JP5196977B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁誘導方式の像加熱装置、および電磁誘導方式の像加熱装置を備える複写機・プリンタ・ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
電子写真方式・静電記録方式等の画像形成装置は、シート状の記録材(記録紙・転写材など)上に形成されたトナー画像を記録材上に定着する或いは加熱する像加熱装置を備える。
この像加熱装置は、像加熱ローラ(定着ローラ)もしくはエンドレスの加熱ベルトである像加熱部材と、像加熱部材を加圧して、記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、を有する。
像加熱部材(以下、像加熱ローラと記す)は、発熱体によって内部または外部より、直接もしくは間接的に加熱されて、表面温度が所定の像加熱温度に維持される。発熱体は、例えばハロゲンヒータや抵抗発熱体等が挙げられる。
未定着のトナー画像が形成された記録材は、ニップ部で加熱されると共に加圧されて、未定着のトナー画像が記録材面に固着画像として定着される。
近年は、画像形成装置の省エネルギー化と、ウォームアップ時間の短縮といったユーザーの操作性向上の両立を図ることが重視されている。このことから像加熱ローラが直接発熱して発熱効率の高い誘導加熱方式を用いた像加熱装置(以下、誘導加熱装置と記す)が提案されている(特許文献1)。
この誘導加熱装置は、コイルが発生する磁束の作用によって、金属導体からなる中空の像加熱ローラに誘導電流(渦電流)を発生させ、加熱ローラ自体の表皮抵抗によって加熱ローラそのものがジュール発熱する。そのため、この誘導像加熱装置によれば、像加熱ローラ自身が発熱するためウォームアップ時間の短縮が可能となる。
また、このような誘導加熱装置においては、印加する高周波電流の周波数、加熱ローラの透磁率および固有抵抗値とから決定される表皮抵抗に比例した電力が発熱する。したがって、印加する高周波電流の周波数を制御することによって、加熱ローラの発熱量を常に最適化することができ、装置の省エネルギー化を達成することが可能となる。
一方で、このような誘導加熱装置にあっては、磁束により発熱する表皮深さがコイルに通電される周波数、像加熱ローラの固有抵抗値によって決められる。そのため、加熱ローラの厚みが表皮深さよりも熱い場合には、発熱量は変わらないため、加熱ローラの厚さが大きくなるほど、かえって発熱効率が低下してしまい、ウォームアップ時間短縮の効果を得ることが困難となる。
逆に加熱ローラの厚さが表皮深さよりも薄いと、磁束が加熱ローラを突き抜けてしまい、発熱量が少なくなるだけでなく、加熱ローラ周辺の金属部材を加熱してしまう。したがって、加熱ローラの厚さはおおよそ50〜2000μm程度が望ましい。
このような誘導加熱装置においても、従来の像加熱装置と同様に小サイズの記録材を連続通紙すると、記録材が通過しない非通紙部領域の昇温(非通紙部昇温)が発生する。
この非通紙部昇温対策として、特許文献2に開示されるように、像加熱ローラに、キュリー温度が所定温度に調整された整磁合金を用いた誘導加熱装置が提案されている。一般に磁性材料は、加熱されて材料固有のキュリー温度を越えると自発磁化が消失する。そのため、磁性材料内に通過する磁束密度が減少し、それに伴って磁性材料中に誘導される渦電流が減少することで、磁性材料の発熱量が減少する。そのため、上述の非通紙部昇温を改善することが可能となる。
加熱装置が低温環境で使用される場合、記録材やトナーの温度は低温環境下にあるため低くなっており、定着するために必要なエネルギーが通常環境に比べて増加する。従って、像加熱条件が通常環境と同じ条件では、低温環境では定着が不十分となりやすい。この課題を解決するために、従来の加熱装置では、低温環境においては像加熱ローラの像加熱温度を通常環境における像加熱温度よりも高くしている。
特開昭59−33787号公報 特開2000−39797号公報
しかし、像加熱ローラのキュリー温度を通常環境の像加熱温度に近い温度になるように調整した整磁合金を用いた場合には、コイルへの通電条件を変更せずにキュリー温度以上に加熱ローラの温度を上げることが難しい。そのため、低温環境では像加熱条件を変更せずに像加熱温度だけを上げても、十分な定着性を得ることはできない。
