JP5199064B2 - エチレン/α−オレフィン類の共重合体を含むブロック化防止剤組成物 - Google Patents

エチレン/α−オレフィン類の共重合体を含むブロック化防止剤組成物 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのエチレン/α−オレフィン共重合体および少なくとも1つのブロック化防止剤を含むポリマー組成物、該ポリマー組成物の製造方法、および該ポリマー組成物から製造された成形品に関する。ポリマー組成物は、低下したブロック化特性および/または再ブロック化(re-blocking)特性を有しうる。
【背景技術】
【0002】
多くのポリマー、特に合成エラストマーは、市販品の消費材として、粒子形態または微粒子形態、例えば、ペレット、顆粒、ブリケット、ピル、小片、フレーク、球、ディスク、円筒、立方体、および種々の他の規則的な形および不規則な形で製造される。一般に、これらのポリマー粒子の形状は、意図的に形成されたものであるか、またはポリマー製造プロセスにおける種々の回収および乾燥作業の自然な成果物である。微粒子形態のポリマーは、大きなポリマーブロック、シートなどよりも容易に他のポリマーと混合され得るので、そのようなポリマー粒子は、多くの用途に望ましいであろう。さらに、ポリマー粒子は、さらなる活用に向けた取り扱いが容易であり、かつ/または油により容易に溶解して潤滑油などを作製することができる。
【0003】
しかし、多くのポリマーの、使用に便利な粒子、特に何らかのエラストマー性を示す粒子は、一般に、一緒に凝集するか、接触している粒子間の望ましくない接着である「ブロック化」を示す傾向がある。そのような凝集は、ポリマー粒子の保存の間に高温および/または高圧下で起こることが多い。例えば、ポリマー粒子の積重ね梱包(stacking bale)またはパッケージにより生じる圧力は、凝集に好ましい状態を作り出す可能性がある。もしポリマー粒子が凝集するならば、一般に、利用可能な微粒子材料を作り出すためには、凝集塊を粉砕するか、砕くか、または別の方法ですり潰してポリマー粒子を部分的にまたは完全に再分離させることが必要である。そのような機械的プロセスは、さらなる労力、時間およびコスト、それらを使用する不便さ、およびさらなるプロセスの間のポリマーの汚染および/または分解という潜在的リスクのために、厄介であり、望ましくない。
【0004】
ポリマー粒子の天然の粘着性またはブロッキネス(blockiness)に対抗するために、ダスティング剤(dusting agent)、例えば、カーボンブラック、タルク、ステアリン酸亜鉛、米粉、チョーク、マグネシウムオキシド、滴虫土などを、ポリマー粒子へ適用することを含む、ポリマー粒子のブロック化を防ぐ試みがいくつかなされている。しかし、ダスティング剤自体が用途、例えば最新のエンジンの潤滑油に望ましくない可能性がある(エンジンの性能が望ましくないダスティング剤の影響を受けうる)ので、ダスティング剤をポリマーへ添加することは、一部の用途に対して望ましくない可能性がある。さらに、シリカ粉末および微細等級のタルクは、場合によりある状況下で健康上有害となる可能性がある。
【0005】
ある場合には、一部のポリマー製品が前述のポリマー粒子のように固着する可能性もある。例えば、ポリオレフィン樹脂、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンのフィルムは食品、繊維、医薬品、肥料、およびその他の概念の包装フィルムとしてまたは農業用被覆材料としての用途に利用できる。フィルムを製造または使用する一部のプロセスでのフィルムの取り扱いを改善するため、無機ブロック化防止剤、例えばシリカ、タルクおよびゼオライトをポリオレフィンフィルムに加えてもよい。しかし、大量の無機ブロック化防止剤を添加するとポリオレフィンフィルムの透明度および外観が悪化するおそれがあり、それらの表面スクラッチに対する抵抗が低下する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、ポリマー粒子間の接着または粘着性を低下させる改善された方法に対する必要性がある。さらに、該方法が、いくつかの望ましい特性、例えば抗ブロック化特性、透明度、および滑り特性などの点でバランスのよい改善を達成することのできることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の必要性は、本発明の種々の態様により適う。一態様では、本発明は、少なくとも1つのエチレン/α−オレフィン共重合体およびアミドを含むブロック化防止剤を含むポリマー組成物に関し、ここで、アミドの融点は少なくとも約70℃である。一実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は約1.7〜約3.5のM/M、少なくとも1つの融点、T(℃)、および密度d(g/cm3)を有し、ここで、Tおよびdの数値は関係:
≧−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
に相当する。
【0008】
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は、約1.7〜約3.5のM/Mを有し、融解熱ΔH(J/g)および最大のDSCピークと最大のCRYSTAFピークとの間の温度差として定義されるデルタ量(delta quantity)ΔT(℃)により特徴付けられ、このΔTおよびΔHの数値は以下の関係、
ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81(ΔHが0より大きく、130J/gまでの場合)、
ΔT≧48℃(ΔHが130J/gより大きい場合)
を有し、
ここで、CRYSTAFピークは少なくとも5パーセントの累積ポリマーを用いて決定され、5パーセント未満のポリマーが特定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である。
【0009】
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は、弾性回復率Re(エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形フィルムで測定された300パーセントのひずみおよび1サイクルでのパーセント)および密度d(g/cm3)で特徴付けられ、このReおよびdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が実質的に架橋相を有さない場合、以下の関係、
Re>1481−1629(d)
を満たす。
【0010】
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は、TREFを用いて分画される場合、40℃〜130℃の間で溶出する分子画分であって、この同じ温度の間で溶出する比較対象となるランダムエチレン共重合体画分のコモノマーモル含量よりも少なくとも5パーセント高いコモノマーモル含量を有するという点で特徴付けられる画分を有し、ここで、比較対象となるランダムエチレンインターコポリマーが同じコモノマー(単数または複数)を有し、かつメルトインデックス、密度、およびコモノマーモル含量(ポリマー全体に基づく)をこのエチレン/α−オレフィン共重合体のものから10パーセント内を有する。
【0011】
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は、G’(25℃)のG’(100℃)に対する比が約1:1〜約10:1の範囲である、25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)、および100℃での貯蔵弾性率G’(100℃)で特徴付けられる。
【0012】
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は、TREFを用いて分画される場合40℃〜130℃の間で溶出し、該画分のブロックインデックスが少なくとも0.5であり、約1までであることを特徴とする分子画分、および約1.3より大きな分子量分布M/Mを有する。別の実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は、0より大きく約1.0までの平均ブロックインデックス、および約1.3より大きな分子量分布M/Mを有する。
【0013】
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンが、スチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル1−ペンテン、ノルボルネン、1−デセン、1,5−ヘキサジエン、またはそれらの組み合わせである。
【0014】
別の実施形態では、ブロック化防止剤が、式:
【化2】
〔式中、RおよびRの各々は独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリールであり;Rは、各々約11個〜約39個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり;mおよびnの各々は独立に約1〜約37の間の整数であり;pは0〜3の間の整数であり;かつm、nおよびpの合計が少なくとも8である〕
のうちの1つを有する。
【0015】
別の実施形態では、ブロック化防止剤は、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、テトラコサニルアミド(tetracosanylamide)、ヘキサコサニルアミド(hexacosanylamide)、オクタコサニルアミド(octacosanylamide)、トリアコンチルアミド(triacontylamide)、ドトリアコンチルアミド(dotriacontylamide)、テトラトリアコンチルアミド(tetratriacontylamide)、テトラコンチルアミド(tetracontylamide)またはそれらの組み合わせである。別の実施形態では、ブロック化防止剤はエルカ酸アミドである。別の実施形態では、ブロック化防止剤は、ポリマー組成物の総重量に基づいて約0重量%より多く約3重量%までの量である。別の実施形態では、ポリマー組成物のペレットブロック化強度は4800Pa以下である。
【0016】
別の実施形態では、ポリマー組成物は、少なくとも1種類の添加剤をさらに含み、その添加剤は、場合によって、スリップ剤、ブロック化防止剤、可塑剤、オイル、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤または顔料、充填剤、潤滑剤、防曇剤、流動補助剤、カップリング剤、架橋剤、核剤、界面活性剤、溶剤、難燃剤、帯電防止剤、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0017】
別の態様では、本発明は、本明細書に開示されるポリマー組成物を含む可撓性成形品などの製品に関する。一実施形態では、該可撓性成形品には、玩具、グリップ、軟質な触感の握持部分、バンパーラブストリップ、床張り材、自動車のフロアマット、ホイール、キャスター、家具および電気製品の足部、タグ、シール、ガスケット(静的ガスケットおよび動的ガスケットなど)、自動車扉、バンパー帯、グリル構成部品、ロッカーパネル、ホース、内張り、事務用消耗品、シール、ライナー、ダイヤフラム、チューブ、蓋、ストッパー、ブランジャーチップ、運搬システム、台所用品、靴、靴用エアクッション、靴底およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0018】
本発明のさらなる態様ならびに本発明の種々の実施形態の特徴および特性は、以下の説明で明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
一般的定義
「ポリマー」とは、同種であれ異種であれ、モノマーを重合させることにより調製されたポリマー化合物を意味する。一般用語「ポリマー」は、用語「ホモポリマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」ならびに「共重合体(interpolymer)」を包含する。
【0020】
「共重合体」とは、少なくとも2つの異種のモノマーの重合により調製されたポリマーを意味する。一般用語「共重合体」には、用語「コポリマー」(通常、2つの異なるモノマーから調製されたポリマーをいうために用いられる)ならびに用語「ターポリマー」(通常、3つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーをいうために用いられる)が含まれる。また、4またはそれ以上の種類のモノマーを重合することにより作製されたポリマーも包含される。
【0021】
用語「エチレン/α−オレフィン共重合体」とは、一般に、エチレンおよび3またはそれ以上の炭素原子を有するα−オレフィンを含むポリマーをいう。好ましくは、エチレンはポリマー全体の過半数のモル画分を含む、すなわち、エチレンはポリマー全体の少なくとも約50モルパーセントを占める。より好ましくは、エチレンは少なくとも約60モルパーセント、少なくとも約70モルパーセント、または少なくとも約80モルパーセントを占め、ポリマー全体の実質的な残余分は、3またはそれ以上の炭素原子を有するα−オレフィンである少なくとも1つの他のコモノマーを含むことが好ましい。多くのエチレン/オクテンコポリマーに関して、好ましい組成物は、ポリマー全体の約80モルパーセントを上回るエチレン含量と、ポリマー全体の約10〜約15、好ましくは約15〜約20モルパーセントのオクテン含量を含む。ある実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は、低収量もしくは少量で製造された共重合体、または化学過程の副生成物としての共重合体を含まない。エチレン/α−オレフィン共重合体は1またはそれ以上のポリマーと混合できるが、そのように製造されたエチレン/α−オレフィン共重合体は実質的に純粋であり、多くの場合、重合プロセスの反応生成物の主成分を構成する。
【0022】
エチレン/α−オレフィン共重合体は、エチレンおよび1またはそれ以上の共重合可能なα−オレフィンコモノマーを重合型で含み、化学的特性および物理的特性の異なる2またはそれ以上の重合モノマー単位の複数のブロックまたはセグメントにより特徴付けられる。つまり、エチレン/α−オレフィン共重合体はブロック共重合体であり、好ましくは、マルチブロック共重合体またはコポリマーである。用語「共重合体」および「コポリマー」は本明細書において同義的に用いられる。ある実施形態では、マルチブロックコポリマーは、次式:
(AB)
〔式中、nは少なくとも1であり、好ましくは、1以上の整数、例えば2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上であり、「A」はハードブロックもしくはハードセグメントを表し、「B」はソフトブロックもしくはソフトセグメントを表す〕で表すことができる。好ましくは、AとBが、実質的に分枝状または実質的に星型の方法と対照的に、実質的に線状の方法で結合していることが好ましい。他の実施形態では、AブロックおよびBブロックはポリマー鎖に沿って無作為に分布している。言い換えれば、ブロックコポリマーは通常、下記のような構造は有さない。
AAA−−AA−BBB−−BB
さらに他の実施形態では、ブロックコポリマーは通常、異なるコモノマー(単数または複数)を含む第3の種類のブロックを有さない。さらに他の実施形態では、ブロックAおよびブロックBの各々が、ブロック内に実質的に無作為に分布したモノマーまたはコモノマーを有する。言い換えれば、ブロックAもブロックBも、ブロックの残りの部分と実質的に異なる組成を有する、別個の組成の2またはそれ以上のサブセグメント(またはサブブロック)、例えばチップセグメント(tip segment)を含まない。
【0023】
マルチブロックポリマーは、一般に、種々の量の「ハード」および「ソフト」セグメントを含む。「ハード」セグメントとは、エチレンがポリマーの重量ベースで約95重量パーセント、好ましくは、約98重量パーセントより多い量で存在する重合したユニットのブロックをいう。言い換えれば、ハードセグメント中のコモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)は、ポリマーの重量ベースで約5重量パーセント未満であり、好ましくは、約2重量パーセント未満である。ある実施形態では、ハードセグメントは全てまたは実質的に全てのエチレンを含む。一方、「ソフト」セグメントとは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)がポリマーの重量ベースで約5重量パーセント超、好ましくは約8重量パーセントより多い、約10重量パーセントより多い、または約15重量パーセントより多い、重合したユニットのブロックをいう。ある実施形態では、ソフトセグメント中のコモノマー含有量は、約20重量パーセント超、約25重量パーセント超、約30重量パーセント超、約35重量パーセント超、約40重量パーセント超、約45重量パーセント超、約50重量パーセント超、または約60重量パーセント超であってよい。
【0024】
ソフトセグメントは、ブロック共重合体中にブロック共重合体の総重量の約1重量パーセント〜約99重量パーセント、好ましくは、ブロック共重合体の総重量の約5重量パーセント〜約95重量パーセント、約10重量パーセント〜約90重量パーセント、約15重量パーセント〜約85重量パーセント、約20重量パーセント〜約80重量パーセント、約25重量パーセント〜約75重量パーセント、約30重量パーセント〜約70重量パーセント、約35重量パーセント〜約65重量パーセント、約40重量パーセント〜約60重量パーセント、または約45重量パーセント〜約55重量パーセント存在する場合が多い。逆に言えば、ハードセグメントも同様の範囲で存在し得る。ソフトセグメントの重量パーセンテージおよびハードセグメントの重量パーセンテージは、DSCまたはNMRから得たデータに基づいて計算できる。そのような方法および計算は、Colin L.P. Shan、 Lonnie Hazlittらの名前でDow Global Technologies Inc.に譲渡される2006年3月15日出願の、同時継続出願の米国特許出願第____号(明らかになり次第挿入する)、代理人整理番号385063―999558、表題「Ethylene/α-Olefin Block Interpolymers」に開示されており、その開示は参照によりその全文が本明細書に援用される。
【0025】
用語「結晶性」とは、用いられる場合、示差走査熱量測定(DSC)または同等技法で測定される一次転移点または結晶融点(T)を有するポリマーをいう。この用語は用語「半結晶性」と同義的に用いられうる。用語「非晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)または同等技法で測定される結晶融点を欠くポリマーをいう。
【0026】
用語「マルチブロックコポリマー」または「セグメント化コポリマー」とは、好ましくは線状に連結された、2またはそれ以上の化学的に別個の領域またはセグメント(「ブロック」と呼ばれる)を含むポリマー、つまり、垂れ下がったり接ぎ木されたりした形ではなく、重合したエチレン性官能基に対して端と端を連結された、化学的に分化したユニットを含むポリマーをいう。好ましい実施形態では、ブロックは、ブロックに組み込まれているコモノマーの量または種類、密度、結晶化度の量、そのような組成物のポリマーに起因する微結晶サイズ、立体規則性の種類または程度(アイソタクチックまたはシンジオタクチック)、位置規則性または位置不規則性、長鎖分枝または超分枝を含む分枝の量、均質性、あるいはその他の任意の化学的または物理的特性の点で異なる。マルチブロックコポリマーは、双方の多分散指数(PDIまたはM/M)の一意な分布、ブロック長分布、および/またはコポリマーを作製する一意な方法に起因するブロック数分布により特徴付けられる。より具体的に言えば、連続法で製造される場合、ポリマーは、1.7〜2.9、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.8〜2.2、そして最も好ましくは1.8〜2.1のPDIを有することが望ましい。回分法または半回分法で製造される場合、ポリマーは1.0〜2.9、好ましくは1.3〜2.5、より好ましくは1.4〜2.0、そして最も好ましくは1.4〜1.8のPDIを有することが望ましい。
【0027】
以下の説明において、本明細書に開示される数字は、それに関連して「約」または「およそ」という語が使われていようとなかろうと関係なく、全て近似値である。それらは1パーセント、2パーセント、5パーセント、または、時には10〜20パーセント異なりうる。下限値Rおよび上限値Rをもつ数値域が開示される場合はいつでも、その範囲内にある任意の数が具体的に開示される。特に、範囲内の下記の数、R=R+k(R−R)が具体的に開示され、式中、kは増分1パーセントの1パーセントから100パーセントの範囲の変数、すなわちkは1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、...、50パーセント、51パーセント、52パーセント、...、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、または100パーセントである。さらに、上記で定義される2つのRの数によって定義される任意の数値域も具体的に開示される。
【0028】
本発明の実施形態は、いくつかのポリマー粒子、例えばポリオレフィンペレット、およびいくつかのポリマー製品、例えばポリオレフィンフィルムのブロック化傾向および/または再ブロック化傾向を低下させるための方法を提供する。抗ブロック化ポリマー組成物は、本明細書に開示されるエチレン/α−オレフィン共重合体およびアミド系ブロック化剤を含む。本明細書に開示されるエチレン/α−オレフィン共重合体は、少なくとも1つのソフトブロックと少なくとも1つのハードブロックを含むマルチブロック共重合体である。抗ブロック化ポリマー組成物は、約100lbs/ft(4800Pa)以下のペレットブロック化強度を有しうる。ある実施形態では、ペレットブロック化強度は、約50lbs/ft(2400Pa)以下、以下約5lbs/ft(240Pa)以下、または約0lbs/ft(0Pa)である。抗ブロック化ポリマー組成物がフィルムとなる場合、フィルムのブロック化力は、ASTM法D−3354に従って測定して約100グラム未満である。ある実施形態では、ブロック化力は約80グラム未満、約60グラム未満、約50グラム未満、約30グラム未満、約20グラム未満、または約10グラム未満である。他の実施形態では、ブロック化力は約5グラム未満かまたは約0グラムである。
【0029】
