JP3855683B2 - 冷凍装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍装置に関し、特に、空調熱交換器と冷却熱交換器とを備えた冷凍装置に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、冷凍サイクルを行う冷凍装置が知られており、室内を冷暖房する空調機や、食品等を貯蔵する冷蔵庫等の冷却機として広く利用されている。この冷凍装置には、ＷＯ９８／４５６５１に開示されているように、空調と冷蔵の両方を行うものがある。この種の冷凍装置は、例えば、空調熱交換器及び冷蔵熱交換器などの複数の利用側熱交換器を備え、コンビニエンスストア等に設置されている。この冷凍装置は、１つの冷凍装置を設置するだけで、店内の空調とショーケース等の冷却との両方を行うことができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の冷凍装置は、空調熱交換器の冷房時に、圧縮機の吐出側が室外熱交換器に連通する一方、圧縮機の吸込側が複数の各利用側熱交換器に連通する。
【０００４】
しかしながら、上記冷凍装置においては、空調熱交換器の冷房時に、複数の利用側熱交換器が共通して圧縮機の吸込側に連通するので、何れの利用側熱交換器においても低圧冷媒圧力が同一圧力となる。つまり、何れの利用側熱交換器においても蒸発温度が等しくなる。
【０００５】
この結果、冷凍装置のＣＯＰ（成績係数）が悪いという問題があった。つまり、例えば、空調熱交換器における冷房に必要な蒸発温度と、冷蔵熱交換器における冷却に必要な蒸発温度とは異なる。したがって、空調熱交換器の蒸発温度は、冷蔵熱交換器の蒸発温度に比して高くてもよいにも拘わらず、低温となる。この結果、上記空調熱交換器及び冷蔵熱交換器が最適な状態で使用されていないという問題があった。
【０００６】
本発明は、斯かる点に鑑みて成されたもので、装置全体のＣＯＰの向上を図ることを目的とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
具体的に、図１に示すように、第１の発明は、第１系統の圧縮機（232）と第２系統の圧縮機（231）とを備えて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置を対象としている。そして、上記第１系統の圧縮機（232）と第２系統の圧縮機（231）との吐出側は、高圧ガスライン（221）を介して熱源側熱交換器（233）の一端に接続されている。更に、上記熱源側熱交換器（233）の他端は、室内を空調する空調熱交換器（234）の一端と庫内を冷却する冷却熱交換器（235）の一端とに液ライン（222）を介して分岐接続されている。該液ライン（222）の分岐部（222b，222c）には、上記空調熱交換器（234）及び冷却熱交換器（235）の出口冷媒の過熱度制御を行う膨張機構（236，237）が設けられている。加えて、上記空調熱交換器（ 234 ）の蒸発温度が上記冷却熱交換器（ 235 ）の蒸発温度より高くなるように、上記空調熱交換器（234）の他端が第２の低圧ガスライン（223）を介して第２系統の圧縮機（231）の吸込側に接続され、上記冷却熱交換器（235）の他端が第１の低圧ガスライン（24）を介して第１系統の圧縮機（232）の吸込側に接続されている。その上、上記第１の低圧ガスライン（224）と第２の低圧ガスライン（223）との間には、開閉機構（226）を有する補助ライン（225）が接続されている。上記補助ライン（ 225 ）の開閉機構（ 226 ）は、上記空調熱交換器（ 234 ）の冷房能力が不足すると、第１系統の圧縮機（ 232 ）が冷却熱交換器（ 235 ）の冷媒と空調熱交換器（ 234 ）の冷媒の一部とを吸引すると同時に、第２系統の圧縮機（ 231 ）が空調熱交換器（ 234 ）の残りの冷媒を吸引するように開口する。
【０００８】
すなわち、第１の発明では、第１系統の圧縮機（232）及び第２系統の圧縮機（231）が共に駆動すると、該第１系統の圧縮機（232）及び第２系統の圧縮機（231）とから吐出した高圧冷媒は、高圧ガスライン（221）で合流した後、熱源側熱交換器（233）に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、液ライン（222）を流れ、それぞれ分流し、膨張した後、空調熱交換器（234）と冷却熱交換器（235）に流れる。上記液冷媒は、空調熱交換器（234）において室内空気と熱交換して蒸発し、一方、冷却熱交換器（235）において庫内空気と熱交換して蒸発する。
【０００９】
そして、上記空調熱交換器（234）において蒸発したガス冷媒は、第２の低圧ガスライン（223）を流れて第２系統の圧縮機（231）に戻る。一方、上記冷却熱交換器（235）において蒸発したガス冷媒は、第１の低圧ガスライン（224）を流れて第１系統の圧縮機（232）に戻る。この冷媒循環動作を繰り返し、室内の冷房と、庫内の冷却とを行う。
【００１０】
この動作において、上記冷却熱交換器（235）において蒸発したガス冷媒と、空調熱交換器（234）において蒸発したガス冷媒とは、それぞれ別個に第１系統の圧縮機（232）と第２系統の圧縮機（231）とに吸引されるので、低圧冷媒圧力が空調熱交換器（234）と冷却熱交換器（235）とでは異なることになる。つまり、上記空調熱交換器（234）の冷媒蒸発温度と冷却熱交換器（235）の冷媒蒸発温度とでは異り、上記空調熱交換器（234）の冷媒蒸発温度が高く、冷却熱交換器（235）の冷媒蒸発温度が低く、いわゆる２温度蒸発の運転が行われる。
【００１１】
また、上記空調熱交換器（234）の冷房負荷が大きなり、該冷房能力が不足すると、開閉機構（226）を開く。この開閉機構（226）が開口すると、容量が大きい第１系統の圧縮機（232）が空調熱交換器（234）の冷媒の一部を吸引する。この結果、上記空調熱交換器（234）の蒸発温度が低下し、該空調熱交換器（234）の冷房能力が向上する。
【００１２】
また、上記第２系統の圧縮機（231）が異常停止した場合、開閉機構（226）を開く。この開閉機構（226）が開口すると、第１系統の圧縮機（232）によって冷却熱交換器（235）の冷却動作と空調熱交換器（234）の冷房動作とが行われる。また、第１系統の圧縮機（232）が異常停止した場合にも開閉機構（226）を開く。この開閉機構（226）が開口すると、第２系統の圧縮機（231）によって空調熱交換器（234）の冷房動作と冷却熱交換器（235）の冷却動作とが行われる。
【００１３】
また、第２の発明は、先ず、
第１系統の圧縮機構（2D）及び第２系統の圧縮機構（2E）と、熱源側熱交換器（4）と、膨張機構（42，46）と、室内を空調する空調熱交換器（41）と、庫内を冷却する冷却熱交換器（45）とが接続されて冷媒が循環する冷媒回路（1E）が構成されたものである。そして、上記空調熱交換器（41）の一端は、第２の低圧ガスライン（1M）を介して第２系統の圧縮機構（2D）の吸込側に接続され、上記冷却熱交換器（45）の一端は、第１の低圧ガスライン（1N）を介して第１系統の圧縮機構（2E）の吸込側に接続されている。一方、上記冷媒回路（1E）は、上記第２系統の圧縮機構（2E）から吐出した冷媒が熱源側熱交換器（4）、膨張機構（42）及び空調熱交換器（41）を順に経て第２系統の圧縮機構（2E）に戻る循環を行う冷房運転と、上記第１系統の圧縮機構（2D）から吐出した冷媒が熱源側熱交換器（4）、膨張機構（46）及び冷却熱交換器（45）を順に経て第１系統の圧縮機構（2D）に戻る循環を行う冷凍運転と、上記第１系統の圧縮機構（2D）及び第２系統の圧縮機構（2E）から吐出した冷媒が合流して熱源側熱交換器（4）を流れた後、分流して空調熱交換器（41）及び冷却熱交換器（45）に膨張機構（42，46）を介して流れ、第１系統の圧縮機構（2D）及び第２系統の圧縮機構（2E）にそれぞれ個別に戻る循環を行って上記空調熱交換器（ 41 ）の蒸発温度が上記冷却熱交換器（ 45 ）の蒸発温度より高くなる異温度蒸発の冷房冷凍運転とを少なくとも選択的に行うように構成されている。加えて、上記膨張機構（42，46）は、空調熱交換器（41）及び冷却熱交換器（45）の出口冷媒の過熱度制御を行うように構成される一方、上記第１の低圧ガスライン（1M）と第２の低圧ガスライン（1N）との間には、開閉機構（7b）を有する補助ライン（21）が接続されている。上記補助ライン（ 21 ）の開閉機構（ 7b ）は、上記冷房冷凍運転時における空調熱交換器（ 41 ）の冷房能力が不足すると、第１系統の圧縮機構（ 2D ）が冷却熱交換器（ 45 ）の冷媒と空調熱交換器（ 41 ）の冷媒の一部とを吸引すると同時に、第２系統の圧縮機構（ 2E ）が空調熱交換器（ 41 ）の残りの冷媒を吸引するように開口する。
【００１４】
また、第３の発明は、上記第２の発明において、上記開閉機構（7b）は、空調熱交換器（41）が空調する室内の温度と、第１系統の圧縮機構（2D）及び第２系統の圧縮機構（2E）の能力と、冷媒回路（1E）の低圧冷媒圧力とに基づいて空調熱交換器（41）の冷房能力の不足を判定し、該冷房能力が不足した場合に開口する構成としている。
【００１５】
また、第４の発明は、上記第３の発明において、上記開閉機構（7b）は、室内温度が設定温度より所定温度より高い条件と、上記第２系統の圧縮機構（2E）の能力が最大である条件と、上記第１系統の圧縮機構（2D）の能力が最大でない条件と、上記第１系統の圧縮機構（2D）の低圧冷媒圧力が所定圧力より低い条件とを充足した場合に開口する構成としている。
【００１６】
また、第５の発明は、上記第２の発明において、複数の冷却熱交換器（45，51）のうち少なくとも１台の冷却熱交換器が冷凍熱交換器（51）に構成され、該冷凍熱交換器（51）のガス側は、第１系統の圧縮機構（2E）を高段側圧縮機として冷媒を２段圧縮するための冷凍圧縮機（53）が接続されたものである。
【００１７】
すなわち、第２の本発明では、冷房運転と冷凍運転と冷房冷凍運転とを少なくとも切り換えて行う。そして、上記冷房冷凍運転時において、空調熱交換器（41）で蒸発したガス冷媒は、第２の低圧ガスライン（1N）を流れて第２系統の圧縮機構（1E）に戻る。また、上記冷却熱交換器（45）で蒸発したガス冷媒は、第１の低圧ガスライン（1M）を流れて第１系統の圧縮機構（1D）に戻る。この冷媒循環動作を繰り返し、室内の冷房と、庫内の冷却とを行う。
【００１８】
この冷房冷凍において、上記空調熱交換器（41）において蒸発したガス冷媒と、冷却熱交換器（45）において蒸発したガス冷媒とは、それぞれ別個に第２系統の圧縮機構（1E）と第１系統の圧縮機構（1D）とに吸引されるので、低圧冷媒圧力が空調熱交換器（41）と冷却熱交換器（45）とでは異なることになる。つまり、上記空調熱交換器（41）の冷媒蒸発温度と冷却熱交換器（45）の冷媒蒸発温度とでは異り、上記空調熱交換器（41）の冷媒蒸発温度が高く、冷却熱交換器（45）の冷媒蒸発温度が低く、いわゆる２温度蒸発の運転が行われる。
【００１９】
また、上記空調熱交換器（41）の冷房負荷が大きなり、該冷房能力が不足すると、開閉機構（7b）を開く。この開閉機構（7b）が開口すると、容量が大きい第１系統の圧縮機構（1D）が空調熱交換器（41）の冷媒の一部を吸引する。この結果、上記空調熱交換器（41）の蒸発温度が低下し、該空調熱交換器（41）の冷房能力が向上する。
【００２０】
また、第５の発明では、上記冷凍圧縮機（53）を駆動すると、冷凍熱交換器（51）の冷媒蒸発温度が更に低下する。この結果、３温度蒸発の運転が行われ、冷却対象に合った最適な蒸発温度が維持される。
【００２１】
【発明の効果】
したがって、本発明によれば、空調熱交換器（234，41）と冷却熱交換器（235，45）とにおいて冷媒が異温度蒸発するようにしたために、ＣＯＰ（成績係数）の向上を図ることができる。つまり、上記空調熱交換器（234，41）における冷房に必要な蒸発温度と、上記冷却熱交換器（235，45）における冷却に必要な蒸発温度とにそれぞれ最適状態することができるので、ＣＯＰの向上を図ることができる。
【００２２】
また、補助ライン（225，21）を設けるようにしたために、冷房能力が不足する場合、第２系統の圧縮機（231）又は第２の圧縮機構（1E）によって冷房能力の不足を補うことができる。この結果、快適性の向上を図ることができる。
【００２３】
また、上記第１系統の圧縮機（232）又は第２系統の圧縮機（231）が故障した場合、他方の第２系統の圧縮機（231）又は第１系統の圧縮機（232）で補うことができるので、故障による快適性の低下を抑制することができ、また、庫内の商品の傷みを抑制することができる。
【００２４】
【発明の実施の形態１】
以下、本発明の実施形態１を図面に基づいて詳細に説明する。
【００２５】
図１に示すように、本実施形態に係る冷凍装置（210）は、コンビニエンスストアに設けられて、ショーケースの冷却と店内の冷房の双方を行うためのものである。
【００２６】
上記冷凍装置（210）は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路（220）を備えている。該冷媒回路（220）は、第１系統の１台の第１圧縮機（232）と第２系統の１台の第２圧縮機（231）との２系統の圧縮機を備えると共に、室外熱交換器（233）と、空調熱交換器（234）及び冷却熱交換器（235）の複数の利用側熱交換器とを備えている。
【００２７】
