JP5181916B2 - 画像処理装置、圧縮方法及び伸張方法 - Google Patents
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Description
特に、アンチエイリアス処理が施されたエッジ部分の鮮鋭性が失われると、スクリーン処理を行った際にスクリーンドットの間隔が広くなり、エッジ部分にジャギーが生じることがあるため、好ましくない。
圧縮する多値の画像とともに、当該画像がアンチエイリアス処理されたことを示す制御信号が入力されると、アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理に切り替え、当該画像のうちアンチエイリアス処理された領域を含む画像領域については、伸張後の画像のデータ値を2値とする量子化を行う画像圧縮変換部を備え、
前記画像圧縮変換部は、前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記アンチエイリアス処理された領域を含む画像領域のうち、前記アンチエイリアス処理された画像領域については、1つの閾値を用いて2値に量子化する画像処理装置が提供される。
前記画像圧縮変換部は、前記画像の量子化を行う際に、当該画像を量子化前より低解像度に解像度変換する請求項1に記載の画像処理装置が提供される。
前記画像圧縮変換部は、前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域を、アンチエイリアス処理された画像領域として、当該画像領域について第2閾値を用いてBTC方式により量子化する請求項2に記載の画像処理装置が提供される。
前記画像圧縮変換部は、前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素と第2閾値より小さい画素とが隣接して混在する領域を、アンチエイリアス処理された領域を含む画像領域として、当該画像領域の各画素が持つデータ値を2値化した濃度パターンを作成し、この濃度パターンの分類に応じて量子化する請求項2又は3に記載の画像処理装置が提供される。
前記画像圧縮変換部は、前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より小さい処理領域については、第2閾値を含む複数の閾値を用いてBTC方式により量子化する請求項2〜4の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記画像圧縮変換部は、前記濃度差が第1閾値より小さい処理領域の各画素が持つデータ値を平均化した平均値に対し、前記複数の閾値を用いた量子化を行う請求項5に記載の画像処理装置が提供される。
請求項3に記載の画像処理装置によって量子化された画像を復号し、伸張する画像伸張変換部を備え、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域については、BTC方式による復号を行って2値の復号値を出力する画像処理装置が提供される。
前記画像伸張変換部は、前記量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域の復号を行うとともに、解像度変換を行って量子化前と同一の解像度とし、解像度変換後の当該領域の各画素に復号値を割り当てる請求項7に記載の画像処理装置が提供される。
請求項4に記載の画像処理装置によって量子化された画像を復号し、伸張する画像伸張変換部を備え、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素と第2閾値より小さい画素とが隣接して混在する領域については、当該領域について量子化の際に作成された濃度パターンを予測し、予測された濃度パターンに対応する2値の復号値を、解像度変換後の当該領域の各画素に割り当てる画像処理装置が提供される。
請求項5に記載の画像処理装置によって量子化された画像を復号し、伸張する画像伸張変換部を備え、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より小さい処理領域については、BTC方式により復号する画像処理装置が提供される。
前記画像伸張変換部は、前記濃度差が第1閾値より小さい処理領域の復号を行うとともに、解像度変換を行って量子化前と同一の解像度とし、解像度変換後の当該処理領域の各画素に復号値を割り当てる請求項10に記載の画像処理装置が提供される。
