JP5191254B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、基板を略水平に保持した状態で所定の処理を行う基板処理装置および基板処理方法に関するものである。ここで、処理対象となる基板には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板および光磁気ディスク用基板等が含まれる。また、基板に施す処理には、現像処理、エッチング処理、洗浄処理、リンス処理および乾燥処理等が含まれる。
基板を略水平に保持した状態で処理を行う基板処理装置および基板処理方法では、基板の上面にゴミやミストが落下付着したり、基板表面が空気に曝されるのを防止するために、基板の上方近接位置に、基板と略同じ大きさまたはこれより若干大きい遮断部材を配置して基板を覆うことがある。例えば、特許文献1に記載の技術では、スピンチャックにより水平保持される基板の直上に、基板と対向配置される遮断板を設けている。この遮断板は、スピンチャックと同じ回転方向、回転速度で回転駆動される。こうすることにより、従来技術では、ゴミやミスト、外気等から基板を遮断する遮断効果を得ている。
特開2002−273360号公報
この種の基板処理装置および基板処理方法においては、処理のスループット、すなわち単位時間当たりの基板処理枚数のさらなる向上が求められている。これを可能にする手法の1つとして、基板に処理を施すための処理ユニットを同じ設置容積内により多く設置して多数の基板を並列的に処理することが考えられる。このためには、各処理ユニットのさらなる小型化が求められる。しかしながら、上記従来技術は、装置の小型化を図る上での限界があった。その理由は、基板の搬入・搬出等のために遮断板を一時的に退避させるためのスペースを必要とすること、遮断板を回転させたり退避させたりするための駆動機構を設ける必要があることなどである。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板を略水平に保持した状態で所定の処理を行う基板処理装置および基板処理方法において、遮断板を用いた処理技術と同様の遮断効果を得ながらも、より装置の小型化に適した技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる基板処理装置は、上記目的を達成するため、基板を略水平に保持する基板保持手段と、前記基板に処理液を供給して湿式処理を行う処理液供給手段と、前記基板保持手段に保持された基板の中央部の上方に配置され気体を吐出する気体吐出手段とを備え、前記気体吐出手段は、前記基板の中央部に向けて開口する第1の吐出口と、前記第1の吐出口を取り囲むように開口する第2の吐出口とを設けられており、前記第1の吐出口から第1の気体を吐出して前記湿式処理後の前記基板表面に沿って前記第1の気体による第1の気体層を形成する一方、前記第2の吐出口から前記第1の気体より比重の小さい第2の気体を吐出して前記第1の気体の層の上層に前記第2の気体による第2の気体層を形成することを特徴としている。
このように構成された発明では、第1の吐出口から基板中央部に向かって吐出された比重の大きな第1の気体が基板表面に沿ってその周縁に向かって広がり、基板表面近傍に第1の気体による気体層が形成される。そして、第1の吐出口を取り囲むように設けられた第2の吐出口から吐出される第2の気体は、第1の気体より比重が小さいため第1の気体層の上部に第2の気体層を形成する。こうして基板表面を覆う第1の気体層が基板表面近傍の雰囲気を制御する一方、第1の気体層の上部に形成される第2の気体層が第1の気体層へのミストやゴミ等の混入を防止する。こうすることで、この発明では、ゴミやミスト、外気等から基板を遮断しながら必要な処理を行うことができる。また、気体吐出手段を基板の外形寸法より小さく構成することができることに加え、気体吐出手段を回転させる必要がないので、装置の大幅な小型化を図ることができる。
例えば、前記第2の気体として、前記第1の気体より平均分子量の小さい気体を用いることができる。異なる気体の間では、特に温度差を設けなければ平均分子量の大きいものほど比重が大きい。したがって、二種の気体のうち平均分子量の大きいものを第1の気体、小さいものを第2の気体として好適に用いることができる。
また、例えば、前記第2の気体として、前記第1の気体と同一組成で前記第1の気体よりも高温の気体を用いることができる。同一組成の気体であれば、低温のものほど比重が大きい。そこで、同一組成で温度の異なる2つの気体のうち低温のものを第1の気体、高温のものを第2の気体として好適に用いることができる。
また、前記第1の気体は不活性ガスであることが望ましい。第1の気体は基板表面に直接触れる可能性があるため、これを不活性ガスとすることで基板表面の変質を防止することができる。
また、前記第2の気体は水分を除去された気体であることが望ましい。こうすることで、基板表面の周囲雰囲気を低湿環境に保ち、基板表面への水分の付着に起因するシミやウォーターマーク等の欠陥の発生を防止することができる。
また、前記気体吐出手段は、前記第2の吐出口から吐出する前記第2の気体の流速よりも高い流速で、前記第1の吐出口から前記第1の気体を吐出することが好ましい。こうして第1の吐出口の周囲に流速の低い第2の気体による流れを作ることにより、第1の気体の吐出に起因して第1の吐出口近傍に生じる渦を少なくし、第1の気体へのミスト等の巻き込みを効果的に防止することができる。
