JP5190674B2 - ボイラシステムの運転方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ボイラ供給用の水を、ボイラ給水用に処理して給水タンク側に供給する水処理装置を備えたボイラシステムの運転方法に関するものである。
ボイラとこのボイラに対する水処理装置とを備えたボイラシステムでは、し水、地下水、工業用水といった原水から、硬度性分などの不純物を除去したボイラ給水を作るとともに、このボイラ給水に、脱酸素剤、スケール防止剤、清缶剤といったボイラ処理剤を注入したものを、ボイラに供給している。
一方、原水からの不純物を除去する水処理装置には、原水を軟化処理(硬度成分の除去)して軟水を作る軟水装置や、ナノろ過膜や逆浸透膜のようなろ過膜を使用して、原水や軟水を脱塩処理する脱塩装置(例えば、特許文献1ではナノろ過膜を使用したものを開示、特許文献2では逆浸透膜を使用したものを開示)や、軟水や脱塩水の脱酸素処理を行う脱酸素装置(例えば、特許文献1では脱塩水を脱酸素処理するものを開示)がある。
特開2005−288219号公報 特許第3593723号公報
しかしながら、上記従来の、水処理装置は、ボイラ側で要求される給水量(ボイラの負荷)に対して、予め設定された水質の水をボイラ側に供給できるように設計されている。このため、これらの水処理装置を備えたボイラシステムでは、ボイラの最大(ピーク)負荷に合わせて、これらの水処理装置の処理能力を定める必要があり、水処理装置の処理能力が過大になりやすいという問題があった。なお、この問題は、水処理装置の一部についても同様のことが言える。
一方、バイパスラインを設けて、水処理装置又は水処理装置の一部の処理能力をボイラ側で要求される給水量よりも小さくすると、このバイパスラインの使用によって、ボイラ給水の水質低下が生じ、ボイラ給水の水質が一定に保てなくなる。このため、このようなボイラシステムでは、ボイラ缶水の水質が大きく変動して、ボイラ側に、キャリオーバ、スケール障害、腐食といった種々の問題が生じる。
この発明は、以上の点に鑑み、ボイラの最大負荷時に要求される処理能力よりも小さな処理能力しか有さない水処理装置又は水処理装置の一部を備えた場合でも、ボイラ側に、水処理に起因した種々の問題を引き起こさせることのないボイラシステムの運転方法を提供することを目的とする。
この発明の請求項1記載の発明は、ボイラ供給用の水を、ボイラ給水用に処理して給水タンク側に供給する水処理装置を備えたボイラシステムの運転方法であって、前記水処理装置全体又は前記水処理装置の一部の処理能力を、ボイラの最大負荷時に要求される処理能力より小さくするとともに、この処理能力を小さくした前記水処理装置全体又は前記水処理装置の一部をバイパスするバイパスラインを設けて、このバイパスラインの通水弁を前記給水タンクの水位によって制御し、かつ、前記ボイラ給水中における前記通水弁を通った水の割合で、このボイラ給水の水質低下を判断し、この水質低下の判断に基づいて、少なくとも、薬注装置からの薬液注入量及び前記ボイラからブローされる缶水のブロー率の何れかを制御することを特徴とする。
この発明では、ボイラの負荷が低い場合には、バイパスライン中の通水弁は閉じられ、ボイラ供給用の水は、水処理装置によって所定の水質になるよう処理されて、給水タンクに供給される。この場合、ボイラ側では、ボイラの負荷に合わせた通常の処理、すなわち、薬注装置を介して、所定の薬液が所定量だけボイラ給水ラインに供給されるとともに、ボイラから所定ブロー率の缶水がブローされる。一方、ボイラの負荷が、バイパスラインが設けられた水処理装置(又は水処理装置の一部)の処理能力より大きくなると、給水タンクのレベルが低下してくるが、このレベルが所定値より低下すると、通水弁が開けられ、給水タンク中には、一部、水処理装置(又は水処理装置の一部)によって処理されない水が供給され、ボイラ給水中における通水弁を通った水の割合で、給水タンク内のボイラ給水に水質低下が生じる。この場合、ボイラ側では、ボイラの負荷に合わせた通常の処理に加えて、ボイラ給水の水質低下が生じた分を考慮した、薬液注入とボイラの缶水のブローがなされる。