上記第１圧縮機（232）及び第２圧縮機（231）は、何れも密閉型で高圧ドーム型のスクロール圧縮機である。該第１圧縮機（232）及び第２圧縮機（231）は、図示しないが、圧縮手段と該圧縮手段を駆動する電動機とを、円筒状のハウジングに収納して構成されている。そして、上記第１圧縮機（232）及び第２圧縮機（231）は、電動機の回転数が段階的に又は連続的に変更する容量可変の圧縮機に構成されている。
【００２８】
上記第１圧縮機（232）と第２圧縮機（231）との吐出側は、それぞれ１本の高圧ガスラインである高圧ガス管（221）に接続されている。該高圧ガス管（221）は、室外熱交換器（233）のガス側端部に接続されている。
【００２９】
上記室外熱交換器（233）は、熱源側熱交換器であって、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。該室外熱交換器（233）は、冷媒回路（220）を循環する冷媒と室外空気とが熱交換を行うように構成されている。尚、上記室外熱交換器（233）には、室外ファン（233F）が設けられている。
【００３０】
上記室外熱交換器（233）の液側端部には、液ラインでる液管（222）に接続されている。該液管（222）は、主管（222a）と２本の分岐管（222b，222c）とによって構成されている。そして、上記主管（222a）の一端が上記室外熱交換器（233）の液側端部に接続され、該主管（222a）の他端には２本の分岐管（222b，222c）が接続されている。
【００３１】
上記一方の分岐管（222b）は、空調熱交換器（234）の液側端部に接続され、他方の分岐管（222c）は、冷却熱交換器（235）の液側端部に接続されている。そして、上記各分岐管（222b，222c）には、膨張機構である膨張弁（236，237）が設けられている。
【００３２】
上記空調熱交換器（234）は、コンビニエンスストアの店内である室内を冷房する利用側熱交換器であって、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。該空調熱交換器（234）は、冷媒回路（220）を循環する冷媒と店内の室内空気とが熱交換を行うように構成されている。尚、上記空調熱交換器（234）には、空調ファン（234F）が設けられている。
【００３３】
上記冷却熱交換器（235）は、コンビニエンスストアのショーケース内である庫内を冷却する利用側熱交換器であって、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。該冷却熱交換器（235）は、冷媒回路（220）を循環する冷媒とショーケースの内部空気である庫内空気とが熱交換を行うように構成されている。尚、上記冷却熱交換器（235）には、冷却ファン（235F）が設けられている。
【００３４】
上記冷却熱交換器（235）のガス側端部には、第１の低圧ガスラインである第１低圧ガス管（224）の一端が接続される一方、上記空調熱交換器（234）のガス側端部には、第２の低圧ガスラインである第２低圧ガス管（222）の一端が接続されている。
【００３５】
上記第１低圧ガス管（224）の他端は、第１圧縮機（232）の吸込側に接続され、上記第２低圧ガス管（223）の他端は、第２圧縮機（231）の吸込側に接続されている。つまり、上記空調熱交換器（234）と冷却熱交換器（235）とは、それぞれ別個に第２圧縮機（231）の低圧側と第１圧縮機（232）の低圧側とに接続され、低圧冷媒圧力が異なるように構成されている。
【００３６】
具体的に、上記空調熱交換器（234）の蒸発温度は高く、上記冷却熱交換器（235）の蒸発温度は低くなるように第１圧縮機（232）と第２圧縮機（231）が駆動し、上記冷媒回路（220）は、空調熱交換器（234）と冷却熱交換器（235）とにおいて冷媒が異温度蒸発するように構成されている。
【００３７】
上記第１低圧ガス管（224）と第２低圧ガス管（223）との間には、補助ラインである補助ガス管（225）が接続されている。該補助ガス管（225）には、開閉機構である開閉弁（226）が設けられている。上記開閉弁（226）は、通常時には閉鎖されているが、空調熱交換器（234）における冷房能力が不足した場合、又は第２圧縮機（231）若しくは第１圧縮機（232）が異常によって停止した場合、開口するように構成されている。
【００３８】
−作用−
次に、上述したれ冷凍装置（210）の運転動作について説明する。
【００３９】
先ず、上記空調熱交換器（234）の冷房運転及び冷却熱交換器（235）の冷却運転が同時に行われている場合から説明する。この際、開閉弁（226）は閉鎖している。
【００４０】
上記第１圧縮機（232）及び第２圧縮機（231）が共に駆動する。該第１圧縮機（232）及び第２圧縮機（231）から吐出した高圧冷媒は、高圧ガス管（221）で合流した後、室外熱交換器（233）に流れ、室外空気と熱交換して凝縮する。凝縮した液冷媒は、液管（222）を流れ、それぞれ分岐管（222b，222c）に分流し、膨張弁（236，237）で膨張した後、空調熱交換器（234）と冷却熱交換器（235）に流れる。該空調熱交換器（234）において、店内の室内空気と熱交換して蒸発し、一方、冷却熱交換器（235）において、ショーケースの庫内空気と熱交換して蒸発する。
【００４１】
そして、上記空調熱交換器（234）において蒸発したガス冷媒は、第２低圧ガス管（223）を流れて第２圧縮機（231）に戻る。一方、上記冷却熱交換器（235）において蒸発したガス冷媒は、第１低圧ガス管（224）を流れて第１圧縮機（232）に戻る。この冷媒循環動作を繰り返し、店内の冷房と、ショーケース内の冷却とを行う。
【００４２】
この動作において、上記空調熱交換器（234）において蒸発したガス冷媒と、冷却熱交換器（235）において蒸発したガス冷媒とは、それぞれ別個に第２圧縮機（231）と第１圧縮機（232）とに吸引されるので、低圧冷媒圧力が空調熱交換器（234）と冷却熱交換器（235）とでは異なることになる。つまり、上記第２圧縮機（231）の容量は小さく、第１圧縮機（232）の容量が大きく運転される。この結果、上記空調熱交換器（234）の冷媒蒸発温度と冷却熱交換器（235）の冷媒蒸発温度とでは異り、上記空調熱交換器（234）の冷媒蒸発温度が高く、冷却熱交換器（235）の冷媒蒸発温度が低く、いわゆる２温度蒸発の運転が行われる。
【００４３】
また、上記の運転時において、上記空調熱交換器（234）の冷房負荷が大きなり、該冷房能力が不足すると、開閉弁（226）を開く。この開閉弁（226）が開口すると、容量が大きい第１圧縮機（232）が空調熱交換器（234）の冷媒の一部を吸引する。この結果、上記空調熱交換器（234）の蒸発温度が低下し、該空調熱交換器（234）の冷房能力が向上する。
【００４４】
また、上記第２圧縮機（231）が異常停止した場合、開閉弁（226）を開く。この開閉弁（226）が開口すると、１台の第１圧縮機（232）によって冷却熱交換器（235）の冷却動作と空調熱交換器（234）の冷房動作とが行われる。また、第１圧縮機（232）が異常停止した場合にも開閉弁（226）を開く。この開閉弁（226）が開口すると、１台の第２圧縮機（231）によって空調熱交換器（234）の冷房動作と冷却熱交換器（235）の冷却動作とが行われる。
【００４５】
尚、上記空調熱交換器（234）の冷房運転のみを行う場合、第１圧縮機（232）を停止させて第２圧縮機（231）のみ駆動する。その際、冷却熱交換器（235）の膨張弁（237）を閉鎖すると共に、開閉弁（226）は閉鎖している。
【００４６】
そして、上記第２圧縮機（231）から吐出した高圧冷媒は、室外熱交換器（233）に流れ、室外空気と熱交換して凝縮する。凝縮した液冷媒は、液管（222）を流れ、膨張弁（236）で膨張した後、空調熱交換器（234）に流れる。該空調熱交換器（234）において、店内の室内空気と熱交換して蒸発し、第２低圧ガス管（223）を流れて第２圧縮機（231）に戻る。この冷媒循環動作を繰り返す。
【００４７】
上記冷却熱交換器（235）の冷却運転のみを行う場合、第２圧縮機（231）を停止させて第１圧縮機（232）のみ駆動する。その際、空調熱交換器（234）の膨張弁（236）を閉鎖すると共に、開閉弁（226）は閉鎖している。
【００４８】
そして、上記第１圧縮機（232）から吐出した高圧冷媒は、室外熱交換器（233）に流れ、室外空気と熱交換して凝縮する。凝縮した液冷媒は、液管（222）を流れ、膨張弁（237）で膨張した後、冷却熱交換器（235）に流れる。該冷却熱交換器（235）において、ショーケースの庫内空気と熱交換して蒸発し、第１低圧ガス管（224）を流れて第１圧縮機（232）に戻る。この冷媒循環動作を繰り返す。
【００４９】
−実施形態１の効果−
以上のように、本実施形態によれば、空調熱交換器（234）と冷却熱交換器（235）とにおいて冷媒が異温度蒸発するようにしたために、ＣＯＰ（成績係数）の向上を図ることができる。つまり、空調熱交換器（234）における冷房に必要な蒸発温度と、冷蔵熱交換器における冷却に必要な蒸発温度とにそれぞれ最適状態することができるので、ＣＯＰの向上を図ることができる。
【００５０】
また、上記補助ガス管（225）を設けるようにしたために、冷房能力が不足する場合、第１圧縮機（232）によって冷房能力の不足を補うことができる。この結果、快適性の向上を図ることができる。
【００５１】
また、上記第２圧縮機（231）又は第１圧縮機（232）が故障した場合、他方の第１圧縮機（232）又は第２圧縮機（231）で補うことができるので、故障による快適性の低下を抑制することができ、また、ショーケース内の商品の傷みを抑制することができる。
【００５２】
【発明の実施の形態２】
次に、本発明の実施形態２を図面に基づいて詳細に説明する。
【００５３】
図２に示すように、本実施形態に係る冷凍装置（1）は、コンビニエンスストアに設けられ、庫内であるショーケースの冷却と室内である店内の冷暖房とを行うためのものである。
【００５４】
上記冷凍装置（1）は、室外ユニット（1A）と室内ユニット（1B）と冷蔵ユニット（1C）と冷凍ユニット（1D）とを有し、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路（1E）を備えている。そして、上記冷媒回路（1E）は、冷房サイクルと暖房サイクルとに切り換わるように構成されている。
【００５５】
上記室内ユニット（1B）は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うように構成され、例えば、売場などに設置される。また、上記冷蔵ユニット（1C）は、冷蔵用のショーケースに設置されて該ショーケースの庫内空気を冷却する。上記冷凍ユニット（1D）は、冷凍用のショーケースに設置されて該ショーケースの庫内空気を冷却する。
【００５６】
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット（1A）は、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）と第２インバータ圧縮機（2C）とを備えると共に、第１四路切換弁（3A）及び第２四路切換弁（3B）と熱源側熱交換器である室外熱交換器（4）とを備えている。
【００５７】
上記各圧縮機（2A，2B，2C）は、例えば、密閉型の高圧ドーム型スクロール圧縮機で構成されている。上記ノンインバータ圧縮機（2A）は、電動機が常に一定回転数で駆動する一定容量式のものである。上記第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）は、電動機がインバータ制御されて容量が段階的又は連続的に可変となるように構成されている。
【００５８】
本発明の特徴として、上記ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）と第２インバータ圧縮機（2C）とが第１系統の圧縮機構（2D）と第２系統の圧縮機構（2E）を構成している。つまり、上記ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）とが第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第２インバータ圧縮機（2C）が第２系統の圧縮機構（2E）を構成する場合と、上記ノンインバータ圧縮機（2A）が第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第１インバータ圧縮機（2B）と第２インバータ圧縮機（2C）とが第２系統の圧縮機構（2E）を構成する場合とがある。要するに、本発明は、第１系統の圧縮機と第２系統の圧縮機とによって構成されている。
【００５９】
上記ノンインバータ圧縮機（2A）、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）の各吐出管（5a，5b，5c）は、１つの高圧ガス管（8）に接続され、該高圧ガス管（8）が第１四路切換弁（3A）の１つのポートに接続されている。上記ノンインバータ圧縮機（2A）の吐出管（5a）及び第２インバータ圧縮機（2C）の吐出管（5c）には、逆止弁（7）が設けられている。
【００６０】
上記室外熱交換器（4）のガス側端部は、室外ガス管（9）によって第１四路切換弁（3A）の１つのポートに接続されている。上記室外熱交換器（4）の液側端部には、液ラインである液管（10）の一端が接続されている。該液管（10）の途中には、レシーバ（14）が設けられ、液管（10）の他端は、第１連絡液管（11）と第２連絡液管（12）とに分岐されている。