圧縮する多値の画像とともに、当該画像がアンチエイリアス処理されたことを示す制御信号が入力されると、アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理に切り替え、当該画像のうちアンチエイリアス処理された領域を含む画像領域については、伸張後の画像のデータ値を2値とする量子化を行い、
前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記アンチエイリアス処理された領域を含む画像領域のうち、前記アンチエイリアス処理された画像領域については、1つの閾値を用いて2値に量子化する圧縮方法が提供される。
前記画像の量子化を行う際に、当該画像を量子化前より低解像度に解像度変換する請求項12に記載の圧縮方法が提供される。
前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域を、アンチエイリアス処理された画像領域として、当該画像領域について第2閾値を用いてBTC方式により量子化する請求項13に記載の圧縮方法が提供される。
前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素と第2閾値より小さい画素とが隣接して混在する領域を、アンチエイリアス処理された領域を含む画像領域として、当該画像領域の各画素が持つデータ値を2値化した濃度パターンを作成し、この濃度パターンの分類に応じて量子化する請求項13又は14に記載の圧縮方法が提供される。
前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より小さい処理領域については、第2閾値を含む複数の閾値を用いてBTC方式により量子化する請求項13〜15の何れか一項に記載の圧縮方法が提供される。
前記濃度差が第1閾値より小さい処理領域の各画素が持つデータ値を平均化した平均値に対し、前記複数の閾値を用いた量子化を行う請求項16に記載の圧縮方法が提供される。
請求項14に記載の圧縮方法によって量子化された画像を復号し、伸張する伸張方法であって、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域については、BTC方式による復号を行って2値の復号値を出力する伸張方法が提供される。
前記量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域の復号を行うとともに、解像度変換を行って量子化前と同一の解像度とし、解像度変換後の当該領域の各画素に復号値を割り当てる請求項18に記載の伸張方法が提供される。
請求項15に記載の圧縮方法によって量子化された画像を復号し、伸張する伸張方法であって、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素と第2閾値より小さい画素とが隣接して混在する領域については、当該領域について量子化の際に作成された濃度パターンを予測し、予測された濃度パターンに対応する2値の復号値を、解像度変換後の当該領域の各画素に割り当てる伸張方法が提供される。
請求項16に記載の圧縮方法によって量子化された画像を復号し、伸張する伸張方法であって、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より小さい処理領域については、BTC方式により復号する伸張方法が提供される。
前記濃度差が第1閾値より小さい処理領域の復号を行うとともに、解像度変換を行って量子化前と同一の解像度とし、解像度変換後の当該処理領域の各画素に復号値を割り当てる請求項21に記載の伸張方法が提供される。
MFP100は、外部PC(パーソナルコンピュータ)200と接続されており、当該外部PC200から送信されたPDL(Page Description Language)形式のデータから画像データを生成して画像処理した後、印刷を行うことができる。
例えば、外部PC200において作成したドキュメントのデータがプリンタドライバソフトによってPDL形式に変換されて、コントローラ20に送信されるので、コントローラ20はラスタライズ処理によって画素毎の画像のデータを生成する。ラスタライズ処理では、PDLコマンドを解析し、描画すべき画像単位(これをオブジェクトという)毎にC(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の各色の画像のデータを生成する。つまり、描画するオブジェクトについて画素を割り当て、この割り当てた画素毎にデータ値を設定することにより生成する。
