JP5185043B2 - リラクタンス型同期電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は工作機械等に利用される、主にリラクタンストルクおよび補助的に永久磁石トルクを利用した電動機の制御装置に関するものであり、特に電源電圧や使用アンプ容量で制限される基底回転数以上におけるトルクを有効に利用し、かつ電源電圧変動に対して安定した制御が行えるようd−q軸電流指令値を算出する手段を備えたリラクタンス型同期電動機の制御装置に関するものである。
従来から特許文献1のようなトルク指令値に比例してd軸電流等の界磁電流の大きさを変化させるリラクタンス型同期電動機(以下、電動機と略す)の制御装置がある。図9は、一般的な工作機械の送り軸制御や主軸用に適用される電動機の制御ブロック図を示し、特許文献1のトルク−電流変換部と同様の構成が示されている。特に説明の便宜上、一般的なd−q軸ベクトル制御におけるトルク指令値からq軸電流指令値、およびd軸電流指令値を演算する部分を抽出している。次に、処理の流れを示す。特に図示しない上位制御装置よりトルク指令値STCが符号演算器7に入力され、トルク指令値STCに応じた符号情報がq軸電流指令演算部9とd軸電流演算部8に出力される。また、トルク指令値STCはq軸電流指令演算部9とd軸電流演算部8に入力され、前記トルク指令値STCに応じた符号情報を考慮した極性を持つ、q軸電流振幅値SIQCおよびd軸電流振幅値SIDCが演算される。
次に、回転子速度SPDは、絶対値演算部1により絶対値化回転子速度|SPD|となり、基本関数演算部2に入力される。また、基本関数演算部2はパラメータ設定部101から基底回転数ωbが設定され、絶対値化回転子速度|SPD|が基底回転数ωb以上で、絶対値化回転子速度|SPD|に対して反比例する基本関数値KA0を演算する。
基本関数値KA0は乗算器12、13によって、それぞれq軸電流振幅値SIQCとd軸電流振幅値SIDCが乗じられ、q軸電流指令値SIQCC、およびd軸電流指令値SIDCCとなる。
図6には、電動機の制御装置に適用される(a)回転子速度|SPD|に対する重み関数値WA、(b)重み関数と回転子速度に反比例する基本関数を乗じた係数KA、が示されている。
従来、図6の(a)において回転子速度|SPD|に関係なく重み関数値WAは常に「1」となる。また(b)においては、回転子速度|SPD|が基底回転数ωb以下では、係数KAは常に「1」となり、回転子速度|SPD|が基底回転数ωb以上で「1」以下の値となるが、(a)の重み関数置WAが常に「1」であるため、係数KAは基本関数値KA0と等しくなる。
特開平11−356078号公報
リラクタンストルクのみを使用するリラクタンス型電動機(RM)やリラクタンストルクとマグネットトルクを利用する永久磁石内装型電動機(IPM)は原理上、永久磁石型電動機の永久磁石界磁に相当するd軸電流の制御が必要であり、一般的にベクトル制御にて制御が行われている。リラクタンス力の発生原理は公知のように回転子内のd軸とq軸の磁気抵抗差(=インダクタンス差)によるものである。
特に、磁気抵抗が低い軸におけるインダクタンスの変化は、印加する電流に対して大きく変化するため、電動機の回転子速度に対する駆動電圧は印加する電流に対して非線形な特性となる。
一般的なd−q軸ベクトル制御において、電動機の基底回転数は電源電圧から決められる電圧制限値である場合が多く、基底回転数以上で運転する場合は永久磁石の磁束を下げるような電流を印加するか、電流を低減して電圧を下げる必用がある。通常、基底回転数以上でのd−q軸電流指令パターンは(1/回転子速度)の反比例関係であるため、上述したインダクタンスの非線形さが大きく影響し、基底回転数と最高回転数の任意の回転数で電圧の飽和が発生する。その場合、運用上の基底回転数を下げて使用するか、巻線の巻回数を減らすことで電圧飽和の影響を回避するが、特に後者の場合、トルク定数が低下するため、所望のトルクを得るには使用するアンプ容量(最大電流値)を大きくする必用があり、アンプを含めた電動機システムのコストアップの要因となっている。
また、電源電圧低下による影響で、電圧飽和を起こし、電流指令に対して追従できなくなるため、電流に高調波成分を含むようになり、トルクリップルや回転時の振動の原因となるため制御が不安定になる。また、電圧飽和は電流指令に対して電流位相が遅れる要因となり所望のトルクが得られないという不具合が発生する。
