(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態について図面をもとに説明する。
図1は遊技機1の正面図である。遊技機1は、図1に示すように、遊技機島(図示せず)に固定される外枠3と、開閉自在に外枠3に軸支された内枠4とを備える。
そして、内枠4には、遊技を演出するために点灯させる3つの内枠ランプ5と、遊技者と対面するように立設され、表面にセル画(図示せず)が描かれた遊技盤6と、遊技盤6をガラスで覆う金枠7と、遊技者が遊技盤6上への遊技球の投入操作を行うためのハンドル8と、当該遊技機1から払い出される遊技球(貸球及び賞球)を貯留する上受け皿9と、上受け皿9が遊技球を貯留しきれなくなるなどして、上受け皿9から排出される遊技球を貯留する下受け皿10と、後述の表示装置2における表示器21の反転操作を行うときに押下される反転スイッチ11と、効果音及び演出音を発するスピーカ(図示せず)とが設けられている。
また、遊技盤6には、数字やキャラクタなどからなる装飾図柄(図示せず)などの遊技に関わる各種画像(図示せず)を表示するための表示装置2と、7セグメントLEDからなり、0〜9の1桁の数字からなる本図柄(図示せず)を表示するための本図柄表示装置12と、装飾図柄及び本図柄(以下、特別図柄と総称する)の変動表示が保留されていることを遊技者に示すために点灯させる4つの特別図柄保留ランプ13と、特別図柄の変動表示を開始させるために遊技者が遊技球を投入する始動入賞装置14と、特別図柄の変動表示の結果、大当りとなり該大当りに係る大当り遊技の際に、遊技者が遊技球を入賞させたいと狙い打つ大入賞装置15とが設けられている。
尚、表示装置2は、遊技盤6上に形成された穴部61に埋設されている。但し、穴部61内には、表示装置2に関係のない光源などは設けられておらず、表示装置2のみが埋設されている。
また、始動入賞装置14は、所謂、チューリップ式からなり、図中左右方向にそれぞれ傾倒動作して当該始動入賞装置14の入賞口への入り口を拡大する1対の可動片14aを備える。
また、大入賞装置15は、図中手前方向に傾倒動作して当該大入賞装置15の入賞口(以下、大入賞口という)を開放する開閉板15aを備える。
更に遊技盤6上には、7セグメントLEDからなり、1桁の数字からなる普通図柄(図示せず)を表示するための普通図柄表示装置16と、普通図柄の変動表示が保留されていることを遊技者に示すために点灯させる4つの普通図柄保留ランプ17と、遊技を演出するために点灯させる1対の遊技盤ランプ18と、普通図柄の変動表示を開始させるために遊技者が遊技球を通過させる1対の始動ゲート19とが設けられている。
ここで、図2は、第1実施形態の表示装置2の斜視図である。尚、図中の矢印Aは、表示装置2を遊技機1に搭載した際に、遊技者側から向かって見た方向を示す矢印である。つまり、矢印Aは、遊技者側から遊技機1の内部側へ向かう方向を示す。そして、以下の説明では、遊技者側から向かって見た方向を基準にして各方向を示す。
図2に示すように、表示装置2は、数字やキャラクタなどからなる装飾図柄(図示せず)などの遊技に関わる各種画像を表示する表示器21と、表示器21を支持する台座22と、表示器21の画面に表示された画像を鏡像として映すための鏡部材23とを備える。
そして、表示器21は、カラー表示可能な液晶ディスプレイ(以下、LCDと略称する)21aの背部にフルカラーLEDドットマトリクス(以下、ドットマトリクスと略称する)21bを具備して構成されている。つまり、表示器21は、その両画面において、画像の表示形式が異なるように構成されている。尚、LCD21aは、画像を形成する液晶パネルと、バックライトとを備え、液晶パネル上に形成された画像をバックライトの光によって映し出す、所謂、透過型液晶ディスプレイとして構成されている。
また、表示器21には、永久磁石からなる1つのマーカMKが左側面に埋設されている。より具体的には、マーカMKは、表示器21の左側面における、後述の腕状部材243付近に位置する部位に埋設されている。
また、台座22は、表示器21に連結された可動台24と、可動台24の下部に配設され、可動台24に連結された昇動基台25と、昇動基台25の下部に配設され、昇動基台25に連結された固定基台26とから構成されている。
より具体的には、可動台24は、遊技者側と遊技機1の内部側とにそれぞれ遊技盤6の面に沿った水平方向に長辺が配設される長方形の枠からなる台枠241と、台枠241の1対の短辺上からそれぞれ鉛直上方向に立設された1対の柱状部材242と、1対の柱状部材242のそれぞれの上端部から遊技者側へ突出すると共に、その突出端側にて表示器21を回転可能に軸支し、表示器21の画面を遊技盤6よりも遊技者側へ配置する1対の腕状部材243とを備える。尚、図2では、1対の柱状部材242のうち、左側の柱状部材242しか図示していないが、右側の柱状部材242もこれと同一である。また、図2では、1対の腕状部材243のうち、右側の腕状部材243を一部しか図示していないが、これも左側の腕状部材243と同一である。尚、柱状部材242、腕状部材243は、一体に形成されていてもよいし、それぞれが別個に形成され、互いに接合されていてもよい。