それに対して、キュリー温度を、低温環境における像加熱温度より大きい温度なるように設定する場合には、記録材上の像を加熱する際に非通紙部昇温が悪化してしまう虞がある。
そのため、キュリー温度を通常環境の像加熱温度に近い温度にし、低温環境の場合には像加熱温度をキュリー温度よりも高くすることが好ましい。
ところで、コイルに印加する高周波周波数を大きくすると表皮深さが小さくなることで、発熱量が大きくなり、定着性を高められることが知られている。そのため、低温環境では、高周波周波数を大きくすることで、像加熱温度がキュリー温度よりも高い場合でも、発熱量を大きくすることができる。
しかし、通常環境の像加熱温度を制御する際に同様に高い高周波周波数が用いられると発熱量が大きくなることに伴い、非通紙部昇温が悪化する問題が生ずる。
そこで、本発明は、像加熱部材の温度をキュリー温度より高い像加熱モードでの発熱を大きくしながらも、像加熱部材の温度がキュリー温度よりも低いモードにおける非通紙部昇温を低減することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、コイルと、前記コイルに通電する高周波電流を形成するための高周波回路と、前記コイルに通電される高周波電流により生ずる磁束により発熱し、記録上の像を加熱する像加熱部材と、像加熱部材の温度が所定の像加熱温度になるように前記コイル通電する高周波電流の周波数を制御する通電制御手段と、外気の温度を検知する環境検知部材と、を有し、前記環境検知部材で検知された温度が予め設定された温度以上のときに第一像加熱温度で記録材上の像を加熱する第一の像加熱モード前記環境検知部材で検知された温度が予め設定された温度未満のときに第一像加熱温度よりも高い第二像加熱温度で記録材上の像を加熱する第二の像加熱モード実行可能な像加熱装置において、
像加熱部材のキュリー温度は、第一像加熱温度よりも高く、第二像加熱温度よりも低い温度であり、第二の像加熱モードにおける高周波電流の最大周波数は第一の像加熱モードにおける高周波電流の最大周波数よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、像加熱部材の温度をキュリー温度より高い像加熱モードでの発熱を大きくしながらも、像加熱部材の温度がキュリー温度よりも低いモードにおける非通紙部昇温を低減することができる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
(1)画像形成装置例
図1は本発明に従う電磁誘導加熱方式の像加熱装置を画像形成装置の定着装置として備えた画像形成装置の一例の概略構成模型図である。
本例の画像形成装置は電子写真プロセスを用いたレーザー走査露光方式のデジタル画像形成装置(複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機能機等)である。
41は像担持体としての回転ドラム型の感光体(感光ドラム)であり、矢印の方向に所定の周速度をもって回転する。一次帯電器42は、感光ドラムをマイナスの所定の暗電位Vdに一様に帯電する。
43は像露光手段であるレーザービームスキャナである。不図示の画像読取装置、コンピュータ等のホスト装置から入力されるデジタル画像信号に対応して変調されたレーザービームLを出力し、前記の感光ドラム41の一様帯電処理面を走査露光する。この走査露光により、感光ドラム41の露光部分は電位絶対値が小さくなって明電位Vlとなり、感光ドラム41面に画像信号に対応した静電潜像が形成される。静電潜像は現像器44により、感光ドラム面の露光明電位Vl部にマイナスに帯電したトナーが付着することで、トナー画像として顕像化される。
一方、不図示の給紙トレイ上から給紙された記録材Pは、転写バイアスが印加された転写部材としての転写ローラ45と感光ドラム41とが圧接している転写部へ適切なタイミングをもって搬送される。そして、記録材(記録紙)Pの面に感光ドラム41上のトナー画像tが順次転写される。
トナー画像tが形成された記録材Pは、感光ドラム41から分離され、定着装置Fに導入されて、熱と圧によって、トナー画像tが記録材上に定着され、その後機外に排出される。