ペレットのブロック化強度は次のように測定できる:ペレット(150g)を、ホースクランプで繋ぎ止められた2つの等しい部分からなる直径2”(5cm)の中空のシリンダーに充填する。45℃にて3日間、2.75lb(1.25kg)の負荷をシリンダー中のペレットに加える。3日後、ペレットは円筒形にされたプラグへと緩く固まる。このプラグを鋳型から取り出し、Instron(商標)機器を用いて、ブロック化されたペレットのシリンダに圧縮して負荷をかけて、そのシリンダをペレットへと破壊するために必要な圧縮力を測定するることにより、ペレットのブロック化力を測定する。
【0030】
エチレン/α−オレフィン共重合体
本発明の実施形態において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体(「本発明の共重合体」、「本発明のポリマー」とも呼ばれる)は、エチレンおよび1またはそれ以上の共重合可能なα−オレフィンコモノマーを重合型で含み、化学的または物理的な特性において異なる2つまたはそれ以上の重合したモノマー単位の複数のブロックまたはセグメント(ブロック共重合体)によって特徴付けられ、好ましくはマルチブロックコポリマーである。このエチレン/α−オレフィン共重合体は、以下に記載されるような1つまたはそれ以上の態様によって特徴付けられる。
【0031】
一態様では、本発明の実施形態で用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体は、約1.7〜約3.5のM/M、少なくとも1つの融点T(℃)、および密度d(g/cm)を有し、これらの変数の数値は、
>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)、そして好ましくは、
≧−6288.1+13141(d)−6720.3(d)、そして好ましくは、
≧858.91−1825.3(d)+1112.8(d)
の関係に相当する。
【0032】
このような融点/密度の関係は、図1に図示される。融点が密度を低下させるにつれて低下するエチレン/α−オレフィンの従来のランダムコポリマーとは異なり、本発明の共重合体(ひし形で示す)は、密度とは実質的に独立した融点を示し、特にその密度は約0.87g/cc〜約0.95g/ccである。例えば、このようなポリマーの融点は、約110℃〜約130℃の範囲にあり、その密度は約0.875g/cc〜約0.945g/ccにわたる。ある実施形態では、このようなポリマーの融点は、約115℃〜約125℃の範囲であり、その密度は約0.875g/cc〜約0.945g/ccにわたる。
【0033】
別の態様では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、重合型で、エチレンおよび1またはそれ以上のα−オレフィンを含み、そして最高の示差走査熱量測定(「DSC」)ピーク温度から最高の結晶分析分別(Crystallization Analysis Fractionation)(「CRYSTAF」)ピークの温度を引いた温度として規定されるΔT(℃)および融解熱ΔH(J/g)によって特徴付けられ、そしてΔTおよびΔHの数値が、ΔHが130J/g以下の場合、以下の関係、
ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、そして好ましくは、
ΔT≧−0.1299(ΔH)+64.38、そしてより好ましくは、
ΔT≧−0.1299(ΔH)+65.95
を満たす。さらに、ΔTは、ΔHが130J/gより大きい場合、48℃以上である。CRYSTAFピークは、累積ポリマーのうちの少なくとも5%を用いて決定される(すなわち、このピークは、累積ポリマーの少なくとも5%に相当するはずである)、そしてこのポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピークを有するならば、CRYSTAF温度が30℃であり、そしてΔHは、融解熱(J/g)の数値である。より好ましくは、最高のCRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも10パーセントを含む。図2は、本発明のポリマーのプロットされたデータ、および比較例を示す。積分されたピーク面積およびピーク温度は、機器製造業者によって供給されるコンピューター図形作成プログラムによって算出される。ランダムエチレンオクテン比較ポリマーについて示される対角線は、方程式ΔT=−0.1299(ΔH)+62.81に相当する。
【0034】
さらに別の態様では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、昇温溶離分別法(Temperature Rising Elution Fractionation)(「TREF」)を用いて分画される場合、40℃と130℃との間で溶出する分子画分であって、この画分が、その同じ温度の間で溶出する比較対象となるランダムエチレン共重合体画分のコモノマーモル含量よりも高い(少なくとも5パーセント高い、より好ましくは少なくとも10パーセント高い)コモノマーモル含量を有するという点で特徴付けられる。ここで、この比較対象となるランダムエチレン共重合体は、同じコモノマー(単数または複数)を有し、かつメルトインデックス、密度、およびコモノマーモル含量(ポリマー全体に基づく)を、そのブロック共重合体のものから10パーセント内に有する。好ましくは、この比較対象となる共重合体のM/Mはまた、そのブロック共重合体のM/Mから10パーセント内であるか、そして/またはこの比較対象となる共重合体は、このブロック共重合体の総コモノマー含量から10パーセント内である総コモノマー含量を有する。
【0035】
さらに別の態様では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形フィルムで測定された、300パーセントのひずみかつ1サイクルでのパーセントである、弾性回復率Reによって特徴付けられ、かつ密度d(g/cm3)を有し、このReおよびdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が実質的に架橋相を有さない場合、以下の関係、
Re>1481−1629(d);そして好ましくは、
Re≧1491−1629(d);そしてさらに好ましくは、
Re≧1501−1629(d);そしてよれより好ましくは、
Re≧1511−1629(d)
を満たす。
【0036】
図3は、特定の本発明の共重合体および従来のランダムコポリマーから作製された未延伸フィルムについての弾性回復率に対する密度の効果を示す。同じ密度について、本発明の共重合体は、実質的により高い弾性回復率を有する。
【0037】
ある実施形態では、エチレン/α−オレフィン共重合体は、10MPaを超える引張強度、好ましくは11MPa以上の引張強度、より好ましくは13Mpa以上の引張強度、および/または、11cm/分のクロスヘッド分離速度で、少なくとも600パーセント、より好ましくは少なくとも700パーセント、特に好ましくは少なくとも800パーセント、そして最も高度に好ましくは少なくとも900パーセントの破断点伸度を有する。
【0038】
他の実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、(1)1〜50、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10という貯蔵弾性率比G’(25℃)/G’(100℃);および/または(2)80パーセント未満、好ましくは70パーセント未満、特に60パーセント未満、50パーセント未満、または40パーセント未満という70℃圧縮永久ひずみを、0パーセントの圧縮永久ひずみまで下がって、有する。
【0039】
さらに他の実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、80パーセント未満、70パーセント未満、60パーセント未満、または50パーセント未満という70℃圧縮永久ひずみを有する。好ましくは、共重合体の70℃圧縮永久ひずみは、40パーセント未満、30パーセント未満、20パーセント未満であり、そして約0パーセントまで下がってもよい。
【0040】
ある実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、85J/g未満の融解熱、および/または100ポンド/フィート(4800Pa)以下、好ましくは50ポンド/フィート(2400Pa)以下、特に、5ポンド/フィート(240Pa)以下、そして0ポンド/フィート(0Pa)程度のペレットのブロック化強度を有する。
【0041】
他の実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、重合型で、少なくとも50モルパーセントのエチレンを含み、そして80パーセント未満、好ましくは70パーセント未満、または60パーセント未満、最も好ましくは40〜50パーセント、そしてゼロパーセント近くまで下がるという70℃圧縮永久ひずみを有する。
【0042】
ある実施形態では、このマルチブロックコポリマーは、ポアソン分布よりもシュルツフローリー分布にあてはまるPDIを保有する。このコポリマーはさらに、多分散性ブロック分布と多分散性ブロックサイズ分布の両方を有し、かつブロック長の最確分布を保有すると特徴付けられる。好ましいマルチブロックコポリマーは、末端ブロックを含めて、4つまたはそれ以上のブロックまたはセグメントを含むものである。さらに好ましくは、このコポリマーは、末端ブロックを含めて、少なくとも5、10もしくは20のブロックまたはセグメントを含む。
【0043】
コモノマー含量は、任意の適切な技術を用いて測定され得、好ましくは核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術による。さらに、比較的広範なTREF曲線を有するポリマーまたはポリマーの混合物については、ポリマーは望ましくは、TREFを用いて、各々が10℃以下の溶出温度範囲を有する画分に最初に分画される。すなわち、各々の溶出画分は、10℃以下という収集温度領域を有する。この技術を用いて、このようなブロック共重合体は、比較対象となる共重合体の対応する画分よりも高モルのコモノマー含量を有するような少なくとも1つの画分を有する。
【0044】
別の態様では、本発明のポリマーはオレフィン共重合体であって、好ましくは、エチレンおよび1またはそれ以上の共重合可能コモノマーを重合型で含み、化学的または物理的な特性において異なる2またはそれ以上の重合モノマー単位の複数のブロック(すなわち、少なくとも2つのブロック)またはセグメント(ブロックされた共重合体)によって特徴付けられ、最も好ましくはマルチブロックコポリマーである。このブロック共重合体は、あるピーク(ただし単なる分子画分ではない)を有し、このピークは、40℃〜130℃で溶出し(ただし、個々の画分の収集および/または単離はない)、このピークは、半値全幅(full width/half maximum)(FWHM)面積計算を用いて展開される場合、赤外線分光法によって評価されるコモノマー含量を有し、同じ溶出温度で半値全幅(FWHM)面積計算を用いて展開された、比較対象となるランダムエチレン共重合体のピークのコモノマー含量よりも高い(好ましくは少なくとも5パーセント高い、より好ましくは少なくとも10パーセント高い)コモノマーの平均モル含量を有する点で特徴づけられ、この比較対象となるランダムエチレン共重合体は、同じコモノマー(単数または複数)を有し、かつメルトインデックス、密度、およびコモノマーのモル含量(ポリマー全体に基づく)をそのブロック化共重合体のものから10パーセント内に有する。好ましくは、この比較対象となる共重合体のM/Mはまた、ブロックされた共重合体のM/Mから10パーセント内であるか、そして/またはこの比較対象となる共重合体は、ブロックされた共重合体の総コモノマー含量から10パーセント内の総コモノマー含量を有する。半値全幅(FWHM)計算は、ATREF赤外検出器由来のメチレンに対するメチルの応答面積の比[CH/CH]に基づき、この最も高い(最高)ピークは、ベースラインから特定され、次いでこのFWHM面積が決定される。ATREFピークを用いて測定された分布については、FWHM面積は、TとTとの間の曲線下面積として規定され、このTとTは、ピーク高さを2で割ること、次にATREF曲線の左部分および右部分を横切る、ベースラインに対して水平な線を引くことによって、ATREFピークの左右に対してポイント決定される。コモノマー含量についての検量線は、ランダムエチレン/α−オレフィンコポリマーを用いて、TREFのピークのNMR対FWHM面積の比からコモノマー含量をプロットして行われる。この赤外方法については、この検量線は、目的の同じコモノマータイプについて作成する。本発明のポリマーのTREFピークのコモノマー含量は、TREFピークのFWHMのメチル:メチレン面積比[CH/CH]を用いてこの検量線を参照することによって決定され得る。
【0045】
コモノマー含量は、任意の適切な技術を用いて測定され得、好ましくは核磁気共鳴(「NMR」)分光法に基づく技術による。この技術を用いて、このブロック化共重合体は、対応する、比較対象となる共重合体よりも高モルのコモノマー含量を有する。
【0046】
好ましくは、エチレンおよび1−オクテンの共重合体について、このブロック共重合体は、40℃と130℃の間で溶出するTREF画分のコモノマー含量を量(−0.2013)T+20.07以上、より好ましくは量(−0.2013)T+21.07以上有し、このTとは、℃で測定した、比較されているTREF画分のピーク溶出温度の数値である。
【0047】
図4はエチレンおよび1−オクテンのブロック共重合体の実施形態をグラフ表示しており、ここではいくつかの比較対象となるエチレン/1−オクテン共重合体(ランダムコポリマー)についてのコモノマー含量対TREF溶出温度のプロットが、(−0.2013)T+20.07(実線)に相当する線に適合する。この式(−0.2013)T+21.07についての線は、破線で示される。本発明のいくつかのブロックエチレン/1−オクテン共重合体(マルチブロックコポリマー)の画分のコモノマー含量も示される。ブロック共重合体画分の全てが、同等の溶出温度でいずれの線より有意に高い1−オクテン含量を有する。この結果は、本発明の共重合体の特徴であって、結晶質および非結晶質の両方の性質を有する、ポリマー鎖内の別々のブロックの存在に起因すると考えられる。
【0048】
図5は、下で考察される製造例5および比較Fについてのポリマー画分のTREF曲線およびコモノマー含量をグラフ表示する。両方のポリマーについて40〜130℃、好ましくは60℃〜95℃で溶出するピークを、各々の部分が10℃未満の温度範囲にわたって溶出する3つの部分に分画する。製造例5についての実際のデータは三角で示す。種々のコモノマーを含有する共重合体について適切な検量線を作成することができ、それが、同じモノマーの比較共重合体、好ましくはメタロセンまたは他の均一系触媒組成物を用いて製造されるランダムコポリマーから得られたTREF値とフィッティングさせる比較として用いられる線であり得ることは、当業者には理解され得る。本発明の共重合体は、同じTREF溶出温度で検量線から決定された値より大きい(好ましくは、少なくとも5パーセント大きい、より好ましくは少なくとも10パーセント大きい)コモノマーのモル含量で、特徴付けられる。
【0049】
上記の態様および本明細書に記載される特性に加えて、本発明のポリマーは、1またはそれ以上のさらなる特徴によって特徴付けられ得る。一態様では、本発明のポリマーは、オレフィン共重合体であり、好ましくは、エチレンおよび1またはそれ以上の共重合可能コモノマーを重合型で含み、化学的または物理的な特性において異なる2またはそれ以上の重合モノマー単位の複数のブロックまたはセグメントによって特徴付けられ(ブロックされた共重合体)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーである。このブロック共重合体は、TREF増分を用いて分画した場合、40℃〜130℃で溶出する分子画分を有し、この画分は、同じ温度の間で溶出する、比較対象となるランダムエチレン共重合体画分のコモノマーのモル含量よりも高い(好ましくは少なくとも5パーセント高い、より好ましくは少なくとも10、15、20または25パーセント高い)コモノマーのモル含量を有するという点で特徴づけられ、ここで、この比較対象となるランダムエチレン共重合体は、同じコモノマー(単数または複数)(好ましくは、これは同じコモノマー(単数または複数)である)を含み、そしてメルトインデックス、密度、およびコモノマーのモル含量(ポリマー全体に基づく)がそのブロック化共重合体のものから10パーセント内にある。好ましくは、この比較対象となる共重合体のM/Mはまた、ブロックされた共重合体のM/Mから10パーセント内にあり、そして/またはこの比較対象となる共重合体は、そのブロック化共重合体の総コモノマー含量から10パーセント内の総コモノマー含量を有する。
【0050】
好ましくは、上記の共重合体は、エチレンおよび少なくとも1つのα−オレフィンの共重合体であり、特に、それらの共重合体は、約0.855〜約0.935g/cmの全体ポリマー密度を有し、そしてより詳細には、約1モルパーセントを超えるコモノマーを有するポリマーについては、このブロック化共重合体は、40〜130℃で溶出するTREF画分のコモノマー含量を、量(−0.1356)T+13.89以上、より好ましくは量(−0.1356)T+14.93以上、そして最も好ましくは、量(−0.2013)T+21.07以上有し、Tとは、℃で測定した、比較されているTREF画分のピークATREF溶出温度の数値である。
【0051】
好ましくは、エチレンおよび少なくとも1つのα−オレフィンの上記の共重合体、特に、0.855〜約0.935g/cmというポリマー全体密度を有する共重合体について、そしてさらに詳細には、約1モルパーセントを超えるコモノマーを有するポリマーについて、ブロックされた共重合体は、40℃〜130℃で溶出するTREF画分のコモノマー含量を、量(−0.2013)T+20.07以上、より好ましくは量(−0.2013)T+21.07以上有し、Tとは、℃で測定した、比較されているTREF画分のピーク溶出温度の数値である。
【0052】
さらに別の態様では、本発明のポリマーは、オレフィン共重合体であり、好ましくは、エチレンおよび1またはそれ以上の共重合可能コモノマーを重合型で含み、化学的または物理的な特性において異なる2またはそれ以上の重合モノマー単位の複数のブロックまたはセグメントによって特徴付けられ(ブロックされた共重合体)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーである。このブロック共重合体は、TREF増分を用いて分画した場合、40℃〜130℃で溶出する分子画分を有し、この画分が、少なくとも約6モルパーセントのコモノマー含量を有するあらゆる画分が、約100℃より大きい融点を有するという点で特徴付けられる。約3モルパーセント〜約6モルパーセントのコモノマー含量を有する画分については、あらゆる画分が約110℃以上というDSC融点を有する。より好ましくは、少なくとも1モルパーセントのコモノマーを有する、このポリマー画分は、式:
Tm≧(−5.5926)(画分中のモルパーセントコモノマー)+135.90
に相当するDSC融点を有する。
【0053】
さらに別の態様では、本発明のポリマーは、オレフィン共重合体であり、好ましくは、エチレンおよび1またはそれ以上の共重合可能コモノマーを重合型で含み、化学的または物理的な特性において異なる2またはそれ以上の重合モノマー単位の複数のブロックまたはセグメントによって特徴付けられ(ブロックされた共重合体)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーである。このブロック共重合体は、TREF増分を用いて分画した場合、40℃〜130℃で溶出する分子画分を有し、約76℃以上のATREF溶出温度を有するあらゆる画分が、式:
融解熱(J/gm)≦(3.1718)(摂氏のATREF溶出温度)−136.58
に相当する、DSCによって測定された融解エンタルピー(融解熱)を有するという点で特徴付けられる。
【0054】
本発明のブロック共重合体は、TREF増分を用いて分画された場合、40℃〜130℃で溶出する分子画分を有し、40℃と約76℃未満との間のATREF溶出温度を有するあらゆる画分が、式:
融解熱(J/gm)≦(1.1312)(摂氏のATREF溶出温度)+22.97
に相当する、DSCによって測定された融解エンタルピー(融解熱)を有するという点で特徴付けられる。
【0055】
赤外線検出器によるATREFピークのコモノマー組成測定
TREFピークのコモノマー組成は、Polymer Char,Valencia,Spain(http://www.polymerchar.com/)から入手可能なIR4赤外検出器を用いて測定され得る。
【0056】
検出器の「組成モード」は、測定センサー(CH)および組成センサー(CH)を装備しており、これは2800〜3000cm−1の領域における狭帯域固定型赤外線フィルタである。この測定センサーは、ポリマー上のメチレン(CH)カーボン(これは、溶液中のポリマー濃度に直接関係する)を検出するが、組成センサーは、ポリマーのメチル(CH)基を検出する。組成シグナル(CH)を測定シグナル(CH)によって割った算術比は、溶液中の測定されたポリマーのコモノマー含量の影響を受けやすく、その応答は、公知のエチレンα−オレフィンコポリマー標準を用いて較正される。
【0057】
ATREF装置を用いる場合、検出器によって、TREFプロセスの間の溶出されたポリマーの濃度(CH)および組成(CH)シグナルの応答の両方が得られる。ポリマー特異的な較正は、既知のコモノマー含量(好ましくはNMRによって測定される)を有するポリマーについてCH対CHの面積比を測定することによって作成され得る。ポリマーのATREFピークのコモノマー含量は、個々のCHおよびCH応答について面積の比の比較較正を適用することによって推定され得る(すなわち、面積比CH/CH対コモノマー含量)。
【0058】
ピーク面積は、適切なベースラインを適用してTREFクロマトグラムからの個々のシグナル応答を積分した後、半値全幅(FWHM)計算を用いて算出することができる。この半値全幅算出は、ATREF赤外検出器からのメチル対メチレンの応答面積比[CH/CH]の比に基づき、この最も高い(最高の)ピークはベースラインから特定され、次いでFWHM面積が決定される。ATREFピークを用いて測定される分布については、FWHM面積は、T1とT2との間の曲線下面積として規定され、ここでT1およびT2は、ピーク高さを2で割ること、次にATREF曲線の左部分および右部分を横切る、ベースラインに対して水平な線を引くことによって、ATREFピークの左右に対してポイント測定される。
【0059】
