JP5199587B2 - 光電気セルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子の逆流(暗電流あるいはバックカレントという)、電子の再結合、電極間の接着による短絡などが抑制された、高い光電変換効率を有する光電気セルおよびその製造方法に関する。
高バンドギャップを有する金属酸化物半導体材料が光電変換材料、光触媒材料等の他光センサーや蓄電材料(バッテリー)等に用いられている。
このうち、光電変換材料は光エネルギーを電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、電極間の電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する材料である。このような光電変換材料に光を照射すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動し、対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方の電極に戻る。このエネルギー変換は連続であるため、たとえば、太陽電池などに利用されている。
一般的な太陽電池は、先ず透明性導電膜を形成したガラス板などの支持体上に光電変換材料用半導体の膜を形成して電極とし、次に、対電極として別の透明性導電膜を形成したガラス板などの支持体を備え、これらの電極間に電解質を封入して構成されている。
光電変換材料用半導体に吸着した光増感材に例えば太陽光を照射すると、光増感材は可視領域の光を吸収して励起する。この励起によって発生する電子は半導体に移動し、次いで、透明導電性ガラス電極に移動し、2つの電極を接続する導線を通って対電極に移動し、対電極に移動した電子は電解質中の酸化還元系を還元する。一方、半導体に電子を移動させた光増感材は、酸化体の状態になっているが、この酸化体は電解質中の酸化還元系によって還元され、元の状態に戻る。このようにして電子が連続的に流れ、光電変換材料は太陽電池として機能する。
この光電変換材料としては、半導体表面に可視光領域に吸収を持つ分光増感色素を吸着させたものが用いられている。たとえば、特開平1−220380号公報(特許文献1)には、金属酸化物半導体の表面に、ルテニウム錯体などの遷移金属錯体からなる分光増感色素層を有する太陽電池が記載されている。また、特表平5−504023号公報(特許文献2)には、金属イオンでドープした酸化チタン半導体層の表面に、ルテニウム錯体などの遷移金属錯体からなる分光増感色素層を有する太陽電池が記載されている。
上記のような太陽電池では、光を吸収して励起したルテニウム錯体などの分光増感色素層から酸化チタン半導体層へ電子の移動が迅速に行われることが光変換効率向上に重要であり、迅速に電子移動が行われないと再度ルテニウム錯体と電子の再結合あるいは電子の逆流(暗電流あるいはバックカレントという)が起こり光変換効率が低下する問題がある。
このため、酸化チタン半導体膜表面への分光増感色素の吸着量を増大させたり、酸化チタン半導体膜内の電子の移動性を向上させたりすることが検討されている。
たとえば、酸化チタン半導体膜を形成する際、チタニアゾルを電極基板上に塗布し、乾燥し、ついで焼成する工程を繰り返して行い多孔質の厚膜を形成し、半導体膜を多孔質化することによって表面に担持するRu錯体の量を増加させることが提案されている。また、400℃以上の温度でチタニア微粒子間の焼成を行い、導電性を向上させることも提案されている。さらに特表平6−511113号公報(特許文献3)では、有効表面を増加
させるために、塩化チタンの水溶液に浸すか、塩化チタンの加水分解液を用いて電気化学的にチタニア膜に堆積させることが提案されている。
しかしながら従来の太陽電池では、未だ光変換効率が不充分でさらなる改良が求められている。
特許文献3は多孔質酸化チタン膜形成時のアニールによる透明電極から多孔質酸化チタン膜へのイオンの拡散の影響を防ぐために導電性ガラス層と多孔質酸化チタン層との間にバリヤ層を設けることが記載されている。このとき、バリヤ層の形成方法としてチタンアルコキシドのアルコール溶液を塗布し、湿り空気中で溶媒を蒸発させて厚さ0.1μm未満の酸化チタン層(非孔質層)を形成することが記載されている。また、塩化チタン水溶液の加熱によって、塩化チタン蒸気を含む約500℃の乾燥空気から蒸着させることが記載されている。しかしながら、上記方法では膜厚の制御が困難であったり、大面積の電極層付基板上に形成することが困難であったり、分解して酸化チタン膜にする際に発生するガスにより装置を腐食する等の問題があり、工業的なレベルでの製造を考慮すると解決すべき課題があった。
さらに、本願発明者等は電極層と、金属酸化物粒子とバインダーとからなる多孔質金属酸化物半導体膜との間に非孔質金属酸化物半導体膜を形成すると後に形成する多孔質半導体膜の密着性が向上するとともに得られる太陽電池の光電変換効率が向上することを開示している。(特許文献4:特開2002−319439号公報)
しかしながら、特許文献4では、非孔質金属酸化物半導体膜の膜厚は比較的均一になるものの、膜にクラックが生じ、前記バリア膜としての効果が得られない場合があった。加えて、さらなる光電変換効率の向上が求められている。
特開平1−220380号公報 特表平5−504023号公報 特表平6−511113号公報 特開2002−319439号公報
上記問題点に鑑み本発明者等は鋭意検討した結果、多孔質酸化チタン半導体膜をバインダーを用いることなく金属酸化物粒子のみからなる多孔質酸化チタン半導体膜とし、電極層と多孔質金属酸化物半導体膜との間にセルロースを含むペルオキソチタン酸を用いて酸化チタン薄膜(バリヤということがある)を形成すると後に形成する多孔質半導体膜の密着性が高く、得られる太陽電池の光電変換効率がさらに向上することを見出して本発明を完成するに至った。
なお、本出願人は、特開2006-93002号公報、特開2006-19190号公報、特開2003-308891
号公報、特開2003-168495号公報、特開2001-185245号公報、特開2001-155791号公報で、
光電気セルについて提案し、これらには、いずれも半導体膜に酸化チタンとバインダーとしてペルオキソチタン酸を用いることが開示されている。しかしながら、これらには、電極層と多孔質金属酸化物半導体膜との間に緻密な酸化チタン薄膜を形成するという技術的思想は何ら開示されておらず、また、前記特許文献1と同様の問題点があった。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、透明電極層と多孔質半導体膜との間に増粘剤を含むペルオキソチタン酸を用いることにより膜厚が均一でクラックが生じることもなく、電極層および多孔質半導体膜との密着性に優れた緻密な酸化チタン薄膜を設けることができ、このため電子の逆流、電子の再結合、電極間の接着による短絡などが抑制され、光電変換効率の向上した光電気セルが提供できることを見出した。
本発明の構成は以下の通りである。
[1](A)透明基板の表面に透明電極を設ける工程と、
(B)TiO 2 の濃度が、0.1〜2.0重量%、増粘剤の濃度が1〜60重量%のペルオキソチタン酸水溶液を調製する工程と、
(C)前記ペルオキソチタン酸水溶液を、前記透明電極上に塗布し、酸化チタン薄膜を形成する工程と、
(D)前記酸化チタン薄膜の上に、光増感材を吸着した金属酸化物粒子のみからなる多孔質金属酸化物半導体膜を形成する工程と、
(E)表面に対向電極を有する対向基板を作製する工程と、
(F)透明基板と対向基板とを対峙させ、前記多孔質金属酸化物半導体膜と、前記対向電極との間に、電解質層を設ける工程と、
