JP5179081B2 - テーピングテープ用粘着剤組成物及びテーピングテープ - Google Patents

テーピングテープ用粘着剤組成物及びテーピングテープ Download PDF

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Description

本発明は、テーピングテープ用粘着剤組成物に関し、さらに詳しくは、粘着力が大きいことに加えて、皮膚から剥離痛みが少なく、皮膚への粘着剤の残留(糊残り)が殆どなく、しかも布基材の背面に対する粘着力(自背面粘着力)が大きく、重ね貼り性に優れたテーピングテープ用粘着剤組成物に関する。また、本発明は、布基材の片面に該粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けたテーピングテープに関する。
スポーツにおいて、傷害予防、応急処置、再発防止などの目的で、テーピングが行われている。傷害予防は、競技や練習などの運動の前にテーピングを行い、ケガを事前に防止するために行われている。応急処置のためのテーピングは、運動によって生じたケガに対する応急処置を目的として行われている。再発防止のためのテーピングは、再び同じケガを繰り返さないために行われている。
スポーツテーピングは、指、手、足などの関節、筋肉、靭帯、腱などにテーピングテープを巻いて、傷害を受けやすい部位を補強したり、その動きを制限したりすることにより、傷害を予防し、再発を防いでいる。捻挫、靭帯損傷、脱臼などは、その部位が正常な範囲を超えてしまったときに起こる障害であり、テーピングによる可動範囲の制限が効果的である。テーピングにより、過去の受傷部位を補強し保護することにより、ケガに対する恐怖感を軽減することもできる。
テーピングは、スポーツテーピングのみならず、腰の痛み、ぎっくり腰、ケガによる関節の痛み、外反母趾の痛みなどの各種痛みを予防したり、やわらげたりする日常生活でのテーピングの分野にも拡大している。テーピングは、リハビリテーションの補助手段として、機能回復期において受傷部位を支持し、疼痛の緩和を目的として行うことも多い。
テーピングテープは、基材の片面に粘着剤層を設けた層構成を有しており、非伸縮性テープと伸縮性テープとに大別されている。テーピングテープには、皮膚に対する粘着力の大きいことが求められている。その一方で、テーピングテープには、皮膚からの剥離時に痛みが生じないことが求められている。
テーピングテープの粘着力が大きすぎると、カブレや血行傷害が生じ易くなる上、皮膚からの剥離時に強い痛みが生じ易くなる。テーピングテープの粘着力が小さすぎると、運動などによる貼付部位の激しい動きによって、貼付したテーピングテープが剥離し易くなり、貼付部位を保護することができなくなる。テーピングテープの粘着力を調整するには、適度の粘着力を示す粘着剤組成を選択すればよいと考えられる。しかし、皮膚からの剥離痛みは、必ずしもテーピングテープの粘着力に比例して強くなるものではない。したがって、皮膚に対する高い粘着力と剥離痛みの緩和の両方の要求を満たすのは、困難な課題であった。
さらに、テーピングテープには、皮膚から剥離した時に、皮膚面に粘着剤が残らないことが求められている。皮膚面への粘着剤の残留(以下、「糊残り」という)は、不快感を与えるだけではなく、その除去のための後処理が必要となる。しかも、糊残り現象は、粘着力に比例して現れるものではなく、基材に対する接着性(投錨性)や粘着剤の凝集力などの粘着剤組成による影響が大きい。
これらの諸特性に加えて、テーピングテープには、重ね貼りが可能であることが求められている。テーピングでは、一般に、一枚のテーピングテープ切片を足首などに巻き付けたり、複数枚のテーピングテープ切片を重ねて貼付したりしている。そのため、テーピングテープには、皮膚に対する粘着性に優れるだけではなく、重ね巻きが可能なように、該テープ自身の背面(基材の粘着剤層が設けられていない側の面;「自背面」という)に対する粘着性(自背面粘着性)に優れることが求められている。
テーピングテープの基材としては、一般に、柔軟性と通気性のある布基材が用いられている。布基材に対する自背面粘着性を高めるには、粘着剤層の粘着力を大きくしたり、粘着剤組成を軟らかなものにして凝集力を低くしたりする方法が有効である。しかし、粘着力が大きくなりすぎると、貼付した皮膚からの剥離痛みが強くなる。粘着剤組成を軟らかくしすぎると、剥がした時の皮膚面への糊残りが生じ易くなる。
このように、テーピングテープには、皮膚に対する粘着力と自背面に対する粘着力を共に大きくし、しかも剥離痛みが小さく、糊残りも少ない、という相反する諸特性を備えることが求められている。