ここで、左側の腕状部材243には、その突出端付近の左側面から右側面にかけて挿通孔(図示せず)が形成されており、この挿通孔にウォームホイール244の回転軸が挿通され、表示器21の左側面に連結されている。そして、その突出端とは反対側の端部の左側面に表示器21を回転させる駆動源となるモータMが配設され、モータMの回転軸がウォームホイール244に向かって突出し、モータMの回転軸に連結されたウォームギア245の歯とウォームホイール244の歯とが噛み合わされている。つまり、表示器21は、ウォームホイール244及びウォームギア245を介して、モータMの駆動力を受け、回転するように構成されている。但し、モータMを駆動した際に、モータMの回転軸に加わる負荷によってモータMの回転軸が振れ、ウォームギア245の歯がウォームホイール244の歯から外れてしまうことを防止するために、モータMの回転軸は、左側の腕状部材243に設けられた支持部材246によって支持されている。より具体的には、この支持部材246は、モータMの回転軸の突出方向と面が対面するように左側の腕状部材243に突設された円板状部材からなり、その面に形成された挿通孔にモータMの回転軸が挿通され、モータMの回転軸を支持している。尚、ここでは、遊技者に対面する表示器21の画面を下方に傾ける方向に表示器21を回転させる方向を順回転方向、遊技者に対面する表示器21の画面を上方に傾ける方向に表示器21を回転させる方向を逆回転方向とする。また、ここでは、モータMには、ステッピングモータを使用しているが、交流モータや直流モータを使用してもよい。
また、左側の腕状部材243には、柱状部材242が鉛直上方向に立設した状態で表示器21のLCD21aが遊技者に対面した際にマーカMKが近接する部位(第1部位)と、柱状部材242が鉛直上方向に立設した状態でLCD21aが遊技機1の内部側に対面した際(つまり、ドットマトリクス21bが遊技者に対面した際)にマーカMKが近接する部位(第2部位)と、柱状部材242が後述のように傾動した状態でLCD21aが鉛直下方向を向いた際にマーカMKが近接する部位(第3部位)と、柱状部材242が後述のように傾動した状態でLCD21aが鉛直上方向を向いた際にマーカMKが近接する部位(第4部位)とにそれぞれ、マーカMKを検出するための位置センサP1,P2,P3,P4が配設されている。但し、これら位置センサP1〜P4のうち、位置センサP1〜P3は、腕状部材243に突設されている一方、位置センサP4は、腕状部材243の右側面に埋設されている。尚、これら位置センサP1,P2,P3,P4は、例えばホール素子から構成されている。
一方、右側の腕状部材243にも、その突出端付近の左側面から右側面にかけて挿通孔(図示せず)が形成されており、この挿通孔に表示器21を回転可能に軸支するための軸部材(図示せず)が挿通され、表示器21の右側面に連結されている。但し、この軸部材は、筒状からなり、表示器21に接続された各種ケーブルが挿通されている。
また、1対の柱状部材242のうち、左側の柱状部材242には、左側の柱状部材242を遊技機1の内部方向へ傾動させるための傾動アクチュエータA1が連結されている。尚、傾動アクチュエータA1は、プランジャーA11と、プランジャーA11を磁力によって吸引するソレノイドA12とから構成され、プランジャーA11が左側の柱状部材242に連結されている。
また、昇動基台25は、可動台24の台枠241の下部に、台枠241の各長辺に沿って水平方向に配設される1対の段状部材251から構成されている。
より具体的には、これら段状部材251は、互いに向かい合う端部が鉛直上方に突出した2段の階段状に成形され、この鉛直上方に突出している部位に台枠241の長辺が載置されている。
ここで、遊技者側に配設される段状部材251は、鉛直上方に突出した部位において、遊技者側から遊技機1の内部側へ向かう方向に沿った幅が、台枠241の長辺の部材における同じ方向に沿った幅よりも十分に大きく構成されている。そして、遊技者側に配設される段状部材251の左側端部の内部には、遊技機1の内部方向へ傾動した柱状部材242を直立状態に復帰させるための復帰アクチュエータA2が配設されている。尚、復帰アクチュエータA2は、プランジャーA21と、プランジャーA21を磁力によって吸引するソレノイドA22とから構成され、プランジャーA21が段状部材251の鉛直上方に突出した部位における左側端部から突出し、台枠241の遊技者側の長辺における左側端部に連結されている。
一方、遊技機1の内部側に配設される段状部材251は、鉛直上方に突出した部位において、遊技者側から遊技機1の内部側へ向かう方向に沿った幅が、台枠241の長辺の部材における同じ方向に沿った幅とほぼ同じ大きさに構成されている。そして、その鉛直上方に突出した部位には、その左側端部及び右側端部における遊技機1の内部側の側面に、円板状部材252が突設され、この円板状部材252には、台枠241における遊技機1の内部側の長辺に沿って、この長辺に連結された軸部材247が挿通されている。つまり、遊技機1の内部側に配設される段状部材251は、軸部材247を軸として台枠241、ひいては柱状部材242を遊技機1の内部側へ傾動可能に構成されている。尚、図2では、左側の円板状部材252しか図示していないが、右側の円板状部材252も左側の円板状部材252と同一のものである。
また、固定基台26は、段状部材251の長手方向に沿って長辺が配設された長方形状の底面を有すると共に、底面の中央部における左側端部から右側端部に至る部位が段状部材251間にて鉛直上方に突出した形状に成形されている。そして、この突出した部位の左側端部及び右側端部における底面の下方にはそれぞれ、柱状部材242が遊技機1の内部方向へ傾動された状態で、マーカMKが上述の第3部位もしくは第4部位に位置するように向きを変位された表示器21が鏡部材23と遊技者との間に不介在となる程度に昇動基台25を上方に昇動させるための昇動アクチュエータA3が配設されている。尚、昇動アクチュエータA3はそれぞれ、端部側が略T字状に形成されたプランジャーA31と、プランジャーA31を磁力によって押し上げるソレノイドA32とから構成され、略T字状のプランジャーA31は、固定基台26の鉛直上方に突出した部位の左側端部及び右側端部から突出し、段状部材251同士が互いに向かい合う側面に連結されている。つまり、固定基台26は、鉛直上方に突出した部位に沿って、昇動基台25を上方に昇動可能に構成されている。尚、図2では、左側の昇動アクチュエータA3しか図示していないが、右側の昇動アクチュエータA3も左側の昇動アクチュエータA3と同一のものである。