を含み、
前記酸化チタン薄膜が膜厚10〜70nmの範囲で形成される光電気セルの製造方法。
[2]前記(C)工程の前に、前記ペルオキソチタン酸水溶液は、50〜90℃で、1〜25時間熟成処理される[1]の光電気セルの製造方法。
[3]前記酸化チタン薄膜の細孔容積が0.01〜0.20ml/gの範囲にあり、平均細孔径が0.5〜5.0nmの範囲にある[1]または[2]の光電気セルの製造方法。
本発明によれば、電極層と多孔質金属酸化物半導体膜との間に増粘剤を含むペルオキソチタン酸を用いて形成された酸化チタン薄膜を有するため、電子の逆流(暗電流あるいはバックカレントという)および電子の再結合、電極間の接着による短絡が抑制ないし防止されるので、光電変換効率の向上した光電気セルを提供することができる。
以下、本発明に係る光電気セルについて具体的に説明する。
光電気セル
本発明に係る光電気セルは、
表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
電極層(1)と多孔質金属酸化物半導体膜(1)との間にペルオキソチタン酸に由来する酸化チタン薄膜(1)を設けてなり、かつ多孔質金属酸化物半導体膜(1)が金属酸化物のみからなることを特徴としている。
本発明によって得られる光電気セルとしては、たとえば、図1に示すものが挙げられる。
図1は、本発明によって得られる光電気セルの1例を示す概略断面図であり、表面に電
極層(1)を有し、該電極層(1)上に酸化チタン薄膜(1)を有し、該酸化チタン薄膜(1)上に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質が封入されている。
図1中、1は電極層(1)、2は半導体膜(1)、3は電極層(2)、4は電解質層(2)、5は基板(1)、6は基板(2)、7は酸化チタン薄膜を示す。
なお、本発明によって得られる光電気セルは図示した光電気セルに限定されるものではなく、半導体膜を2層以上有し、この間に別の電極層および電解質層を設けた光電気セルであってもよい。
基板
一方の基板としてはガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の透明でかつ絶縁性を有する基板を用いることができる。
他の一方の基板としては使用に耐える強度を有していれば特に制限はなく、ガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の絶縁性基板の他に、金属チタン、金属アルミニウム、金属銅、金属ニッケルなどの導電性基板を使用することができる。
また、基板は少なくとも一方が透明であればよい。
電極層
基板(1)表面に形成された電極層(1)としては、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、貴金属等などの従来公知の電極を使用することができる。
このような電極層(1)は、熱分解法、CVD法などの従来公知の方法により形成するこ
とができる。
また、他の一方の基板(2)表面に形成された電極層(2)としては、還元触媒能を有するものであれば特に制限されるものでなく、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテニウム酸化物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモンなどの導電性材料の表面に前記電極材料をメッキあるいは蒸着した電極、カーボン電極など従来公知の電極を用いることができる。
このような電極層(2)は、基板(2)上に前記電極を直接コーティング、メッキあるいは蒸着させて、導電性材料を熱分解法、CDV法等の従来公知の方法により導電層を形成した後、該導電層上に前記電極材料をメッキあるいは蒸着するなど従来公知の方法により形成することができる。
なお、基板(2)は、基板(1)と同様に透明基板であってもよく、また電極層(2)は、電極
層(1)と同様に透明電極であってもよい。さらに、基板(2)は基板(1)と同じものであって
もよく、電極層(2)は電極層(1)と同じものであってもよい。
透明基板(1)と透明電極層(1)の可視光透過率は高い方が好ましく、具体的には50%以上、特に好ましくは90%以上であることが望ましい。可視光透過率が50%未満の場合は光電変換効率が低くなることがある。
電極層(1)および電極層(2)の抵抗値は、各々100Ω/cm2以下であることが好まし
い。電極層の抵抗値が100Ω/cm2を超えて高くなると光電変換効率が低くなること
がある。
酸化チタン薄膜
本発明に用いる酸化チタン薄膜(1)は増粘剤を含むペルオキソチタン酸水溶液を用いて形成されたものであり、緻密な膜である。
酸化チタン薄膜(1)は膜厚が10〜70nm、さらには20〜40nmの範囲にあるこ
とが好ましい。酸化チタン薄膜(1)の膜厚が薄いと、酸化チタン膜(1)による暗電流の抑制、電子の再結合の抑制が不充分となる。酸化チタン薄膜(1)の膜厚が厚すぎると、エネル
ギー障壁が大きくなりすぎて電子の移動が抑制され、逆に光電変換効率が低下することがある。
また、酸化チタン薄膜(1)は細孔容積が0.01〜0.20ml/g、さらには0.0
2〜0.15ml/gの範囲にあることが好ましい。細孔容積が前記上限よりも多いと、緻密性が低下してしまい、電解液と電極との接触が起こり、電子の逆流、電子の再結合の抑制効果が不充分となることがある。なお、スパッタリングなどの方法でも、緻密な酸化チタン薄膜を得ることは可能であるが、緻密すぎて電子の移動を阻害したり、後に形成する多孔質金属酸化物半導体膜との密着性が不充分となることがある。
酸化チタン薄膜(1)は平均細孔径が0.5〜5.0nm、さらには1.0〜3.5nm
の範囲にあることが好ましい。酸化チタン薄膜(1)の平均細孔径が前記上限よりも大きい
ものは、電解液と電極との接触が起こり、電子の逆流、電子の再結合の抑制効果が不充分となることがある。
このような酸化チタン薄膜(1)は、電極層(1)上に増粘剤を含むペルオキソチタン酸水溶液を、(A)スピンコート法、(B)ディップコート法、(C)フレキソ印刷法、(D)ロールコーター法、(E)電気泳動法から選ばれる1種以上の方法で塗布し、乾燥し、硬化させることにより形成することができる。
酸化チタン薄膜(1)の形成に用いるペルオキソチタン酸水溶液の濃度はTiO2として0.1〜2.0重量%、さらには0.3〜1.0重量%の範囲にあることが好ましい。ペルオキソチタン酸水溶液の濃度が薄いと、所望の膜厚の酸化チタン薄膜(1)が得られないことがあり、繰返し塗布、乾燥を行う必要が生じる。ペルオキソチタン酸水溶液の濃度が薄いと、乾燥時にクラックが生じたり、緻密な膜を形成できないことがあり、暗電流の抑制、電子の再結合の抑制効果が得られないことがある。
ここで、ペルオキソチタン酸とは過酸化水和チタンをいい、たとえば、チタン化合物の水溶液、または水和酸化チタンのゾルまたはゲルに過酸化水素を加えて加熱することによって調製することができる。具体的には、まず、チタン化合物を加水分解してオルソチタン酸のゾルまたはゲルを調製する。
オルソチタン酸のゲルは、チタン化合物として塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニルなどのチタン塩を使用し、この水溶液にアルカリを加えて中和し、洗浄することによって得ることができる。また、オルソチタン酸のゾルは、チタン塩の水溶液をイオン交換樹脂に通して陰イオンを除去するか、あるいはチタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシドなどのチタンアルコキシドの水および/または有機溶媒に酸またはアルカリを加えて加水分解することによって得ることができる。