特表平8−506127号公報(特許文献1)には、固体ゴムと液体ゴムの重量比が1:0.5〜1:7である人間の皮膚に適用できる感圧性接着剤組成物が提案されている。固体ゴムとしては、SBR、A−B−A型ブロック共重合体エラストマーなどが例示されている。液体ゴムとしては、液体イソプレン、液体イソプレン−スチレンなどが例示されている。特許文献1に記載の感圧性接着剤組成物は、常温で固体のゴム成分に、粘着付与樹脂を配合することなく、固体のゴム成分と液体のゴム成分との併用だけで粘着特性を発現させようとするものである。しかし、多量の液体ゴム成分を含有する感圧性接着剤組成物は、ベタツキ感があること、凝集力が低くなりすぎること、軟らかになりすぎて、凝集破壊や被着体への糊残りが生じ易いことなどの欠点を有している。
特開2002−69405号公報(特許文献2)には、常温で固形状のゴム成分100重量部に対して、常温で液状のゴム成分30〜170重量部、及び粘着付与剤50〜400重量部を配合した粘着剤組成物が開示されている。固形状のゴム成分として、A−B型またはA−B−A型ブロック共重合体が例示され、液状のゴム成分として、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンなどが例示されている。粘着付与剤としては、テルペン系、ロジン系などの天然樹脂系;脂肪族系、芳香族系、石油樹脂系、アルキルフェノール系、キシレン系、クマロンインデン系などの合成樹脂系の粘着付与樹脂が示されている。支持フィルムとして、オレフィン系フィルムが示されている。
特開2006−55411号公報(特許文献3)には、天然ゴム及び/またはジエン系合成ゴムからなるエラストマー成分、粘着性付与樹脂、並びに親水性ポリマー成分からなるゴム系粘着剤に、官能基変性液状ゴム成分を10〜40質量%の割合で配合したゴム系粘着剤組成物が開示されている。
しかし、特許文献2及び3に記載されている粘着剤組成物とそれを用いた粘着テープは、救急絆創膏やドレッシング材などの用途に適用されるものであって、テーピングテープとして用いられるものではなく、かつ、テーピングテープに要求される前記諸特性を備えたものではない。
特表平8−506127号公報 特開2002−69405号公報 特開2006−55411号公報
本発明の課題は、皮膚に対する粘着力と自背面粘着力が共に大きく、しかも剥離痛みが小さく、糊残りも少ないという諸特性を備えたテーピングテープ用粘着剤組成物、並びに該粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けたテーピングテープを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、常温(23℃)で固体の2種類のゴム成分を特定割合で組み合わせて使用し、該ゴム成分に、液状ポリイソプレンと、特定の選択された粘着付与樹脂成分と、酸化防止剤とを配合した粘着剤組成物により、前記課題が達成できることを見出した。
布基材の片面に、該粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けることにより、諸特性が高度にバランスしたテーピングテープを得ることができる。すなわち、本発明のテーピングテープは、皮膚に対する粘着力が大きいことに加えて、剥離痛みが小さく、かつ、糊残りが少なく、さらには、自背面に対する粘着力が大きく、重ね貼り性に優れるという特徴を有している。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、合成ポリイソプレンゴム60〜80質量部とスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体20〜40質量部とからなる固体ゴム成分(A)100質量部に対して、液状ポリイソプレン(B)20〜40質量部、テルペン−フェノール樹脂40〜80質量部と脂環族系水添石油樹脂0〜70質量部とからなる粘着付与樹脂成分(C)を合計で70〜120質量部、及び酸化防止剤(D)0.5〜5質量部を含有するテーピングテープ用粘着剤組成物が提供される。
また、本発明によれば、布基材の片面に、前記テーピングテープ用粘着剤組成物からなる粘着剤層が設けられたテーピングテープが提供される。
本発明によれば、皮膚に対する粘着力が大きいことに加えて、剥離痛みが小さく、かつ、糊残りが少なく、さらには、自背面に対する粘着力が大きく、重ね貼り性に優れるテーピングテープ用粘着剤組成物と、該粘着剤組成物からなる粘着剤層を備えたテーピングテープが提供される。本発明のテーピングテープは、スポーツテーピング、日常生活でのテーピングなどとして用いることができる。
