JP5185687B2 - 着用物品およびその折り畳み方法 - Google Patents

Description

この発明は、着用物品に関し、さらに詳しくは使い捨てのおむつ、トイレット・トレーニングパンツ、失禁ブリーフ、生理用ショーツ、おむつカバー等の着用物品及びその折り畳み方法に関する。

従来、使い捨てのおむつにおいて、おむつの側縁部を係脱可能にした構造として、例えば特表２００２−５３２１４７号公報（特許文献１）が公知である。この特許文献１によれば、おむつは前後ウエスト域およびクロッチ域と、身体側内面および着衣側外面を含むシャーシと、前後ウエスト域の側縁部に形成されたフック要素とループ要素とを備える。前ウエスト域の着衣側外面であって、その側縁部にループ要素を備え、後ウエスト域の身体側内面であって、その側縁部にフック要素を備え、これらを係脱可能に係合させることによって、パンツの形状にすることができる。クロッチ域には、吸収体が形成され、***物を吸収するようにしている。
特表２００２−５３２１４７号公報

使用済みのおむつを廃棄する場合には、衛生的かつコンパクトにするために小嵩に丸めることが望ましい。おむつをそのように小嵩に丸めた状態を保持するためには、おむつに別途粘着テープ等の保持部材を取り付ける方法があるが、このように別部材を取り付けることとなるとその分コストの増加を招く。それにもかかわらず、折り畳んだ形状を保持することができる何らかの手段を施すことが望ましい。

この発明は、別手段の部材を必要とすることなく、おむつの構成部材をそのまま利用しておむつを衛生的かつコンパクトに折り畳むことができる着用物品を提供することを課題とする。

この発明は、着用物品に関する第１の発明と、着用物品の折り畳み方法に関する第２の発明とを含む。
第１の発明は、縦方向および横方向と、身体側内面および着衣側外面と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第１ウエスト域ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第２ウエスト域と前記第１および第２ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第１ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第１側縁部に位置するメカニカルファスナ機能を有する第１係合域および前記第２ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第２側縁部に位置して前記第１係合域と脱離可能に係合するメカニカルファスナ機能を有する第２係合域から構成されるメカニカルファスナとを含み、前記第１係合域は、前記第１側縁部の着衣側外面に形成されたフック要素を含み、前記第２係合域は前記身体側内面に形成されたループ要素を含む着用物品の改良に関わる。

この発明は、前記着用物品が、さらにメカニカルファスナ機能を有し前記第１係合域と脱離可能に係合する第３係合域を含み、前記第３係合域は、少なくとも前記第１側縁部の前記身体側内面に形成され、一側に位置する前記第１側縁部の着衣側外面に形成された前記第１係合域と他側に位置する前記第１側縁部の身体側内面に位置する前記第３係合域とが係合可能となり、前記第１側縁部は、前記フック要素が取り付けられる支持部材を含み、前記支持部材は、身体側内面および着衣側外面を有し、少なくとも前記身体側内面が前記フック要素と係合可能な繊維シートによって形成されることにより、前記支持部材の前記身体側内面によって前記第３係合域が形成され、前記フック要素は、前記第１側縁部において前記縦方向のほぼ全域に亘って形成されるとともに、前記縦方向に延びる上部および下部を含み、前記上下部は、前記縦方向に連続して延びる前記支持部材に互いに分離して取り付けられ、前記第３係合域は、少なくとも一部が前記横方向において前記第２側縁部よりも外側に延出し、この延出している部分は、前記フック要素の前記上下部の全部と係合可能となるように前記フック要素の前記上下部の係合域よりも広い係合域を有することを特徴とする。