中和あるいは加水分解する際のチタン化合物の溶液のpHは7〜13の範囲にあることが好ましい。チタン化合物溶液のpHが上記範囲にあるとオルソチタン酸のゲルまたはゾルの微細な粒子が得られ、後述する過酸化水素との反応が容易となる。
さらに、中和あるいは加水分解する際の温度は0〜60℃の範囲にあることが好ましく、特に好ましい範囲は0〜50℃の範囲である。中和あるいは加水分解する際の温度が上記範囲にあるとオルソチタン酸のゲルまたはゾルの微細な粒子が得られ、後述する過酸化水素との反応が容易となる。得られたゲルまたはゾル中のオルソチタン酸粒子は、非晶質であることが好ましい。
次に、オルソチタン酸のゲルまたはゾルあるいはこれらの混合物に、過酸化水素を添加してオルソチタン酸を溶解してペルオキソチタン酸水溶液を調製する。ペルオキソチタン酸水溶液を調製するに際しては、オルソチタン酸のゲルまたはゾルあるいはこれらの混合物を、必要に応じて約50℃以上に加熱したり、攪拌したりすることが好ましい。また、この際、オルソチタン酸の濃度が高くなりすぎると、その溶解に長時間を必要とし、さらに未溶解のゲルが沈殿したり、あるいは得られるペルオキソチタン酸水溶液が粘調になることがある。このため、TiO2濃度としては、約10重量%以下であることが好ましく、さらに約5重量%以下であることが望ましい。
添加する過酸化水素の量は、H22/TiO2(オルソチタン酸はTiO2に換算)重量比で1以上であれば、オルソチタン酸を完全に溶解することができる。H22/TiO2重量比が1未満であると、オルソチタン酸が完全には溶解せず、未反応のゲルまたはゾルが残存することがある。また、H22/TiO2重量比は大きいほど、オルソチタン酸の溶解速度は大きく反応時間は短時間で終了するが、あまり過剰に過酸化水素を用いても、未反応の過酸化水素が系内に残存するだけであり、経済的でない。このような量で過酸化水素を用いると、オルソチタン酸は0.5〜20時間程度で溶解する。本発明に用いるペルオキソチタン酸水溶液は溶解後、50〜90℃で熟成することが好ましい。この熟成を行うと実質的に非晶質であるがアナターゼ類似のX線回折パターンを示し、平均粒子径が10〜50nmの範囲にある粒子が生成し、前記細孔容積および平均細孔径を有する酸化チタン薄膜を再現性よく得ることができる。
熟成時間は熟成温度によっても異なるが、通常1〜25時間である。
また、本発明に用いるペルオキソチタン酸水溶液は増粘剤を含んでいるが、増粘剤としてはエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノール等が含まれていてもよい。このような増粘剤がペルオキソチタン酸水溶液中に含まれていると、塗布液の粘度が高くなり、これにより均一に塗布することができ、クラックのない均一な膜厚の酸化チタン薄膜が得られ、下層の電極層との密着性の高い酸化チタン薄膜を得ることができる。
ペルオキソチタン酸水溶液中の増粘剤の濃度は増粘剤の種類によっても異なるが1.0〜60.0重量%、さらには3.0〜35.0重量%の範囲にあることが好ましい。増粘剤の濃度が1.0重量%未満の場合は前記増粘剤を用いた効果が不充分であり、60.0重量%を越えると塗布性が低下し、膜厚が厚くなりすぎたり、クラックが生じることがあり、前記酸化チタン薄膜を設ける効果が得られないことがある。
ペルオキソチタン酸水溶液の塗布方法が(A)スピンコート法、(B)ディップコート法、(C)フレキソ印刷法、(D)ロールコーター法(E)電気泳動法のいずれかであれば、電極層との密着性に優れ、膜厚が均一で、クラックがなく、かつ強度に優れた酸化チタン薄膜(1)を形成することができ、特に工業的にはフレキソ印刷法が好適に採用することができる。
乾燥は分散媒である水を除去できる温度であればよく、従来公知の方法を採用すること
ができ、風乾することも可能であるが、通常50〜200℃で0.2〜5時間程度乾燥する。本発明では、乾燥後、後述する多孔質金属酸化物半導体膜を形成することができるが、乾燥後硬化した後多孔質金属酸化物半導体膜を形成してもよい。
乾燥処理のみでも硬化するが、さらに必要に応じて紫外線を照射し、ついで加熱処理によってアニーリングする。
紫外線の照射はペルオキソチタン酸が分解して硬化するに必要な量照射すればよい。
加熱処理は、通常、200〜500℃、さらには300〜450℃で概ね1〜48時間処理する。
多孔質金属酸化物半導体膜
前記酸化チタン薄膜(1)上に多孔質金属酸化物半導体膜が形成されている。この多孔質
金属酸化物半導体膜の膜厚は、0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
多孔質金属酸化物半導体膜は、酸化チタン、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムの1種または2種以上の金属酸化物からなることが好ましい。なかでも結晶性の酸化チタン、例えば、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタンは好適に用いることができる。
このような金属酸化物はバンドギャップが高く(概ね1.7〜3.8eVの範囲)、可視光の吸収により光増感材が励起して電子を発生させることができる。
多孔性の金属酸化物半導体膜は、金属酸化物粒子からなるものが用いられる。金属酸化物粒子の平均粒子径が5〜800nm、さらには10〜600nm、特に10〜200nmの範囲にあることが好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径が小さいものは、形成された金属酸化物半導体膜にクラックが発生しやすく、少ない回数で後述する膜厚を有するクラックのない厚膜を形成することが困難になることがあり、さらに金属酸化物半導体膜の細孔径、細孔容積が低下し光増感材の吸着量が低下することもある。また、金属酸化物粒子の平均粒子径が大きすぎても、粒子間隙が大きくなるために光の透過量が増大して光の利用率が低下したり、金属酸化物半導体膜の強度が不充分となることがある。
このような金属酸化物粒子は、比表面積が10〜400m2/g、さらには20〜30
0m2/gの範囲にあることが好ましい。比表面積が小さいものは光増感材の吸着量が少
ないために光電変換効率が高くならず、比表面積が大きくしすぎても、さらに光電変換効率が高くなることもない。
また、多孔質金属酸化物半導体膜の細孔容積は0.25〜0.8ml/g、さらには0.3〜0.6ml/gの範囲にあることが好ましい。多孔質金属酸化物半導体膜の細孔容積が0.25ml/gより小さい場合は光増感材吸着量が低くなり、また0.8ml/gを超えて高い場合には半導体膜内の電子移動性が低下して光電変換効率を低下させることがある。
また、多孔質金属酸化物半導体膜の平均細孔径は6〜250nm、さらには10〜200nmの範囲にあることが好ましい。平均細孔径が6nm未満の場合は光増感材の吸着量が低下し、250nmを超えて高い場合は半導体膜内の電子移動性が低下し光電変換効率が低下することもある。
上記多孔質金属酸化物半導体膜の製造方法は、前記した多孔質金属酸化物半導体膜が得られれば特に制限はないが、以下に説明する多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗布液を用いる以外、本願出願人の出願による特開平11−33867号公報に開示した金属酸化物
半導体膜の製造方法を好適に準用することができる。
