JP5197859B1 - 熱間プレス用の鋼板の熱処理方法 - Google Patents

熱間プレス用の鋼板の熱処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5197859B1
JP5197859B1 JP2012038038A JP2012038038A JP5197859B1 JP 5197859 B1 JP5197859 B1 JP 5197859B1 JP 2012038038 A JP2012038038 A JP 2012038038A JP 2012038038 A JP2012038038 A JP 2012038038A JP 5197859 B1 JP5197859 B1 JP 5197859B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stage
region
steel plate
heat
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012038038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013173153A (ja
Inventor
辰徳 福田
良一 飛田
Original Assignee
株式会社ワイエイシイデンコー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ワイエイシイデンコー filed Critical 株式会社ワイエイシイデンコー
Priority to JP2012038038A priority Critical patent/JP5197859B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5197859B1 publication Critical patent/JP5197859B1/ja
Publication of JP2013173153A publication Critical patent/JP2013173153A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

【課題】合金化の際に付与した熱エネルギを有効利用するとともに、熱処理時間を短縮する。
【解決手段】表面に金属の被覆層が設けられるとともに、焼き入れされる第1の領域W1と焼き入れされない第2の領域W2とを有する熱間プレス用の鋼板(ワーク)Wの熱処理方法において、鋼と金属とが合金化する合金化温度に鋼板Wを加熱する第1工程と、第1工程で付与された熱エネルギを利用して第1の領域W1をA3変態点温度以上に保持するとともに、第2の領域W2から熱エネルギを奪って第2の領域W2をA1変態点温度以下に強制冷却する第2工程とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、1つの部材の一部に部分焼き入れをするための熱間プレス用の鋼板の熱処理方法に関する。
従来、熱間プレス用の鋼板において、表面にアルミニウムメッキ(金属被覆層)を施したアルミニウム鋼板が知られている(例えば、特許文献1参照)。アルミニウムメッキを施すことにより、熱処理時の鋼板表面の酸化を防止するとともに、プレス加工後の耐食性を向上させている。
また、鋼板を部分焼き入れする技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。これにより、必要に応じて1つの部材で強靭な部分と比較的軟らかい部分とを設けることができる。
上述のアルミニウム鋼板を用いて部分焼き入れをする場合、まず、アルミニウム鋼板は、熱処理以前に、一旦、合金化温度(例えば、約900℃)に昇温されて表面のアルミニウムが鋼と合金化される。
こうして合金化されたアルミニウム鋼板は、部分焼き入れする際、熱処理として焼き入れする領域(第1の領域)をA3変態点温度以上に加熱するとともに、焼き入れしない領域(第2の領域)は、A1変態点(約730℃)以下に加熱するようにしている。
なお、鋼材メーカからプレス部品メーカに納入されるアルミニウム鋼板には、上述の合金化処理済みのものと、未処理のものとの双方がある。すなわち、合金化処理は、鋼材メーカで行われる場合も、また、プレス部品メーカで行われる場合もあった。
特許第4724780号 特開2011−200866号公報
しかしながら、合金化を鋼材メーカで行う場合も、プレス部品メーカで行う場合も、合金化の後に部分焼入れをする場合には、合金化の際の熱エネルギは、有効利用されることがなかった。また、合金化に連続して熱処理を行う場合、焼き入れしない第2の領域を例えば、900℃から730℃まで下げる必要があり、このため熱処理時間が長くかかるという問題があった。