また、前記第2の吐出口が、前記基板の周縁に向かって開口していてもよい。第1の気体は基板中央部に向かって吹き付けられ、基板表面に沿って中央から外側に向かって流れることが望ましい。これに対して、第2の気体は基板表面に対して直接吹き付けられる必要はなく、むしろ基板表面近傍に形成される第1の気体層の上部に沿って外側へ向かって流れることが好ましい。こうすることで、第1の気体層の中へ第2の気体が侵入するのを抑制することができ、第2の気体層に入り込んだミスト等が基板表面に接近するのを防止することができる。
また、この基板処理装置においては、前記基板保持手段を回転駆動して前記基板を略鉛直の回転軸中心に回転させる回転手段と、前記湿式処理後の前記基板に対し、前記気体吐出手段により前記第1および第2の気体を吐出させて前記第1の気体層および前記第2の気体層を形成した状態で、前記回転手段により前記基板を回転させて前記基板表面から前記処理液を除去し前記基板を乾燥させる乾燥処理を実行する制御手段とをさらに備えるように構成されてもよい。このような構成によれば、湿式処理後の基板表面が第1および第2の気体層に覆われた状態で乾燥処理が行われるので、欠陥を生じさせることなく基板を良好に乾燥することができる。
また、この発明にかかる基板処理方法は、上記目的を達成するため、基板を略水平に保持する基板保持工程と、前記基板に処理液を供給して湿式処理を行う湿式処理工程と、前記基板の中央部上方に気体を吐出する気体吐出手段を配置し、該気体吐出手段から前記基板の中央部に向けて第1の気体を吐出して該第1の気体により前記基板表面を覆う第1の気体層を形成するとともに、前記気体吐出手段から前記第1の気体よりも比重の小さい第2の気体を吐出して前記第2の気体により前記第1の気体層を覆う第2の気体層を形成する気体層形成工程とを備え、前記第1および第2の気体層が形成された状態で、前記湿式処理後の前記基板に対し所定の処理を行うことを特徴としている。
このように構成された発明では、上記した基板処理装置の発明と同様に、比重の大きい第1の気体によって基板表面の雰囲気を制御する一方、第1の気体層の上部に第2の気体層を形成することで第1の気体層へのミストやゴミ等の混入を防止することができる。このため、遮断板を設けずともこれと同様の遮断効果を得ることができ、簡単かつ小型の装置構成で基板に対する処理を行うことができる。
ここで、前記所定の処理としては、例えば処理液による湿式処理後の基板を回転させて該基板表面から前記処理液を除去し前記基板を乾燥させる乾燥処理を実行するようにしてもよい。こうすることで、湿式処理後の基板表面が第1および第2の気体層に覆われた状態で乾燥処理を行うことができ、欠陥を生じさせることなく基板を良好に乾燥することができる。
この発明によれば、基板の中央部に向けて吐出した比重の大きい第1の気体による層を基板表面近傍に形成し基板表面の雰囲気を制御する一方、より比重の小さい第2の気体による層を第1の気体層の上部に形成することで周囲からのミスト等が第1の気体層に入り込むのを効果的に抑制することができる。また、基板全体を覆う遮断板に比べて、気体を吐出するための手段(気体吐出手段)を小型に構成することができ、かつそれを回転させる等の必要がないため、装置を小型に構成することが可能となる。
図1はこの発明を好適に適用することのできる基板処理システムを示す図である。より詳しくは、図1(a)は基板処理システムの上面図であり、図1(b)は基板処理システムの側面図である。この基板処理システムは、半導体ウエハ等の基板Wに対して処理液や処理ガスなどによる処理を施すための枚葉式の基板処理装置としての基板処理ユニットを複数備える処理システムである。この基板処理システムは、基板Wに対して処理を施す基板処理部PPと、この基板処理部PPに結合されたインデクサ部IDと、処理流体(液体または気体)の供給/排出のための構成を収容した処理流体ボックス11,12とを備えている。
インデクサ部IDは、基板Wを収容するためのカセットC(複数の基板Wを密閉した状態で収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Interface)ポッド、OC(Open Cassette)など)を複数個保持することができるカセット保持部21と、このカセット保持部21に保持されたカセットCにアクセスして、未処理の基板WをカセットCから取り出したり、処理済の基板をカセットCに収納したりするためのインデクサロボット22とを備えている。
各カセットCには、複数枚の基板Wが「ロット」という一単位で収容されている。複数枚の基板Wはロット単位で種々の基板処理システムの間に搬送され、各基板処理システムでロットを構成する各基板Wに対して同一種類の処理が施される。各カセットCは、複数枚の基板Wを微小な間隔をあけて上下方向に積層して保持するための複数段の棚(図示省略)を備えており、各段の棚に1枚ずつ基板Wを保持することができるようになっている。各段の棚は、基板Wの下面の周縁部に接触し、基板Wを下方から保持する構成となっており、基板Wは表面(パターン形成面)を上方に向け、裏面を下方に向けたほぼ水平な姿勢でカセットCに収容されている。
基板処理部PPは、平面視においてほぼ中央に配置された基板搬送ロボット(基板搬送装置)13と、この基板搬送ロボット13が取付けられたフレーム30とを有している。このフレーム30には、図1(a)に示すように、水平方向に複数個(この実施形態では4個)の処理ユニット1,2,3,4が基板搬送ロボット13を取り囲むように搭載されている。この実施形態では、処理ユニット1〜4として例えば半導体ウエハのようなほぼ円形の基板Wに対して所定の処理を施す処理ユニットがフレーム30に搭載されている。また、図1(b)に示すように、各処理ユニットの下段にはそれぞれもう1つの処理ユニットが設置されている。図1(b)では、処理ユニット3の下段に設けられた処理ユニット3Bおよび処理ユニット4の下段に設けられた処理ユニット4Bを図示しているが、処理ユニット1および2の下段にも同様にもう1つずつの処理ユニット1Bおよび2Bが設けられ、この基板処理システムでは計8個の処理ユニットが4個ずつ2段に積層されてフレーム30に搭載されている。