すなわち、例えば、バイパスラインが設けられた水処理装置(又は水処理装置の一部)が、ろ過膜を使用した脱塩装置の場合には、薬注装置からの清缶剤の注入量が減らされ、かつ、スケール防止剤の注入量が増やされるとともに、ボイラ缶水のブロー率が上げられる。また、バイパスラインが設けられた水処理装置(又は水処理装置の一部)が、脱酸素装置の場合には、薬注装置からの脱酸素剤の注入が開始されるか又はその注入量が増加される。なお、通水弁は、全開と全閉とで制御されるものであってもよいし、バイパスライン中の水の流量を連続的に変えられるように、開度調整制御されるものであってもよい。
この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、前記ボイラ供給用の水が、軟化処理された軟水であることを特徴とする。
この発明の請求項1記載の発明によれば、バイパスラインの通水弁が開けられて、ボイラ給水の水質低下が生じた場合でも、この水質低下に対応させて、薬注装置からの薬液注入量を変化させたり、ボイラからの缶水ブロー率を変化させて、缶水中の不純物濃度の値や変動幅を小さく抑えて安定化させているので、ボイラ側に、キャリオーバ、スケール障害、腐食等の問題が生じることはない。したがって、これらの発明では、水処理装置(又は水処理装置の一部)の処理能力をボイラの最大負荷時に要求される処理能力より小さくしても、ボイラ側に水処理に起因した種々の問題を引き起こさせることはない。すなわち、これらの発明では、水処理装置又は水処理装置の一部の処理能力を、ボイラの最大負荷時に要求される処理能力に合わせたものとする必要がなく、水処理装置又は水処理装置の一部が過大になるのを防止することができる。この場合、ボイラ給水の水質低下を、ボイラ給水中に占める通水弁を通った水の割合で判断しているので、ボイラ給水の水質低下に対する薬液注入量や缶水ブロー率の増減を細かく算定することがきる。
この発明の請求項2記載の発明によれば、パイパスラインを通って硬度成分を含んだ水が給水タンクに流れ込むことがないので、缶水のブロー率や薬液使用量の急激な増加を抑えることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係るボイラシステムAを示している。
ボイラシステムAは、図1で示されるように、ボイラ装置1と、水処理装置2と、バイパス装置3とから構成されている。
ボイラ装置1は、蒸気Sの発生装置であり、例えば同じ容量の2缶のボイラ10,10と、給水タンク(ホットウェルタンク)11と、給水ライン12a,12a中に給水ポンプ12b、12b等を備え、給水タンク11から2缶のボイラ10,10にボイラ給水W3を供給する給水設備12,12と、給水ライン12a,12a内のボイラ給水W3に、所定の薬液を所定量だけ注入する薬注装置13,13と、各ボイラ10内の缶水W4を、給水流量に基づいた所定のブロー率で連続的にブローする缶水ブロー装置14,14とを有している。
ボイラ10は、例えば、数t/hrの蒸気Sを発生させるものである。2缶のボイラ10,10は、同時に運転されるので、これらのボイラ10,10の最大負荷は、2缶のものを合計したものとなる。各ボイラ10に対する給水量は、不図示の流量計によって計測され、その給水流量信号が、バイパス装置3の制御装置32(後述)に伝達される。