記録材Pを分離した後の感光ドラム41の表面は、クリーニング装置46で感光ドラム表面に残った転写残トナーがクリーニングされ、その後、繰り返して作像に供される。
(2)定着装置F
図2は定着装置Fの要部の拡大横断面模型図、図3は要部の正面模型図、図4はその縦断正面模型図である。
像加熱装置である定着装置Fは、電磁誘導加熱方式で発熱する加熱ローラ型の像加熱装置である。磁束により発熱する導電層を有する加熱ローラ1(像加熱部材)と、加熱ローラ1と記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材としての加圧ローラ2を有するものである。
像加熱部材としての加熱ローラ1は、外径が40mm、厚さは0.8mm、長さ340mmである。加熱ローラ1は、キュリー温度が本実施例では210℃になるように鉄、ニッケル、クロム、マンガン等の材料を配合した、固有抵抗が約5Ω・mである整磁合金よりなる芯金1aを有する。また、表面のトナー離型性を高めるためにPFAやPTFE等のフッ素樹脂からなる厚さ30μmの表層1bを設けている。また、高画質なカラー画像を得るために、芯金1aと表層1bの間にシリコーンゴムなどの耐熱弾性層を設けても良い。
この加熱ローラ1はその両端部側をそれぞれ定着装置の手前側と奥側の側板(定着ユニットフレーム)21・22間に軸受23を介して回転可能に支持させて配設してある。また内空部には、上記の加熱ローラ1に誘導電流(渦電流)を誘起させてジュール発熱させるための高周波磁界を生じる、磁場発生手段としてのコイルユニット3を挿入して配置してある。
加圧ローラ2は、外径38mm、長さは330mmである。加熱ローラは、外径28mm、肉厚3mmの芯金2a、芯金2aの周面に形成される厚さ5mmの耐熱弾性層2b、および耐熱弾性層2bの周面に形成されるPFA、PTFEなどのフッ素樹脂より成る厚さ30μmの表層2cとから成る。
この加圧ローラ2は上記の加熱ローラ1の下側に並行に配列して、芯金2aの両端部側をそれぞれ定着装置の手前側と奥側の側板21・22間に軸受26を介して回転自在に保持させてある。
そして、上記の加熱ローラ1と加圧ローラ2を互いに不図示の加圧機構によって弾性体層2bの弾性に抗して圧接させて、該両ローラ1・2間に記録材Pを挟持搬送する幅が約5mmのニップ部Nを形成させている。
ここで、本発明において、装置構成部材についてその長手方向とは、定着ニップ部Nを含む平面において記録材Pの搬送方向に対して直交する方向としている。すなわち、加熱ローラ1の回転軸線方向である。また、中央部及び端部は、その長手方向の中央部及び端部である。
加熱ローラ1の内空部に挿入した磁束発生手段としてのコイルユニット3は、ボビン4、磁性材からなる芯材(磁性コア)5(1,2)、磁束を生ずるコイル6、絶縁部材製のステー7等の組み立て体である。磁性芯材5はボビン4に保持させてあり、コイル6はボビン4の周囲に電線を巻回して形成されている。このボビン4・磁性芯材5・コイル6のユニットをステー7に固定支持させてある。
上記のコイルユニット3は加熱ローラ1の内空部に設けられている。また、コイルユニット3が所定の角度姿勢でかつ加熱ローラ1の内面とコイル6との間に一定のギャップを保持するように取り付けられている。即ち、コイルユニット3のステー7の両端部7a・7a側をそれぞれ定着装置の手前側と奥側の保持部材24・25に非回転に固定支持させて配置してある。ボビン4・磁性芯材5・コイル6のユニットは加熱ローラ1の外部に露呈しないように収納されている。
磁性芯材5はフェライト、パーマロイ等の、高透磁率で残留磁束密度の低い材料であって、コイル6によって発生した磁束を加熱ローラ1に導く働きをする。本実施例における磁性芯材5は横断面T字型であり、T字の横棒部分と縦棒部分とを構成する2枚の板状磁性芯材5(1)と5(2)との組み合わせで構成させている。
コイル6は、図4のように、加熱ローラ1の長手方向に平行に延び、磁性芯材5を周回するようにボビン4の形状に合せて横長舟型に複数回巻回して両端で折り曲げられて巻かれるリッツ線を束ねたものである。また、コイル6は、加熱ローラ1の内周に沿うように湾曲して配置されている。6a・6bは上記コイル6の2本のリード線(コイル供給線)であり、ステー7の奥側から外部に引き出して、コイル6に高周波電流を供給する高周波インバーター(励磁回路)101に接続してある。