処理ユニットとしては、例えば、基板Wに対して薬液による薬液処理および純水などのリンス液によるリンス処理を施す薬液処理ユニットを採用することができる。以下、薬液およびリンス液を総称する場合は「処理液」という。処理ユニット1,2,3,4はそれぞれ、内部に基板Wに対して処理を施すための処理空間が形成された処理チャンバー1a,2a,3a,4aを有する。そして、各処理チャンバー1a〜4a内で基板Wに処理液が供給され該基板Wに対して湿式処理が施される。下段に設けられた処理ユニットについても同様である。このように、この実施形態では、複数の処理ユニットの全てにおいて互いに同一種類の処理を施すようにしている。
基板搬送ロボット13は、インデクサロボット22から未処理の基板Wを受け取ることができ、かつ処理済の基板Wをインデクサロボット22に受け渡すことができる。より具体的には、例えば、基板搬送ロボット13は、当該基板処理部PPのフレーム30に固定された基台部と、この基台部に対して昇降可能に取付けられた昇降ベースと、この昇降ベースに対して鉛直軸回りの回転が可能であるように取付けられた回転ベースと、この回転ベースに取付けられた一対のハンドとを備えている。一対の基板保持ハンドは、それぞれ、上記回転ベースの回転軸線に対して近接/離間する方向に進退可能に構成されている。このような構成により、基板搬送ロボット13は、インデクサロボット22および処理ユニット1〜4、1B〜4Bのいずれかに対して基板保持ハンドを向け、その状態で基板保持ハンドを進退させることができ、これによって、基板Wの受け渡しを行うことができる。
インデクサロボット22は、次に説明する制御部により指定されたカセットCから未処理の基板Wを取り出して基板搬送ロボット13に受け渡すとともに、基板搬送ロボット13から処理済の基板Wを受け取ってカセットCに収容する。処理済の基板Wは、当該基板Wが未処理の状態のときに収容されていたカセットCに収容されてもよい。また、未処理の基板Wを収容するカセットCと処理済の基板Wを収容するカセットCとを分けておいて、未処理の状態のときに収容されていたカセットCとは別のカセットCに処理済の基板Wが収容されるように構成してもよい。
次に、上記した基板処理システムに搭載される処理ユニットの2つの実施形態について説明する。なお、図1の基板処理システムでは、8個の処理ユニットが搭載されているが、これらの処理ユニットはいずれも以下に説明する処理ユニット100と同一の構造とすることができる。
<第1実施形態>
図2は本発明にかかる基板処理装置としての処理ユニットの第1実施形態を示す図である。この処理ユニット100は、半導体ウエハ等の基板Wの表面Wfに付着している不要物を除去するための洗浄処理に用いられる枚葉式の処理ユニットである。より具体的には、基板表面Wfに対してフッ酸などの薬液による薬液処理および純水やDIW(脱イオン水:deionized water)などのリンス液によるリンス処理を施した後、リンス液で濡れた基板表面Wfを乾燥させる装置である。なお、この実施形態では、基板表面Wfとはpoly−Si等からなるデバイスパターンが形成されたパターン形成面をいう。
第1実施形態の処理ユニット100は、基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック101を備えている。スピンチャック101は、回転支軸111がモータを含むチャック回転機構154の回転軸に連結されており、チャック回転機構154の駆動により回転軸J(鉛直軸)回りに回転可能となっている。回転支軸111の上端部には、円盤状のスピンベース115が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット151からの動作指令に応じてチャック回転機構154が作動することによりスピンベース115が回転軸J回りに回転する。また、制御ユニット151はチャック回転機構154を制御して回転速度を調整する。
スピンベース115の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン117が立設されている。チャックピン117は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース115の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン117のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部とを備えている。各チャックピン117は、基板保持部が基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部が基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
スピンベース115に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン117を解放状態とし、基板Wに対して洗浄処理を行う際には、複数個のチャックピン117を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン117は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース115から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。これにより、基板Wはその表面(パターン形成面)Wfを上方に向け、裏面Wbを下方に向けた状態で支持される。なお、基板を保持する手段としてはチャックピンによるものに限らず、基板裏面Wbを吸引して基板Wを支持する真空チャックを用いてもよい。