具体的には金属酸化物粒子と、必要に応じて用いる増粘剤と分散媒とからなる多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗布液を電極層上に形成した酸化チタン薄膜上に塗布し、乾燥した後紫外線照射により硬化、あるいは加熱硬化させて形成することができる。
特に、金属酸化物粒子粒子としてアナタース型酸化チタン粒子のコロイド粒子を用いることが好ましい。
金属酸化物粒子分散液には前記した金属酸化物粒子と、必要に応じて用いる増粘剤と分散媒として水、アルコール類、ケトン類、グリコール類から選ばれる1種または2種以上が用いられる。
具体的には、アルコール類としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等、ケトン類としてはアセトンなどグリコール類としてエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
なかでも、水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の比較的低沸点のアルコール類を含む水性分散媒は前記金属酸化物粒子、後述する必要に応じて用いる増粘剤とを均一に分散あるいは溶解できるとともに、基材に金属酸化物粒子層を積層させた後、乾燥する際に分散媒が蒸発しやすいので好適に用いることができる。
増粘剤としては、前記したポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ケトン樹脂、メラミン樹脂、等が含まれていてもよい。このような増粘剤が多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗布液中に含まれていると、塗布液の粘度が高くなり、これにより均一に塗布することができ、後述する細孔容積および平均細孔径を有する多孔質金属酸化物半導体膜を得ることができる。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗布液中の増粘剤の濃度は増粘剤の種類によっても異なるが1.0〜40.0重量%、さらには4.0〜10.0重量%の範囲にあることが好ましい。
増粘剤の濃度が1.0重量%未満の場合は前記増粘剤を用いた効果が不充分であり、40.0重量%を越えると塗布性が低下するとともに、得られる半導体膜の強度が不充分となり、さらに増粘剤の完全な除去が困難となり、充分な光電変換効率の工場効果が得られないことがある。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗布液中の金属酸化物粒子の固形分濃度は1〜30重量%、さらには2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
前記濃度が1重量%未満の場合は、濃度が薄すぎて1回の操作で所望の厚さの金属酸化物半導体膜を形成できない場合があり、繰り返し操作が必要となる。
前記濃度が30重量%を超えると分散液の粘度が高くなり、得られる金属酸化物半導体膜の緻密度が低下し、半導体膜の強度、耐摩耗性が不充分となることに加え、電子の移動性が低下し、光電変換効率が不充分となることがある。
このような、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗布液を酸化チタン薄膜上に塗布し、乾燥した後加熱硬化するとともにアニーリングして形成することができる。
塗布方法はディップ法、スピナー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法等が好適である。
乾燥は分散媒を除去できる温度であればよく、従来公知の方法を採用することができ、風乾することも可能であるが、通常50〜200℃で0.2〜5時間程度乾燥する。加熱処理は、通常、200〜600℃、さらには300〜500℃で概ね1〜48時間処理する。
このようにして得られた多孔質金属酸化物半導体膜の膜厚は0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る光電気セルでは、多孔質金属酸化物半導体膜(1)が光増感材を吸着してい
る。
光増感材
光増感材としては、可視光領域、紫外光領域、赤外光領域の光を吸収して励起するものであれば特に制限はなく、たとえば有機色素、金属錯体などを用いることができる。
有機色素としては、分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基等の官能基を有する従来公知の有機色素が使用できる。 具体的には、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メタロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素およびウラニン、エオシン、ローズベンガル、ローダミンB、ジブロムフルオレセイン等のキサンテン系色素等が挙げられる。これらの有機色素は金属酸化物半導体膜への吸着速度が早いという特性を有している。
また、金属錯体としては、特開平1-220380号公報、特表平5-504023号公報などに記載された銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミン、ルテニウム-トリス(2,2'-ビスピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)、シス-(SCN-)-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシレート)ルテニウム、ルテニウム-シ
ス-ジアクア-ビス(2,2'-ビピリジル-4,4'-ジカルボキシラート)などのルテニウム-シス-
ジアクア-ビピリジル錯体、亜鉛-テトラ(4-カルボキシフェニル)ポルフィンなどのポルフィリン、鉄-ヘキサシアニド錯体等のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛などの錯体を挙
げることができる。これらの金属錯体は分光増感の効果や耐久性に優れている。
上記の光増感材としての有機色素または金属錯体は単独で用いてもよく、有機色素または金属錯体の2種以上を混合して用いてもよく、さらに有機色素と金属錯体とを併用してもよい。
多孔質金属酸化物半導体膜の光増感材の吸着量は多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり100μg以上、さらには150μg以上であることが好ましい。
多孔質金属酸化物半導体膜の光増感材の吸着量が100μg未満の場合は光電変換効率が不充分となる。
このような光増感材の吸着方法は、特に制限はなく、光増感材を溶媒に溶解した溶液を、ディッピング法、スピナー法、スプレー法等の方法により多孔質金属酸化物半導体膜に吸収させ、次いで乾燥する等の一般的な方法が採用できる。さらに必要に応じて前記吸収工程を繰り返してもよい。また、光増感材溶液を加熱環流しながら前記基板と接触させて光増感材を多孔質金属酸化物半導体膜に吸着させることもできる。
光増感材を溶解させる溶媒としては、光増感材を溶解するものであればよく、具体的には、水、アルコール類、トルエン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、エチルセルソルブ、Nーメチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
光増感材溶液の光増感材の濃度は多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり
100μg以上、さらには200μg以上となる濃度が好ましい。