給水タンク11は、ボイラ給水W1を所定量だけ貯めるものであり、給水タンク11内の所定の水レベルに応じて信号を発するレベルスイッチ11aを有している。
薬注装置13は、内部が3分割された薬注タンク13aと、吐出量が変更可能な3台の薬注ポンプ13b,13b,13bと、配管等からなるものである。薬注タンク13aには、例えば、清缶剤と、スケール防止剤と、脱酸素剤とが貯められており、これらの各薬液は、それぞれ薬注ポンプ13bによって、ボイラ給水W3中に注入される。この薬注装置13は、バイパス装置3からの信号に基づいて、各薬注ポンプ13bの吐出量を制御して、給水ライン12a,12aに、3つの薬液を所定量だけ注入する。
缶水ブロー装置14は、流量制御可能なブロー弁14aと配管等からなるものである。この缶水ブロー装置14は、バイパス装置3からの信号に基づいて、ブロー弁14aの開度調整を行い、給水流量に基づいた所定のブロー率で、ボイラ10内の缶水W4を所定量ずつ連続ブローする。
水処理装置2は、懸濁固形物等が除去されている、水道水、地下水、工業用水といった原水W0を、ボイラ給水W3となるように処理して、ボイラ装置2の給水タンク11に供給するものである。この水処理装置2は、軟水装置20と、この軟水装置20の下流側に設けられる、ろ過膜使用の脱塩装置21とから構成される。
軟水装置20は、軟水器、軟水タンク、ポンプ等から構成されている。この軟水装置20は、所定の水圧が加えられた原水W0を、軟水器により軟化処理(硬度成分を除去)して軟水W1とした後、これを軟水タンクに貯め、この軟水タンクに貯められた軟水W1をポンプで送り出すものである。この軟水装置20は、2缶のボイラ10,10の最大負荷時に要求される処理能力を有している。
脱塩装置21は、軟水W1中の塩類を逆浸透膜を用いて除去するものであり、逆浸透膜分離装置21aと、ガードフィルター21bと、送水ポンプ21cと、熱交換器21dとから構成されている。この脱塩装置21は、2缶のボイラ10,10の最大負荷時に要求される処理能力の、例えば50%(1缶のボイラ10の最大負荷時の処理能力)の処理能力しか有していない。なお、ガードフィルター21bと熱交換器21dは、逆浸透膜分離装置21aの前処理装置であり、送水ポンプ21cは、脱塩装置21の運転・停止を行うものである。
バイパス装置3は、軟水装置20出口から給水タンク11迄の間の脱塩装置21を、配管によってバイパスするバイパスライン30と、このバイパスライン30を開閉する通水弁としての開閉弁31と、給水タンク11のレベル制御を行うとともに、薬注装置14やブロー装置14を制御する、制御手段としての制御装置32とを有している。
バイパスライン30のサイズは、少なくとも、1缶のボイラ10の最大負荷時の給水量をまかなえるものである。開閉弁31は、全開と全閉の2位置で制御され、開閉弁31が開の場合、この開閉弁31中を流れる軟水W1の流量はほぼ一定と考えられる。この開閉弁31は、制御装置32によって、開閉が制御されるとともに、開及び閉の信号を制御装置32に伝達する。
制御装置32は、開閉弁31の開閉制御と送水ポンプ21cのON/OFF制御とによって、給水タンク11のレベル制御を行うレベル制御部32aと、ボイラ給水W3の水質と各ボイラ10への給水流量とに基づいて、薬注装置14からの薬液注入量を制御するとともに、ブロー装置14によるボイラ10からの缶水W4のブロー量を制御する薬注ブロー制御部32bとを有している。