このように基板Wを保持したスピンチャック101をチャック回転機構154により回転駆動することで基板Wを所定の回転速度で回転させながら、下記の処理液供給ノズルから基板表面Wfに対し処理液が供給されて、所定の湿式処理(薬液処理およびリンス処理)が施される。
また、スピンチャック101の側方には処理液供給手段120が設けられている。処理液供給手段120は、供給ノズル121と、基板Wの中心に対向する位置とスピンチャック101側方の待機位置との間で供給ノズル121を水平移動させる図示しない移動機構とを備えている。そして、供給ノズル121は、図示しない処理液供給源に配管接続されることで、リンス液と薬液とを処理液として切り替えて供給することができる。
また、基板Wの略中央部の上方には、ガス吐出ヘッド200が設けられている。ガス吐出ヘッド200の上部には、外部のアルゴン(Ar)ガス供給源GS1および窒素(N2)ガス供給源GS2からそれぞれ圧送されてくるアルゴンガスおよび窒素ガスを取り込むためのガス導入口281および291が設けられている。より詳しくは、ガス導入口281には、外部のアルゴンガス供給源GS1と接続され開閉バルブ171を介挿された配管172が接続されている。また、ガス導入口291には、窒素ガス供給源GS2と接続され開閉バルブ173を介挿された配管174が接続されている。開閉バルブ171、173は制御ユニット151により制御されたバルブ制御機構152によって開閉制御されており、必要に応じてバルブを開くことにより、アルゴンガス供給源GS1から供給されてくるアルゴンガスおよび窒素ガス供給源GS2から供給される窒素ガスをガス吐出ヘッド200へ送り込む。
ガス導入口281は、ガス吐出ヘッド200の下面(基板表面Wfと対向する面)で基板Wの略中央に向けて開口するガス吐出口283とガス供給路282により連通されている。また、ガス導入口291は、ガス吐出ヘッド200の下面で基板Wの略中央に向けて開口するガス吐出口293とガス供給路292により連通されている。なお、ガス吐出ヘッド200のより詳細な構造については後で説明する。
ガス吐出ヘッド200は図示を省略するアームによってスピンベース115の上方に保持される一方、該アームは制御ユニット151により制御されるヘッド昇降機構153に接続されて昇降可能に構成されている。かかる構成により、スピンチャック101に保持される基板Wの表面Wfに対してガス吐出ヘッド200が所定の間隔(例えば2〜10mm程度)で対向位置決めされる。また、ガス吐出ヘッド200、スピンチャック101、ヘッド昇降機構153およびチャック回転機構154は処理チャンバー100a内に収容されている。
図3はガス吐出ヘッドのより詳細な構造を示す図である。より詳しくは、図3(a)はガス吐出ヘッド200を斜め下方から見た図であり、図3(b)はガス吐出ヘッド200を下方から見た図である。図3(a)および(b)に示すように、ガス吐出ヘッド200はそれぞれ中空で径の異なる2つの管をスピンチャック回転軸Jと同軸に設けた二重管構造をしている。アルゴンガスを吐出するガス吐出口283は、回転軸J上の基板Wの中心に向けて下向きに開口するように設けられている。一方、窒素ガスを吐出するガス吐出口293は、アルゴンガス用のガス吐出口283の周囲を取り囲むように下向きに開口している。
図4はガス吐出ヘッドの動作原理を示す図である。より詳しくは、図4(a)は本実施形態におけるガス吐出ヘッド200の動作を説明する図である。また、図4(b)は基板に向けて1種類のガスのみを吐出する従来技術を比較例として示す図である。
後述するリンス処理から乾燥処理までの間、ガス吐出ヘッド200は基板中心の上方に位置決めされており、ガス導入口281から導入されたアルゴンガスはガス供給路282を通ってガス吐出口283から吐出される一方、ガス導入口291から導入された窒素ガスはガス供給路292を通ってガス吐出口293から吐出される。図4(a)に示すように、略下方に向けて吐出されたアルゴンガスおよび窒素ガスは基板表面Wfに沿って放射状に外側へ広がってゆく。
ここで、窒素ガスの分子量が約28であるのに対し、アルゴンガスの分子量は約40であり、両者の温度に大きな差を設けない限り、アルゴンガスの方が比重が大きい。この比重の差に起因して、基板W上には2種類のガス層が形成される。すなわち、ガス吐出口283から基板Wの中心に向かって吐出されるアルゴンガスは、比重が大きいため基板表面Wfの近傍をその中心から周縁に向かって流れるガス層L1を形成する。一方、ガス吐出口283を取り囲むように開口するガス吐出口293から吐出される窒素ガスは、アルゴンガスよりも比重が小さいため、アルゴンガス層L1の上層を流れるガス層L2を形成する。
このようにすることで、次のような作用効果が得られる。まず、基板表面Wfに沿ってその中心から周縁に向けて流れる気流が形成されているため、処理チャンバー100a内に浮遊するゴミDや処理液のミストMはこの気流に捕捉されて基板の外側へ押し流され、基板表面Wfに付着することが抑制される。また、ゴミDやミストM等が仮に窒素ガス層L2に入り込んだとしても、窒素ガス層L2は基板表面Wfから離れた上層を流れているため、ゴミDやミストM等が基板表面Wfに接近することがさらに効果的に抑制される。
