JP5196923B2 - ランドリー機器 - Google Patents

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Description

本発明は、モータの断線を検出する機能を備えた、例えば洗濯機や乾燥機のようなランドリー機器に関する。
従来より、インバータを構成するスイッチング素子の故障やモータを含む駆動部の断線異常を検出する技術として、例えば特許文献1に開示されているように、モータの停止時に各相に通電を行い、発生した電流値に基づいて異常判定するものがある。この技術は比較的単純で検知の確実性も高く、更に通常のモータ制御回路に対して特別な回路を付加する必要もないことから低コストで実施可能であり、広く実施されている。
しかしながら、この方式では原理的に、モータが回転している状態では異常が検知できない問題がある。また、特許文献1では空気調和機に適用することを想定しているが、洗濯機などでは事情が異なり、ドラムなどの回転槽が回転している場合に発生する振動により配線が傷つく可能性が高く、動作中に断線が発生すると次回に電源を再投入して使用を開始するまでの間、そのままの状態で運転が継続されてしまう。
特許文献2には、コンプレッサの欠相(断線)を検出する場合、インバータ電源に三相交流電源を使用し、各相電源電流の差が所定値より大きくなると欠相異常を検出するようにしている。しかしながら、一般に家庭用を始めとする洗濯機や乾燥機は単相交流電源を使用するものが殆どであるため、特許文献2の技術は適用することができない。また、特許文献2では、検出を行うポイントがモータの欠相とは直接結び付かない電源側であるため、検出の確実性に欠ける問題がある。更に、電流を検出するためにカレントトランスのような専用の手段が必要となるため、コストアップも問題となる。
特許文献3には、空気調和機においてインバータ回路の母線電流をカレントトランスによって検出し、そのリップル変動の大きさにより異常を検出する技術が開示されている。しかしながら、この技術では、リップル変動が比較的大きくなった場合、それが欠相のような異常要因により発生しているのか、モータの負荷変動のように正常な動作範囲の要因により発生しているのか、判別が困難であるという問題がある。
例えば洗濯機の場合、洗い運転や脱水運転に使用されるモータは、衣類のアンバランスなどにより負荷変動が大きくなるため、特許文献3の技術は適用できない。また、乾燥機の場合も、使用されるコンプレッサは空気調和機とは異なり、冷媒がより高温・高圧の状態で液体となってコンプレッサに還流されるため、やはり負荷変動が大きくなることから、特許文献3の技術は適用できない。
特許文献4は、特許文献2の改良を図ったもので、インバータ回路の直流母線電流の変動を検出する際に、電流の変動を周波数に変換する回路を設け、欠相時に周波数が低下したことを捉えて検出を行うことで、特許文献2のように三相交流電源に限定される点や専用の電流検出器が必要となる問題点が解消されている。しかしながら、電流−周波数変換を行う回路が必要な点でのコストアップは避けられない。また、モータに正弦波通電を行うベクトル制御方式では、通常状態での電流変動が少なくなることから、誤検出が発生するおそれもある。
特許文献5は、洗濯機に関するもので、異常検出を行う方式が幾つか開示されている。その中の1つに、インバータ回路を構成する下アーム側スイッチング素子がONの状態で、電流検知手段により検知される電流の値が「0」になった場合に異常と判断して、インバータの動作を停止させるものがある。
特開平06−205599号公報 特開昭63−228916号公報 特開平04−156222号公報 特開平03−261395号公報 特開平10−145960号公報
しかしながら、特許文献5の上記技術を実際に行って評価してみたところ、電流検知手段のS/N比が悪く、電流値が「0」となった状態を捉えて判定を行うことはできなかった。例えば洗濯機では、洗い運転や脱水運転におけるモータの負荷範囲が広いため、電流値は数10mA〜10A程度まで変化する。そして、電流値が大きい場合には当然にノイズも大きくなる傾向を示すため、幅広い電流検出レンジ内で良好に検出を行うには独自の方式が必要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、モータの欠相検出を低コストで確実に行うことができるランドリー機器を提供することにある。
請求項1記載のランドリー機器は、洗濯に関連した運転動作を行うための回転駆動力を発生させる三相ブラシレスDCモータと、PWM制御方式インバータと、前記モータの三相電流を個別に検出する電流検出手段と、前記モータをベクトル制御する制御手段と、前記モータの断線を検出する断線検出手段と、前記断線検出手段により断線が検出されると当該モータの回転を停止させると共に、所定条件が成立した場合は異常報知を行う異常処理手段とを備えるものにおいて、
前記断線検出手段は、前記電流検出手段により検出される電流値について平滑化処理を行い、前記三相電流のうち、一相の電流値が他の二相の電流値に比較して所定値以下となる状態が所定継続した場合に断線を検出することを特徴とする。
すなわち、断線が発生した相の電流は、その他の健全な相の電流よりも減少した状態が続くことになる。したがって、各相間における電流を相対的に比較することで断線が検出可能となる。
請求項3記載のランドリー機器は、洗濯に関連した運転動作を行うための回転駆動力を発生させる三相ブラシレスDCモータと、PWM制御方式インバータと、前記モータの三相電流を個別に検出する電流検出手段と、前記モータをベクトル制御する制御手段と、前記モータの断線を検出する断線検出手段と、前記断線検出手段により断線が検出されると当該モータの回転を停止させると共に、所定条件が成立した場合は異常報知を行う異常処理手段とを備えるものにおいて、