なお、以上では、金属被覆層がアルミニウムメッキである場合を例に説明したが、同様の問題は、溶融亜鉛メッキ等の他の金属被覆層についても同様に発生する。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、合金化と、部分焼き入れのための熱処理とを連続して行うことにより、合金化の際に付与した熱エネルギを有効利用するとともに、熱処理時間を短縮することができる熱間プレス用の鋼板の熱処理方法を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、表面に金属の被覆層が設けられるとともに、焼き入れされる第1の領域と焼き入れされない第2の領域とを有する熱間プレス用の鋼板の熱処理方法において、装置本体内に設けられた第1ステージに配設された第1ヒータにより、鋼と前記金属とが合金化する合金化温度に前記鋼板を加熱する第1工程と、前記装置本体内に前記第1ステージに隣接して設けられた第2ステージに配設された第2ヒータにより、前記第1工程で付与された熱エネルギを利用して前記第1の領域をA3変態点温度以上に保持するとともに、前記第2ステージに配設された冷却装置により、前記第2の領域から熱エネルギを奪って前記第2の領域をA1変態点温度以下に強制冷却する第2工程とを有し、前記第1工程が終了した先の前記鋼板に対する前記第2工程と、先の前記鋼板に続く後の前記鋼板に対する前記第1工程とを並行して行う、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る熱間プレス用の鋼板の熱処理方法において、前記装置本体の外部から前記鋼板を前記第1ステージに搬入し、前記第1ステージで前記第1工程が終了した前記鋼板を前記第2ステージに移動し、前記第2ステージで前記第2工程が終了した前記鋼板を前記装置本体の外部に搬出する、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る熱間プレス用の鋼板の熱処理方法において、前記第1ステージと前記第2ステージとが横方向に隣接していて、前記第2ステージで前記第2工程が終了した前記鋼板を前記装置本体の外部に搬出するのと並行して、前記装置本体の外部から前記第1ステージへの前記鋼板の搬入と前記第1ステージで前記第1工程が終了した前記鋼板の前記第2ステージへの移動とを同時に行う、ことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に係る熱間プレス用の鋼板の熱処理方法において、前記冷却装置は、前記第2ステージに配設された前記鋼板に対して対向するように配置された放射冷却板と、前記放射冷却板が受け取った熱を前記装置本体の外部に導くヒートパイプとを有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、被覆層の合金化を行う第1工程と、部分焼き入れのための熱処理を行う第2工程とを連続して行うことにより、合金化の際に付与した熱エネルギを有効利用するとともに、強制冷却により、熱処理における処理時間を短縮することができる。
また、第1工程と第2工程とを分けることにより、被覆層の合金化の加熱条件と、部分焼き入れのための熱処理の加熱条件とを、それぞれ独立して設定することができるので、それぞれに好適な条件を設定することができる。
また、第1工程が行われる第1ステージと、第2工程が行われる第2ステージとが(同じ)装置本体内に隣接して設けられているので、このことにより、第1ステージで第1工程終了後の鋼板を速やかに第2ステージに移動させることが可能となり、このことにより、第1工程で合金化の際に付与した熱エネルギを、部分焼き入れのための熱処理に、一層有効に利用することが可能となる。
さらに、第1工程が終了した先の鋼板に対する第2工程と、先の鋼板に続く後の鋼板に対する前記第1工程とを並行して行うので、第1工程と第2工程とを有しているにもかかわらず、処理時間を、一層短縮することができる。
熱処理装置1、搬入装置50、搬出装置60の概略を示す斜視図である。 熱処理装置1を上下前後に延びる平面で切ったときの断面、搬入装置50、搬出装置60、プレス装置70を示す図である。 (A),(B)は図2中のX−X線矢視拡大図である。 図3(B)中のY−Y線矢視図である。 (A)は実施形態1の冷却装置33の斜視図であり、(B)は冷却装置33の縦断面図である。 (A)は実施形態2の冷却装置36の斜視図であり、(B)は冷却装置36の縦断面図である。 実施形態3における、図4に相当する図である。 合金化温度が、A3変態点温度よりも高い場合のタイムチャートである。 合金化温度と、A3変態点温度とが同じ場合のタイムチャートである。 合金化温度が、A3変態点温度よりも低い場合のタイムチャートである。
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
図1〜図5を参照して本発明を適用した実施形態1に係る熱処理装置1について説明する。なお、以下では、上下7段に構成された熱処理装置1を例に説明するが、これに限定されるものではなく、1段あるいは他の複数段であってもよい。
図1は、熱処理装置1、搬入装置(搬送装置)50、搬出装置(搬送装置)60の概略を示す斜視図である。なお、以下では、図1中に矢印で示す上下前後左右が、熱処理装置1、搬入装置50、搬出装置60等の上下前後左右に対応するものとして説明する。