このATREF赤外方法においてポリマーのコモノマー含量を測定するための赤外線分光法の適用は、原理的には、以下の引用文献:Markovich,Ronald P.;Hazlitt,Lonnie G.;Smith,Linley;「Development of gel-permeation chromatography-Fourier transform infrared spectroscopy for characterization of ethylene-based polyolefin copolymers」.Polymeric Materials Science and Engineering(1991),65,98-100;およびDeslauriers,P.J.;Rohlfing,D.C.;Shieh,E.T.;「Quantifying short chain branching microstructures in ethylene-1-olefin copolymers using size exclusion chromatography and Fourier transform infrared spectroscopy(SEC-FTIR)」,Polymer(2002),43,59-170、に記載されるようなGPC/FTIRシステムのものと同様であり、その両方の引用文献とも、その全体が本明細書において参照によって援用される。
【0060】
他の実施形態では、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、ゼロより大きくかつ最大約1.0までである平均ブロックインデックス、および約1.3より大きい分子量分布M/Mによって特徴付けられる。この平均ブロックインデックスABIは、5℃の増分で、20℃〜110℃の分取TREFで得られたポリマー画分の各々についてのブロックインデックス(「BI」)の重量平均であり:
ABI=Σ(wBI
ここでBIは、分取TREFで得られた本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体のi番目の画分についてのブロックインデックスであり、そしてwは、i番目の画分の重量パーセンテージである。
【0061】
各々のポリマー画分について、BIは、以下の2つの式(その両方とも同じBI値を与える)のうちの1つによって規定され:
【数1】
ここでTはi番目の画分についての分取ATREF溶出温度(好ましくはケルビン温度で表される)であり、Pは、i番目の画分のエチレンモル画分であって、上記のようなNMRまたはIRによって測定され得る。PABは、エチレン/α−オレフィン共重合体全体のエチレンモル分率(前の画分)であり、これもNMRまたはIRによって測定され得る。TおよびPは、純粋な「ハードセグメント」(これは共重合体の結晶性セグメントをいう)についてのATREF溶出温度およびエチレンモル画分である。一次の近似として、このTおよびPの値は、この「ハードセグメント」についての実測値を得ることができない場合、高密度ポリエチレンホモポリマーについての値に設定される。本明細書において行われる計算については、Tは372°Kであって、Pは1である。
【0062】
ABは、同じ組成であって、PABというエチレンモル画分を有するランダムコポリマーについてのATREF温度である。TABは、以下の式:
LnPAB=α/TAB+β
から計算されてもよく、
ここでαおよびβは多数の公知のランダムエチレンコポリマーを用いる検量によって決定され得る2つの定数である。αおよびβは、装置間で変化し得ることに注意すべきである。さらに、目的のポリマー組成を用いて、そしてそれらの画分と同様の分子量範囲に関しても、それら自体の検量線を作成する必要がある。わずかな分子量効果がある。この検量線が、類似の分子量範囲から得られる場合、このような効果は、本質的に無視できる。ある実施形態では、ランダムエチレンコポリマーは、以下の関係:
LnP=−237.83/TATREF+0.639
を満たし、
xoは、同じ組成であって、Pというエチレンモル画分を有するランダムコポリマーについてのATREF温度である。TXOは、LnP=α/TXO+βから算出されてもよい。逆に、PXOは、同じ組成であって、LnPXO=α/T+βから算出され得る、TというATREF温度を有するランダムコポリマーについてのエチレンモル画分である。
【0063】
一旦、各々の分取TREF画分についてブロックインデックス(BI)が得られれば、ポリマー全体についての重量平均ブロックインデックスABIが算出され得る。ある実施形態では、ABIは、ゼロより大きいが、約0.3未満、または約0.1〜約0.3である。他の実施形態では、ABIは、約0.3より大きく最大約1.0までである。好ましくは、ABIは、約0.4〜約0.7、約0.5〜約0.7、約0.6〜約0.9の範囲であるべきである。ある実施形態では、ABIは、約0.3〜約0.9、約0.3〜約0.8、または約0.3〜約0.7、約0.3〜約0.6、約0.3〜約0.5、約0.3〜約0.4の範囲である。他の実施形態では、ABIは、約0.4〜約1.0、約0.5〜約1.0、または約0.6〜約1.0、約0.7〜約1.0、約0.8〜約1.0、または約0.9〜約1.0の範囲である。
【0064】
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の別の特徴は、この本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体が、分取TREFによって得られ得る少なくとも1つのポリマー画分を含み、この画分は約0.1より大きくかつ最大約1.0までのブロックインデックス、約1.3より大きい分子量分布M/Mを有する。ある実施形態では、このポリマー画分は、約0.6より大きくかつ最大約1.0まで、約0.7より大きくかつ最大約1.0まで、約0.8より大きくかつ最大約1.0まで、約0.9より大きくかつ最大約1.0までのブロックインデックスを有する。他の実施形態では、このポリマー画分は、約0.1より大きくかつ最大約1.0まで、約0.2より大きくかつ最大約1.0まで、約0.3より大きくかつ最大約1.0まで、約0.4より大きくかつ最大約1.0まで、または約0.4より大きくかつ最大約1.0までのブロックインデックスを有する。さらに他の実施形態では、このポリマー画分は、約0.1より大きくかつ最大約0.5まで、約0.2より大きくかつ最大約0.5まで、約0.3より大きくかつ最大約0.5まで、または約0.4より大きくかつ最大約0.5までのブロックインデックスを有する。さらに他の実施形態では、このポリマー画分は、約0.2より大きくかつ最大約0.9まで、約0.3より大きくかつ最大約0.8まで、約0.4より大きくかつ最大約0.7まで、または約0.5より大きくかつ最大約0.6までのブロックインデックスを有する。
【0065】
エチレンおよびα−オレフィンのコポリマーについては、本発明のポリマーは好ましくは、(1)少なくとも1.3、より好ましくは少なくとも1.5、少なくとも1.7、または少なくとも2.0、そして最も好ましくは少なくとも2.6、最大値5.0まで、より好ましくは最大値3.5まで、そして特に2.7という最大値までのPDI;(2)80J/g以下の融解熱;(3)少なくとも50重量パーセントのエチレン含量;(4)−25℃未満、より好ましくは−30℃未満というガラス転移温度T、および/または(5)唯一のTを保有する。
【0066】
さらに、本発明のポリマーは、log(G’)が100℃の温度で400kPa以上、好ましくは1.0MPa以上であるような貯蔵弾性率G’を単独で、または本明細書に開示される任意の他の特性と組み合わせて有することができる。さらに、本発明のポリマーは、0〜100℃の範囲で温度の関数として比較的平坦な貯蔵弾性率を保有し(図6に図示される)、これは、ブロックコポリマーの特徴であるが、オレフィンコポリマー、特に、エチレンおよび1またはそれ以上のC3−8脂肪族α−オレフィンのコポリマーについては今まで知られていない。((この文脈での「比較的平坦な」という用語は、50と100℃の間、好ましくは0℃と100℃の間でのlogG’(パスカル)の減少が、1ケタ未満であることを意味する)。)。
【0067】
本発明の共重合体は、少なくとも90℃の温度で1mmという熱機械分析針入深度、および3kpsi(20MPa)〜13kpsi(90MPa)という曲げ弾性率によってさらに特徴付けられ得る。あるいは、本発明の共重合体は、少なくとも104℃の温度で1mmという熱機械分析針入深度、そして少なくとも3kpsi(20MPa)という曲げ弾性率を有し得る。それらは、90mm未満という耐摩耗性(または容積減少)を有することで特徴づけられ得る。図7は、他の公知のポリマーと比較した場合の、本発明のポリマーについてのTMA(1mm) 対 屈曲弾性率を示す。本発明のポリマーは有意に、他のポリマーよりもよい可撓性−耐熱性のバランスを有する。
【0068】
さらに、エチレン/α−オレフィン共重合体は、0.01〜2000g/10分、好ましくは0.01〜1000g/10分、さらに好ましくは0.01〜500g/10分、そして特に0.01〜100g/10分というメルトインデックスIを有し得る。特定の実施形態では、このエチレン/α−オレフィン共重合体は、0.01〜10g/10分、0.5〜50g/10分、1〜30g/10分、1〜6g/10分または0.3〜10g/10分というメルトインデックスIを有する。特定の実施形態では、このエチレン/α−オレフィンポリマーのメルトインデックスは、1g/10分、3g/10分または5g/10分である。
【0069】
このポリマーは、1,000g/モル〜5,000,000g/モル、好ましくは1,000g/モル〜1,000,000g/モル、より好ましくは10,000g/モル〜500,000g/モル、そして特に10,000g/モル〜300,000g/モルの分子量Mを有し得る。本発明のポリマーの密度は、0.80〜0.99g/cmであり得、そして好ましくは、エチレン含有ポリマーについては0.85g/cm〜0.97g/cmであり得る。特定の実施形態では、このエチレン/α−オレフィンポリマーの密度は、0.860〜0.925g/cmまたは0.867g/cm〜0.910g/cmにおよぶ。
【0070】
このポリマーを作製するプロセスは、以下の特許出願に開示されている:2004年3月17日出願の米国仮出願第60/553,906号;2005年3月17日出願の米国仮出願第60/662,937号;2005年3月17日出願の米国仮出願第60/662,939号;2005年3月17日出願の米国仮出願第60/5662938号;2005年3月17日出願のPCT出願第PCT/US2005/008916号;2005年3月17日出願のPCT出願第PCT/US2005/008915号;および2005年3月17日出願のPCT出願第PCT/US2005/008917号;その全てがその全体が本明細書において参照によって援用される。例えば、1つのこうした方法は、エチレンおよび場合によっては1つまたはそれ以上のエチレン以外の付加重合可能なモノマーを付加重合条件下で触媒組成物と接触させることを含み、この触媒組成物は、
(A)高いコモノマー組み込みインデックスを有する第一のオレフィン重合触媒、
(B)触媒(A)のコモノマー組み込みインデックスの90パーセント未満、好ましくは50パーセント未満、最も好ましくは5パーセント未満のコモノマー組み込みインデックスを有する第二のオレフィン重合触媒、および
(C)可逆的連鎖移動剤
を併せることによって得られる混合物または反応生成物を含有する。
【0071】
代表的な触媒および可逆的連鎖移動剤は以下のとおりである。
触媒(A1)は、WO03/40195、2003US0204017、USSN10/429,024(2003年5月2日出願)、およびWO04/24740の教示に従って調製した、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチルである。
【化3】
【0072】
触媒(A2)は、WO03/40195、2003US0204017、USSN10/429,024(2003年5月2日出願)、およびWO04/24740の教示に従って調製した、[N−2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−メチルフェニル)(1,2−フェニレン−(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチルである。
【化4】
【0073】
触媒(A3)は、ビス[N,N’’’−(2,4,6−トリ(メチルフェニル)アミド)エチレンジアミン]ハフニウムジベンジルである。
【化5】
【0074】
触媒(A4)は、US−A−2004/0010103の教示に実質的に従って調製された、ビス((2−オキソイル−3−(ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル)−5−(メチル)フェニル)−2−フェノキシメチル)シクロヘキサン−1,2−ジイルハフニウム(IV)ジベンジルである。
【化6】
【0075】
触媒(B1)は、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(1−メチルエチル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルである。
【化7】
【0076】
触媒(B2)は、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(2−メチルシクロヘキシル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルである。
【化8】
【0077】
触媒(C1)は、米国特許第6,268,444号の教示に実質的に従って調製された、(t−ブチルアミド)ジメチル(3−N−ピロリル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタニウムジメチル
【化9】
である。
【0078】
触媒(C2)は、US−A−2003/004286の教示に実質的に従って調製された、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタニウムジメチルである。
【化10】
【0079】
触媒(C3)は、US−A−2003/004286の教示に実質的に従って調製された、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,8a−η−s−インダセン−1−イル)シランチタニウムジメチルである。
【化11】
【0080】
触媒(D1)は、Sigma−Aldrichから入手可能なビス(ジメチルジシロキサン)(インデン−1−イル)塩化ジルコニウムである。
【化12】
【0081】
可逆的移動剤(shuttling agent)。使用される可逆的移動剤(shuttling agent)としては、ジエチル亜鉛、ジ(i−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘキシル)亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリエチルガリウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)、n−オクチルアルミニウムジ(ピリジン−2−メトキシド)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチルアルミニウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)、エチルアルミニウムビス(t−ブチルジメチルシロキシド)、エチルアルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)、エチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)およびエチル亜鉛(t−ブトキシド)が挙げられる。
【0082】
好ましくは、前述のプロセスは、相互変換できない複数の触媒を用いる、ブロックコポリマー、特にマルチブロックコポリマーであって、好ましくは2またはそれ以上のモノマー(さらに詳細にはエチレンおよびC3−20オレフィンまたはシクロオレフィン、そして最も詳細にはエチレンおよびC4−20α−オレフィン)の線状マルチブロックコポリマーを形成するための連続溶液プロセスの形態をとる。すなわち、この触媒は化学的に別個である。連続的な溶液重合条件のもとで、このプロセスは理想的には、高いモノマー変換でのモノマーの混合物の重合に適している。これらの重合条件のもとで、可逆的連鎖移動剤(chain shuttling agent)から触媒への可逆的移動(shuttling)は、鎖成長に比較して有利になり、そしてマルチブロックコポリマー、詳細には線状マルチブロックコポリマーが高い効率で形成される。
【0083】
本発明の共重合体は、従来のランダムコポリマー、ポリマーの物理的混合物、ならびに逐次的モノマー付加、流動触媒、アニオン性およびカチオン性リビング重合技術により調製されたブロックコポリマーとは区別することができる。詳細には、同等の結晶性または弾性率で同じモノマーおよびモノマー含量のランダムコポリマーと比較して、本発明の共重合体は、融点で測定した場合には優れた(高い)耐熱性を、動的機械分析によって判定した場合にはより高いTMA針入温度、よい高い高温引張強度、および/またはより高い高温ねじり貯蔵弾性率(torsion storage modulus)を有する。同じモノマーおよびモノマー含量を含有するランダムコポリマーと比較して、本発明の共重合体は、より低い圧縮永久ひずみ(特に、高温で)、より低い応力緩和、より高い耐クリープ性、より高い引裂強度、より高い耐ブロック化性、より高い結晶化(固化)温度に起因するより迅速な硬化、より高い回復(特に高温で)、より良好な耐摩耗性、より高い収縮力、ならびにより良好な油および充填剤の受け入れ能を有する。
【0084】
本発明の共重合体はまた、固有の結晶化および分枝分布関係を示す。すなわち、本発明の共重合体は、特に、同じモノマーおよびモノマーレベルを含むランダムコポリマーまたは等価の総合密度でのポリマーの物理的ブレンド、例えば、高密度ポリマーと低密度コポリマーのブレンドと比較して、融解熱の関数として、CRYSTAFおよびDSCを用いて測定した最高のピーク温度の間に比較的大きな差を有する。本発明の共重合体のこの固有の特徴は、ポリマーの骨格内のブロックにおけるコモノマーの固有の分布に起因すると考えられる。詳細には、本発明の共重合体は、異なるコモノマー含量(ホモポリマーブロックを含む)の交互のブロックを含んでもよい。本発明の共重合体はまた、異なる密度またはコモノマー含量のポリマーブロックの数および/またはブロックサイズの分布を含んでもよく、この分布は、シュルツ−フローリー(Schultz-Flory)型の分布である。さらに、本発明の共重合体はまた、固有のピーク融点および結晶化温度プロフィールを有し、これは実質的には、ポリマーの密度、弾性率(modulus)および形態とは独立している。好ましい実施形態では、ポリマーの微結晶性秩序は、特徴的な球晶およびラメラを示し、これらは1.7未満、または1.5未満、最低1.3未満のPDI値においてでさえ、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーとは区別できる。
【0085】
さらに、本発明の共重合体は、ブロッキネス(blockiness)の程度またはレベルに影響する技術を用いて調製され得る。すなわち、コモノマーの量および各々のポリマーブロックまたはセグメントの長さは、触媒および可逆的移動剤の比およびタイプ、ならびに重合の温度および他の重合の変数を制御することによって変更され得る。この現象の驚くべき利点は、ブロッキネスの程度が増大されるほど、得られたポリマーの光学的特性、引裂強度および高温回復特性が改善されるという発見である。詳細には、曇りは減少するが、透明度、引裂強度および高温回復特性は、ポリマーにおけるブロックの平均数の増大につれて増大する。可逆的移動剤および所望の可逆的移動能力(低レベルの連鎖停止反応を伴う高い可逆的移動速度)を有する触媒の組み合わせを選択することによって、他の形態のポリマー停止は効率的に抑制される。従って、β水素化物脱離が、本発明の実施形態によるエチレン/α−オレフィンコモノマー混合物の重合でほとんど観察されず、そして得られた結晶ブロックは高度に、または実質的に完全に、線状であり、長鎖分枝をほとんどまたはまったく保有しない。
【0086】
高結晶性連鎖末端を有するポリマーは、本発明に実施形態によって選択的に調製され得る。エラストマー用途では、非晶性のブロックで終わるポリマーの相対量を減少させることによって、結晶性領域に対する分子間希薄化効果が減少される。この結果は、連鎖反応停止剤、および水素または他の可逆的連鎖移動剤に対して適切な応答を有する触媒を選択することによって得ることができる。詳細には、高結晶性ポリマーを生成する触媒が、(例えば、より高いコモノマー組み込み、レジオ−エラー(regio-error)、またはアタクチックポリマー形成によって)より少ない結晶性ポリマーセグメントを生成する原因となる触媒より、(例えば、水素の使用による)連鎖反応停止を受けやすい場合には、高結晶性ポリマーセグメントが、そのポリマーの末端部分を優先的に占める。得られる末端基が結晶性であるだけでなく、停止次第、高結晶性のポリマー形成触媒部位は、ポリマー形成の再始動にもう一度利用可能である。従って、最初に形成されたポリマーは、別の高結晶性のポリマーセグメントである。従って、得られたマルチブロックコポリマーの両方の末端は優先的に高度に結晶性である。
【0087】
本発明の実施形態で用いられるエチレンα−オレフィン共重合体は好ましくは、少なくとも1つのC−C20α−オレフィンとのエチレンの共重合体である。エチレンおよびC−C20α−オレフィンのコポリマーが特に好ましい。この共重合体はさらに、C−C18ジオレフィンおよび/またはアルケニルベンゼンを含んでもよい。エチレンとの重合のために有用な適切な不飽和コモノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和モノマー、共役または非共役ジエン、ポリエン、アルケニルベンゼンなどが挙げられる。このようなコモノマーの例としては、C−C20α−オレフィン、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。1−ブテンおよび1−オクテンが特に好ましい。他の適切なモノマーとしては、スチレン、ハロ置換スチレンまたはアルキル置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、およびナフテン酸(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセンおよびシクロオクテン)が挙げられる。
【0088】
エチレン/α−オレフィン共重合体が好ましいポリマーであるが、他のエチレン/オレフィンポリマーも用いられ得る。本明細書において用いられるオレフィンとは、少なくとも1つの炭素間二重結合を有する不飽和の炭化水素系化合物のファミリーをいう。触媒の選択に依存して、オレフィンは、本発明の実施形態で用いられ得る。好ましくは、適切なオレフィンは、ビニル不飽和を含むC−C20脂肪族および芳香族化合物、ならびに環状化合物、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、およびノルボルネンであって、これには、限定はしないが、C−C20ヒドロカルビル基またはシクロヒドロカルビル基で5位および6位が置換されたノルボルネンが挙げられる。このようなオレフィンの混合物、およびこのようなオレフィンとC−C40ジオレフィン化合物との混合物も挙げられる。