また、図4(b)の比較例に示すように、ノズルNzから1種類のガス(例えば窒素ガス)のみを吐出し基板Wの表面Wfに吹き付けるようにした場合には、ガス流と周囲雰囲気との界面、特にノズルNzの吐出口の近傍にガス流の渦が生じ、この渦がミストM等を巻き込んでしまい、こうしてガス流に取り込まれたミストM等が基板表面Wfに向けて送り込まれるおそれがある。これに対して、図4(a)に示す本実施形態では、基板Wに吹き付けられるアルゴンガスを吐出するガス吐出口283がもう1つのガス吐出口293に取り囲まれており、ガス吐出口293からは窒素ガスが吐出されているので、ガス吐出口283の近傍に生じる渦が少なく、ミストM等を巻き込むおそれが少なくなっている。また、ガス吐出口293の近傍で窒素ガスによる渦が形成されたとしても、前記したように窒素ガス層L2はアルゴンガス層L1の上層を流れているので、取り込まれたミスト等が直ちに基板表面Wfに接近し付着することが防止される。
ここで、アルゴンガスおよび窒素ガスの流速について検討する。図5はガスの流速を示す図である。図5(a)に示すように、ここではガス吐出口283から吐出されるアルゴンガスの平均流速を符号V1、ガス吐出口293から吐出される窒素ガスの平均流速を符号V2によって表す。ここで、「平均流速」の語を使用しているのは、ガス吐出口における位置によって速度に違いがあることを考慮したものである。
ガス吐出口283から基板中心に向けて吐出するアルゴンガスの流速V1については、例えば湿式処理中には基板表面Wfから処理液を吹き飛ばしてしまわない程度に低速であることが求められる一方、乾燥処理においてはより高速で処理液を吹き飛ばすようにしてもよいというように、基板に対する処理の内容に応じて定められるべきものである。一方、ガス吐出口293から吐出する窒素ガスの流速V2については、以下のように考えることが可能である。
まず、2種類のガスの平均流速V1,V2を等しくすることが考えられる。このようにすれば、ガス吐出口283の近傍における渦がほとんど生じなくなり、基板表面Wfに向けて吐出されるアルゴンガスの流れが乱されないという点で好ましい。ただし、ガス吐出口293の近傍で比較的大きな渦を生じることとなり、窒素ガス層L2へのミスト等の巻き込み量が多くなる可能性がある。特に流速が高い場合には問題となり得る。また、窒素ガスの流速V2をアルゴンガスの流速V1よりも大きくした場合には、ガス吐出口283の近傍において窒素ガスをアルゴンガス流に巻き込むような渦が生じる。このことは、窒素ガス層L2に取り込まれたミスト等を基板表面Wf近傍を流れるアルゴンガス層L1に混入させるおそれがあることを意味している。
一方、窒素ガスの流速V2をアルゴンガスの流速V1よりも小さくした場合には、図5(b)に示すように、中心軸Jに直交する座標軸X上における中心軸J上に対応する位置Xjで流速が最大となる一方、これから遠ざかるにつれて次第に流速が低下する流速分布となる。このため、ガス吐出口283の近傍における渦の発生が抑制されるとともに、ガス吐出口293の近傍における渦の発生も少なくすることができ、周囲雰囲気中のミスト等が基板表面Wfに接近するのを最も効果的に抑制することができるという点で最も好ましい。以上より、窒素ガスの流速V2については、アルゴンガスの流速V1と同程度またはこれより小さく設定することが好ましい。
このように、本実施形態においてガス吐出ヘッド200の周囲から吐出されるガス流は、前記した従来技術の基板処理装置において基板に対向させて設けた遮断部材と同様に、基板表面Wfに向け落下してくるゴミやミスト等および外部雰囲気を基板表面から遮断する機能を有するものである。しかしながら、この実施形態では、基板Wの略中央上方に設けたガス吐出ヘッド200からガスを吐出することによって遮断機能を実現しているため、遮断部材のように基板表面全体を機械的に覆う必要はなく、ガス吐出ヘッド200は基板Wの寸法より小さく形成することができる。すなわち、ガス吐出ヘッド200の直径を基板Wの直径より小さくすることができる。例えば、ガス流の流量および流速を適宜に設定すれば、ガス吐出ヘッド200の直径を基板Wの直径の半分以下としても十分な遮断機能が得られる。
このため、基板Wをスピンチャック101に対し搬入・搬出する際や、基板表面Wfに処理液を供給する際にもガス吐出ヘッド200を大きく退避させる必要がない。また、基板を回転させる際にガス吐出ヘッド200を共に回転させる必要がない。このように、ガス吐出ヘッド200を小型にすることができることに加えて、ガス吐出ヘッド200を上方に退避させるためのスペースや回転させるための機構を要しないので、この実施形態では処理ユニット100を小型に構成することができ、特にその高さを抑えることができる。また、可動部分を少なくすることができるので、処理チャンバー100a内でのゴミの発生を抑えることができる。
その結果、図1(b)に示すように、処理ユニットを高さ方向に多段に積み重ねて設置することが可能となり、同じ設置面積内により多くの処理ユニットを設置して並列的に処理を行うことができる。こうすることにより、この実施形態の処理ユニットを備えた基板処理システムでは、高い基板処理のスループットを得ることができる。また、処理ユニット1つ当たりの装置のフットプリントを小さくすることができる。
図6は第1実施形態における基板処理の流れを示すフローチャートである。処理の開始前には、開閉バルブ171および173はいずれも閉じられており、スピンチャック101は静止している。まず、基板搬送ロボット13により1枚の基板Wが処理ユニット100内に搬入されスピンチャック101に載置されチャックピン117により保持される(ステップS101;基板保持工程)。このとき、必要に応じてヘッド昇降機構153を作動させてガス吐出ヘッド200をスピンチャック101から離間位置に移動させれば基板の搬入をよりスムーズに行うことができるが、基板とガス吐出ヘッド200との間に十分な距離が確保されていればガス吐出ヘッド200の移動は不要である。後述する基板搬出時においても同様である。また、この時点で供給ノズル121も待機位置に移動している。