また、鏡部材23は、片面に鏡面が形成された平面鏡として構成されている。そして、表示器21よりも遊技機1の内部側に位置し、且つ、鏡面が一定角度だけ上方を向いた状態で遊技者に対面するように配設されている。但し、後述のように表示器21が回転する際に、金枠7に設けられたガラスに表示器21が衝突しないように柱状部材242が鏡部材23側に傾動するが、たとえ、柱状部材242が傾動しても、反転する表示器21が鏡部材23に衝突しないように、表示器21と鏡部材23との間には、所要間隔の空間が設けられている。尚、鏡部材23は、鏡面に映り込んだ画像を遊技者が視認可能であれば、どのような角度に設定されていてもよいが、例えば45°程度が望ましい。
続いて、遊技機1における制御系統の構成を図3に基づいて説明する。図3は、遊技機1の制御系統の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、遊技機1には、当該遊技機1における演出を制御する演出制御基板100が具備され、この演出制御基板100に各種基板や各種装置などを接続して、演出に関わる制御系統が構築されている。尚、図3には、本発明を説明するにあたって直接的に関係しない構成、例えば、スピーカ、本図柄表示装置12、特別図柄保留ランプ13、それらを作動させるドライバ基板等は、演出制御基板100に接続されていたとしても、省略されている。
即ち、演出制御基板100には、当該遊技機1における遊技を統括する主制御基板110と、上述の各種位置センサ(位置センサP1〜P4)と、演出制御基板100から入力される駆動信号を増幅して、上述の各種アクチュエータ(傾動アクチュエータA1、復帰アクチュエータA2、昇動アクチュエータA3、モータM)を駆動する駆動基板120と、演出制御基板100から入力される画像データに基づいてLCD21aに画像を表示する画像表示基板130と、演出制御基板100から入力される画像データに基づいてドットマトリクス21bに画像を表示するLEDドライバ基板140と、上述の反転スイッチ11とが接続されている。
尚、演出制御基板100には、プログラムに従って各種処理を行うCPU101と、CPU101が行う各種処理のプログラムなどを記憶したROM102と、CPU101が各種処理を行う際に記憶領域として用いるRAM103と、CPU101と上述の各種基板や各種装置との間にて信号の入出力を行うパラレル入出力ポート(PIO)104とが搭載されている。
尚、RAM103には、表示器21の反転が許可されているか否かを示す反転許可フラグF1を記憶する領域が設けられている。また、以下の説明において、フラグをセットするとは、そのフラグの値を1にすることを示し、フラグをクリアするとは、そのフラグの値を0にすることを示す。
このように構成された遊技機1において、演出制御基板100のCPU101は、変動表示を制御するとともに表示器21の反転操作を許可するか否かを判断する変動表示・反転許可処理(後述)と、反転スイッチ11が押下された時に表示器21の反転操作を制御する反転処理(後述)と、大当り遊技時に表示器21の反転操作を制御する大当り演出処理(後述)とを実行する。
ここで、演出制御基板100のCPU101が実行する変動表示・反転許可処理の手順を、図4を用いて説明する。尚、この変動表示・反転許可処理は、主制御基板110から特別図柄(これ以降では装飾図柄のことを指す)の変動パターンを指定するコマンド(変動パターン指定コマンド)がCPU101に入力された際に実行される処理である。
この変動表示・反転許可処理においては、CPU101は、まずS10にて、上述の各種位置センサ(位置センサP1〜P4)の検出結果を読み込んで、この検出結果をRAM103に記憶したのち、S20にて、主制御基板110から入力した変動パターン指定コマンドがリーチ表示を含む変動パターンを指定するものであるか否かを判断する。尚、リーチ表示とは、例えば「7・?・7」(?は変動表示中を意味する)のように、同一の2つの特別図柄を停止表示し、3つ目の特別図柄次第で大当りか否かが決定される状態にて、遊技者に大当りを期待させるために、キャラクタを登場させたり、特別図柄のサイズや変動方向を変化させたり等の様々な演出を行う表示である。
ここで、主制御基板110から入力した変動パターン指定コマンドがリーチ表示を含む変動パターンを指定するものである場合には(S20:YES)、S30に移行して、反転許可フラグF1をセットする。
そして、S40にて、主制御基板110から入力した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンにて特別図柄の変動表示を開始する。尚、S40にて、CPU101は、上述のS10にてRAM103に記憶した各種位置センサの検出結果を参照し、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示している場合(つまり、LCD21aが遊技者に対面している場合)には、変動表示の画像データを画像表示基板130にのみ出力する一方、マーカMKが第2部位に位置している旨を検出結果が示している場合(ドットマトリクス21bが遊技者に対面している場合)には、変動表示の画像データをLEDドライバ基板140にのみ出力することで、遊技者に対面している画面にのみ特別図柄を変動表示する。