好ましい他の実施形態のひとつとして、前記フック要素が形成された前記第１ウエスト域は、前記横方向に弾性化される。

第２の発明は、請求項１に記載の着用物品の折り畳み方法の改良に関わる。この発明は前記第１および第２係合域を互いに脱離し、前記第１および第２ウエスト域を、それらの着衣側外面が外側に位置するように重ね合わせ、その重ね合わせの状態で、それらの一側に位置する前記第１側縁部を前記第２ウエスト域へ折り返して重ね合わせる一方、それらの他側に位置する前記第１側縁部を前記第２ウエスト域へ折り返して前記一側に位置する前記第１側縁部における前記第１係合域と前記他側に位置する前記第１係合域の内面である前記身体側内面における前記第３係合域の前記延出している部分とを係合させ、よって前記重ね合わせ状態を保持することを特徴とする。

好ましい他の実施形態のひとつとして、前記一側および他側に位置する前記第１および第２ウエスト域の前記第１および第２側縁部の前記重ね合わせの前に、前記クロッチ域を前記第２ウエスト域へ折り返して重ね合わせ、前記クロッチ域を、重ね合わせた前記一側および他側に位置する前記第１および第２ウエスト域の前記第１および第２側縁部と前記第２ウエスト域との間に挟持させる。

第１の発明に係る着用物品によれば、第１および第２ウエスト域の第１および第２側縁部を互いに脱離可能に係合する第１および第２係合域のほかに、第１側縁部の身体側内面に第１係合域と係合可能な第３係合域が形成されている。この第３係合域は後述する説明から理解されるように、使用済みのおむつを衛生的かつコンパクトに折り畳んで廃棄するために使用するものであるところ、フック要素と係合可能な繊維シートで形成することができる。したがって、従来、使い捨ておむつの身体側内面やウエスト域の側縁部（耳部）を形成していた不織布等の繊維シートをそのままの状態で第３係合域として利用することができる。したがって、第３係合域を形成するために、そのための特別の手段や部材を設ける必要がなく、コストの増加を回避することができる。
メカニカルファスナがフック要素とループ要素とによって形成されるので、これらフック要素およびループ要素として周知の「ベルクロ」（商標）や「マジックテープ」（商標）であるメカニカルファスナを使用することができる。

第１係合域を形成するフック要素は、シャーシの側縁部（耳部）を形成する支持部材を介して第１側縁部に取り付けることとしたので、第１側縁部とは別部材によって支持部材を形成することができる。支持部材によって第１側縁部を第２側縁部よりも横方向外側に延出させた場合には、第１および第２ウエスト域を重ね合わせた状態でも支持部材を挟持しやすく、さらには横方向に引っ張りやすくすることができる。

シャーシの身体側内面を形成する内面シートが、フック要素と係合可能な繊維シートによって形成されることとしたので、内面シートの当該域をそのまま利用して第３係合域を形成することができる。したがって、当該域の形成のために特別な部材等を必要とせず、コストの増加を抑制することができる。

フック要素は第１側縁部において縦方向のほぼ全域に亘って形成されることとしているので、より広い範囲で第３係合域と係合することができる。したがって、これら係合をより強固にして折り畳んだ状態を維持することができ、折り畳んだ着用物品が開いてしまうのを抑制することができる。

フック要素が形成された第１ウエスト域は、横方向に弾性化されることとしているので、フック要素と第３係合域との係合部分が横方向に引っ張られ、これら係合を強固にすることができる。また、弾性化によって折り畳んだ着用物品が締め付けられて緩みがなくなり、折り畳んだ内側から***物等が漏れるのを抑制することができる。

第２の発明に係る着用物品の折り畳み方法によれば、前述のように使用済みの着用物品を衛生的かつコンパクトに折り畳むことができるとともに、その折り畳み構造と前記第３係合域とによって着用物品の折り畳み状態を確実に保持することができる。

一側および他側の第１側縁部の重ね合わせの前に、クロッチ域を折り畳むこととして、第１側縁部の重ね合わせ部分と、第２ウエスト域との間に、クロッチ域が挟持されることとしたので、より一層コンパクトに折り畳むことができる。