まず、スピンチャック101を回転させながら基板表面Wfに処理液供給手段120を用いて所定の処理液を供給して湿式処理を実行する(ステップS102、S103)。湿式処理の処理内容としては公知のものを適用することができるのでここでは説明を省略する。湿式処理としては、薬液処理の次にリンス処理が行われる。リンス処理では純水(または脱イオン水)を回転する基板表面Wfに供給することで処理液である薬液を洗い流す。その後、ガス吐出ヘッド200からアルゴンガスおよび窒素ガスを吐出させながら基板表面Wfに残る純水を除去する乾燥処理を行う(気体層形成工程)。すなわち、供給ノズル121を待機位置に移動させ、基板Wを回転させたまま、開閉バルブ171,173を開き、ガス吐出ヘッド200に設けられたガス吐出口283,293からそれぞれアルゴンガスおよび窒素ガスを吐出させる(ステップS104)。
こうして基板Wの上方に2種類のガス層を形成した状態で、処理液(ここではリンス液としての純水または脱イオン水)の供給を停止し(ステップS105)、スピンチャック101の回転数を上げて基板Wを高速回転させ(ステップS106)、基板表面Wfの純水を振り切ることによって基板を乾燥させる。乾燥処理の実行中においてはガス吐出ヘッド200からアルゴンガスおよび窒素ガスを供給し続けることによって、乾燥した基板表面Wfへのミスト等の付着や基板Wfの酸化が防止される。乾燥処理が終了するとスピンチャック101の回転を停止し(ステップS107)、アルゴンガスおよび窒素ガスの吐出を停止する(ステップS108)。そして、基板搬送ロボット13が乾燥された基板Wをスピンチャックから取り出しユニット外へ搬出することで(ステップS109)、1枚の基板に対する処理が完了する。また上記処理を繰り返すことにより、複数の基板を順次処理することができる。
以上のように、この実施形態では、略水平に保持した基板を回転させながら処理する処理ユニットにおいて、基板Wの略中央上方にガス吐出ヘッド200を設け、その中央に基板表面Wfに向けて開口したガス吐出口283から基板の中心に向けて比重の大きなアルゴンガスを吐出することによって基板表面Wf近傍をアルゴンガス雰囲気に保つ。これとともに、ガス吐出口283を取り囲んで開口するガス吐出口293からより比重の小さな窒素ガスを吐出することにより、基板表面Wfの近傍に形成されたアルゴンガス層を窒素ガス層で覆っている。このように、比重の異なる2種類のガス層を基板上に形成した状態で処理を行うことにより、この実施形態では、基板表面Wfへのゴミやミスト等の付着を防止してパーティクル等の欠陥を生じることなく基板を処理することができる。また、ガス吐出ヘッド200は基板Wよりも小径とすることができ、しかも大きく退避させたり回転させる必要がないので処理ユニットを小型に構成することができる。
このように、上記実施形態では2種類の気体としてアルゴンガスおよび窒素ガスを用いた。すなわち、この実施形態では、アルゴンガスおよび窒素ガスが本発明の「第1の気体」および「第2の気体」に相当している。そして、ガス吐出ヘッド200が本発明の「ガス吐出手段」として機能しており、ガス吐出口283および293がそれぞれ本発明の「第1の吐出口」および「第2の吐出口」に相当している。また、上記実施形態においては、スピンチャック101、チャック回転機構154が本発明の「基板保持手段」および「回転手段」として機能する一方、制御ユニット151が本発明の「制御手段」として機能している。さらに、この実施形態では、処理液供給ユニット120が本発明の「処理液供給手段」として機能している。
なお、「第1および第2の気体」の組み合わせは上記に限定されるものではなく、互いに比重が異なる他の気体を用いてもよい。ただし、基板表面Wfに近い層を形成する気体、つまり「第1の気体」は、基板表面Wfに化学反応を生じさせない不活性ガスであることが好ましく、本実施形態のようなアルゴンガスの他、例えば窒素ガスや他の不活性ガスで比較的分子量の大きいものを用いることができる。
また、「第2の気体」は原理的には基板表面Wfに直接接しないため不活性ガスであることを必ずしも必要とせず、基板Wの近傍を低湿雰囲気に保つために、第1の気体より比重が小さく、かつ水蒸気および水分を含まないまたはできるだけ除去された気体であることが望ましい。このような気体としては、本実施形態のような窒素ガスの他、乾燥空気(Clean Dry Air;CDA)など比較的分子量の小さいものを用いることができる。例えば上記実施形態における窒素ガスに代えてCDAを用いることが可能である。
また、第1および第2の気体としては単体のものに限らず、複数のガス種が混合されたものであってもよい。この場合において、気体に温度差がなければ、気体の平均分子量によって比重の大小を区別することが可能である。
また、同一組成の気体であっても、次に説明する第2実施形態のように、温度差を設けることによって比重の異なる2種類のガスを生成して用いるようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明にかかる基板処理装置としての処理ユニットの第2実施形態について説明する。この実施形態は、本発明の「第1および第2の気体」としていずれも窒素ガスを使用し、温度差に起因する比重差によって2つのガス層を形成するようにしている点において第1実施形態と相違しており、この点を除けば基本的な装置構成は上記した第1実施形態と同じである。そこで、以下の説明においては、第1実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴部分を重点的に説明する。