そして、S50にて、表示器21の反転中にリーチ表示を含む変動表示が終了してしまうことを防止するために予め設定された第1所定時間(例えば23秒間)が経過するまで待機する(S50:NO)。そして第1所定時間が経過すると(S50:YES)、S120に移行する。尚、本実施形態では、リーチ表示を含む変動表示は、少なくとも、30秒以上継続するように設定されている。また、変動表示中における表示器21の回転の開始から終了までに要する時間が、5秒に設定されている。
一方、S20にて、主制御基板110から入力した変動パターン指定コマンドがリーチ表示を含む変動パターンを指定するものでない場合には(S20:NO)、S60に移行し、当該変動パターン指定コマンドが、リーチ表示を含まない変動表示中における表示器21の反転を許可するために予め設定された第2所定時間(例えば8秒間)以上の変動時間を要する変動パターンを指定するものであるか否かを判断する。
ここで、主制御基板110から入力した変動パターン指定コマンドが、第2所定時間未満の変動時間を要する変動パターンを指定するものである場合には(S60:NO)、S70に移行して、反転許可フラグF1をクリアする。
そして、S80にて、上述のS40と同様に、主制御基板110から入力した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンにて特別図柄の変動表示を開始し、S130に移行する。
一方、S60にて、主制御基板110から入力した変動パターン指定コマンドが、第2所定時間以上の変動時間を要する変動パターンを指定するものである場合には(S60:YES)、S90に移行して、上述のS30と同様に、反転許可フラグF1をセットする。
そして、S100にて、上述のS40と同様に、主制御基板110から入力した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンにて特別図柄の変動表示を開始し、S110にて、表示器21の反転中にリーチ表示を含まない変動表示が終了してしまうことを防止するために設定された第3所定時間(例えば2秒間)が経過するまで待機する(S110:NO)。そして第3所定時間が経過すると(S110:YES)、S120に移行して、上述のS70と同様に、反転許可フラグF1をクリアする。
そして、S130にて、停止表示する特別図柄を指定するコマンド(図柄指定コマンド)が主制御基板110から入力されるまで待機する(S130:NO)。そして、主制御基板110から図柄指定コマンドが入力されると(S130:YES)、S140にて、主制御基板110から特別図柄の停止表示を指示する図柄停止コマンドが入力されるまで待機する(S140:NO)。
そして、主制御基板110から図柄停止コマンドが入力されると(S140:YES)、S150にて、主制御基板110から入力した図柄指定コマンドが指定する特別図柄を停止表示して、当該変動表示・反転許可処理を終了する。尚、S150にて、CPU101は、上述のS10にてRAM103に記憶した各種位置センサの検出結果を参照し、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示している場合(つまり、LCD21aが遊技者に対面している場合)には、停止表示する特別図柄の画像データを画像表示基板130にのみ出力する一方、マーカMKが第2部位に位置している旨を検出結果が示している場合(ドットマトリクス21bが遊技者に対面している場合)には、停止表示する特別図柄の画像データをLEDドライバ基板140にのみ出力することで、遊技者に対面している画面にのみ特別図柄を停止表示する。
次に、演出制御基板100のCPU101が実行する反転処理の手順を、図5を用いて説明する。尚、この反転処理は、CPU101が起動(電源オン)している間に繰り返し実行される処理である。
この反転処理においては、CPU101は、まずS200にて、反転スイッチ11が押下されたか否かを判断する。ここで、反転スイッチ11が押下されていない場合には(S200:NO)、当該反転処理を終了する。
一方、反転スイッチ11が押下された場合には(S200:YES)、S210にて、反転許可フラグF1がセットされているか否かを判断する。即ち、表示器21の反転が許可されているか否かを判断する。
ここで、反転許可フラグF1がクリアされている場合には、表示器21の反転が禁止されていると判断し(S210:NO)、当該反転処理を終了する。
一方、反転許可フラグF1がセットされている場合には、表示器21の反転が許可されていると判断し(S210:YES)、S220に移行して、傾動アクチュエータA1に対する駆動信号を駆動基板120に出力し、傾動アクチュエータA1を駆動して、表示装置2の柱状部材242を遊技機1の内部方向へ傾動させる。そしてS230に移行して、上述の各種位置センサの検出結果を読み込み、S240にて、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示しているか否かを判断する(LCD21aが遊技者に対面しているか否かを判断する)。
ここで、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示している場合には(S240:YES)、S250に移行して、表示器21を順回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S260に移行する。尚、S250にて、CPU101は、マーカMKを第1部位から第2部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
そしてS260にて、ドットマトリクス21bをONするコマンドをLEDドライバ基板140に出力して、ドットマトリクス21bをONし、S270にて、LCD21aをOFFするコマンドを画像表示基板130に出力して、LCD21aをOFFし、S310に移行する。