図2は、熱処理装置1を上下前後に延びる平面で切ったときの断面、搬入装置50、搬出装置60、プレス装置70を示す図である。なお、図2においては、冷却装置33は図示を省略している。
図3(A),(B)は図2中のX−X線矢視拡大図である。
図1,図2に示すように、熱処理装置1は、上下前後左右が壁部で囲まれた直方体状で箱状の装置本体10を備えている。装置本体10の前壁11には、左右方向に長い矩形の搬入口12が上下方向7段にわたって形成されている。各搬入口12には、軸13を中心に開閉可能なシャッタ14が設けられている。ワークWは、シャッタ14を開放して搬入口12から装置本体10内に搬入される。なお、ワークWについては後述する。
装置本体10の後壁15には、左右方向に長い矩形の搬出口16が上下方向7段にわたって形成されている。各搬出口16には、軸17を中心に開閉可能なシャッタ18が設けられている。装置本体10内のワークWは、シャッタ18を開放して搬出口16から搬出される。
装置本体10の内側は、各段とも、前側に第1ステージ21が、また後側に第2ステージ22が設けられている。第1ステージ21には、各段の上側と下側とに対向するように、電磁波加熱器等の第1ヒータ31が左右方向のほぼ全長にわたって配設されている。この第1ヒータ31は、第1制御部41によって温度制御される。
第2ステージ22は、左右に2つに分けられていて、右側には、各段の上側と下側とに対向するように、電磁波加熱器等の第2ヒータ32が配設されている。この第2ヒータ32は、第2制御部42によって温度制御される。第2ステージ22の左側には、冷却装置33が配設されている。
図4は、図3(B)中のY−Y線矢視図である。図5(A)は、冷却装置33の斜視図であり、(B)は、冷却装置33の縦断面図である。
冷却装置33は、各段の上側と下側とに対向するように配置された放射冷却板34と放射冷却板34が受け取った熱を装置本体10の外部に導くヒートパイプ35を有している。放射冷却板34は、例えば、炭素鋼板、SUS等の表面に、陽極酸化膜、セラミックコーティング等の高効率放射表面処理を施して形成されていて、放射率が0.7以上となっている。ヒートパイプ35は、例えば、SUS304,SUS310S等の耐熱鋼管によって形成されており、この内側を冷媒が循環されている。冷媒としては、空気、水、オイル等が使用される。放熱冷却板34は、第3制御部43によって温度制御される。第3制御部43は、ポンプ(不図示)によって冷媒の流量等を変更することで、サーモスタット39で温度を測定しながら、放熱冷却板34の温度を制御するようにしている。
第1ステージ21、第2ステージ22とも、ワークWを下方から支持する支持部材24が配設されている。支持部材24は、後述する搬入装置50、搬出装置60のフォーク55,65が上下方向にすり抜けることができるように構成されている。
ここで、ワークWの一例について説明する。
ワークWは、左右方向に長い矩形状に形成された鋼板であり、表面には、アルミニウムメッキ等の金属被覆層が設けてある。なお、メッキとしては、電界メッキ、溶融メッキ等がある。ワークWは、ほぼ右半分が、焼き入れが行われる第1の領域W1となり、ほぼ左半分が、焼き入れが行われない第2の領域W2となる。ワークWは、第2ステージ22に搬送されて支持部材24によって支持されたときに、第1の領域W1が第2ヒータ32に対応し、第2の領域W2が放射冷却板34に対応する位置に配置される。
ワークWとしては、鋼板に金属被覆層が設けてあるものであれば、上述の矩形状に限定されるものではない。例えば、長板状、楕円状であってもよく、さらに、種々の形状を組み合わせた複雑な形状のものであってもよい。焼き入れが行われる第1の領域W1と行われない第2の領域W2については、上述では、ほぼ2等分して、1:1である場合を例に説明したが、これに代えて、1:2、1:3、逆に2:1、3:1等の任意の比率とすることができ、さらに、2箇所の第1の領域W1,W1の間に、第2の領域W2が設けられたり、第1の領域W1と第2の領域W2とが交互に複数回繰り返されるものであってもよい。いずれの場合にも、熱処理装置1は、第2ステージ22において、第1の領域W1に対応して、第2ヒータ32が配設され、また、第2の領域W2に対応して、放射冷却板34が配設されるように構成する。
図1,図2に示すように、装置本体10の前方には、搬入装置(搬送装置)50が配設されている。搬入装置50は、ベース盤51と、このベース盤51の上面に前後方向に向けて敷設されたガイドレール52と、このガイドレール52に沿って前後方向に移動するコラム53と、このコラム53に沿って上下に移動するリフト54と、このリフト54から後方に延びるフォーク55とを有している。フォーク55は、第1ステージ21にあるワークWと、第2ステージ22にあるワークWとを同時に支持できる長さを有している。
装置本体10の後方には、搬出装置(搬送装置)60が配設されている。搬出装置60は、ベース盤61と、このベース盤61の上面に前後方向に向けて敷設されたガイドレール62と、このガイドレール62に沿って前後方向に移動するコラム63と、このコラム63に沿って上下に移動するリフト64と、このリフト64から前方に延びるフォーク65とを有している。リフト64は、上下方向の軸(不図示)を基準として、180度回転することができるようになっていて、これにより、フォーク65を前方の装置本体10側に向けたり、後方のプレス装置70側に向けたりすることができ、装置本体10から取り出したワークWをプレス装置70に供給することができる。