レベル制御部32aは、レベルスイッチ11aからの信号により、給水タンク11の水レベルが高レベルHに達すると、送水ポンプ21cを止めて脱塩装置21の運転を停止させるとともに、給水タンク11の水レベルが高レベルHになってから所定時間(例えば15分)が経過すると、送水ポンプ21cを動かして脱塩装置21を運転させる。もちろん、レベル制御部32aは、所定時間前に、給水タンク11の水レベルが低レベルHに達した場合も、同様に、脱塩装置21を運転させる。また、レベル制御部32aは、レベルスイッチ11aからの信号により、給水タンク11の水レベルが低レベルLに達すると、開閉弁31を開け、バイパスライン30を用いて、給水タンク11に軟水W1を供給させるとともに、給水タンク11の水レベルが高レベルHに達すると、開閉弁31を閉じて、給水タンク11へのバイパスライン30を用いた軟水W1の供給を停止させる。
薬注ブロー制御部32bは、給水タンク11内のボイラ給水W3が、脱塩装置21によって処理された脱塩水W2で満たされている場合には、薬注装置13を制御して、給水量に対する一定の注入割合(以下標準の注入割合という)の薬液(清缶剤、スケール防止剤、脱酸素剤)を、各ボイラ10の給水流量に応じた量だけ注入させるとともに、缶水ブロー装置14を制御して、標準のブロー率(例えば5%)で、各ボイラ10の給水流量に応じた量だけ、各ボイラ10から缶水W4を連続ブローさせる。
また、薬注ブロー制御部32bは、開閉弁31が開くことにより、給水タンク11内のボイラ給水W3に軟水W1が混ざって、ボイラ給水W3の水質が低下した場合には、ボイラ給水W3中の軟水W1の割合に応じて、所定の薬液の注入割合を標準のものから変化(増加又は減少)させるとともに、缶水ブロー装置14によるブロー率を前記標準のものから増加させる。
すなわち、薬注ブロー制御部32bは、ボイラ給水W3中の軟水W1の割合が増加するほど、ボイラ給水W3のアルカリ度が増加するのを考慮して、清缶剤の注入割合を減少させるとともに、硬度成分の混入によるスケールの付着を考慮して、スケール防止剤の注入割合を増加させる。この場合、脱酸素剤の注入割合を変化させる必要はない。また、この薬注ブロー制御部32bは、ボイラ給水W3中の軟水W1の割合が増加するほど、ボイラ缶水W4中の不純物濃度が高くなることを考慮して、ブロー率を標準の値(5%)から増加させる。
ここで、ボイラ給水W3中の軟水W1の割合は、開閉弁31中を流れる軟水W1の流量を一定とすれば、開閉弁31が開いてから、ある程度急激に増加し、一定時間経過後(ボイラ給水W3の撹拌が充分な場合には、開閉弁31が閉じる時)に最大となり、開閉弁31が閉じた後もこの最大の状態が維持される(開閉弁31が閉じると脱塩装置21の運転も停止される)。そして、このボイラ給水W3中の軟水W1の割合は、開閉弁31が閉じて一定時間が経過し、脱塩装置21が再度運転されると、減少し始めて、それから一定時間経過後にほぼゼロ(0)となる。そこで、薬注ブロー制御部32bは、このようなボイラ給水W3中の軟水W1の割合の変化を考慮して、薬注装置13に対して、所定の薬液(清缶剤とスケール防止剤)の注入割合を変化させるようにするとともに、缶水ブロー装置14に対して、ブロー率を、標準の値(5%)から増加させ、その後、標準の値まで減少させるようにした。
つぎに、このボイラシステムAの作用効果について説明する。
2缶のボイラ10,10の合計負荷が低い場合には、各ボイラ10への給水は、脱塩装置21によってまかなうことができるので、給水タンク11内は脱塩水W2で満たされ、各ボイラ10には、ボイラ給水W3として、脱塩水W2が供給される。このため、制御装置32の薬注ブロー制御部32bは、薬液の注入割合を標準のものとし、2つの薬注装置13,13を制御して、各薬液(清缶剤、スケール防止剤、脱酸素剤)を、標準の注入割合で、かつ、各ボイラ10の給水流量に応じて、各ボイラ10の各給水ライン12aに注入させる。また、薬注ブロー制御部32bは、缶水W4のブロー率を標準のものとし、2つの缶水ブロー装置14,14を制御して、標準のブロー率で、かつ、各ボイラ10の給水流量に応じて、各ボイラ10から缶水W4をブローさせる。