前記断線検出手段は、前記電流検出手段により検出される電流値について平滑化処理を行い、前記三相電流のうち、一相の電流値が他の二相の電流値に比較して所定値以下となる状態が所定時間継続した場合、又は前記インバータのPWM出力電圧が所定値以上であり、且つ前記三相全ての電流値が所定値以下である場合に断線を検出することを特徴とする。
すなわち、インバータの出力電圧がある程度のレベルに達しているのに対して、各相の電流値が極めて低い場合には、インバータ,モータ間が、断線の発生により高抵抗状態(ハイインピーダンス状態)にあることが推定される。したがって、請求項1と同様の断線検出方式と併せて、断線を多様に検出できる。
請求項1記載のランドリー機器によれば、検出される電流にノイズが重畳される場合でも、インバータ,モータ間の断線を確実に検出することができる。
請求項3記載のランドリー機器によれば、インバータ,モータ間の断線をより多様に検出することができる。
以下、本発明をヒートポンプ式洗濯乾燥機(ランドリー機器)に適用した一実施例につき、図面を参照して説明する。まず、図18において、外箱1の内部には、水槽2が複数の支持装置3により弾性支持されて水平状態に配設されている。この水槽2の内部には、これと同軸状態で回転ドラム4が回転可能に配設されている。この回転ドラム4は、周側壁及び後壁に通風孔を兼ねる脱水孔4a(一部のみ図示)を多数有していて、洗濯槽、脱水槽及び乾燥室としても機能する。なお、回転ドラム4の内周面には、複数のバッフル4b(1個のみ図示)が設けられている。
上記外箱1、水槽2及び回転ドラム4において、いずれも前面部(図中、右側部)には、洗濯物出し入れ用の開口部5、6及び7をそれぞれ有しており、そして開口部5と開口部6とは、弾性変形可能なベロー8によって水密に連通接続されている。また、外箱1の開口部5には、これを開閉する扉9が設けられている。また、前記回転ドラム4は、背面部に回転軸10を有しており、この回転軸10は、軸受(図示せず)に支持されて、水槽2の背面部の外側に取付けられた運転用モータとしてのアウタロータ型の三相ブラシレスDCモータからなるドラムモータ(洗い・脱水モータ)11により回転駆動される。
外箱1の底板1aには、複数の支持部材12を介してケーシング13が支持されており、そのケーシング13の右端部上部及び左端部上部には、吐出口13a及び吸入口13bがそれぞれ形成されている。また、底板1aには、ヒートポンプ(冷凍サイクル)14の圧縮機15が設置されている。更に、ケーシング13内には、ヒートポンプ14の凝縮器16及び蒸発器17が右側から左側に向け順に設置されているとともに、右端部に位置して送風ファン18が配設されている。図19には、各部を冷媒循環用のパイプ80で接続したヒートポンプ14の構成を示しており、この図では、冷媒の流量を調整する調整弁81も示している。なお、ケーシング13における蒸発器17の下方に位置する部位には、皿状の水受け部13cが形成されている。
水槽2において、前面部の上部には、吸気口19が形成され、背面部下部には、排気口20が形成されている。吸気口19は、直線状ダクト21及び伸縮自在な連結ダクト22を介してケーシング13の吐出口13a接続されている。また、排気口20は、環状ダクト23及び伸縮自在の連結ダクト24を介してケーシング13の吸入口13bに接続されている。環状ダクト23は、水槽2の背面部の外側に取付けられており、ドラムモータ11と同心円状をなすように形成されている。すなわち、環状ダクト23の入口側が排気口20に接続され、出口側が連結ダクト24を介して吸入口13bに接続されている。そして、上記ケーシング13、連結ダクト22、直線状ダクト21、吸気口19、排気口20、環状ダクト23及び連結ダクト14は、空気循環経路25を構成する。
外箱1内において、その後方上部には、三方弁からなる給水弁26が配設され、また、前方上部には、洗剤投入器26aが配設されている。給水弁26は、その入水口が給水ホースを介して水道の蛇口に接続され、第1の出水口が洗い用給水ホース26bを介して洗剤投入器26aの上段の入水口に接続され、第2の出水口がすすぎ用給水ホース26cを介して洗剤投入器26aの下段の入水口に接続されるように構成されている。そして、洗剤投入器26aの出水口は、水槽2の上部に形成された給水口2aに給水ホース26dを介して接続されている。
水槽2の底部の後方の部位には、排水口2bが形成されており、この排水口2bは、排水弁27aを介して排水ホース27に接続されている。なお、排水ホース27の一部は伸縮自在になっている。そして、ケーシング13の水受け部13cは、排水ホース28及び逆止弁28aを介して排水ホース27の途中部位に接続されている。
外箱1の前面上部には操作パネル部29が設けられており、この操作パネル部29には、図示はしないが、表示器及び各種の操作スイッチが設けられている。また、前記操作パネル部29の裏面には、制御回路(制御手段,電流検出手段,断線検出手段,異常処理手段,回転異常判定手段)30が設けられている。制御回路30は、マイクロコンピュータで構成されており、操作パネル部29の操作スイッチの操作に応じて給水弁26、ドラムモータ11及び排水弁27aを制御し、洗い、すすぎ及び脱水の洗濯運転や、ドラムモータ11及び圧縮機15を駆動する三相ブラシレスDCモータからなる圧縮機モータ31(コンプレッサモータ,図15参照)を制御することで乾燥運転を実行する。
図15は、ドラムモータ11及び圧縮機モータ31の駆動系を概略的に示すものである。インバータ回路(PWM制御方式インバータ)32は、6個のIGBT(半導体スイッチング素子)33a〜33fを三相ブリッジ接続して構成されており、各IGBT33a〜33fのコレクタ−エミッタ間には、フライホイールダイオード34a〜34fが接続されている。