【００６１】
尚、上記室外熱交換器（4）は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、熱源ファンである室外ファン（4F）が近接して配置されている。
【００６２】
上記ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）の各吸入管（6a，6b）は、低圧ガス管（15）に接続されている。上記第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）は、第２四路切換弁（3B）の１つのポートに接続されている。
【００６３】
上記第１四路切換弁（3A）の１つのポートには、連絡ガス管（17）が接続されている。上記第１四路切換弁（3A）の１つのポートは、接続管（18）によって第２四路切換弁（3B）の１つのポートに接続されている。該第２四路切換弁（3B）の１つのポートは、補助ガス管（19）によって第２インバータ圧縮機（2C）の吐出管（5c）に接続されている。尚、上記第２四路切換弁（3B）の１つのポートは、閉塞された閉鎖ポートに構成されている。つまり、上記第２四路切換弁（3B）は、三路切換弁であってもよい。
【００６４】
上記第１四路切換弁（3A）は、高圧ガス管（8）と室外ガス管（9）とが連通し且つ接続管（18）と連絡ガス管（17）とが連通する第１状態（図１実線参照）と、高圧ガス管（8）と連絡ガス管（17）とが連通し、且つ接続管（18）と室外ガス管（9）とが連通する第２状態（図１破線参照）とに切り換わるように構成されている。
【００６５】
また、上記第２四路切換弁（3B）は、補助ガス管（19）と閉鎖ポートとが連通し、且つ接続管（18）と第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）とが連通する第１状態（図１実線参照）と、補助ガス管（19）と接続管（18）とが連通し、且つ接続管（18）と閉塞ポートとが連通する第２状態（図１破線参照）とに切り換わるように構成されている。
【００６６】
そして、上記各吐出管（5a，5b，5c）と高圧ガス管（8）と室外ガス管（9）とが冷房運転時の高圧ガスライン（1L）を構成している。一方、上記低圧ガス管（15）と第１系統の圧縮機構（2D）の各吸入管（6a，6b）が第１の低圧ガスライン（1M）を構成している。また、上記連絡ガス管（17）と第２系統の圧縮機構（2E）の吸入管（6c）が冷房運転時の第２の低圧ガスライン（1N）を構成している。
【００６７】
上記第１連絡液管（11）と第２連絡液管（12）と連絡ガス管（17）と低圧ガス管（15）とは、室外ユニット（1A）から外部に延長され、室外ユニット（1A）内に閉鎖弁（20）がそれぞれ設けられている。更に、上記第２連絡液管（12）の分岐側端部は、逆止弁（7）が室外ユニット（1A）内に設けられ、レシーバ（14）から閉鎖弁（20）に向かって冷媒が流れるように構成されている。
【００６８】
上記低圧ガス管（15）と第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）との間には、補助ラインである連通管（21）が接続されている。該連通管（21）は、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）と第２インバータ圧縮機（2C）との吸入側を互いに連通可能にしている。上記連通管（21）は、主管（22）と該主管（22）から分岐された第１副管（23）及び第２副管（24）とを備えている。そして、上記主管（22）は、第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）に接続されている。上記第１副管（23）及び第２副管（24）は、低圧ガス管（15）に接続されている。
【００６９】
上記第１副管（23）及び第２副管（24）は、開閉機構である電磁弁（7a，7b）と逆止弁（7）とがそれぞれ設けられている。つまり、上記第１副管（23）は、第１系統の圧縮機構（2D）のノンインバータ圧縮機（2A）又は第１インバータ圧縮機（2B）から第２系統の圧縮機構（2E）である第２インバータ圧縮機（2C）に向かって冷媒が流れるように構成されている。上記第２副管（24）は、第２系統の圧縮機構（2E）である第２インバータ圧縮機（2C）から第１系統の圧縮機構（2D）のノンインバータ圧縮機（2A）又は第１インバータ圧縮機（2B）に向かって冷媒が流れるように構成されている。
【００７０】
上記液管（10）には、レシーバ（14）をバイパスする補助液管（25）が接続されている。該補助液管（25）は、主として暖房時に冷媒が流れ、膨張機構である室外膨張弁（26）が設けられている。上記液管（10）における室外熱交換器（4）とレシーバ（14）との間には、レシーバ（14）に向かう冷媒流れのみを許容する逆止弁（7）が設けられている。該逆止弁（7）は、液管（10）における補助液管（25）の接続部とレシーバ（14）との間に位置している。
【００７１】
上記補助液管（25）と低圧ガス管（15）との間には、リキッドインジェクション管（27）が接続されている。該リキッドインジェクション管（27）は、電磁弁（7c）が設けられている。また、上記レシーバ（14）の上部とノンインバータ圧縮機（2A）の吐出管（5a）との間には、ガス抜き管（28）が接続されている。該ガス抜き管（28）は、レシーバ（14）から吐出管（5a）に向かう冷媒流れのみを許容する逆止弁（7）が設けられている。
【００７２】
上記高圧ガス管（8）には、オイルセパレータ（30）が設けられている。該オイルセパレータ（30）には、油戻し管（31）の一端が接続されている。該油戻し管（31）は、電磁弁（7d）が設けられ、他端がノンインバータ圧縮機（2A）の吸入管（6a）に接続されている。上記ノンインバータ圧縮機（2A）のドームと第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）との間には、第１均油管（32）が接続されている。該第１均油管（32）は、ノンインバータ圧縮機（2A）から第２インバータ圧縮機（2C）に向かう油流れを許容する逆止弁（7）と電磁弁（7e）とが設けられている。
【００７３】
上記第１インバータ圧縮機（2B）のドームには、第２均油管（33）の一端が接続されている。該第２均油管（33）の他端は、第１均油管（32）の逆止弁（7）と電磁弁（7e）との間に接続されている。また、上記第２インバータ圧縮機（2C）のドームと低圧ガス管（15）との間には、第３均油管（34）が接続されている。該第３均油管（34）は、電磁弁（7f）が設けられている。
【００７４】
また、上記液管（10）には、床暖房回路（35）が接続されている。該床暖房回路（35）は、床暖房熱交換器（36）と第１配管（37）と第２配管（38）とを備えている。該第１配管（37）の一端は、第１連絡液管（11）における逆止弁（7）と閉鎖弁（20）との間に接続され、他端が床暖房熱交換器（36）に接続されている。上記第２配管（38）の一端は、液管（10）における逆止弁（7）とレシーバ（14）との間に接続され、他端が床暖房熱交換器（36）に接続されている。上記床暖房熱交換器（36）は、コンビニエンスストアにおいて、店員が長時間作業する場所であるレジ（金銭支払い所）に配置される。
【００７５】
尚、上記第１配管（37）と第２配管（38）とには、閉鎖弁（20）が設けられ、該第１配管（37）には、床暖房熱交換器（36）に向かう冷媒流れのみを許容する逆止弁（7）が設けられている。また、上記床暖房熱交換器（36）が設けられない場合、第１配管（37）と第２配管（38）とが直接に接続される。
【００７６】
〈室内ユニット〉
上記室内ユニット（1B）は、利用側熱交換器である室内熱交換器（41）と膨張機構である室内膨張弁（42）とを備えている。上記室内熱交換器（41）のガス側は、連絡ガス管（17）が接続されている。一方、上記室内熱交換器（41）の液側は、室内膨張弁（42）を介して第２連絡液管（12）が接続されている。尚、上記室内熱交換器（41）は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、利用側ファンである室内ファン（43）が近接して配置されている。
【００７７】
〈冷蔵ユニット〉
上記冷蔵ユニット（1C）は、冷却熱交換器である冷蔵熱交換器（45）と膨張機構である冷蔵膨張弁（46）とを備えている。上記冷蔵熱交換器（45）の液側は、電磁弁（7）及び冷蔵膨張弁（46）を介して第１連絡液管（11）が接続されている。一方、上記冷蔵熱交換器（45）のガス側は、低圧ガス管（15）が接続されている。
【００７８】
上記冷蔵熱交換器（45）は、第１系統の圧縮機構（2D）の吸込側に連通する一方、上記室内熱交換器（41）は、冷房運転時に第２インバータ圧縮機（2C）の吸込側に連通している。したがって、上記冷蔵熱交換器（45）の冷媒圧力（蒸発圧力）が室内熱交換器（41）の冷媒圧力（蒸発圧力）より低くなる。この結果、上記冷蔵熱交換器（45）の冷媒蒸発温度は、例えば、−１０℃となり、室内熱交換器（41）の冷媒蒸発温度は、例えば、＋５℃となって冷媒回路（1E）が異温度蒸発の回路を構成している。
【００７９】
尚、上記冷蔵膨張弁（46）は、感温式膨張弁であって、感温筒が冷蔵熱交換器（45）のガス側に取り付けられている。上記冷蔵熱交換器（45）は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷却ファンである冷蔵ファン（47）が近接して配置されている。
【００８０】
〈冷凍ユニット〉
上記冷凍ユニット（1D）は、冷却熱交換器である冷凍熱交換器（51）と膨張機構である冷凍膨張弁（52）と冷凍圧縮機であるブースタ圧縮機（53）とを備えている。上記冷凍熱交換器（51）の液側は、第１連絡液管（11）より分岐した分岐液管（13）が電磁弁（7h）及び冷凍膨張弁（52）を介して接続されている。
【００８１】
上記冷凍熱交換器（51）のガス側とブースタ圧縮機（53）の吸込側とは、接続ガス管（54）によって接続されている。該ブースタ圧縮機（53）の吐出側には、低圧ガス管（15）より分岐した分岐ガス管（16）が接続されている。該分岐ガス管（16）には、逆止弁（7）とオイルセパレータ（55）とが設けられている。該オイルセパレータ（55）と接続ガス管（54）との間には、キャピラリチューブ（56）を有する油戻し管（57）が接続されている。
【００８２】
上記ブースタ圧縮機（53）は、冷凍熱交換器（51）の冷媒蒸発温度が冷蔵熱交換器（45）の冷媒蒸発温度より低くなるように第１系統の圧縮機構（2D）との間で冷媒を２段圧縮している。上記冷凍熱交換器（51）の冷媒蒸発温度は、例えば、−４０℃に設定されている。
【００８３】
尚、上記冷凍膨張弁（52）は、感温式膨張弁であって、感温筒が冷蔵熱交換器（45）のガス側に取り付けられている。上記冷凍熱交換器（51）は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷却ファンである冷凍ファン（58）が近接して配置されている。
【００８４】
また、上記ブースタ圧縮機（53）の吸込側である接続ガス管（54）とブースタ圧縮機（53）の吐出側である分岐ガス管（16）の逆止弁（7）の下流側との間には、逆止弁（7）を有するバイパス管（59）が接続されている。該バイパス管（59）は、ブースタ圧縮機（53）の故障等の停止時に該ブースタ圧縮機（53）をバイパスして冷媒が流れるように構成されている。
【００８５】
〈制御系統〉
上記冷媒回路（1E）には、各種センサ及び各種スイッチが設けられている。上記室外ユニット（1A）の高圧ガス管（8）には、高圧冷媒圧力を検出する圧力検出手段である高圧圧力センサ（61）と、高圧冷媒温度を検出する温度検出手段である吐出温度センサ（62）とが設けられている。上記第２インバータ圧縮機（2C）の吐出管（5c）には、高圧冷媒温度を検出する温度検出手段である吐出温度センサ（63）が設けられている。また、上記ノンインバータ圧縮機（2A）、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）の各吐出管（5a，5b，5c）には、高圧冷媒圧力が所定値になると開く圧力スイッチ（64）が設けられている。
【００８６】
上記第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）の各吸入管（6b，6c）には、低圧冷媒圧力を検出する圧力検出手段である低圧圧力センサ（65，66）と、低圧冷媒温度を検出する温度検出手段である吸入温度センサ（67，68）とが設けられている。
【００８７】
上記室外熱交換器（4）には、室外熱交換器（4）における冷媒温度である蒸発温度又は凝縮温度を検出する温度検出手段である室外熱交換センサ（69）が設けられている。また、上記室外ユニット（1A）には、室外空気温度を検出する温度検出手段である外気温センサ（70）が設けられている。
【００８８】
上記室内熱交換器（41）には、室内熱交換器（41）における冷媒温度である凝縮温度又は蒸発温度を検出する温度検出手段である室内熱交換センサ（71）が設けられると共に、ガス側にガス冷媒温度を検出する温度検出手段であるガス温センサ（72）が設けられている。また、上記室内ユニット（1B）には、室内空気温度を検出する温度検出手段である室温センサ（73）が設けられている。