＜実施形態＞
図１〜３は、この発明の一実施形態を示したものであり、大人用のおむつをその一例として説明する。図１はおむつ１の着用状態において両側縁部の一方を開いた状態の斜視図であり、図２はおむつ１の展開図であって説明のためにその一部を破断している。図３はおむつ１の折り畳み方を示した説明図である。図示したように、おむつ１は吸液性を有するシャーシ２とメカニカルファスナ３とを含む。シャーシ２は、縦方向Ｙおよび横方向Ｘと、身体側内面４および着衣側外面５とを有する。シャーシ２は、身体側内面４を形成する内面シート６と、着衣側外面５を形成する外面シート７と、これら内外面シート６，７の間に介在する吸液性コア２０とを含む。内面シート６は液透過性の繊維不織布等、外面シート７は液不透過性プラスチックフィルム等、吸液性コア２０はフラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物等、それぞれ当技術分野の慣用素材を用いることができる。このようなシャーシ２は、前ウエスト域８、後ウエスト域９および前後ウエスト域８，９の間におけるクロッチ域１０を含む。

前ウエスト域８には、横方向Ｘに対向して縦方向Ｙに延びる第１側縁部１１が形成され、後ウエスト域９には、横方向Ｘに対向して縦方向Ｙに延びる第２側縁部１２が形成されている。第１側縁部１１のそれぞれの内面シート６には、縦方向Ｙに細長い支持部材（耳部材）１３，１４が取り付けられ、この支持部材１３，１４を介して第１係合域を形成するとともにメカニカルファスナのフック要素１５，１６がシャーシ２に取り付けられている。この実施形態では、第１側縁部１１と支持部材１３，１４とで、この発明でいう第１側縁部が形成される。支持部材１３，１４は、繊維不織布などの材料で形成され、その一方の側縁１３ａ，１４ａが内面シート６の第１側縁部１１に接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドによって接合され、他方の側縁１３ｂ，１４ｂが第１側縁部１１から横方向Ｘ外側に延出している。フック要素１５，１６は、支持部材１３，１４の延出した部分であって、着衣側外面に接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドによって接合されている。フック要素１５，１６は、縦方向Ｙに二分割されておりそれぞれ上部１５ａ，１６ａと下部１５ｂ，１６ｂをそれら間にスペースを介して形成している。

支持部材１３，１４は、第１側縁部１１の縦方向Ｙの長さ寸法とほぼ同じ寸法を有し、フック要素１５，１６は支持部材１３，１４の縦方向Ｙのほぼ全域に亘って形成されている。具体的には、フック要素１５，１６は、支持部材１３，１４の縦方向Ｙの両端縁とフック要素１５，１６の上部１５ａ，１６ａと下部１５ｂ，１６ｂとのそれぞれの間のわずかな部分を除いて縦方向Ｙへ延びている。前後ウエスト域８，９はそれぞれの横方向Ｘの長さ寸法がほぼ等しく形成されている。前ウエスト域８の第１側縁部１１に支持部材１３，１４を接合することによって、前ウエスト域８の横方向Ｘの寸法は、後ウエスト域９の横方向Ｘの寸法よりも、支持部材１３，１４のほぼ幅寸法分だけ大きくされている。このように横方向Ｘに寸法差があることは、後述する着用物品の折り畳み操作において好ましいが、必ずしもそのようにされる必要がない。

第２側縁部１２それぞれの内面シート６には、第２係合域を形成するとともにループ要素１７，１８が接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドによって取り付けられている。ループ要素１７，１８は後ウエスト域９の第２側縁部１２の縦方向Ｙの長さ寸法とほぼ同じ寸法を有し、その縦方向Ｙのほぼ全域に亘って延びている。フック要素１５，１６とループ要素１７，１８とは互いに脱離可能に係合し、これらフック要素１５，１６およびループ要素１７，１８としては、例えばこの発明に係る着用物品の技術分野で慣用されている「ベルクロ」（商標）や「マジックテープ」（商標）を用いることができる。