本発明は上述した事情から成されたものであり、リラクタンストルクと永久磁石トルクを利用した電動機における基底回転子速度以上でトルクが有効に活用され、かつ電源電圧変動に対して安定した制御が行える制御装置を提供することを目的とする。
以上のような目的を達成するために、本発明に係るリラクタンス型同期電動機の制御装置は、回転子内部にスリット状の空隙または非磁性材料を備えることで回転方向に磁気抵抗の高低差を有し回転子表面に磁気的な極性を有するリラクタンス型同期電動機の制御装置であって、上位制御装置から指令されるトルク指令値よりq軸電流振幅値を演算するq軸電流演算部と、前記トルク指令値よりd軸電流振幅値を演算するd軸電流演算部と、q軸電流指令値とd軸電流指令値を算出するために、q軸電流振幅値に乗じるq軸電流係数と、d軸電流振幅値に乗じるd軸電流係数とをそれぞれ演算するd−q軸電流係数演算部と、を備え、前記d−q軸電流係数演算部は、予め設定される基底回転子速度以上の回転子速度に対し、少なくとも2区間以上の複数区間に分割し、それぞれの回転子速度区間において、前記回転子速度を参照してq軸重み関数値とd軸重み関数値とをそれぞれ演算する重み関数値演算手段と、前記演算されたq軸重み関数値とd軸重み関数値とに、前記回転子速度に反比例する関係を有する基本関数値をそれぞれ乗じて、q軸電流係数とd軸電流係数とをそれぞれ演算する手段と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るリラクタンス型同期電動機の制御装置において、前記重み関数値演算手段は、d軸およびq軸それぞれについて任意の回転子速度区間幅を設定し、回転子速度に対する重み関数値の変化率の高い回転子速度区間幅を、重み関数値の変化率の低い回転子速度区間幅よりも小さい区間幅に設定して演算を行うことを特徴とする。
また、本発明に係るリラクタンス型同期電動機の制御装置において、前記重み関数値演算手段は、q軸重み関数値とd軸重み関数値とに基本関数値を乗じたそれぞれの値に、さらに、電源電圧と事前に設定される制御基準電圧とに基いて演算されるd軸電源電圧係数とq軸電源電圧係数をそれぞれ乗じて、q軸電流係数とd軸電流係数とをそれぞれ演算することを特徴とする。
また、本発明に係るリラクタンス型同期電動機の制御装置において、前記スリット状の空隙の一部または前記非磁性材料の一部に永久磁石を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、基底回転数以上で電動機の持つトルクを有効に利用できることが可能となり、かつ電源電圧の変動に対して安定した制御性を持つ電動機の制御装置を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。特に断らない限り同記号、番号の要素、信号等は同機能・同性能を有するものである。
また、以下では、リラクタンス型同期電動機として、回転子内部に設けられるスリット状の空隙の一部に永久磁石を備える構成を説明するが、永久磁石を用いなくても、スリット状の空隙または非磁性材料を備えることで回転方向に磁気抵抗の高低差を有し回転子表面に磁気的な極性を有する構成のリラクタンス同期電動機であればよい。
図1は本発明の実施形態の一例である。トルク指令値STCが入力されるq軸電流演算部9、d軸電流演算部8、および回転子速度SPDから絶対値回転子速度|SPD|を演算する絶対値演算部1、そして基本関数演算部2の機能は従来技術(図9)と同等であるため説明を省略する。
q軸重み関数演算部3には、絶対値回転子速度|SPD|が入力され、また、q軸パラメータ設定部5から、重み関数の重み付けが切り替わる回転子速度ωnq、ωmq、回転子速度に対応する重み関数値WAnq、WAmqが入力される。
q軸重み関数演算部3は、重み関数値WAqを後述する式(1)により演算する。
同様に、d軸用重み関数演算部4では、d軸パラメータ設定部6より重み関数の重み付けが切り替わる回転子速度ωnd、ωmd、回転子速度に対応する重み関数値WAnd、WAmdが入力され式(1)により、重み関数値WAdが演算される。