プレス装置70は、ベッド71に固定された下金型72と、昇降可能なスライド73に固定された上金型74とを備えている。プレス装置70は、搬出装置60が後述する熱処理後に装置本体10から取り出して下金型72上に載置したワークWを、上金型74を下降させることで、下金型72との間に挟み込み、所定の形状に成型するとともに、急冷して第1の領域W1を焼き入れするものである。
つづいて、上述構成の熱処理装置1及びプレス装置70による熱処理について説明する。なお、プレス装置70によるワークWの急冷についても適宜熱処理に含めるものとする。また、熱処理装置1の各段の基本動作は、同じであるので、以下では、最上段の動作について説明する。
ここで、合金化温度は、鋼材やメッキ材の種類や厚さによって変化する。そこで、以下では、図8に示す、合金化温度がA3変態点温度よりも高い場合、図9に示す、合金化温度がA3変態点温度と同じである場合、図10に示す、合金化温度がA3変態点温度よりも低い場合の3つに分けて説明する。なお、図8〜図10中では、A3変態点を「A3点」、A1変態点を「A1点」と表示している。
まず、図8のフローチャートを参照して、合金化温度がA3変態点温度よりも高い場合について説明する。なお、図8の横軸は処理時間をとり、縦軸は温度(℃)をとっている。また、図中の実線は、ワークWのうちの第1の領域W1(焼き入れされる領域)の温度であり、点線は、第2の領域W2(焼き入れされない領域)の温度を示している。
図1に示すように、搬入装置50のフォーク55の高さを、装置本体10の最上段に合わせ、フォーク55の基端側(付け根側)にワークW(以下で説明する後のワークWと区別するために、以下、先のワークWという。)を載せる。このときの先のワークWは、鋼板の表面に金属の被覆層が設けられた状態、例えば、アルミニウムメッキがされた状態で、まだ、合金化はされていない状態である。最上段のシャッタ14を開いて、搬入口12を露出させる。搬入装置50のコラム53を後方に移動させて、フォーク55を装置本体10内に挿入し、ワークWが第1ステージ21の第1ヒータ31に対応する位置に来たらコラム53を停止させて、リフト54を少し下降させてフォーク55を載置位置に下げ、先のワークWを支持部材24上に載置する。その後、コラム53を前方に移動させて、フォーク55を装置本体10内から引き抜いて、シャッタ14を閉じる。
第1制御部41により、第1ヒータ21を制御して、ワークWに熱エネルギを付与して先のワークWを合金化温度(約900℃)以上に加熱する(第1工程:時間0〜時間t1)。
第1のヒータ21により、先のワークWを合金化温度に保持する(時間t1〜t2)。
つづいて、シャッタ14を開放し、載置位置のフォーク55を、その基端側に後のワークWを載置した状態で、装置本体10内に挿入し、フォーク55を上昇させて、フォーク55の先端で合金化終了後の先のワークWを掬いあげる。その後、フォーク55を後方に移動させて、下降させることで、先のワークWを第2ステージ22の支持部材24上に載置するとともに、後のワークWを第1ステージ21の支持部材24上に載置することができる。これにより、先のワークWの第1の領域W1が第2ヒータ32に対応し、第2の領域W2が冷却装置33の放射冷却板34に対応し、さらに、後のワークWが第1ヒータ31に対応する。なお、以上の、後のワークWの移動時間は、図8では、図示を省略している。
この状態で、第1制御部41により、第1ヒータ31を制御して、後のワークWに熱エネルギを付与してワークWを合金化温度(約900℃)以上に加熱する(第1工程)。
一方、先のワークWに対し、第2制御部42により、先のワークWの第1の領域W1がA3変態点温度(例えば、0.2〜0.3%の炭素含有量の鋼では、約860℃)を維持するように、第2ヒータ32を制御する。これにより、先のワークWの第1の領域W1は、合金化温度からA3変態点温度まで下降し(時間t2〜t3´)、その後、A3変態点温度を維持する(時間t3´〜t3)。これと並行して、第3制御部43により、冷却装置33を制御して、先のワークWの第2の領域W2をA1変態点温度(約730℃)以下に急冷する(第2工程:時間t2〜t3)。この急冷(強制冷却)により、冷却に要する時間(時間t2〜t3)を従来の自然冷却に対して、1/3程度の時間に短縮することができる。
第2工程終了後の先のワークWを搬出装置60のフォーク65の上下、前後動作により、第2ステージ22から取り出し、この先のワークWを、フォーク65の上下、前後、回転動作により、プレス装置70に供給し、プレス装置70の下金型72と上金型74とにより挟み込んでプレス加工し、先のワークWの挟持状態を保持することにより、第1の領域W1、第2の領域W2を急冷却する。この急冷却は、第1の領域W1の温度が約200℃になるまで行う(時間t3〜t4、なお、この時間には、先のワークWの熱処理装置1からプレス装置70までの移動時間も含まれている。)。