レベル制御部32aは、給水タンク11の水レベルが高レベルHに達すると、送水ポンプ21cを止めて、脱塩装置21の運転を停止させ、その後一定時間が経過すると、送水ポンプ21cを作動させて、脱塩装置21の運転を開始させる。なお、レベル制御部32aは、上記一定時間に達する前に給水タンク11の水レベルが低レベルLに達すると、送水ポンプ21cを作動させて、脱塩装置21の運転を開始させる。
また、2缶のボイラ10,10の合計負荷が上昇し、脱塩装置21による脱塩水W2の供給量が、2缶のボイラ10,10の合計負荷により要求される量より下まわると、給水タンク11の水レベルは下降する。そして、給水タンク11の水レベルが低レベルLに達すると、レベル制御部32aは、脱塩装置21をバイパスするバイパスライン30の開閉弁31を開けさせ、給水タンク11中に軟水W1を供給させる。このことにより、給水タンク11内では、脱塩水W2と軟水W1との混合が生じて、ボイラ給水W3の水質低下が生じ始める。
一方、薬注ブロー制御部32bは、開閉弁31が開いてからの、ボイラ給水W3中の軟水W1の割合の変化に伴って、このボイラ給水W3中の軟水W1の割合を算出し、この算出されたボイラ給水W3中の軟水W1の割合に対応させて、薬注装置13からの薬液の注入割合と、缶水ブロー装置14からの缶水W4のブロー率を算出する。そして、薬注ブロー制御部32bは、算出した薬液の注入割合と缶水W4のブロー率と、各ボイラ10への給水流量とに基づいて、各ボイラ10の給水ライン12aに、薬注装置13を介して、薬液を所定量だけ注入させるとともに、缶水ブロー装置14を介して、各ボイラ10の缶水W4を所定のブロー量でブローさせる。
そして、給水タンク11中の液面レベルが高レベルHまで上昇すると、レベル制御部32aは、開閉弁31を閉じさせ、給水タンク11への軟水W1の流入を停止させる。この場合、レベル制御部32aは、送水ポンプ21cを止め、脱塩装置21等の運転を停止させるので、ボイラ給水W3中の軟水W1の割合は、その後変化せず、薬注ブロー制御部32bは、開閉弁31を閉じた時と同じ条件で、薬注装置13や缶水ブロー装置14を制御する。その後、一定時間が経過して、脱塩装置21が運転されると、ボイラ給水W3中の軟水W1の割合が減少してくる。そこで、薬注ブロー制御部32bは、給水タンク11内のボイラ給水W3中の軟水W1の割合に対応させて、薬注装置13からの薬液の注入割合と、缶水ブロー装置14からの缶水W4のブロー率を算出し、上述のように、薬注装置13と缶水ブロー装置14とを制御する。
以上のように、このボイラシステムAでは、脱塩装置21をバイパスするバイパスライン30の開閉弁31を開けて、給水タンク11内に軟水W1を流入させ、給水タンク11内のボイラ給水W3に大きな水質低下(水質変動)を生じさせても、この水質低下(水質変動)に対応させて、薬注装置13や缶水ブロー装置14の運転状態を変えるようにしているので、缶水W4中の不純物濃度の値や変動幅を小さく抑えて安定化することができ、ボイラ10側に、キャリオーバ、スケール障害、腐食といった不都合を生じさせることはない。このため、このボイラシステムAでは、ボイラ給水W3を作る水処理装置2の一部(脱塩装置21)の処理能力を、ボイラ10,10の最大負荷時に要求される処理能力より充分に小さくでき、水処理装置2が過大になるのを効果的に防止できる。