なお、q軸パラメータ設定部5とd軸パラメータ設定部6にて設定される重み関数の重み付けが切り替わる回転子速度ωnq、ωmqまたはωnd、ωmdは、それぞれ隣り合って設定される回転子速度の値を示すものである。ここで、nとmはn<mの関係を有して隣り合う整数であり、つまり、m=n+1であって、n、m=0、1、2・・・と複数設定可能である。例えば、3段階で重み関数の重み付けが切り替える場合では、ωqは、ω1q、ω2q、ω3qの回転子速度で切替が行われ、ωdは、ω1d、ω2d、ω3dの回転子速度で切替が行われる。
基本関数演算部2で演算される基本関数値KA0とq軸重み関数値WAqは、乗算器10により乗算され、さらに乗算器12によりq軸電流振幅値SIQCと乗算されることによりq軸電流指令値SIQCCを算出する。同様に、基本関数値KA0とd軸重み関数値WAdは乗算器11により乗算され、さらに乗算器13によりd軸電流振幅値SIDCと乗算されることによりd軸電流指令値SIDCCを算出する。
図2に本発明が適用される電動機の回転子のモデル例を示す。図2に示すようにリラクタンストルクを得る電動機の回転子に少量の永久磁石を使用することで永久磁石トルク;ローレンツ力を得ることが可能である。なお説明の便宜上2極の電動機を説明するが、2M極(Mは整数)も同様の原理である。回転子21は珪素鋼板等の軟磁性材で構成され、その中に磁気抵抗の高低差を設けるために非磁性材もしくはスリット状の空隙23を設ける構造をとる。図2の例では、永久磁石22は、スリット状の空隙23の一部に配置される。非磁性材を用いるときは、非磁性材の一部に永久磁石が配置される。
本発明が適用される電動機の特徴として、非磁性材もしくはスリット状の空隙23内の一部に永久磁石22を具備することで回転子21表面に磁極性(N極またはS極)を示すようになる。説明上、永久磁石の主磁束の極性(N極)を示す方向をd軸と定義し、またd軸に直交する軸をq軸と定義する。図2の電動機においてd軸、q軸のインダクタンスをそれぞれLd、Lqとする時、図4に示すようにLq>Ldの関係があり、d軸インダクタンス:Ldはd軸電流が変化してもほぼ一定値となり、q軸インダクタンス:Lqはq軸電流に対して電流が大きくなると非線形に小さくなる特性を持つ。
図3は本発明が適用される電動機の制御装置のd−q軸電流ベクトル図例である。I0maxは使用するドライブアンプの容量によって決定される電流制限円であり、V0maxは電源電圧によって決定される電圧制限楕円を示している。なお、電圧制限楕円は電源電圧に応じて変化する。電動機に印加される電流の指令値:d軸電流指令SIDCC、q軸電流指令SIQCCまたは合成電流指令SIOは、この電流制限円および電圧制限だ円の範囲内でベクトル制御される。
トルク指令値STCとq軸電流指令値SIQCCおよびd軸電流指令値SIDCCの間は比例関係のため、合成電流SI0とd軸電流指令値SIDCCが成す角を制御角αとすると、トルク指令値STCの大きさによらず制御角αは一定値となる。
図4は図2で示した電動機のq軸電流指令値SIQCCおよびd軸電流指令値SIDCCに対して印加される電流に応じたq軸、およびd軸インダクタンス変化を示した図である。
q軸インダクタンス41は電流が低い場合、d軸インダクタンス42に対して数倍の値となるが電流が大きくなるにつれ磁気飽和の影響を受け低下する。
また、d軸インダクタンス42はq軸インダクタンス41より低い値となるがd軸電流が変化してもほぼ一定値となる。
ただし、q軸電流およびd軸電流が低い(≒0)場合、インダクタンスの差が小さくなるため磁気エネルギー差を生じなくなり、発生するトルク定数も低下してしまう。これは、図2で示した電動機の回転子構造における外周部の橋絡部にてd軸またはq軸の磁束が磁気的に短絡することが原因となっている。
図5は従来の電動機の制御装置の実施形態の一例であり、回転子速度|SPD|に対するトルク線図を示している。
ライン52はドライブアンプの容量(最大電流値)で決定されるトルク限界値であり、ライン51は電源電圧により電動機が発生できる最大トルクを示しており、この例ではVDC=240Vの場合である。
電動機はトルクを、ライン51、ライン52で囲まれた領域にて発生することが可能であるが、従来の制御装置ではd軸電流指令値、q軸電流指令値が回転子速度|SPD|に対して反比例の関係であるため、以下のような制約があった。
