JP5202810B2 - グラファイト加熱炉および光ファイバの製造方法 - Google Patents

グラファイト加熱炉および光ファイバの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炉体内の少なくとも一部がグラファイトを用いて形成されたグラファイト加熱炉に関するものである。
従来、高温を必要とする様々な用途の加熱炉として、カーボン抵抗炉が一般に使用されている。カーボン抵抗炉は、発熱体にグラファイトを用いた電気炉であり、容易に高温を得られる特長を有する。グラファイトは、熱に強く、熱膨張が小さい上に、機械加工が容易であることから、断熱材、パッキン等、発熱体以外の部品としても、加熱炉内に多く用いられている。なお、本明細書では、加熱炉内、特に炉体内の少なくとも一部がグラファイトを用いて形成された加熱炉をグラファイト加熱炉と称する。
通常、グラファイト加熱炉は、加熱対象物を設置する反応容器と、それを取り囲む炉体とを備えている。炉体内は、発熱体や断熱材等が酸化により劣化されないように不活性ガス雰囲気とされ、かつ、外気が炉体内に侵入しないように大気圧に対して正圧に保たれている。また、窒素ガスはグラファイトと反応して猛毒のシアンガス(HCN)を発生するため、炉体内に充填する不活性ガスにはアルゴンガスが用いられるのが一般的である。
ところが、アルゴンガスは窒素ガスと比較して高価であるため、炉体内に充填する不活性ガスに窒素ガスを用いることが所望され、窒素ガスを充填してもシアンガスが発生しないグラファイト加熱炉の実現が要望されている。これに対して、グラファイト製の炉心管を用いた高周波誘導加熱炉において、炉体の内部を、炉心管が配置される内側部と高周波誘導コイルが配置される外側部とに隔絶し、内側部にアルゴンガス等、窒素ガス以外の不活性ガスを充填し、外側部に窒素ガスを充填する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来技術は、すなわち、グラファイトを使用する空間と使用しない空間とに隔絶し、グラファイトを使用しない空間にのみ窒素ガスを充填するようにしている。
特開2002−173333号公報
しかしながら、上述した従来技術では、グラファイトを使用する空間と使用しない空間とを高い気密性をもって隔絶する必要があり、これを実現するための隔壁等の構造が複雑化するという問題があった。また、グラファイトを使用する空間には、依然として高価なアルゴンガス等を用いる必要があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で、炉体内の全体に窒素ガスを充填してもシアンガスの発生を抑制できるグラファイト加熱炉を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるグラファイト加熱炉は、炉体内の少なくとも一部がグラファイトを用いて形成されたグラファイト加熱炉において、前記炉体内に窒素ガスを供給するガス供給部と、前記炉体内の炉体内ガスを前記炉体外に排出する排気部と、を備え、前記炉体内に供給される窒素ガスの露点温度は、−80℃以下であり、前記炉体内の圧力は、前記炉体外の大気圧に対して140Pa以上であることを特徴とする。
また、本発明にかかるグラファイト加熱炉は、上記の発明において、前記排気部は、前記炉体内ガスの少なくとも一部を大気中に放出する放出部を有することを特徴とする。
また、本発明にかかるグラファイト加熱炉は、上記の発明において、前記炉体内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の検出結果に応じて、前記ガス供給部が供給する窒素ガスの供給量または前記排気部が排出する前記炉体内ガスの排出量の少なくとも一方を変化させる制御を行う制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるグラファイト加熱炉は、上記の発明において、前記炉体内のシアンガス濃度を検出する濃度検出手段と、前記濃度検出手段の検出結果に応じて、前記ガス供給部が供給する窒素ガスの供給量または前記排気部が排出する前記炉体内ガスの排出量の少なくとも一方を変化させる制御を行う制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかるグラファイト加熱炉は、上記の発明において、前記炉体内の温度は、2200K以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかるグラファイト加熱炉は、上記の発明において、当該グラファイト加熱炉は、光ファイバ母材を脱水および焼結する脱水焼結炉、光ファイバ母材を延伸させる延伸用加熱炉または光ファイバ母材を線引きする線引き用加熱炉であることを特徴とする。