前後ウエスト域８，９には、横方向Ｘに延びるウエスト弾性部材２１が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。具体的には、ウエスト弾性部材２１はウエスト開口側に位置する第１弾性部材２１ａと、第１弾性部材２１ａよりもクロッチ域１０側に位置する第２弾性部材２１ｂとを含む。このようなウエスト弾性部材２１は内外面シート６，７の間に介在し、内外面シート６，７の少なくとも一方に接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドによって接合されている。ウエスト弾性部材２１は、複数条の糸状、ストランド状、テープ状などのゴムによって形成され、第２弾性部材２１ｂは縦方向Ｙにほぼ等間隔に離間して、前後ウエスト域６，７のほぼ全域に亘って取り付けられることによって、前後ウエスト域６，７を横方向Ｘに弾性化している。前後ウエスト域６，７を弾性化することによって、前後ウエスト域６，７が着用者にフィットし、尿等の漏れを防止するとともに、着用外観を良くするようにしている。

ウエスト弾性部材２１は、前ウエスト域８においては支持部材１３，１４と交差しないようにそれらの横方向Ｘ内側まで延びている。フック要素１５，１６は、支持部材１３，１４の横方向Ｘに延出した部分に形成されているので、ウエスト弾性部材２１は前ウエスト域８においては、フック要素１５，１６には重ならない。同様に、後ウエスト域９においては、ループ要素１７，１８の横方向Ｘ内側までウエスト弾性部材２１が延びて、これらループ要素１７，１８には重ならない。ウエスト弾性部材２１がフック要素１５，１６およびループ要素１７，１８に重ならないようにすることによって、ウエスト弾性部材２１の収縮でフック要素１５，１６とループ要素１７，１８とに皺が発生するのを抑制することができる。したがって、皺が発生することで、係合面積が狭くなったり、係合が不安定になったりするのを抑制することができ、フック要素１５，１６とループ要素１７，１８とを強固に係合することができる。

第１および第２側縁部１１，１２の縦方向Ｙの間にはレッグ側縁部２２が形成され、このレッグ側縁部２２は、クロッチ域１０に形成されて、横方向Ｘの寸法を二等分する縦中心線Ｐ−Ｐに向かって湾曲している。レッグ側縁部２２に沿ってレッグ弾性部材２３が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。具体的には、レッグ弾性部材２３は、内外面シート６，７の間に介在し、これら内外面シート６，７の少なくともいずれか一方に接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドによって接合されている。レッグ弾性部材２３は複数条の糸状、ストランド状、テープ状などのゴムによって形成され、これらゴムの収縮力によって、レッグ側縁部２２が着用者にフィットし尿等の漏れを防止するようにしている。
ウエスト弾性部材２１およびレッグ弾性部材２３は、天然ゴムまたはポリウレタン等の合成ゴムを用いることができ、各ゴムに替えて、弾性を有する繊維不織布やプラスチックシート等を用いることもでき、一般的な弾性部材を使用することができる。

このようなおむつ１において、フック要素１５，１６にループ要素１７，１８を係合させることによって、前後ウエスト域８，９を互いに連結し、ウエスト開口２４と一対のレッグ開口２５とを形成するとともに、プルオン・パンツ形状とすることができる。このようなおむつ１は、前後ウエスト域８，９の連結状態でウエスト開口２４からレッグ開口２５へと脚を入れておむつ１を引き上げるようにして着用することができる。また、前後ウエスト域８，９を連結する前に着用者のウエスト部にあてがい、その後フック要素１５，１６にループ要素１７，１８を係合させることによって、前後ウエスト域８，９を連結してパンツ形状にすることもできる。したがって、このようなおむつ１は、プルオン・パンツタイプとオープンタイプの併用可能な利便性を有する。