図5(a)は基底回転数ωb1以上で電源電圧以下にて制御を行うようd軸、q軸電流パターンを設定した場合であり、ライン51、ライン52にて決まる電動機の基底回転数:点Pよりも低い回転数である点Qに制御上の基底回転数を設定している。
この場合、ライン51、ライン52にて制約される電動機のトルク性能を十分に発揮できておらず、領域Reg.Aの部分しか利用できていないため、領域Reg.Bが有効に利用できていない上、基底回転数を下げて設定している為、制御上の電動機出力は数値上、低下することになる。
図5(b)はライン51、ライン52にて制約される電動機の基底回転数:点Pに制御上の基底回転数ωb2、およびライン51、ライン52にて制約される電動機の最高回転数:点Rに制御上の最高回転数ωtを合わせてd軸、q軸電流指令値を設定した場合である。
ライン54は電源電圧の制約がない場合の理論上のトルク線図であり、実際は電源電圧の制限によりライン51以上のトルクを発生させることはできず、実際はReg.Cの領域のトルクとなる。よって、領域Reg.Dのトルクを発生させようとすると、電圧が飽和しているため、電流波形に高調波が重畳されトルクリップルが大きくなり、騒音の原因となる。また、電流指令値に対して実電流の位相が遅れるため、所望のトルクが得られないという不具合が発生する。
特に図示はしないが、電源電圧が低下した場合にも図5(a)もしくは図5(b)と同様の不具合が発生することが容易に想像できる。
図6は、本発明による電動機の制御装置の実施形態の一例であり、図1に示すq軸重み関数演算部3およびd軸重み関数演算部4内部で演算される重み関数値WA、および係数KAの例を示したものであり、以下、重み関数値WA、および係数KAの添字q、dはそれぞれq軸、d軸を示すものである。
図6(a)は重み関数値WAの例であり、回転子速度|SPD|がd軸、q軸共に基底回転数ωb以下の場合は重み関数値WA=1となる。
また、重み関数値WAは、基底回転数ωb以上では回転子速度について複数区間に分割し、それぞれの回転子速度区間について以下のようにして演算される。すなわち、回転子速度区間を複数区間に分割するときの各回転子速度をω1、ω2、ω3・・とし、これを一般的に示すために、整数nとmとを用い、・・ωn、ωm・・と示すものとする。nとmはn<mの関係を有して隣り合う整数であり、つまり、m=n+1であって、n、m=0、1、2・・・と複数設定可能である。
ここで、ωn、ωmの間の回転子速度区間における重み関数値WA(|ω|)mnは、ωnのときの重み関数値WAnとωmのときの重み関数値WAmとを用いて、次の式(1)で示される。
WA(|ω|)mn=WAn−{(WAn−WAm)/(ωm−ωn)}・(|ω|−ωn)
・・・(1)
なお、図6(a)は、基底回転数ωb以上の回転子速度について3つの区間に分割した例が示されている。
以上のように、本発明の特徴の1つとして、重み関数値WAが基底回転数以上で回転子速度|SPD|に対して複数区間に分割して設定できることである。
また、別の特徴として、重み関数値WAの変化率が高い部分の回転子速度|SPD|の区間が、重み関数値WAの変化率が低い部分の回転子速度|SPD|の区間に対して小さく設定される点である。これにより、電動機の電圧特性が基底回転数ωb以上で急峻に変化する場合にも、より少ない分割数で設定が可能になる。
次に、回転子速度SPD=ωと表現した場合、基本関数値KA0は、式(2)に基づき演算される。そして、式(1)で演算される重み関数値WAを用いて、式(3)に示されるように、KA0にWAを乗じることで、係数KAが演算される。この係数KAは、従来技術の図9におけるKA0に対応するもので、重み関数値によって補正された電流係数に相当する。
KA0=ωn/|ω| ・・・ (2)
KA=KA0・WA ・・・ (3)
以上を踏まえて、図6(a)についてq軸について説明すると、重み関数値WAqは区間:ω0q<|SPD|≦ω1qは、区間:ω1q<|SPD|≦ω2qよりも変化率が高いため、区間幅が小さくなっていることがわかる。また、重み関数値WAの傾きは、区間:ω0q<|SPD|≦ω1qのように負の値、区間:ω1q<|SPD|≦ω2qのように傾きが0、区間:ω2q<|SPD|≦ω3qのように正の値をとることができる。
同様に、d軸の重み関数値WAdは、区間:ω0d<|SPD|≦ω1d、区間:ω1d<|SPD|≦ω2d、区間:ω2d<|SPD|≦ω3dにおいて、正の傾きを持ち、q軸と同様に重み関数値WAの変化率(傾き)が小さい場合の区間幅が大きくなる。