下アーム側のIGBT33d、33e、33fのエミッタは、シャント抵抗(電流検出手段)35u、35v、35wを介してグランドに接続されている。また、IGBT33d、33e、33fのエミッタとシャント抵抗35u、35v、35wとの共通接続点は、夫々レベルシフト回路36を介して制御回路30に接続されている。尚、ドラムモータ11の巻線11u〜11wには最大で7A程度流れるので、シャント抵抗35u〜35wの抵抗値は、例えば0.22Ωに設定されている。
レベルシフト回路36はオペアンプなどを含んで構成され、シャント抵抗35u〜35wの端子電圧を増幅すると共にその増幅信号の出力範囲が正側に収まるように(例えば、0〜+3.3V)バイアスを与える。また、過電流比較回路38は、インバータ回路32の上下アームが短絡した場合、回路の破壊を防止するために過電流検出を行なう。
インバータ回路32の入力側には駆動用電源回路39が接続されている。駆動用電源回路39は、100Vの交流電源40を、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路41及び直列接続された2個のコンデンサ42a、42bにより倍電圧全波整流し、約280Vの直流電圧をインバータ回路32に供給する。インバータ回路32の各相出力端子は、ドラムモータ11の各相巻線11u、11v、11wに接続されている。
制御回路30は、レベルシフト回路36を介して得られるモータ11の巻線11u〜11wに流れる電流Iau〜Iawを検出し、その電流値に基づいて2次側の回転磁界の位相θ及び回転角速度ωを推定すると共に、三相電流を直交座標変換及びdq(direct−quadrature) 座標変換して励磁電流成分Id、トルク電流成分Iqを得る。
そして、制御回路30は外部より速度指令が与えられると、推定した位相θ及び回転角速度ω並びに電流成分Id、Iqに基づいて電流指令Idref 、Iqref を生成し、それを電圧指令Vd、Vqに変換すると直交座標変換及び三相座標変換を行なう。最終的には、駆動信号がPWM信号として生成され、インバータ回路32を介してモータ11の巻線11u〜11wに出力される。
第1電源回路43は、インバータ回路32に供給される約280Vの駆動用電源を降圧して15Vの制御用電源を生成して制御回路30及び駆動回路44に供給するようになっている。また、第2電源回路45は、第1電源回路43によって生成された15V電源より3.3V電源を生成し、制御回路30に供給する三端子レギュレータである。高圧ドライバ回路46は、インバータ回路32における上アーム側のIGBT33a〜33cを駆動するために配置されている。
また、モータ11のロータには、起動時に使用するための回転位置センサ82が配置されており、回転位置センサ82が出力するロータの位置信号は、制御回路30に与えられている。すなわち、モータ11の起動時において、ロータ位置の推定が可能となる回転速度(例えば、約30rpm)までは、回転位置センサ82を使用してベクトル制御を行い、上記回転速度に達した以降は、回転位置センサ82を使用しないセンサレスベクトル制御に切り替える。
そして、圧縮機モータ31については、ドラムモータ11の駆動系と対称な構成が配置されている。即ち、圧縮機モータ31は、インバータ回路(PWM制御方式インバータ)47によって駆動され、その下アーム側にはシャント抵抗(電流検出手段)48u〜48wが挿入されている。それらのシャント抵抗48u〜48wの端子電圧は、レベルシフト回路49を介して制御回路30に与えられ、また、過電流比較回路50によって過電流検出のための比較が行なわれる。制御回路30は、駆動回路51及び高圧ドライバ回路52を介してインバータ回路47を駆動する。但し、圧縮機モータ31の巻線31u〜31wに流れる電流はドラムモータ11に比較して最大で2A程度と小さいため、シャント抵抗48a〜48cの抵抗値は例えば0.033Ωに設定されている。
また、電源回路39の出力端子とグランドとの間には、抵抗素子83a,83bの直列回路が接続されており、それらの共通接続点は、制御回路30の入力端子に接続されている。制御回路30は、抵抗素子83a,83bにより分圧されたインバータ回路32,47の入力電圧を読み込み、PWM信号デューティを決定するための基準とする。
図16は、制御回路30が、ドラムモータ11並びに圧縮機モータ31について行なうセンサレスベクトル制御の機能ブロックを示す図である(但し、ドラムモータ11側のみ図示する)。この構成は、例えば特開2003−181187号公報などに開示されているものと同様であり、ここでは概略的に説明する。尚、図16において、(α、β)はモータ11の各相に対応する電気角120度間隔の三相(UVW)座標系を直交変換した直交座標系を示し、(d、q)は、モータ11のロータの回転に伴い回転している2次磁束の座標系を示す。
減算器62には、速度指令出力部60より目標速度指令ωrefが被減算値として、エスティメータ(Estimator) 63により検出されたモータ11の検出速度ωが減算値として与えられ、減算器62の減算結果は、速度PI(Proportional-Integral) 制御部65に与えられる。速度PI制御部65は、目標速度指令ωref と検出速度ωとの差分量に基づいてPI(比例積分)制御を行い、q軸電流指令値Iqrefとd軸電流指令値Idrefとを生成して減算器66q、66dに被減算値として夫々出力する。
尚、ベクトル制御を行なう場合、d軸電流指令値Idrefは基本的に“0”に設定されて全界磁制御によりモータ11を駆動するが、脱水運転時の高速回転領域では、回転数をより上昇させるため指令値Idrefを負の値に設定して弱め開示制御を行う。減算器66q、66dには、αβ/dq変換部67より出力されるq軸電流値Iq、d軸電流値Idが減算値として夫々与えられ、減算結果は、電流PI制御部68q、68dに夫々与えられる。尚、速度PI制御部65における制御周期は1m秒に設定されている。