【0089】
オレフィンモノマーの例としては、限定はしないが、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンおよび1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン、4−ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、C−C40ジエンが挙げられ、これには限定はしないが、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、他のC−C40α−オレフィンなどが挙げられる。特定の実施形態では、α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたはそれらの組み合わせである。ビニル基を含む任意の炭化水素が本発明の実施形態で好ましく用いられ得るが、実際的な問題、例えば、モノマーの有効性、コスト、および得られたポリマーから未反応のモノマーを都合よく除去する能力は、このモノマーの分子量が大きくなり過ぎると、さらに問題となり得る。
【0090】
本明細書に記載される重合プロセスは、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレンなどのモノビリデン芳香族モノマーを含むオレフィンポリマーの生成に十分適している。詳細には、エチレンおよびスチレンを含む共重合体は、本明細書の教示に従うことによって調製され得る。必要に応じて、エチレン、スチレンおよびC−C20αオレフィンを含み、必要に応じてC−C20ジエンを含み、改善された特性を有するコポリマーが調製され得る。
【0091】
適切な非共役ジエンモノマーは、6〜15個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖または環状炭化水素ジエンであり得る。適切な非共役ジエンの例としては、限定はしないが、直鎖非環式ジエン、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、分枝鎖非環式ジエン、例えば、5−メチル−1,4−ヘキサジエン;3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン;3,7−ジメチル−1,7−オクタジエンおよびジヒドロミリセンとジヒドロオシネンとの混合異性体、単環脂環式ジエン、例えば、1,3−シクロペンタジエン;1,4−シクロヘキサジエン;1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−シクロドデカジエン、および多環脂環式の縮合環ジエンおよび架橋環ジエン、例えば、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン;アルケニルノルボルネン、アルキリデンノルボルネン、シクロアルケニルノルボルネンおよびシクロアルキリデンノルボルネン、例えば、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB);5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンおよびノルボルナジエンが挙げられる。EPDMを調製するために代表的に用いられるジエンのうち、特に好ましいジエンは1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)およびジシクロペンタジエン(DCPD)である。特に好ましいジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および1,4−ヘキサジエン(HD)である。
【0092】
本発明の実施形態に従って作製され得る所望のポリマーの1クラスは、エチレン、C−C20α−オレフィン、特にプロピレン、および必要に応じて、1またはそれ以上のジエンモノマーからのエラストマー系共重合体である。本発明の実施形態で用いるための好ましいα−オレフィンは、式CH=CHRで示され、Rは、1〜12個の炭素原子の線状または分枝したアルキル基である。適切なα−オレフィンの例としては、限定はしないが、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンが挙げられる。特に好ましいα−オレフィンは、プロピレンである。プロピレン系ポリマーは一般に、当分野では、EPポリマーまたはEPDMポリマーと呼ばれる。このようなポリマー、特にマルチブロックEPDM型のポリマーを調製する際に使用する適切なジエンとしては、4〜20個の炭素を含む、共役または非共役、直鎖または分枝鎖の、環状または多環式のジエンが挙げられる。好ましいジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンおよび5−ブチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。特に好ましいジエンは5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
【0093】
ジエン含有ポリマーは交互のセグメントまたはブロックであって、より大量もしくは少量のジエン(なしも含む)およびα−オレフィン(なしも含む)を含むセグメントまたはブロックを含むので、ジエンおよびα−オレフィンの総量は、その後にポリマーの特性を失うことなく軽減され得る。すなわち、ジエンおよびα−オレフィンのモノマーは、ポリマー全体にわたって均一でもまたはランダムでもなく、ポリマーのブロックの1タイプに優先的に組み込まれるので、それらは、より効率的に利用され、そして引き続きこのポリマーの架橋密度は、さらに良好に制御され得る。このような架橋可能なエラストマーおよび硬化した生成物は、より高い引張強度およびより良好な弾性回復率が挙げられる有利な特性を有する。
【0094】
ある実施形態では、種々の量のコモノマーを組み込んでいる2つの触媒で作製された本発明の共重合体は、それによって形成されたブロックの重量比95:5〜5:95を有する。所望の弾性ポリマーは、ポリマーの総重量に基づいて、20〜90パーセントのエチレン含量、0.1〜10パーセントのジエン含量、そして10〜80パーセントのα−オレフィン含量を有する。さらに好ましくは、マルチブロック弾性ポリマーは、ポリマーの総重量に対して、60〜90パーセントのエチレン含量、0.1〜10パーセントのジエン含量、そして10〜40パーセントのα−オレフィン含量を有する。好ましいポリマーは、高分子量のポリマーであって、これは、10,000〜約2,500,000、好ましくは、20,000〜500,000、より好ましくは20,000〜350,000という平均分子量(Mw)、および3.5未満、より好ましくは3.0未満という多分散性、そして1〜250のムーニー粘度(ML(1+4)125℃)を有する高分子量ポリマーである。さらに好ましくは、このようなポリマーは、65〜75パーセントのエチレン含量、0〜6パーセントのジエン含量、および20〜35パーセントのα−オレフィン含量を有する。
【0095】
エチレン/α−オレフィン共重合体は、そのポリマー構造中に少なくとも1つの官能基を組み込むことによって官能化され得る。例示的な官能基は、例えば、エチレン不飽和単官能性カルボン酸および二官能性のカルボン酸、エチレン不飽和単官能性および二官能性のカルボン酸無水物、その塩およびそのエステルが挙げられ得る。このような官能基は、エチレン/α−オレフィン共重合体にグラフトされてもよいし、またはこれは、エチレンおよび任意のさらなるコモノマーと共重合されて、エチレンの共重合体、官能コモノマーおよび必要に応じて他のコモノマー(単数または複数)を形成してもよい。ポリエチレンに官能基をグラフトする手段は、例えば、米国特許第4,762,890号、同第4,927,888号および同第4,950,541号に記載され、それらの特許の開示がその全体が参照によって本明細書に援用される。特に有用な官能基の1つは、リンゴ酸無水物である。
【0096】
官能共重合体に存在する官能基の量は、変化し得る。官能基は代表的には、少なくとも約1.0重量パーセント、好ましくは少なくとも約5重量パーセント、そしてさらに好ましくは少なくとも約7重量パーセントの量でコポリマー型官能性共重合体に存在し得る。この官能基は代表的には、コポリマー型官能性共重合体中に、約40重量パーセント未満、好ましくは約30重量パーセント未満、そして最も好ましくは約25重量パーセント未満の量で存在する。
【0097】
本明細書に開示されるポリマー組成物中のエチレン/α−オレフィン共重合体の量は、ポリマー組成物の総重量の約5〜約95重量%、約10〜約90重量%、約20%から約100%未満、約20〜約99.9重量%、約20〜約95重量%、約20〜約90重量%、約50〜約90重量%、約60〜約90重量%、または約70〜約90重量%であってよい。
【0098】
ブロック化防止剤
本明細書に開示されるポリマー組成物は、ブロック化防止剤を含みうる。ある実施形態では、ブロック化防止剤はアミドである。アミドブロック化防止剤は、何らかのポリマー処理温度、例えば一般に約100℃〜約300℃である押出ダイ温度などで、実質的に揮発または分解しないように熱安定性であることが望ましい。ポリマー処理温度は約400℃〜約600℃の範囲であってよい。さらに、ブロック化防止剤は、ポリマー組成物が微粒子形態および成形製品形態または押出製品形態の両方の場合に機能できることが望ましい。ある実施形態では、本明細書に開示されるアミドを含むブロック化防止剤の融点は少なくとも約70℃、少なくとも約80℃、少なくとも約90℃、少なくとも約90℃、少なくとも約100℃、少なくとも約110℃、または少なくとも約120℃である。
【0099】
上記の判定基準に合ういずれのアミドブロック化防止剤も、本明細書に開示されるポリマー組成物に用いてよい。アミドブロック化防止剤の限定されない例としては、約12〜約40個の炭素原子を有する第一級アミド(例えば、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミド);約18〜約80個の炭素原子を有する第二級アミド(例えば、ステアリルエルカ酸アミド、ベヘニルエルカ酸アミド(behenyl erucamide)、メチルエルカ酸アミドおよびエチルエルカ酸アミド);約18〜約80個の炭素原子を有する第二級−ビス−アミド(例えば、エチレン−ビス−ステアリン酸アミドおよびエチレン−ビス−オレイン酸アミド);ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、本明細書に開示されるポリマー組成物のブロック化防止剤は、下式(I)により表されるアミドである:
【化13】
〔式中、RおよびRの各々は独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリールであり;かつ、Rは、各々約11個〜約39個の炭素原子、約13個〜約37個の炭素原子、約15個〜約35個の炭素原子、約17個〜約33個の炭素原子または約19個〜約33個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルである〕。ある実施形態では、Rは、各々少なくとも19個〜約39個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルである。ある実施形態では、Rは、2つ以上の二重結合を有するアルケニル基である。他の実施形態では、Rは、ペンタデシル、ヘプタデシル、ノナデシル、ヘンエイコサニル(heneicosanyl)、トリコサニル、ペンタコサニル、ヘプタコサニル、ノナコサニル、ヘントリアコンタニル(hentriacontanyl)、トリトリアコンタニル(tritriacontanyl)、ノナトリアコンタニル(nonatriacontanyl)またはそれらの組み合わせである。さらなる実施形態では、Rは、ペンタデセニル、ヘプタデセニル、ノナデセニル、ヘンエイコサネニル(heneicosanenyl)、トリコサネニル(tricosanenyl)、ペンタコサネニル(pentacosanenyl)、ヘプタコサネニル(heptacosanenyl)、ノナコサネニル(nonacosanenyl)、ヘントリアコンタネニル(hentriacontanenyl)、トリトリアコンタネニル(tritriacontanenyl)、ノナトリアコンタネニル(nonatriacontanenyl)またはそれらの組み合わせである。
【0100】
さらなる実施形態では、本明細書に開示されるポリマー組成物のブロック化防止剤は、下式(II)により表されるアミドである:
【化14】
〔式中、mおよびnの各々は独立に約1〜約37の間の整数であり;pは0〜3の間の整数であり;RおよびRの各々は独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリールであり;かつm、nおよびpの合計が少なくとも8である〕。ある実施形態では、式(I)および(II)のRおよびRの各々は、1個〜約40個の炭素原子を含有するアルキル基または2個〜約40個の炭素原子を含有するアルケニル基である。さらなる実施形態では、式(I)および(II)のRおよびRの各々は、Hである。特定の実施形態では、m、nおよびpの合計は少なくとも18である。
【0101】
式(I)または(II)のアミドは、式H−NRのアミンの反応により調製できる〔式中、RおよびRの各々は独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリール(ここでR−COXの式を有するカルボン酸または酸ハロゲン化物を含む)、あるいはCH−(CH−(CH=CH)−(CH−COX(ここでXはOH、F、Cl、BrまたはIである)であり;Rは、各々約19個〜約39個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり;mおよびnの各々は独立に約1〜約37の間の整数であり;pは0または1である〕。式H−NRのアミンはアンモニア(すなわち、RおよびRの各々がH)、第一級アミン(すなわち、Rがアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリールであり、RがH)あるいは第二級アミン(すなわち、RおよびRの各々が独立に、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルまたはアリール)であってよい。第一級アミンのいくつかの限定されない例としては、メチルアミン、エチルアミン、オクタデシルアミン、ベヘニルアミン、テトラコサニルアミン(tetracosanylamine)、ヘキサコサニルアミン(hexacosanylamine)、オクタコサニルアミン(octacosanylamine)、トリアコンチルアミン(triacontylamine)、ドトリアコンチルアミン(dotriacontylamine)、テトラトリアコンチルアミン(tetratriacontylamine)、テトラコンチルアミン(tetracontylamine)、シクロヘキシルアミンおよびそれらの組み合わせが挙げられる。第二級アミンのいくつかの限定されない例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジエイコシルアミン、ジドコシルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、ジアラキジルアミン、ジベヘニルアミン、二水素化タロウアミン(dihydrogenated tallow amine)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。第一級アミンおよび第二級アミンは、当業者に公知の方法により調製するか、または市販品の供給業者、例えばAldrich Chemicals,Milwaukee,WI; ICC Chemical Corporation,New York,NY; Chemos GmbH,Regenstauf,Germany;ABCR GmbH & Co.KG,Karlsruhe,Germany;およびAcros Organics,Geel,Belgiumから入手できる。
【0102】
第一級アミンまたは第二級アミンは、還元的アミノ化反応により調製されうる。還元的アミノ化は、アンモニアまたは第一級アミンをアルデヒドまたはケトンを用いて縮合して対応するイミンを形成し、そのイミンがその後還元されてアミンとなるプロセスである。後のイミンのアミンへの還元は、イミンを水素および適した水素化触媒、例えば、ラネーニッケルおよび酸化白金、アルミニウム−水銀アマルガム、または水素化物、例えば水素化リチウムアルミニウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、および水素化ホウ素ナトリウムと反応させることにより達成されうる。還元的アミノ化は、米国特許第3,187,047号;ならびに論文Haskelberg,”Aminative Reduction of Ketones,”J.Am.Chem.Soc,70(1948)2811−2;Mastagliら,”Study of the Amynolysis of Some Ketones and Aldehydes,”Bull.soc.chim.France(1950)1045−8;B.J.Hazzard、Practical Handbook of Organic Chemistry,Addison−Wesley Publishing Co.,Inc.,pp.458−9および686(1973);ならびにAlexanderら,”A Low Pressure Reductive Alkylation Method for the Conversion of Ketones to Primary Amines,”J.Am.Chem.Soc,70,1315−6(1948)に記載されている。上記の米国特許および論文は参照により本明細書に援用される。
【0103】
カルボン酸の限定されない例としては、直鎖飽和脂肪酸、例えばテトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸(heneicosanic acid)、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸、ヘントリアコンタン酸、ドトリアコンタン酸、テトラトリアコンタン酸、ヘキサトリアコンタン酸、オクタトリアコンタン酸およびテトラコンタン酸(tetracontanoic acid);分枝鎖飽和脂肪酸、例えば16−メチルヘプタデカン酸、3−メチル−2−オクチルイノナン酸(octylynonanoic acid)、2,3−ジメチルオクタデカン酸、2−メチルテトラコサン酸、11−メチルテトラコサン酸、2−ペンタデシル−ヘプタデカン酸;不飽和脂肪酸、例えばトランス−3−オクタデカン酸、トランス−11−エイコセン酸、2−メチル−2−エイコセン酸、2−メチル−2−ヘキサコセン酸、β−エレオステアリン酸、α−パリナリン酸、9−ノナデセン酸(nonadecenoic acid)、および22−トリコセン酸、オレイン酸およびエルカ酸が挙げられる。カルボン酸は、当業者に公知の方法により調製するか、または市販品の供給業者、例えばAldrich Chemicals,Milwaukee,WI;ICC Chemical Corporation,New York,NY;Chemos GmbH,Regenstauf,Germany;ABCR GmbH & Co.KG,Karlsruhe,Germany;およびAcros Organics,Geel,Belgiumから入手できる。カルボン酸の調製のためのいくつかの公知の方法には、酸化剤、例えばクロム酸金属塩、二クロム酸金属塩および過マンガン酸カリウムでの対応する第一級アルコールの酸化が含まれる。カルボン酸に対するアルコールの酸化は、参照により本明細書に援用されるCareyら,”Advance Organic Chemistry,Part B:Reactions and Synthesis,”Plenum Press,New York,第2版,pp481−491(1983)に記載されている。
【0104】
アミド化反応は、カルボン酸に対して反応性でない溶媒中で起こり得る。適した溶媒の限定されない例としては、エーテル類(すなわち、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフラン)、ケトン類(アセトンおよびメチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。アミド化反応は、塩基触媒によって促進され得る。塩基触媒の限定されない例としては、無機塩基類、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウムなど、金属アルコキシド類、例えばナトリウムメエトキシド、ナトリウムエトキシドなど、アミン類、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。ある実施形態では、触媒はアミンまたは金属アルコキシドである。
【0105】
ある実施形態では、ブロック化防止剤は、18個〜約40個の炭素原子を有する飽和脂肪族基をもつ第一級アミド(例えば、ステアリン酸アミドおよびベヘン酸アミド)である。他の実施形態では、ブロック化防止剤は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合および18個〜約40個の炭素原子を含有する不飽和脂肪族基をもつ第一級アミド(例えば、エルカ酸アミドおよびオレイン酸アミド)である。さらなる実施形態では、ブロック化防止剤は、少なくとも20個の炭素原子を有する第一級アミドである。さらなる実施形態では、ブロック化防止剤は、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、エチレン−ビス−ステアリン酸アミド、エチレン−ビス−オレイン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、ベヘニルエルカ酸アミドまたはそれらの組み合わせである。特定の実施形態では、ブロック化防止剤はエルカ酸アミドである。さらなる実施形態では、商標名、例えば、Uniqema,Everberg,BelgiumからATMER(商標)SA;Akzo Nobel Polymer Chemicals,Chicago,ILからARMOSLIP(登録商標);Witco,Greenwich,CTからKEMAMIDE(登録商標);およびCroda,Edison,NJからCRODAMIDE(登録商標)などを有するブロック化防止剤が市販されている。ポリマー組成物中のブロック化防止剤の量は、ポリマー組成物の総重量の約0重量%より多く約3重量%まで、約0.0001〜約2重量%、約0.001〜約1重量%、または約0.001〜約0.5重量%であってよい。いくつかのブロック化防止剤が、参照により本明細書に援用されるZweifel Hansら,”Plastics Additives Handbook,”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,第8章,601−608頁(2001)に記載されている。