【００８９】
上記冷蔵ユニット（1C）には、冷蔵用のショーケース内の庫内温度を検出する温度検出手段である冷蔵温度センサ（74）が設けられている。上記冷凍ユニット（1D）には、冷凍用のショーケース内の庫内温度を検出する温度検出手段である冷凍温度センサ（75）が設けられている。
【００９０】
上記床暖房回路（35）の第２配管（38）には、床暖房熱交換器（36）を流れた後の冷媒温度を検出する温度検出手段である液温センサ（76）が設けられている。
【００９１】
上記各種センサ及び各種スイッチの出力信号は、コントローラ（80）に入力されている。該コントローラ（80）は、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）の容量等を制御するように構成されている。
【００９２】
また、上記コントローラ（80）は、冷媒回路（1E）の運転を制御し、冷房運転と冷凍運転と第１冷房冷凍運転と第２冷房冷凍運転と暖房運転と第１暖房冷凍運転と第２暖房冷凍運転と第３暖房冷凍運転とを切り換えて制御するように構成されている。
【００９３】
−運転動作−
次に、上記冷凍装置（1）が行う運転動作について各運転毎に説明する。
【００９４】
〈冷房モード〉
冷房モードは、図１２に示すように、冷房運転と冷凍運転と第１冷房冷凍運転と第２冷房冷凍運転の何れかに切り換わる。
【００９５】
この冷房モードの運転においては、次の３つの判定が行われる。つまり、ステップＳＴ１において、空調サーモＯＮの状態で且つ低圧圧力センサ（65，66）が検出する低圧冷媒圧力が９８kPaより高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ２において、空調サーモＯＮの状態で且つ低圧冷媒圧力が９８kPaより低いという条件２を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ３において、空調サーモＯＦＦの状態で且つ低圧冷媒圧力が９８kPaより高いという条件３を充足しているか否かを判定する。尚、上記空調サーモＯＮとは、室内熱交換器（41）で冷媒が蒸発して冷房運転を行っている状態をいい、空調サーモＯＦＦとは、室内膨張弁（42）が閉鎖して冷媒が室内熱交換器（41）を流れない状態であって、室内ファン（43）が駆動して冷房運転を休止している状態をいう。
【００９６】
上記冷房モードの運転を開始すると、先ず、上記ステップＳＴ１の判定が行われる。そして、該ステップＳＴ１の条件１を充足している場合、ステップＳＴ４に移り、冷房と冷蔵と冷凍とを行う第１冷房冷凍運転又は第２冷房冷凍運転を行いリターンする。上記ステップＳＴ１の条件１を充足せず、ステップＳＴ２の条件２を充足している場合、ステップＳＴ５に移り、冷房運転を行いリターンする。上記ステップＳＴ２の条件２を充足せず、ステップＳＴ３の条件３を充足している場合、ステップＳＴ６に移り、冷凍運転行いリターンする。また、ステップＳＴ３の条件３を充足しない場合、そのままの運転を継続してリターンする。
【００９７】
そこで、上記冷房運転と冷凍運転と第１冷房冷凍運転と第２冷房冷凍運転の各動作について説明する。
【００９８】
〈冷房運転〉
この冷房運転は、室内ユニット（1B）の冷房のみを行う運転である。この冷房運転時は、図３に示すように、ノンインバータ圧縮機（2A）が第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第１インバータ圧縮機（2B）と第２インバータ圧縮機（2C）とが第２系統の圧縮機構（2E）を構成する。そして、上記第２系統の圧縮機構（2E）である第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）のみを駆動する。
【００９９】
また、第１四路切換弁（3A）及び第２四路切換弁（3B）は、図３の実線で示すように、それぞれ第１の状態に切り換わる。更に、連通管（21）の第２副管（24）の電磁弁（7b）が開口される一方、連通管（21）の第１副管（23）の電磁弁（7a）、室外膨張弁（26）、冷蔵ユニット（1C）の電磁弁（7g）及び冷凍ユニット（1D）の電磁弁（7h）が閉鎖している。
【０１００】
この状態において、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）から吐出した冷媒は、第１四路切換弁（3A）から室外ガス管（9）を経て室外熱交換器（4）に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、液管（10）を流れ、レシーバ（14）を経て第２連絡液管（12）を流れ、室内膨張弁（42）を経て室内熱交換器（41）に流れて蒸発する。蒸発したガス冷媒は、連絡ガス管（17）から第１四路切換弁（3A）及び第２四路切換弁（3B）を経て第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）を流れ、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を冷房する。尚、上記低圧のガス冷媒の一部は、第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）から連通管（21）に分流し、第２副管（24）から第１インバータ圧縮機（2B）に戻る。
【０１０１】
この冷房運転時における圧縮機容量は、図１３に示すように制御され、この制御では、次の２つの判定が行われる。つまり、ステップＳＴ１１において、室温センサ（73）が検出する室内温度Trが設定温度Tsetに３℃を加算した温度より高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ１２において、室内温度Trが設定温度Tsetより低いという条件２を充足しているか否かを判定する。
【０１０２】
そして、上記ステップＳＴ１１の条件１を充足している場合、ステップＳＴ１３に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又は第２インバータ圧縮機（2C）の能力を上げてリターンする。上記ステップＳＴ１１の条件１を充足せず、ステップＳＴ１２の条件２を充足している場合、ステップＳＴ１４に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又は第２インバータ圧縮機（2C）の能力を上げてリターンする。また、上記ステップＳＴ１２の条件２を充足していない場合、現在の圧縮機能力で充足しているので、リターンし、上述の動作を繰り返す。
【０１０３】
上記圧縮機容量の増大制御は、図１４に示すように、先ず、第１インバータ圧縮機（2B）を停止状態から最低容量に上昇させた後（Ａ点参照）、この第１インバータ圧縮機（2B）を最低容量に維持したまま第２インバータ圧縮機（2C）を停止状態から駆動し、容量を増大させる。その後、更に負荷が増加すると、第２インバータ圧縮機（2C）を最大容量に維持したまま（Ｂ点参照）、第１インバータ圧縮機（2B）の容量を増大させる。圧縮機容量の減少制御は、上述の増大制御と逆の制御が行われる。
【０１０４】
また、上記室内膨張弁（42）の開度は、室内熱交換センサ（71）とガス温センサ（72）の検出温度に基づいて過熱度制御され、以下、冷房モードでは同じである。
【０１０５】
〈冷凍運転〉
この冷凍運転は、冷蔵ユニット（1C）と冷凍ユニット（1D）の冷却のみを行う運転である。この冷凍運転時は、図４に示すように、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）とが第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第２インバータ圧縮機（2C）が第２系統の圧縮機構（2E）を構成する。そして、上記第１系統の圧縮機構（2D）であるノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）のみを駆動すると共に、ブースタ圧縮機（53）も駆動する。
【０１０６】
また、第１四路切換弁（3A）は、図４の実線で示すように、第１の状態に切り換わる。更に、冷蔵ユニット（1C）の電磁弁（7g）及び冷凍ユニット（1D）の電磁弁（7h）が開口される一方、連通管（21）の２つの電磁弁（7a，7b）、室外膨張弁（26）及び室内膨張弁（42）が閉鎖している。
【０１０７】
この状態において、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）から吐出した冷媒は、第１四路切換弁（3A）から室外ガス管（9）を経て室外熱交換器（4）に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、液管（10）を流れ、レシーバ（14）を経て第１連絡液管（11）を流れ、一部が冷蔵膨張弁（46）を経て冷蔵熱交換器（45）に流れて蒸発する。
【０１０８】
一方、第１連絡液管（11）を流れる他の液冷媒は、分岐液管（13）を流れ、冷凍膨張弁（52）を経て冷凍熱交換器（51）に流れて蒸発する。この冷凍熱交換器（51）で蒸発したガス冷媒は、ブースタ圧縮機（53）に吸引されて圧縮され、分岐ガス管（16）に吐出される。
【０１０９】
上記冷蔵熱交換器（45）で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機（53）から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管（15）で合流し、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に戻る。この循環を繰り返し、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。
【０１１０】
したがって、上記冷凍熱交換器（51）における冷媒圧力は、ブースタ圧縮機（53）で吸引されるので、冷蔵熱交換器（45）における冷媒圧力より低圧となる。この結果、例えば、上記冷凍熱交換器（51）における冷媒温度（蒸発温度）が−４０℃となり、上記冷蔵熱交換器（45）における冷媒温度（蒸発温度）が−１０℃となる。
【０１１１】
この冷凍運転時における圧縮機容量は、図１５に示すように制御され、この制御では、次の２つの判定が行われる。つまり、ステップＳＴ２１において、低圧圧力センサ（65，66）が検出する低圧冷媒圧力LPが３９２kPaより高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ２２において、低圧冷媒圧力LPが２４５kPaより低いという条件２を充足しているか否かを判定する。
【０１１２】
そして、上記ステップＳＴ２１の条件１を充足している場合、ステップＳＴ２３に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を上げてリターンする。上記ステップＳＴ２１の条件１を充足せず、ステップＳＴ２２の条件２を充足している場合、ステップＳＴ２４に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を上げてリターンする。また、上記ステップＳＴ２２の条件２を充足していない場合、現在の圧縮機能力で充足しているので、リターンし、上述の動作を繰り返す。
【０１１３】
上記圧縮機容量の増大制御は、図１６に示すように、先ず、ノンインバータ圧縮機（2A）を停止した状態で第１インバータ圧縮機（2B）を駆動し（Ａ点参照）、容量を上昇させる。この第１インバータ圧縮機（2B）が最大容量に上昇した後（Ｂ点参照）、更に負荷が増大すると、ノンインバータ圧縮機（2A）を駆動させると同時に第１インバータ圧縮機（2B）を最低容量に減少させる（Ｃ点参照）。その後、更に負荷が増加すると、第１インバータ圧縮機（2B）の容量を上昇させる。圧縮機容量の減少制御は、上述の増大制御と逆の制御が行われる。
【０１１４】
また、上記冷蔵膨張弁（46）及び冷凍膨張弁（52）の開度は、感温筒による過熱度制御が行われ、以下、各運転で同じである。
【０１１５】
〈第１冷房冷凍運転〉
この第１冷房冷凍運転は、室内ユニット（1B）の冷房と冷蔵ユニット（1C）及び冷凍ユニット（1D）の冷却とを同時に行う運転である。この第１冷房冷凍運転時は、図５に示すように、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）とが第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第２インバータ圧縮機（2C）が第２系統の圧縮機構（2E）を構成する。そして、上記ノンインバータ圧縮機（2A）、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）を駆動すると共に、ブースタ圧縮機（53）も駆動する。
【０１１６】
また、第１四路切換弁（3A）及び第２四路切換弁（3B）は、図５の実線で示すように、それぞれ第１の状態に切り換わる。更に、冷蔵ユニット（1C）の電磁弁（7g）及び冷凍ユニット（1D）の電磁弁（7h）が開口される一方、連通管（21）の２つの電磁弁（7a，7b）及び室外膨張弁（26）が閉鎖している。
【０１１７】
この状態において、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）と第２インバータ圧縮機（2C）から吐出した冷媒は、高圧ガス管（8）で合流し、第１四路切換弁（3A）から室外ガス管（9）を経て室外熱交換器（4）に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、液管（10）を流れ、レシーバ（14）を経て第１連絡液管（11）と第２連絡液管（12）とに分かれて流れる。
