JP5186851B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明のカラーフィルタの製造方法の第1実施態様について説明する。本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、カラーフィルタ形成用基板の各着色層形成用領域に、複数のインクジェットノズルを用いて着色層形成用塗工液を塗布して着色層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、上記検査用着色層形成工程と、上記補正条件決定工程と、上記着色層形成工程とを有し、上記検査用着色層形成工程および上記補正条件決定工程を、カラーフィルタの製造条件を決定するために行う方法である。
以下、本実施態様のカラーフィルタの製造方法について、各工程ごとに詳しく説明する。
まず、本実施態様のカラーフィルタの製造方法における検査用着色層形成工程について説明する。本実施態様における検査用着色層形成工程は、検査用基板の各テスト用領域上に、上記着色層を形成する際と同じ組み合わせの上記複数のインクジェットノズルから、予め定められた初期条件に従ってそれぞれ上記着色層形成用塗工液を塗布し、検査用着色層を形成する工程である。なお、本実施態様でいう予め定められた初期条件とは、一般的なカラーフィルタを製造する際の着色層形成用塗工液の吐出条件とすることや、インクジェット装置の初期状態の条件等とすることができる。
次に、本実施態様における補正条件決定工程について説明する。本実施態様における補正条件決定工程は、上記検査用着色層形成工程により形成された検査用着色層を検査し、ムラが生じている上記検査用着色層の形成に用いられた上記複数のインクジェットノズルのうちの一つの上記インクジェットノズルの設定条件のみを上記初期条件から補正した補正条件を決定する工程である。本実施態様でいうムラとは、検査用着色層の膜厚のムラや、色度のムラ、輝度のムラ等をいうこととする。
次に、本実施態様における着色層形成工程について説明する。本実施態様における着色層形成工程は、上記補正条件に基づいて、カラーフィルタ形成用基板の着色層形成用領域に着色層形成用塗工液を塗布し、着色層を形成する工程である。
また上記透明基板としては、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。また上記透明基板上には遮光部が形成されていてもよい。上記遮光部としては、一般的なカラーフィルタに用いられる遮光部と同様とすることができる。
なお、本実施態様においては、上述した検査用着色層形成工程、補正条件決定工程、および着色層形成工程以外に、適宜他の工程を有していてもよい。このような工程については、例えばカラーフィルタ形成用基板を形成する工程や、上記テスト用基板を形成する工程等が挙げられる。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法の第2実施態様について説明する。本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、カラーフィルタ形成用基板の各着色層形成用領域に、複数のインクジェットノズルを用いて着色層形成用塗工液を塗布して着色層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、検査用着色層形成工程と、補正条件決定工程と、着色層形成工程とを有することを特徴とする方法であり、上記検査用着色層形成工程および上記補正条件決定工程を、カラーフィルタの製造条件を修正するために行う方法である。
まず、本実施態様のカラーフィルタの製造方法における検査用着色層形成工程について説明する。本実施態様における検査用着色層形成工程は、検査用基板の各テスト用領域上に、上記着色層を形成する際と同じ組み合わせの上記複数のインクジェットノズルから、予め定められた初期条件に従ってそれぞれ上記着色層形成用塗工液を塗布し、検査用着色層を形成する工程である。なお、本実施態様でいう予め定められた初期条件とは、実際にカラーフィルタを製造していた際の着色層形成用塗工液の吐出条件とすることができる。
次に、本実施態様における補正条件決定工程について説明する。本実施態様における補正条件決定工程は、上記検査用着色層形成工程により形成された検査用着色層を検査し、ムラが生じている上記検査用着色層の形成に用いられた上記複数のインクジェットノズルのうちの一つの上記インクジェットノズルの設定条件のみを上記初期条件から補正した補正条件を決定する工程である。本実施態様でいうムラとは、検査用着色層の膜厚のムラや、色度のムラ、輝度のムラ等をいうこととする。
なお、本実施態様においては、上述した検査用着色層形成工程、補正条件決定工程、および着色層形成工程以外に、適宜他の工程を有していてもよい。このような工程については、例えばカラーフィルタ形成用基板を形成する工程や、上記テスト用基板を形成する工程等が挙げられる。
(パターニング用基材の作製)
カラーフィルタ用ガラス材として用いられている厚み0.7mm、横370mm、縦470mmのCorning社製EAGLE2000を用意し、このガラス基材上にフォトリソグラフィー法にて樹脂製の遮光部を形成した。遮光部のサイズは開口部が100μm×300μm、遮光部分の線幅を20μmとし、横方向に120μmピッチ、縦方向に320μmピッチにて縦横とも1000画素配置した。遮光部分の膜厚は平均1.5μmとした。
上記遮光部付ガラス基材に対し、フッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ処理を加えることにより、遮光部の表面を撥液性に、それ以外の部分を親液性とした。このとき表面張力40mN/mの液体との接触角は、遮光部上で65°、それ以外の部分で10°であった。
上記親疎液性を有する遮光部付ガラス基板に対し、インクジェットヘッドを用いて着色層形成用塗工液を塗布した。塗工液はカラーフィルタ用顔料と熱硬化型樹脂等からなるRGB各色の顔料分散型インクを用い、1つの開口部あたり130滴にて所望のカラーフィルタの色が表現できるように濃度を設計した。このときのインクジェットヘッドへの印加電圧は75V、パルス幅は6μsであった。インクジェットヘッドは1ヘッドに対し100ノズルを有するものを用い、1色につき1ヘッド、すなわちRGB3色にて3ヘッドを用いた。塗布は遮光部の1つの開口部(1画素)あたり1ノズルが配置されるように位置決めして行い、かつインク吐出液滴が開口部内に着弾するように行った。