【0106】
任意選択的に、本明細書に開示されるポリマー組成物は、第二のブロック化防止剤を含み得る。ある実施形態では、本明細書に開示されるポリマー組成物は、さらなる型のブロック化防止剤を含まない。さらなるブロック化防止剤は、ポリマー組成物から作製された製品の、特に貯蔵中、製造中または使用中の中程度の圧力および熱における、接触層間の望ましくない接着を防ぐために用いることができる。当業者に公知の任意のブロック化防止剤を本明細書に開示されるポリマー組成物に添加してよい。ブロック化防止剤の限定されない例としては、無機物(例えば、粘土、チョーク、および炭酸カルシウム)、合成シリカゲル(例えば、Grace Davison,Columbia,MD製のSYLOBLOC(登録商標))、天然シリカ(例えば、Celite Corporation, Santa Barbara,CA製のSUPERFLOSS(登録商標))、タルク(例えば、Luzenac,Centennial,CO製のOPTIBLOC(登録商標))、ゼオライト(例えば、Degussa,Parsippany,NJ製のSIPERNAT(登録商標))、 アルミノシリケート(例えば、Mizusawa Industrial Chemicals,Tokyo,Japan製のSILTON(登録商標))、ライムストーン(例えば、Omya,Atlanta,GA製のCARBOREX(登録商標))、球形のポリマー粒子(例えば、Nippon Shokubai,Tokyo,Japan製のポリ(メタクリル酸メチル)粒子であるEPOSTAR(登録商標)、およびGE Silicones,Wilton,CT製のシリコン粒子であるTOSPEARL(登録商標))、ワックス、モレキュラーシーブ、およびそれらの組み合わせが挙げられる。無機粒子は製品間に物理的な隙間を作り出すことによりブロック化を低減させ得、一方、有機ブロック化防止剤は表面を移動させて表面接着を制限し得る。
【0107】
使用する場合、ポリマー組成物中のブロック化防止剤の量は、ポリマー組成物の総重量の約0重量%より多く約3重量%まで、約0.0001〜約2重量%、約0.001〜約1重量%、約0.001〜約0.5重量%または約0.05〜約0.25重量%であってよい。いくつかのブロック化防止剤が、参照により本明細書に援用されるZweifel Hansら,”Plastics Additives Handbook”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,第7章,585−600頁(2001)に記載されている。
【0108】
ポリオレフィン
ポリマー組成物は、任意選択的に、エチレン/α−オレフィン共重合体の特性を改善または変更しうる少なくとも1種類のポリオレフィンを含み得る。ポリオレフィンは、1以上のオレフィンに由来するポリマーである。1種類のオレフィン(すなわち、アルケン)は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む炭化水素である。オレフィンのいくつかの限定されない例としては、2個〜約20個の炭素原子を有する線状または分枝状、環状または非環状のアルケンが挙げられる。ある実施形態では、アルケンは2個〜約10個の炭素原子を有する。他の実施形態では、アルケンには少なくとも2つの炭素−炭素二重結合が含まれる(ブタジエンおよび1,5−ヘキサジエンなど)。さらなる実施形態では、アルケンの少なくとも1個の水素原子がアルキルまたはアリールで置換されている。特定の実施形態では、アルケンはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、ノルボルネン、1−デセン、ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、スチレンまたはそれらの組み合わせである。
【0109】
当業者に公知の任意のポリオレフィンを用いて本明細書に開示されるポリマー組成物を調製してよい。ポリオレフィンの限定されない例としては、ポリエチレン類(例えば、超低密度、低密度、線状低密度、中密度、高密度および超高密度ポリエチレン);ポリプロピレン類(例えば、低密度および高密度ポリプロピレン);ポリブチレン類(例えば、ポリブテン−1);ポリペンテン−1;ポリヘキセン−1;ポリオクテン−1;ポリデセン−1;ポリ−3−メチルブテン−1;ポリ−4−メチルペンテン−1;ポリイソプレン;ポリブタジエン;ポリ−1,5−ヘキサジエン;オレフィンに由来する共重合体;オレフィンおよびその他のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタンなどに由来する共重合体;ならびにそれらの混合物が挙げられる。ある実施形態では、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテン−1、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ−1,5−ヘキサジエン、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1およびポリデセン−1などのホモポリマーである。他の実施形態では、ポリオレフィンはポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン(HDPE)である。
【0110】
使用する場合、ポリマー組成物中のポリオレフィンの量は、ポリマー組成物の総重量の約5〜約95重量%、約10〜約90重量%、約20〜約80重量%、約30〜約70重量%、約10〜約50重量%、約50〜約80重量%、約60〜約90重量%、または約10〜約30重量%であってよい。
【0111】
その他の添加剤
任意選択的に、本明細書に開示されるポリマー組成物は、ポリマー組成物の加工性、外観、物理的、化学的、および/または機械的特性を改善および/または制御するために、少なくとも1種類の添加剤を含んでよい。ある実施形態では、ポリマー組成物は添加剤を含まない。当業者に公知の任意のプラスチック添加剤を本明細書に開示されるポリマー組成物に用いてよい。適した添加剤の限定されない例としては、スリップ剤、可塑剤、オイル、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤または顔料、充填剤、潤滑剤、防曇剤、流動補助剤、カップリング剤、架橋剤、核剤、界面活性剤、溶剤、難燃剤、帯電防止剤、およびそれらの組み合わせが挙げられる。添加剤の合計量は、ポリマー組成物の総重量の約0より多く約80%まで、約0.001%〜約70%、約0.01%〜約60%、約0.1%〜約50%、約1%〜約40%、または約10%〜約50%の範囲であってよい。いくつかのポリマー添加剤が、参照によりその全文が本明細書に援用されるZweifel Hansら,”Plastics Additives Handbook”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,(2001)に記載されている。
【0112】
任意選択的に、本明細書に開示されるポリマー組成物は可塑剤を含んでよい。一般に、可塑剤は、ポリマーの可撓性を増大させ、ガラス転移温度を低下させることのできる化学物質である。当業者に公知の任意の可塑剤を本明細書に開示されるポリマー組成物に添加してよい。可塑剤の限定されない例としては、アビエチン酸、アジピン酸、スルホン酸アルキル、アゼライン酸、安息香酸エステル、塩素化パラフィン、クエン酸、エポキシド、グリコールエーテルおよびそれらのエステル、グルタル酸、炭化水素油、イソ酪酸、オレイン酸、ペンタエリトリトール誘導体、リン酸、フタル酸、エステル、ポリブテン、リシノール酸、セバシン酸、スルホンアミド、トリメリット酸およびピロメリット酸、ビフェニル誘導体、ステアリン酸、ジフランジエステル(difuran diester)、フッ素含有可塑剤、ヒドロキシ安息香酸エステル、イソシアネート付加物、多環芳香族化合物、天然物誘導体、ニトリル、シロキサン系可塑剤、タール系生成物、チオエーテルおよびそれらの組み合わせが挙げられる。使用する場合、ポリマー組成物中の可塑剤の量は、ポリマー組成物の総重量の0より多く約15重量%まで、約0.5〜約10重量%、または約1〜約5重量%であってよい。いくつかの可塑剤が、参照により本明細書に援用されるGeorge Wypych,”Handbook of Plasticizers”ChemTec Publishing,Toronto−Scarborough,Ontario(2004)に記載されている。
【0113】
ある実施形態では、本明細書に開示されるポリマー組成物は、任意選択的に、ポリマー組成物中のポリマー成分および有機添加剤の酸化を防ぐことのできる酸化防止剤を含んでよい。当業者に公知の任意の酸化防止剤を本明細書に開示されるポリマー組成物に添加してよい。適した酸化防止剤の限定されない例としては、芳香族アミンまたはヒンダードアミン、例えばアルキルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル置換またはアラルキル置換フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化p−フェニレンジアミン、テトラメチル−ジアミノジフェニルアミンなど;フェノール類、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)ベンゼン;テトラキス[(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン(例えば、Ciba Geigy,New York製のIRGANOX(商標)1010);アクリロイル修飾フェノール類;オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート(例えば、Ciba Geigyより市販されているIRGANOX(商標)1076);亜リン酸および亜ホスホン酸;ヒドロキシルアミン;ベンゾフラノン誘導体;およびそれらの組み合わせが挙げられる。使用する場合、ポリマー組成物中の酸化防止剤の量は、ポリマー組成物の総重量の約0重量%より多く約5重量%まで、約0.0001〜約2.5重量%、約0.001〜約1重量%、または約0.001〜約0.5重量%であってよい。いくつかの酸化防止剤が、参照により本明細書に援用されるZweifel Hansら,”Plastics Additives Handbook,”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,第1章,1−140頁(2001)に記載されている。
【0114】
他の実施形態では、本明細書に開示されるポリマー組成物は、任意選択的に、紫外線によるポリマー組成物の分解を予防または低減しうるUV安定剤を含む。当業者に公知の任意のUV安定剤を本明細書に開示されるポリマー組成物に添加してよい。適したUV安定剤の限定されない例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、アリールエステル、オキサニリド、アクリル酸エステル、ホルムアミジン、カーボンブラック、ヒンダードアミン、ニッケルクエンチャー、ヒンダードアミン、フェノール性酸化防止剤、金属塩、亜鉛化合物およびそれらの組み合わせが挙げられる。使用する場合、ポリマー組成物中のUV安定剤の量は、ポリマー組成物の総重量の約0重量%より多く約5重量%まで、約0.01〜約3重量%、または約0.1〜約2重量%、または約0.1〜約1重量%であってよい。いくつかのUV安定剤が、参照により本明細書に援用されるZweifel Hansら,”Plasties Additives Handbook”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,第2章,141−426頁(2001)に記載されている。
【0115】
さらなる実施形態では、本明細書に開示されるポリマー組成物は任意選択的に、人の目に対するポリマー組成物の外観を変えることのできる着色剤または顔料を含む。当業者に公知の任意の着色剤または顔料を本明細書に開示されるポリマー組成物に添加してよい。適した着色剤または顔料の限定されない例としては、無機顔料、例えば金属酸化物(酸化鉄、酸化亜鉛、および二酸化チタンなど)、混合金属酸化物、カーボンブラック、有機顔料、例えばアントラキノン、アンサンスロン、アゾ化合物およびモノアゾ化合物、アリールアミド、ベンズイミダゾロン、BONAレーキ、ジケトピロロ−ピロール、ジオキサジン、ジスアゾ化合物、ジアリリド化合物、フラバントロン、インダントロン、イソインドリノン、イソインドリン、金属錯体、モノアゾ塩、ナフトール、b−ナフトール、ナフトールAS、ナフトールレーキ、ペリレン、ペリノン、フタロシアニン、ピラントロン、キナクリドン、およびキノフタロン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。使用する場合、ポリマー組成物中の着色剤または顔料の量は、ポリマー組成物の総重量の約0重量%より多く約10重量%まで、約0.1〜約5重量%、または約0.25〜約2重量%であってよい。いくつかの着色剤が、参照により本明細書に援用されるZweifel Hansら,”Plastics Additives Handbook”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,第15章,813−882頁(2001)に記載されている。
【0116】
任意選択的に、本明細書に開示されるポリマー組成物は、とりわけ、体積、重量、コスト、および/または技術的性能を調節するために用いることのできる充填剤を含んでよい。当業者に公知の任意の充填剤を本明細書に開示されるポリマー組成物に添加してよい。適した充填剤の限定されない例としては、タルク、炭酸カルシウム、チョーク、硫酸カルシウム、粘土、カオリン、シリカ、ガラス、ヒュームドシリカ、マイカ、珪灰石、長石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ三水和物などのアルミナ水和物、ガラスミクロスフェア、セラミックミクロスフェア、熱可塑性ミクロスフェア、バライト、木床、グラスファイバー、カーボンファイバー、大理石粉末、セメント粉末、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン、チタン酸およびそれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態では、充填剤は、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス、グラスファイバー、アルミナ、二酸化チタン、またはそれらの混合物である。他の実施形態では、充填剤は、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、グラスファイバーまたはそれらの混合物である。使用する場合、ポリマー組成物中の充填剤の量は、ポリマー組成物の総重量の約0重量%より多く約80重量%まで、約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%、約1〜約30重量%、または約10〜約40重量%であってよい。いくつかの充填剤が、その双方が参照により本明細書に援用される米国特許第6,103,803号およびZweifel Hansら ,”Plastics Additives Handbook”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,第17章,901−948頁(2001)に開示されている。
【0117】
任意選択的に、本明細書に開示されるポリマー組成物は潤滑剤を含んでよい。一般に、潤滑剤は、とりわけ、融解したポリマー組成物のレオロジーを変更するため、成形品の表面仕上げを改善するため、かつ/または充填剤または顔料の分散を促進するために用いられ得る。当業者に公知の任意の潤滑剤を本明細書に開示されるポリマー組成物に添加してよい。適した潤滑剤の限定されない例としては、脂肪アルコールおよびそれらのジカルボン酸エステル、短鎖アルコールの脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸アミド、金属石鹸、オリゴマー脂肪酸エステル、長鎖アルコールの脂肪酸エステル、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、天然および合成パラフィンワックス、フルオロポリマーならびにそれらの組み合わせが挙げられる。使用する場合、ポリマー組成物中の潤滑剤の量は、ポリマー組成物の総重量の約0重量%より多く約5重量%まで、約0.1〜約4重量%、または約0.1〜約3重量%であってよい。いくつかの適した潤滑剤が、参照により本明細書に援用されるZweifel Hansら,”Plastics Additives Handbook,”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,第5章,511−552頁(2001)に記載されている。
【0118】
任意選択的に、本明細書に開示されるポリマー組成物は、帯電防止剤を含んでよい。一般に、帯電防止剤は静電荷の蓄積を防ぐためにポリマー組成物の導電率を高めることができる。当業者に公知の任意の帯電防止剤を本細書に開示されるポリマー組成物に添加してよい。適した帯電防止剤の限定されない例としては、導電性充填剤(例えば、カーボンブラック、金属粒子およびその他の導電性粒子)、脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸グリセロール)、エトキシ化アルキルアミン、ジエタノールアミド、エトキシ化アルコール、アルキルスルホン酸、アルキルリン酸、第四級アンモニウム塩、アルキルベタインおよびそれらの組み合わせが挙げられる。使用する場合、ポリマー組成物中の帯電防止剤の量は、ポリマー組成物の総重量の約0重量%より多く約5重量%まで、約0.01〜約3重量%まで、または約0.1〜約2重量%であってよい。いくつかの適した帯電防止剤が、参照により本明細書に援用されるZweifel Hansら,”Plastics Additives Handbook”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,第10章,627−646頁(2001)に開示されている。
【0119】
さらなる実施形態では、本明細書に開示されるポリマー組成物は、任意選択的に、ポリマー組成物の架橋密度を高めるために用いることのできる架橋剤を含む。当業者に公知の任意の架橋剤を本明細書に開示されるポリマー組成物に添加してよい。適した架橋剤の限定されない例としては、有機過酸化物(例えば、アルキルペルオキシド、アリールペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシ炭酸塩、ジアシルペルオキシド、ペルオキシケタール、および環状ペルオキシド)およびシラン(例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジトキシシラン、および3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)が挙げられる。使用する場合、ポリマー組成物中の架橋剤の量は、ポリマー組成物の総重量の約0重量%より多く約20重量%まで、約0.1〜約15重量%、または約1〜約10重量%であってよい。いくつかの適した架橋剤が、参照により本明細書に援用されるZweifel Hansら,”Plastics Additives Handbook,”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio,第5版,第14章,725−812頁(2001)に開示されている。
【0120】
ポリマー組成物の調製
ポリマー組成物の成分、すなわちエチレン/α−オレフィン共重合体、ブロック化防止剤、および任意選択の添加剤は、当業者に公知の方法、好ましくは、エチレン/α−オレフィン共重合体中にブロック化防止剤および/または添加剤の実質的に均質な分布をもたらし得る方法を用いて混合またはブレンドできる。適したブレンド方法の限定されない例としては、ドライブレンド、溶融ブレンド、溶媒ブレンド、押出などが挙げられる。
【0121】
ある実施形態では、分散混合、分配混合、または分散混合および分配混合の組み合わせをもたらす物理的なブレンド装置が均質なブレンドの調製に有用であり得る。回分法および連続法の物理的ブレンドが用いられ得る。回分法の限定されない例としては、BRABENDER(登録商標)混合機(例えば、C.W.Brabender Instruments,Inc.,South Hackensack,NJ.から入手可能なBRABENDER PREP CENTER(登録商標))またはBANBURY(登録商標)内部混合およびロールミル機(Farrel Company,Ansonia,Conn.から入手可能)の等価物を用いる方法が挙げられる。連続法の限定されない例としては、単軸スクリュー押出、双軸スクリュー押出、ディスク押出、往復単軸スクリュー押出、およびピンバレル単軸スクリュー押出が挙げられる。ある実施形態では、添加剤は、エチレン/α−オレフィン共重合体、ポリオレフィンまたはポリマー組成物の押出中に、フィードホッパーまたはフィードスロートを介して押出機の中に添加してよい。ポリマーの押出による混合またはブレンドは、参照により本明細書に援用されるC.Rauwendaal,”Polymer Extrusion”,Hanser Publishers,New York,NY,322−334頁(1986)に記載されている。
【0122】
ポリマー組成物の用途
本明細書に開示されるポリマー組成物は、自動車、建築、医療、食品飲料、電気、電気製品、事務機器、および消費材の市場向けの耐久品の製造に用いることができる。ある実施形態では、ポリマー組成物を用いて、玩具、グリップ、軟質な触感の握持部分、バンパーラブストリップ、床張り材、自動車のフロアマット、ホイール、キャスター、家具および電気製品の足部、タグ、シール、ガスケット(静的ガスケットおよび動的ガスケットなど)、自動車扉、バンパー帯、グリル構成部品、ロッカーパネル、ホース、内張り、事務用消耗品、シール、ライナー、ダイヤフラム、チューブ、蓋、ストッパー、ブランジャーチップ、運搬システム、台所用品、靴、靴用エアクッション、靴底から選択される柔軟な耐久性のある部品または製品が製造される。他の実施形態では、ポリマー組成物を用いて、高い引張強度と低い圧縮永久ひずみを必要とする耐久性のある部品または製品が製造され得る。さらなる実施形態では、ポリマー組成物を用いて、高い上限使用温度と低い弾性率を必要とする耐久性のある部品または製品が製造され得る。
【0123】