本発明にかかるグラファイト加熱炉によれば、簡易な構成で、炉体内の全体に窒素ガスを充填してもシアンガスの発生を抑制できる。
以下、添付図面を参照して、本発明にかかるグラファイト加熱炉の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかるグラファイト加熱炉について説明する。図1は、本実施の形態1にかかるグラファイト加熱炉100の構成を示す図である。図1に示すように、グラファイト加熱炉100は、光ファイバ用多孔質母材1を脱水および焼結する脱水焼結炉として構成されており、多孔質母材1が導入される炉心管2と、炉心管2の外周に配置された炉心管3と、炉心管3の外周に配置されたヒータ4と、炉心管3またはヒータ4の外周に配置された耐熱性の断熱材5a〜5cと、を備える。
炉心管2は、石英を用いて形成されるのが一般的であり、管内には多孔質母材1の脱水、焼結に必要なガス、例えばヘリウムガスや塩素ガス等が流通される。多孔質母材1は、図示しない搬送機構によって図中上部から炉心管2内に導入され、徐々に下降し、加熱され、脱水あるいは焼結される。炉心管3、ヒータ4および断熱材5a〜5cは、それぞれグラファイトを用いて円筒状に形成され、炉体6内に同軸に配置されている。炉心管2は、炉体6に挿通された状態で保持され、炉体6の上部および下部における炉心管2と炉体6との隙間6a,6bは、通気性、断熱性および弾性を有したリング状のシール材7によって各々シールされている。このシール材7には、ガラス繊維から成るフェルト等が用いられる。
また、グラファイト加熱炉100は、炉体6内に窒素ガスを供給する窒素ガス供給部8と、炉体6内のガスである炉体内ガスを炉体6外に排出する排気部9と、圧力計11と、を備える。なお、排気部9の後段には、排ガスを無害化する図示しない排ガス処理装置を設けている。窒素ガス供給部8は、炉体6の上部に接続された給気管8aを介して炉体6内に窒素ガスを供給する。窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度は、後述する所定の温度範囲に設定される。
炉体6内に導入された窒素ガスは、炉心管2と炉体6とで囲まれた空間であって炉心管3、ヒータ4および断熱材5a〜5cによって形成された空隙6cに充填され、炉体6内は、窒素ガス雰囲気とされる。これによってグラファイト加熱炉100では、高温となる炉体6内であっても、炉心管3、ヒータ4および断熱材5a〜5c等の酸化消耗を防止することができる。
排気部9は、炉体6の下部に接続された排気管9aによって炉体6内に連通されており、空隙6cから炉体内ガスを吸気して炉体6外に排出する。このとき、圧力計11にて検出される圧力が、炉体6外の大気圧に対して140Pa以上となるように、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量と排気部9により排出する炉体内ガスの排出量を設定する。なお、炉体6内の圧力は、炉体6内に供給される窒素ガスの供給量と炉体6から排出される炉体内ガスの排出量のバランスにより決定される。
これによって、グラファイト加熱炉100では、炉心管3、ヒータ4および断熱材5a〜5c等に用いられたグラファイトと、空隙6cに充填された窒素ガスとの反応によって生成されるシアンガスの発生量が、取扱いの上危険のない範囲内に抑制される。また、このため炉体内ガスの一部を、放出部としての隙間6a,6bから大気中に、つまり作業者等がいる室内に放出することができる。
一般に、石英を用いて形成された炉心管2は剛性が低く、炉体6との隙間を高気密にシールすることは技術的な困難性が高いばかりか、実現したとしてその構造は複雑なものとなる。これに対して、グラファイト加熱炉100では、隙間6a,6bから炉体内ガスを大気中に放出することが可能であり、隙間6a,6bに対して高気密性が要求されないため、シール材7等による簡易な構成でシールすることができる。また、このように炉体内ガスの一部を自然に放出することで、図示しない排気部9の後段に設置される排ガス処理装置での処理すべきガス量が軽減されるため、排ガス処理装置の負荷を低減させることができる。
なお、シアンガスは毒物劇物取締法で毒物として指定されており、日本産業衛生学会ではその管理濃度が5ppm以下に定められている。これをもとに、グラファイト加熱炉100では、炉体6内のシアンガス濃度(HCN濃度)の許容値は、5ppmよりやや高い濃度(20ppm程度)が目安となる。これは、この程度の濃度のシアンガスが炉体6から大気中に放出されたとしても、放出時のガスの拡散が早いため、炉体6外の作業者等がいる場所では確実に5ppm以下になると推測されることによる。