11は加熱ローラ1の温度検知部材としてのサーミスタである。このサーミスタについては後述する。
12は定着前ガイド板であり、作像機構部側から定着装置Fに搬送された記録材Pを定着ニップ部Nの入口部に案内する。13は分離爪であり、定着ニップ部Nに導入されて定着ニップ部Nを出た記録材Pが加熱ローラ1に巻き付くのを抑え、加熱ローラ1から分離させる役目をする。14は定着後ガイド板であり、定着ニップ部Nの出口部を出た記録材Pを排紙案内する。
前記のボビン4、ステー7、分離爪13は耐熱および電気絶縁性エンジニアリング・プラスチックから形成されている。
G1は加熱ローラ1の奥側の端部側に固着させた加熱ローラドライブギア(駆動伝達部材)である。このドライブギアG1に駆動源M1から伝達系を介して回転力が伝達されることで、加熱ローラ1が図2において矢印Aの時計方向に本実施例では300mm/secの周速度にて回転駆動される。加圧ローラ2は定着ニップ部Nでの加熱ローラ1との摩擦力で加熱ローラ1の回転駆動に従動して矢印の反時計方向Bに回転する。
15は加熱ローラ1をクリーニングするクリーニング部材であるクリーニングウエブである。これは、クリーニングウエブ155aをロール巻きに保持したウエブ繰り出し軸部15bと、ウエブ巻取り軸部15cと、該両軸部15b・15c間のウエブ部分を加熱ローラ1の外面に押し付ける押し付けローラ15dからなる。押し付けローラ15dで加熱ローラ1に押し付けたウエブ部分で加熱ローラ1面にオフセットしたトナーが拭われて定着ローラ面が清掃される。加熱ローラ1に押し付けられるウエブ部分は繰り出し軸部15b側から巻取り軸部15c側にウエブ15aが少しずつ送られることで徐々に更新される。
本実施例では、通紙は中央基準で行われる。Sはその中央基準である。すなわち、いかなる記録材サイズでも、記録材の中央部が加熱ローラ軸方向中央部を通過することになる。本実施例の画像形成装置においては、通紙できる記録材の最大サイズ(以下、大サイズ紙と記す)は例えばA4横である。また通紙できる記録材の最小サイズ(以下、小サイズ紙と記す)は例えばB5Rである。P1はその大サイズ紙の通紙領域幅、P2は小サイズ紙の通紙領域幅である。
前述のサーミスタ11は、小サイズ紙の通紙領域幅P2の略中央部に対応する定着ローラ中央部分に対向している。そして、加熱ローラ1を隔ててコイル6に向かい合うように、定着ローラ1の表面に対して弾性部材により押圧して弾性的に圧接させて配置してある。このサーミスタ11の加熱ローラ温度検知信号は制御部(CPU)100に入力する。
画像形成装置の制御部100は装置のメイン電源スイッチのONにより装置を起動させて所定の立ち上げモードをスタートさせる。定着装置Fは駆動源M1の起動により加熱ローラ1の回転が開始される。この加熱ローラ1の回転に従動して加圧ローラ2も回転する。また制御部100は高周波回路である高周波インバーター101を起動させてコイル6に高周波電流を流す。これによりコイル6の周囲に高周波交番磁束が発生し、加熱ローラ1が電磁誘導発熱して所定の像加熱温度である定着温度、本実施例ではスタンバイ温度である200℃に向かって昇温していく。この加熱ローラ1の昇温がサーミスタ11で検知され、その検知温度情報が制御部100に入力する。
加熱ローラ1の温度が200℃に到達したら、作像可能状態(待機モード)となる。待機モードにおいては、制御部100は、加熱ローラ1の大サイズ紙通紙領域幅P1の略全域がスタンバイ温度200℃に維持するよう、高周波電流を制御する。本実施例では、加熱ローラ1が予め決められた目標温度を維持するようにコイルへの通電を制御する通電制御手段を有するものである。この通電制御手段は、制御部に入力されたサーミスタ11の出力と目標温度との差分に応じて、制御部が高周波インバータ−101の駆動を制御するものである。
そして、この待機モード中に画像形成信号が入力されると、記録材上にトナー像が形成される。そして、定着ニップ部Nに対して作像部側から未定着トナー像tを担持した記録材Pが導入されて定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。そして、所定の定着温度に維持された加熱ローラ1の熱と定着ニップ部Nの加圧力で、未定着トナー像tが記録材Pの面に加熱定着される。