なお、本実施形態ではコントローラ20をMFP100内に内蔵する構成を説明したが、コントローラ20をMFP100外部に設ける構成であってもよい。
表示部14は、制御部11の制御に従ってディスプレイ上に操作画面等を表示する。
記憶部15は、各種処理プログラムの他、処理に必要なパラメータや設定データ等を記憶している。
画像メモリ16は、画像のデータを記憶するためのメモリである。
印刷装置17は、電子写真方式による印刷を行い、例えば給紙部、露光部、現像部、定着部等からなる。印刷時には、画像のデータに基づいて露光部が感光ドラム上にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像部により現像してトナー像を形成すると、これを給紙部から給紙された用紙上に転写させ、定着部により用紙への定着を行う。
コントローラ20から入力された画像は、一旦画像メモリ16に保存され、印刷指示があると画像メモリ16から読み出されて印刷装置17へと出力される。
画像処理部10は、画像を画像メモリ16に保存するにあたって、当該画像に圧縮処理を施すとともに低解像度への解像度変換を行う。一方、画像メモリ16から読み出された画像に対し、伸張処理を施すとともに、元の解像度へ戻す解像度変換を行う。その後、画像の回転、縮小拡大、濃度補正処理、スクリーン処理等の画像処理を施し、印刷用の画像を生成して印刷装置17に出力する。
図3を参照して、圧縮処理時の画像圧縮変換部1の処理の流れを説明する。ここでは、図4に示すようにCMYKの各色につき生成された、解像度1200dpi、1画素8bitのデータからなる元画像を、1画素4bitのデータに圧縮するとともに600dpiに解像度変換した処理画像を生成する例を説明する。なお、圧縮は8×8画素のブロック単位で行うので、図4では8×8画素(1200dpi)の元画像と、その領域に対応する4×4画素(600dpi)に対応する処理画像を示している。
図5に示すように、処理画像は1画素につき4bitのデータからなり、画像圧縮変換部1や画像伸張変換部2で用いられるラインメモリや画像メモリ16ではこの処理画像を保持するための領域が形成されることとなる。つまり、1画素1bitで4×4画素分のデータ層(プレーンという)が4つ形成されることとなる。
2bit目のデータ層では、識別フラグの1bitのデータ値flag(bij)が保持される。識別フラグとは復号化の方法を識別するために用いられる識別データである。この2bit目のデータ層は識別プレーンという。
図6に示すように、画像圧縮変換部1は入力された画像(1200dpi、8bit)から8×8画素のブロック単位で画像を抽出し、入力する(ステップS1)。そして、当該ブロック内の画素が持つデータ値のうち最大値Maxと最小値minを取得する(ステップS2)。画素が持つデータ値は印刷後の濃度値を示すので、Maxは8×8画素の中での最大濃度値、minは最小濃度値となる。
THa1=min+(Max-min)×1/6
THa2=min+(Max-min)×3/6
THa3=min+(Max-min)×5/6
(D11)4つの画素aijのうち、THa1<aij≦THa3となる画素が1つでもある場合
(D12)4つの画素aijの全てが、aij≦THa1を満たす場合
(D13)4つの画素aijの全てが、aij>THa3を満たす場合
(D14)Max-min<T(0≦T≦255)を満たす場合
TはMaxとminの差、つまり8×8画素の領域内での濃度差が小さいかどうかを判断するため設定された閾値である。例えば、T=30等の値を設定することができる。
この中間調条件(D11)〜(D14)により、2×2画素のaijの領域において、中間調の濃度を有するか、濃度値が全て最大値或いは最小値付近であり、同程度の濃度を有するか又は濃度変化が小さいかを判断することができる。
(B1)4つの画素aijにおいて、aij≦THa1を満たす画素と、aij>THa3を満たす画素が混在している場合
つまり、高解像度条件(B1)により、2×2画素のaijの領域において濃度変化が大きい高解像度領域かどうかを判断することができる。
図7に示すように、中間調条件を満たす2×2画素のaijについては、BTC方式による量子化を行う。まず、2×2画素のaijのデータ値を平均した平均値avr(bij)を算出する(ステップS91)。a00、a01、a10、a11の例でいえば、avr(b00)=1/4(a00+a01+a10+a11)である。次いで、閾値THa1、THa2、THa3を用いて8bitの平均値avr(bij)