【０１１８】
上記第２連絡液管（12）を流れる液冷媒は、室内膨張弁（42）を経て室内熱交換器（41）に流れて蒸発する。蒸発したガス冷媒は、連絡ガス管（17）から第１四路切換弁（3A）及び第２四路切換弁（3B）を経て吸入管（6c）を流れて第２インバータ圧縮機（2C）に戻る。
【０１１９】
一方、上記第１連絡液管（11）を流れる液冷媒の一部が冷蔵膨張弁（46）を経て冷蔵熱交換器（45）に流れて蒸発する。また、上記第１連絡液管（11）を流れる他の液冷媒は、分岐液管（13）を流れ、冷凍膨張弁（52）を経て冷凍熱交換器（51）に流れて蒸発する。この冷凍熱交換器（51）で蒸発したガス冷媒は、ブースタ圧縮機（53）に吸引されて圧縮され、分岐ガス管（16）に吐出される。
【０１２０】
上記冷蔵熱交換器（45）で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機（53）から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管（15）で合流し、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に戻る。
【０１２１】
この循環を繰り返し、室内である店内を冷房すると同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。
【０１２２】
そこで、上記第１冷房冷凍運転時における冷媒挙動を図１７に基づいて説明する。
【０１２３】
上記第２インバータ圧縮機（2C）によって冷媒がＡ点まで圧縮される。また、上記ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）によって冷媒がＢ点まで圧縮される。Ａ点の冷媒とＢ点の冷媒とは合流し、凝縮してＣ点の冷媒となる。Ｃ点の冷媒の一部は、室内膨張弁（42）でＤ点まで減圧し、例えば、＋５℃で蒸発し、Ｅ点で第２インバータ圧縮機（2C）に吸引される。
【０１２４】
また、上記Ｃ点の冷媒の一部は、冷蔵膨張弁（46）でＦ点まで減圧し、例えば、−１０℃で蒸発し、Ｇ点でノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に吸引される。
【０１２５】
また、上記Ｃ点の冷媒の一部は、ブースタ圧縮機（53）で吸引されるので、冷凍膨張弁（52）でＨ点まで減圧し、例えば、−４０℃で蒸発し、Ｉ点でブースタ圧縮機（53）に吸引される。このブースタ圧縮機（53）でＪ点まで圧縮された冷媒は、Ｇ点でノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に吸引される。
【０１２６】
このように、冷媒回路（1E）の冷媒は、第１系統の圧縮機構（2D）と第２系統の圧縮機構（2E）によって異温度蒸発し、更に、ブースタ圧縮機（53）による２段圧縮によって３種類の蒸発温度となる。
【０１２７】
〈第２冷房冷凍運転〉
この第２冷房冷凍運転は、上記第１冷房冷凍運転時の室内ユニット（1B）の冷房能力が不足した場合の運転である。この第２冷房冷凍運転時は、図６に示すように、基本的に第１冷房冷凍運転時と同様であるが、連通管（21）における第２副管（24）の電磁弁（7b）が開口される点で第１冷房冷凍運転と異なる。
【０１２８】
したがって、この第２冷房冷凍運転時においては、第１冷房冷凍運転と同様に、ノンインバータ圧縮機（2A）、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）から吐出した冷媒は、室外熱交換器（4）で凝縮し、室内熱交換器（41）と冷蔵熱交換器（45）と冷凍熱交換器（51）で蒸発する。
【０１２９】
そして、上記室内熱交換器（41）で蒸発した冷媒は、第２インバータ圧縮機（2C）に戻り、冷蔵熱交換器（45）及び冷凍熱交換器（51）で蒸発した冷媒は、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に戻ることになるが、連通管（21）における第２副管（24）が連通しているので、上記室内熱交換器（41）の冷媒圧力がノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）の吸入圧力まで低下する。この結果、上記室内熱交換器（41）の蒸発温度が低下し、冷房能力の不足が補われる。
【０１３０】
そこで、第２冷房冷凍運転と第１冷房冷凍運転との切り換え制御を図１８に基づいて説明する。
【０１３１】
先ず、ステップＳＴ３１において、第２副管（24）の電磁弁（7）が閉鎖しているか否かを判定し、該第２副管（24）の電磁弁（7）が閉鎖していると、ステップＳＴ３２に移り、上述した第１冷房冷凍運転が実行される。その後、ステップＳＴ３３〜ＳＴ３６の４つの判定を行う。
【０１３２】
つまり、ステップＳＴ３３において、室内温度Trが設定温度Tsetに３℃を加算した温度より高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ３４において、第２インバータ圧縮機（2C）が最大容量（最大周波数）で運転されているという条件２を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ３５において、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）の能力が最大でないという条件３を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ３６において、低圧冷媒圧力が３９２kPaより低いという条件４を充足しているか否かを判定する。
【０１３３】
そして、上記ステップＳＴ３３〜ＳＴ３６の４つの条件１〜４の何れかを充足しない場合は、そのままリターンし、第１冷房冷凍運転が継続される。
【０１３４】
一方、上記ステップＳＴ３３〜ＳＴ３６の４つの条件１〜４の何れも充足しいる場合は、ステップＳＴ３７に移り、第２副管（24）の電磁弁（7b）を開き、第２冷房冷凍運転に切り換わる。つまり、この場合、冷房能力が不足しているので、室内熱交換器（41）の蒸発温度を低下させる。
【０１３５】
また、上記第２副管（24）の電磁弁（7b）が開口した第２冷房冷凍運転時である場合、ステップＳＴ４１及びステップＳＴ４２の２つの判定が行われる。つまり、ステップＳＴ４１において、室内温度Trが設定温度Tsetに３℃を加算した温度より高いという条件５を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ４２において、室内温度Trが設定温度Tsetより低いという条件６を充足しているか否かを判定する。
【０１３６】
そして、上記ステップＳＴ４１の条件５を充足している場合、ステップＳＴ４３に移り、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）の第１系統の圧縮機構（2D）の能力を上げる。また、上記ステップＳＴ４１の条件を充足６している場合、ステップＳＴ４４に移り、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）の第１系統の圧縮機構（2D）の能力を下げる。
【０１３７】
上記第１系統の圧縮機構（2D）の能力を上げた場合、第１系統の圧縮機構（2D）の能力を下げた場合、又はステップＳＴ４１の条件５とステップＳＴ４２の条件６の何れも充足しない場合、何れもステップＳＴ４５に移り、低圧冷媒圧力が２４５kPaより低いか否かを判定する。
【０１３８】
この低圧冷媒圧力が２４５kPa以上に高い場合、冷房能力が不足しているので、そのままリターンし、第２冷房冷凍運転が継続される。一方、上記低圧冷媒圧力が２４５kPaより低い場合、冷房能力の不足が解消しているので、ステップＳＴ４６に移り、上記第２副管（24）の電磁弁（7b）を閉鎖して第１冷房冷凍運転に切り換え、リターンする。
【０１３９】
〈暖房モード〉
暖房モードは、図１９に示すように、暖房運転と冷凍運転と第１暖房冷凍運転と第２暖房冷凍運転と第３暖房冷凍運転の何れかに切り換わる。
【０１４０】
この暖房モードの運転においては、次の３つの判定が行われる。つまり、ステップＳＴ５１において、空調サーモＯＮの状態で且つ低圧圧力センサ（65，66）が検出する低圧冷媒圧力が９８kPaより高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ５２において、空調サーモＯＮの状態で且つ低圧冷媒圧力が９８kPaより低いという条件２を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ５３において、空調サーモＯＦＦの状態で且つ低圧冷媒圧力が９８kPaより高いという条件３を充足しているか否かを判定する。尚、上記空調サーモＯＮとは、室内熱交換器（41）で冷媒が凝縮して暖房運転を行っている状態をいい、空調サーモＯＦＦとは、室内膨張弁（42）が閉鎖して冷媒が室内熱交換器（41）を流れない状態であって、室内ファン（43）が駆動して暖房運転を休止している状態をいう。
【０１４１】
上記暖房モードの運転を開始すると、先ず、上記ステップＳＴ５１の判定が行われる。そして、該ステップＳＴ５１の条件１を充足している場合、ステップＳＴ５４に移り、暖房モード１である第１暖房冷凍運転又は第２暖房冷凍運転を行いリターンする。上記ステップＳＴ５１の条件１を充足せず、ステップＳＴ５２の条件２を充足している場合、ステップＳＴ５５に移り、暖房運転又は第３暖房冷凍運転を行いリターンする。上記ステップＳＴ５２の条件２を充足せず、ステップＳＴ５３の条件３を充足している場合、ステップＳＴ５６に移り、冷凍運転を行いリターンする。また、ステップＳＴ５３の条件３を充足しない場合、そのままの運転を継続してリターンする。
【０１４２】
そこで、上記暖房運転と第１暖房冷凍運転と第２暖房冷凍運転と第３暖房冷凍運転の各動作について説明する。尚、冷凍運転は、冷房モードにおける冷凍運転と同じである。
【０１４３】
〈暖房運転〉
この暖房運転は、室内ユニット（1B）及び床暖房回路（35）の暖房のみを行う運転である。この暖房運転時は、図７に示すように、ノンインバータ圧縮機（2A）が第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第１インバータ圧縮機（2B）と第２インバータ圧縮機（2C）とが第２系統の圧縮機構（2E）を構成する。そして、上記第２系統の圧縮機構（2E）である第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）のみを駆動する。
【０１４４】
また、第１四路切換弁（3A）は、図７の実線で示すように、第２の状態に切り換わり、第２四路切換弁（3B）は、図７の実線で示すように、第１の状態に切り換わる。更に、連通管（21）の第２副管（24）の電磁弁（7b）が開口する一方、連通管（21）の第１副管（23）の電磁弁（7a）、冷蔵ユニット（1C）の電磁弁（7g）及び冷凍ユニット（1D）の電磁弁（7h）が閉鎖している。
【０１４５】
この状態において、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）から吐出した冷媒は、第１四路切換弁（3A）から連絡ガス管（17）を経て室内熱交換器（41）に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、第２連絡液管（12）を流れ、床暖房回路（35）を流れ、床暖房熱交換器（36）を経てレシーバ（14）に流れる。その後、上記液冷媒は、補助液管（25）の室外膨張弁（26）を経て室外熱交換器（4）に流れて蒸発する。蒸発したガス冷媒は、連絡ガス管（17）から第１四路切換弁（3A）及び第２四路切換弁（3B）を経て第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）を流れ、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を暖房すると同時に、床暖房を行う。尚、上記低圧のガス冷媒の一部は、第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）から連通管（21）に分流し、第２副管（24）から第１インバータ圧縮機（2B）に戻る。
【０１４６】
この暖房運転時における圧縮機容量は、図２０に示すように制御され、この制御では、次の２つの判定が行われる。つまり、ステップＳＴ６１において、室温センサ（73）が検出する室内温度Trが設定温度Tsetに３℃を加算した温度より高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ６２において、室内温度Trが設定温度Tsetより低いという条件２を充足しているか否かを判定する。
【０１４７】
そして、上記ステップＳＴ６１の条件１を充足している場合、ステップＳＴ６３に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又は第２インバータ圧縮機（2C）の能力を上げてリターンする。上記ステップＳＴ６１の条件１を充足せず、ステップＳＴ６２の条件２を充足している場合、ステップＳＴ６４に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又は第２インバータ圧縮機（2C）の能力を上げてリターンする。また、上記ステップＳＴ６２の条件２を充足していない場合、現在の圧縮機能力で充足しているので、リターンし、上述の動作を繰り返す。上記圧縮機容量の増減制御は、図１４に示すように行われる。