本実施例における画像形成装置は、画像形成装置の周囲の温度(外気)を検知する環境センサー(環境検知部材)を備えている。この、環境センサーの検知温度に応じて、像加熱温度である定着温度を変更している。具体的には、通常の環境(本実施例においては18℃以上)である場合は、第一の像加熱モードである通常環境モードになる。即ち、環境センサーの出力が所定値以上の場合、本実施例では、環境センサーが18℃以上と判断した場合に、通常環境モードとなる。このモードでは、像加熱温度は200℃(第一像加熱温度)に設定される。そして、制御部100は加熱ローラ1の表面温度を設定された温度である200℃に維持するよう周波数f1が20kHzの高周波電流を印加する。本実施例では、20kHzは最大周波数であり、この最大周波数と、予め設定されている最低周波数とをON,OFFする構成である。この場合には、高周波インバーターを複数有する構成にしてもいい。低温環境(本実施例においては18℃未満)である場合は、第二の像加熱モードである低温環境モードになる。このモードでは、第一像加熱温度よりも高い温度の第二像加熱温度に設定される。そして、制御部100は加熱ローラ1の表面温度を設定された温度である215℃に維持するよう、周波数f2が60kHzの高周波電流を印加する。本実施例では、60kHzは最大周波数であり、この最大周波数と、予め設定されている最低周波数とをON,OFFする構成である。なお、最大周波数と最小周波数の間で、検知された温度と目標温度との差分に応じて周波数を切り換える構成であっても問題ない。
ここで、図5を用いて、導電部材である加熱ローラ芯金1aの電磁誘導発熱原理を説明する。コイル6には、高周波インバーター101から交流電流が印加され、これによってコイル6の周囲には矢印Hで示した磁束が生成消滅を繰り返す。磁束Hは、磁性芯材5(1,2)と芯金1aによって形成された磁路に沿って導かれる。コイル6が生成した磁束の変化に対して、芯金1a内では、磁束の変化を妨げる方向に磁束を発生するように渦電流が発生する。この渦電流を矢印Cで示す。
この渦電流Cは、表皮効果により芯金1aのコイル6側の面に集中して流れ、芯金1aの表皮抵抗Rs(Ω)に比例した電力で発熱を生じる。
ここで、コイル6に印加する交流電流の周波数f(Hz)、芯金1aの透磁率μ(H/m)、芯金1aの固有抵抗ρ(Ω・m)から得られる表皮深さδ(m)および表皮抵抗Rs(Ω)は、式1および式2で示される。
Figure 0005196977
Figure 0005196977
また、芯金1aに発生する電力Wは、芯金1aに誘導される渦電流をIf(A)として、式3で示される。
Figure 0005196977
以上より、芯金1aの発熱量を増加させるためには、渦電流Ifを大きくする、または表皮抵抗Rsを大きくすればよい。
渦電流Ifを大きくするためには、励磁コイル6によって生成される磁束を強くする、あるいは磁束の変化を大きくすればいい。例えば、励磁コイル6の巻き数を増やしたり、磁性芯材5として、より高透磁率で残留磁束密度の低いものを用いると良い。また、磁性芯材5と芯金1aとのギャップdを少なくすることで、芯金1a中に導かれる磁束が増加するため、渦電流Ifを大きくすることが出来る。
一方、表皮抵抗Rsを大きくするためには、励磁コイル6に印加する交流電流の周波数fを高くするか、より透磁率μの高く、固有抵抗の高い材料の芯金1aとする。
次にキュリー温度について説明する。一般に強磁性体は、材料固有のキュリー温度まで加熱されると、自発磁化を失い透磁率μが減少する。したがって、加熱ローラ1の導電部材である芯金1aの温度がキュリー温度を越えてしまうと、表皮抵抗Rsが減少する。その結果、芯金1aの発熱量Wが減少する。
一般に抵抗値は式3で表されるとおり、周波数が一定の場合は透磁率μと抵抗率ρで決まり、一般に抵抗率は温度上昇に伴って緩やかに増加する。
ここで、加熱ローラ1の抵抗値(表皮抵抗)Rsは磁束発生手段を加熱ローラに装着したときのコイルに電流を流したときのコイルからみた加熱ローラのみかけの負荷抵抗に相当する。