を00、01、10、11の2bitのデータ値BTC(bij)に量子化する。量子化したデータ値BTC(bij)はBTCプレーンに保持させる(ステップS92)。
min≦avr(bij)<THa1のとき、BTC(bij)=00
THa1≦avr(bij)<THa2のとき、BTC(bij)=01
THa2≦avr(bij)<THa3のとき、BTC(bij)=10
THa3≦avr(bij)≦Maxのとき、BTC(bij)=11
すなわち、図8に示すように、BTC圧縮方式により、Max、min、THa1〜THa3で定められる濃度範囲の何れに属するかによって4つのデータ値に量子化される。この2bitのデータ値BTC(bij)が処理画像の1画素bijのデータ値となる。
また、平均化した後、量子化することにより、量子化とともに解像度変換を行っている。
例えば、b00の画素については、識別プレーンのflag(b00)の位置に0のデータ値を保持させるとともに、差分プレーンのb00に対応する位置にminの7bit目のデータ値を保持させる。
以上の処理を終えると、図6のステップS11に移行する。
高解像度条件処理では、画像圧縮変換部1は、2×2画素のaijのデータ値を用いて濃度パターンを作成し、当該濃度パターンに応じて量子化を行う。
図9に示すように、画像圧縮変換部1は高解像度条件を満たす2×2画素のaijのデータ値を下記条件に従って0、1の値に2値化し、濃度パターンを作成する(ステップS101)。
aij>THa3のとき、aij=1
aij≦THa1のとき、aij=0
次いで、画像圧縮変換部1は、作成した濃度パターンにより00、01、10、11の4つの2bitのデータ値BTC(bij)に量子化する(ステップS102)。具体的には、予め濃度パターン毎に00、01、10、11の量子化後のデータ値を割り当てておき、2×2画素のaijについて作成した濃度パターンに対応するデータ値に変換することにより、量子化する。
図10に示すように、濃度パターンH0のグループは、2×2画素のaijのうち、aij=1を1つのみ含む場合であり、この場合はBTC(bij)=00に量子化する。
また、濃度パターンH1、H2のグループは、何れもaij=1を2つ含むパターンであるが、図10に示すようにaij=1がどの位置になるかによって濃度パターンH1、H2に分類される。濃度パターンH1に該当する場合はBTC(bij)=01に、濃度パターンH2に該当する場合はBTC(bij)=10に量子化する。
濃度パターンH3のグループは、aij=1を3つ含むパターンであり、BTC(bij)=11に量子化する。
なお、濃度ではなく、濃度パターンにおける0、1の並び位置等によって濃度パターンをグループ分類し、各グループに量子化後のデータ値を割り当てることとしてもよい。
以上の処理を終えると、図6のステップS11に移行する。
ステップS11では、中間調条件処理又は高解像度条件処理を経て得た、4×4画素のbijの処理画像(600dpi、4bit)を画像メモリ16に出力する。
次いで、元画像の8×8画素のaijのブロック内全てについて中間調条件処理又は高解像度条件処理を終えたかどうかを判断する(ステップS12)。まだ処理途中である場合は(ステップS12;N)、ステップS5に戻り、8×8画素のaijのブロック内において、他の未処理の2×2画素のaijについてステップS1〜S12の処理を繰り返す。
画像にアンチエイリアス処理が施されている場合、当該アンチエイリアス処理が施された画像領域は、文字等のエッジ部分であるにも拘わらず、中間調の濃度を持つ領域が含まれるため、上述の標準縮退圧縮による圧縮処理を適用すると中間調領域であると判断されて中間調条件処理により、平均化される場合が考えられる。この場合、エッジ部分の鮮鋭性が低下し、スクリーン処理等によってジャギーが生じることとなる。このような結果を回避するため、画像圧縮変換部1はアンチエイリアス処理が施されたことを示す制御信号が入力された場合、アンチエイリアス処理された画像用に後述の2値化縮退圧縮による圧縮処理に切り替える。
各条件について説明する。
8×8画素の処理領域について、下記の条件(D12)を満たす場合、当該処理領域については中間調領域に対する量子化方法と同様の方法で量子化する。
(D12)(Max-min)≦Tを満たす
閾値Tは、8×8画素のaijの領域について濃度差が小さいか大きいかを判断するための第1閾値である。閾値Tは適宜設定可能であり、例えばT=30等に設定することができる。
(B2)8×8画素の処理領域について(Max-min)>Tであり、かつ8×8画素のaijのうち2×2画素の4つの画素aijにおいて、aij≦THa1を満たす画素と、aij>THa1を満たす画素が混在している場合