ここで、q軸重み関数値WAqとd軸重み関数値WAdを基底回転数ωb以上で比較してみると、q軸重み関数値WAq≦1となっており、d軸重み関数値WAd≧1となっていることがわかる。
これは、図4で説明したd−q軸の印加電流に対するインダクタンス特性に起因するものであり、永久磁石の使用量や電動機のインダクタンス特性によって、重み関数値WAの値が選定される。また、回転子速度の区間幅、および重み関数値WAの傾きは電動機の特性に合わせて設定が行われる。
図6(b)は、q軸係数KAq、d軸係数KAdの説明図であり、図6(a)で設定されたq軸重み関数値WAq、d軸重み関数値WAdを基本関数値KA0に対して式(3)により演算した結果である。
q軸係数KAqに着目すると、区間:ω0q<|SPD|≦ω1qでの重み関数値WAqが1以下であり変化率が高いため、 基本関数値KA0に対して大きく低減している。また、区間:ω1q<|SPD|≦ω2qでは重み関数値WAqの値は1以下であるが、変化率が0である。そして、区間:ω2q<|SPD|≦ω3qでは重み関数値WAqの値は同様に1以下であるが、変化率が低く傾きが正であるため、q軸係数KAqは基本関数値KA0に対して小さい値となるが回転子速度|SPD|に対する変化が緩やかになる。
d軸係数KAdは、q軸係数KAqとは逆に基底回転数ωb以上でd軸重み関数値WAdが1以上となるため基本関数値KA0に対して大きな値となる。
図7は本発明の実施形態の別の例であり、図1に対し電源電圧係数演算部14と電圧パラメータ設定部15が追加されている。
電源電圧係数演算部14は、図示しない電源電圧検出手段によりリアルタイムに電源電圧VDCが入力され、また、電圧パラメータ設定部15により制御基準電圧V0が入力されて電源電圧VDCと制御基準電圧V0との比率を算出する。また、q軸パラメータ設定部5’に、電源電圧VDCと制御基準電圧V0との比率にd軸用電源係数を乗算した値;q軸電源電圧補正係数KDCqを出力する。また、d軸パラメータ設定部6’に電源電圧VDCと制御基準電圧V0との比率にd軸用電源係数を乗算した値;d軸電源電圧補正係数KDCdを出力する。なお、q軸用電源係数、d軸用電源係数は任意に設定可能であるが、公知である電動機のd−q軸の電圧方程式より算出する方法が最も簡便である。
なお、電源電圧VDCが制御基準電圧V0よりも下降した場合にq軸電源電圧補正係数KDCq、d軸電源電圧補正係数KDCdが適用されるが、上昇した場合はq軸電源電圧補正係数KDCq、d軸電源電圧補正係数KDCdを1とする場合が多い。
q軸パラメータ設定部5’は、重み関数値WAnq、WAmqに上記q軸電源電圧補正係数KDCqを乗じてq軸重み関数演算部3に出力する。
同様にd軸パラメータ設定部6’は、重み関数値WAnd、WAmdに上記d軸電源電圧補正係数KDCdを乗じてd軸重み関数演算部4に出力する。
図8に図7に示した電動機の制御装置におけるq軸重み関数演算部3およびd軸重み関数演算部4内部で演算される重み関数値WA、および係数KAの例であり電源電圧VDCが制御基準電圧V0よりも低下した場合の例である。
図8(a)からわかるように、特徴的なのは基底回転数ωbの重み関数値WA0d、WA0qが変化する点であり、特にq軸電源電圧補正係数KDCqを考慮したq軸重み関数値WAq’は補正前のq軸重み関数値WAqに対し低下しているが、d軸電源電圧補正係数KDCdを考慮したd軸重み関数値WAd’は補正前のd軸重み関数値WAdに対し増加している。これは、電源電圧低下に伴い、d軸上にある永久磁石の磁束を低減することを目的としているためである。
よって、 図8(b)に示すように電源電圧が低下すると、係数KAd、KAqはそれぞれ係数KAd’、KAq’のように変化するため電圧飽和による不具合を回避できるようになる。
以上のように、本実施形態を用いることでリラクタンス型同期電動機の制御装置は、
回転子速度を複数区間に分割して、各区間のd−q軸それぞれに回転子速度を参照する重み関数WAを設定し、d−q軸電流指令値を演算する係数に乗じてd−q軸電流指令パターンとする。また重み関数を電源電圧の変動に対応した電源電圧補正係数にて重み付けし直すことで、基底回転数以上で電動機の持つトルクを有効に利用できることが可能となり、かつ電源電圧の変動に対して安定した制御性を持つ電動機の制御装置を得ることができる。