いずれの場合でも、フック要素１５，１６を上部１５ａ，１６ａと下部１５ｂ，１６ｂとに分割しているので、いずれか一方ずつループ要素１７，１８に係合させることができ、一連の長いフック要素を一気にループ要素に係合させる場合に比べて作業効率を向上させることができる。また、一度係合させた後にずれを直したり、***の有無を確認するために係合を外したりした場合に、上下部いずれかのフック要素のみを外したり係合しなおしたりすれば良いので、フック要素の全部を係合しなおす場合に比べて簡便である。

着用後は、フック要素１５，１６とループ要素１７，１８との係合を外し、おむつ１を着用者から外すことができる。または、メカニカルファスナ３の係合をそのままにしてパンツを脱ぐようにしておむつ１を外すこともできる。着用後のおむつ１は、***物やそのにおいが漏れないようにし、かつ、ごみを減嵩化するために、コンパクトに折り畳んで廃棄することが望ましい。おむつ１の折り畳み方を図３に示している。

図３（ａ）に示したように、フック要素１５，１６とループ要素１７，１８との係合を外し、かつ、おむつ１をベッド等の平面に置いた状態で、おむつ１の前後ウエスト域８，９を外面シート７が外側に位置するようにして重ね合わせる。図においては、前ウエスト域８を紙面奥側、後ウエスト域９を紙面手前側になるように重ね合わせている。次に図３（ｂ）に示したように、クロッチ域１０を後ウエスト域９と重なるように折り畳む。すなわち、クロッチ域１０をウエスト開口２４に向かって折り畳む。

クロッチ域１０を折り畳んだのち、図３（ｃ）に示したように、フック要素１６が位置する第１側縁部１１を第２側縁部１２とともにクロッチ域１０の外側に折り畳む。このときフック要素１６が最も上側に位置する。次に図３（ｄ）に示したように、フック要素１５が位置する第１側縁部１１を第２側縁部１２とともに、既に折り畳んだ第１側縁部１１上のフック要素１６に重ねるようにして折り畳む。このときフック要素１５が最も上側に位置し、フック要素１５が位置する支持部材１３が第１側縁部１１上のフック要素１６に接触する。支持部材１３，１４は繊維シート、例えば不織布、織布、網布で形成されるとともに、この繊維シートはフック要素１５，１６と係合可能としている。

支持部材１３は、後ウエスト域９の第２側縁部１２よりも横方向Ｘの外側に延出している。したがって、既に折り畳んだ第１側縁部１１のフック要素１６に対して容易に支持部材１３を接触させることができる。支持部材１３が第２側縁部１２とほぼ同じ横方向Ｘの寸法を有していた場合には、既に折り畳んだフック要素１６との間に第２側縁部１２が介在してしまい、支持部材１３をフック要素１６に接触させることができない。ただし、このような場合であっても、第２側縁部１２を折り曲げたり、支持部材１３を横方向Ｘ外側に引っ張るようにして折り畳んだりすることによって、フック要素１６に支持部材１３を接触させることができる。
支持部材１３が第２側縁部１２よりも横方向Ｘの外側に延出しているので、支持部材１３が挟持しやすい。したがって、支持部材１３をしっかりと挟持することができ、これを横方向Ｘに引っ張りやすく、第１側縁部１１を重ねる作業が容易になる。

支持部材１３，１４として、例えば不織布を用いる場合、一般不織布はその引張強度に関して方向性がある。したがって、支持部材１３，１４は、引張強度が高い方向を着用物品の横方向Ｘへ向けてシャーシ２に取り付けられていることが、その破損防止を確実にする上で好ましい。さらに言えば、一般に本発明のような物品に用いられる不織布は、その構成繊維の方向性がランダムであるが、それでもその製法上から多少の方向性があるので、支持部材１３，１４としては、その構成繊維の方向割合が比較的高い方向を横方向Ｘへ向けて取り付けられることが好ましい。