(C)8×8画素の処理領域について(Max-min)>Tであり、かつ8×8画素のaijのうち2×2画素の4つの画素aijの全てが、aij≦THa1又はaij>THa1の何れかである場合
つまり、図12に示すように、条件(D12)を満たす領域については中間調領域と同様にTHa1〜THa3の3つの閾値を用いて4値に量子化するのに対し、条件(C)を満たす領域については1つの閾値THa1を用いて2値に量子化する。量子化後のデータ値BTC(bij)はBTCプレーン(図5参照)のbijに対応する位置に保持させる(ステップT7)。
設定した識別フラグflag(bij)のデータ値は、識別プレーン(図5参照)のbijに対応する位置に保持させる(ステップT8)。
この場合、条件(B2)を満たすので、画像圧縮変換部1は高解像度領域と同様に、条件(B2)を満たす2×2画素のaijについて高解像度条件処理を実行し、圧縮及び解像度変換を行う(ステップT10)。高解像度条件処理の内容は、図9を参照して説明した標準縮退圧縮の場合と同様であるので、説明は省略する。高解像度条件処理を終えた後は、ステップT11の処理に移行する。
次に、図13を参照して画像伸張変換部2の処理について説明する。
画像伸張変換部2は、図14に示すように画像メモリ16から入力された処理画像を復号し、1画素4bitを8bitのデータに変換して伸張する。伸張処理は圧縮時の処理単位である8×8画素(aij)に対応する4×4画素(bij)のブロック単位で行う。また、復号化の際、解像度を600dpiから1200dpiへと解像度変換する。
図15に示すように、画像伸張変換部2は復元したMax、minのデータを用いて、BTC伸張方式により2bitのBTC(bij)のデータを復号し、8bitのデータに伸張する(ステップP51)。復号の際、1画素bijを2×2画素のaijに分割して解像度変換を行い、各画素aijに伸張により得られた8bitのデータをそれぞれ割り当てる。つまり、復号後の2×2画素aijのデータ値は全て同一となる(ステップP52)。
BTC(b00)=00のとき、a00=a01=a10=a11=min
BTC(b00)=01のとき、a00=a01=a10=a11=min+(Max-min)×1/3
BTC(b00)=10のとき、a00=a01=a10=a11=min+(Max-min)×2/3
BTC(b00)=11のとき、a00=a01=a10=a11=Max
すなわち、図16に示すように、Max、minにより定まる濃度範囲を均等に3分割した濃度値に復号化される。
標準縮退圧縮において高解像度条件(B1)を満たす高解像度領域、2値化縮退圧縮において条件(B2)を満たす領域については、1と0の2値が配置された濃度パターンによって量子化を行っている。量子化の際、複数の濃度パターン毎に分類してBTC(bij)の値(00、01、10、11)を割り当てているので、これを元の8bitのデータに復号化するにあたっては、図19に示すようにBTC(bij)のデータ値によっていくつかの濃度パターンが考えられる。高解像度復号処理では、量子化の際に作成されたのはどのような濃度パターンであったかを予測しながら復号を行う。
図20は、BTC(bij)=00である場合に用いるテンプレートと、そのテンプレートを用いて予測される濃度パターンとの関係を示す図である。各テンプレートには識別番号(テンプレートの左上の数字)が付与されている。
図21〜図25において、M1は、M1の位置にある画素が上記Mの条件を満たし、かつ濃度パターンH1に該当する場合にテンプレートと一致したと判断することを示している。つまり、M1の画素がBTC(bij)=01であることが条件となる。
M2は、M2の位置にある画素が上記Mの条件を満たし、かつ濃度パターンH2に該当する場合にテンプレート一致したと判断することを示している。つまり、M2の画素がBTC(bij)=10であることが条件となる。
Qは、Qの位置にある画素がC、M、M1、M2の何れの条件も満たさない場合に一致したと判断することを示している。
X1グループのテンプレートは、そのテンプレートで定められているC、M等の全ての条件を満たすことが当該テンプレートに一致したと判断する条件となる。一方、X2、X3のテンプレートは、全ての一致条件を満たすかどうかではなく、どの程度の一致条件を満たすか評価を行い、その評価結果によって一致したと判断する。例えばX2グループであれば、X2グループのテンプレート群全てについて一度照合を行い、各テンプレートにつき、C、M等の一致条件を満たす画素の個数を計数し、これを評価値とする。そして、求めた評価値が最大となるテンプレートと一致したと判断する。