一方、S240にて、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示していない場合(マーカMKが第2部位に位置している旨を検出結果が示している場合)には(S240:NO)、S280に移行して、表示器21を逆回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S290に移行する。尚、S280にて、CPU101は、マーカMKを第2部位から第1部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
そしてS290にて、LCD21aをONするコマンドを画像表示基板130に出力して、LCD21aをONし、S300にて、ドットマトリクス21bをOFFするコマンドをLEDドライバ基板140に出力して、ドットマトリクス21bをOFFし、S310に移行する。
そして、S310にて、傾動アクチュエータA1に対する駆動信号の出力を停止して、傾動アクチュエータA1を停止させ、S320にて、復帰アクチュエータA2に対する駆動信号を駆動基板120に出力して、復帰アクチュエータA2を駆動し、傾動していた柱状部材242を直立状態に復帰させる。
そしてS330にて、復帰アクチュエータA2に対する駆動信号の出力を停止して、復帰アクチュエータA2を停止させ、当該反転処理を終了する。
次に、演出制御基板100のCPU101が実行する大当り演出処理の手順を、図6及び図7を用いて説明する。ここで、主制御基板110は、周知のように、大当りが発生すると、入賞期間(ラウンド)と非入賞期間(インターバル)とを予め設定された回数だけ交互に繰り返す大当り遊技を実行する。そして、この大当り演出処理は、大当り遊技の開始時に主制御基板110から初回インターバル画面の表示を指定するコマンド(初回インターバル指定コマンド)がCPU101に入力された際に実行される処理である。但し、主制御基板110には、初回インターバル指定コマンドとして、大当り遊技の画像を表示する画面にLCD21aを指定するものと、ドットマトリクス21bを指定するものとが予め設定されており、主制御基板110は、これら初回インターバル指定コマンドのうちの何れか一方を選択的に演出制御基板100に出力するように設定されている。
この大当り演出処理においては、CPU101は、まずS410にて、上述の各種位置センサの検出結果を読み込んで、この検出結果をRAM103に記憶したのち、S420にて、傾動アクチュエータA1に対する駆動信号を駆動基板120に出力して、傾動アクチュエータA1を駆動し、表示装置2の柱状部材242を遊技機1の内部方向へ傾動させる。そしてS430にて、初回インターバル指定コマンドがLCD21aを指定するものであるか否かを判断し、初回インターバル指定コマンドがLCD21aを指定するものである場合には(S430:YES)、S440に移行する。
そして、S440にて、上述のS410にてRAM103に記憶した各種位置センサの検出結果を参照し、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示しているか否かを判断する(LCD21aが遊技者に対面しているか否かを判断する)。
ここで、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示している場合には(S440:YES)、S450に移行して、表示器21を順回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S490に移行する。尚、S450にて、CPU101は、マーカMKを第1部位から第3部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
一方、S440にて、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示していない場合(つまり、マーカMKが第2部位に位置している旨を検出結果が示している場合)には(S440:NO)、S460に移行して、表示器21を逆回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S470に移行する。尚、S460にて、CPU101は、マーカMKを第2部位から第3部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
そしてS470にて、LCD21aをONするコマンドを画像表示基板130に出力して、LCD21aをONし、S480にて、ドットマトリクス21bをOFFするコマンドをLEDドライバ基板140に出力して、ドットマトリクス21bをOFFし、S490に移行する。
そしてS490にて、表示装置2の昇動アクチュエータA3に対する駆動信号を駆動基板120に出力して、昇動基台25を昇動させ、S500にて、主制御基板110から入力されるインターバル指定コマンドやラウンド指定コマンドが指定する大当り遊技の画像(大当り画像)の画像データを画像表示基板130に順次出力して、大当り画像をLCD21aに表示させる。
そして最終インターバル画面の表示を終了すると、S510に移行して、昇動アクチュエータA3に対する駆動信号の出力を停止して、昇動基台25を昇動前の元の位置へ復帰(降下)させる。
そしてS520にて、上述のS410にてRAM103に記憶した各種位置センサの検出結果を参照し、マーカMKが第1部位に位置していた旨を検出結果が示しているか否かを判断する(LCD21aが遊技者に対面していたか否かを判断する)。