体ゴム成分として、合成ポリイソプレンゴム50〜80質量部とスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体50〜20質量部とからなる固体ゴム成分を使用する。
本発明で使用する合成ポリイソプレンゴムの数平均分子量は、通常、10万から250万、好ましくは50万から200万で、常温(23℃)で固体形状を保持している固体ゴムである。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として測定される値である。合成ポリイソプレンゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、通常、40〜96、好ましくは50〜90である。合成ポリイソプレンゴムの市販品としては、JSR(株)社製のIR2200;日本ゼオン(株)社製のニポールIR2200、ニポールIR2200L、ニポールIR2205;クレイトンポリマージャパン(株)社製のIR−307;等が挙げられる。
本発明で使用するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体は、一般に、スチレン含量が10〜30質量%であり、メルトフローレート(JIS K7210に従って、温度200℃、荷重5kgで測定)が1〜20g/10分の熱可塑性エラストマーである。スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の市販品としては、例えば、シェル化学社製クレイトンD−1107;日本ゼオン社製のクインタック3620、3520、3460;などが挙げられる。
固体ゴム成分中の合成ポリイソプレンゴムの割合は、50〜80質量%、好ましくは55〜75質量%、より好ましくは60〜70質量%である。本発明では、60〜80質量%である。スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体の割合は、20〜50質量%、好ましくは25〜45質量%、より好ましくは30〜40質量%である。本発明では、20〜40質量%である。合成ポリイソプレンゴムの割合が小さすぎると自背面粘着力が低下し、大きすぎると皮膚からの剥離時の痛みが強くなり、糊残りも多くなる。また、合成ポリイソプレンゴムの割合が小さくなりすぎても、皮膚に対する粘着力が低下傾向を示す。
本発明では、常温(23℃)で液状のゴム成分として、液状ポリイソプレンを使用する。液状ポリイソプレンの数平均分子量は、通常、1万から5万、好ましくは2.5万から4.5万である。数平均分子量は、GPCにより標準ポリスチレン換算値として測定される値である。液状ポリイソプレンの溶融粘度は、一般に、70〜500Pa・s、多くの場合74〜480Pa・sである。液状ポリイソプレンの市販品としては、例えば、クラレ製のクラプレンLIRシリーズが挙げられる。
液状ポリイソプレンは、固体ゴム成分100質量部に対して、15〜45質量部、好ましくは20〜40質量部、より好ましくは25〜35質量部の割合で配合される。本発明では、20〜40質量部である。液状ポリイソプレンの配合割合が小さすぎると、自背面粘着力が低下し、皮膚に対する粘着力も低下傾向を示す。液状ポリイソプレンの配合割合が大きすぎると、皮膚に対する粘着力が低下することに加えて、皮膚からの剥離痛みが強くなり、糊残りも多くなる傾向にある。
本発明では、粘着付与樹脂として、テルペン−フェノール樹脂を単独で、あるいはテルペン−フェノール樹脂と脂環族系水添石油樹脂とを組み合わせて使用する。本発明では、極めて多数の粘着付与樹脂の中から、上記の選択された特定の粘着付与樹脂を特定割合で使用することにより、前記固体ゴム成分と液状ポリイソプレンとを含有する粘着剤組成物に、テーピングテープとして好適な大きさの皮膚粘着力と自背面粘着力を付与すると共に、皮膚からの剥離痛みを軽減し、かつ、糊残りを少なくしている。
脂環族系水添石油樹脂とは、主成分として、スチレン、α−メチルスチレン、インデン、メチルインデンを含む石油留分を、フリーデルクラフツ触媒を用いて共重合して得られたC系合成石油樹脂(「芳香族系石油樹脂」ともいう)を水素添加して、芳香環を脂環式構造に変換した樹脂であり、脂環族飽和炭化水素樹脂と呼ばれることがある。脂環族系水添石油樹脂の軟化点(環球法)は、通常、70〜150℃、好ましくは90〜130℃である。脂環族系水添石油樹脂の市販品としては、例えば、トーネックス(株)製のエスコレッツシリーズ、荒川化学工業(株)製アルコンシリーズなどが挙げられる。