ここで、より具体的に、炉体6内の圧力である炉体内圧力と、この炉体内圧力を実現するための手法とについて説明する。図2は、炉体内圧力と炉体6内のHCN濃度との関係を示すグラフである。図2に示す関係は、本発明者らが実測して導出した結果であって、ヒータ4の温度を1900K、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃とした場合の結果である。なお、図2に示す炉体内圧力は、炉体6外の大気圧を基準とした相対圧力である。
図2に示す結果から、炉体内圧力の増加にともなってHCN濃度が単調に減少し、炉体内圧力が約140Pa以上、つまり炉体6外の大気圧に対して約140Pa以上の場合、炉体内圧力に対するHCN濃度が略最小となることがわかる。また、その最小値は、5ppm以下であることがわかる。
これより、本発明者らは、炉体内圧力に対する炉体6内のHCN濃度が略最小となるように炉体内圧力を設定することが好ましく、具体的には140Pa以上とすることが好ましいことを見出した。炉体内圧力がこの範囲にある場合、炉体6内のHCN濃度は約7ppm以下であり、炉体内ガスを大気中に放出しても問題ないレベルとなる。なお、炉体内圧力は、窒素ガスの使用量に対する実用的な見地から1000Pa以下とすることが好ましい。
この結果をもとに、グラファイト加熱炉100では、炉体内圧力が常に炉体6外の大気圧に対して140Pa以上となるように、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量と排気部9により排出する炉体内ガスの排出量を設定している。
つづいて、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度について説明する。図3は、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度と、炉体6内のHCN濃度との関係を示すグラフである。図3に示す関係は、本発明者らが実測して導出した結果であって、ヒータ4の温度を1800K、炉体内圧力を200Paとした場合の結果である。
図3に示す結果から、窒素ガスの露点温度の低下にともなってHCN濃度が単調に減少し、窒素ガスの露点温度が約−80℃以下の場合、窒素ガスの露点温度に対するHCN濃度の変化量が小さくなることがわかる。また、窒素ガスの露点温度が約−80℃以下の場合、HCN濃度は約3ppm以下であることがわかる。
これより、本発明者らは、窒素ガスの露点温度に対する炉体6内のHCN濃度を小さく保つように窒素ガスの露点温度を設定することが好ましく、具体的には−80℃以下とすることが好ましいことを見出した。窒素ガスの露点温度がこの範囲にある場合、炉体内ガスを大気中に放出しても問題ないレベルとなる。
この結果をもとに、グラファイト加熱炉100では、窒素ガス供給部8は、窒素ガスの露点温度を−80℃以下としている。窒素ガスの露点温度は、窒素ガス供給部8の前段に設置される図示しない精製装置によって、窒素ガスを精製することで低下させることができる。
ここで、グラファイト加熱炉100によって実際に多孔質母材1の脱水焼結を行った結果の一例を説明する。まず、ヒータ4の温度が約1300Kである待機状態で、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃、流量を15SLMで一定として、炉体内圧力が140Paとなるように、排気部9が排出する炉体内ガスの排出量を設定した。その結果、脱水焼結処理におけるヒータ4の温度が1900Kであった場合、炉体6内のHCN濃度は5ppmであった。このとき、炉体6外の作業者がいる場所のHCN濃度は1ppm以下であり、室内汚染の問題はなかった。
以上説明したように、本実施の形態1にかかるグラファイト加熱炉100では、炉体内圧力に対する炉体6内のHCN濃度が略最小となるように、具体的には、炉体内圧力が炉体6外の大気圧に対して140Pa以上となるように、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量と炉体6から排出される炉体内ガスの排出量を設定する。加えて、グラファイト加熱炉100では、窒素ガス供給部8は、炉体6内に供給する窒素ガスの露点温度を、炉体6内のHCN濃度を小さく保てる温度、具体的には−80℃以下にしている。これによって、グラファイト加熱炉100では、グラファイトを用いて形成された炉心管3、ヒータ4および断熱材5a〜5c等が配置されている炉体6内の全体に窒素ガスを充填しても、シアンガスの発生を抑制することができる。