電流PI制御部68q、68dは、q軸電流指令値Iqrefとd軸電流指令値Idrefとの差分量に基づいてPI制御を行い、q軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdを生成してdq/αβ変換部69に出力する。dq/αβ変換部69には、エスティメータ63によって検出された2次磁束の回転位相角(ロータ位置角)θが与えられ、その回転位相角θに基づいて電圧指令値Vd、Vqを電圧指令値Vα、Vβに変換する。
dq/αβ変換部69が出力する電圧指令値Vα、Vβは、αβ/UVW変換部70により三相の電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換されて出力する。電圧指令値Vu、Vv、Vwは、切換スイッチ71u、71v、71wの一方の固定接点71ua、71va、71waに与えられ、他方の固定接点71ub、71vb、71wbには、初期パターン出力部76より出力される電圧指令値Vus、Vvs、Vwsが与えられる。切換スイッチ71u、71v、71wの可動接点71uc、71vc、71wcは、PWM形成部73の入力端子に接続されている。
PWM形成部73は、電圧指令値Vus、Vvs、Vws又はVu、Vv、Vwに基づいて15.6kHzのキャリア(三角波)を変調した各相のPWM信号Vup(+,-) 、Vvp(+,-) 、Vwp(+,-) をインバータ回路32に出力する。PWM信号Vup〜Vwpは、例えばモータ11の各相巻線11u、11v、11wに正弦波状の電流が通電されるよう、正弦波に基づいた電圧振幅に対応するパルス幅の信号として出力される。
A/D変換部74は、IGBT33d〜33fのエミッタに現れる電圧信号をA/D変換した電流データIau、Iav、IawをUVW/αβ変換部75に出力する。UVW/αβ変換部75は、三相の電流データIau、Iav、Iawを所定の演算式に従って直交座標系の2軸電流データIα、Iβに変換する。そして、2軸電流データIα、Iβをαβ/dq変換部67に出力する。
αβ/dq変換部67は、ベクトル制御時にはエスティメータ63よりモータ11のロータ位置角θを得ることで、所定の演算式に従って2軸電流データIα、Iβを回転座標系(d、q)上のd軸電流値Id、q軸電流値Iqに変換すると、それらを前述のようにエスティメータ63及び減算器66d、66qに出力する。
エスティメータ63は、q軸電圧指令値Vq、d軸電圧指令値Vd、q軸電流値Iq、d軸電流値Idに基づいてロータの位置角θ及び回転速度ωを推定し、各部に出力する。ここで、モータ11は、起動時には、初期パターン出力部76による起動パターンが印加され強制転流が行われる。ベクトル制御の開始以降は、エスティメータ63が起動されてドラムモータ11のロータの位置角θ及び回転速度ωが推定される。
切換え制御部78は、PWM形成部73より与えられるPMW信号のデューティ情報に基づいて切換スイッチ71の切換えを制御する。尚、以上の構成において、インバータ回路32を除く構成は、制御回路30のソフトウエアによって実現されている機能をブロック化したものである。ベクトル制御における電流制御周期は例えば128μ秒に設定されている。
また、図17は、制御回路30により制御されるその他の周辺回路を示すブロック図である。ドア制御回路84は、ドアロック指令が与えられると扉9のロックを行う。また、扉9の開閉状態を示す信号を制御回路30に出力する。乾燥運転用のファンモータ85は、動作指令及び回転数指令に応じて送風ファン18を駆動すると共に、回転数信号を制御回路30に出力する。力率改善回路86は、図15では図示しないが全波整流回路41の入力側に配置される昇圧チョッパ回路を含んで構成され、電源回路39の電流波形が正弦波に近づくように、電流波形のゼロクロス点を基準として与えられる駆動パルスに応じてスイッチング動作を行う。
基板用の冷却ファンモータ87は、制御回路30等が搭載されている回路基板を送風冷却するファンを駆動する。水位センサ88は、回転ドラム4の水位を検出してパルス信号を制御回路30に出力する。ドレインポンプ駆動回路89は、与えられる駆動指令に応じて乾燥運転時の結露水を排出するためのドレインポンプを駆動すると共に、排水時の水位検知信号を制御回路30に出力する。商用周波数生成回路90は、トライアックの駆動タイミングを得るため商用交流電源より抽出した周波数(50/60Hz)をACパルスとして制御回路30に出力する。
乾燥フィルタ有無検知回路91は、空気循環経路25中に配置される糸くず等の除去用フィルタが所定位置にセットされているか否かを検知し、フィルタの有無に応じた信号を制御回路30に出力する。入力電流検出回路92は、圧縮機15側のインバータ回路47について入力が過大となった場合に保護を行うため、入力電流に応じた電圧を出力する。
冷媒系の温度検知用回路93には、凝縮器(コンデンサ)16,蒸発器(エバポレータ)17の入口及び出口の温度を検知するものや、吐出管に配置されているサーミスタなどがある。また、空気系の温度検知用回路94には、外気温や循環空気のドラム4への入口及びドラム4から出口の温度を検知するものがある。これらの温度検知用回路93,94の検知信号は、制御回路30に出力される。
フラッシュ書き込み用通信端子95は、制御回路30が内蔵しているフラッシュROM(プログラムメモリ)に対して外部よりシリアル通信により書き込みを行うための端子である。不揮発性メモリ96は、例えばEEPROMやFRAM(登録商標)などであり、制御回路30がシリアル通信により読み書きを行う。循環ポンプ駆動回路97は、洗濯運転時において、回転ドラム4内の洗濯物に洗浄水を振りかけるため、与えられる駆動指令に応じて洗浄水を汲み上げる循環ポンプを駆動する。