なお、上述の先のワークWの取り出し動作と並行して、搬入装置50の上述の動作により、後のワークWを第2ステージ22に移動し、また、後のワークWの次のワークWを第1ステージ21に載置する。
以上の動作を装置本体10の各段に対して繰り返すことにより、ワークWの合金化、第1の領域W1のA3変態点温度以上の加熱及び第2の領域W2のA1変態点温度以下の強制冷却、さらに、プレス装置70による成形及び急冷による部分焼き入れを行うことができる。
そして、本実施形態によると、第2ステージ22における第1領域W1のA3変態点温度に保持する際に、第1ステージ21での合金化時にワークWに付与された熱エネルギを有効に活用することができる。さらに、第2ステージ22において、第1の領域W1の加熱と並行して、第2の領域W2を強制冷却するので、冷却時間を短縮することができ、作業能率を高めることができる。
以上では、図8に示すように、合金化温度よりもA3変態点温度が低い場合、したがって、第2ステージ22において、第1の領域W1の熱エネルギがマイナスに減じられる場合について説明した。
次に、図9を参照して、合金化温度がA3が変態点温度と同じ場合について、図8とは異なる点を主に説明する。
この場合、合金化終了後(時間t2)、ワークWの第1の領域W1の温度を下げる必要がないので(図8の時間t2〜t3に対応する部分)、第2ヒータ32により、第1の領域W1を、A3変態点温度(=合金化温度)に保持するようにする(時間t2〜t3)。他の点については、図8の場合と同様である。
つづいて、図10を参照して、合金化温度がA3変態点温度よりも低い場合について、図8とは異なる点を主に説明する。
この場合、合金化終了後(時間t2)、ワークWの第1の領域W1の温度を、合金化温度からt3変態点温度まで上昇させる必要があるので、第2ヒータ32によって、第1の領域W1に熱エネルギを加えて、合金化温度からA3変態点温度に上昇させる(時間t2〜t3´)。その後は、第2ヒータ32により、A3変態点温度に保持する(時間t3´〜t3)。他の点については、図8の場合と同様である。
以上、図8〜図10を参照して説明したように、合金化温度に対してA3変態点温度が低い場合(図8)、同じ場合(図9)、高い場合(図10)の3パターンがあるが、本発明において、「第1工程で付与された熱エネルギを利用して第1の領域をA3変態点温度以上に保持する」という内容には、これら3つのパターンが含まれている。
<実施形態2>
図6を参照して、上述の冷却装置33とは異なる冷却装置36を説明する。
冷却装置36は、放熱冷却板37の内側に、例えば銅材からなる、高熱伝導部材38の一方側を挿入し、他方側を突出させて露出させている。この突出部分から効率よく放熱を行うことができる。
<実施形態3>
図7を参照して、本実施形態に係る熱処理装置2について説明する。図7は、図4に相当する図である。
本実施形態では、第2ステージ22におけるほぼ右半分に第2ヒータ32と冷却装置33を配設し、さらにほぼ左半分にも第2ヒータ32と冷却装置33を配設している。これにより、第1ステージ21を省略することができる。
すなわち、ワークWの合金化に際しては、2つの冷却装置33は停止させて、2つの第2ヒータ32によりワークWを加熱して合金化する。つまり、2つの第2ヒータ32が、実施形態1における第1ヒータ31を兼ねることになる。その後、第1の領域W1に対応する第2ヒータ32により加熱を行って第1の領域W1をA3変態点温度以上に加熱するとともに、第2の領域W2に対応する第2ヒータ32を停止させ、かつ冷却装置33を可動させて、第2の領域W2をA1変態点温度以下に冷却する。
なお、冷却装置33は、第2の領域W2に対応する方のみ配設すれば十分であるが、第1の領域W1に対応する方にも冷却装置33を配設しておけば、冷却位置が逆のワークWに対しても容易に対応することができる。
1,2 熱処理装置
31 第1ヒータ
32 第2ヒータ
33 冷却装置
41 第1制御部
42 第2制御部
43 第3制御部
50 搬入装置(搬送装置)
60 搬出装置(搬送装置)
70 プレス装置
72 下金型
74 上金型
W ワーク(鋼板)
W1 第1の領域
W2 第2の領域

Claims (4)

  1. 表面に金属の被覆層が設けられるとともに、焼き入れされる第1の領域と焼き入れされない第2の領域とを有する熱間プレス用の鋼板の熱処理方法において、
    装置本体内に設けられた第1ステージに配設された第1ヒータにより、鋼と前記金属とが合金化する合金化温度に前記鋼板を加熱する第1工程と、
    前記装置本体内に前記第1ステージに隣接して設けられた第2ステージに配設された第2ヒータにより、前記第1工程で付与された熱エネルギを利用して前記第1の領域をA3変態点温度以上に保持するとともに、前記第2ステージに配設された冷却装置により、前記第2の領域から熱エネルギを奪って前記第2の領域をA1変態点温度以下に強制冷却する第2工程とを有し、
    前記第1工程が終了した先の前記鋼板に対する前記第2工程と、先の前記鋼板に続く後の前記鋼板に対する前記第1工程とを並行して行う、
