/Pv境界またはPv/Pi境界に至った時点で0となる。
このように、Pv領域では原子空孔の濃度に応じた分布が得られるので、これを利用して各種パターンの製品を作り分けることができるのである。
図5に、図4(a)に示した各引き上げ速度:A〜Fで引き上げたときに得られたSiウェーハの径方向にわたる原子空孔の濃度分布〔V〕(任意単位)を示す。
なお、Siウェーハの径方向にわたる原子空孔の濃度分布は、図6に示すように、直接観測法の測定子(電圧膜)1を試料であるSiウェーハ2の直径方向に複数個設置することによって、測定することができる。ここに、電圧膜(薄膜振動子ともいう)1は、ZnOやAlNを試料面に直接蒸着させることによって、極めて密着性に富む被膜とすることができる。また、この電圧膜1の形成に際しては、そのC軸を試料表面に対して幾分斜めに成長させ、超音波の横波成分を計測することにより、分解能を一段と向上させることができる。
さて、図4(a)中に「速度A」で引き上げた場合には、得られるSiウェーハはその外周のみにPv領域が存在するので、直接観測法で原子空孔濃度を観測した結果は、図5の「A」に示すように、Siウェーハの外周部のみで原子空孔濃度が高くなる。
同様に、図4(a)中の「速度B」で引き上げた場合には、得られるSiウェーハは「速度A」の場合よりも内側からPv領域が存在することになるので、この場合の原子空孔濃度は、図5の「B」に示すような分布とになる。
また、図4(a)中の「速度C」で引き上げた場合には、得られるSiウェーハの内部はほぼその全域がPv領域であるので、この場合の原子空孔濃度は、図5の「C」に示すような分布とになる。なお、この場合に、Siウェーハの最外周部の原子空孔濃度が0である領域はPiと推定できる。
同様に、図4(a)中の「速度D」で引き上げた場合には、得られるSiウェーハはその中央域がPv領域であるので、この場合の原子空孔濃度は、図5の「D」に示すような分布とになる。なお、この場合も、Siウェーハの外周部の原子空孔濃度が0である領域はPiと推定できる。
さらに、図4(a)中の「速度E」で引き上げた場合には、得られるSiウェーハはその内部のみがPv領域であるので、この場合の原子空孔濃度は、図5の「E」に示すような分布になる。この場合も、Siウェーハの外周域の原子空孔濃度が0であった領域はPiと推定できる。
同様に、図4(a)中の「速度F」で引き上げた場合には、得られるSiウェーハはその全域がPi領域であるので、この場合の原子空孔濃度は、図5の「F」に示すように、全域にわたり原子空孔濃度が0となる。
従って、逆に、図5の「B」に示したような原子空孔濃度分布が得られたならば、当該Siウェーハの内部はR-OSF領域で、外周部がPv領域になっていると推定できるのである。
これが、図3(a)に示した製品パターンに相当する。
また、図5の「C」に示したような原子空孔濃度分布が得られたならば、当該Siウェーハは大部分がPv領域になっていると推定できる。これが、図3(b)に示した製品パターンに相当する。
さらに、図5の「D」または「E」に示したような原子空孔濃度分布が得られたならば、当該Siウェーハの内部はPv領域で、外周部がPi領域になっていると推定できる。これが、図3(c)に示した製品パターンに相当する。
また、図5の「F」に示したような原子空孔濃度分布が得られたならば、当該Siウェーハはその全域がPi領域になっていると推定できる。これが、図3(d)に示した製品パターンに相当する。
実施例1
CZ法を用いて直径が200mmのSi単結晶インゴットを、次の条件で製造した。
直径:24インチの石英坩堝に高純度ポリシリコン原料を120kg仕込み、CZ結晶育成装置にて、目標直径:210mm、ボディ長:1000mmのシリコン単結晶の育成を行った。
このCZ結晶育成装置には、石英坩堝内のシリコン融液および石英坩堝を取り巻く円筒形黒鉛ヒーターからの輻射熱を遮蔽するための逆円錐台形体の熱遮蔽体が、引き上げ結晶を取り巻くようにシリコン融液上部に設置されている。この熱遮蔽体は、黒鉛製で内部に黒鉛フェルトが充填された構造で、上端の内径は480mm、下端内径は270mm、厚さ30mm、高さが500mmの逆円錐台形体である。