また、このためグラファイト加熱炉100では、炉体6と炉心管2との隙間6a,6b等から炉体内ガスの一部を大気中に放出しても、作業者がいる場所のHCN濃度を危険のないレベル、具体的には管理濃度5ppm以下とすることができる。さらに、グラファイト加熱炉100では、このように炉体内ガスを大気中に放出することが可能なため、例えば炉体6と炉心管2との接続部分を高気密化する必要がなく、シール材7等による簡易な構成でシールすることができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2にかかるグラファイト加熱炉について説明する。図4は、本実施の形態2にかかるグラファイト加熱炉110の構成を示す図である。図4に示すように、グラファイト加熱炉110は、実施の形態1と同様の光ファイバ用多孔質母材1を脱水および焼結する脱水焼結炉として構成されており、実施の形態1のグラファイト加熱炉100に、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量または排気部9が排出する炉体内ガスの排出量の少なくとも一方を変化させる制御部10をさらに備えた脱水焼結炉として構成されている。
制御部10は、炉体6内の圧力が炉体6外の大気圧に対して正圧に保たれるとともに、上述した所定の圧力範囲内になるように、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量または排気部9が排出する炉体内ガスの排出量の少なくとも一方を変化させる制御を行う。具体的には、制御部10は、炉体6に設けられた圧力計11の検出結果として炉体内圧力を取得し、この検出結果に応じて、炉体6内の圧力が低すぎる場合、窒素ガス供給部8から供給する窒素ガスの供給量を増加させるか、排気部9が炉体6内から排出する炉体内ガスの排出量を減少させる。
なお、制御部10は、炉体6に設けられた濃度計12によって炉体6内のHCN濃度を検出することもできる。そして、制御部10は、濃度計12の検出結果に応じて、窒素ガス供給部8による供給量または排気部9による排出量の少なくとも一方を変化させることもできる。
ここで、グラファイト加熱炉110によって実際に多孔質母材1の脱水焼結を行った結果の一例を説明する。まず、ヒータ4の温度が約1300Kである待機状態で、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃、流量を15SLMで一定として、炉体内圧力が140Paとなるように、排気部9が排出する炉体内ガスの排出量を設定した。その結果、脱水焼結処理におけるヒータ4の温度が1900Kであった場合、炉体6内のHCN濃度は5ppmであった。このとき、炉体6外の作業者がいる場所のHCN濃度は管理濃度1ppm以下であり、室内汚染の問題はなかった。
しかしながら、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃、流量を15SLMで一定とすると、ヒータ4の温度が約1300Kである待機状態のときに炉体内圧力を140Paとした場合、ヒータ4の温度が約1500Kである脱水工程では炉体内圧力が150Pa、ヒータ4の温度が約1900Kである焼結工程では炉体内圧力が160Paとなった。
そこで、脱水および焼結の各工程でも炉体内圧力が140Paで一定となるように、窒素ガス供給部8から供給する窒素ガスの流量の制御を行った。その結果、脱水工程で12SLM、焼結工程で8SLMとすることで、炉体内圧力を140Paに保つことができた。すなわち、グラファイト加熱炉110では、脱水および焼結の各工程で窒素ガスの供給量を制御し、炉体内圧力を140Paに保つことで、窒素ガスの使用量をさらに削減することができる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3にかかるグラファイト加熱炉について説明する。図5は、本実施の形態3にかかるグラファイト加熱炉200の構成を示す図である。図5に示すように、グラファイト加熱炉200は、光ファイバ母材等のガラスロッド21を延伸する延伸用加熱炉として構成されており、ガラスロッド21が導入される炉心管23と、炉心管23の外周に配置されたヒータ24と、炉心管23またはヒータ24の外周に配置された耐熱性の断熱材25a〜25cと、を備える。炉心管23、ヒータ24および断熱材25a〜25cは、それぞれグラファイトを用いて円筒状に形成され、炉体26内に配置されている。
断熱材25aの上端部および断熱材25cの下端部の内側面には、図5に示す断面上でL字をなす凸部が形成されており、炉心管23は、この上下の凸部によって挟持されている。この上下の挟持部26a,26bは、それぞれ炉心管23と断熱材25aまたは断熱材25cとを面接触させることで、通気性を有した状態でシールされている。ここで、挟持部26a,26bは、ガラス、カーボンまたはセラミックス等を用いて形成されたリング状のシール材をそれぞれ挟み込み、このシール材と炉心管23および断熱材25a,25cと面接触させることでシールしてもよい。なお、炉心管23に導入されたガラスロッド21は、炉心管23内で加熱溶融され、図示しない牽引機構によって上端を徐々に下降させるとともに、下端を上端よりも早い速度で下降させることで延伸される。