特にX1グループは、注目画素bijが高解像度の維持が必要な細線構造の画素である場合の濃度パターンを予測できるようにテンプレートを設計し、X2、X3のグループではX1よりも緩やかな条件として広くエッジ形状等を予測できるように設計している。
図18に示すように、画像伸張変換部2は注目する画素bijを中心としてX1グループのテンプレートのうちの1つと照合する。照合したテンプレートと一致すると判断した場合(ステップP621;Y)、一致したテンプレートに定められた、予測される濃度パターンに応じて注目画素bijの復号を行い、復号化した画像、つまり2×2画素のaijの画像を出力する(ステップP628)。
例えば、BTC(bij)=00であり、一致したのがテンプレート1であった場合、図19に示すように予測される濃度パターンは、左上の画素が1、その他が0となる濃度パターンである。この濃度パターンにおいて、1の値をMax(8bit)に、0の値をmin(8bit)に置き換えた2×2画素のaijの画像を、復号した画像(1200dpi、8bit)として出力する。
ステップP7では、処理画像の4×4画素のbijの処理領域内全てについて復号及び解像度変換の処理を終えたか否かを判断する(ステップP7)。まだ処理途中である場合はステップP3に戻り、4×4画素のbijの処理領域内で他の1画素bijについてステップP3〜P7の処理を繰り返す。
図27は、「可逆」の文字(黒100%)の画像、斜線1(黒100%、1ドット幅の細線)の画像、斜線2(太線;マジェンタ100%、6ドット幅、細線;マジェンタ30%、2ドット幅)の画像に対し、標準縮退変換による圧縮、伸張を行った実施例1とともに、比較例1〜3を示している。
図28は、「g.」の文字(CMYKの4色)の画像、人の顔写真1(黄)の画像、顔写真2(CMYKの4色)の画像についての比較例1〜3と、標準縮退変換による圧縮を適用した実施例1とを示している。
比較例1:600dpi、8bitでラスタライズされた画像を、600dpiの1画素のデータ値を1200dpiの4画素にコピーして1200dpiとした。
比較例2:1200dpi、8bitでラスタライズされた画像を、平均を行って600dpiに解像度変換(1200dpiの4画素のデータ値を平均化した値を600dpiの1画素に割り当て)した後、元の1200dpiに解像度変換(単純に画素を4分割し、同値を割り当て)した。
比較例3:1200dpi、8bitでラスタライズした。この比較例3の画像の画質が目標とする画質となる。
実施例1:1200dpi、8bitでラスタライズされた画像を、上述した標準変換縮退の圧縮方法により600dpi、4bitに圧縮、解像度変換した後、上述した本実施形態に係る伸張方法により1200dpi、8bitに伸張、解像度変換した。
ここでは、「W」と「k」の文字(黒100%)の画像に対し、上述した2値化縮退圧縮の圧縮及び伸張を適用した実施例2とともに、比較例4〜6を示している。実施例2、比較例4〜6の画像処理方法は以下の通りである。
実施例2:1200dpi、8bitでラスタライズされ、アンチエイリアス処理された画像を、上述した2値化変換縮退の圧縮方法により600dpi、4bitに圧縮、解像度変換した後、上述した本実施形態に係る伸張方法により1200dpi、8bitに伸張、解像度変換した。
比較例4:1200dpi、8bitでラスタライズされ、アンチエイリアス処理した。
比較例5:1200dpi、8bitでラスタライズされた画像を、アンチエイリアス処理は施さずに、上述した標準変換縮退の圧縮方法により600dpi、4bitに圧縮、解像度変換した後、上述した本実施形態に係る伸張方法により1200dpi、8bitに伸張、解像度変換した。
比較例6:1200dpi、8bitでラスタライズされ、アンチエイリアス処理された画像を、上述した標準変換縮退の圧縮方法により600dpi、4bitに圧縮、解像度変換した後、上述した本実施形態に係る伸張方法により1200dpi、8bitに伸張、解像度変換した。
例えば、図30に示すような画像A1(min=0、Max=255)について考えてみる。画像A1はエッジ部分を含む8×8画素のaijの画像領域の一部を示す図である。各画素に示す数字はデータ値である。