また、熱遮蔽体の下端と融液面の間のギャップは60mmとなるように設置した。
上記のように、石英坩堝とシリコン融液、黒鉛ヒーター、熱遮蔽体を配置することで、融液と接した結晶界面近傍の引き上げ軸方向の結晶内温度勾配の結晶径方向の分布は、ほぼ均一となるので、図3の(a)、(b)、(c)、(d)に示すような欠陥分布を持った無欠陥結晶の育成が可能となる。
装置内をアルゴンの減圧雰囲気とし、黒鉛ヒーターにより加熱してシリコンを溶融させ、融液とした。シードチャックに取り付けた種結晶を融液に浸漬し、坩堝および引き上げ軸を回転させつつ引き上げを行う。
結晶方位は{100}とし、結晶無転位化のためのシード絞りを行った後、ショルダー部を形成させ、肩変えして目標ボディ径とする。
ボディ長さが100mmに達した時点で、引き上げ速度を0.5mm/minに調整し、その後引き上げ長さに応じてほぼ直線的に引き上げ速度を低下させ、ボディ長さが900mmに達したときに0.4mm/minとなるようにし、その後はこの引き上げ速度で1000mmまで育成した後、テイル絞りをして引き上げを終了した。
得られたSi単結晶インゴットのボディ長さが300mm(引き上げ速度が約0.475mm/min)、500mm(引き上げ速度が約0.45mm/min)、700mm(引き上げ速度が約0.425mm/min)の位置から径方向にウェーハを切り出した。
これらのウェーハを硝酸と弗酸の混合液を用いて、約0.5mm、エッチング処理して加工によるダメージを除去し鏡面の厚さ約3mmのウェーハとした。
かくして得られたウェーハについて、原子空孔の定量評価方法をより径方向にわたる原子空孔濃度分布を調査した。なお、結晶引き上げ後のウェーハの作成と原子空孔の定量評価のための調査は、約12時間の短時間で実施することができた。
その結果、図3(c)に示したような製品パターン、すなわちウェーハの内部はPv領域で、外周部がPi領域になっている製品パターンが得られていた。
そこで、次のSiインゴットは、図3(b)に示したような製品パターンとすべく、インゴットの製造条件を次のように変化させた。
上記と同じCZ結晶育成装置を用いて、ボディ長さが100mmに達した時点で、引き上げ速度を0.55mm/minに調整し、その後引き上げ長さに応じてほぼ直線的に引き上げ速度を低下させ、ボディ長さが900mmに達したときに0.45mm/minとなるようにし、その後はこの引き上げ速度で1000mmまで育成した後、テイル絞りをして引き上げを終了した。
かくして得られたSi単結晶インゴットから、ボディ長さが300mm(引き上げ速度が約0.525mm/min)、500mm(引き上げ速度が約0.5mm/min)、700mm(引き上げ速度が約0.475mm/min)の位置でウェーハを切り出し、同様にして、原子空孔の定量評価方法をより径方向にわたる原子空孔濃度分布について調査したところ、目標どおり、図3(b)に示したような、Siウェーハの大部分がPv領域になっているパターンの製品であることが確認された。
ついで、さらに、今度は、図3(d)に示したパターンの製品を得るべく、インゴットの製造条件を次のように変化させた。
上記と同じCZ結晶育成装置を用いて、ボディ長さが100mmに達した時点で、引き上げ速度を0.45mm/minに調整し、その後引き上げ長さに応じてほぼ直線的に引き上げ速度を低下させ、ボディ長さが900mmに達したときに0.35mm/minとなるようにし、その後はこの引き上げ速度で1000mmまで育成した後、テイル絞りをして引き上げを終了した。
かくして得られたSi単結晶インゴットから、ボディ長さが300mm(引き上げ速度が約0.425mm/min)、500mm(引き上げ速度が約0.4mm/min)、700mm(引き上げ速度が約0.375mm/min)の位置でウェーハを切り出し、同様にして、原子空孔の定量評価方法をより径方向にわたる原子空孔濃度分布について調査したところ、目標どおり、図3の(d)に示したような、Siウェーハの全域がPi領域になっているパターンの製品であることが確認された。