また、グラファイト加熱炉200は、グラファイト加熱炉100が備えた窒素ガス供給部8および給気管8aと、圧力計11と、を備える。窒素ガス供給部8は、炉体26の上部に接続された給気管8aを介して炉体26内に窒素ガスを供給する。窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度は、実施の形態1と同様に、炉体26内のHCN濃度を小さく保てる温度、具体的には−80℃以下に設定される。
炉体26内に導入された窒素ガスは、炉体26内の空間であって炉心管23、ヒータ24および断熱材25a〜25cによって形成された空隙26cに充填され、炉体26内は、窒素ガス雰囲気とされる。これによって、グラファイト加熱炉200では、高温となる炉体26内であっても、炉心管23、ヒータ24および断熱材25a〜25c等の酸化消耗を防止することができる。
さらに、グラファイト加熱炉200では、炉体内圧力が140Pa以上、つまり炉体26外の大気圧に対して140Pa以上となるように、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量を設定している。
これによって、グラファイト加熱炉200では、炉心管23、ヒータ24および断熱材25a〜25c等に用いられたグラファイトと、空隙26cに充填された窒素ガスとの反応によって生成されるシアンガスの発生量が抑制されている。また、このため炉体内ガスを、挟持部26a,26bから炉心管23の管部を通して大気中に、つまり作業者等がいる室内に放出することができる。そして、このように炉体内ガスを大気中に放出しても、作業者等がいる場所のHCN濃度を危険のないレベル、具体的には管理濃度5ppm以下にすることができる。
さらに、グラファイト加熱炉200では、このように炉体内ガスを大気中に放出することが可能なため、炉体26を外気に対して高気密化する必要がなく、例えば炉心管23と断熱材25a,25cとの境界を、挟持部26a,26b等のように簡易な構成でシールすることができる。また、炉体内ガスを大気中に放出することが可能なため、特別な排ガス処理装置等を用いる必要がなくなるとともに、排気量の制御を行う必要がなくなるため、設備的にも制御機構的にもグラファイト加熱炉200の構成を簡素化できる。
ここで、グラファイト加熱炉200によって実際にガラスロッド21の延伸を行った結果の一例を説明する。まず、ヒータ24の温度が約1300Kである待機状態で、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃、流量を200SLMで一定として、炉体内圧力が220Paとなるように、窒素ガス供給部8による窒素ガスの供給量を設定した。その結果、ヒータ24の温度が1900Kであった場合、炉体26内のHCN濃度は4ppmであった。このとき、炉体26外の作業者がいる場所のHCN濃度は1ppm以下であり、室内汚染の問題はなかった。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4にかかるグラファイト加熱炉について説明する。図6は、本実施の形態4にかかるグラファイト加熱炉210の構成を示す図である。図6に示すように、グラファイト加熱炉210は、実施の形態3と同様のガラスロッド21を延伸する延伸用加熱炉として構成されており、実施の形態3のグラファイト加熱炉200に、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量を変化させる制御部30をさらに備えた延伸用加熱炉として構成されている。
制御部30は、炉体26内の炉体内圧力が炉体26外の大気圧に対して正圧に保たれるとともに、この炉体内圧力に対する炉体26内のHCN濃度を小さく保てるように、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量を変化させる制御を行う。具体的には、制御部30は、炉体26に設けられた圧力計11の検出結果として炉体内圧力を取得し、この検出結果に応じて、炉体26内の圧力が低すぎる場合、窒素ガス供給部8から供給する窒素ガスの供給量を増加させる。
なお、制御部30は、炉体26に設けられた濃度計12によって炉体26内のHCN濃度を検出することもできる。そして、制御部30は、濃度計12の検出結果に応じて、窒素ガス供給部8による供給量を変化させることもできる。