給水弁駆動回路98,排水弁駆動回路99,ソフター弁駆動回路100は、与えられる開閉指令に応じて、給水弁26,排水弁27a,図示しない柔軟剤の投入を行うためのソフター弁をそれぞれ開閉する。風呂水くみ上げポンプ駆動回路101は、与えられる駆動指令に応じて風呂水くみ上げ用のDCモータを駆動し、冷媒流量弁駆動回路102は、与えられる流量指令に応じて流量調整弁80を駆動する。
次に、本実施例の作用について図1乃至図14も参照して説明する。尚、洗濯運転や乾燥運転などの基本的な制御内容については、例えば特開2006−116066号公報に開示されているので省略する。以下では、本願発明の要旨である断線検知処理を、ドラムモータ11側と、圧縮機モータ31とに分けて説明する。
<ドラムモータ11側の断線検出処理>
先ず、ドラムモータ11側の処理について図1乃至図7を参照して説明する。図6は、インバータ回路32とドラムモータ(洗濯・乾燥モータ)11との間の配線を、V相だけ断線させた場合に観測される三相電流波形を示すものである(0.38A/DIV)。この図から明らかなように、断線した場合でも他相のノイズの回り込みなどの影響により、電流値は「0」を示さないことが判る。また、図7は、同じ状態について、三相電流につき0.3秒間の移動平均をとった波形を示す(0.15A/DIV)。このように、V相電流の平均値も「0」にならないことが明らかである。本発明では、断線が発生した場合にインバータ回路32の出力電流に現れるこのような現象を捉えることで断線検出を行う。
図1乃至図5は、制御回路30による断線検出処理を示すフローチャートである。図1は1m秒周期で実行されるメインルーチンであり、図2は、128μ秒毎に発生する割込み時に実行される電流検出処理である。図2においては、インバータ回路32の下アーム側IGBT33d〜33fがONしている期間に電流を検出するため、最大出力値を示さない相がU,V相か(ステップA16)又はV,W相か(ステップA18)を判断し、ステップA16で(YES)と判断するとU,V相の電流値をA/D変換して読み込み(ステップA17)、ステップA18で(YES)と判断するとV,W相の電流値をA/D変換して読み込む(ステップA19)。また、ステップA18で「NO」と判断した場合は最大出力値を示す相がV相であるから、U,W相の電流値をA/D変換して読み込む(ステップA20)。
尚、ベクトル制御においては、A/D変換の対象外となる相の電流は、三相電流の和が「0」となる関係から演算により求められるが、欠相が発生した場合はその関係が成立しなくなるため、ここでの処理では実際にA/D変換した2相の電流だけを用いる。
図1は、モータ11が回転している状態で断線が発生したことを検出することを目的とする。先ずステップA1では、各相電流の平均値を計算するが、その処理の詳細は図3に示されている。ステップA21〜A23では、U,V,W相の電流の平均値を、電流の絶対値の0.3秒間の移動平均として算出する(平滑化処理)。
ここで、移動平均期間の0.3秒は、電流の変化周期よりも長い期間として設定されており、電流の変化周期としては、モータ11が回転する際の電気角周期や、負荷や回転数の変動に伴うものがある。インバータ回路32の出力電流又はPWM出力電圧が大きくなるのに伴いノイズの発生レベルも上昇するが、検出電流値を移動平均により平滑化することでノイズの発生状態に応じた適切な値が得られ、誤判定を防止できる。
そして、最後のステップA24では、ステップA21〜A23で求めたU,V,W相の電流の平均値を加算して1/3にすることで、三相電流の平均値を計算する。
図1のステップA2では、断線(欠相)を判定するための適切な条件が成立しているか否かを判断する。上記の判定条件は、
(1)モータ11の回転数が30rpm以上
(2)モータ11のブレーキ動作中ではない
(3)ステップA24で求めた三相電流の平均値が0.15A以上
であり、これらの3条件が全て成立すると「YES」と判断する。また、これらの何れか1つでも成立していない場合は「NO」、後述するU,V,W各相に対応するエラーカウンタをゼロクリアして(ステップA14)処理を終了する。
ステップA2で「YES」と判断すると、U,V,W各相電流の平均値が、三相電流の平均値の30%よりも小さいか否かを、ステップA3,A5,A7でそれぞれ判断する。そして、これらの各ステップで「YES」と判断すると、各相に対応するエラーカウンタをインクリメントし(ステップA11,A12,A13)、「NO」と判断するとエラーカウンタをゼロクリアする(ステップA4,A6,A8)。
それから、ステップA9において、U,V,W各相に対応するエラーカウンタの何れか1つの値が、5秒以上に相当するカウント値(5000カウント)に達したか否かを判断し、「NO」と判断すれば処理を終了する。一方「YES」と判断すると、対応する相の電流値が他相の電流値に比較して低下した状態が所定時間継続したことになり、対応する相が欠相したと判定してモータ11の駆動を停止(OFF)させる(ステップA10)。すなわち、ステップA9で「YES」と判断する場合は、図7に示した電流波形の状態(V相が欠相)に対応するもので、欠相した相電流の平均値は、三相電流の平均値に比較して明らかに小さくなる。
図4は、モータ11が停止している状態で断線を検出する処理を示す。この処理は、図1のメインルーチンが20回実行される毎に、すなわち20m秒周期で実行される。先ず、モータ11について、始動不良,過電流,過電圧,欠相(ステップA10による),回転停止などの、何れかのエラーが発生しているかを判定する(ステップA31)。何れかのエラーが発生していれば(YES)、モータ11は回転が停止した状態にあるので、後述するステップA37において再始動処理(リトライ)が実行される。
続くステップA32では、上記リトライの回数が24回以上に達したか否かを判断し、24回未満であれば(NO)、エラー状態を解除してモータ11をブレーキモード(モード1)にセットして(ステップA33)リターンする。すると、次回の実行時には、ステップA31で「NO」,ステップA35で「YES」と判断し、ブレーキ動作が終了していれば(ステップA36,YES)、モータ11の再始動を行うと共にリトライ回数のカウンタをインクリメントして(ステップA37)リターンする。
また、ステップA32において、リトライの回数が24回以上に達した場合は(YES)、モード2をセットし、d軸電流指令Idrefを5Aの固定値にセットして(ステップA34)リターンする。すると、次回の実行時には、ステップA31,A35で「NO」,ステップA38で「YES」と判断し、断線再確認動作を行う(ステップA39)。
図5は、ステップA39の詳細を示す。ここでのステップA44〜A49,A54〜A56の処理は、図1におけるステップA3〜A8,A11〜A13の処理と同様に行われるが、各相のエラーカウンタは異なるもの(エラー2カウンタ)となっている。そして、ステップA49,A56の実行後は、三相の平均電流値が1A未満か否かを判断して(ステップA50)、1A以上であれば(NO)全相エラー2カウンタをゼロクリアし(ステップA51)、1A未満であれば(YES)全相エラー2カウンタをインクリメントする(ステップA57)。
続くステップA52では、U,V,W各相電流並びに三相電流のエラー2カウンタのカウント値の何れか1つ以上が2.5秒以上に相当する値(125カウント)に達しているか否かを判断し、達していなければリターンする。2.5秒以上に達している場合は(YES)、三相電流が不平衡状態にあるか、又は三相電流の全てが低い状態にあるので欠相と判定する(ステップA53)。ここでは、モータ11の回転を停止させ、操作パネル29に対応するエラー表示を行い、不揮発性メモリ96に欠相が発生したことを示す情報を書き込んで記憶させる。そして、修理等の処置が行われないまま洗濯乾燥機に電源が再投入された場合、制御回路30は、不揮発性メモリ96を読み出して欠相の発生情報が記憶されているか否かを判断する。上記情報が記憶されている場合は、以降の洗濯運転を禁止する。
再び図4を参照する。ステップA39の実行後は、モータ11に同一の通電角で通電を行い(ステップA40)、その状態で5秒が経過すると(YES)、通電角を120度ずつずらした3種類の角度での通電が終了したか否かを判断する(ステップA41)。3種類の角度による通電が終了していなければ(NO)、次のステップA42で通電角を+12度ずらすように設定し、リターンする。
すなわち、モータ11のエラーの原因が、たとえば回転ドラム4内部での洗濯物のアンバランスに起因する一時的な回転停止である場合には、リトライを実行することでモータ11は再起動する可能性がある。しかし、2相以上の欠相が発生している場合はモータ11の再起動は不能であるから、ステップA41において「YES」と判断され、この時点で断線が発生したことが確定される(ステップA43)。
<圧縮機モータ31側の断線検出処理>
次に、圧縮機モータ31側の処理について、図8乃至図14を参照して説明する。図13は、インバータ回路32と圧縮機モータ31との間の配線を、U相だけ断線させた場合に観測される三相電流波形を示すものである(5A/DIV)。圧縮機モータ31の場合、検出される電流値のレベルがドラムモータ11の場合よりも高いため、S/N比が高く、電流値の低下状態が比較的明瞭に観測される。
また、図14は、圧縮機モータ31のU,V相を断線させた場合の三相合成の出力電圧波形と(110V/DIV)、三相合成の出力電流波形(0.75A/DIV)を示すものである。2相が欠相すれば圧縮機モータ31の回転は停止し、三相合成電流は低下する。その電流が低下したことに応じて、制御回路30は、圧縮機モータ31の出力電圧をより高くするように電圧指令を与えるので、この時は、抵抗素子83a,83bにより検出される最大電圧付近に達する。
圧縮機モータ31の場合、ドラムモータ11のように内部に回転センサ82のようなセンサを配置することができないため、断線により圧縮機モータ31の回転が停止しても、その停止状態をセンサにより直接的に検出することができない。そこで、本実施例では、図13,図14に示す現象を捉えることで圧縮機モータ31の断線検出を行う。
図8乃至図12は、制御回路30による断線検出処理を示すフローチャートであり、ドラムモータ11の処理を示す図1,図3乃至図5に対応する。尚、電流検出処理は、図2と同様に128μ秒毎に行われる。図8は1m秒周期で実行されるメインルーチンであり、ステップB1〜B14は、基本的に図1のステップA1〜A14に対応する処理(速度制御中の処理)である。ステップB1の詳細は図9に開示されているが、ステップB21〜B23では、U,V,W相の電流の平均値を、電流の絶対値の0.1秒間の移動平均として算出しており、ステップB24では、ステップB21〜B23で求めた各相電流の平均値を加算して1/3にすることで、三相電流の平均値を計算する。
続くステップB25では、三相電圧の平均値を計算するが、ここでは、電圧指令Vdref,Vqrefの実効値について0.1秒間の移動平均を算出する。尚、ここで計算しているのは、図14に示す三相合成電圧波形と同じものであり、図14の波形は、制御回路30が演算した結果をD/A変換して外部に出力した波形を観測したものである。
図8のステップB2における判定条件は、
(1)モータ31の回転数が30rps以上
(2)ステップB24で求めた三相電流の平均値が0.5A以上
の2つとなっている。そして、ステップB10,B14の実行後は、ステップB15において、2本以上の欠相判定処理を行う。
図10は、ステップB15の詳細を示す。先ず、三相電圧の平均値を三相電流の平均値で除すことで、インバータ回路47の出力端子から見たモータ31の巻線を含む抵抗値を計算すると(ステップB31)、ステップB2と同様の判定を再度行う(ステップB32)。条件が双方共に成立しない場合は(NO)、全相エラーカウンタをゼロクリアして(ステップB37)リターンする。
一方、条件が双方共に成立すると(ステップB32,YES)、ステップB31で計算した抵抗値が5Ω以上か否かを判断し、5Ω未満であれば(NO)ステップB37に移行する。抵抗値が5Ω以上の場合は(YES)全相エラーカウンタをインクリメントして(ステップB34)、そのカウンタ値が5秒以上に相当する値になると(ステップB35,YES)、欠相と判定しモータ31の回転を停止させる(ステップB36)。すなわち、ステップB35で「YES」と判断する場合は、図14に示した電圧,電流波形の状態に対応する。
図11は、圧縮機モータ31を停止状態から起動する場合の「位置決め」→「強制転流」期間に、1m秒毎に行う処理である(図8に対応する「速度制御」は、「強制転流」の後に実行される)。先ず、強制転流の実行中か否かを判断し(ステップB41)、実行前の段階であれば(NO)U,V,W各相のエラー2カウンタをゼロクリアする(ステップB53)。強制転流の実行中であれば(YES)、U,V,W各相電流の平均値が、d軸電流指令値Idrefの30%よりも小さいか否かを、ステップB42,B44,B46でそれぞれ判断する。そして、これらの各ステップで「YES」と判断すると、各相に対応するエラー2カウンタをインクリメントし(ステップB50,B51,B52)、「NO」と判断するとエラー2カウンタをゼロクリアする(ステップB43,B45,B47)。
それから、ステップB48において、U,V,W各相に対応するエラー2カウンタの何れか1つの値が、5秒以上に相当するカウント値に達したか否かを判断し、「NO」と判断すれば処理を終了する。一方「YES」と判断すると、対応する相が欠相したと判定してモータ31の駆動を停止させる(ステップB49)。すなわち、ステップB48で「YES」と判断する場合は、図13に示した電流波形の状態(U相が欠相)に対応する。
尚、図8のステップB10,図11のステップB49の何れかで断線が判定され、モータ31が停止された場合は、例えば1分程度のインターバルを置いた後に「位置決め」→「強制転流」を再試行する(リトライ)。
図12は、最終的な断線判定処理を示すもので20m秒毎に実行される。最初のステップB54では、上記のステップB10,B49の何れかで断線判定がなされているか否かを判断し、断線判定が有れば(YES)判定回数カウンタをインクリメントする(ステップB55)。
そして、上記カウンタのカウント値が3回以上であれば(ステップB56,YES)、欠相判定を確定させて操作パネル29に対応するエラー表示を行い、不揮発性メモリ96に欠相が発生したことを示す情報を書き込んで記憶させる(ステップB57)。この場合もドラムモータ11のケースと同様に、修理等の処置が行われないまま洗濯乾燥機に電源が再投入された場合、制御回路30は、不揮発性メモリ96を読み出して欠相の発生情報が記憶されているか否かを判断し、上記情報が記憶されている場合は以降の洗濯運転を禁止する。
以上のように本実施例によれば、洗濯乾燥機の制御回路30は、インバータ回路32よりドラムモータ11に出力される三相電流、また、インバータ回路47より圧縮機モータ31に出力される三相電流のうち、一相の電流値が他の二相の電流値に比較して所定値以下となる状態が所定時間継続した場合に断線を検出するようにした。すなわち、断線が発生した相の電流は、その他の健全な相の電流よりも減少した状態が続くので、各相間における電流を相対的に比較して、ノイズの影響を受けることなく断線を確実に検出することができる。
そして、制御回路30は、図10のステップB31において抵抗値を計算することにより、インバータ回路47のPWM出力電圧(電圧指令Vdref,Vqrefの実効値の移動平均値)が所定値以上であり、且つ三相全ての電流値が所定値以下である場合に断線を検出するので、構造的にセンサを内蔵することができない圧縮機モータ31について、2相以上の断線を確実に検出することができる。
また、制御回路30は、断線が検出されて異常報知を行った場合はその異常発生情報を不揮発性メモリ96に記憶させ、洗濯乾燥機に電源が再投入された場合は最初に不揮発性メモリ96を読み出し、異常発生情報が記憶されている場合は、以降の運転動作を禁止するようにした。すなわち、ユーザは電気機器の正常に動作しない場合は、電源を再度投入して様子を見ることを行いがちであるが、断線が発生した後にそのような状況となった場合でも運転を確実に禁止することができる。
更に、制御回路30は、検出される電流値について、モータ11又は31の回転に伴う電流の変化周期よりも長い時間に亘る平滑化処理を行った上で判定を行うようにしたので、ノイズの影響を極力排除した上で断線判定を行うことができる。加えて、制御回路30は、ドラムモータ11の回転が停止した場合に、当該モータ11の起動を複数回再試行し、その結果、回転異常が判定された場合に断線検出を行うようにしたので、モータ11が負荷状況などにより一時的に拘束されたため回転が停止したような場合を排除して、断線を検出することができる。
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
電流値の比較は、必ずしも三相の平均値と比較する必要はなく、その他の2相の電流値とそれぞれ比較しても良い。
電流や電圧について移動平均値を求める期間は、個別の設計に応じて適宜変更すれば良い。
電流や回転数、抵抗値などの判定閾値や判定用の所定時間についても、適宜変更して実施すれば良い。