次にA群のノズルを用い10滴のインク液滴を、B、C,D群のノズルにて形成した25個の画素に重なるように塗布した。1画素につき計100滴の液滴を着弾させた基板となった。
インクは横方向にRGBの順に繰り返し配置し、縦方向には同色が並ぶように配置した。各色のインクは開口部全域に塗れ広がり、かつ異なる色同士が混色することは無かった。
上記インクを着弾させた基板を120℃のホットプレートに設置し10分間プリベイクした。プリベイク後のインクは、先端の直径が12μmの針で5mgの圧力にて表面を触針しても傷が入らない程度に固化し、混色しない状態であった。
上記着色層を形成した3種類の基板の、各画素の分光光度を、大塚電子製顕微鏡型分光光度計LCF−seriesにて測定し、測定値より色度Rx、Gy、Byを算出した。
次に、インクジェットヘッドA群の各ノズルから吐出する吐出液滴数と色度の関係を求め、検量線を作成した。
検量線用基板の作成にて記載した手法と同手法にて、1つの開口部あたりB、C、D群のノズルにて30滴、A群のノズルにて40滴のインク液滴を着弾させ、プリベイクを実施し、これを検量線の作成にて記載した手法と同手法にて各画素の分光光度を測定し、色度分布を算出した。
この色度分布に対し、検量線より、各画素の色度の差を無くすために必要なA群の各ノズルからの液滴量を算出した。
インクジェットヘッドのB、C,D群の各ノズルから30滴、A群の各ノズルからは算出した液適量に基づき、検量線用基板の作成にて記載した手法と同手法にて吐出および塗布した。
この結果、各ノズルからの液適量が全て同じ数にて塗布したときと比較し、塗布ムラを消すことができた。
実施例1に記載した手法と同様の手法にて、検量線用基板を作製した。
上記インクジェットヘッドの100個のノズルを分類することなく、1つの開口部あたり各ノズルから100滴、120滴、140滴のインク液滴を着弾させた3種類の基板を作製した。インクは横方向にRGBの順に繰り返し配置し、縦方向には同色が並ぶように配置した。各色のインクは開口部全域に塗れ広がり、かつ異なる色同士が混色することは無かった。
上記インクを着弾させた基板を120℃のホットプレートに設置し10分間プリベイクした。プリベイク後のインクは、先端の直径が12μmの針で5mgの圧力にて表面を触針しても傷が入らない程度に固化し、混色しない状態であった。
上記着色層を形成した3種類の基板の、各画素の分光光度を、大塚電子製顕微鏡型分光光度計LCF−seriesにて測定し、測定値より色度Rx、Gy、Byを算出した。各画素すなわちインクジェットヘッドの各ノズルから吐出する吐出液滴数と色度の関係を求め、検量線を作成した。
検量線用基板の作成にて記載した手法と同手法にて、1つの開口部あたり130滴のインク液滴を着弾させ、プリベイクを実施し、これを検量線の作成にて記載した手法と同手法にて各画素の分光光度を測定し、色度分布を算出した。
この色度分布に対し、検量線より、各画素の色度の差を無くすために必要な各ノズルからの液滴量を算出した。
インクジェットヘッドの各ノズルから、算出した液適量に基づき、検量線用基板の作成にて記載した手法と同手法にて吐出および塗布した。この結果、各ノズルからの液適量が全て同じ数にて塗布したときと比較し、塗布ムラは減少した。しかし細かいスジ状の塗布ムラが残り、完全にスジ状のムラを消すことはできなかった。
3 …検査用着色層
12…着色層形成用塗工液
21…カラーフィルタ形成用基板
22…着色層
Claims (4)
- カラーフィルタ形成用基板の各着色層形成用領域に、複数のインクジェットノズルを用いて着色層形成用塗工液を塗布し、着色層を形成するカラーフィルタの製造方法であって、
前記複数のインクジェットノズルは、同じ数のインクジェットノズルを含む複数個のグループに分割されて用いられ、
前記インクジェットノズルのグループの組み合わせは、少なくとも一枚の前記カラーフィルタ形成用基板の製造において、変更されることがなく、
検査用基板の各テスト用領域上に、前記着色層を形成する際と同じ組み合わせの前記複数のインクジェットノズルから、予め定められた初期条件に従ってそれぞれ前記着色層形成用塗工液を塗布し、検査用着色層を形成する検査用着色層形成工程と、
前記検査用着色層を検査し、ムラが生じている前記検査用着色層の形成に用いられた前記複数のインクジェットノズルのうち、前記インクジェットノズルの複数個のグループのうちの特定のグループに属するインクジェットノズルの設定条件のみを前記初期条件から補正した補正条件を決定する補正条件決定工程と、
前記補正条件決定工程により決定された前記補正条件に従って、前記カラーフィルタ形成用基板の前記各着色層形成用領域上に前記着色層形成用塗工液を塗布し、前記着色層を形成する着色層形成工程と
を有し、
前記検査用着色層形成工程および前記着色層形成工程では、各着色層を形成する際に、前記インクジェットノズルの複数個のグループの全てのグループに属する各々のインクジェットノズルを用いて前記着色層形成用塗工液を塗布することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記各着色層形成用領域に、3個〜8個の範囲内の前記インクジェットノズルを用いて前記着色層形成用塗工液を塗布することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記検査用着色層形成工程および前記補正条件決定工程が、カラーフィルタの製造条件を決定するために行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィル
タの製造方法。 - 前記検査用着色層形成工程および前記補正条件決定工程が、カラーフィルタの製造条件を修正するために行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
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