ここで、マーカMKが第1部位に位置していた旨を検出結果が示している場合には(S520:YES)、S530に移行して、表示器21を逆回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S700に移行する。尚、S530にて、CPU101は、マーカMKを第3部位から第1部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
一方、S520にて、マーカMKが第1部位に位置していた旨を検出結果が示していない場合(つまり、マーカMKが第2部位に位置していた旨を検出結果が示している場合)には(S520:NO)、S540に移行して、表示器21を順回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S550に移行する。尚、S540にて、CPU101は、マーカMKを第3部位から第2部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
そしてS550にて、ドットマトリクス21bをONするコマンドをLEDドライバ基板140に出力して、ドットマトリクス21bをONし、S560にて、LCD21aをOFFするコマンドを画像表示基板130に出力して、LCD21aをOFFし、S700に移行する。
一方、S430にて、初回インターバル指定コマンドがLCD21aを指定するものでない場合(つまり、ドットマトリクス21bを指定するものである場合)には(S430:NO)、S570に移行する。
そして、図7に示すS570にて、上述のS410にてRAM103に記憶した各種位置センサの検出結果を参照し、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示しているか否かを判断する(LCD21aが遊技者に対面しているか否かを判断する)。
ここで、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示している場合には(S570:YES)、S580に移行して、表示器21を逆回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S590に移行する。尚、S580にて、CPU101は、マーカMKを第1部位から第4部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
そしてS590にて、ドットマトリクス21bをONするコマンドをLEDドライバ基板140に出力して、ドットマトリクス21bをONし、S600にて、LCD21aをOFFするコマンドを画像表示基板130に出力して、LCD21aをOFFし、S620に移行する。
一方、S570にて、マーカMKが第1部位に位置している旨を検出結果が示していない場合(つまり、マーカMKが第2部位に位置している旨を検出結果が示している場合)には(S570:NO)、S610に移行して、表示器21を順回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S620に移行する。尚、S610にて、CPU101は、マーカMKを第2部位から第4部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
そしてS620にて、表示装置2の昇動アクチュエータA3に対する駆動信号を駆動基板120に出力して、昇動基台25を昇動させ、S630にて、主制御基板110から入力されるインターバル指定コマンドやラウンド指定コマンドが指定する大当り画像の画像データをLEDドライバ基板140に順次出力して、大当り画像をドットマトリクス21bに表示させる。
そして最終インターバル画面の表示を終了すると、S640に移行して、昇動アクチュエータA3に対する駆動信号の出力を停止して、昇動基台25を昇動前の元の位置へ復帰させる。
そしてS650にて、上述のS410にてRAM103に記憶した各種位置センサの検出結果を参照し、マーカMKが第1部位に位置していた旨を検出結果が示しているか否かを判断する(LCD21aが遊技者に対面していたか否かを判断する)。
ここで、マーカMKが第1部位に位置していた旨を検出結果が示している場合には(S650:YES)、S660に移行して、表示器21を順回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S670に移行する。尚、S670にて、CPU101は、マーカMKを第4部位から第1部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
そしてS670にて、LCD21aをONするコマンドを画像表示基板130に出力して、LCD21aをONし、S680にて、ドットマトリクス21bをOFFするコマンドをLEDドライバ基板140に出力して、ドットマトリクス21bをOFFし、S700に移行する。
一方、S650にて、マーカMKが第1部位に位置していた旨を検出結果が示していない場合(つまり、マーカMKが第2部位に位置していた旨を検出結果が示している場合)には(S650:NO)、S690に移行して、表示器21を逆回転方向に回転させる方向にモータMを駆動する駆動信号を駆動基板120に出力し、S700に移行する。尚、S700にて、CPU101は、マーカMKを第4部位から第2部位に移動させるのに必要なモータMのステップ数分のパルスからなる駆動信号を出力する。
そしてS700にて、傾動アクチュエータA1に対する駆動信号の出力を停止し、S710にて、復帰アクチュエータA2に対する駆動信号を駆動基板120に出力して、柱状部材242を直立状態に復帰させる。
そしてS720にて、復帰アクチュエータA2に対する駆動信号の出力を停止し、当該大当り演出処理を終了する。