画像A1がアンチエイリアス処理されたのが、画像A2である。画像A2では、アンチエイリアス処理によりエッジ部分に40や140の中間調のデータ値の画素が出現している。この画像A2に対し、2値化縮退圧縮による圧縮処理を行う場合、画像A2はmin=0、Max=255のデータ値からなるエッジ部分を含むことから8×8画素の処理領域において、(Max-min)>Tである。ここで、閾値THa1=43として2×2画素の処理領域(太線で囲った枠で示す)に注目すると、データ値が全て0の領域、0と40のみの領域、140と255のみの領域、全て255の領域の各領域は条件(C)を満たす。一方、データ値が40と140のみの領域は条件(B2)を満たす。その結果、条件(C)を満たす領域は閾値THa1=48により2値に量子化され、条件(B2)を満たす領域は2値化された濃度パターンによって量子化される。
例えば、上記実施形態では各画素につき、復号の際に全ての画像領域について量子化前の高解像度に解像度変換していたが、中間調領域や条件(A2)、(C)を満たす領域の画素については、伸張時に元の高解像度に解像度変換せずに低解像度のまま復号することとしてもよい。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
10 画像処理部
1 画像圧縮変換部
2 画像伸張変換部
11 制御部
12 読取部
13 操作部
14 表示部
15 記憶部
16 画像メモリ
17 印刷装置
Claims (22)
- 圧縮する多値の画像とともに、当該画像がアンチエイリアス処理されたことを示す制御信号が入力されると、アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理に切り替え、当該画像のうちアンチエイリアス処理された領域を含む画像領域については、伸張後の画像のデータ値を2値とする量子化を行う画像圧縮変換部を備え、
前記画像圧縮変換部は、前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記アンチエイリアス処理された領域を含む画像領域のうち、前記アンチエイリアス処理された画像領域については、1つの閾値を用いて2値に量子化する画像処理装置。 - 前記画像圧縮変換部は、前記画像の量子化を行う際に、当該画像を量子化前より低解像度に解像度変換する請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記画像圧縮変換部は、前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域を、アンチエイリアス処理された画像領域として、当該画像領域について第2閾値を用いてBTC方式により量子化する請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記画像圧縮変換部は、前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素と第2閾値より小さい画素とが隣接して混在する領域を、アンチエイリアス処理された領域を含む画像領域として、当該画像領域の各画素が持つデータ値を2値化した濃度パターンを作成し、この濃度パターンの分類に応じて量子化する請求項2又は3に記載の画像処理装置。
- 前記画像圧縮変換部は、前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より小さい処理領域については、第2閾値を含む複数の閾値を用いてBTC方式により量子化する請求項2〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 前記画像圧縮変換部は、前記濃度差が第1閾値より小さい処理領域の各画素が持つデータ値を平均化した平均値に対し、前記複数の閾値を用いた量子化を行う請求項5に記載の画像処理装置。
- 請求項3に記載の画像処理装置によって量子化された画像を復号し、伸張する画像伸張変換部を備え、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域については、BTC方式による復号を行って2値の復号値を出力する画像処理装置。 - 前記画像伸張変換部は、前記量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域の復号を行うとともに、解像度変換を行って量子化前と同一の解像度とし、解像度変換後の当該領域の各画素に復号値を割り当てる請求項7に記載の画像処理装置。