ポリマー組成物を用いて、既知のポリマープロセス、例えば押出(例えば、シート押出および異形押出)、射出成形、成形、回転成形、およびブロー成形で、これらの耐久性のある部品または製品を調製することができる。一般に、押出は、ポリマーが、スクリューに沿って連続的に押し出されてゆき、高温高圧の領域の中を通ってそこで融解および圧縮され、最終的にダイへ押し出されるプロセスである。押出機は、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、ディスク押出機またはラム押出機であってよい。ダイは、フィルム押出ダイ、ブローフィルム押出ダイ、シート押出ダイ、パイプ押出ダイ、チューブ押出ダイまたは異形押出ダイであってよい。ポリマーの押出は、C.Rauwendaal,”Polymer Extrusion”,Hanser Publishers,New York,NY(1986);およびM.J.Stevens,”Extruder Principals and Operation”Ellsevier Applied Science Publishers,New York,NY(1985)に記載され、その双方がその全文を参照により本明細書に援用される。
【0124】
射出成形も種々の用途のための種々のプラスチック成形品の製造に広く用いられている。一般に、射出成形は、ポリマーが融解されて高圧で鋳型(所望の形状の逆になっている)へ射出されて所望の形状および大きさの部品を形成するプロセスである。鋳型は金属、例えば鋼およびアルミニウム製であってよい。ポリマーの射出成形は、Beaumontら,”Successful Injection Molding:Process,Design,and Simulation,”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio(2002)に記載され、その全文が参照により本明細書に援用される。
【0125】
成形は一般に、ポリマーが融解されて鋳型(所望の形状の逆になっている)に入れられて、所望の形状および大きさの部品を形成するプロセスである。成形は、圧力不要であるかまたは圧力の補助を要するものであり得る。ポリマーの成形は、Hans−Georg Elias”An Introduction to Plastics”Wiley−VCH,Weinhei,Germany,pp.161−165(2003)に記載され、これは参照により本明細書に援用される。
【0126】
回転成形は、一般に、中空のプラスチック製品の製造に用いられるプロセスである。成形後のさらなる操作を用いることにより、他の成形および押出技術と同じくらい効果的に複雑な部品を製造することができる。回転成形は、ポリマーが鋳型の中に入れられた後に加熱工程、融解工程、成形工程および冷却工程の全てが起こるの点で他の処理法と異なり、従って成形中に外から圧力が加わらない。ポリマーの回転成形は、Glenn Beall,”Rotational Molding:Design,Materials & Processing,”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio(1998)に記載され、これは参照によりその全文が本明細書に援用される。
【0127】
ブロー成形は、中空のプラスチック容器を作るために用いられ得る。このプロセスには、軟化したポリマーを鋳型の中心に置く段階、ブローピンで鋳型の壁に沿ってポリマーを膨らませる段階、および生成物を冷却により固める段階が含まれる。ブロー成形には3つの一般的な種類があり、それは押出ブロー成形、射出ブロー成形、および延伸ブロー成形である。射出ブロー成形は、押出できないポリマーの処理に用いられ得る。延伸ブロー成形は、ブローするのが困難な結晶構造のポリマーおよび結晶化可能なポリマー、例えばポリプロピレンに用いられ得る。ポリマーのブロー成形は、Norman C.Lee,”Understanding Blow Molding”Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio(2000)に記載され、参照によりその全文が本明細書に援用される。
【0128】
以下の実施例および製造例は本発明の実施形態を例示するために示される。全ての数値は近似値である。数値域が示される場合、記載された範囲以外の実施形態もなお本発明の範囲内にあることが当然理解されるべきである。各実施例および製造例に記載される具体的な詳細は本発明の必須な特徴であると考えられるべきではない。
【実施例および製造例
【0129】
試験方法
以下の製造例では、以下の分析技術が使用される:
サンプル1〜4およびA〜CについてGPC法
160℃に設定された加熱針を装備した自動化液体処理ロボットを用いて、各々の乾燥ポリマーサンプルに対して300ppmのIonolで安定化した十分な1,2,4−トリクロロベンゼンを添加して、30mg/mLという最終濃度を得る。小さいガラス撹拌ロッドを各々のチューブに入れて、そのサンプルを、250rpmで回転する加熱式オービタルシェーカーを用いて160℃で2時間加熱する。次いで濃縮されたポリマー溶液を、自動化液体処理ロボットおよび160℃に設定された加熱針を用いて1mg/mlに希釈する。
【0130】
Symyx Rapid GPCシステムを用いて各々のサンプルについての分子量データを決定する。2.0ml/分の流量に設定したGilson 350ポンプを用いて、直列に配置され、160℃に加熱された3つのPlgel10マイクロメーター(μm)MixedB300mm×7.5mmカラムを通して300ppmのIonolで安定化させヘリウム−でパージした1,2−ジクロロベンゼンを移動相としてポンプで送る。エバポレーターを250℃に設定し、ネブライザーを165℃に設定し、および窒素流量を60〜80psi(400〜600kPa)Nの圧で1.8SLMに設定したPolymer Labs ELS 1000 Detectorを用いる。ポリマーサンプルを160℃に加熱して、各々のサンプルを、液体処理ロボットおよび加熱ニードルを用いて250μlのループに注入した。2つの切り替えループおよび重複注入を用いるポリマーサンプルの連続的分析を用いる。このサンプルデータを収集して、Symyx Epoch(商標)ソフトウェアを用いて分析する。ピークを手技的に積分し、分子量情報は、ポリスチレン標準検量線に対して未補正で報告される。
【0131】
標準的なCRYSTAF方法
分枝分布は、PolymerChar,Valencia,Spainから市販されているCRYSTAF 200ユニットを用いて結晶分析分別(crystallization analysis fractionation)(CRYSTAF)によって決定する。このサンプルは、160℃で1,2,4トリクロロベンゼン(0.66mg/mL)に1時間溶解させ、そして95℃で45分間安定化させる。サンプリング温度は、0.2℃/分の冷却速度で95〜30℃におよぶ。赤外線検出器を用いて、ポリマー溶液の濃度を測定する。累積溶解濃度は、温度の低下と同時にポリマーが結晶化する間に測定する。累積プロフィールの分析導関数は、そのポリマーの短鎖分枝分布を反映する。
【0132】
CRYSTAFのピーク温度および面積は、CRYSTAFソフトウェア(Version 2001.b,PolymerChar,Valencia,Spain)に含まれるピーク分析モジュールによって特定される。CRYSTAFピーク検出ルーチンは、ピーク温度をdW/dT曲線の最大値として特定し、そしてその微分曲線におけるその特定されたピークのいずれかの側の正の最大変曲間の面積を特定する。CRYSTAF曲線を算出するために、好ましい処理パラメーターは、70℃の温度限界を有し、ならびにその温度限界より上では0.1の、およびその温度限界より下では0.3の平滑化パラメーターを有するものである。
【0133】
DSC標準法(サンプル1〜4およびA〜Cを除く)
示差走査熱量測定の結果は、RCS冷却アクセサリおよびオートサンプラーを装備したTAIモデルQ1000 DSCを用いて決定する。50ml/分という窒素パージガス流を用いる。このサンプルを、薄膜にプレスして、約175℃でプレス中に溶融し、次いで室温(25℃)まで空冷する。次いで3〜10mgの物質を6mmの直径のディスクに切断し、正確に秤量し、軽量アルミのパン(約50mg)に入れ、次いで圧着する。サンプルの熱挙動は、以下の温度プロフィールで検討する。このサンプルを180℃まで急速に加熱して、3分間恒温に保持して、以前の熱履歴を除く。次いで、このサンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、−40℃で3分間保持する。次いで、このサンプルを10℃/分の加熱速度で150℃まで加熱する。その冷却および第二の加熱曲線を記録する。
【0134】
DSC融解ピークは、−30℃と融解終点との間にひいた直線のベースラインに関する熱流量(W/g)における最大として測定される。融解熱は直線のベースラインを用いて−30℃と融解終点との間の融解曲線の下の面積として測定される。
【0135】
GPC法(サンプル1〜4およびA〜Cを除く)
このゲル浸透クロマトグラフィーシステムは、Polymer Laboratories Model PL−210装置またはPolymer Laboratories Model PL−220装置のいずれかから構成される。このカラムおよびカルーセルの区画は、140℃で操作される。3つのPolymer Laboratories 10ミクロン Mixed−Bカラムを用いる。この溶媒を、1,2,4トリクロロベンゼンである。サンプルは、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する50ミリリットルの溶媒中に0.1グラムというポリマー濃度で調製する。サンプルを、160℃で2時間、軽く撹拌することによって調製する。用いられる注入容積は、100μlであり、そして流量は1.0ml/分である。
【0136】
GPCカラムセットの較正は、個々の分子量の間の少なくとも1桁の隔たりがある6つの「カクテル」混合物で準備した、580〜8,400,000におよぶ分子量を有する、21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準物質で行われる。この標準物質を、Polymer Laboratories(Shropshire,UK)から購入する。ポリスチレン標準物質を、分子量1,000,000以上については、50ミリリットルの溶媒中に0.025グラムで、そして分子量1,000,000未満については50ミリリットル溶媒中に0.05グラムで調製する。このポリスチレン標準物質を、穏やかに撹拌しながら80℃で30分間溶解する。狭い標準物質混合物を最初にランし、そして分解を最小にするために最も高い分子量の成分から低いものへと順番にランする。ポリスチレン標準物質ピーク分子量を、以下の式を用いてポリスチレン分子量に変換する(WilliamsおよびWard,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載のように:Mポリエチレン=0.431(Mポリスチレン)。
【0137】
ポリエチレン等量分子量の計算は、Viscotek TriSECソフトウェアのVersion3.0を用いて行う。
【0138】
圧縮永久ひずみ
圧縮永久ひずみは、ASTMD395に従って測定する。このサンプルは、総厚みが12.7mmに達するまで、3.2mm、2.0mmおよび0.25mmという厚みの25.4mmの直径の丸いディスクを重ねることによって調製する。このディスクは、以下の条件下においてホットプレスで成形した12.7cm×12.7cmの圧縮成形プラークから切り出す:190℃で3分間ゼロ圧、続いて190℃で2分間86MPa、続いてプレス内部で冷水を流しながら86MPaで冷却。
【0139】
密度
密度測定のためのサンプルは、ASTMD1928に従って調製する。測定は、ASTMD792、方法Bを用いてサンプル圧縮の1時間内に行う。
【0140】
屈曲/割線弾性率/貯蔵弾性率
サンプルは、ASTMD1928を用いて圧縮成形する。曲げ弾性率および2%の割線弾性率を、ASTM D−790に従って測定する。貯蔵弾性率はASTM D5026−01または等価な技術に従って測定する。
【0141】
光学的特性
0.4mmの厚みのフィルムを、ホットプレス(Carver モデル#4095−4PR1001R)を用いて圧縮成形する。このペレットは、ポリテトラフルオロエチレンシートの間に置いて、190℃で55psi(380kPa)で3分間、続いて1.3MPaで3分間、次いで2.6MPaで3分間加熱する。次いで、このフィルムを、1.3Mpaで1分間、冷水を流しながらプレス中で冷却する。この圧縮成形フィルムを、光学測定、引張挙動、回復および応力緩和のために用いる。
【0142】
透明度は、ASTMD1746で特定されるようにBYK Gardner Haze−gardを用いて測定する。
【0143】
45°光沢(gloss)は、ASTM D−2457に特定されるように、BYK Gardner Glossmeter Microgloss45°を用いて測定する。
【0144】
内部の曇りは、ASTMD1003手順Aに基づいてBYK Gardner Haze−gardを用いて測定する。鉱油をこのフィルムの表面に塗布して、表面のスクラッチを除去する。
【0145】
機械的特性−引張、ヒステリシス(履歴現象)および引裂
単軸引張における応力−ひずみ挙動を、ASTMD1708微小引張試験片を用いて測定する。サンプルを、21℃で1分あたり500%でInstronを用いて延伸する。引張強度および破断点伸度は、5つの試験片の平均から報告される。
【0146】
100%および300%のヒステリシスは、Instron(商標)装置でASTMD1708微小引張試験片を用いて100%および300%までのサイクル式負荷から決定される。サンプルに、21℃で3サイクル、1分あたり267%で荷重を負荷し、除荷する。300%および80℃でのサイクル実験は、環境チャンバを用いて行う。80℃の実験では、サンプルは、試験の前に試験温度で45分間、平衡化させる。21℃、300%ひずみのサイクル実験では、第一の除荷のサイクルからの150%のひずみでの収縮性応力を記録する。全ての実験についての回復パーセントを、荷重がベースラインに戻るひずみを用いて第一の除荷サイクルから算出する。回復パーセントは以下に規定される:
【数2】
ここでεは、サイクル式負荷についてとったひずみであり、εは、1回目の除荷サイクルの間に荷重がベースラインに戻るひずみである。
【0147】
応力緩和は、環境チャンバを装備したInstron(商標)装置を用いて、50%のひずみおよび37℃で12時間、測定する。ゲージの形状は76mm×25mm×0.4mmであった。環境チャンバ中で37℃で45分間の平衡させた後、サンプルを1分あたり333%で50%ひずみまで延伸した。応力を、時間の関数として12時間記録した。12時間後の応力緩和パーセントは式:
【数3】
を用いて算出した。
ここでLは、0時点での50%ひずみの荷重であり、そしてL12は、12時間後時点の50%ひずみの荷重である。
【0148】
引張ノッチ付引裂実験(tensile notched tear experiments)を、Instron(商標)装置を用いて0.88g/cc以下の密度を有するサンプルで行う。この形状は、76mm×13mm×0.4mmのゲージ部分からなり、このサンプルにはその試験片の長さの半分の位置に2mmの切込みが入っている。そのサンプルが壊れるまで、21℃で1分あたり508mmで延伸させる。この引裂エネルギーは、最大荷重でのひずみまでの応力−伸長曲線下面積として算出する。少なくとも3つの試験片の平均が報告される。
【0149】
TMA
熱機械的分析(Thermal Mechanical Analysis)(針入温度)を、180℃および10MPa成形圧で5分間形成され、次いで風で急速冷却された、30mm直径×3.3mm厚みの圧縮成形ディスクで行う。用いた装置は、Perkin−Elmerから入手可能なブランド、TMA7である。この試験では、1.5mmの半径の先端を有するプローブ(P/N N519−0416)を、1Nの力を用いてサンプルディスクの表面に適用する。その温度を25℃から1分あたり5℃上昇させる。このプローブ針入距離は、温度の関数として測定される。このプローブがサンプルに1mm針入した時、実験が終わる。
【0150】
DMA
動的機械分析(Dynamic Mechanical Analysis)(DMA)を、180℃で10MPaの圧力で5分間、ホットプレス中において成形され、次いで1分あたり90℃でこのプレス中で水冷された圧縮成形ディスクで測定する。試験は、ねじり試験のための二重カンチレバー固定具を装備したARES制御ひずみレオメーター(TA装置)を用いて行う。
【0151】
1.5mmのプラークをプレスして、32×12mmの寸法のバーに切断する。そのサンプルを10mm(グリップ間隔ΔL)ずつ隔てた固定具の間において両端でクランプして、−100℃〜200℃の逐次的温度段階(1段階あたり5℃)に供する。各々の温度でねじり剛性率G’を、10rad/sの角周波数で測定し、このひずみ振幅は、トルクが十分であること、そして測定値が直線状態のままあることを保証するために0.1パーセント〜4パーセントの間で維持させる。
【0152】
10gという最初の静止力を維持して(自動引っ張り方式)、熱膨張が生じる時のサンプル中のゆるみを防ぐ。結果として、グリップ間隔ΔLは、温度とともに、特に、ポリマーサンプルの融点または軟化点より上で、増大する。試験は、最大温度か、または固定具の間の隙間が65mmに達した時に終わる。
【0153】
メルトインデックス
メルトインデックスIは、ASTM D1238,条件190℃/2.16kgに従って測定する。メルトインデックスI10はまた、ASTM D1238,条件190℃/10kgに従って測定する。
【0154】
ATREF
分析昇温溶離分別(analytical temperature rising elution fractionation)(ATREF)分析は、米国特許第4,798,081号およびWilde,L.;Ryle,T.R.;Knobeloch,D.C.;Peat,I.R.;Determination of Branching Distributions in Polyethylene and Ethylene Copolymer,J.Polym.Sci.,20,441〜455(1982)に記載された方法(これらの全体が参照によって本明細書に援用される)に従って行う。分析されるべき組成物を、トリクロロベンゼンに溶解して、1分あたり0.1℃の冷却速度で20℃までゆっくり温度を下げることによって、不活性支持体(ステンレス鋼ショット)を含むカラム中で結晶させる。このカラムには、赤外線検出器が装備されている。次いで、1分あたり1.5℃の速度で20から120℃へ溶出溶媒(トリクロロベンゼン)の温度をゆっくり上昇させることによりカラムから結晶化ポリマーサンプルを溶出することによって、ATREFのクロマトグラフィー曲線を作成する。
【0155】
13C NMR分析
サンプルは、10mmのNMRチューブ中で0.4gのサンプルに対してテトラクロロエタン−d/オルトジクロロベンゼンの50/50の混合物の約3gを添加することによって調製する。そのサンプルは、このチューブおよびその内容物を150℃に加熱することによって溶解して、均質化する。100.5MHzという13Cの共振周波数に相当する、JEOL ECLIPSE(商標)400MHz分光計、またはVarian Unity PLUS(商標)400MHz分光計を用いてデータを収集する。そのデータは、6秒のパルス繰り返し時間遅延により1データファイルについて4000の減衰シグナルを用いて得る。定量的分析について最小のシグナル対ノイズ比を達成するために、複数のデータファイルを一緒に加える。スペクトルの幅は25,000Hzであり、最小のファイルサイズは32Kのデータポイントである。このサンプルは、10mmの広帯域プローブ中で130℃で分析する。コモノマーの取り込みは、Randallのトライアッド法(Randall,J.C.;JMS−Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29,201−317(1989)を用いて決定され、その全体が参照によって本明細書に援用される。
【0156】
TREFによるポリマー分画
大規模なTREF分画は、160℃で4時間撹拌することによって2リットルの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)中に15〜20gのポリマーを溶解することによって行われる。このポリマー溶液を、30−40メッシュ(600〜425μm)球状の、技術的品質のガラスビーズ(Potters Industries,HC30 Box20,Brownwood,TX,76801から入手可能)およびステンレス鋼、0.028”(0.7mm)の直径のカットワイアショット(Pellets,Inc.63 Industrial Drive,North Tonawanda,NY,14120から入手可能)の60:40(v:v)混合物をパックした3インチ×4フィート(7.6cm×12cm)のスチールカラム上に15psig(100kPa)窒素によって圧入する。このカラムを、160℃に最初に設定した、熱制御されたオイルジャケットに浸す。このカラムを125℃に弾道的に最初に冷却し、次いで1分あたり0.04℃で20℃までゆっくり冷却して、1時間保持する。新鮮なTCBを、温度を1分あたり0.167℃で上昇させながら、1分あたり約65mlで導入する。
【0157】
分取TREFカラムからの約2000mL分の溶離液を、16のステーションの加熱されたフラクションコレクターに収集する。このポリマーを、約50〜100mlのポリマー溶液が残るまで、ロータリーエバポレーターを用いて各々の画分中で濃縮させる。この濃縮溶液を、一晩静置させて、その後に、過剰のメタノールを添加し、濾過して、洗浄する(最終の洗浄を含め約300〜500mlのメタノール)。濾過工程は、5.0μmのポリテトラフルオロエチレンコーティング濾紙(Osmonics Inc.から入手可能、カタログ番号Z50WP04750)を用いて、3位置の真空利用濾過ステーションで行う。濾過された画分は、60℃で真空オーブン中において一晩乾燥させて、さらなる試験の前に化学天秤で秤量する。
【0158】
溶融強度
溶融強度(MS)を、2.1mmの直径、約45度の入口角を有する20:1のダイを取付けたキャピラリーレオメーターを用いることによって測定する。190℃で10分間サンプルを平衡化した後、このピストンを1分あたり1インチ(2.54cm/分)の速度で動かす。標準試験温度は190℃である。サンプルを2.4mm/秒に加速させながら、ダイの100mm下に配置される1セットの加速ニップに一軸に延伸する。必要な張力は、ニップロールの巻き取り速度の関数として記録する。試験の間に到達する最大張力が、溶融強度として規定される。ドローレゾナンスを示すポリマー溶融の場合、ドローレゾナンスの発生の前の張力が、溶融強度とされた。溶融強度は、センチニュートン(centiNewtons)(「cN」)で記録される。
【0159】
触媒