テルペン−フェノール樹脂は、α−ピネン、β−ピネン、β−ピネンカンフェン、ジペンテンなどのテルペン類と、フェノール、ビスフェノールなどのフェノール類とを、フリーデルクラフツ触媒で反応させたり、あるいはさらにホルマリンで縮合する方法により合成された樹脂である。テルペン−フェノール樹脂の軟化点(環球法)は、通常、80〜150℃、好ましくは90〜120℃である。テルペン−フェノール樹脂の市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル製のYSポリスターシリーズが挙げられる。
着付与樹脂成分として、テルペン−フェノール樹脂30〜130質量部と脂環族系水添石油樹脂0〜70質量部とを使用する。本発明では、テルペン−フェノール樹脂40〜80質量部、脂環族系水添石油樹脂0〜70質量部である。該粘着付与樹脂成分の合計量は、固体ゴム成分100質量部に対して、60〜130質量部、好ましくは65〜125質量部、より好ましくは70〜120質量部である。本発明では、70〜120質量部である。
テルペン−フェノール樹脂を単独で使用する場合、その配合割合が小さすぎると、皮膚に対する粘着力と自背面粘着力を好ましい大きさにすることが困難となり、大きすぎると、皮膚に対する粘着力が大きくなりすぎて、皮膚からの剥離時の痛みが酷くなる。
粘着付与樹脂成分として、テルペン−フェノール樹脂を前記範囲で用いることにより、諸特性のバランスに優れたテーピングテープ用粘着剤組成物、及び該組成物からなる粘着剤層を設けたテーピングテープを得ることができる。しかし、テルペン−フェノール樹脂は、テルペン樹脂など他の粘着付与樹脂に比べて、色調に劣り(色が濃い)、コストも高い。
そのため、本発明では、テルペン−フェノール樹脂と脂環族系水添石油樹脂とを組み合わせて使用することが好ましい。テルペン−フェノール樹脂と脂環族系水添石油樹脂とを組み合わせて使用すると、これらを含有する粘着剤組成物の色調が改善されるだけではなく、皮膚に対する粘着力と自背面粘着力を好ましい範囲内となるように制御することが容易となる。
テルペン−フェノール樹脂と脂環族系水添石油樹脂とを組み合わせて使用する場合、固体ゴム成分100質量部に対するテルペン−フェノール樹脂の割合は、好ましくは30〜80質量部、より好ましくは35〜75質量部、特に好ましくは40〜70質量部である。固体ゴム成分100質量部に対する脂環族系水添石油樹脂の割合は、好ましくは20〜70質量部、より好ましくは25〜65質量部、特に好ましくは30〜60質量部である。テルペン−フェノール樹脂と脂環族系水添石油樹脂とを上記範囲内で組み合わせて使用すると、テーピングテープに適した皮膚に対する粘着力と自背面粘着力が得られ易い上、皮膚からの剥離痛さを緩和し、糊残りも少なくすることができるので好ましい。
本発明で使用する酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のフェノール系酸化防止剤;ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤;オクチル化ジフェニルアミンなどのアミン系酸化防止剤;トリス(2,4−ジターシャルブチルフェニル)ホスファイトなどのホスファイト系酸化防止剤;などを挙げることができる。これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤は、固体ゴム成分100質量部に対して、0.5〜5質量部、好ましくは1〜3質量部の割合で使用される。酸化防止剤を配合することにより、固体ゴム成分や粘着付与樹脂成分など熱安定性や耐候性の向上、変色防止など図ることができる。
本発明の粘着剤組成物には、その諸特性を阻害しない範囲内で、充填剤、軟化剤、可塑剤、顔料、紫外線吸収剤など各種添加剤成分を配合することができる。これらの各種添加剤は、必要に応じて、適宜適量が用いられる。
テーピングテープの基材としては、柔軟性、伸縮性、通気性のある布基材が好ましい。布基材としては、織布、不織布などがあるが、綿布が好ましい。綿布としては、タテ伸び綿布が好ましい。綿布としては、本発明の効果を損なわない範囲で撥水処理が施されているものを用いることもできる。
本発明のテーピングテープを製造するには、先ず、前記粘着剤組成物の全成分を、トルエン、n−ヘキサン、酢酸エチル等の有機溶剤中で攪拌し、溶解して、均一状態の溶液を調製する。この溶液を、シリコーン系樹脂で表面処理した剥離紙上に、リバースコータ−、バーコータ−等を用いて均一に塗布し、加熱炉中で乾燥する。次いで、剥離紙上の粘着剤層の表面に、布基材を貼り合せながら巻き取り、その際、2〜10cm程度の幅に適宜裁断する。他の製造方法として、全成分をカレンダーを用いて加熱状態で混練し、溶融した混練物を布基材上に直接塗工する方法を採用することができる。テーピングテープの幅は、使用目的によって適宜定めることができ、前記範囲内に限定されない。