なお、本実施形態では、重み関数を演算する際、q軸、d軸にそれぞれ異なる回転子速度設定値を用いたが、設定する回転子速度の点数を削減するため、q軸、d軸に同じ回転子速度設定値を用いても好適に処理できる。
本発明に係る実施の形態における電動機の制御装置の説明図である。 本発明に係る実施の形態の電動機の制御装置が適用される電動機のモデル図の例である。 本発明に係る実施の形態における電動機のd−q軸電流ベクトル図の例である。 本発明に係る実施の形態における電動機のd−q軸インダクタンスの例である。 従来の電動機の制御装置を適用した場合の電動機特性の例である。 本発明に係る実施の形態におけるd、q軸電流係数の重み関数の例と、d、q軸補償電流係数の基本関数と重み関数を乗じた関数の例をそれぞれ説明する図である。 本発明に係る実施の形態における電動機の制御装置の別の例を示す図である。 本発明に係る実施の形態におけるd、q軸電流係数の重み関数の例と、d、q軸補償電流係数の基本関数と重み関数を乗じた関数の例であり、電源電圧補正係数を考慮した場合を説明する図である。 従来の電動機の制御装置の例を示す説明図である。
符号の説明
1 絶対値演算部、2 基本関数演算部、3 q軸重み関数演算部、4 d軸重み関数演算部、5 q軸パラメータ設定部、6 d軸パラメータ設定部、7 符号判定部、8 q軸電流演算部、9 d軸電流演算部、10、11、12、13 乗算器、14 電源電圧係数演算部、15 電圧パラメータ設定部、21 回転子、22 永久磁石、23 空隙、41、42、43、51、52、53、54 ライン。

Claims (4)

  1. 回転子内部にスリット状の空隙または非磁性材料を備えることで回転方向に磁気抵抗の高低差を有し回転子表面に磁気的な極性を有するリラクタンス型同期電動機の制御装置であって、
    上位制御装置から指令されるトルク指令値よりq軸電流振幅値を演算するq軸電流演算部と、
    前記トルク指令値よりd軸電流振幅値を演算するd軸電流演算部と、
    q軸電流指令値とd軸電流指令値を算出するために、q軸電流振幅値に乗じるq軸電流係数と、d軸電流振幅値に乗じるd軸電流係数とをそれぞれ演算するd−q軸電流係数演算部と、
    を備え、
    前記d−q軸電流係数演算部は、
    予め設定される基底回転子速度以上の回転子速度に対し、少なくとも2区間以上の複数区間に分割し、それぞれの回転子速度区間において、前記回転子速度を参照してq軸重み関数値とd軸重み関数値とをそれぞれ演算する重み関数値演算手段と、
    前記演算されたq軸重み関数値とd軸重み関数値とに、前記回転子速度に反比例する関係を有する基本関数値をそれぞれ乗じて、q軸電流係数とd軸電流係数とをそれぞれ演算する手段と、
    を含むことを特徴とするリラクタンス型同期電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載のリラクタンス型同期電動機の制御装置において、
    前記重み関数値演算手段は、
    d軸およびq軸それぞれについて任意の回転子速度区間幅を設定し、回転子速度に対する重み関数値の変化率の高い回転子速度区間幅を、重み関数値の変化率の低い回転子速度区間幅よりも小さい区間幅に設定して演算を行うことを特徴とするリラクタンス型同期電動機の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のリラクタンス型同期電動機の制御装置において、
    前記重み関数値演算手段は、
    q軸重み関数値とd軸重み関数値とに基本関数値を乗じたそれぞれの値に、さらに、電源電圧と事前に設定される制御基準電圧とに基いて演算されるd軸電源電圧係数とq軸電源電圧係数をそれぞれ乗じて、q軸電流係数とd軸電流係数とをそれぞれ演算することを特徴とするリラクタンス型同期電動機の制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1に記載のリラクタンス型同期電動機の制御装置において、
    前記スリット状の空隙の一部または前記非磁性材料の一部に永久磁石を備えることを特徴とするリラクタンス型同期電動機の制御装置。
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