つまり、遊技機1では、通常時には、表示器21の一方の画面が遊技者に対面し、遊技者に対面している画面にのみ画像が表示される(図8(a)参照)。また、リーチ表示や第1所定時間以上の変動パターンの発生時に、遊技者が反転スイッチ11を押下すると、表示器21が当該遊技機1の内部方向へ移動して反転し(図8(b)参照)、新たに遊技者に対面した画面に画像が表示されて元の位置へ移動する。
また、大当りが発生すると、表示器21が当該遊技機1の内部方向へ移動して一方の画面を下方に向けて昇動し、下方に向けた画面に表示された画像が鏡部材23の鏡面に映し込まれる(図8(c))参照)。
以上より、遊技機1では、表示装置2における画面の反転に連係して、異なる画像を新たに遊技者に対面する画面に表示するため、新たに遊技者に対面する画面にどのような画像が表示されるのかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
また遊技機1では、画面の反転をリーチ表示や第2所定時間以上の変動パターンの発生時に制限しているため、画面の反転の興趣を遊技者に抱かせ続けることができる。またリーチ表示や第2所定時間以上の変動パターンが発生するように遊技者に遊技に臨ませることができるため、遊技の興趣を向上できる。
また遊技機1では、表示器21の画面が遊技盤6よりも遊技者に近くなるように表示装置2が表示器21を支持しているため、遊技盤6上のセル画や各種光源の光の方が表示器21の画面に表示した画像よりも目立ってしまうことを防止でき、ひいては、画像の興趣が遊技者に伝わり難くなってしまうことを防止できる。
また遊技機1では、表示器21を反転させる際に、表示器21を当該遊技機1の内部方向へ移動させるため、表示器21と、遊技盤6を封止するガラスとの間に空間を確保することができる。つまり、表示器21の画面を小さくせずとも、表示器21を反転させることができるため、画像による演出の興趣を低減させることがない。
また遊技機1では、遊技者に対面する画面にのみ画像が表示され、対面していない画面には画像が表示されないため、無駄に電力を消費してしまうことを防止できる。
また遊技機1では、表示器21の画面の表示形式が互いに異なり、異なる趣の画像を遊技者に提供できるため、画像による演出をより多彩にすることができる。
また遊技機1では、大当りの発生時に、表示器21が一方の画面を下方に向けた状態で昇動し、光源などが設けられていない穴部61から鏡部材23の鏡面が露出して鏡面に表示器21の画像が映し込まれるため、暗闇の中に画像が浮かび上がるような幻想的な演出を実現することができる。
また遊技機1では、表示器21の画像を鏡部材23の鏡面に映し込む際に、表示器21を当該遊技機1の内部方向へ移動させるため、表示器21の画面に表示した画像をより大きく鏡面に映し込むことができる。
また遊技機1では、鏡部材23の鏡面を穴部61から露出させる際に、表示器21が鏡部材23と遊技者との間に不介在となる程度に昇動されるため、表示器21が遊技者の視界を妨げ、鏡面に映し込まれた画像が見難くなってしまうことを防止できる。
また遊技機1では、表示装置2が、表示器21を軸回転させるだけで表示器21の向きを変位させるように構成されているため、表示装置2の構成をその分簡素にできる。
以上説明した第1実施形態において、遊技機1は本発明における遊技機、表示装置2は本発明のおける表示装置、穴部61は本発明における穴部、鏡部材23は本発明における鏡、表示器21は本発明における表示器、図5のS420,S450,S460,S490及び図6のS580,S610,S620の処理、台座22、モータM、ウォームホイール244、ウォームギア245、傾動アクチュエータA1、昇動アクチュエータA3は本発明における変位手段である。
ところで、第1実施形態では、鏡部材23は平面状からなっていたが、遊技者側から視認可能な面が凹面や凸面となっていてもよい。
また第1実施形態では、大当りの発生時に、鏡部材23の鏡面を露出させ、表示器21の画像を鏡面に映し込んでいたが、大当りの発生時以外の遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、確率変動の発生時)で鏡部材23の鏡面を露出させ、表示器21の画像を鏡面に映し込んでもよい。
(第2実施形態)
以下に、本発明の第2実施形態について図面をもとに説明する。尚、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
第2実施形態における遊技機1は、表示装置2の代わりに表示装置30が取り付けられ、更に演出制御基板100のCPU101が実行する大当り演出処理の流れが一部異なっていること以外は、第1実施形態における遊技機1と同じである。
図9は表示装置30の斜視図である。
図9に示すように、表示装置30は、表示器21よりも遊技機1の内部側に、少なくとも1つの造作物(図示せず)が載置された載置台31を備える。尚、造作物は、キャラクタなどを模した人形からなる。
そして、載置台31には、載置台31を遊技者側に押し出すための押出アクチュエータA4が連結されている。尚、押出アクチュエータA4は、プランジャー(図示せず)と、プランジャーを磁力によって押し出すソレノイドA41とから構成され、プランジャーが載置台41における、遊技機1の内部側の面に連結されている。また、押出アクチュエータA4(より具体的にはソレノイドA41)は、駆動基板120に接続され、演出制御基板100のCPU101から駆動基板120に入力される駆動信号によって駆動される。但し、押出アクチュエータA4は、ソレノイドA41の非駆動時に、プランジャーがバネの付勢力によってソレノイドA41側へ引き込むように構成されている。