布基材上への粘着剤組成物の塗布量は、好ましくは50〜120g/m、より好ましくは60〜100g/mである。このようにして得られたテーピングテープには、使用時の蒸れを防止するために、穿孔処理を施して、多数の微細な貫通孔を形成することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、質量基準である。各種物性または特性の試験方法及び評価方法は、次のとおりである。
(1)ベークライト板粘着力:
温度37℃の雰囲気下、平滑で清浄なベークライト板の表面に、25mm幅に裁断した粘着テープ試料を貼付し、該試料の基材上を、2kgの荷重ロールを300mm/分の速度で1往復させることにより圧着させた。この状態で20分間放置後、引張試験機にて300mm/分の剥離速度、剥離角度180度で剥離試験を行い、荷重値を読み取った。単位は、N/25mmで表した。37℃のベークライト板に対する粘着テープの粘着力は、皮膚に対する粘着力の代替値であると位置づけられる。
(2)自背面粘着力:
温度23℃の雰囲気下、平滑で清浄なベークライト板の表面に、1枚の粘着テープ試料1を貼付し、その基材上(自背面)に、もう1枚の同じ粘着テープ試料2を端部を残して重ね合わせて貼付し、次いで、該試料2の基材上を、2kgの荷重ロールを1往復させることにより圧着した。この状態で20分放置後、引張試験機にて300mm/分の速度で試料1の基材背面と試料2の粘着剤層間の180度剥離試験を行い、荷重値を読み取った。単位は、N/25mmで表した。
(3)皮膚からの剥離痛み:
粘着テープ試料を、健康な成人男女各5名の上腕部内側に貼付し、3時間経過後ゆっくりと引き剥した際の痛みを、以下の基準で評価してもらい、最も多い数の評価結果で示した。
A:少し痛みが感じられるが、許容できる程度ある、
B:やや痛みが強く感じられる、
C:痛みが強く感じられる。
(4)糊残り性:
上記剥離痛み試験の後、皮膚に残った粘着剤の程度を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:粘着剤が殆ど残らない、
B:粘着剤が僅かに残る、
C:粘着剤が多量に残る。
[実施例1]
合成ポリイソプレンゴム(日本ゼオン社製、商品名「ニポールIR2200」、ムーニー粘度83)60部とスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クレイトンポリマージャパン社製、商品名「クレイトンD−1107」、スチレン含量15%、ジブロック含量15%)40部とからなる固体ゴム成分100部に対して、液状ポリイソプレン(クラレ社製、商品名「クラプレンLIR−30」、数平均分子量29,000)20部、テルペン−フェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターT−100」、軟化点100℃)40部、脂環族系水添石油樹脂(荒川化学社製、商品名「アルコンP100」、軟化点100℃)30部、及びフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス565」)1部を溶融混練した。
タテ糸が16番手のコアスパン綿糸、ヨコ糸が14番手の綿糸で、打込み本数が30×50本/インチのタテ伸び綿布上に、前記粘着剤組成物の溶融混練物を塗布量70g/mにて剥離紙に塗工してから転写し、得られた元巻を25mm幅に裁断巻取りして、粘着テープを作製した。結果を表1に示す。
[実施例2〜7]
表1に示す各成分と配合割合に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。粘着剤組成と結果を表1に示す。
Figure 0005179081
(脚注)
(*1)合成ポリイソプレンゴム:日本ゼオン社製、商品名「ニポールIR2200」、ムーニー粘度83;
(*2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体:クレイトンポリマージャパン社製、商品名「クレイトンD−1107」、スチレン含量15%、ジブロック含量15%;
(*3)液状ポリイソプレン:クラレ社製、商品名「クラプレンLIR−30」、数平均分子量29,000;
(*4)テルペン−フェノール樹脂:ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターT−100」、軟化点100℃;
(*5)脂環族系水添石油樹脂:荒川化学社製、商品名「アルコンP100」、軟化点100℃;