【０１４８】
また、上記室外膨張弁（26）の開度は、低圧圧力センサ（65，66）に基づく圧力相当飽和温度と吸入温度センサ（67，68）の検出温度によって過熱度制御される。上記室内膨張弁（42）の開度は、室内熱交換センサ（71）と液温センサ（76）の検出温度に基づいて過冷却制御される。特に、上記床暖房熱交換器（36）の流出後の冷媒温度を用いているので、所定の床暖房能力が維持される。この室外膨張弁（26）及び室内膨張弁（42）の開度制御は、以下、暖房モードで同じである。
【０１４９】
〈第１暖房冷凍運転〉
この第１暖房冷凍運転は、室外熱交換器（4）を用いず、室内ユニット（1B）の暖房と冷蔵ユニット（1C）及び冷凍ユニット（1D）の冷却を行う熱回収運転である。この第１暖房冷凍運転は、図８に示すように、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）とが第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第２インバータ圧縮機（2C）が第２系統の圧縮機構（2E）を構成する。そして、上記ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）を駆動すると共に、ブースタ圧縮機（53）も駆動する。上記第２インバータ圧縮機（2C）は、停止している。
【０１５０】
また、第１四路切換弁（3A）は、図８の実線で示すように、第２の状態に切り換わり、第２四路切換弁（3B）は、図８の実線で示すように、第１の状態に切り換わる。更に、冷蔵ユニット（1C）の電磁弁（7g）及び冷凍ユニット（1D）の電磁弁（7h）が開口する一方、連通管（21）の２つの電磁弁（7a，7b）及び室外膨張弁（26）が閉鎖している。
【０１５１】
この状態において、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）から吐出した冷媒は、第１四路切換弁（3A）から連絡ガス管（17）を経て室内熱交換器（41）に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、第２連絡液管（12）から床暖房回路（35）を流れ、床暖房熱交換器（36）からレシーバ（14）を経て第１連絡液管（11）を流れる。
【０１５２】
上記第１連絡液管（11）を流れる液冷媒の一部が冷蔵膨張弁（46）を経て冷蔵熱交換器（45）に流れて蒸発する。また、上記第１連絡液管（11）を流れる他の液冷媒は、分岐液管（13）を流れ、冷凍膨張弁（52）を経て冷凍熱交換器（51）に流れて蒸発する。この冷凍熱交換器（51）で蒸発したガス冷媒は、ブースタ圧縮機（53）に吸引されて圧縮され、分岐ガス管（16）に吐出される。
【０１５３】
上記冷蔵熱交換器（45）で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機（53）から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管（15）で合流し、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を暖房し、床暖房を行うと同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット（1C）と冷凍ユニット（1D）との冷却能力（蒸発熱量）と、室内ユニット（1B）と床暖房回路（35）の暖房能力（凝縮熱量）とがバンランスし、１００％の熱回収が行われる。
【０１５４】
この第１暖房冷凍運転時における圧縮機容量などは、図２１に示すように制御され、この制御では、次の４つの判断が行われる。
【０１５５】
つまり、ステップＳＴ７１において、室温センサ（73）が検出する室内温度Trが設定温度Tsetから３℃を減算した温度より低く且つ低圧圧力センサ（65，66）が検出する低圧冷媒圧力LPが３９２kPaより高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ７２において、室内温度Trが設定温度Tsetから３℃を減算した温度より低く且つ低圧冷媒圧力LPが２４５kPaより低いという条件２を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ７３において、室内温度Trが設定温度Tsetより高く且つ低圧冷媒圧力LPが３９２kPaより高いという条件３を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ７４において、室内温度Trが設定温度Tsetより高く且つ低圧冷媒圧力LPが２４５kPaより低いという条件４を充足しているか否かを判定する。
【０１５６】
そして、上記ステップＳＴ７１の条件１を充足している場合、ステップＳＴ７５に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を上げてリターンする。上記ステップＳＴ７１の条件１を充足せず、ステップＳＴ７２の条件２を充足している場合、ステップＳＴ７６に移り、後述する第３暖房冷凍運転、つまり、暖房能力不足の運転に切り換えてリターンする。上記ステップＳＴ７２の条件２を充足せず、ステップＳＴ７３の条件３を充足している場合、ステップＳＴ７７に移り、後述する第２暖房冷凍運転、つまり、暖房能力が余る運転に切り換えてリターンする。上記ステップＳＴ７３の条件３を充足せず、ステップＳＴ７４の条件４を充足している場合、ステップＳＴ７８に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を上げてリターンする。また、上記ステップＳＴ７４の条件４を充足していない場合、現在の圧縮機能力で充足しているので、リターンし、上述の動作を繰り返す。上記圧縮機容量の増減制御は、図１６に示すように行われる。
【０１５７】
〈第２暖房冷凍運転〉
この第２暖房冷凍運転は、上記第１暖房冷凍運転時に室内ユニット（1B）の暖房能力が余る暖房の能力過剰運転である。この第２暖房冷凍運転時は、図９に示すように、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）とが第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第２インバータ圧縮機（2C）が第２系統の圧縮機構（2E）を構成する。そして、上記ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）を駆動すると共に、ブースタ圧縮機（53）も駆動する。上記第２インバータ圧縮機（2C）は、停止している。
【０１５８】
この第２暖房冷凍運転は、上記第１暖房冷凍運転時において、暖房能力が余る場合の運転であり、第２四路切換弁（3B）は、図９の実線で示すように、第２の状態に切り換わっている点の他は、上記第１暖房冷凍運転と同じである。
【０１５９】
したがって、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）から吐出した冷媒の一部は、上記第１暖房冷凍運転と同様に室内熱交換器（41）に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、床暖房回路（35）を流れ、床暖房熱交換器（36）から液管（10）に流れる。
【０１６０】
一方、上記ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）から吐出した他の冷媒は、補助ガス管（19）から第２四路切換弁（3B）及び第１四路切換弁（3A）を経て室外ガス管（9）を流れ、室外熱交換器（4）で凝縮する。この凝縮した液冷媒は、液管（10）を流れ、床暖房回路（35）からの液冷媒と合流してレシーバ（14）に流れ、第１連絡液管（11）を流れる。
【０１６１】
その後、上記第１連絡液管（11）を流れる液冷媒の一部が冷蔵熱交換器（45）に流れて蒸発する。また、上記第１連絡液管（11）を流れる他の液冷媒は、冷凍熱交換器（51）に流れて蒸発する。上記冷蔵熱交換器（45）で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機（53）から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管（15）で合流し、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に戻る。この循環を繰り返し、室内である店内を暖房し、床暖房を行うと同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット（1C）と冷凍ユニット（1D）との冷却能力（蒸発熱量）と、室内ユニット（1B）と床暖房回路（35）の暖房能力（凝縮熱量）とがバンランスせず、余る凝縮熱を室外熱交換器（4）で室外に放出する。
【０１６２】
この第２暖房冷凍運転時における圧縮機容量及び室外ファン（4F）風量は、図２２に示すように制御され、次の４つの判断が行われる。
【０１６３】
つまり、ステップＳＴ８１において、室温センサ（73）が検出する室内温度Trが設定温度Tsetから３℃を減算した温度より低く且つ低圧圧力センサ（65，66）が検出する低圧冷媒圧力LPが３９２kPaより高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ８２において、室内温度Trが設定温度Tsetから３℃を減算した温度より低く且つ低圧冷媒圧力LPが２４５kPaより低いという条件２を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ８３において、室内温度Trが設定温度Tsetより高く且つ低圧冷媒圧力LPが３９２kPaより高いという条件３を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ８４において、室内温度Trが設定温度Tsetより高く且つ低圧冷媒圧力LPが２４５kPaより低いという条件４を充足しているか否かを判定する。
【０１６４】
そして、上記ステップＳＴ８１の条件１を充足している場合、ステップＳＴ８５に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を上げてリターンする。上記ステップＳＴ８１の条件１を充足せず、ステップＳＴ８２の条件２を充足している場合、ステップＳＴ８６に移り、室外ファン（4F）の風量を低下させてリターンする。つまり、暖房能力が不足気味であるので、室外熱交換器（4）の凝縮熱量を室内熱交換器（41）に与える。上記ステップＳＴ８２の条件２を充足せず、ステップＳＴ８３の条件３を充足している場合、ステップＳＴ８７に移り、室外ファン（4F）の風量を上昇させてリターンする。つまり、暖房能力が余り気味であるので、室内熱交換器（41）の凝縮熱量を室外熱交換器（4）に与える。上記ステップＳＴ８３の条件３を充足せず、ステップＳＴ８４の条件４を充足している場合、ステップＳＴ８８に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を下げてリターンする。また、上記ステップＳＴ８４の条件４を充足していない場合、現在の圧縮機能力で充足しているので、リターンし、上述の動作を繰り返す。上記圧縮機容量の増減制御は、図１６に示すように行われる。
【０１６５】
〈第３暖房冷凍運転の１〉
この第３暖房冷凍運転は、上記第１暖房冷凍運転時に室内ユニット（1B）の暖房能力が不足する暖房の能力不足運転である。この第３暖房冷凍運転の１態様は、図１０に示すように、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）とが第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第２インバータ圧縮機（2C）が第２系統の圧縮機構（2E）を構成する。そして、上記ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）を駆動すると共に、ブースタ圧縮機（53）も駆動する。上記第２インバータ圧縮機（2C）は、停止している。
【０１６６】
この第３暖房冷凍運転は、上記第１暖房冷凍運転時において、暖房能力が不足する場合の運転で、つまり、蒸発熱量が不足している場合であり、連通管（21）の第２副管（24）における電磁弁（7b）が開口している点の他は、上記第１暖房冷凍運転と同じである。
【０１６７】
したがって、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）から吐出した冷媒は、上記第１暖房冷凍運転と同様に室内熱交換器（41）に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、床暖房回路（35）を流れ、床暖房熱交換器（36）からレシーバ（14）に流れる。
【０１６８】