    ことを特徴とする熱間プレス用の鋼板の熱処理方法。
  2. 前記装置本体の外部から前記鋼板を前記第1ステージに搬入し、前記第1ステージで前記第1工程が終了した前記鋼板を前記第2ステージに移動し、前記第2ステージで前記第2工程が終了した前記鋼板を前記装置本体の外部に搬出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス用の鋼板の熱処理方法。
  3. 前記第1ステージと前記第2ステージとが横方向に隣接していて、前記第2ステージで前記第2工程が終了した前記鋼板を前記装置本体の外部に搬出するのと並行して、前記装置本体の外部から前記第1ステージへの前記鋼板の搬入と前記第1ステージで前記第1工程が終了した前記鋼板の前記第2ステージへの移動とを同時に行う、
    ことを特徴とする請求項2に記載の熱間プレス用の鋼板の熱処理方法。
  4. 前記冷却装置は、前記第2ステージに配設された前記鋼板に対して対向するように配置された放射冷却板と、前記放射冷却板が受け取った熱を前記装置本体の外部に導くヒートパイプとを有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱間プレス用の鋼板の熱処理方法。
JP2012038038A 2012-02-23 2012-02-23 熱間プレス用の鋼板の熱処理方法 Expired - Fee Related JP5197859B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012038038A JP5197859B1 (ja) 2012-02-23 2012-02-23 熱間プレス用の鋼板の熱処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012038038A JP5197859B1 (ja) 2012-02-23 2012-02-23 熱間プレス用の鋼板の熱処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5197859B1 true JP5197859B1 (ja) 2013-05-15
JP2013173153A JP2013173153A (ja) 2013-09-05

Family

ID=48534027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012038038A Expired - Fee Related JP5197859B1 (ja) 2012-02-23 2012-02-23 熱間プレス用の鋼板の熱処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5197859B1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104928455A (zh) * 2015-06-19 2015-09-23 华中科技大学 一种热冲压件获得强塑性能差异化分布的方法及装置
CN106661643A (zh) * 2014-06-06 2017-05-10 日铁住金综合工程株式会社 热压用钢板的远红外线式多层型加热炉
WO2022128880A1 (de) * 2020-12-15 2022-06-23 Schwartz Gmbh Thermisches behandeln von bauteilen
US11655515B2 (en) 2014-06-06 2023-05-23 Nippon Steel & Sumikin Texeng. Co., Ltd. Far-infrared radiation heating furnace for steel sheet for hot stamping
US11708620B2 (en) 2014-06-06 2023-07-25 Nippon Steel & Sumikin Texeng. Co., Ltd. Far-infrared radiation multi-stage type heating furnace for steel sheets for hot stamping

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5637635B2 (ja) * 2012-10-09 2014-12-10 東亜工業株式会社 多段式加熱炉システム
JP2015214728A (ja) * 2014-05-09 2015-12-03 豊田鉄工株式会社 多段式加熱装置、および多段式加熱炉に対するワーク搬入搬出方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4171454B2 (ja) * 2004-11-19 2008-10-22 新日本製鐵株式会社 伸びおよび穴拡げ性に優れた高強度鋼板または溶融亜鉛めっき高強度鋼板の製造設備
JP4825882B2 (ja) * 2009-02-03 2011-11-30 トヨタ自動車株式会社 高強度焼き入れ成形体及びその製造方法