ここで、第2実施形態における演出制御基板100のCPU101が実行する大当り演出処理の手順を、図10及び図11を用いて説明する。
この大当り演出処理において、CPU101は、まず第1実施形態の大当り演出処理におけるS410〜S430の処理を実行する。
そしてS430にて、初回インターバル指定コマンドがLCD21aを指定するものである場合には(S430:YES)、第1実施形態の大当り演出処理におけるS440〜S490の処理を実行して、マーカMKを第3部位に移動させるように表示器21を回転させると共に、表示器21を昇動させる。
そしてS495にて、押出アクチュエータA4に対する駆動信号を出力して、載置台31を遊技者側に押し出したのち、第1実施形態の大当り演出処理におけるS500の処理を実行する。
S500の処理を終了すると、S505にて、押出アクチュエータA4に対する駆動信号の出力を停止して、載置台31を遊技機1の内部側に戻したのち、第1実施形態の大当り演出処理におけるS510〜S560の処理を実行して、第1実施形態の大当り演出処理におけるS700に移行する。
一方、S430にて、初回インターバル指定コマンドがLCD21aを指定するものでない場合(つまり、ドットマトリクス21bを指定するものである場合)には(S430:NO)、図11に示す第1実施形態の大当り演出処理におけるS570〜S620の処理を実行して、マーカMKを第4部位に移動させるように表示器21を回転させると共に、表示器21を昇動させる。
そしてS625にて、押出アクチュエータA4に対する駆動信号を出力して、載置台31を遊技者側に押し出したのち、第1実施形態の大当り演出処理におけるS630の処理を実行する。
S630の処理を終了すると、S635にて、押出アクチュエータA4に対する駆動信号の出力を停止して、載置台31を遊技機1の内部側に戻したのち、第1実施形態の大当り演出処理におけるS640〜S720の処理を実行して、当該大当り演出処理を終了する。
つまり、第2実施形態の遊技機1では、通常時には、第1実施形態の遊技機1と同様に、表示器21の一方の画面が遊技者に対面し、遊技者に対面している画面にのみ画像が表示される(図12(a)参照)。また、リーチ表示や第1所定時間以上の変動パターンの発生時に、遊技者が反転スイッチ11を押下すると、第1実施形態の遊技機1と同様に、表示器21が当該遊技機1の内部方向へ移動して反転し(図12(b)参照)、新たに遊技者に対面した画面に画像が表示されて元の位置へ移動する。
しかし、大当りが発生した場合には、第1実施形態の遊技機1と異なり、表示器21が当該遊技機1の内部方向へ移動して一方の画面を下方に向けて昇動するだけでなく、載置台31が遊技者側に押し出され、下方に向けた画面の光が載置台31の造作物に照射される(図12(c))参照)。
以上より、第2実施形態の遊技機1では、大当りの発生時に、造作物が穴部61から露出すると共に、表示器21の画面の光が造作物に照射されるため、暗闇の中から造作物が現れるといった幻想的な演出を実現することができる。また画面に様々な大当り画像が表示されて画面の光が変化するため、遊技者に与える造作物の印象を様々に変化させることができる。
また第2実施形態の遊技機1では、表示器21の画面の光を造作物に照射する際に、表示器21を当該遊技機1の内部方向へ移動させるため、より明るく造作物を照らすことができ、ひいては、造作物をより目立たせることができる。
また第2実施形態の遊技機1では、造作物を穴部61から露出させる際に、表示器21が造作物と遊技者との間に不介在となる程度に昇動されるため、表示器21が遊技者の視界を妨げ、造作物が見難くなってしまうことを防止できる。
また第2実施形態の遊技機1では、大当りの発生時に、造作物を遊技者側に押し出すため、造作物をより目立たせることができる。
以上説明した第2実施形態において、表示装置30は本発明における表示装置、造作物は本発明における造作物、図10のS495及び図11のS625の処理、押出アクチュエータA4は本発明における造作物変位手段である。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば、上記実施形態においては、表示器21は、表示形式が互いに異なる画面が具備されていたが、表示形式が同一の画面が具備されていてもよい。この場合、画面の反転に連係して、反転させた画像を新たに遊技者に対面する画面に表示することによって、単なる画像に物体的な動きや物体的な立体感を持たせることができ、単なる画像があたかも物体として存在するような感覚を遊技者に抱かせることができる。
また上記実施形態においては、LCD21aはバックライトを備えた透過型液晶ディスプレイとして構成されていたが、バックライトの代わりに反射板を具備し、外部の光を反射することで画像を映し出す、所謂、反射型液晶ディスプレイとして構成されていてもよい。
1…遊技機、2,30…表示装置、3…外枠、4…内枠、5…内枠ランプ、6…遊技盤、7…金枠、8…ハンドル、9…上受け皿、10…下受け皿、11…反転スイッチ、12…本図柄表示装置、13…特別図柄保留ランプ、14…始動入賞装置、14a…可動片、15…大入賞装置、15a…開閉板、16…普通図柄表示装置、17…普通図柄保留ランプ、18…遊技盤ランプ、19…始動ゲート、21…表示器、21a…LCD、21b…ドットマトリクス、22…台座、23…鏡部材、24…可動台、25…昇動基台、26…固定基台、31…載置台、61…穴部、100…演出制御基板、110…主制御基板、120…駆動基板、130…画像表示基板、140…LEDドライバ基板、241…台枠、242…柱状部材、243…腕状部材、244…ウォームホイール、245…ウォームギア、246…支持部材、247…軸部材、251…段状部材、252…円板状部材。