その後、レシーバ（14）からの液冷媒の一部は、第１連絡液管（11）を流れ、該第１連絡液管（11）を流れる液冷媒の一部が冷蔵熱交換器（45）に流れて蒸発する。また、上記第１連絡液管（11）を流れる他の液冷媒は、冷凍熱交換器（51）に流れて蒸発する。上記冷蔵熱交換器（45）で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機（53）から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管（15）で合流し、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に戻る。
【０１６９】
一方、上記レシーバ（14）からの他の液冷媒は、液管（10）を経て室外熱交換器（4）に流れ、蒸発する。蒸発したガス冷媒は、室外ガス管（9）を流れ、第１四路切換弁（3A）及び第２四路切換弁（3B）を経て第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）を流れる。そして、上記ガス冷媒は、連通管（21）の第２副管（24）を経て低圧ガス管（15）に流れ、冷蔵ユニット（1C）及び冷凍ユニット（1D）からのガス冷媒と合流し、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に戻る。
【０１７０】
この循環を繰り返し、室内である店内を暖房し、床暖房を行うと同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット（1C）と冷凍ユニット（1D）との冷却能力（蒸発熱量）と、室内ユニット（1B）と床暖房回路（35）の暖房能力（凝縮熱量）とがバンランスせず、不足する蒸発熱を室外熱交換器（4）から得る。
【０１７１】
この第３暖房冷凍運転時における圧縮機容量及び室外ファン（4F）風量は、図２３に示すように制御され、次の４つの判断が行われる。
【０１７２】
つまり、ステップＳＴ９１において、室温センサ（73）が検出する室内温度Trが設定温度Tsetから３℃を減算した温度より低く且つ低圧圧力センサ（65，66）が検出する低圧冷媒圧力LPが３９２kPaより高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ９２において、室内温度Trが設定温度Tsetから３℃を減算した温度より低く且つ低圧冷媒圧力LPが２４５kPaより低いという条件２を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ９３において、室内温度Trが設定温度Tsetより高く且つ低圧冷媒圧力LPが３９２kPaより高いという条件３を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ９４において、室内温度Trが設定温度Tsetより高く且つ低圧冷媒圧力LPが２４５kPaより低いという条件４を充足しているか否かを判定する。
【０１７３】
そして、上記ステップＳＴ９１の条件１を充足している場合、ステップＳＴ９５に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を上げてリターンする。上記ステップＳＴ９１の条件１を充足せず、ステップＳＴ９２の条件２を充足している場合、ステップＳＴ９６に移り、暖房能力が不足気味であるので、後述する第３暖房冷凍運転の２に切り換わってリターンする。上記ステップＳＴ９２の条件２を充足せず、ステップＳＴ９３の条件３を充足している場合、ステップＳＴ９７に移り、室外ファン（4F）の風量を低下させてリターンする。上記ステップＳＴ９３の条件３を充足せず、ステップＳＴ９４の条件４を充足している場合、ステップＳＴ９８に移り、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を下げてリターンする。また、上記ステップＳＴ９４の条件４を充足していない場合、現在の圧縮機能力で充足しているので、リターンし、上述の動作を繰り返す。上記圧縮機容量の増減制御は、図１６に示すように行われる。
【０１７４】
〈第３暖房冷凍運転の２〉
この第３暖房冷凍運転の２は、第３暖房冷凍運転の他の態様であり、第２インバータ圧縮機（2C）を駆動する運転である。この第３暖房冷凍運転は、図１１に示すように、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）とが第１系統の圧縮機構（2D）を構成し、第２インバータ圧縮機（2C）が第２系統の圧縮機構（2E）を構成する。そして、上記ノンインバータ圧縮機（2A）、第１インバータ圧縮機（2B）及び第２インバータ圧縮機（2C）を駆動すると共に、ブースタ圧縮機（53）も駆動する。
【０１７５】
この第３暖房冷凍運転の２は、上記第３暖房冷凍運転の１において、暖房能力が不足する場合の運転で、つまり、蒸発熱量が不足している場合であり、連通管（21）の第２副管（24）における電磁弁（7b）が閉鎖され、第２インバータ圧縮機（2C）が駆動している点の他は、上記第３暖房冷凍運転の１と同じである。
【０１７６】
したがって、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）と第２インバータ圧縮機（2C）から吐出した冷媒は、連絡ガス管（17）を経て室内熱交換器（41）に流れて凝縮する。凝縮した液冷媒は、床暖房回路（35）を流れ、床暖房熱交換器（36）からレシーバ（14）に流れる。
【０１７７】
その後、レシーバ（14）からの液冷媒の一部は、第１連絡液管（11）を流れ、該第１連絡液管（11）を流れる液冷媒の一部が冷蔵熱交換器（45）に流れて蒸発する。また、上記第１連絡液管（11）を流れる他の液冷媒は、冷凍熱交換器（51）に流れて蒸発する。上記冷蔵熱交換器（45）で蒸発したガス冷媒とブースタ圧縮機（53）から吐出したガス冷媒とは、低圧ガス管（15）で合流し、ノンインバータ圧縮機（2A）及び第１インバータ圧縮機（2B）に戻る。
【０１７８】
一方、上記レシーバ（14）からの他の液冷媒は、液管（10）を経て室外熱交換器（4）に流れ、蒸発する。蒸発したガス冷媒は、室外ガス管（9）を流れ、第１四路切換弁（3A）及び第２四路切換弁（3B）を経て吸入管（6c）を流れ、第２インバータ圧縮機（2C）に戻る。
【０１７９】
この循環を繰り返し、室内である店内を暖房し、床暖房を行うと同時に、冷蔵用のショーケースと冷凍用のショーケースである庫内を冷却する。つまり、冷蔵ユニット（1C）と冷凍ユニット（1D）との冷却能力（蒸発熱量）と、室内ユニット（1B）と床暖房回路（35）の暖房能力（凝縮熱量）とがバンランスせず、不足する蒸発熱を室外熱交換器（4）から得る。特に、ノンインバータ圧縮機（2A）と第１インバータ圧縮機（2B）と第２インバータ圧縮機（2C）とを駆動して暖房能力を確保する。
【０１８０】
この第３暖房冷凍運転の２における圧縮機容量及び室外ファン（4F）風量は、図２４に示すように制御され、次の４つの判断が行われる。
【０１８１】
つまり、ステップＳＴ１０１において、室温センサ（73）が検出する室内温度Trが設定温度Tsetから３℃を減算した温度より低く且つ低圧圧力センサ（65，66）が検出する低圧冷媒圧力LPが３９２kPaより高いという条件１を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ１０２において、室内温度Trが設定温度Tsetから３℃を減算した温度より低く且つ低圧冷媒圧力LPが２４５kPaより低いという条件２を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ１０３において、室内温度Trが設定温度Tsetより高く且つ低圧冷媒圧力LPが３９２kPaより高いという条件３を充足しているか否かを判定する。ステップＳＴ１０４において、室内温度Trが設定温度Tsetより高く且つ低圧冷媒圧力LPが２４５kPaより低いという条件４を充足しているか否かを判定する。
【０１８２】
そして、上記ステップＳＴ１０１の条件１を充足している場合、ステップＳＴ１０５に移り、第２インバータ圧縮機（2C）の能力を上げると共に、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を上げてリターンする。上記ステップＳＴ１０１の条件１を充足せず、ステップＳＴ１０２の条件２を充足している場合、ステップＳＴ１０６に移り、冷蔵ユニット（1C）及び冷凍ユニット（1D）の能力が余り気味であるので、第２インバータ圧縮機（2C）の能力を上げる一方、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を下げてリターンする。上記ステップＳＴ１０２の条件２を充足せず、ステップＳＴ１０３の条件３を充足している場合、ステップＳＴ１０７に移り、冷蔵ユニット（1C）及び冷凍ユニット（1D）の能力が不足気味であるので、第２インバータ圧縮機（2C）の能力を下げる一方、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を上げてリターンする。上記ステップＳＴ１０３の条件３を充足せず、ステップＳＴ１０４の条件４を充足している場合、ステップＳＴ１０８に移り、第２インバータ圧縮機（2C）の能力を下げると共に、第１インバータ圧縮機（2B）又はノンインバータ圧縮機（2A）の能力を下げてリターンする。また、上記ステップＳＴ１０４の条件４を充足していない場合、現在の圧縮機能力で充足しているので、リターンし、上述の動作を繰り返す。
【０１８３】
〈暖房モードの切り換え〉
次に、上述した第１暖房冷凍運転と第２暖房冷凍運転への他の切り換え動作について図２５に基づき説明する。
【０１８４】
この場合、高圧圧力センサ（61）が検出する高圧冷媒圧力HPを基に判定される。先ず、ステップＳＴ１１１において、高圧冷媒圧力HPが２６４６kPaより高いという条件１を充足するか否かが判定される。この条件１を充足する場合、高圧冷媒圧力が高く現在の暖房能力が大きい場合であり、ステップＳＴ１１２に移り、室外熱交換器（4）が蒸発器であるか否かを判定する。
【０１８５】
上記室外熱交換器（4）が蒸発器である場合、例えば、第３暖房冷凍運転の１などの状態であると、上記ステップＳＴ１１２からステップＳＴ１１３に移り、室外ファン（4F）の風量が最低か否かを判定する。この室外ファン（4F）の風量が最低である場合、ステップＳＴ１１３からステップＳＴ１１４に移り、第２暖房冷凍運転に切り換わってリターンする。
【０１８６】
また、上記ステップＳＴ１１３において、室外ファン（4F）の風量が最低でない場合、ステップＳＴ１１５に移り、室外ファン（4F）の風量を低下させてリターンする。上記ステップＳＴ１１２において、室外熱交換器（4）が蒸発器でない場合、ステップＳＴ１１６に移り、室外ファン（4F）の風量が最大か否かを判定する。この室外ファン（4F）の風量が最大である場合、ステップＳＴ１１６からステップＳＴ１１７に移り、圧縮機能力を下げてリターンする。一方、上記ステップＳＴ１１６において、室外ファン（4F）の風量が最大でない場合、ステップＳＴ１１８に移り、室外ファン（4F）の風量を増加させてリターンする。
【０１８７】
上記ステップＳＴ１１１の条件１を充足しない場合、ステップＳＴ１２１に移り、高圧冷媒圧力HPが１９６０kPaより低いという条件２を充足するか否かが判定される。この条件２を充足する場合、高圧冷媒圧力が低く現在の暖房能力が小さい場合であり、ステップＳＴ１２２に移り、室外熱交換器（4）が凝縮器であるか否かを判定する。
【０１８８】
上記室外熱交換器（4）が凝縮器である場合、例えば、第２暖房冷凍運転などの状態であると、上記ステップＳＴ１２２からステップＳＴ１２３に移り、室外ファン（4F）の風量が最低か否かを判定する。この室外ファン（4F）の風量が最低である場合、ステップＳＴ１２３からステップＳＴ１２４に移り、第１暖房冷凍運転に切り換わってリターンする。また、上記ステップＳＴ１２３において、室外ファン（4F）の風量が最低でない場合、ステップＳＴ１２５に移り、室外ファン（4F）の風量を低下させてリターンする。
【０１８９】
上記の切り換えによって第１暖房冷凍運転又は第２暖房冷凍運転への切り換えが行われる。
【０１９０】
〈冷媒回収運転〉
次に、上述した冷凍運転及び第１暖房冷凍運転には、冷媒回収運転が行われる。つまり、図８においては、室外熱交換器（4）や室外ガス管（9）に液冷媒が溜まる場合があるので、連通管（21）の第２副管（24）における電磁弁（7b）を数分間開口するか、又は第２インバータ圧縮機（2C）を所定時間駆動し、余った冷媒を回収する。
【０１９１】
また、図３においては、低圧ガス管（15）に液冷媒が溜まる場合があるので、連通管（21）の第２副管（24）における電磁弁（7）を数分間開口し、余った冷媒を回収する。
【０１９２】
この結果、次の起動時における液バックが防止され、円滑な起動を行うことができると共に、冷媒充填量を少なくすることができる。
【０１９３】
−実施形態２の効果−
以上のように、本実施形態によれば、実施形態１と同様に、第１冷房冷凍運転時に冷媒が異温度蒸発するようにしたために、ＣＯＰ（成績係数）の向上を図ることができる。つまり、室内熱交換器（41）における冷房に必要な蒸発温度と、冷蔵熱交換器（45）における冷却に必要な蒸発温度とにそれぞれ最適状態することができるので、ＣＯＰの向上を図ることができる。
【０１９４】
また、上記連通管（21）を設けるようにしたために、冷房能力が不足する場合、第２系統の圧縮機構（2E）によって冷房能力の不足を補うことができる。この結果、快適性の向上を図ることができる。