JP2010265516A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Sumitomo Metal Ind Ltd 被覆熱処理鋼材およびその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106661643A (zh) * 2014-06-06 2017-05-10 日铁住金综合工程株式会社 热压用钢板的远红外线式多层型加热炉
US10774398B2 (en) 2014-06-06 2020-09-15 Nippon Steel & Sumikin Texeng, Co., Ltd. Far-infrared radiation multi-stage type heating furnace for steel sheets for hot stamping
US11655515B2 (en) 2014-06-06 2023-05-23 Nippon Steel & Sumikin Texeng. Co., Ltd. Far-infrared radiation heating furnace for steel sheet for hot stamping
US11708620B2 (en) 2014-06-06 2023-07-25 Nippon Steel & Sumikin Texeng. Co., Ltd. Far-infrared radiation multi-stage type heating furnace for steel sheets for hot stamping
CN104928455A (zh) * 2015-06-19 2015-09-23 华中科技大学 一种热冲压件获得强塑性能差异化分布的方法及装置
WO2022128880A1 (de) * 2020-12-15 2022-06-23 Schwartz Gmbh Thermisches behandeln von bauteilen

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013173153A (ja) 2013-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5197859B1 (ja) 熱間プレス用の鋼板の熱処理方法
JP4673656B2 (ja) 熱間プレス成形装置
JP4724538B2 (ja) トランスファープレスによる成形方法及びトランスファープレス装置
JP6313770B2 (ja) 操作装置
JP6194526B2 (ja) 板状ワークの加熱方法及び加熱装置並びにホットプレス成形方法
CN105215160A (zh) 一种多工位连续热冲压生产线及方法
JP2014513206A (ja) 板金部品の制御熱処理のための炉システム
CN107002156B (zh) 加热方法、加热装置和压制成型品的制造方法
JP6367808B2 (ja) 工作物を曲げる方法
CN112118922B (zh) 用于热成型的板材的传导预热
WO2019159635A1 (ja) 付加製造装置
JP2013086114A (ja) 金属板のプレス曲げ装置およびプレス曲げ方法
JP6229223B2 (ja) 薄肉立体形状体の製造方法
JP2009024243A (ja) 焼入れ方法
JP6833026B2 (ja) 特別に調整された特性を有する金属シート
JP2017154409A (ja) 熱プレス成形方法および熱プレス成形装置
JP5994055B2 (ja) 金属部品の製造方法および金属部品の製造装置
KR20200076315A (ko) 이형 통전 가열기를 이용한 핫 프레스 포밍 방법
MX2014009443A (es) Metodo de produccion e instalacion de produccion de tubo de metal.
KR20110057430A (ko) 반도체 레이저를 이용한 프레스용 대형주물금형의 국부 열처리장치 및 그 열처리방법
WO2015170427A1 (ja) 多段式加熱装置、および多段式加熱炉に対するワーク搬入搬出方法
US20190329310A1 (en) Method and arrangement for producing a hardened sheet metal product
KR101604387B1 (ko) 측면 부가 가열방식을 이용한 순차적 쾌속 성형장치 및 그 방법
KR102191450B1 (ko) 특히 자동차용 열 교환기를 열적으로 결합하기 위한 장치 및 방법
KR100742873B1 (ko) 가열로 내의 스트립 연속 공급장치

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130205

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5197859

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees