以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る冷凍装置(1)である。冷凍装置(1)は、例えばコンビニエンスストアに設けられる。冷凍装置(1)は、図1に示すように、室外に設置される庫外ユニット(10)と、店内空間を空調する室内ユニット(50)と、庫内を冷却する2台の庫内ユニット(60a,60b)と、ブースタユニット(80)とを備えている。2台の庫内ユニット(60a,60b)は、冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)とから構成されている。
庫外ユニット(10)には庫外回路(11)が、室内ユニット(50)には室内回路(52)が、冷蔵ユニット(60a)には第1庫内回路(61a)が、冷凍ユニット(60b)には第2庫内回路(61b)が、ブースタユニット(80)にはブースタ回路(81)がそれぞれ設けられている。この冷凍装置(1)では、庫外回路(11)、室内回路(52)、第1庫内回路(61a)、第2庫内回路(61b)、及びブースタ回路(81)を4本の連絡配管(2a,2b,3a,3b)で接続することによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(4)が構成されている。第1庫内回路(61a)と第2庫内回路(61b)は並列に接続されている。また、第2庫内回路(61b)とブースタ回路(81)は直列に接続されている。
4本の連絡配管(2a,2b,3a,3b)は、第1液側連絡配管(2a)、第2液側連絡配管(2b)、第1ガス側連絡配管(3a)、及び第2ガス側連絡配管(3b)から構成されている。第1液側連絡配管(2a)は、一端が庫外回路(11)の第1液側閉鎖弁(111)に接続され、他端が室内回路(52)に接続されている。第2液側連絡配管(2b)は、一端が庫外回路(11)の第2液側閉鎖弁(112)に接続され、他端が2手に分岐して第1庫内回路(61a)と第2庫内回路(61b)に接続されている。第1ガス側連絡配管(3a)は、一端が庫外回路(11)の第1ガス側閉鎖弁(113)に接続され、他端が室内回路(52)に接続されている。第2ガス側連絡配管(3b)は、一端が庫外回路(11)の第2ガス側閉鎖弁(114)に接続され、他端が2手に分岐して第1庫内回路(61a)と第2庫内回路(61b)に接続されている。なお、第2庫内回路(61b)とブースタ回路(81)との間は、接続ガス管(5)によって接続されている。
《庫外ユニット》
庫外回路(11)には、圧縮機構(40)、庫外熱交換器(15)、及びレシーバ(16)が設けられている。圧縮機構(40)は、運転容量が可変の第1圧縮機(14a)と、運転容量が固定の第2圧縮機(14b)と、運転容量が固定の第3圧縮機(14c)とから構成されている。これらの圧縮機(14a,14b,14c)は、互いに並列に接続されている。なお、第3圧縮機(14c)が、運転容量が可変の圧縮機により構成されていてもよい。
第1圧縮機(14a)は、庫内ユニット(60a,60b)で蒸発した冷媒を吸入する庫内用圧縮機(低温用圧縮機)を構成している。第1圧縮機(14a)は、庫内専用の圧縮機である。第3圧縮機(14c)は、冷房運転時に室内ユニット(50)で蒸発した冷媒を吸入する室内用圧縮機(高温用圧縮機)を構成している。第3圧縮機(14c)は、室内専用の圧縮機である。また、第2圧縮機(14b)は、後述する第3四路切換弁(33)が第1状態のときに庫内用圧縮機を構成し、その第3四路切換弁(33)が第2状態のときに庫内用圧縮機を構成する。つまり、第2圧縮機(14b)は、庫内用圧縮機と庫内用圧縮機に兼用される兼用圧縮機を構成している。
第1圧縮機(14a)、第2圧縮機(14b)、及び第3圧縮機(14c)は何れも、例えば全密閉の高圧ドーム型のスクロール圧縮機として構成されている。第1圧縮機(14a)には、インバータを介して電力が供給される。第1圧縮機(14a)は、インバータの出力周波数を変化させることによって、その運転容量を段階的に調節することができるように構成されている。一方、第2圧縮機(14b)及び第3圧縮機(14c)は、電動機が常に一定の回転速度で運転されるものであって、その運転容量が変更不能となっている。なお、圧縮機(14)の構成の詳細については後述する。
第1圧縮機(14a)の第1吐出管(56a)、第2圧縮機(14b)の第2吐出管(56b)及び第3圧縮機(14c)の第3吐出管(56c)は、1本の吐出合流管(21)に接続されている。吐出合流管(21)は、第1四路切換弁(31)に接続されている。吐出合流管(21)からは吐出分岐管(97)が分岐している。吐出分岐管(97)は、第2四路切換弁(32)に接続されている。
各吐出管(56)には、圧縮機(14)側から順に、油分離器(37a,37b,37c)と高圧圧力スイッチ(39a,39b,39c)と逆止弁(CV1,CV2,CV3)とが配置されている。各高圧圧力スイッチ(39)は、異常高圧時に圧縮機(14)を緊急停止させるように構成されている。各逆止弁(CV1,CV2,CV3)は、圧縮機(14)へ向かう冷媒の流れを禁止するように構成されている。
各油分離器(37)は、密閉容器状に構成され、圧縮機(14)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離するように構成されている。本実施形態では、各吐出管(56)に油分離器(37)を設けることで、吐出合流管(21)に1つの油分離器を設ける場合に比べて、油分離器(37)の小型化が図られている。
各油分離器(37a,37b,37c)には、油戻し管(38a,38b,38c)がそれぞれ設けられている。各油戻し管(38a,38b,38c)は、油分離器(37a,37b,37c)と後述するインジェクション管(28〜30)とを接続している。各油戻し管(38)には、油分離器(37)側から順に、油分離器(37)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV4,CV5,CV6)と、高圧冷媒を中間圧に減圧するキャピラリーチューブ(41a,41b,41c)とがそれぞれ設けられている。なお、第1圧縮機(14a)に冷凍機油を戻すための第1油戻し管(38a)のキャピラリーチューブ(41a)と、第2圧縮機(14b)に冷凍機油を戻すための第2油戻し管(38b)のキャピラリーチューブ(41b)は、第3圧縮機(14c)に冷凍機油を戻すための第3油戻し管(38c)のキャピラリーチューブ(41c)に比べて長さが長くなっている。また、各油分離器(37a,37b,37c)には、逆止弁(CV4,CV5,CV6)とキャピラリーチューブ(41a,41b,41c)の間に、圧縮機(14)の停止中に油分離器(37)が液封状態になることを防止するための液封防止管(22a,22b,22c)が接続されている。
第1圧縮機(14a)の第1吸入管(57a)は、第2ガス側閉鎖弁(114)に接続されている。第2圧縮機(14b)の第2吸入管(57b)は、第3四路切換弁(33)に接続されている。第3圧縮機(14c)の第3吸入管(57c)は、第2四路切換弁(32)に接続されている。第1吸入管(57a)からは、第1吸入分岐管(58a)が分岐している。第3吸入管(57c)からは、第2吸入分岐管(58b)が分岐している。第1吸入分岐管(58a)及び第2吸入分岐管(58b)は共に第3四路切換弁(33)に接続されている。また、第1吸入分岐管(58a)及び第2吸入分岐管(58b)には、第3四路切換弁(33)側からの冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV7,CV8)がそれぞれ設けられている。
庫外熱交換器(15)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。庫外熱交換器(15)は、熱源側熱交換器を構成している。庫外熱交換器(15)の近傍には、庫外熱交換器(15)に庫外空気を送る庫外ファン(23)が設けられている。庫外熱交換器(15)では、冷媒と庫外空気との間で熱交換が行われる。
庫外熱交換器(15)のガス側は、第1四路切換弁(31)に接続されている。庫外熱交換器(15)の液側は、第1液管(24)を介してレシーバ(16)の頂部に接続されている。第1液管(24)には、庫外熱交換器(15)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV9)が設けられている。また、第1液管(24)には、逆止弁(CV9)に対して並列に、レシーバ(16)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV10)が設けられている。
レシーバ(16)は、縦長の密閉容器状に構成されている。レシーバ(16)では、庫外熱交換器(15)等で凝縮した高圧冷媒が一時的に貯留される。レシーバ(16)の頂部には、第1液管(24)に加えて、開閉自在の第4電磁弁(SV4)が設けられたガス抜き管(48)が接続されている。また、レシーバ(16)の底部には、第2液管(25)の一端が接続されている。
第2液管(25)は、第1液管(24)と共に、後述する冷却運転の際に庫外熱交換器(15)から室内熱交換器(54)及び庫内熱交換器(64)へ向かう冷媒が流通する主液側通路(24,25)を構成している。第2液管(25)には、分岐前冷却手段を構成する第2冷却熱交換器(18)が設けられている。第2冷却熱交換器(18)では、冷却運転の際に庫外熱交換器(15)で凝縮した冷媒が冷却される。第2液管(25)の他端は、第1分岐管(26)と第2分岐管(27)とに分岐している。
第1分岐管(26)は、第1液側閉鎖弁(111)に接続されている。第1分岐管(26)は、第1液側連絡配管(2a)を通じて室内熱交換器(54)に連通しており、冷却運転の際に主液側通路(24,25)から分岐して室内熱交換器(54)へ向かう冷媒が流通する第1分岐通路(26)を構成している。第1分岐管(26)には、第2液管(25)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV16)が設けられている。第1分岐管(26)からは、第1液管(24)における逆止弁(CV9)とレシーバ(16)の間に接続された第3分岐管(47)が分岐している。第3分岐管(47)には、第1液側閉鎖弁(111)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV11)が設けられている。
第2分岐管(27)は、第2液側閉鎖弁(112)に接続されている。第2分岐管(27)は、第2液側連絡配管(2b)を通じて各庫内熱交換器(64)に連通しており、冷却運転の際に主液側通路(24,25)から分岐して各庫内熱交換器(64)へ向かう冷媒が流通する第2分岐通路(27)を構成している。第2分岐管(27)には、第1冷却熱交換器(17)が設けられている。第2分岐管(27)は、第2冷却熱交換器(18)に対して直列に設けられている。また、第2分岐管(27)からは、バイパス管(51)と接続注入管(9)とが分岐している。
本実施形態では、第1液管(24)、第2液管(25)、第1分岐管(26)、及び第2分岐管(27)により構成された冷媒の通路が、液側通路(20)を構成している。液側通路(20)では、第1分岐管(26)、及び第2分岐管(27)のうち第2分岐管(27)だけに、分岐後冷却手段を構成する冷却熱交換器(18)が設けられている。
バイパス管(51)は、第2冷却熱交換器(18)と第2液側閉鎖弁(112)の間から分岐している。バイパス管(51)は、第2分岐管(27)に接続されている方とは逆端が第1液管(24)における庫外熱交換器(15)と逆止弁(CV9)の間に接続されている。バイパス管(51)には、開度可変の電子膨張弁により構成された第3庫外膨張弁(65)が設けられている。
接続注入管(9)は、バイパス管(51)の分岐箇所と第2液側閉鎖弁(112)の間から分岐している。接続注入管(9)は、第2分岐管(27)に接続されている方とは逆端において、第1インジェクション管(28)と第2インジェクション管(29)に分岐している。
第1インジェクション管(28)は、接続注入管(9)に接続されている方とは逆端が第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)に接続されている。第1インジェクション管(28)は、室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)に連通する第1インジェクション通路(28)を構成している。第1インジェクション管(28)には、第2冷却熱交換器(18)が設けられている。また、第1インジェクション管(28)には、開度可変の電子膨張弁により構成された第1庫外膨張弁(66)と、開閉自在の第3電磁弁(SV3)が設けられている。
第1庫外膨張弁(66)は、室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)に注入される冷媒を減圧する第1減圧手段(66)を構成している。第1庫外膨張弁(66)は、第2冷却熱交換器(18)の上流に設けられている。第3電磁弁(SV3)は、第2冷却熱交換器(18)と第3圧縮機(14c)の間に設けられている。第3電磁弁(SV3)は第3圧縮機(14c)の停止中に閉状態に設定される。
一方、第2インジェクション管(29)は、接続注入管(9)に接続されている方とは逆端が第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に接続されている。第2インジェクション管(29)は、庫内用圧縮機(14a,14b)の中間圧の圧縮室(73)に連通する第2注入通路(29)を構成している。第2インジェクション管(29)には、第1冷却熱交換器(17)が設けられている。また、第2インジェクション管(29)には、開度可変の電子膨張弁により構成された第2庫外膨張弁(67)と、開閉自在の第1電磁弁(SV1)とが設けられている。
第2庫外膨張弁(67)は、第1冷却熱交換器(17)の上流に設けられている。第2庫外膨張弁(67)は、庫内用圧縮機(14a,14b)の中間圧の圧縮室(73)に注入される冷媒を減圧する第2減圧手段(67)を構成している。一方、第1電磁弁(SV1)は、第1冷却熱交換器(17)と第1圧縮機(14a)の間に設けられている。第1電磁弁(SV1)は第1圧縮機(14a)の停止中に閉状態に設定される。また、第1インジェクション管(28)には、第1冷却熱交換器(17)と第1電磁弁(SV1)の間の位置に、上記ガス抜き管(48)が接続されている。
また、第1インジェクション管(28)からは、第2冷却熱交換器(18)と第3電磁弁(SV3)の間において、第1注入分岐管(49a)が分岐している。第2インジェクション管(29)からは、第1冷却熱交換器(17)と第1電磁弁(SV1)の間において、第2注入分岐管(49b)が分岐している。各注入分岐管(49a,49b)は、第4四路切換弁(34)に接続されている。各注入分岐管(49a,49b)には、第4四路切換弁(34)側からの流れを禁止する逆止弁(CV12,CV13)がそれぞれ設けられている。
第4四路切換弁(34)には、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)に接続された第3インジェクション管(30)が接続されている。第3インジェクション管(30)には、開閉自在の第2電磁弁(SV2)が設けられている。第2電磁弁(SV2)は第2圧縮機(14b)の停止中に閉状態に設定される。第3インジェクション管(30)は、第1インジェクション管(28)及び第2インジェクション管(29)と共に、インジェクション通路(28〜30)を構成している。
また、各インジェクション管(28〜30)には、上述したように、各油戻し管(38)が接続されている。本実施形態では、油分離器(37)の冷凍機油を圧縮機(14)の吸入側へ戻すと、冷凍機油の分だけ圧縮機(14)が吸入側から吸入する冷媒流量が減少するので、油分離器(37)の冷凍機油を中間圧の圧縮室(73)へ戻す構成が採用されている。
第1冷却熱交換器(17)は、第2インジェクション管(29)と第2分岐管(27)に跨るように設けられている。第1冷却熱交換器(17)は、第2分岐管(27)の冷媒が流通する高温側通路(17a)と、第2インジェクション管(29)の冷媒が流通する低温側通路(17b)とを備えている。第1冷却熱交換器(17)は、高温側通路(17a)を流通する冷媒と低温側通路(17b)を流通する冷媒とが熱交換するように構成されている。第1冷却熱交換器(17)は、例えばプレート熱交換器により構成されている。
第1冷却熱交換器(17)の低温側通路(17b)は、第2インジェクション管(29)における第2庫外膨張弁(67)の下流に配置されている。低温側通路(17b)には、第2庫外膨張弁(67)で減圧された冷媒が流入する。第1冷却熱交換器(17)では、高温側通路(17a)を流通する高圧冷媒が低温側通路(17b)を流通する中間圧冷媒によって冷却される。第1冷却熱交換器(17)では、各庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒が第2庫外膨張弁(67)で減圧された中間圧の冷媒によって冷却される。
第2冷却熱交換器(18)は、第1インジェクション管(28)と第2液管(25)に跨るように設けられている。第2冷却熱交換器(18)は、第2液管(25)の冷媒が流通する高温側通路(18a)と、第1インジェクション管(28)の冷媒が流通する低温側通路(18b)とを備えている。第2冷却熱交換器(18)は、高温側通路(18a)を流通する冷媒と低温側通路(18b)を流通する冷媒とが熱交換するように構成されている。第2冷却熱交換器(18)は、例えば二重管式熱交換器により構成されている。
第2冷却熱交換器(18)の低温側通路(18b)は、第1インジェクション管(28)における第1庫外膨張弁(66)の下流に配置されている。低温側通路(18b)には、第1庫外膨張弁(66)で減圧された冷媒が流入する。第2冷却熱交換器(18)では、高温側通路(18a)を流通する高圧冷媒が低温側通路(18b)を流通する中間圧冷媒によって冷却される。第2冷却熱交換器(18)では、室内熱交換器(54)及び庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒が第1庫外膨張弁(66)で減圧された中間圧の冷媒によって冷却される。
なお、後述する冷却運転では、第1庫外膨張弁(66)で減圧された冷媒よりも第2庫外膨張弁(67)で減圧された冷媒の方が圧力が低くなるように第1庫外膨張弁(66)及び第2庫外膨張弁(67)が制御される。このため、第2冷却熱交換器(18)の低温側通路(18b)よりも第1冷却熱交換器(17)の低温側通路(17b)の方が温度の低い冷媒が流入する。
第1四路切換弁(31)は、第1ポート(P1)が吐出合流管(21)に、第2ポート(P2)が第2四路切換弁(32)の第4ポート(P4)に、第3ポート(P3)が庫外熱交換器(15)に、第4ポート(P4)が第1ガス側閉鎖弁(113)にそれぞれ接続されている。また、第2四路切換弁(32)は、第1ポート(P1)が吐出分岐管(97)に、第2ポート(P2)が第3吸入管(57c)に、第4ポート(P4)が第1四路切換弁(31)の第2ポート(P2)にそれぞれ接続されている。第2四路切換弁(32)の第3ポート(P3)は閉塞された閉鎖ポートに構成されている。また、第3四路切換弁(33)は、第1ポート(P1)が吐出合流管(21)に接続された高圧管(120)に、第2ポート(P2)が第2吸入管(57b)に、第3ポート(P3)が第2吸入分岐管(58b)に、第4ポート(P4)が第1吸入分岐管(58a)にそれぞれ接続されている。また、第4四路切換弁(34)は、第1ポート(P1)が高圧管(120)に、第2ポート(P2)が第3インジェクション管(30)に、第3ポート(P3)が第1注入分岐管(49a)に、第4ポート(P4)が第2注入分岐管(49b)にそれぞれ接続されている。
第1乃至第3の各四路切換弁(31,32,33)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)が互いに連通して第2ポート(P2)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)との間で切換自在に構成されている。
庫外ユニット(10)には、圧縮機構(40)、各庫外膨張弁(65〜67)、各電磁弁(SV1〜SV4)を制御するコントローラ(110)が設けられている。また、庫外ユニット(10)には、各種のセンサが設けられている。具体的に、吐出合流管(21)には、吐出圧力センサ(43)が設けられている。各吐出管(56)には、吐出温度センサ(48a,48b,48c)が設けられている。第1吸入管(57a)には、第1吸入圧力センサ(71a)及び第1吸入温度センサ(69a)が設けられている。第3吸入管(57c)には、第2吸入圧力センサ(71b)及び第2吸入温度センサ(69b)が設けられている。第2液管(25)には、第1液温度センサ(106)及び第2液温度センサ(107)が設けられている。第1インジェクション管(28)には第1中間圧温度センサ(108)が設けられている。第2インジェクション管(29)には第2中間圧温度センサ(109)が設けられている。また、庫外ファン(23)の近傍には、外気温度センサ(46)が設けられている。これらのセンサの検出値は、コントローラ(110)に入力される。
《室内ユニット》
室内回路(52)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、室内膨張弁(53)と室内熱交換器(54)とが設けられている。室内膨張弁(53)は、開度が調節可能な電子膨張弁により構成されている。また、室内熱交換器(54)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室内熱交換器(54)は、第1利用側熱交換器(54)を構成している。室内熱交換器(54)の近傍には、室内熱交換器(54)に室内空気を送る室内ファン(55)が設けられている。室内熱交換器(54)では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。
なお、室内ユニット(50)では、所定の条件が成立する場合のみ室内熱交換器(54)に付着した霜を融解させるための氷融解動作が行われる。所定の条件は、例えば室内熱交換器(54)の表面の温度を計測する熱交温度センサ(121)の検出値が所定値(例えば0℃)を下回るという条件である。氷融解動作では、室内膨張弁(53)が閉状態に設定されて、室内ファン(55)の運転が継続される。この室内ユニット(50)では、室内熱交換器(54)に霜が付着しないように室内膨張弁(53)の制御が行われるが、室内熱交換器(54)に霜が付着してしまった場合には、緊急時の動作として氷融解動作が行われる。
《冷蔵ユニット、冷凍ユニット》
第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、庫内膨張弁(63a,63b)と庫内熱交換器(64a,64b)とがそれぞれ設けられている。各庫内膨張弁(63a,63b)は、開度が調節可能な電子膨張弁により構成されている。各庫内熱交換器(64a,64b)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。各庫内熱交換器(64a,64b)は、第2利用側熱交換器(64)を構成している。各庫内熱交換器(64a,64b)の近傍には、庫内熱交換器(64a,64b)に庫内空気を送る庫内ファン(65a,65b)が設けられている。各庫内熱交換器(64a,64b)では、冷媒と庫内空気との間で熱交換が行われる。
なお、冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)では、庫内熱交換器(64)に付着した霜を融解させるための氷融解動作が定期的に(例えば3時間置きに)行われる。氷融解動作では、庫内膨張弁(63)が閉状態に設定されて、庫内ファン(65)の運転が継続される。なお、庫内熱交換器(64)に付着した氷の冷却に電気ヒータ等の加熱手段を用いてもよい。冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)では、冷媒の蒸発温度が低いので、運転に伴って庫内熱交換器(64)に霜が付着してゆく。このため、氷融解動作が定期的に行われる。
《ブースタユニット》
ブースタ回路(81)には、ブースタ圧縮機(86)が設けられている。ブースタ圧縮機(86)の吐出管(78)には、ブースタ圧縮機(86)側から順に、油分離器(87)、高圧圧力スイッチ(88)、逆止弁(CV15)が設けられている。油分離器(87)には、キャピラリーチューブ(91)が設けられた油戻し管(92)が接続されている。また、ブースタ回路(81)には、ブースタ圧縮機(86)をバイパスするバイパス管(95)が設けられている。バイパス管(95)には、逆止弁(CV14)が設けられている。
〈圧縮機の構成〉
各圧縮機(14a,14b,14c)の構成を図2及び図3に従って説明する。なお、各圧縮機(14a,14b,14c)は同じ構成であるため、ここでは第1圧縮機(14a)の構成について説明する。
第1圧縮機(14a)は、縦長で密閉容器状のケーシング(70)を備えている。ケーシング(70)の内部には、下から上へ向かって、電動機(85)と流体機械(82)とが配置されている。
電動機(85)は、ステータ(83)とロータ(84)とを備えている。ステータ(83)は、ケーシング(70)の胴部に固定されている。一方、ロータ(84)は、ステータ(83)の内側に配置され、クランク軸(90)が連結されている。
流体機械(82)は、可動スクロール(76)と固定スクロール(75)とを備えている。可動スクロール(76)は、略円板状の可動側鏡板(76b)と、渦巻き状の可動側ラップ(76a)とを備えている。可動側ラップ(76a)は可動側鏡板(76b)の前面(上面)に立設されている。また、可動側鏡板(76b)の背面(下面)には、クランク軸(90)の偏心部が挿入された円筒状の突出部(76c)が立設されている。可動スクロール(76)は、オルダムリング(79)を介して、可動スクロール(76)の下側に配置されたハウジング(77)に支持されている。一方、固定スクロール(75)は、略円板状の固定側鏡板(75b)と、渦巻き状の固定側ラップ(75a)とを備えている。固定側ラップ(75a)は固定側鏡板(75b)の前面(下面)に立設されている。流体機械(82)では、固定側ラップ(75a)と可動側ラップ(76a)とが互いに噛み合うことによって、両ラップ(75a,76a)の接触部の間に複数の圧縮室(73)が形成されている。
なお、本実施形態の各圧縮機(14)では、いわゆる非対称渦巻き構造が採用されており、固定側ラップ(75a)と可動側ラップ(76a)とで巻き数(渦巻きの長さ)が相違している。上記複数の圧縮室(73)は、固定側ラップ(75a)の内周面と可動側ラップ(76a)の外周面との間に構成される第1圧縮室(73a)と、固定側ラップ(75a)の外周面と可動側ラップ(76a)の内周面との間に構成される第2圧縮室(73b)とから構成されている。
流体機械(82)では、固定スクロール(75)の外縁部に吸入ポート(98)が形成されている。吸入ポート(98)には、ケーシング(70)の頂部を貫通する第1吸入管(57a)が接続されている。吸入ポート(98)は、可動スクロール(76)の公転運動に伴って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b)のそれぞれに間欠的に連通する。また、吸入ポート(98)には、圧縮室(73)から第1吸入管(57a)へ戻る冷媒の流れを禁止する吸入逆止弁が設けられている(図示省略)。
また、流体機械(82)では、固定側鏡板(75b)の中央部に吐出ポート(93)が形成されている。吐出ポート(93)は、可動スクロール(76)の公転運動に伴って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b)のそれぞれに間欠的に連通する。吐出ポート(93)は、固定スクロール(75)の上側に形成されたマフラー空間(96)に開口している。
また、流体機械(82)の固定側鏡板(75b)には、第2インジェクション管(29)が接続された中間圧ポート(99)が形成されている。中間圧ポート(99)は、固定側鏡板(75b)の中心と外周との間付近の位置において、固定側ラップ(75a)を跨ぐように形成されている。中間圧ポート(99)は、中間圧の第1圧縮室(73a)及び中間圧の第2圧縮室(73b)の両方に連通する。
ケーシング(70)内は、円盤状のハウジング(77)によって、上側の吸入空間(101)と下側の吐出空間(100)とに区画されている。吸入空間(101)は、図示しない連通ポートを通じて、吸入ポート(98)に連通している。吐出空間(100)は、固定スクロール(75)とハウジング(77)とに亘って形成された連絡通路(103)を通じて、マフラー空間(96)に連通している。運転中の吐出空間(100)は、吐出ポート(93)から吐出された冷媒がマフラー空間(96)を通じて流入するので、流体機械(82)で圧縮された冷媒で満たされる高圧空間になる。吐出空間(100)には、ケーシング(70)の胴部を貫通する第1吐出管(56a)が開口している。
また、ケーシング(70)の底部には、冷凍機油が貯留される油溜まりが形成されている。また、クランク軸(90)の内部には、油溜まりに開口する第1給油通路(104)が形成されている。また、可動側鏡板(76b)には、第1給油通路(104)に接続する第2給油通路(105)が形成されている。この圧縮機(14)では、油溜まりの冷凍機油が第1給油通路(104)及び第2給油通路(105)を通じて圧縮室(73)の低圧側に供給される。
−運転動作−
次に、冷凍装置(1)が行う運転動作について各運転毎に説明する。この冷凍装置(1)は、8種類の運転モードを設定可能に構成されている。具体的には、<i>室内ユニット(50)の冷房のみを行う冷房運転、<ii>室内ユニット(50)の暖房のみを行う暖房運転、<iii>冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)での庫内の冷却のみを行う冷蔵冷凍運転、<iv>冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)での庫内の冷却と共に室内ユニット(50)での冷房を行う第1冷却冷房運転、<v>第1冷却冷房運転時の室内ユニット(50)の冷房能力が不足した場合の第2冷却冷房運転、<vi>庫外熱交換器(15)を用いずに、冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)での庫内の冷却と室内ユニット(50)での暖房とを行う第1冷却暖房運転、<vii>第1冷却暖房運転で室内ユニット(50)の暖房能力が余るときに行う第2冷却暖房運転、そして<viii>第1冷却暖房運転で室内ユニット(50)の暖房能力が不足するときに行う第3冷却暖房運転が選択可能に構成されている。なお、この冷凍装置(1)では、第1冷却冷房運転及び第2冷却冷房運転が、本発明に係る冷却運転に相当する。
〈冷房運転〉
冷房運転では、図4に示すように、第1四路切換弁(31)及び第2四路切換弁(32)が共に第1状態に設定された状態で、第3圧縮機(14c)の運転が行われる。冷房運転では、冷房能力が不足する場合に、第2圧縮機(14b)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)が第2状態に設定されて、第2圧縮機(14b)は室内用圧縮機を構成する。第1圧縮機(14a)は常に停止している。
冷房運転中は、室内膨張弁(53)の開度が、例えば室内熱交換器(54)の出口の冷媒の過熱度が所定値(5℃)になるように過熱度制御される。この点は、以下の冷房を行う運転でも同じである。各庫内膨張弁(63)は閉状態に設定される。冷房運転では、庫外熱交換器(15)が凝縮器となって室内熱交換器(54)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、冷房運転では、第3圧縮機(14c)から吐出された冷媒が、庫外熱交換器(15)で凝縮し、レシーバ(16)を経て室内回路(52)に流入する。室内回路(52)では、流入した冷媒が、室内膨張弁(53)で減圧された後に、室内熱交換器(54)で室内空気から吸熱して蒸発する。冷媒によって冷却された室内空気は店内空間へ供給される。室内熱交換器(54)で蒸発した冷媒は、第3圧縮機(14c)に吸入されて再び吐出される。なお、室内熱交換器(54)での冷媒の蒸発温度は、例えば10℃に設定される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、図5に示すように、第1四路切換弁(31)が第2状態に設定されて第2四路切換弁(32)が第1状態に設定された状態で、第3圧縮機(14c)の運転が行われる。暖房運転では、暖房能力が不足する場合には、第2圧縮機(14b)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)は第2状態に設定される。第1圧縮機(14a)は常に停止している。
暖房運転中は、室内膨張弁(53)の開度が、例えば室内熱交換器(54)の出口の冷媒の過冷却度が所定値(5℃)になるようにサブクール制御される。この点は、以下の暖房を行う運転でも同じである。各庫内膨張弁(63)は閉状態に設定される。暖房運転では、室内熱交換器(54)が凝縮器となって庫外熱交換器(15)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、第3圧縮機(14c)から吐出された冷媒は、室内回路(52)に流入して、室内熱交換器(54)で室内空気に放熱して凝縮する。冷媒によって加熱された室内空気は店内空間へ供給される。室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒は、第3庫外膨張弁(65)で減圧された後に庫外熱交換器(15)で蒸発し、第3圧縮機(14c)に吸入されて再び吐出される。
〈冷蔵冷凍運転〉
冷蔵冷凍運転では、図6に示すように、第1四路切換弁(31)が第1状態に設定された状態で、第1圧縮機(14a)の運転が行われる。冷蔵冷凍運転では、庫内の冷却能力が不足する場合には、第2圧縮機(14b)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)が第1状態に設定されて、第2圧縮機(14b)は庫内用圧縮機を構成する。第3圧縮機(14c)は常に停止している。
冷蔵冷凍運転中は、各庫内膨張弁(63)の開度がそれぞれ過熱度制御される。この点は、以下の庫内の冷却を行う運転でも同じである。また、室内膨張弁(53)は閉状態に設定される。冷蔵冷凍運転では、庫外熱交換器(15)が凝縮器となって各庫内熱交換器(64)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、冷蔵冷凍運転では、第1圧縮機(14a)から吐出された冷媒が、庫外熱交換器(15)で凝縮する。そして、庫外熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、レシーバ(16)を経て、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)にそれぞれ分配される。
第1庫内回路(61a)では、流入した冷媒が、庫内膨張弁(63a)で減圧された後に、庫内熱交換器(64a)で庫内空気から吸熱して蒸発する。冷媒によって冷却された庫内空気は、冷蔵ショーケースの庫内へ供給される。また、第2庫内回路(61b)では、流入した冷媒が、庫内膨張弁(63b)で減圧された後に、庫内熱交換器(64b)で庫内空気から吸熱して蒸発する。冷媒によって冷却された庫内空気は、冷凍ショーケースの庫内へ供給される。庫内熱交換器(64b)で蒸発した冷媒は、ブースタ圧縮機(86)によって圧縮される。そして、庫内熱交換器(64a)で蒸発した冷媒と、ブースタ圧縮機(86)によって圧縮された冷媒とは、合流後に第1圧縮機(14a)に吸入されて再び吐出される。
なお、冷蔵冷凍運転では、庫内熱交換器(64a)での冷媒の蒸発温度が例えば−5℃に設定され、庫内熱交換器(64b)での冷媒の蒸発温度が例えば−30℃に設定される。
〈第1冷却冷房運転〉
第1冷却冷房運転では、図7に示すように、第1四路切換弁(31)及び第2四路切換弁(32)が共に第1状態に設定された状態で、第1圧縮機(14a)及び第3圧縮機(14c)の運転が行われる。第1冷却冷房運転では、庫内の冷却能力が不足する場合には、第2圧縮機(14b)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)が第1状態に設定されて、第2圧縮機(14b)は庫内用圧縮機を構成する。第1冷却冷房運転では、庫外熱交換器(15)が凝縮器となって室内熱交換器(54)及び各庫内熱交換器(64)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、第1冷却冷房運転では、第1圧縮機(14a)及び第3圧縮機(14c)から吐出された冷媒が、庫外熱交換器(15)で凝縮する。そして、庫外熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、レシーバ(16)を経て、第1庫内回路(61a)、第2庫内回路(61b)、及び室内回路(52)に分配される。
第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)に分配された冷媒は、冷蔵冷凍運転と同様の流れで流通し、第1圧縮機(14a)に吸入されて再び吐出される。室内回路(52)に分配された冷媒は、冷房運転と同様の流れで流通し、第3圧縮機(14c)に吸入されて再び吐出される。
なお、第1冷却冷房運転では、室内熱交換器(54)での冷媒の蒸発温度が例えば10℃に設定され、庫内熱交換器(64a)での冷媒の蒸発温度が例えば−5℃に設定され、庫内熱交換器(64b)での冷媒の蒸発温度が例えば−30℃に設定される。室内熱交換器(54)における冷媒の蒸発温度は、庫内熱交換器(64)における冷媒の蒸発温度よりも高い値に設定される。この点は、以下の第2冷却冷房運転でも同じである。冷却冷房運転では、図8に示すように、冷蔵及び冷凍側の冷凍サイクルの低圧圧力が、冷房側の冷凍サイクルの低圧圧力よりも低くなる。冷蔵及び冷凍側の冷凍サイクルの中間圧の圧力が、冷房側の冷凍サイクルの中間圧の圧力よりも低くなる。
〈第2冷却冷房運転〉
第2冷却冷房運転は、第1冷却冷房運転で冷房能力が不足する場合に、第3四路切換弁(33)を第2状態に切り換えることによって行われる。第2冷却冷房運転では、第2圧縮機(14b)が室内ユニット(50)側に切り換えられる。つまり、第2圧縮機(14b)は室内用圧縮機を構成する。第2冷却冷房運転時の設定は、第3四路切換弁(33)以外は、基本的に第1冷却冷房運転と同じである。
〈第1冷却暖房運転〉
第1冷却暖房運転では、図9に示すように、第1四路切換弁(31)が第2状態に設定されて第2四路切換弁(32)が第1状態に設定された状態で、第1圧縮機(14a)の運転が行われる。第1冷却暖房運転では、庫内の冷却能力が不足する場合に、第2圧縮機(14b)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)が第1状態に設定される。第1冷却暖房運転では、室内熱交換器(54)が凝縮器となって各庫内熱交換器(64)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。第1冷却暖房運転中は、冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(50)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスし、100%の熱回収が行われる。
具体的に、第1圧縮機(14a)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(54)で室内空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒は、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)にそれぞれ分配される。第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)に分配された冷媒は、冷蔵冷凍運転と同様の流れで流通し、第1圧縮機(14a)に吸入されて再び吐出される。
〈第2冷却暖房運転〉
第2冷却暖房運転は、第1冷却暖房運転の際に暖房能力が余っている場合に、図10に示すように、第2四路切換弁(32)を第2状態に切り換えることによって行われる。第2冷却暖房運転では、庫外熱交換器(15)が凝縮器として機能する。第2冷却暖房運転時の設定は、第2四路切換弁(32)以外は、基本的に第1冷却暖房運転と同じである。
第2冷却暖房運転では、第1圧縮機(14a)から吐出した冷媒の一部が、庫外熱交換器(15)に流入する。庫外熱交換器(15)では、流入した冷媒が庫外空気に放熱して凝縮する。庫外熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒と合流して、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)にそれぞれ分配される。第2冷却暖房運転では、冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(50)の暖房能力(凝縮熱量)とはバランスせずに、余る凝縮熱が庫外熱交換器(15)で放出される。
〈第3冷却暖房運転〉
第3冷却暖房運転は、第1冷却暖房運転の際に暖房能力が不足する場合に、図11に示すように、第2四路切換弁(32)を第1状態に設定した状態で、第3圧縮機(14c)の運転を行うことによって行われる。第3冷却暖房運転では、室内熱交換器(54)が凝縮器となって各庫内熱交換器(64)及び庫外熱交換器(15)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
第3冷却暖房運転では、室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒が、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)だけでなく、庫外熱交換器(15)側へ分配される。庫外熱交換器(15)に分配された冷媒は、第3庫外膨張弁(65)で減圧された後に庫外熱交換器(15)で蒸発して、第3圧縮機(14c)に吸入されて再び吐出される。第3冷却暖房運転では、冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(50)の暖房能力(凝縮熱量)とはバランスせずに、不足する蒸発熱が庫外熱交換器(15)で吸熱される。
〈インジェクション動作〉
本実施形態では、運転中に圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)に中間圧の冷媒を注入するインジェクション動作が行われる。以下では、庫内用圧縮機(14a,14b)と室内用圧縮機(14b,14c)の両方が運転しているときのインジェクション動作について説明する。
インジェクション動作では、第1庫外膨張弁(66)が開状態に設定される。第1庫外膨張弁(66)の開度は、第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)のうち中間圧ポート(99)が開口する圧縮室(73)の内圧よりも高い圧力になるように、コントローラ(110)によって制御される。なお、コントローラ(110)は、例えば第3圧縮機(14c)の吸入側の冷媒の圧力(具体的には、第2吸入圧力センサ(71b)の計測値)に基づいて、第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧を推測する。
第1庫外膨張弁(66)を開状態に設定すると、図12に示すように、第2液管(25)を流れる冷媒の一部が第1インジェクション管(28)に流入する。第1インジェクション管(28)では、流入した冷媒が第1庫外膨張弁(66)で減圧される。第1庫外膨張弁(66)では、第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)のうち中間圧ポート(99)が開口する圧縮室(73)の内圧よりも高い圧力に冷媒が減圧され、冷媒の温度が低下する。第1庫外膨張弁(66)で減圧された冷媒は、第2冷却熱交換器(18)において第2液管(25)を流れる冷媒と熱交換を行う。第2冷却熱交換器(18)では、第1インジェクション管(28)の冷媒が加熱されて蒸発する一方で、第2液管(25)を流れる冷媒が冷却されて過冷却状態になる。そして、第2冷却熱交換器(18)で蒸発した冷媒は、第3油戻し管(38c)の冷凍機油と合流してから、第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)に流入する。本実施形態では、各圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)に流入する冷媒に油滴が混じることで、冷媒が流入する際の音を低減させることができる。
また、インジェクション動作では、第2庫外膨張弁(67)が開状態に設定される。第2庫外膨張弁(67)の開度は、第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)のうち中間圧ポート(99)が開口する圧縮室(73)の内圧よりも高い圧力以下で、且つ、第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)のうち中間圧ポート(99)が開口する圧縮室(73)の内圧よりも高い圧力になるように、コントローラ(110)によって制御される。なお、コントローラ(110)は、例えば第1圧縮機(14a)の吸入側の冷媒の圧力(具体的には、第1吸入圧力センサ(71a)の計測値)に基づいて、第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)の内圧を推測する。第2庫外膨張弁(67)の開度は、第2庫外膨張弁(67)で減圧後の冷媒の圧力が第1インジェクション管(28)における第1庫外膨張弁(66)の下流の冷媒よりも低い圧力になるように制御される。
第2庫外膨張弁(67)を開状態に設定すると、第1インジェクション管(28)を流れる冷媒の一部が第2インジェクション管(29)に流入する。第2インジェクション管(29)では、流入した冷媒が第2庫外膨張弁(67)で減圧される。第2庫外膨張弁(67)では、第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)のうち中間圧ポート(99)が開口する圧縮室(73)の内圧よりも高い圧力に冷媒が減圧され、冷媒の温度が低下する。第2庫外膨張弁(67)で減圧された冷媒の温度は、第1庫外膨張弁(66)で減圧された冷媒よりも低くなる。第2庫外膨張弁(67)で減圧された冷媒は、第1冷却熱交換器(17)において第2液管(25)を流れる冷媒と熱交換を行う。第1冷却熱交換器(17)では、第2インジェクション管(29)の冷媒が加熱されて蒸発する一方で、第2液管(25)を流れる冷媒がさらに冷却され過冷却度が大きくなる。そして、第1冷却熱交換器(17)で蒸発した冷媒は、第1油戻し管(38a)の冷凍機油と合流してから、第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に流入する。
なお、インジェクション動作を行うことによって、第2冷却熱交換器(18)では、室内ユニット(50)、冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)に供給される冷媒が、例えば20℃の温度に冷却される。室内ユニット(50)に連通する第1分岐管(26)は第1冷却熱交換器(17)と第2冷却熱交換器(18)の間から分岐しているので、室内ユニット(50)には約20℃の冷媒が流入する。そして、室内ユニット(50)では、約20℃の冷媒が室内膨張弁(53)で減圧されて例えば10℃になり、その10℃の冷媒が室内熱交換器(54)に流入する。
さらに、インジェクション動作を行うことによって、第1冷却熱交換器(17)では、冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)に供給される冷媒が、例えば0℃の温度に冷却される。冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)には約0℃の冷媒が流入する。そして、冷蔵ユニット(60a)では、約0℃の冷媒が庫内膨張弁(63a)で減圧されて例えば−5℃になり、その−5℃の冷媒が庫内熱交換器(64a)に流入する。冷凍ユニット(60b)では、約0℃の冷媒が庫内膨張弁(63b)で減圧されて例えば−30℃になり、その−30℃の冷媒が庫内熱交換器(64b)に流入する。
また、本実施形態では、第2圧縮機(14b)が運転中であれば、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)にも中間圧の冷媒が注入される。第2圧縮機(14b)が室内用圧縮機を構成する場合には、第1インジェクション管(28)からの冷媒が注入される。一方、第2圧縮機(14b)が庫内用圧縮機を構成する場合には、第2インジェクション管(29)からの冷媒が注入される。
具体的に、第3四路切換弁(33)が第2状態に設定されて第1冷却冷房運転から第2冷却冷房運転へ切り換えられた場合には、図12に示すように、第4四路切換弁(34)は第2状態に設定される。この場合、第2圧縮機(14b)は室内用圧縮機を構成し、第2圧縮機(14b)の吸入側が室内熱交換器(54)に連通すると共に、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)が第1注入分岐管(49a)を通じて第1インジェクション管(28)に連通する。これにより、第1インジェクション管(28)を流れる中間圧の冷媒の一部が、第1注入分岐管(49a)を通じて第3インジェクション管(30)に流入して、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)に注入される。
また、第1冷却冷房運転中に、第3四路切換弁(33)が第1状態に設定された場合には、図13に示すように、第4四路切換弁(34)は第1状態に設定される。この場合、第2圧縮機(14b)は庫内用圧縮機を構成し、第2圧縮機(14b)の吸入側が庫内熱交換器(64)に連通すると共に、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)が第2注入分岐管(49b)を通じて第2インジェクション管(29)に連通する。これにより、第2インジェクション管(29)を流れる中間圧の冷媒の一部が、第2注入分岐管(49b)を通じて第3インジェクション管(30)に流入して、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)に注入される。この実施形態では、第2圧縮機(14b)が庫内用圧縮機として使用される場合には、第1庫外膨張弁(66)で減圧された冷媒と第2庫外膨張弁(67)で減圧された冷媒のうち圧力が低い方の冷媒が注入される。
なお、この冷凍装置(1)では、例えば冷房運転中など室内用圧縮機(14b,14c)だけが運転しているときには、室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)に中間圧の冷媒を注入するインジェクション動作が行われる。また、例えば冷蔵冷凍運転中など庫内用圧縮機(14a,14b)だけが運転しているときには、庫内用圧縮機(14a,14b)の中間圧の圧縮室(73)に中間圧の冷媒を注入するインジェクション動作が行われる。
−実施形態の効果−
本実施形態では、室内熱交換器(54)及び庫内熱交換器(64)のうち蒸発温度が低い方の庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒だけを冷却する第1冷却熱交換器(17)を設けているので、蒸発温度が高い方の室内熱交換器(54)における冷媒の蒸発温度に関係なく、第1冷却熱交換器(17)によって庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒が冷却される。このため、室内熱交換器(54)へ供給される冷媒の温度と庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒の温度とが概ね等しくなる従来の構成に比べて、庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒の温度を低下させることができる。従って、庫内熱交換器(64)における冷却能力を向上させることができ、冷凍装置(1)の運転効率を向上させることができる。
また、庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒の温度を低下させると、庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒の密度が高くなる(体積流量が減少する)。従って、庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒が減圧される際の圧力損失を低減させることができるので、このことによっても冷凍装置(1)の運転効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、蒸発温度が低い方の庫内熱交換器(64)へ供給する冷媒を第1冷却熱交換器(17)で冷却することができる。ここで、第1利用側熱交換器(54)に供給される冷媒の温度と、庫内熱交換器(64)に供給される冷媒の温度とが概ね等しくなる従来の構成であっても、室内熱交換器(54)における冷媒の蒸発温度による制限の範囲であれば、冷却手段によって冷媒を低い温度に冷却した方が、庫内熱交換器(64)における冷却能力が大きくなる。しかし、庫内熱交換器(64)における冷却能力を大きくすると、着霜を防止したい室内熱交換器(54)に霜が付着しやすくなるという問題が生じる。これに対して、本実施形態では、第1冷却熱交換器(17)によって庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒を冷却することができるので、第2冷却熱交換器(18)でそれほど低い温度にまで冷媒を冷却する必要がない。このため、室内熱交換器(54)における着霜を抑制することができる。
また、本実施形態では、第2液管(25)に第2冷却熱交換器(18)を設けることで、室内熱交換器(54)に第2冷却熱交換器(18)によって冷却された冷媒が供給されるようにしている。このため、第2冷却熱交換器(18)を設けない場合に比べて室内熱交換器(54)に供給される冷媒の温度を低下させることができるので、室内熱交換器(54)における冷却能力を向上させることができ、冷凍装置(1)の運転効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒が、第1冷却熱交換器(17)の低温側回路(17b)の冷媒及び第2冷却熱交換器(18)の低温側回路(18b)の冷媒のうち温度の高い方の冷媒から順番に熱交換を行う。このため、第1冷却熱交換器(17)及び第2冷却熱交換器(18)の両方で、庫内熱交換器(64)へ供給される冷却される側の冷媒と、低温側回路(17b,18b)の冷却する側の冷媒との間に、比較的大きな温度差を確保することができる。従って、第1冷却熱交換器(17)及び第2冷却熱交換器(18)の全体における熱交換効率が向上するので、庫内熱交換器(64)へ供給される冷媒の温度をさらに低下させることができ、庫内熱交換器(64)における冷却能力をさらに高めることができる。
−実施形態の変形例−
本実施形態の変形例について説明する。この変形例では、図14に示すように、第1冷却熱交換器(17)と第2冷却熱交換器(18)に加えて、第3冷却熱交換器(19)が設けられている。
具体的に、接続注入管(9)からは、第3インジェクション管(30)が分岐している。第3インジェクション管(30)は、接続注入管(9)に接続されている方とは逆端が、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)に接続されている。第3インジェクション管(30)には、開度可変の電子膨張弁により構成された第4庫外膨張弁(68)が設けられている。
また、第1インジェクション管(28)から分岐した第3分岐管(47)には、開度可変の電子膨張弁により構成された第5庫外膨張弁(72)が設けられている。第3分岐管(47)では、第5庫外膨張弁(72)に対して並列に、第5電磁弁(SV5)が設けられている。
第2分岐管(27)では、第1冷却熱交換器(17)が設けられた第1配管(27a)に対して並列に、第3冷却熱交換器(19)が設けられた第2配管(27b)が設けられている。つまり、第2分岐管(27)では、第1冷却熱交換器(17)に対して並列に第3冷却熱交換器(19)が設けられている。第3冷却熱交換器(19)は、第2配管(27b)と第3インジェクション管(30)に跨るように設けられている。
第3冷却熱交換器(19)では、第3インジェクション管(30)における第4庫外膨張弁(68)の下流の冷媒と第2配管(27b)を流れる冷媒との間で熱交換が行われる。第3冷却熱交換器(19)では、第4庫外膨張弁(68)によって減圧された中間圧の冷媒によって第2配管(27b)を流れる冷媒が冷却される。
なお、この変形例では、上記実施形態とは異なり、第3圧縮機(14c)が、運転容量が可変のインバータ圧縮機により構成されている。また、レシーバ(16)から延びるガス抜き管(48)が、第1吸入管(57a)に接続されている。
この変形例では、第2圧縮機(14b)の運転中のインジェクション動作の際には、第4庫外膨張弁(68)の開度が、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)のうち中間圧ポート(99)が開口する圧縮室(73)の内圧よりも高い圧力になるように、コントローラ(110)によって制御される。第2圧縮機(14b)が庫内用圧縮機を構成する場合には、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)の内圧は、室内用圧縮機を構成する第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)の内圧よりも低くなる。従って、第2圧縮機(14b)が庫内用圧縮機を構成する場合には、第1圧縮機(14a)と同様に、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)に比較的温度の低い冷媒が注入されるので、第2圧縮機(14b)の吐出冷媒の温度を効果的に抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)に接続する液側連絡配管(2b)において、冷蔵ユニット(60a)に接続する冷蔵側分岐管と、冷凍ユニット(60b)に接続する冷凍側分岐管とのうち、冷凍側分岐管のみに冷却熱交換器を設けてもよい。この場合、冷蔵ユニット(60a)と庫内熱交換器(64a)が第1利用側熱交換器を構成し、冷凍ユニット(60b)と庫内熱交換器(64b)が第2利用側熱交換器を構成する。
また、上記実施形態について、第1分岐管(26)に第1冷却熱交換器(17)を設けない構成であってもよい。この場合、室内用圧縮機(14b,14c)の中間圧の圧縮室(73)には、第1インジェクション管(28)を通じて、湿り度が高い中間圧の冷媒が注入される。また、第1分岐管(26)に第2冷却熱交換器(18)を設けない構成であってもよい。この場合、庫内用圧縮機(14a,14b)の中間圧の圧縮室(73)には、第2インジェクション管(29)を通じて、湿り度が高い中間圧の冷媒が注入される。
また、上記実施形態について、圧縮機構(40)が、第1圧縮機(14a)と第2圧縮機(14b)の2台の圧縮機から構成されていてもよい。この場合、第1圧縮機(14a)が庫内専用の圧縮機を構成し、第2圧縮機(14b)が兼用圧縮機を構成する。
また、上記実施形態について、圧縮機(14)が対称渦巻き構造の圧縮機であってもよいし、圧縮機(14)がスクロール圧縮機以外の圧縮機であってもよい。
また、上記実施形態について、第1分岐管(26)が、第2冷却熱交換器(18)とレシーバ(16)の間から分岐していてもよい。この場合、冷房運転時に室内熱交換器(54)に供給される冷媒の温度が上記実施形態に比べて高くなるので、さらに室内熱交換器(54)に霜が付着することを抑制することができる。
また、上記実施形態について、第1液側連絡配管(2a)における室内回路(52)とは逆端が、第2液側連絡配管(2b)に接続されていてもよい。この場合、第1分岐管(26)は設けない。
また、上記実施形態について、冷凍装置(1)が、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高い値に設定される超臨界サイクルを行うように構成されていてもよい。この場合、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも低い値に設定される通常の冷凍サイクルでは凝縮器となる熱交換器が、ガスクーラとして動作する。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。