ここで、グラファイト加熱炉210によって実際にガラスロッド21の延伸を行った結果の一例を説明する。まず、ヒータ24の温度が約1300Kである待機状態で、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃、流量を200SLMとして、炉体内圧力が220Paとなるように、窒素ガス供給部8による窒素ガスの供給量を設定した。その結果、ヒータ24の温度が1900Kであった場合、炉体26内のHCN濃度は4ppmであった。このとき、炉体26外の作業者がいる場所のHCN濃度は1ppm以下であり、室内汚染の問題はなかった。
つぎに、濃度計12の検出結果に応じて、窒素ガス供給部8による窒素ガスの供給量を変化させる制御を行った。すなわち、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃とし、濃度計12の検出結果として炉体26内のHCN濃度が5ppmを超えそうな場合、窒素ガス供給部8から供給する窒素ガスの流量を増加させた。その結果、ヒータ24の温度が約1300Kである待機状態のときは、150SLMとした窒素ガスの流量を、ヒータ24の温度が1900Kとなる延伸中は、200SLMに変化させたことで、炉体26内の圧力は140Paから240Paに変化し、炉体26内のHCN濃度は4ppmであった。このように、炉体26内のHCN濃度に応じて窒素ガスの供給量を変化させることで、グラファイト加熱炉210では、窒素ガスの全体的な使用量を削減できるとともに、より確実に炉体26内のシアンガスの発生量を抑制することができる。
(実施の形態5)
つぎに、本発明の実施の形態5にかかるグラファイト加熱炉について説明する。図7は、本実施の形態5にかかるグラファイト加熱炉300の構成を示す図である。図7に示すように、グラファイト加熱炉300は、光ファイバ用プリフォーム31を線引きする線引用加熱炉として構成されており、プリフォーム31が導入される炉心管33と、炉心管33の外周に配置されたヒータ34と、炉心管33またはヒータ34の外周に配置された耐熱性の断熱材35a〜35cと、断熱材35cおよび炉心管33の下部に配置された断熱材としてのカーボン板37およびガラス板38と、を備える。
炉心管33、ヒータ34および断熱材35a〜35cは、それぞれグラファイトを用いて円筒状に形成され、炉体36内に配置されている。また、カーボン板37およびガラス板38は、それぞれ例えばグラファイトおよび石英ガラスを用いて中空円板状に形成され、炉体36の底部に積層して配置されている。なお、このカーボン板37およびガラス板38に替えて、セラミックス製の板を配置してもよい。
炉心管33は、炉体36の鍵形の上端部と、カーボン板37とによって挟持されており、この上下の挟持部36a,36bは、それぞれ炉心管33と炉体36またはカーボン板37とを面接触させることで、通気性を有した状態でシールされている。なお、炉心管33に導入されたプリフォーム31は、炉心管33内で加熱溶融され、下端部が図示しない牽引機構によって引き出されることで、線引きされる。
また、グラファイト加熱炉300は、グラファイト加熱炉100が備えた窒素ガス供給部8および給気管8aと、圧力計11と、を備える。窒素ガス供給部8は、炉体36の上部に接続された給気管8aを介して炉体36内に窒素ガスを供給する。窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度は、実施の形態1と同様に、炉体36内のHCN濃度を小さく保てる温度、具体的には−80℃以下に設定される。
炉体36内に導入された窒素ガスは、炉体36内の空間であって炉心管33、ヒータ34、断熱材35a〜35cおよびカーボン板37によって形成された空隙36cに充填され、炉体36内は、窒素ガス雰囲気とされる。これによって、グラファイト加熱炉300では、高温となる炉体36内であっても、炉心管33、ヒータ34、断熱材35a〜35c、カーボン板37等の酸化消耗を防止することができる。
さらに、グラファイト加熱炉300では、炉体内圧力が140Pa以上、つまり炉体36外の大気圧に対して140Pa以上となるように、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量を設定している。
これによって、グラファイト加熱炉300では、炉心管33、ヒータ34、断熱材35a〜35cおよびカーボン板37等に用いられたグラファイトと、空隙36cに充填された窒素ガスとの反応によって生成されるシアンガスの発生量が抑制されている。また、このため炉体内ガスを、挟持部36a,36bから炉心管33および炉体36の管部を通して大気中に、つまり作業者等がいる室内に放出することができる。そして、このように炉体内ガスを大気中に放出しても、作業者等がいる場所のHCN濃度を危険のないレベル、具体的には管理濃度5ppm以下にすることができる。