上記したように、本発明では、原子空孔の直接観測法によって試料の原子空孔濃度分布を観測することにより、育成されたSi単結晶の無欠陥領域のタイプを迅速に識別することができ、またこのデータを後続の引き上げ処理にフィードバックすることにより、需要者からの要求に応じた種々のパターンの製品を作り分けすることができる。
不純物がドープされていないSi結晶(a)および不純物をドープしたSi結晶(b)の極低温域における弾性定数のソフト化傾向を、印加磁場の大きさをパラメータとして示した図である。 (a)は典型的なSi結晶インゴットの縦割り断面の欠陥状態分布を示した図、(b)はPv,Pi領域から採取した試料の極低温域におけるソフト化傾向を比較して示した図である。 Siウェーハの代表的な製品パターンを示した図である。 (a)はSi結晶インゴットの縦割り断面の欠陥状態分布を示した図、(b)は引き上げ速度:A〜Fで引き上げたときに得られたSiウェーハの横断面中心位置における原子空孔の濃度分布〔V〕(c)を示した図である。 引き上げ速度:A〜Fで引き上げたときに得られるSiウェーハの径方向にわたる原子空孔の濃度分布〔V〕(c)を示した図である。 Siウェーハの径方向にわたる原子空孔の濃度分布の測定要領を示した図である。
符号の説明
1 測定子(電圧膜)
2 試料(Siウェーハ)

Claims (5)

  1. CZ法によってSi単結晶インゴットを製造するに際し、先行する引き上げ処理で育成されたSi単結晶インゴットの複数の結晶位置から切り出されたウェーハの径方向における原子空孔の濃度分布を、下記に規定した原子空孔の直接観測法によって検出し、それを後続の引き上げ処理にフィードバックして、後続の引き上げにおける速度プロファイルを調整することを特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。

    本発明において、原子空孔の直接観測法とは、シリコンウェーハから所定の部位を切り出したシリコン試料に対し、外部磁場を必要に応じて印加した状態で、25K以下の温度域で冷却しながら、前記温度域でシリコン試料の温度低下に伴う膨張に追随できる物性をもちかつC軸が所定の方向に揃った薄膜振動子を表面に直接形成したシリコン試料に対し超音波パルスを発振し、発振させた超音波パルスをシリコン試料中を伝播させ、伝播した超音波パルスの音速変化を検出し、この音速変化から、冷却温度の低下に伴う弾性定数の減少量を算出し、この算出した弾性定数の減少量からシリコンウェーハ中に存在する原子空孔の種類と濃度を定量評価することからなるシリコンウェーハ中に存在する原子空孔の定量評価方法を意味する。
  2. 請求項1において、前記速度プロファイルを調整することにより、Pvタイプの無欠陥領域のみからなるSi単結晶を育成することを特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。
  3. 請求項1において、前記速度プロファイルを調整することにより、Piタイプの無欠陥領域のみからなるSi単結晶を育成することを特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。
  4. 請求項1において、前記速度プロファイルを調整することにより、Pvタイプの無欠陥領域およびPiタイプの無欠陥領域からなるSi単結晶を育成することを特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。
  5. 請求項1において、前記速度プロファイルを調整することにより、R−OSF領域、Pvタイプの無欠陥領域およびPiタイプの無欠陥領域からなるSi単結晶を育成することを特徴とするCZ法によるSi単結晶インゴットの製造方法。
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