このみかけの抵抗値の測定方法、及び抵抗値の温度依存性は以下のように測定する。アジレント社製のLCRメータ(型番HP4194A)を用いて、周波数20kHzの交流を印加した際の加熱ローラの抵抗値を測定した。このとき、加熱ローラ1、磁束発生手段である励磁コイル、コアは像加熱装置に装着された状態で測定するものとする。このとき加熱ローラの温度を変えていき、温度と加熱ローラの抵抗値を同時にプロットしていくことで加熱ローラ1の抵抗値の温度特性曲線を得ることができる。
また、加熱ローラの温度を変えるには、恒温室に加熱ローラ1及び磁束発生手段を装置に装着させた位置関係に保った状態で、加熱ローラの温度を変化させる。そして、ローラ温度を高温室の温度に飽和させてから上記の測定法で抵抗値を測定する。
このように測定すると、抵抗値の温度依存性は図7のような曲線になる。
また、透磁率の測定方法は以下のように行なう。岩通計測株式会社製のB−Hアナライザー(型番:SY−8232)を用いて測定した。測定試料に装置の所定の一次コイルと二次コイルを巻きつけて周波数20kHzで測定する。測定試料はコイルが巻きつけられる形状であれば構わない(透磁率の異なる温度同士の比率は殆ど変わらない)。
試料にコイルを設定したら、恒温室に試料を入れて温度を飽和させ、その温度における透磁率をプロットする。恒温室の温度を変えてやることで透磁率の温度依存性曲線が得られる。恒温室の温度を上昇させていき、ある温度で透磁率が変化しなくなる。この透磁率が変化しなくなった温度をキュリー温度とみなす。
このように測定すると透磁率の温度依存性は図7のような曲線になる。
図6に示すように、芯金1aの厚さdが、芯金1aの温度がキュリー温度を越えた時の表皮深さδcと比較して狭い場合は、芯金1aの断面のおよそすべてに渦電流が流れるため、発熱量が減少する。この状態では、加熱ローラ1の温度上昇はほぼ停止し、加熱ローラ1の表面温度は芯金1aに用いた整磁合金のキュリー温度とほぼ等しくなる。
以上より、コイル6に印加する高周波電流が、所定の周波数fにあっては、加熱ローラ1の表面温度はキュリー温度よりも高くすることが困難である。
一方で、励磁コイルに印加する高周波電流の周波数を、通常モードの周波数よりも大きくすれば、キュリー温度を越えた状態での表皮深さδcが小さくすることができる。そのため、キュリー温度を越えた状態でも発熱量を増加させることが可能となりなる。また、加熱ローラ1の表面温度をキュリー温度より実質的に高くすることが可能となる。このことは、特殊紙モードの定着温度がキュリー温度に近い温度に設定されている場合においても、同様の効果を得ることができる。キュリー温度を越えたときの表皮深さδcが、芯金1aの厚さdよりも少なければ、キュリー温度を越えた場合における発熱量を通常状態よりも増加させることが可能となる。その結果、加熱ローラ1の表面温度をキュリー温度よりも高くすることが可能となり、厚紙やコート紙等の、通常の用紙よりも高いエネルギーが必要な用紙に対しても、加熱定着に必要なエネルギーを与えることが可能となる。
また、通常モードの周波数を像加熱中に発熱量を大きくする設定にすると、小サイズの記録材を連続通紙する際の非通紙部昇温の上昇速度が速くなる問題が生ずる。非通紙部昇温の上昇速度を遅くするためには、像加熱動作中の発熱量は大きすぎない構成がいい。
以上のことから、通常環境モードにおける高周波電流の最大周波数f1と、低温環境モードにおける高周波電流の最大周波数f2とを、
Figure 0005196977
を満たすように設定することで、低温環境においても加熱定着に必要なエネルギーを与えることが可能となり、かつ非通紙部昇温を防止もしくは低減することが可能となる。
図9に本実施例のフローチャートを示す。まず、画像形成信号が入力されると、制御部で環境モードの選択をフローが開始される(S0001)。そして、制御部が環境センサーで検知される温度を検出する。制御部は、その温度が18℃以上か否かの判断を行う(S0002)。そして、検知された温度が18℃以上のときには通常環境モードが選択される(S0003)。通常環境モードが選択された場合には、像加熱温度を200℃、周波数を20kHzに設定される(S0003)。そして、画像形成が開始される(S0005)。一方、検知された温度が18℃未満である場合には、像加熱温度を220℃、周波数を60kHzに設定される(S0004)。そして、画像形成が開始される(S0005)。