図7は本発明にかかる処理ユニットの第2実施形態を示す図である。この実施形態では、装置外部に設けられて窒素ガスを供給する窒素ガス供給源GS3からの窒素ガスを常温のまま配管174に導入する一方、同じ窒素ガス供給源GS3から供給される窒素ガスを冷却器500により−50℃程度まで冷却してから配管172に導入している。このため、ガス吐出口283からは低温で比重の大きい窒素ガスが吐出される一方、ガス吐出口293からはより温度が高く比重の小さい窒素ガスが吐出される。これにより、第1実施形態と同様に、比重の異なるガスによる2層のガス流が基板表面Wf上に形成される。
この第2実施形態では、上記した第1実施形態と同様に、基板表面Wfに沿って流れるガス層によって基板表面Wfの雰囲気を制御するとともに、その上部を比重の小さいガス層で覆うことにより、基板表面Wfの雰囲気へのゴミやミスト等の混入を抑制しこれらの基板表面への付着を防止することができる。また、ガス種として窒素のみを使用するので、高価なアルゴンガスを使用する場合よりも処理コストを低減させることが可能である。特に、同一のガス供給源からのガスに温度差を設けて使用することにより、よりコスト低減効果が大きくなる。
なお、この実施形態ではガス種として窒素を用いたが、第1実施形態と同様に、これに代えてアルゴンやCDAを用いてもよい。
<第3実施形態>
次に、この本発明にかかる処理ユニットの第3実施形態について説明する。この第3実施形態ではガス吐出ユニットの形状が第1実施形態のものと相違しているが、この点を除けば第3実施形態の基本的な装置構成および動作は上記した第1実施形態と同じである。そこで、以下の説明においては、第1実施形態における構成と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴部分であるガス吐出ユニットの構造について説明する。
図8は本発明にかかる処理ユニットの第3実施形態を示す図である。より具体的には、図8(a)はこの実施形態におけるガス吐出ユニット300を斜め下方から見た図であり、図8(b)はガス吐出ユニット300の側面図である。この実施形態のガス吐出ユニット300では、ガス導入口381,391がそれぞれ図示を省略するアルゴンガス供給源および窒素ガス供給源に接続されている。そして、アルゴンガスを吐出するガス吐出口383の周縁が外方向に曲げられて鍔部384を形成している。また、ガス吐出ユニット300の筐体外壁にも同様に鍔部394が設けられており、両鍔部384,394の間に水平方向外向きに開口するガス吐出口393が形成されている。
このため、アルゴンガスは第1実施形態と同様にガス吐出口383から基板表面Wfに向けて吐出されるが、ガス吐出口393からの窒素ガスは基板表面Wfと略平行に基板の周縁方向に向けて吐出されることとなる。このような構成によれば、ガス吐出口383から下向きに吐出されるアルゴンガスが基板中心に当たって周縁に向けて広がるのに対し、ガス吐出口393からの窒素ガスは初めから基板周縁に向けて吐出される。このため、基板中心から周縁に向けて流れるアルゴンガスの層を窒素ガス流が乱すことが抑制されており、基板W上に乱れの少ない2つのガス層を形成することができる。
このような構成によっても、上記した第1実施形態と同様に、基板表面Wfの雰囲気へのゴミやミスト等の混入を抑制しこれらの基板表面への付着を防止することができる。また、下向きから外向きに変化する窒素ガス流の流路を確保する必要がないので、第1実施形態よりもガス吐出ヘッド300を基板表面Wfに近接して配置することが可能となる。このため、基板表面Wf近傍の雰囲気制御をより効果的に行うことができる。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、本発明の「第1および第2の気体」として使用し得るガスの種類が上記実施形態のものに限定されないことは前記した通りである。
また、上記各実施形態の基板処理ユニットは、薬液処理後の基板をリンス液としての純水または脱イオン水によりリンスし乾燥させる処理を実行するものであるが、リンス後の基板表面に付着したリンス液(純水または脱イオン水)をイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol;IPA)など水よりも表面張力の低い溶剤に置換してから乾燥させる処理ユニットに対しても本発明を適用することが可能である。この場合において、薬液、リンス液および溶剤を単一の供給ノズルから供給するようにしてもよく、それぞれ異なる処理液を吐出する複数の供給ノズルを基板周辺に配してもよい。また、これらの処理液を供給するノズルをガス吐出ヘッドと一体的に構成してもよい。
また、上記各実施形態のガス吐出ヘッド200、300はステンレスやアルミニウム等の金属により形成することが可能であるが、樹脂によって形成してもよい。こうすることによって、ガス吐出ヘッドの軽量化や、耐薬品性の向上を図ることができる。このような用途に適合する樹脂材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone;PEEK)、塩化ビニル(polyvinyl chloride;PVC)およびポリクロロトリフルオロエチレン(polychlorotrifluoroethylene;PCTFE)などがある。