さらに、グラファイト加熱炉300では、このように炉体内ガスを大気中に放出することが可能なため、炉体36を外気に対して高気密化する必要がなく、例えば炉心管33と炉体36あるいはカーボン板37との境界を、挟持部36a,36b等のように簡易な構成でシールすることができる。また、炉体内ガスを大気中に放出することが可能なため、特別な排ガス処理装置等を用いる必要がなくなるとともに、排気量の制御を行う必要がなくなるため、設備的にも制御機構的にもグラファイト加熱炉300の構成を簡素化できる。
ここで、グラファイト加熱炉300によって実際にプリフォーム31の線引を行った結果の一例を説明する。まず、ヒータ34の温度が約1300Kである待機状態で、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃、流量を50SLMとして、炉体内圧力が230Paとなるように、窒素ガス供給部8による窒素ガスの供給量を設定した。その結果、ヒータ34の温度が2200Kであった場合、炉体36内のHCN濃度は5ppmであった。このとき、炉体36外の作業者がいる場所のHCN濃度は1ppm以下であり、室内汚染の問題はなかった。
(実施の形態6)
つぎに、本発明の実施の形態6にかかるグラファイト加熱炉について説明する。図8は、本実施の形態6にかかるグラファイト加熱炉310の構成を示す図である。図8に示すように、グラファイト加熱炉310は、実施の形態5と同様のプリフォーム31を線引きする線引用加熱炉として構成されており、実施の形態5のグラファイト加熱炉300に、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量を変化させる制御部40をさらに備えた線引用加熱炉として構成されている。
制御部40は、炉体36内の炉体内圧力が炉体36外の大気圧に対して正圧に保たれるとともに、この炉体内圧力に対する炉体36内のHCN濃度を小さく保てるように、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの供給量を変化させる制御を行う。具体的には、制御部40は、炉体36に設けられた圧力計11の検出結果として炉体内圧力を取得し、この検出結果に応じて、炉体36内の圧力が低すぎる場合、窒素ガス供給部8から供給する窒素ガスの供給量を増加させる。
なお、制御部40は、炉体36に設けられた濃度計12によって炉体36内のHCN濃度を検出することもできる。そして、制御部40は、濃度計12の検出結果に応じて、窒素ガス供給部8による供給量を変化させることもできる。
ここで、グラファイト加熱炉310によって実際にプリフォーム31の線引を行った結果の一例を説明する。まず、ヒータ34の温度が約1300Kである待機状態で、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃、流量を50SLMとして、炉体内圧力が230Paとなるように、窒素ガス供給部8による窒素ガスの供給量を設定した。その結果、ヒータ34の温度が2200Kであった場合、炉体36内のHCN濃度は5ppmであった。このとき、炉体36外の作業者がいる場所のHCN濃度は1ppm以下であり、室内汚染の問題はなかった。
つぎに、濃度計12の検出結果に応じて、窒素ガス供給部8による窒素ガスの供給量を変化させる制御を行った。待機状態と線引中では、ヒータ34の温度が比較的高い線引中の方がシアンガスの発生量が多くなる。すなわち、窒素ガス供給部8が供給する窒素ガスの露点温度を−90℃とし、濃度計12の検出結果として炉体36内のHCN濃度が5ppmを超えそうな場合、窒素ガス供給部8から供給する窒素ガスの流量を増加させた。その結果、ヒータ34の温度が約1300Kとなる待機状態のときは、10SLMとした窒素ガスの流量を、ヒータ34の温度が2200Kとなる線引中は、50SLMに変化させたことで、炉体36内の圧力は160Paから250Paに変化し、炉体36内のHCN濃度は5ppmであった。このように、待機状態と線引中とでHCN濃度に応じて窒素ガスの供給量を変化させることによって、グラファイト加熱炉310では、窒素ガスの全体的な使用量を削減することができるとともに、より確実に炉体36内のシアンガスの発生量を抑制することができる。
ここまで、本発明を実施する最良の形態を実施の形態1〜6として説明したが、本発明は、この実施の形態1〜6に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば種々の変形が可能である。例えば、上述した実施の形態1〜6では、グラファイト加熱炉100,110だけが炉体内ガスの排出量を調整可能な機構としての排気部9を備えるものとして説明したが、同様の排気機構をグラファイト加熱炉200,210,300,310が備えるようにすることもできる。また逆に、グラファイト加熱炉100,110から排気部9を取り除き、グラファイト加熱炉200,210,300,310と同様に放出のみによる排気を行うようにすることもできる。なお、排気部9の後段には、排出する炉体内ガスに含まれるシアンガスを一層無害化する排ガス処理装置を設けることもできる。