本実施例では、画像形成信号が入力されたときに、環境センサーで検知される温度を検出したものであるが、画像形成装置がONしたときに検出する構成や所定時間毎といった所定のタイミングで検出する構成であっても同様の効果をえることができる。
本実施例では整磁合金のキュリー温度を210℃、通常環境で用いられる通常モードにおける像加熱温度を200℃、低温環境で用いられる低音モードにおける像加熱温度を220℃として説明した。しかし、本発明はこれに限らず、使用するトナーや定着装置の構成によってキュリー温度を最適になるよう設定しても、本発明は適応可能である。また、搬送される紙の厚みや加熱ローラの畜熱状態によっては定着温度を複数有しても本発明は適応可能である。また、それぞれのモードにおいて印加する高周波電流の周波数も、使用する整磁合金や高周波電源、加熱装置の構成等によって適時最適な周波数を選択して良い。
また、本実施例では、加熱ローラを用いた熱ローラ加熱装置であるが、エンドレスベルトを用いたベルト加熱方式等にも適用できることは自明である。また、複数の異なる金属を積層させたクラッドローラを用いる場合も、整磁合金の層が少なくとも1層備えれば、本発明を適用可能である。
以上、本発明により、像加熱部材の温度をキュリー温度より高い像加熱モードでの発熱を大きくしながらも、像加熱部材の温度がキュリー温度よりも低いモードにおける非通紙部昇温を低減することができる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術思想内であらゆる変形が可能である。
実施例における画像形成装置例の概略構成図 実施例における定着装置(電磁誘導加熱方式の加熱装置)の要部の拡大横断面模型図 同じく要部の正面模型図 その縦断正面模型図 加熱ローラの発熱原理を示す図 実施例における渦電流が誘導される領域を示す図 透磁率の温度依存性曲線を示した図 加圧ローラの抵抗値の温度依存性曲線を示した図 本実施例のフローチャート図
符号の説明
1 加熱ローラ(導電部材)
2 加圧ローラ
3 コイルユニット(磁場発生手段)
5 磁性芯材(磁性コア)
6 コイル
11 サーミスタ(温度検知手段)
41 感光体(感光ドラム)
42 一次帯電器
43 レーザービームスキャナ
44 現像器
45 転写ローラ
46 クリーニング装置
F 定着装置
P記録材(被加熱材)、t トナー像

Claims (2)

  1. コイルと、前記コイルに通電する高周波電流を形成するための高周波回路と、前記コイルに通電される高周波電流により生ずる磁束により発熱し、記録上の像を加熱する像加熱部材と、像加熱部材の温度が所定の像加熱温度になるように前記コイル通電する高周波電流の周波数を制御する通電制御手段と、外気の温度を検知する環境検知部材と、を有し、前記環境検知部材で検知された温度が予め設定された温度以上のときに第一像加熱温度で記録材上の像を加熱する第一の像加熱モード前記環境検知部材で検知された温度が予め設定された温度未満のときに第一像加熱温度よりも高い第二像加熱温度で記録材上の像を加熱する第二の像加熱モード実行可能な像加熱装置において、
    像加熱部材のキュリー温度は、第一像加熱温度よりも高く、第二像加熱温度よりも低い温度であり、第二の像加熱モードにおける高周波電流の最大周波数は第一の像加熱モードにおける高周波電流の最大周波数よりも大きいことを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記像加熱部材は導電層を有し、前記導電層の厚さd(mm)と、前記加熱部材の導電層の固有抵抗ρ(Ω・m)と、前記加熱部材の透磁率μ(H/m)と、前記第一の像加熱モードにおける最大周波数f1(Hz)と、前記第二の像加熱モードにおける最大周波数f2(Hz)と、は
    Figure 0005196977
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
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