本発明では、前記した表面に電極層(1)を有し、該電極層(1)上に酸化チタン薄膜(1)を
有し、かつ該酸化チタン薄膜(1)表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜を
有する基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とを、電極層(1)および電極層(2)が
対向するように配置し、側面を樹脂にてシールし、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極
層(2)との間に電解質を封入し、さらに電極間をリード線で接続することによって光電気
セルを製造することができる。
電解質層
電解質としては、電気化学的に活性な塩とともに酸化還元系を形成する少なくとも1種の化合物との混合物が使用される。
電気化学的に活性な塩としては、テトラプロピルアンモニウムアイオダイドなどの4級アンモニウム塩が挙げられる。酸化還元系を形成する化合物としては、キノン、ヒドロキノン、沃素(I-/I- 3)、沃化カリウム、臭素(Br-/Br- 3)、臭化カリウム等が挙げられる。場合によってはこれらを混合して使用することもできる。
このような電解質の使用量は、電解質の種類、後述する溶媒の種類によっても異なるが、概ね0.1〜5モル/リットルの範囲にあることが好ましい。
電解質層には、従来公知の溶媒を用いることができる。具体的には水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピオンカーボネート等のカーボネート類、燐酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホラン66の硫黄化合物、炭酸エチレン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
光電気セルの製造方法
本発明に係る光電気セルの製造方法は、表面に電極層(1)、酸化チタン薄膜(1)、ついで、該酸化チタン薄膜上に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなり、電極層(1)と多孔質金属酸化物半導体膜(1)との間にペルオキソチタン酸に由来する酸化チタン薄膜(1)を設けてなり、かつ多孔質金属酸化物半導体膜(1)が金属酸化物のみからなる光電気セルの製造方法において、電極層(1)上に増粘剤を含むペルオキソチタン酸水溶液を、(A)スピンコート法、(B)ディップコート法、(C)フレキソ印刷法、(D)ロールコーター法(E)電気泳動法からなる群から選ばれる1種以上の方法で塗布し、乾燥し、硬化させて酸化チタン薄膜(1)を形成する
ことを特徴としている。
酸化チタン薄膜形成用の増粘剤を含むペルオキソチタン酸水溶液の濃度はTiO2として0.1〜2.0重量%、さらには0.3〜1.0重量%の範囲にあることが好ましい。酸化チタン薄膜形成用のペルオキソチタン酸水溶液の濃度がTiO2として0.1重量%未満の場合は、所望の膜厚の酸化チタン薄膜(1)が得られないことがあり、繰返し塗布、乾燥を行う必要が生じる。
酸化チタン薄膜形成用の増粘剤を含むペルオキソチタン酸水溶液の濃度がTiO2として2.0重量%を越えると、乾燥時にクラックガ生じたり、緻密な膜を形成できないことがあり、暗電流の抑制、電子の再結合の抑制効果が得られないことがある。
ペルオキソチタン酸水溶液中の増粘剤の濃度は増粘剤の種類によっても異なるが1.0〜60.0重量%、さらには3.0〜35.0重量%の範囲にあることが好ましい。増粘剤の濃度が1.0重量%未満の場合は前記増粘剤を用いた効果が不充分であり、60.0重量%を越えると塗布性が低下し、膜厚が厚くなりすぎたり、クラックが生じることがあり、前記酸化チタン薄膜を設ける効果が得られないことがある。
増粘剤を含むペルオキソチタン酸水溶液の塗布方法が(A)スピンコート法、(B)ディップコート法、(C)フレキソ印刷法、(D)ロールコーター法(E)電気泳動法のいずれかであれば、電極層との密着性に優れ、膜厚が均一で、かつ強度に優れた酸化チタン薄膜(1)を形成することができ、特に工業的にはフレキソ印刷法が好適に採用することができる。
なお、(E)電気泳動法とは、ペルオキソチタン酸水溶液に電極層を形成した基板を浸漬し、電極層とペルオキソチタン酸水溶液に直流電圧を印加し、電極層状にペルオキソチタン酸を積層させる方法である。本発明で採用する場合、印加電圧は電極層の種類、大きさ等によっても異なるが概ね0.5〜100V(DC)、さらには1〜50V(DC)の範囲にあることが好ましい。
乾燥は分散媒である水を除去出来る温度であればよく、従来公知の方法を採用することができ、風乾することも可能であるが、通常50〜200℃で0.2〜5時間程度乾燥する。本発明では、乾燥後、後述する多孔質金属酸化物半導体膜を形成することができるが、乾燥後硬化した後多孔質金属酸化物半導体膜を形成してもよい。
硬化方法としては、必要に応じて紫外線を照射し、ついで加熱処理によってアニーリングする。
紫外線の照射はペルオキソチタン酸が分解して硬化するに必要な量照射すればよい。
加熱処理は、通常、200〜500℃、さらには300〜450℃で概ね1〜48時間処理する。
このようにして得られる酸化チタン薄膜(1)は膜厚が10〜70nm、さらには20〜
40nmの範囲にあることが好ましい。
また、酸化チタン薄膜(1)は細孔容積が0.01〜0.20ml/g、さらには0.0
1〜0.15ml/gの範囲にあることが好ましい。
酸化チタン薄膜(1)は平均細孔径が0.5〜5.0nm、さらには1.0〜3.5nmの範囲にあることが好ましい。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
ペルオキソチタン酸水溶液(1)の調製
18.3gの4塩化チタンを純水で希釈してTiO2として1.0重量%含有する水溶液を得た。これを撹拌しながら、濃度15重量%のアンモニア水を添加し、pH9.5の白色スラリーを得た。このスラリーを濾過洗浄し、TiO2として濃度10.2重量%の水和酸化チタンゲルのケーキを得た。このケーキと濃度5%過酸化水素液400gを混合し、ついで80℃で2時間加熱して溶解し、TiO2として濃度1.0重量%のペルオキソチタン酸水溶液(1)を得た。さらに、TiO2濃度0.5%、エチレングリコール濃度20%となるように水およびペルオキソチタン酸水溶液にエチレングリコールを加えペルオキソチタン酸コーティング液(1)を得た。
酸化チタン薄膜(1)の形成
ペルオキソチタン酸コーティング溶液(1)をフッ素ドープした酸化スズを電極として形成
した透明ガラス基板にフレキソ印刷法で塗布し、自然乾燥し、引き続き低圧水銀ランプを
用いて6000mJ/cm2の紫外線を照射してペルオキソ酸を分解させ、膜を硬化させ
た。さらに、450℃で30分間加熱して硬化およびアニーリングを行って酸化チタン薄膜(1)を形成した。
得られた酸化チタン薄膜(1)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細
孔径を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(1)の形成
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(触媒化成工業(株)製:PST−18NR、酸化チタンコロイド平均粒子径:20nm、TiO2濃度17重量%、エチルセルロース濃度7.0重量%)を用いてスクリーン印刷を行いおよび乾燥を表に示した膜厚まで繰返し、その後450℃での焼成アニーリングを行って多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(1)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容