また、上述した実施の形態1〜6では、本発明にかかるグラファイト加熱炉は、光ファイバ母材を加熱するための脱水焼結炉、延伸用加熱炉または線引用加熱炉であるものとしたが、かかる用途に限定されず、種々の用途に適用させることができる。なお、シアンガスの発生量は、温度が高くなるほど多くなるため、本発明のグラファイト加熱炉を種々の用途に適用させる場合においても、炉体内の温度は、2200K以下であることが好ましい。
本発明の実施の形態1にかかるグラファイト加熱炉の構成を示す図である。 グラファイト加熱炉の炉体内圧力と炉体内のHCN濃度との対応関係を示すグラフである。 グラファイト加熱炉に供給する窒素ガスの露点温度と炉体内のHCN濃度との対応関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2にかかるグラファイト加熱炉の構成を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかるグラファイト加熱炉の構成を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかるグラファイト加熱炉の構成を示す図である。 本発明の実施の形態5にかかるグラファイト加熱炉の構成を示す図である。 本発明の実施の形態6にかかるグラファイト加熱炉の構成を示す図である。
符号の説明
1 多孔質母材
2,3,23,33 炉心管
4,24,34 ヒータ
5a〜5c、25a〜25c、35a〜35c 断熱材
6,26,36 炉体
6a,6b 隙間
6c,26c,36c 空隙
7 シール材
8 窒素ガス供給部
8a 給気管
9 排気部
9a 排気管
10,30,40 制御部
11 圧力計
12 濃度計
21 ガラスロッド
26a,26b,36a,36b 挟持部
31 プリフォーム
37 カーボン板
38 ガラス板
100,200,300 グラファイト加熱炉

Claims (6)

  1. 加熱対象物を設置する反応容器と、ヒータおよび断熱材が内部に配置され、前記反応容器を取り囲む炉体とを備え、炉体内の少なくとも一部がグラファイトを用いて形成されたグラファイト加熱炉において、
    前記炉体内に窒素ガスを供給するガス供給部と、
    前記炉体内のシアンガスを含む炉体内ガスを前記炉体外に排出するとともに、前記排出したガスを処理する排ガス処理装置に接続する排気部と、
    前記シアンガスを含む炉体内ガスの少なくとも一部を前記炉体内から大気中に放出する放出部と、
    を備え、
    前記炉体内に供給される窒素ガスの露点温度は、−80℃以下であり、
    前記炉体内の圧力は、前記炉体外の大気圧に対して140Pa以上であることを特徴とするグラファイト加熱炉。
  2. 前記炉体内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段の検出結果に応じて、前記ガス供給部が供給する窒素ガスの供給量または前記排気部が排出する前記炉体内ガスの排出量の少なくとも一方を変化させる制御を行う制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のグラファイト加熱炉。
  3. 前記炉体内のシアンガス濃度を検出する濃度検出手段と、
    前記濃度検出手段の検出結果に応じて、前記ガス供給部が供給する窒素ガスの供給量または前記排気部が排出する前記炉体内ガスの排出量の少なくとも一方を変化させる制御を行う制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のグラファイト加熱炉。
  4. 前記炉体内の温度は、2200K以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のグラファイト加熱炉。
  5. 前記加熱対象物は光ファイバ母材であって、当該グラファイト加熱炉は、前記光ファイバ母材を脱水および焼結する脱水焼結炉、前記光ファイバ母材を延伸させる延伸用加熱炉または前記光ファイバ母材を線引きする線引き用加熱炉であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のグラファイト加熱炉。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のグラファイト加熱炉を用いて、前記加熱対象物である光ファイバ母材の脱水および焼結、前記光ファイバ母材の延伸、または前記光ファイバ母材の線引きを行うことを特徴とする光ファイバの製造方法。
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