上記のようにフック要素１６と支持部材１３とを接触させ、これらを係合させることによって、第１側縁部が互いに連結し、前後ウエスト域８，９の折り畳んだ状態を保持することができる。しかも、前ウエスト域８に重ねるようにしてクロッチ域１０を折り畳み、このクロッチ域１０の外側で第１側縁部１１を連結しているので、クロッチ域１０の折り畳んだ状態も保持することができる。したがって、おむつ１をよりコンパクトに折り畳むことができ、この折り畳んだ状態のまま廃棄することができる。コンパクトに折り畳むことができるのでごみの減嵩化が可能となり、折り畳んだ状態を保持することができるので***物やそのにおいが漏れるのを防止し衛生的に廃棄することが可能となる。

フック要素１５，１６の横方向Ｘの内側にウエスト弾性部材２１を取り付けることとしたので、フック要素１５，１６を重ね合わせるようにしたときに、ウエスト弾性部材２１の弾性力によって、折り畳んだおむつ１を横方向Ｘに締め付けることができ、折り畳んだ状態が緩まないようにすることができる。折り畳んだおむつ１が緩まないので、おむつの中の***物等が漏れるのを防止することができる。特に、折り畳んだクロッチ域１０を包むようにして折り畳んだときには、クロッチ域１０に位置する***物を折り畳んだおむつ１の内側に保持することができるので、より一層これらが漏れ防止の機能を向上させる。
第３係合域を支持部材１３，１４とすることによって、おむつ１を折り畳んで保持するための手段を特別に設ける必要がなく、コストの増加を防止することができる。

この実施形態では、フック要素１６を先に折り畳んで、フック要素１５を後に折り畳むようにしているが、これが逆になっても良いことは当然である。前ウエスト域８にフック要素を取り付け、後ウエスト域９にループ要素を取り付けることとしているが、これが逆でも良い。すなわち、前ウエスト域８を第１ウエスト域として、後ウエスト域９を第２ウエスト域として説明しているが、前ウエスト域８が第２ウエスト域、後ウエスト域９が第１ウエスト域としてもよい。ただし、剛性が高いフック要素が着用者の肌に接触しないように取り付けることが望ましい。フック要素によって着用者の肌が傷つけられるのを防止するためである。また、第３係合域を支持部材１３，１４のいずれか一方によって形成することもできる。ただし、支持部材１３，１４の両方をフック要素１５，１６に係合可能とすることによって、フック要素１５あるいはフック要素１６のいずれを先に折り畳んでも良いこととなり、扱いやすくすることができる。

前後ウエスト域８，９の両方がウエスト弾性部材２１によって弾性化されるようにしているが、折り畳んだおむつ１がコンパクトに保持されるためには、少なくともフック要素１５，１６が取り付けられる方が弾性化されていれば良い。ただし、前後ウエスト域８，９の両方が弾性化されることによって、ウエスト開口２４からの漏れ防止の機能が向上する。また、ウエスト開口２４近傍においてウエスト弾性部材であるゴムの数を増やしたりゴムを太くしたりして、このウエスト開口２４の弾性力を強くすることによって、より一層ウエスト開口２４からの漏れ防止を向上させることもできる。
吸液性コア２０はシャーシ２を形成する内外面シート６，７の間に介在しているが、おむつ１がシャーシ２とは別体の吸液性コア２０を含む吸液構造体を有することとしてもよい。

この実施形態では、フック要素１５，１６が支持部材１３，１４を介してシャーシ２に取り付けられることとしているが、他の実施形態としてフック要素１５，１６が直接シャーシ２に取り付けられるようにしてもよい。この場合には、フック要素１５，１６を前ウエスト域８の外面シート７に接着または溶着によって接合することができる。支持部材１３，１４を用いない場合には、フック要素１５，１６が取り付けられた外面シート７の身体側内面４を形成する内面シート６の部分が、この発明でいう第３接合域とすることができる。したがって、内面シート６としては、フック要素１５，１６と係合可能な繊維シートを用いる。