また、上記各実施形態ではヘッド昇降機構153を設け、ガス吐出ヘッド200または300を上下動させることにより基板の搬入・搬出の利便性を高めるようにしているが、本発明の思想においてこのような機構は必須の構成ではない。例えば基板の搬入・搬出の際に搬基板送ロボット13とガス吐出ヘッドとの干渉がなければ、ヘッド昇降機構を省いてガス吐出ヘッドを固定してもよい。このようにすることができれば、処理ユニットのさらなる小型化が可能となる。
この発明は、上記実施形態に限定されず、基板を略水平に保持した状態で所定の処理を行う基板処理装置および基板処理方法全般に適用することが可能である。ここで、処理対象となる基板には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板および光磁気ディスク用基板等が含まれる。また、基板に施す処理には、現像処理、エッチング処理、洗浄処理、リンス処理および乾燥処理等が含まれる。また、上記実施形態のように複数の処理ユニットを有する基板処理システムに限らず、1組の基板保持手段およびガス吐出手段のみを備える基板処理装置に対しても、本発明を好適に適用することができる。
この発明を好適に適用することのできる基板処理システムを示す図である。 本発明にかかる処理ユニットの第1実施形態を示す図である。 ガス吐出ヘッドのより詳細な構造を示す図である。 ガス吐出ヘッドの動作原理を示す図である。 ガスの流速を示す図である。 第1実施形態における基板処理の流れを示すフローチャートである。 本発明にかかる処理ユニットの第2実施形態を示す図である。 本発明にかかる処理ユニットの第3実施形態を示す図である。
符号の説明
1,2,3,4,1B,2B,3B,4B,100…処理ユニット
1a,2a,3a,4a,100a…処理チャンバー
101…スピンチャック(基板保持手段)
120…処理液供給ユニット(処理液供給手段)
151…制御ユニット(制御手段)
154…チャック回転機構(回転手段)
200,300…ガス吐出ヘッド(気体吐出手段)
283,383…ガス吐出口(第1の吐出口)
293…ガス吐出口(第2の吐出口)

Claims (10)

  1. 板を略水平に保持する基板保持手段と、
    前記基板に処理液を供給して湿式処理を行う処理液供給手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板の中央部の上方に配置され気体を吐出する気体吐出手段と
    を備え、
    前記気体吐出手段は、前記基板の中央部に向けて開口する第1の吐出口と、前記第1の吐出口を取り囲むように開口する第2の吐出口とを設けられており、前記第1の吐出口から第1の気体を吐出して前記湿式処理後の前記基板表面に沿って前記第1の気体による第1の気体層を形成する一方、前記第2の吐出口から前記第1の気体より比重の小さい第2の気体を吐出して前記第1の気体の層の上層に前記第2の気体による第2の気体層を形成する
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記基板保持手段を回転駆動して前記基板を略鉛直の回転軸中心に回転させる回転手段と、
    前記湿式処理後の前記基板に対し、前記気体吐出手段により前記第1および第2の気体を吐出させて前記第1の気体層および前記第2の気体層を形成した状態で、前記回転手段により前記基板を回転させて前記基板表面から前記処理液を除去し前記基板を乾燥させる乾燥処理を実行する制御手段と
    を備える請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記気体吐出手段は、前記第2の気体として前記第1の気体より平均分子量の小さい気体を吐出する請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記気体吐出手段は、前記第2の気体として前記第1の気体と同一組成で前記第1の気体よりも高温の気体を吐出する請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記気体吐出手段は、前記第1の気体として不活性ガスを吐出する請求項1ないしのいずれかに記載の基板処理装置。
  6. 前記気体吐出手段は、前記第2の気体として水分を除去された気体を吐出する請求項1ないしのいずれかに記載の基板処理装置。
  7. 前記気体吐出手段は、前記第2の吐出口から吐出する前記第2の気体の流速よりも高い流速で、前記第1の吐出口から前記第1の気体を吐出する請求項1ないしのいずれかに記載の基板処理装置。
  8. 前記第2の吐出口が、前記基板の周縁に向かって開口している請求項1ないしのいずれかに記載の基板処理装置。
  9. 基板を略水平に保持する基板保持工程と、
    前記基板に処理液を供給して湿式処理を行う湿式処理工程と、
    前記基板の中央部上方に気体を吐出する気体吐出手段を配置し、該気体吐出手段から前記基板の中央部に向けて第1の気体を吐出して該第1の気体により前記基板表面を覆う第1の気体層を形成するとともに、前記気体吐出手段から前記第1の気体よりも比重の小さい第2の気体を吐出して前記第2の気体により前記第1の気体層を覆う第2の気体層を形成する気体層形成工程と
    を備え、
    前記第1および第2の気体層が形成された状態で、前記湿式処理後の前記基板に対し所定の処理を行う
    ことを特徴とする基板処理方法。
  10. 前記所定の処理として、処理液による湿式処理後の基板を回転させて該基板表面から前記処理液を除去し前記基板を乾燥させる乾燥処理を実行する請求項9に記載の基板処理方法。
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