【０１９５】
また、上記第１系統の圧縮機構（2D）又は第２系統の圧縮機構（2E）が故障した場合、互いに補うことができるので、故障による快適性の低下を抑制することができ、また、ショーケース内の商品の傷みを抑制することができる。
【０１９６】
【発明の実施の形態３】
次に、本発明の実施形態３を図面に基づいて詳細に説明する。
【０１９７】
本実施形態は、図２６に示すように、実施形態２の連通管（21）の電磁弁（7a，7b）に換えて四路切換弁（91）を設けたものである。
【０１９８】
つまり、上記連通管（21）の第１副管（23）及び第２副管（24）には、それぞれ２つの逆止弁（7，7）が設けられている。そして、上記四路切換弁（91）の１つのポートは、第１通路（92）を介して第１副管（23）における２つの逆止弁（7，7）の間に接続されている。
【０１９９】
上記四路切換弁（91）の他の１つのポートは、第２通路（93）を介して第２副管（24）における２つの逆止弁（7，7）の間に接続されている。また、上記四路切換弁（91）の他の１つのポートは、第３通路（94）を介してガス抜き管（28）に接続されている。上記四路切換弁（91）の残りの１つのポートは、閉塞された閉鎖ポートに構成されている。つまり、上記四路切換弁（91）は、三路切換弁であってもよい。
【０２００】
そして、第２系統の圧縮機構（2E）から第１系統の圧縮機構（2D）に冷媒を流す場合、四路切換弁（91）を図２６の実線状態に切り換え、第１通路（92）と第２通路（93）とを連通させる。この場合、第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）のガス冷媒は、第１副管（23）から第１通路（92）を流れ、四路切換弁（91）を経て第２通路（93）に流れ、第２副管（24）を経て低圧ガス管（15）に流れる。
【０２０１】
また、第１系統の圧縮機構（2D）から第２系統の圧縮機構（2E）に冷媒を流す場合、四路切換弁（91）を図２６の実線状態に切り換え、第１通路（92）と第２通路（93）とを連通させる。この場合、低圧ガス管（15）のガス冷媒は、第１副管（23）から第１通路（92）を流れ、四路切換弁（91）を経て第２通路（93）に流れ、第２副管（24）を経て第２インバータ圧縮機（2C）の吸入管（6c）に流れる。
【０２０２】
また、第１系統の圧縮機構（2D）の吸込側と第２系統の圧縮機構（2E）の吸込側とを遮断する場合、四路切換弁（91）を図２６の破線状態に切り換え、第１通路（92）を第３通路（94）に連通させ、第２通路（93）を閉鎖ポートに接続させる。その他の構成、作用及び効果は、実施形態１と同様である。
【０２０３】
【発明の他の実施の形態】
上記実施形態１においては、１台の空調熱交換器（234）と１台の冷却熱交換器（235）とを設けるようにしたが、本発明は、複数の空調熱交換器（234）を設けたものであってもよく、また、複数の冷却熱交換器（235）を設けたものであってもよい。つまり、複数の空調熱交換器（234）が互いに並列に接続されたものであってもよく、また、複数の冷却熱交換器（235）が互いに並列に接続されたものであってもよい。
【０２０４】
また、上記実施形態１においては、上記第１圧縮機（231）及び第２圧縮機（232）は、複数台設けたものであってもよい。つまり、１又は２以上の空調熱交換器（234）を運転するための第１系統の圧縮機（231）を２台以上設けるようにしてもよい。また、１又は２以上の冷却熱交換器（235）を運転するための第２系統の圧縮機（232）を２台以上設けるようにしてもよい。
【０２０５】
また、上記実施形態２においては、１台の空調熱交換器（41）と１台の冷蔵熱交換器（45）と１台の冷凍熱交換器（51）を設けるようにしたが、本発明は、複数の空調熱交換器（45）を設けたものであってもよく、また、複数の冷蔵熱交換器（45）を設けたものであってもよく、また、複数の冷凍熱交換器（51）を設けたものであってもよい。つまり、複数の空調熱交換器（41）が互いに並列に接続されたものであってもよく、また、複数の冷蔵熱交換器（45）が互いに並列に接続されたものであってもよく、また、複数の冷凍熱交換器（51）が互いに並列に接続されたものであってもよい。
【０２０６】
また、上記実施形態２及び実施形態３は、冷暖房を行うようにしたが、本発明は、冷房モードの運転のみを行うものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施形態１の冷媒回路を示す回路図である。
【図２】 図２〜図２５は、本発明の実施形態２を示し、図２は、冷媒回路を示す回路図である。
【図３】 冷房運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
【図４】 冷凍運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
【図５】 第１冷房冷凍運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
【図６】 第２冷房冷凍運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
【図７】 暖房運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
【図８】 第１暖房冷凍運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
【図９】 第２暖房冷凍運転時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
【図１０】 第３暖房冷凍運転（その１）時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
【図１１】 第３暖房冷凍運転（その２）時の冷媒流れを示す冷媒回路図である。
【図１２】 冷房モードにおける運転切り換えを示す制御フロー図である。
【図１３】 冷房運転時における能力制御を示す制御フロー図である。
【図１４】 冷房運転時における圧縮機容量の変化特性を示す能力特性図である。
【図１５】 冷凍運転時における能力制御を示す制御フロー図である。
【図１６】 冷凍運転時における圧縮機容量の変化特性を示す能力特性図である。
【図１７】 第１冷房冷凍運転時における冷媒挙動を示すモリエル線図である。
【図１８】 第１冷房冷凍運転と第１冷房冷凍運転との運転切り換えを示す制御フロー図である。
【図１９】 暖房モードにおける運転切り換えを示す制御フロー図である。
【図２０】 暖房運転時における圧縮機容量の制御を示す制御フロー図である。
【図２１】 第１暖房冷凍運転時における能力制御を示す制御フロー図である。
【図２２】 第２暖房冷凍運転時における能力制御を示す制御フロー図である。
【図２３】 第３暖房冷凍運転その１における能力制御を示す制御フロー図である。
【図２４】 第３暖房冷凍運転その２における能力制御を示す制御フロー図である。
【図２５】 暖房モードにおける運転切り換えを示す制御フロー図である。
【図２６】 本発明の実施形態３を示し、冷媒回路の要部を示す回路図である。
【符号の説明】
1，210 冷凍装置
1E，220 冷媒回路
1L 高圧ガスライン
221 高圧ガス管（高圧ガスライン）
10，222 液管（液ライン）
1M 第１の低圧ガスライン
1N 第２の低圧ガスライン
223 第１低圧ガス管（第１の低圧ガスライン）
224 第２低圧ガス管（第２の低圧ガスライン）
21 連通管（補助ライン）
225 補助ガス管（補助ライン）
7a，7b 電磁弁（開閉機構）
226 開閉弁（開閉機構）
2A ノンインバータ圧縮機
2B 第１インバータ圧縮機
2C 第２インバータ圧縮機
2D 第１系統の圧縮機構
2E 第２系統の圧縮機構
231 第１圧縮機（第１系統の圧縮機）
232 第２圧縮機（第２系統の圧縮機）
4，233 室外熱交換器（熱源側熱交換器）
41，234 室内熱交換器（空調熱交換器）
45，235 冷蔵熱交換器（冷却熱交換器）
51 冷凍熱交換器（冷却熱交換器）
26，42，46，52 膨張弁（膨張機構）
236，237 膨張弁（膨張機構）
53 ブースタ圧縮機（冷凍圧縮機）

Claims (5)

1. 第１系統の圧縮機（232）と第２系統の圧縮機（231）とを備えて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、
   上記第１系統の圧縮機（232）と第２系統の圧縮機（231）との吐出側は、高圧ガスライン（221）を介して熱源側熱交換器（233）の一端に接続され、
   上記熱源側熱交換器（233）の他端は、室内を空調する空調熱交換器（234）の一端と庫内を冷却する冷却熱交換器（235）の一端とに液ライン（222）を介して分岐接続され、
   該液ライン（222）の分岐部（222b，222c）には、上記空調熱交換器（234）及び冷却熱交換器（235）の出口冷媒の過熱度制御を行う膨張機構（236，237）が設けられる一方、
   上記空調熱交換器（ 234 ）の蒸発温度が上記冷却熱交換器（ 235 ）の蒸発温度より高くなるように、上記空調熱交換器（234）の他端が第２の低圧ガスライン（223）を介して第２系統の圧縮機（231）の吸込側に接続され、上記冷却熱交換器（235）の他端が第１の低圧ガスライン（24）を介して第１系統の圧縮機（232）の吸込側に接続され、
   上記第１の低圧ガスライン（224）と第２の低圧ガスライン（223）との間には、開閉機構（226）を有する補助ライン（225）が接続され、
   上記補助ライン（ 225 ）の開閉機構（ 226 ）は、上記空調熱交換器（ 234 ）の冷房能力が不足すると、第１系統の圧縮機（ 232 ）が冷却熱交換器（ 235 ）の冷媒と空調熱交換器（ 234 ）の冷媒の一部とを吸引すると同時に、第２系統の圧縮機（ 231 ）が空調熱交換器（ 234 ）の残りの冷媒を吸引するように開口する
   ことを特徴とする冷凍装置。
2. 第１系統の圧縮機構（2D）及び第２系統の圧縮機構（2E）と、熱源側熱交換器（4）と、膨張機構（42，46）と、室内を空調する空調熱交換器（41）と、庫内を冷却する冷却熱交換器（45）とが接続されて冷媒が循環する冷媒回路（1E）が構成され、
   上記空調熱交換器（41）の一端は、第２の低圧ガスライン（1M）を介して第２系統の圧縮機構（2D）の吸込側に接続され、上記冷却熱交換器（45）の一端は、第１の低圧ガスライン（1N）を介して第１系統の圧縮機構（2E）の吸込側に接続される一方、
   上記冷媒回路（1E）は、
   上記第２系統の圧縮機構（2E）から吐出した冷媒が熱源側熱交換器（4）、膨張機構（42）及び空調熱交換器（41）を順に経て第２系統の圧縮機構（2E）に戻る循環を行う冷房運転と、
   上記第１系統の圧縮機構（2D）から吐出した冷媒が熱源側熱交換器（4）、膨張機構（46）及び冷却熱交換器（45）を順に経て第１系統の圧縮機構（2D）に戻る循環を行う冷凍運転と、
   上記第１系統の圧縮機構（2D）及び第２系統の圧縮機構（2E）から吐出した冷媒が合流して熱源側熱交換器（4）を流れた後、分流して空調熱交換器（41）及び冷却熱交換器（45）に膨張機構（42，46）を介して流れ、第１系統の圧縮機構（2D）及び第２系統の圧縮機構（2E）にそれぞれ個別に戻る循環を行って上記空調熱交換器（ 41 ）の蒸発温度が上記冷却熱交換器（ 45 ）の蒸発温度より高くなる異温度蒸発の冷房冷凍運転と
   を少なくとも選択的に行うように構成され、
   上記膨張機構（42，46）は、空調熱交換器（41）及び冷却熱交換器（45）の出口冷媒の過熱度制御を行うように構成される一方、
   上記第１の低圧ガスライン（1M）と第２の低圧ガスライン（1N）との間には、開閉機構（7b）を有する補助ライン（21）が接続され、
   上記補助ライン（ 21 ）の開閉機構（ 7b ）は、上記冷房冷凍運転時における空調熱交換器（ 41 ）の冷房能力が不足すると、第１系統の圧縮機構（ 2D ）が冷却熱交換器（ 45 ）の冷媒と空調熱交換器（ 41 ）の冷媒の一部とを吸引すると同時に、第２系統の圧縮機構（ 2E ）が空調熱交換器（ 41 ）の残りの冷媒を吸引するように開口する
   ことを特徴とする冷凍装置。
3. 請求項２において、
   上記開閉機構（7b）は、空調熱交換器（41）が空調する室内の温度と、第１系統の圧縮機構（2D）及び第２系統の圧縮機構（2E）の能力と、冷媒回路（1E）の低圧冷媒圧力とに基づいて空調熱交換器（41）の冷房能力の不足を判定し、該冷房能力が不足した場合に開口する
   ことを特徴とする冷凍装置。
4. 請求項３において、
   上記開閉機構（7b）は、室内温度が設定温度より所定温度より高い条件と、上記第２系統の圧縮機構（2E）の能力が最大である条件と、上記第１系統の圧縮機構（2D）の能力が最大でない条件と、上記第１系統の圧縮機構（2D）の低圧冷媒圧力が所定圧力より低い条件とを充足した場合に開口する
   ことを特徴とする冷凍装置。
5. 請求項２において、
   複数の冷却熱交換器（45，51）のうち少なくとも１台の冷却熱交換器が冷凍熱交換器（51）に構成され、
   該冷凍熱交換器（51）のガス側は、第１系統の圧縮機構（2E）を高段側圧縮機として冷媒を２段圧縮するための冷凍圧縮機（53）が接続されている
   ことを特徴とする冷凍装置。

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