このような他の実施形態では、支持部材１３，１４を設ける必要がないので、その分、コスト低減を図ることができる。また内面シート６は、シャーシ２の着用者内面を形成するので、この内面であればどこでもフック要素１５，１６に係合可能である。したがって、折り畳んだときの調整が可能となり、使い勝手を良好にすることができる。

おむつの斜視図。 図１のおむつの展開図。 おむつの折り畳み時の説明図。

符号の説明

１ おむつ
２ シャーシ
３ メカニカルファスナ
４ 身体側内面
５ 着衣側外面
６ 内面シート
７ 外面シート
８ 前ウエスト域
９ 後ウエスト域
１０ クロッチ域
１１ 第１側縁部
１２ 第２側縁部
１３ 支持部材
１４ 支持部材
１５ フック要素
１６ フック要素
１７ ループ要素
１８ ループ要素
２１ ウエスト弾性部材

Claims (4)

1. 縦方向および横方向と、身体側内面および着衣側外面と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第１ウエスト域ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第２ウエスト域と前記第１および第２ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第１ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第１側縁部に位置するメカニカルファスナ機能を有する第１係合域および前記第２ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第２側縁部に位置して前記第１係合域と脱離可能に係合するメカニカルファスナ機能を有する第２係合域から構成されるメカニカルファスナとを含み、前記第１係合域は、前記第１側縁部の着衣側外面に形成されたフック要素を含み、前記第２係合域は前記身体側内面に形成されたループ要素を含む着用物品において、
   前記着用物品は、さらにメカニカルファスナ機能を有し前記第１係合域と脱離可能に係合する第３係合域を含み、前記第３係合域は、少なくとも前記第１側縁部の前記身体側内面に形成され、一側に位置する前記第１側縁部の着衣側外面に形成された前記第１係合域と他側に位置する前記第１側縁部の身体側内面に位置する前記第３係合域とが係合可能となり、
   前記第１側縁部は、前記フック要素が取り付けられる支持部材を含み、前記支持部材は、身体側内面および着衣側外面を有し、少なくとも前記身体側内面が前記フック要素と係合可能な繊維シートによって形成されることにより、前記支持部材の前記身体側内面によって前記第３係合域が形成され、
   前記フック要素は、前記第１側縁部において前記縦方向のほぼ全域に亘って形成されるとともに、前記縦方向に延びる上部および下部を含み、前記上下部は、前記縦方向に連続して延びる前記支持部材に互いに分離して取り付けられ、
   前記第３係合域は、少なくとも一部が前記横方向において前記第２側縁部よりも外側に延出し、この延出している部分は、前記フック要素の前記上下部の全部と係合可能となるように前記フック要素の前記上下部の係合域よりも広い係合域を有することを特徴とする前記着用物品。
2. 前記フック要素が形成された前記第１ウエスト域は、前記横方向に弾性化される請求項１記載の着用物品。
3. 請求項１に記載の着用物品の折り畳み方法であって、
   前記第１および第２係合域を互いに脱離し、前記第１および第２ウエスト域を、それらの着衣側外面が外側に位置するように重ね合わせ、その重ね合わせの状態で、それらの一側に位置する前記第１側縁部を前記第２ウエスト域へ折り返して重ね合わせる一方、それらの他側に位置する前記第１側縁部を前記第２ウエスト域へ折り返して前記一側に位置する前記第１側縁部における前記第１係合域と前記他側に位置する前記第１係合域の内面である前記身体側内面における前記第３係合域の前記延出している部分とを係合させ、よって前記重ね合わせ状態を保持することを特徴とする前記折り畳み方法。
4. 前記一側および他側に位置する前記第１および第２ウエスト域の前記第１および第２側縁部の前記重ね合わせの前に、前記クロッチ域を前記第２ウエスト域へ折り返して重ね合わせ、前記クロッチ域を、重ね合わせた前記一側および他側に位置する前記第１および第２ウエスト域の前記第１および第２側縁部と前記第２ウエスト域との間に挟持させる請求項３記載の折り畳み方法。

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