「一晩」という用語を用いる場合、約16〜18時間の時間をいい、「室温」とは、20〜25℃の温度をいい、そして「混合アルカン」という用語は、ExxonMobil Chemical Companyから、IsoparE(登録商標)という商品名で利用可能なC6−9脂肪族炭化水素の商業的に得られる混合物を指す。この事象では、本明細書において化合物の名称が、その構造図に従わない場合には、構造図が優先するものとする。全ての金属錯体の合成および全てのスクリーニング実験の準備は、ドライボックス技術を用いて乾燥窒素雰囲気で行った。用いた全ての溶媒は、HPLC等級であって、その使用前に乾燥させた。
【0160】
MMAOとは、Akzo−Nobla Corporationから市販されている、修飾メチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサンをいう。
触媒(B1)の調製は、以下のとおり行う。
【0161】
a)(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)メチルイミンの調製
3,5−ジ−t−ブチルサリチルアルデヒド(3.00g)を10mLのイソプロピルアミンに添加する。この溶液は急速に鮮黄色に変わる。周囲温度での3時間の撹拌後、揮発性物質を減圧下で取り除き、鮮黄色の結晶性固体を得る(97パーセント収率)。
【0162】
b)1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(1−メチルエチル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジルの調製
(1−メチルエチル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミン(605mg、2.2ミリモル)を5mLのトルエンに含有する溶液を、50mLのトルエンにZr(CHPh)(500mg、1.1mmol)を含む溶液にゆっくり添加する。得られた濃黄色の溶液を30分間撹拌する。溶媒を減圧下で除去して、所望の生成物を赤褐色固体として得る。
触媒(B2)の調製は以下のとおり行う。
【0163】
a)(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミンの調製
2−メチルシクロヘキシルアミン(8.44mL、64.0mmol)をメタノール(90mL)に溶解して、ジ−t−ブチルサリチルアルデヒド(10.00g、42.67mmol)を添加する。その反応混合物を3時間撹拌し、ついで−25℃で12時間冷却する。得られた黄色固体沈殿物を濾過によって収集して、冷メタノール(2×15mL)で洗浄し、次いで、減圧下で乾燥させる。収量は、11.17gの黄色固体である。H NMRは、異性体の混合物として所望の生成物と一致する。
【0164】
b)ビス−(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)(2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミノ)ジルコニウムジベンジルの調製
(1−(2−メチルシクロヘキシル)エチル)2−オキソイル−3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)イミン(7.63g、23.2mmol)を含有する200mLのトルエンの溶液を、600mLのトルエンに含有されるZr(CHPh)(5.28g、11.6mmol)の溶液にゆっくり添加する。得られた濃黄色の溶液を25℃で1時間撹拌する。その溶液を680mLのトルエンでさらに希釈して、0.00783Mの濃度を有する溶液を得る。
【0165】
共触媒1.実質的に米国特許第5,919,9883号、製造例2に開示されるように、 長鎖トリアルキルアミン(Armeen(商標)M2HT、Akzo−Nobel,Incから入手可能)、HClおよびLi[B(C6F5)4]の反応によって調製される、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(本明細書において以降ではホウ酸アーミーニウム(armeenium))のメチルジ(C14−18アルキル)アンモニウム塩の混合物。
【0166】
共触媒2.米国特許第6,395,671号、製造例16に従って調製された、ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)−アルマネ(alumane))−2−ウンデシルイミダゾリドの混合C14−18アルキルジメチルアンモニウム塩。
【0167】
可逆的移動剤。使用される可逆的移動剤としては、ジエチル亜鉛(DEZ、SA1)、ジ(i−ブチル)亜鉛(SA2)、ジ(n−ヘキシル)亜鉛(SA3)、トリエチルアルミニウム(TEA,SA4)、トリオクチルアルミニウム(SA5)、トリエチルガリウム(SA6)、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)(SA7)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)(SA8)、n−オクチルアルミニウム ジ(ピリジン−2−メトキシド)(SA9)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチルアルミニウム(SA10)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)(SA11)、n−オクチルアルミニウム ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド)(SA12)、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)(SA13)、エチルアルミニウム ビス(t−ブチルジメチルシロキシド)(SA14)、エチルアルミニウム ジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)(SA15)、エチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)(SA16)、n−オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)(SA17)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド(SA18)、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)(SA19)およびエチル亜鉛(t−ブトキシド)(SA20)が挙げられる。
【0168】
製造例1−4、比較A−C
一般的なハイスループット並列重合条件
重合は、Symyx technologies,Inc.から入手可能なハイスループットの並列式重合反応装置(parallel polymerization reactor)(PPR)を用いて行い、そして米国特許の6,248,540号、同第6,030,917号、同第6,362,309号、同第6,306,658号および同第6,316,663号に実質的に従って操作する。エチレン共重合は、用いた総触媒に基づいて共触媒1の1.2当量(MMAOが存在する場合1.1当量)を用いて、必要時にエチレンを用いて130℃でかつ200psi(1.4MPa)で行う。一連の重合は、予め秤量したガラスチューブが取り付けられている48の個々の反応セルを6×8配列で備えている並列式耐圧反応装置(PPR)で行う。各々の反応装置セル中の作業容積は6000μLであ
る。各々のセルは温度および圧力が制御され、個々の撹拌パドルによって撹拌を与えられる。モノマーのガスおよびクエンチガスをPPRユニットに直接配管して、自動バルブで制御する。液体試薬を、シリンジによって各々の反応装置セルにロボット制御により添加して、そのリザーバー溶媒は混合アルカンである。添加の順序は、混合アルカン溶媒(4ml)、エチレン、1−オクテンコモノマー(1ml)、共触媒1または共触媒1/MMAO混合物、可逆的移動剤、および触媒または触媒混合物である。共触媒1およびMMAOの混合物、または2つの触媒の混合物を用いる場合、その試薬は、反応装置への添加の直前に小さいバイアル中で事前に混合する。実験で試薬が省略される場合、それ以外のものは上記の順序の添加が維持される。重合は、所定のエチレン消費に到達するまで、約1〜2分間行う。COでのクエンチング後、その反応装置を冷却して、ガラスチューブを取り外す。そのチューブを遠心分離/真空乾燥ユニットに移して、60℃で12時間乾燥する。乾燥されたポリマーを含むチューブを秤量して、その重量と風袋重量との間の差違で、ポリマーの正味の収量が得られる。結果は表1に含まれる。表1で、そして本出願のどこかでは、比較化合物は、星印(*)によって示される。
【0169】
製造例1〜4は、極めて狭いMWDの形成によって証明されるような本発明による線状ブロックコポリマー、特にDEZが存在する場合は単頂性のコポリマー、そしてDEZの非存在下における二頂性の広い分子量分布の生成物(別々に生成されたポリマーの混合物)の合成を実証する。触媒(A1)が触媒(B1)よりも多くのオクテンを組み込むことが公知であるという事実に起因して、本発明の得られたコポリマーの種々のブロックまたはセグメントは、分枝または密度に基づいて特定可能である。
【表1】
【0170】
本発明に従って生成されるポリマーは、可逆的移動剤の非存在下で調製したポリマーよりも比較的狭い多分散性(Mw/Mn)および比較的大きいブロック−コポリマー含量(三量体、四量体またはそれ以上)を有することが示され得る。
【0171】
さらなる特性付けのために、図を参照して、表1のポリマーについてのデータを判定する。さらに詳細にはDSCおよびATREFの結果によって、以下が示される:
【0172】
製造例1のポリマーについてのDSC曲線は、158.1J/gという融解熱で115.7℃の融点(Tm)を示す。対応するCRYSTAF曲線は、34.5℃で最高のピークを示し、52.9パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間の差違は81.2℃である。
【0173】
製造例2のポリマーのDSC曲線は、214.0J/gの融解熱で109.7℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、46.2℃で最高のピークを示し、57.0パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間の差異は63.5℃である。
【0174】
製造例3のポリマーのDSC曲線は、160.1J/gの融解熱で120.7℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、66.1℃で最高のピークを示し、71.8パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間の差異は54.6℃である。
【0175】
製造例4のポリマーのDSC曲線は、170.7J/gの融解熱で104.5℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、30℃で最高のピークを示し、18.2パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間の差異は74.5℃である。
【0176】
比較例AのDSC曲線は、86.7J/gの融解熱で90.0℃の融点(Tm)を示す。対応するCRYSTAF曲線は、48.5℃で最高のピークを示し、29.4パーセントのピーク面積である。これらの値の両方とも、密度が低い樹脂と一致する。DSC TmとTcrystafとの間の差異は41.8℃である。
【0177】
比較例BのDSC曲線は、237.0J/gの融解熱で129.8℃の融点(Tm)を示す。対応するCRYSTAF曲線は、82.4℃で最高のピークを示し、83.7パーセントのピーク面積である。これらの値の両方とも、密度が高い樹脂と一致する。DSC TmとTcrystafとの間の差異は47.4℃である。
【0178】
比較例CのDSC曲線は、143.0J/gの融解熱で125.3℃の融点(Tm)を示す。対応するCRYSTAF曲線は、34.7パーセントのピーク面積で81.8℃で最高のピークを、そして52.4℃でより低い結晶ピークを示す。この2つのピークの間の分離は、高結晶性および低結晶性のポリマーの存在と一致する。DSC TmとTcrystafとの間の差異は43.5℃である。
【0179】
製造例5−19、比較例D*−F*、連続的溶液重合、結晶A1/B2+DEZ
連続溶液重合を、内部スターラーを装備したコンピューター制御のオートクレーブ反応装置で行う。精製された混合アルカン溶媒(ExxonMobilChemical Companyから入手可能なISOPAR(商標)E)、エチレン2.70lbs/時間(1.22kg/時間)、1−オクテンおよび水素(用いる場合)を、温度制御のためのジャケットおよび内部熱電対を装備した3.8Lの反応装置に供給する。この反応装置へ供給された溶媒は、マスフローコントローラーによって測定する。変速ダイヤフラムポンプが、反応装置に対する溶媒流量および圧を制御する。ポンプの排出の際に、側流をとって触媒および共触媒1注入ラインならびに反応装置撹拌のためのフラッシュフローを設ける。これらのフローは、Micro−Motionマスフローメーターによって測定して、制御バルブによって、またはニードルバルブの手動調節によって制御する。残りの溶媒を、1−オクテン、エチレンおよび水素(用いる場合)と合わせて、反応装置に供給する。マスフローコントローラーを用いて、必要に応じて反応装置に水素を供給する。溶媒/モノマー溶液の温度を、反応装置に入れる前、熱交換器の使用によって制御する。この流れを反応装置の底に入れる。触媒成分溶液を、ポンプおよびマスフローメーターを用いて測定して、触媒フラッシュ溶媒とあわせ、そして反応装置の底に入れる。その反応装置を500psig(3.45MPa)の液体で満たして激しく撹拌しながら運転する。生成物を反応装置の頂部の出口ラインから取り出す。反応装置からの全ての出口ラインは蒸気トレーおよび絶縁が施されている。重合は、任意の安定化剤または他の添加物とともに出口ラインに少量の水を添加すること、および固定ミキサーを通じた混合物の通過によって停止させる。次いで、この生成物の流れを、揮発物除去(devolatilization)の前に熱交換器を通過させることによって加熱する。ポリマー生成物は、揮発物除去押出機および水冷ペレタイザーを用いる押出によって回収する。プロセスの詳細および結果は表2に含まれる。選択されたポリマーの特性を表3に提供する。
【表2】
【表3】
【0180】
得られたポリマーは、前の製造例と同様に、DSCおよびATREFによって試験される。結果は以下のとおりである:
【0181】
製造例5のポリマーのDSC曲線は、60.0J/gの融解熱で119.6℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、47.6℃で最高のピークを示し、59.5パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは72.0℃である。
【0182】
製造例6のポリマーのDSC曲線は、60.4J/gの融解熱で115.2℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、44.2℃で最高のピークを示し、62.7パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは71.0℃である。
【0183】
製造例7のポリマーのDSC曲線は、69.1J/gの融解熱で121.3℃の融点を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、49.2℃で最高のピークを示し、29.4パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは72.1℃である。
【0184】
製造例8のポリマーのDSC曲線は、67.9J/gの融解熱で123.5℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、80.1℃で最高のピークを示し、12.7パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは43.4℃である。
【0185】
製造例9のポリマーのDSC曲線は、73.5J/gの融解熱で124.6℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、80.8℃で最高のピークを示し、16.0パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは43.8℃である。
【0186】
製造例10のポリマーのDSC曲線は、60.7J/gの融解熱で115.6℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、40.9℃で最高のピークを示し、52.4パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは74.7℃である。
【0187】
製造例11のポリマーについてのDSC曲線は、70.4J/gの融解熱で113.6℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、25.2パーセントのピーク面積で39.6℃で最高のピークを示す。DSCTmとTcrystafとの間のΔは74.1℃である。
【0188】
製造例12のポリマーについてのDSC曲線は、48.9J/gという融解熱で113.2℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、30℃以上のピークを示さない。(従って、さらなる計算の目的のためのTcystafは30℃に設定する)。DSCTmとTcrystafとの間のΔは83.2℃である。
【0189】
製造例13のポリマーのDSC曲線は、49.4J/gの融解熱で114.4℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、33.8℃で最高のピークを示し、7.7パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは84.4℃である。
【0190】
製造例14のポリマーのDSC曲線は、127.9J/gの融解熱で120.8℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、72.9℃で最高のピークを示し、92.2パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは47.9℃である。
【0191】
製造例15のポリマーのDSC曲線は、36.2J/gの融解熱で114.3℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、32.3℃で最高のピークを示し、9.8パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは82.0℃である。
【0192】
製造例16のポリマーのDSC曲線は、44.9J/gの融解熱で116.6℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、48.0℃で最高のピークを示し、65.0パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは68.6℃である。
【0193】
製造例17のポリマーについてのDSC曲線は、47.0J/gの融解熱で116.0℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、56.8パーセントのピーク面積で43.1℃で最高のピークを示す。DSCTmとTcrystafとの間のΔは72.9℃である。
【0194】
製造例18のポリマーについてのDSC曲線は、141.8J/gという融解熱で120.5℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、70.0℃で最高のピークを示し、94.0パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは50.5℃である。
【0195】
製造例19のポリマーのDSC曲線は、174.8J/gの融解熱で124.8℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、79.9℃で最高のピークを示し、87.9パーセントのピーク面積である。DSCTmとTcrystafとの間のΔは45.0℃である。
【0196】
比較例DのポリマーについてのDSC曲線は、31.6J/gの融解熱で37.3℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、30℃以上のピークを示さない。これらの値の両方とも、低密度である樹脂と一致する。DSC TmとTcrystafとの間のΔは7.3℃である。
【0197】
比較例EのポリマーについてのDSC曲線は、179.3J/gの融解熱で124.0℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、79.3℃で最高のピークを示し、94.6パーセントのピーク面積である。これらの値の両方とも、高密度である樹脂と一致する。DSC TmとTcrystafとの間のΔは44.6℃である。
【0198】
比較例FのポリマーについてのDSC曲線は、90.4J/gの融解熱で124.8℃の融点(Tm)を有するピークを示す。対応するCRYSTAF曲線は、77.6℃で最高のピークを示し、19.5パーセントのピーク面積である。2つのピークの間の隔たりは、高結晶性ポリマーと低結晶性ポリマーの両方の存在と一致する。DSC TmとTcrystafとの間のΔは47.2℃である。
【0199】
物理的特性試験
ポリマーサンプルは、物理的特性、例えば、TMA温度試験によって証明されるような高温耐性の特性、ペレットブロックキング強度、高温回復、高温圧縮永久ひずみ、および貯蔵弾性率G’(25℃)/G’(100℃)について評価される。いくつかの市販のポリマーが、試験に含まれる:比較G*は実質的に線状のエチレン/1−オクテンコポリマー(AFFINITY(登録商標)、TheDow Chemical Companyから入手可能)であり、比較H*は、エラストマーで、実質的には線状のエチレン/1−オクテンコポリマー(AFFINITY(登録商標)EG8100、DowChemical Companyから入手可能)であり、比較I*は、実質的には線状のエチレン/1−オクテンコポリマー(AFFINITY(登録商標)PL1840、TheDow Chemical Companyから入手可能)であり、比較J*は、水素化スチレン/ブタジエン/スチレントリブロックコポリマー(KRATON(商標)G1652,KRATONPolymersから入手可能)であり、比較K*は、熱可塑性加硫物(TPV,架橋されたエラストマーをその中に分散して含むポリオレフィン混合物)。結果は表4に示す。
【表4】
【0200】