また、水処理装置2の一部(脱塩装置21)の処理能力を、ボイラ10,10の最大負荷時に要求される処理能力より小さくするとともに、この処理能力を小さくした装置(脱塩装置21)をバイパスするバイパスライン30を設けて、このバイパスライン30の開閉弁31を給水タンク11の水位によって制御し、かつ、開閉弁31を開くことにより生じるボイラ給水W3の水質低下に対応させて、薬注装置13からの薬液注入量やボイラ10からの缶水W4のブロー率を制御するような、ボイラシステムAの運転方法においても、上記ボイラシステムAの場合と同様な効果を得ることができる。
なお、水処理装置2は、軟水装置20を有さず、脱塩装置21のみのものであってもよいし、脱塩装置21を有さず、軟水装置20のみのものであってもよい。この場合、バイパスライン30を介して、給水タンク11中に硬度成分を多く有するボイラ給水W3が供給されるため、ボイラ10側においてスケール障害等が生じやすくなる。このため、この場合には、薬注装置13においてスケール防止剤の注入量が増加されるとともに、缶水ブロー装置14においてブロー率が大きく増加される。
また、水処理装置2は、脱酸素装置を有するものであってもよい。バイパスライン30が脱酸素装置に設けられている場合、バイパスライン30を介して、給水タンク11中に溶存酸素を多く有するボイラ給水W3が供給される。このため、この場合には、薬注装置13において脱酸素剤の注入が開始されるか、又は脱酸素剤の注入量が増加される。
さらに、脱塩装置21は、逆浸透膜やナノろ過膜といったろ過膜を使用したものの他、他のタイプのものであってもよい。
また、バイパスライン30は、水処理装置の一部(複数箇所でもよい)のみでなく、水処理装置全体に設けるものであってもよい。
さらに、開閉弁31から薬注ブロー制御部32bに出される弁の開閉の信号は、レベル制御部32aから薬注ブロー制御部32bに出すようにしてもよい。
また、通水弁(開閉弁31)は、弁の開度によってバイパスライン30を流れる軟水W1の流量をコントロールできるものであってもよい。例えば、給水タンク11の水レベルが低レベルLの場合には、通水弁(開閉弁31)の弁開度を大きくして、バイパスライン30に多量の軟水W1が流れるようにし、給水タンク11の水レベルが高レベルLに近づくと、通水弁(開閉弁31)の弁開度を小さくして、バイパスライン30に少量の軟水W1しか流れないようにしてもよい。この場合、バイパスライン30に流量計を設けて、開閉弁31を通過する軟水W1の量をこの流量計で計測し、この計測値に基づいて、薬注ブロー制御部32bに、ボイラ給水W3中の軟水W1の割合を算出させるようにしてもよい。
さらに、ボイラ10の給水ライン12aに、ボイラ給水W3の水質を計測できる計測器(例えば、電気伝導度計や溶存酸素計)を設け、薬注ブロー制御部32bは、開閉弁31の開閉に基づいて、ボイラ給水W3中の軟水W1の割合を算定するのでなく、この計測器の出力に基づいて、薬注装置13や缶水ブロー装置14を制御してもよい。
つぎに、ボイラシステムAについての、実機を用いた試験結果について以下説明する。
水処理装置2における、原水W0、軟水W1、脱塩水W2の平均的水質は、図2で示されている。2缶のボイラ10,10の合計の負荷、すなわち、合計の給水量は、図3で示されるように、日中と夜間とで大きく変化する。2缶のボイラ10,10のピーク負荷を考慮すれば、図3から、水処理装置2には、25t/hr以上の処理能力が要求されるが、このときの脱塩装置21の処理能力は、12t/hrとされた。
薬注装置13は清缶剤のみを注入する。この薬注装置13は、開閉弁31を開けているとき及び開閉弁31を閉じて一定時間が経過するまでは、薬注ポンプ13bからの清缶剤の吐出量が、通常の場合(ボイラ10に脱塩水W2のみが供給される場合)の1/10程度に抑えられるように制御される。
缶水ブロー装置14は、ブロー弁14aの開閉制御を簡易的に行うために、ブロー弁14aの横にブローバイパス弁を備えている。この缶水ブロー装置14は、通常の場合(ボイラ給水W3に脱塩水W2が用いられる場合)には、ブロー弁14aを用いて缶水W4の5%ブローを行うように制御されるとともに、開閉弁31を開けているとき及び開閉弁31を閉じて一定時間経過するまでは、ブローバイパス弁も開けて、ブロー弁14aとブローバイパス弁とで、缶水W4の7%ブローを行うように制御される。
図4は、ブロー率を例えば2段階制御する上記ボイラシステムAと、ブロー率を最大値(7%)で一定としたボイラシステムとについて、缶水W4の電気伝導率の変化を比較したものである。ブロー率が一定(7%)の場合には、缶水W4の電気伝導率は、平均値については290mS/mと小さいが、個々の値については230〜400mS/mと大きく変動し(開閉弁31が開くと上昇し、開閉弁31が閉じると低下する)、2日間の総ブロー量も、81.7tとなる。また、ブロー率を2段階制御するボイラシステムAでは、缶水W4の電気伝導率は、平均値については340mS/mと大きくなるが、個々の値については300〜350mS/mと変動幅が小さくなり、2日間の総ブロー量も、74.7tとなる。このボイラシステムAの場合、缶水W4の電気伝導率は上昇するが、その変動幅を小さく抑えることができ、ボイラ10,10側に、キャリオーバ、スケール障害、腐食等といった水処理に起因する問題が生じるのを抑えることができるとともに、ブロー量も1日当たり3.5t(8.5%)削減することができた。
なお、実機を用いた試験では、2つの薬注装置を準備し、ボイラ給水W3が脱塩水W2だけの場合と、開閉弁31を開けてボイラ給水W3に軟水W1が加えられた場合とで、この2つの薬注装置を使い分けたが、この場合においても、2つの薬注装置の制御はうまくいき、かつ、ボイラ給水W3中の防食剤成分の値に低下が生じることはなかった。
この発明の一実施の形態に係るボイラシステムのフローを示す図である。 実機を用いた試験で使用される水処理装置2中の、原水、軟水、脱塩水の水質を示す図である。。 実機を用いた試験で使用される2缶のボイラの給水量の変化、給水タンクの保有水量の変化、脱塩装置の運転/停止の状態、開閉弁の開閉の状態を示す図である。 実機を用いた試験で、缶水のブロー率を2段階(5%と7%)に制御する場合と、最大値(7%)で一定とした場合における、缶水中の電気伝導率の変化を示すグラフである。
符号の説明
2 水処理装置
10 ボイラ
11 給水タンク
13 薬注装置
14 缶水ブロー装置
30 バイパスライン
31 開閉弁(通水弁)
32 制御装置
A ボイラシステム
W1 軟水W
W3 ボイラ給水
W4 缶水

Claims (2)

  1. ボイラ供給用の水を、ボイラ給水用に処理して給水タンク側に供給する水処理装置を備えたボイラシステムの運転方法であって、
    前記水処理装置全体又は前記水処理装置の一部の処理能力を、ボイラの最大負荷時に要求される処理能力より小さくするとともに、この処理能力を小さくした前記水処理装置全体又は前記水処理装置の一部をバイパスするバイパスラインを設けて、このバイパスラインの通水弁を前記給水タンクの水位によって制御し、
    かつ、前記ボイラ給水中における前記通水弁を通った水の割合で、このボイラ給水の水質低下を判断し、この水質低下の判断に基づいて、少なくとも、薬注装置からの薬液注入量及び前記ボイラからブローされる缶水のブロー率の何れかを制御することを特徴とするボイラシステムの運転方法。
  2. 前記ボイラ供給用の水が、軟化処理された軟水であることを特徴とする請求項1記載のボイラシステムの運転方法。
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