- 請求項4に記載の画像処理装置によって量子化された画像を復号し、伸張する画像伸張変換部を備え、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素と第2閾値より小さい画素とが隣接して混在する領域については、当該領域について量子化の際に作成された濃度パターンを予測し、予測された濃度パターンに対応する2値の復号値を、解像度変換後の当該領域の各画素に割り当てる画像処理装置。 - 請求項5に記載の画像処理装置によって量子化された画像を復号し、伸張する画像伸張変換部を備え、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より小さい処理領域については、BTC方式により復号する画像処理装置。 - 前記画像伸張変換部は、前記濃度差が第1閾値より小さい処理領域の復号を行うとともに、解像度変換を行って量子化前と同一の解像度とし、解像度変換後の当該処理領域の各画素に復号値を割り当てる請求項10に記載の画像処理装置。
- 圧縮する多値の画像とともに、当該画像がアンチエイリアス処理されたことを示す制御信号が入力されると、アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理に切り替え、当該画像のうちアンチエイリアス処理された領域を含む画像領域については、伸張後の画像のデータ値を2値とする量子化を行い、
前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記アンチエイリアス処理された領域を含む画像領域のうち、前記アンチエイリアス処理された画像領域については、1つの閾値を用いて2値に量子化する圧縮方法。 - 前記画像の量子化を行う際に、当該画像を量子化前より低解像度に解像度変換する請求項12に記載の圧縮方法。
- 前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域を、アンチエイリアス処理された画像領域として、当該画像領域について第2閾値を用いてBTC方式により量子化する請求項13に記載の圧縮方法。
- 前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素と第2閾値より小さい画素とが隣接して混在する領域を、アンチエイリアス処理された領域を含む画像領域として、当該画像領域の各画素が持つデータ値を2値化した濃度パターンを作成し、この濃度パターンの分類に応じて量子化する請求項13又は14に記載の圧縮方法。
- 前記アンチエイリアス処理された画像用の圧縮処理において、前記画像を一定領域毎に処理し、濃度差が第1閾値より小さい処理領域については、第2閾値を含む複数の閾値を用いてBTC方式により量子化する請求項13〜15の何れか一項に記載の圧縮方法。
- 前記濃度差が第1閾値より小さい処理領域の各画素が持つデータ値を平均化した平均値に対し、前記複数の閾値を用いた量子化を行う請求項16に記載の圧縮方法。
- 請求項14に記載の圧縮方法によって量子化された画像を復号し、伸張する伸張方法であって、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域については、BTC方式による復号を行って2値の復号値を出力する伸張方法。 - 前記量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素が隣接する領域又は第2閾値より小さい画素が隣接する領域の復号を行うとともに、解像度変換を行って量子化前と同一の解像度とし、解像度変換後の当該領域の各画素に復号値を割り当てる請求項18に記載の伸張方法。
- 請求項15に記載の圧縮方法によって量子化された画像を復号し、伸張する伸張方法であって、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より大きい処理領域のうち、第2閾値より大きい画素と第2閾値より小さい画素とが隣接して混在する領域については、当該領域について量子化の際に作成された濃度パターンを予測し、予測された濃度パターンに対応する2値の復号値を、解像度変換後の当該領域の各画素に割り当てる伸張方法。 - 請求項16に記載の圧縮方法によって量子化された画像を復号し、伸張する伸張方法であって、
前記画像伸張変換部は、量子化前の元の画像において濃度差が第1閾値より小さい処理領域については、BTC方式により復号する伸張方法。 - 前記濃度差が第1閾値より小さい処理領域の復号を行うとともに、解像度変換を行って量子化前と同一の解像度とし、解像度変換後の当該処理領域の各画素に復号値を割り当てる請求項21に記載の伸張方法。
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