表4では、比較F*(触媒A1およびB1を用いる同時の重合から生じる2つのポリマーの物理的な混合物である)は、約70℃という1mm針入温度であるが、製造例5〜9は、100℃以上の1mm針入温度を有する。さらに製造例10〜19は全てが、85℃より大きい1mm針入温度を有し、ほとんどが、90℃を超えるかまたはさらには100℃より大きい1mmのTMA温度を有する。これによって、新規なポリマーは、物理的な混合物に比較して、より高い温度でより良好な寸法安定性を有することが示される。比較例J*(市販のSEBS)は、約107℃という良好な1mmのTMA温度を有し、ただし、これは約100パーセントという極めて乏しい(高温70℃)圧縮永久ひずみを有し、そしてまた高温(80℃)300パーセントひずみ回復の間に回復できない(サンプルが壊れた)。従って、例示されたポリマーは、いくつかの市販の高性能の熱可塑性エラストマーにおいてでさえ得ることができない特性の固有の組み合わせを有する。
【0201】
同様に、表4は、本発明のポリマーについて、6以下という低い(良好な)貯蔵弾性率比G’(25℃)/G’(100℃)を示すが、物理的混合物(比較例F)は、9という貯蔵弾性率比を有し、そして同様の密度のランダムなエチレン/オクテンコポリマー(比較例G)は、1桁大きい貯蔵弾性率比を有する(89)。ポリマーの貯蔵弾性率比はできるだけ1に近いことが所望される。このようなポリマーは比較的温度によって影響されないし、このようなポリマーから作製される加工品は、広範な温度範囲にわたって有用に使用され得る。低い貯蔵弾性率比と温度との独立性についてのこの特徴は、エラストマーの用途において、例えば、感圧粘着剤配合物において、特に有用である。
【0202】
表4のデータによってまた、本発明のポリマーが改善されたペレットブロック化強度を保有することが実証される。詳細には、製造例5は、0MPaというペレットブロック化強度を有し、このことは、このポリマーが、かなりのブロック化を示す比較例F*および比較例G*に比較して、試験された条件下で自由流動することを意味する。ブロック化強度は、重要である。なぜなら、大きいブロック化強度を有するポリマーの貨物輸送は、貯蔵または出荷(shipping)の際に製品同士のくっつきまたは粘着を生じ、取り扱いの特性が劣り得るからである。
【0203】
本発明のポリマーの高温(70℃)圧縮永久ひずみは概ね良好であって、このことは一般に約80パーセント未満、好ましくは約70%未満、そして特に約60パーセント未満を意味する。対照的に、比較例F*、G*、H*およびJ*は全てが、100パーセントという70℃圧縮永久ひずみを有する(可能である最大値であり、回復がないことを示す)。ガスケット、窓枠、O−リングなどのような用途には、良好な高温圧縮永久ひずみ(低い数値)が特に必要である。
【表5】
【0204】
表5は、新規なポリマーおよび種々の比較ポリマーについての周囲温度での機械的特性についての結果を示す。本発明のポリマーは、ISO4649に従って試験した場合、極めて良好な耐磨耗性を有することが示され得、これは一般に、約90mm未満、好ましくは約80mm未満、そして特に、約50mm未満という容積減少を示す。この試験では、数が大きいほど、大きい容積減少を示し、そして結果として低い耐磨耗性を示す。
【0205】
本発明のポリマーの引張ノッチ付引裂強度によって測定した引裂強度は一般に、表5に示されるように、1000mJ以上である。本発明のポリマーの引裂強度は、3000mJ程度の高さ、または5000mJ程度の高さであってさえよい。比較ポリマーは一般に、750mJ以下の引裂強度を有する。
【0206】
表5によってまた、本発明のポリマーが、いくつかの比較サンプルよりも150パーセントひずみにおいてより良好な収縮応力を有することが示される(より高い収縮応力値によって実証される)。比較例F*、G*およびH*は、150パーセントひずみにおいて400kPa以下という収縮応力値を有するが、本発明のポリマーは、150パーセントひずみにおいて、500kPa(製造例11)から約1100kPa(製造例17)程の高さの収縮応力値を有する。150パーセント収縮応力値よりも高い値を有するポリマーは、弾性を有する用途、例えば、弾性の繊維および織布、特に不織布にかなり有用である。他の用途としては、オムツ、衛生および医療用衣類のウエストバンドの用途、例えば、タブおよび弾性バンドが挙げられる。
【0207】
表5によってまた、応力緩和(50パーセントひずみ)がまた、例えば、比較例Gに対して比較した場合、本発明のポリマーについて改善される(少ない)ことが示される。応力緩和が低いとは、体温において長期間にわたる弾性特性の保持が所望されるオムツおよび他の衣類のような用途において、ポリマーがその力をより良好に保持しているということを意味する。
【0208】
光学的試験
【表6】
表6に報告される光学的特性は、実質的に配向性を欠く圧縮成形フィルムに基づく。ポリマーの光学的な特性は、重合において使用される可逆的連鎖移動剤の量の変動から生じる結晶化サイズにおけるバリエーションに起因して、広範囲にわたって変化し得る。
【0209】
マルチブロックコポリマーの抽出
製造例5、7のポリマーおよび比較例E*のポリマーの抽出研究を行う。この実験では、ポリマーサンプルは、ガラス円筒濾紙(glass fritted extraction thimble)にて秤量して、Kumagawa型の抽出機に取り付ける。サンプルを備えた抽出機を窒素でパージして、500mLの丸底フラスコに350mLのジエチルエーテルを充填する。次いでフラスコをこの抽出機に取り付ける。エーテルを撹拌しながら加熱する。エーテルが円筒濾紙に凝縮し始める時点を書き留めて、抽出を窒素下で24時間進行させる。この時点で、加熱を停止して、溶液を冷却させる。抽出機中に残っている全てのエーテルをフラスコに戻す。フラスコ中のエーテルを周囲温度で減圧下でエバポレートして、得られた固体を窒素でパージ乾燥(purged dry)させる。残渣をヘキサンの連続的な洗浄を用いて秤量ボトルに移す。次いで、合わせたヘキサン洗浄液を別の窒素パージしながらエバポレートさせて、残渣を40℃において一晩減圧下で乾燥させる。抽出機中に残留するエーテルを窒素でパージ乾燥させる。
【0210】
次いで350mLのヘキサンを充填した第二の清浄な丸底フラスコを、この抽出機に接続する。ヘキサンを撹拌しながら加熱還流して、円筒濾紙中でヘキサンの凝縮に最初に気付いた後、還流下で24時間維持する。次いで加熱を停止して、フラスコを冷却させる。抽出機中に残っているヘキサンをフラスコに戻す。そのヘキサンを周囲温度で減圧下でのエバポレーションによって除去して、フラスコ中に残っている残渣を連続的なヘキサン洗浄を用いて秤量ボトルに移す。フラスコ中のヘキサンを窒素パージによってエバポレートして、その残渣を40℃で一晩減圧下で乾燥させる。
【0211】
抽出後に円筒濾紙中に残っているポリマーサンプルを、円筒濾紙から秤量ボトルに移して、40℃で一晩減圧乾燥する。結果は表7に含まれる。
【表7】
【0212】
さらなるポリマー製造例19A〜F、連続溶液重合、触媒A1/B2+DEZ
連続溶液重合はコンピューター制御の十分に混合される反応装置中で行われる。精製混合アルカン溶媒(ExxonMobilChemical Companyから入手可能なISOPAR(商標)E)、エチレン、1−オクテン、および水素(用いる場合)を併せ、27ガロンの反応装置へ供給した。反応装置への供給量はマスフローコントローラーで測定する。供給流の温度は、反応装置に入れる前にグリコール冷却熱交換器を用いて制御される。触媒成分溶液はポンプおよびマスフローメーターを用いて測定される。反応装置は液体の充満した状態で圧力約550psigで運転される。反応装置を出る際に、水および添加剤がポリマー溶液に注入される。水は触媒を加水分解し、重合反応を終了させる。次に、反応装置後の溶液を二段階の揮発物除去に備えて加熱する。溶媒および未反応モノマーは、揮発物除去プロセス中に除去される。溶解したポリマーは、ペレットの水中切断のためのダイへ送られる。
【0213】
プロセスの詳細および結果を表8に記載する。選択されたポリマー特性は表9に示される。
【表8】
【表9】
【0214】
抗ブロック化実施例20〜21および比較例L
実施例20は、製造例19fを1%のAMPACET(登録商標)10090(AmpacetCorporation,Tarrytown,NY製のエルカ酸アミド濃縮物)とブレンドすることにより調製した、製造例19fと500ppmのエルカ酸アミドとの混合物であった。製造例19fのペレットをAMPACET(登録商標)10090濃縮物のペレットとドライブレンドして所望の終濃度のエルカ酸アミドを得た。
【0215】
実施例21は、製造例19fを5%のAMPACET(登録商標)10090とブレンドすることにより調製した、製造例19fと2500ppmのエルカ酸アミドとの混合物であった。製造例19fのペレットをAMPACET(登録商標)10090濃縮物のペレットとドライブレンドして所望の終濃度のエルカ酸アミドを得た。比較例Lは、エルカ酸アミドを一切含まない製造例19fである。
【0216】
比較例Lおよび実施例20〜21の熱機械的(TMA)特性、硬度、圧縮永久ひずみ特性、ガルウイング(gull wing)引裂強度、引張強度、ブロック化および引掻き傷耐性を測定した。結果を下の表10に示す。
【0217】
熱機械的分析(TMA)法による針入温度は、180℃および10MPa成形圧で5分間形成された後に風で急速冷却された、直径30mm×厚さ3.3mmの圧縮成形ディスクで行われた。用いた装置は、Perkin−Elmer TMA7であった。このTMA試験では、半径1.5mmの先端を有するプローブ(P/N N519−0416)を、1Nの力でサンプルディスクの表面に適用した。温度を25℃から1分あたり5℃上昇させた。プローブ針入距離を、温度の関数として測定した。実験は、プローブがサンプルにそれぞれ0.1mmおよび1mm針入した時点で終わった。各サンプルの0.1mm針入温度および1mm針入温度を下の表10に記載する。
【0218】
各サンプルのショアA硬度を、ASTM D2240(これは、参照として本明細書に援用される)に従って測定した。
【0219】
各サンプルの23℃および70℃での圧縮永久ひずみ特性を、ASTM D4703(これは、参照として本明細書に援用される)に従って測定した。
【0220】
各サンプルのガルウイング(gull wing)引裂強度を、ASTM D1004(これは、参照として本明細書に援用される)に記載される方法に従って測定した。
【0221】
4”×4’×0.125”の射出成形されたプラークを6個積重ね、これらプラークを周囲条件(73F)で24時間放置した後、プラークを積み上げた山から取り出して、各サンプルのブロック化を測定した。ブロック化評価は1〜5の間であり、5が優秀(全てのプラークが無理なく取り出せた)から、1の不適格(6個のプラークが相互に付着してプラークを1つも手で分けることができなかった場合)である。
【0222】
各サンプルの引掻き傷耐性を、4”×4’×0.125”のプラークの上に先の丸いプラスチック製の尖筆を使って角から角へXを手で刻み付けることにより測定した。引掻き傷耐性評価は1〜5の間であり、5が優秀(Xの痕跡が見えない場合)から1の不適格(Xが非常に明白で、擦り取ることができない場合)である。
【0223】
各サンプルの最終的な引張強度を、ASTM D412(これは、参照として本明細書に援用される)に従って測定した。
【表10】
【0224】
表10中のデータから、少量のアミドを含むブロック化防止剤(エルカ酸アミドなど)の添加により、本明細書に開示されるエチレン/α−オレフィン共重合体(製造例19fなど)は、有意に改善された抗ブロック化および引掻き傷耐性を示すことが示される。より重要なことには、そのような改善は、硬度、圧縮永久ひずみ、耐熱性、引裂強度、および引張強度などの他の望ましい特性に悪影響を与えることなく得られる。
【0225】
本発明を限定された数の実施例に関して記載してきたが、1つの実施形態の具体的な特徴を本発明の他の実施形態に起因させるべきではない。1実施形態はいずれも本発明のあらゆる態様を代表しない。ある実施形態では、組成物または方法には、本明細書において言及されない多数の化合物または段階が含まれうる。他の実施形態での組成物または方法は、本明細書において列挙されない化合物も段階もいずれも含まないか、または実質的に含まない。記載される実施形態の変形または改変形態が存在する。最後に、本明細書に開示されるいずれの数も、その数の説明に「約」または「およそ」という語が用いられていてもいなくとも近似値を意味するものと解釈されるべきである。添付の請求項は、全ての改変または変形を本発明の範囲内にあるものとして網羅することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0226】
【図1】図1は、従来型のランダムコポリマー(円で示す)およびチーグラーナッタコポリマー(三角形で示す)と比較した場合の本発明のポリマー(ひし形で示す)の融点/密度の関係を示す。
【図2】図2は、種々のポリマーについてのDSC融解エンタルピーの関数としてのΔDSC−CRYSTAFのプロットを示す。ひし形はランダムエチレン/オクテンコポリマーを表し;四角形はポリマー製造例1〜4を表し;三角形はポリマー製造例5〜9を表し;さらに、円はポリマー製造例10〜19を表す。記号「X」はポリマー比較例A*〜F*を表す。
【図3】図3は、本発明の共重合体(四角形および円で示す)および従来のコポリマー(種々のDowAFFINITY(登録商標)ポリマーである、三角形で示す)から作製された未延伸フィルムについての弾性回復率に対する密度の効果を示す。四角形は本発明のエチレン/ブテンコポリマーを表し、円は本発明のエチレン/オクテンコポリマーを表す。
【図4】図4は、製造例5(円で示す)ならびに比較ポリマーである比較例E*およびF*(記号「X」で示す)のポリマー画分のTREF溶出温度に対する、TREF分画されたエチレン/1−オクテンコポリマー画分のオクテン含量のプロットである。ひし形は従来のランダムエチレン/オクテンコポリマーを表す。
【図5】図5は、製造例5(曲線1)およびポリマー比較例F*(曲線2)のポリマー画分のTREF溶出温度に対する、TREF分画されたエチレン/1−オクテンコポリマー画分のオクテン含量のプロットである。四角形はポリマー比較例F*を表し;三角形は製造例5を表す。
【図6】図6は、比較エチレン/1−オクテンコポリマー(曲線2)およびプロピレン/エチレン−コポリマー(曲線3)、ならびに異なる量の可逆的連鎖移動剤(chain shuttling agent)で作製した本発明の2つのエチレン/1−オクテンブロックコポリマー(曲線1)についての温度の関数としての、貯蔵弾性率の対数のグラフである。
【図7】図7は、他の公知のポリマーと比較した場合の、本発明のポリマー(ひし形で示す)についての屈曲弾性率に対するTMA(1mm)のプロットを示す。三角形は種々のDowVERSIFY(登録商標)ポリマーを表し;円は種々のランダムエチレン/スチレンコポリマーを表し;さらに、四角形は種々のDowAFFINITY(登録商標)ポリマーを表す。

Claims (14)

  1. (i)少なくとも1つのエチレン/α−オレフィン共重合体(ここで、エチレン/α−オレフィン共重合体は、前記共重合体の全重量に基づいて少なくとも50重量パーセントのエチレンを含み、かつハードセグメント及びソフトセグメントを有し、該ハードセグメントは前記重合体の重量を基準にして95重量パーセントより多い量でエチレンが存在する重合単位のブロックであり、該ソフトセグメントは前記重合体の重量を基準にして5重量パーセントより多い量でα−オレフィンが存在する重合単位のブロックであるマルチブロック共重合体)であって、かつ前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、
    1.7〜3.5のMw/Mn、113℃〜125℃の少なくとも1つの融点Tm(℃)、および0.8654〜0.8828g/cm 密度d(g/cm)を有し、ここで、Tmとdの数値は以下の関係、
    Tm≧−6288.1+13141(d)−6720.3(d)
    に相当する;ならびに
    (ii)アミドを含む少なくとも1つのブロック化防止剤(ここで、前記アミドは少なくとも70℃の融点を有する)
    を含む、ポリマー組成物。
  2. 前記エチレン/α−オレフィン共重合体が1.7〜3.5のMw/Mn、少なくとも1つの融点Tm(℃)、および密度d(g/cm)を有し、ここで前記Tmとdの数値が関係:
    Tm≧858.91−1825.3(d)+1112.8(d)
    に相当する、請求項1に記載のポリマー組成物。
  3. 前記エチレン/α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンが、スチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル1−ペンテン、ノルボルネン、1−デセン、1,5−ヘキサジエンまたはそれらの組み合わせである、請求項1に記載のポリマー組成物。
  4. 前記ブロック化防止剤が、式:
    〔式中、R1およびR2の各々は独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、
    シクロアルケニルまたはアリールであり;R3は、各々11個〜39個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり;mおよびnの各々は独立に1〜37の間の整数であり;pは0〜3の間の整数であり;かつm、nおよびpの合計が少なくとも8である〕のうちの1つを有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
  5. 前記ブロック化防止剤が、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、テトラコサニルアミド、ヘキサコサニルアミド、オクタコサニルアミド、トリアコンチルアミド、ドトリアコンチルアミド、テトラトリアコンチルアミド、テトラコンチルアミドまたはそれらの組み合わせである、請求項に記載のポリマー組成物。
  6. 前記ブロック化防止剤がエルカ酸アミドである、請求項に記載のポリマー組成物。
  7. 前記ブロック化防止剤が、前記ポリマー組成物の総重量に基づいて、0重量%より多く3重量%までの量である、請求項1に記載のポリマー組成物。
  8. 前記ポリマー組成物のペレットブロック化強度が4800Pa以下である、請求項1に記載のポリマー組成物。
  9. 少なくとも1種類の添加剤をさらに含み、その添加剤が、可塑剤、オイル、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤または顔料、充填剤、潤滑剤、防曇剤、流動補助剤、カップリング剤、架橋剤、核剤、界面活性剤、溶剤、難燃剤、帯電防止剤、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載のポリマー組成物。
  10. ポリオレフィンをさらに含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
  11. 請求項1に記載のポリマー組成物を含む、可撓性成形品。
  12. 可撓性耐久材が、玩具、グリップ、軟質な触感の握持部分、バンパーラブストリップ、床張り材、自動車のフロアマット、ホイール、キャスター、家具および電気製品の足部、タグ、シール、ガスケット、自動車扉、バンパー帯、グリル構成部品、ロッカーパネル、ホース、内張り、事務用消耗品、シール、ライナー、ダイヤフラム、チューブ、蓋、ストッパー、ブランジャーチップ、運搬システム、台所用品、靴、靴用エアクッション、靴底またはそれらの組み合わせである、請求項11に記載の可撓性成形品。
  13. 該エチレン/α−オレフィン共重合体が、(A)高いコモノマー組み込みインデックスを有する第1のオレフィン重合触媒と、(B)触媒(A)のコモノマー組み込みインデックスの90パーセント未満のコモノマー組み込みインデックスを有する第2のオレフィン重合触媒と、(C)可逆的連鎖移動剤とを用いて製造されたものである、請求項1に記載のポリマー組成物。
  14. 前記エチレン/α−オレフィン共重合体が、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−メチルフェニル)(1,2−フェニレン−(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル、ビス[N,N’’’−(2,4,6−トリ(メチルフェニル)アミド)エチレンジアミン]ハフニウムジベンジル、ビス((2−オキソイル−3−(ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル)−5−(メチル)フェニル)−2−フェノキシメチル)シクロヘキサン−1,2−ジイルハフニウム(IV)ジベンジル、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(1−メチルエチル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジル、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−(2−メチルシクロヘキシル)イミノ)メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベンジル、(t−ブチルアミド)ジメチル(3−N−ピロリル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,2,3,3a,8a−η−s−インダセン−1−イル)シランチタンジメチル、ビス(ジメチルジシロキサン)(インデン−1−イル)塩化ジルコニウムからなる群から選択される(A)触媒と(B)触媒、および、
    ジエチル亜鉛、ジ(i−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘキシル)亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリエチルガリウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)、n−オクチルアルミニウムジ(ピリジン−2−メトキシド)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチルアルミニウム、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)、エチルアルミニウムビス(t−ブチルジメチルシロキシド)、エチルアルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)、エチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)、およびエチル亜鉛(t−ブトキシド)からなる群から選択される(C)可逆的連鎖移動剤を用いて製造されたものである、請求項13に記載のポリマー組成物。
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