積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(1)の密着性を評価し、
結果を表1に示した。
密着性
多孔質金属酸化物半導体膜(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷
を付け100個の升目を作り、これにセロハンテ−プを接着し、ついで、セロハンテ−プを剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することにより密着性を評価した。結果を表に示す。
残存升目の数100個 :◎
残存升目の数90〜99個 :○
残存升目の数85〜89個 :△
残存升目の数84個以下 :×
光増感材の吸着
光増感材としてDYESOL社製B2色素を濃度0.1%となるようにエタノール溶液を調製した。この溶液に多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成したガラスを5時間漬込み
、取り出した後エタノール水溶液で洗浄し、色素を吸着させた。
光電気セル(1)の作成
先ず、溶媒としてアセトニトリルと炭酸エチレンの体積比が1:4の比でを混合した溶媒にテトラプロピルアンモニウムアイオダイドとヨウ素とを、それぞれの濃度が0.46
モル/L、0.06モル/Lとなるように溶解して電解質溶液を調製した。
前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(1)を作成した。
光電気セル(1)は、ソーラーシュミレーターで100W/m2の強度の光を入射角90°(セル面と90°)で照射して、Voc(開回路状態の電圧)、Joc(回路を短絡したときに流れる電流の密度)、FF(曲線因子)およびη(変換効率)を測定し結果を表1に示した。
[実施例2]
酸化チタン薄膜(2)の形成
実施例1において、スピンコーターにて塗布した以外は同様にして酸化チタン薄膜(2)を
形成した。
得られた酸化チタン薄膜(2)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細
孔径を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(2)の形成
実施例1において、半導体膜形成用塗布液(A)を酸化チタン薄膜(2)上に塗布した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(2)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(2)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容
積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(2)の密着性を評価し、
結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(2)上へ塗布した以外は同様にして光増
感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(2)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表に示し
た。
光電気セル(2)の作成
前記で調製した酸化チタン薄膜(2)、多孔質金属酸化物半導体膜(2)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(2)を作成した。
光電気セル(2)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表に示した。
[実施例3]
酸化チタン薄膜(3)の形成
実施例1において、フレキソ印刷を2回繰返し実施した以外は同様にして酸化チタン薄膜(3)を形成した。得られた酸化チタン薄膜(3)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(3)の形成
実施例1において、半導体膜形成用塗布液(A)を酸化チタン薄膜(3)上に塗布した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(3)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容
積と平均細孔径を表1に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(3)の密着性を評価し
、結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(3)上へ塗布した以外は同様にして光増
感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(3)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表1に示
した。
光電気セル(3)の作成
前記で調製した酸化チタン薄膜(3)、多孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(3)を作成した。
光電気セル(3)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表1に示した。
[実施例4]
酸化チタン薄膜(4)の形成
実施例1において、調製したペルオキソチタン酸コーティング液のTiO2濃度を0.3
8%、エチレングリコール濃度23%とした以外は同様にして酸化チタン薄膜(4)を形成
した。
得られた酸化チタン薄膜(4)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔
径を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(4)の形成
実施例1において、半導体膜形成用塗布液(A)を酸化チタン薄膜(4)上に塗布した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(4)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容
積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(4)の密着性を評価し、
結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(4)上へ塗布した以外は同様にして光増
感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(4)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表1に示
した。
光電気セル(4)の作成
前記で調製した酸化チタン薄膜(4)、多孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(4)を作成した。
光電気セル(4)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表1に示した。
[実施例5]
酸化チタン薄膜(5)の形成
実施例1において、調製したペルオキソチタン酸コーティング液のTiO2濃度を0.
5%、エチレングリコール濃度12%とした以外は同様にして酸化チタン薄膜(5)を形成