圧縮機モータ31については、抵抗値で評価する替わりに、電圧,電流夫々の値を所定の閾値と比較して、電圧が所定位置以上で且つ三相電流の全てが所定値以下であるか否かにより判定を行っても良い。また、電流の判定は、三相電流の合計が所定値以下であるか否かを判定しても良い。
ステップA31などでモータ11の回転異常(エラー)を判定する場合に、モータ11の誘起電圧が、回転数に比較して低下したことにより判定しても良いし、回転センサ82により検出される回転数に基づいて回転停止を判定しても良い。
ドラムモータ11についても圧縮機モータ31と同様に、図10に示すように抵抗値を計算し、インバータ回路32のPWM出力電圧が所定値以上で、且つ三相全ての電流値が所定値以下である場合に断線を検出しても良い。
ドラム式洗濯の場合、ドラムの回転軸は必ずしも水平である必要はなく、10数度〜数10度仰角となるように配置しても良い。
洗濯乾燥機に限ることなく、洗濯機,若しくは乾燥機の何れか一方に適用しても良い。
洗濯機もしくは洗濯乾燥機はドラム式に限ることなく、パルセータを回転駆動するいわゆる縦型の洗濯機に適用しても良い。
本発明を洗濯乾燥機に適用した場合の一実施例であり、制御回路によるドラムモータ側の断線検出処理を示すフローチャート 電流検出処理のフローチャート ステップA1の詳細を示すフローチャート モータ停止状態での断線検出処理を示すフローチャート ステップA39の詳細を示すフローチャート ドラムモータの配線を、V相だけ断線させた場合に観測される三相電流波形を示す図 図6の状態について、三相電流につき移動平均をとった波形を示す図 圧縮機モータについての図1相当図 ステップB1の詳細を示すフローチャート テップB15の詳細を示すフローチャート 圧縮機モータを停止状態から起動する場合に行う処理を示すフローチャート 最終的な断線判定処理を示すフローチャート 圧縮機モータの配線を、U相だけ断線させた場合に観測される三相電流波形を示す図 圧縮機モータのU,V相を断線させた場合の三相合成出力電圧波形と、三相合成出力電流波形を示す図 ドラムモータ及び圧縮機モータの駆動系を概略的に示す図 センサレスベクトル制御の機能ブロック図 制御回路により制御されるその他の周辺回路を示すブロック図 洗濯乾燥機の縦断側面図 ヒートポンプの構成を示す図
符号の説明
図面中、4は回転ドラム、11はドラムモータ(三相ブラシレスDCモータ)、14はヒートポンプ、15は圧縮機、30は制御回路(制御手段,電流検出手段,断線検出手段,異常処理手段,回転異常判定手段,PWM制御方式インバータ)、31は圧縮機モータ(三相ブラシレスDCモータ)、32はインバータ回路(PWM制御方式インバータ)、35はシャント抵抗(電流検出手段)、47はインバータ回路(PWM制御方式インバータ)、48はシャント抵抗(電流検出手段)、96は不揮発性メモリを示す。

Claims (6)

  1. 洗濯に関連した運転動作を行うための回転駆動力を発生させる三相ブラシレスDCモータと、PWM制御方式インバータと、前記モータの三相電流を個別に検出する電流検出手段と、前記モータをベクトル制御する制御手段と、前記モータの断線を検出する断線検出手段と、前記断線検出手段により断線が検出されると当該モータの回転を停止させると共に、所定条件が成立した場合は異常報知を行う異常処理手段とを備えるランドリー機器において、
    前記断線検出手段は、前記電流検出手段により検出される電流値について平滑化処理を行い、前記三相電流のうち、一相の電流値が他の二相の電流値に比較して所定値以下となる状態が所定時間継続した場合に断線を検出することを特徴とするランドリー機器。
  2. 前記断線検出手段は、前記インバータのPWM出力電圧が所定値以上であり、且つ前記三相全ての電流値が所定値以下である場合に断線を検出することを特徴とする請求項1記載のランドリー機器。
  3. 洗濯に関連した運転動作を行うための回転駆動力を発生させる三相ブラシレスDCモータと、PWM制御方式インバータと、前記モータの三相電流を個別に検出する電流検出手段と、前記モータをベクトル制御する制御手段と、前記モータの断線を検出する断線検出手段と、前記断線検出手段により断線が検出されると当該モータの回転を停止させると共に、所定条件が成立した場合は異常報知を行う異常処理手段とを備えるランドリー機器において、
    前記断線検出手段は、前記電流検出手段により検出される電流値について平滑化処理を行い、前記三相電流のうち、一相の電流値が他の二相の電流値に比較して所定値以下となる状態が所定時間継続した場合、又は前記インバータのPWM出力電圧が所定値以上であり、且つ前記三相全ての電流値が所定値以下である場合に断線を検出することを特徴とするランドリー機器。
  4. 前記異常処理手段は、
    前記異常報知を行った場合はその異常発生情報を不揮発性メモリに記憶させ、
    電源が再投入された場合は最初に前記不揮発性メモリを読み出し、前記異常発生情報が記憶されている場合は、以降の運転動作を禁止することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のランドリー機器。
  5. 前記断線検出手段は、前記電流検出手段により検出される電流値について、前記モータの回転に伴う電流の変化周期よりも長い時間に亘る平滑化処理を行った上で判定を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のランドリー機器。
  6. 前記モータの回転が停止した場合に、当該モータの回転異常判定を行う回転異常判定手段を備え、
    前記断線検出手段は、前記回転異常判定手段により回転異常が判定された場合に、断線検出を行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のランドリー機器。
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