した。
得られた酸化チタン薄膜(5)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔
径を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(5)の形成
実施例1において、半導体膜形成用塗布液(A)を酸化チタン薄膜(5)上に塗布した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(5)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容
積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(5)の密着性を評価し、
結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(5)上へ塗布した以外は同様にして光増
感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(5)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表1に示
した。
光電気セル(5)の作成
前記で調製した酸化チタン薄膜(5)、多孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(5)を作成した。
光電気セル(5)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表1に示した。
[実施例6]
酸化チタン薄膜(1)の形成
実施例1と同様にして酸化チタン薄膜(1)を形成した。
多孔質金属酸化物半導体膜(6)の形成
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(触媒化成工業(株)製:PST−30NRD、酸
化チタンコロイド平均粒子径:35nm、TiO2濃度16重量%、エチルセルロース濃度10重量%)を用いてスクリーン印刷を行いおよび乾燥を表に示した膜厚まで繰返し、その後450℃での焼成アニーリングを行って多孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(6)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容
積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(6)の密着性を評価し、
結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(6)上へ塗布した以外は同様にして光増
感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(6)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表1に示
した。
光電気セル(6)の作成
前記で調製した酸化チタン薄膜(6)、多孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(6)を作成した。
光電気セル(6)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表1に示した。
[比較例1]
多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の形成
実施例1において、半導体膜形成用塗布液(A)を、酸化チタン薄膜を形成することなく
、直接、フッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ガラス基板に塗布した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の密着性を評価し、結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R1)上へ塗布した以外は同様にして光増感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表1に示した。
光電気セル(R1)の作成
多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(R1)を作成した。
光電気セル(R1)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表1に示した。
[比較例2]
酸化チタン薄膜(R2)の形成
チタニウムテトライソプロポキシドをTiO2濃度で0.5%までイソプロパノールで
希釈した溶液を450℃に加熱したフッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ガラス基板にスプレー法で噴きつけ、熱分解を起こさせることにより、酸化チタン薄膜(2)を形成した。
得られた酸化チタン薄膜(R2)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の形成
実施例1において、半導体膜形成用塗布液(A)を酸化チタン薄膜(R2)上に塗布した以外
は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の密着性を評価し、結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R2)上へ塗布した以外は同様にして光増感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表に示した。
光電気セル(R2)の作成
前記で調製した酸化チタン薄膜(R2)、多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(R2)を作成した。
光電気セル(R2)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表1に示した。
[比較例3]
多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の形成
実施例6において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を、酸化チタン薄膜を形成することなく、直接、フッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ガラス基板に塗布した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の密着性を評価し、結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R3)上へ塗布した以外は同様にして光増感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R3)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表1に示した。
光電気セル(R3)の作成
多孔質金属酸化物半導体膜(R3)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(R3)を作成した。
光電気セル(R1)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表1に示した。
[比較例4]
酸化チタン薄膜(R4)の形成
Tiターゲットを用いてスパッタリング法によりフッ素ドープした酸化スズを電極として形成した透明ガラス基板上に酸化チタン薄膜(R4)を形成した。
得られた酸化チタン薄膜(R4)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R4)の形成
実施例6において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を酸化チタン薄膜(R4)上に塗布した以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R4)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R4)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(R4)の密着性を評価し、結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R4)上へ塗布した以外は同様にして光増感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R4)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表1に示した。
光電気セル(R4)の作成
前記で調製した酸化チタン薄膜(R4)、多孔質金属酸化物半導体膜(R4)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(R4)を作成した。
光電気セル(R4)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表に示した。
[比較例5]
ペルオキソチタン酸水溶液(R5)の調製
実施例1と同様にしてTiO2として濃度1.0重量%のペルオキソチタン酸水溶 液(1)を得た。これに水を加えTiO2として濃度0.5重量%のペルオキソチタン酸コーティング 液(R5)を得た。
酸化チタン薄膜(R5)の形成
ペルオキソチタン酸コーティング液(R5)を用いた以外は実施例1と同様にして酸化チ
タン薄膜(R5)を形成した。
得られた酸化チタン薄膜(R5)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R5)の形成 (実施例1で半導体膜にペルオキソチタン酸含む)
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(触媒化成工業(株)製:HPW−18NR、酸化チタンコロイド平均粒子径:20nm、ペルオキソチタン酸含有量:TiO2として酸化チタンコロイドの10重量%、合計TiO2濃度10重量%、ポリエチレングリコール濃度14重量%)を用いてスクリーン印刷を行いおよび乾燥を表に示した膜厚まで繰返し、その後450℃での焼成アニーリングを行って多孔質金属酸化物半導体膜(R5)を形成した。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R5)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(R5)の密着性を評価し、結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R5)上へ塗布した以外は同様にして光
増感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R5)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表1に
示した。
光電気セル(R5)の作成
前記で調製した酸化チタン薄膜(R5)、多孔質金属酸化物半導体膜(R5)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(R5)を作成した。
光電気セル(R5)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表に示した。
[比較例6]
酸化チタン薄膜(R6)の形成
ペルオキソチタン酸コーティング液(R5)を用いた以外は比較例5と同様にして酸化チ
タン薄膜(R6)を形成した。
得られた酸化チタン薄膜(R6)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔容積と平均
細孔径を表1に示した。
多孔質金属酸化物半導体膜(R6)の形成
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(触媒化成工業(株)製:PST−18NR、酸化チタンコロイド平均粒子径:20nm、TiO2濃度17重量%、エチルセルロース濃度7.0重量%)を用いてスクリーン印刷を行いおよび乾燥を表に示した膜厚まで繰返し、その後450℃での焼成アニーリングを行って多孔質金属酸化物半導体膜(R6)を形成した
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R6)の膜厚および窒素吸着法によって求めた細孔
容積と平均細孔径を表に示した。また、多孔質金属酸化物半導体膜(R6)の密着性を評価
し、結果を表1に示した。
光増感材の吸着
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜(R6)上へ塗布した以外は同様にして光
増感材の吸着を行った。
得られた多孔質金属酸化物半導体膜(R5)の光増感材の吸着量を測定し、結果を表1に
示した。
光電気セル(R6)の作成
前記で調製した酸化チタン薄膜(R6)、多孔質金属酸化物半導体膜(R6)を形成した電極を一方の電極として用いた以外は同様にして光電気セル(R6)を作成した。
光電気セル(R6)についてVoc、Joc、FF、ηを測定し結果を表に示した。
Figure 0005199587
本発明の光電気セルの1例を示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・・・電極層(1)
2・・・・・半導体膜(1)
3・・・・・電極層(2)
4・・・・・電解質層(2)
5・・・・・基板(1)
6・・・・・基板(2)
7・・・・・酸化チタン薄膜

Claims (3)

  1. (A)透明基板の表面に透明電極を設ける工程と、
    (B)TiO2の濃度が、0.1〜2.0重量%、増粘剤の濃度が1〜60重量%のペルオキソチタン酸水溶液を調製する工程と、
    (C)前記ペルオキソチタン酸水溶液を、前記透明電極上に塗布し、酸化チタン薄膜を形成する工程と、
    (D)前記酸化チタン薄膜の上に、光増感材を吸着した金属酸化物粒子のみからなる多孔質金属酸化物半導体膜を形成する工程と、
    (E)表面に対向電極を有する対向基板を作製する工程と、
    (F)透明基板と対向基板とを対峙させ、前記多孔質金属酸化物半導体膜と、前記対向電極との間に、電解質層を設ける工程と、
    を含み、
    前記酸化チタン薄膜が膜厚10〜70nmの範囲で形成されることを特徴とする光電気セルの製造方法。
  2. 前記(C)工程の前に、前記ペルオキソチタン酸水溶液は、50〜90℃で、1〜25時間熟成処理されることを特徴とする請求項1に記載の光電気セルの製造方法。
  3. 前記酸化チタン薄膜の細孔容積が0.01〜0.20ml/gの範囲にあり、平均細孔径が0.5〜5.0nmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の光電気セルの製造方法。
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