(*6)脂肪族系炭化水素樹脂1:日本ゼオン社製、商品名「クイントンB170」、軟化点70℃;
(*7)脂肪族系炭化水素樹脂2:トーネックス社製、商品名「エスコレッツ1202」、軟化点100℃;
(*8)テルペン系水素添加樹脂:ヤスハラケミカル社製、商品名「クリアロンP125」、軟化点125℃;
(*9)フェノール系酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス565」。
[比較例1〜10]
表2に示す各成分と配合割合に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを作製した。粘着剤組成と結果を表2に示す。
Figure 0005179081
(脚注)
(*1)合成ポリイソプレンゴム:日本ゼオン社製、商品名「ニポールIR2200」、ムーニー粘度83;
(*2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体:クレイトンポリマージャパン社製、商品名「クレイトンD−1107」、スチレン含量15%、ジブロック含量15%;
(*3)液状ポリイソプレン:クラレ社製、商品名「クラプレンLIR−30」、数平均分子量29,000;
(*4)テルペン−フェノール樹脂:ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターT−100」、軟化点100℃;
(*5)脂環族系水添石油樹脂:荒川化学社製、商品名「アルコンP100」、軟化点100℃;
(*6)脂肪族系炭化水素樹脂1:日本ゼオン社製、商品名「クイントンB170」、軟化点70℃;
(*7)脂肪族系炭化水素樹脂2:トーネックス社製、商品名「エスコレッツ1202」、軟化点100℃;
(*8)テルペン系水素添加樹脂:ヤスハラケミカル社製、商品名「クリアロンP125」、軟化点125℃;
(*9)フェノール系酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス565」。
<考察>
合成ポリイソプレンゴムの配合割合が小さく、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の配合割合が大きい場合は、自背面粘着力が小さく、37℃ベークライト板粘着力も低下傾向を示す(比較例1)。合成ポリイソプレンゴムの配合割合が大きく、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の配合割合が小さい場合は、37℃ベークライト板粘着力が小さく、皮膚からの剥離痛みがやや強く、糊残りもある(比較例2)。
テルペン−フェノール樹脂と脂環族系水添石油樹脂との合計の配合割合が小さいと、液状ポリイソプレンの配合割合を変動させても、37℃ベークライト板粘着力及び自背面粘着力が共に小さい(比較例3〜4)。テルペン−フェノール樹脂を配合せずに、他の粘着付与樹脂を用いた場合には、粘着付与樹脂の配合割合を大きくしても、37℃ベークライト板粘着力及び自背面粘着力が共に小さい(比較例5〜7)。テルペン−フェノール樹脂と脂環族系水添石油樹脂との合計の配合割合が大きいと、皮膚からの剥離痛みが強くなる(比較例8)。
液状ポリイソプレンの配合割合が小さいと、37℃ベークライト板粘着力及び自背面粘着力が共に低下傾向を示す(比較例9)。液状ポリイソプレンの配合割合が大きいと、皮膚からの剥離痛みがやや強く、糊残りもある(比較例10)。
これに対して、本発明の実施例1〜8は、37℃ベークライト板粘着力及び自背面粘着力が共に大きく、皮膚からの剥離痛みが小さく、糊残りも少ない。テルペン−フェノール樹脂と脂環族系水添石油樹脂とを併用すると、色相が良好で、しかもテーピングテープに適した皮膚に対する粘着力と、重ね膜に適した自背面粘着力を容易に調整することができる。
本発明のテーピングテープ用粘着剤組成物、及び布基材上に該粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けたテーピングテープは、傷害予防、応急処置、再発防止、痛み緩和、リハビリテーションなどの目的で、スポーツテーピングや日常生活でのテーピングの分野で利用することができる。

Claims (2)

  1. 合成ポリイソプレンゴム60〜80質量部とスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体20〜40質量部とからなる固体ゴム成分(A)100質量部に対して、液状ポリイソプレン(B)20〜40質量部、テルペン−フェノール樹脂40〜80質量部と脂環族系水添石油樹脂0〜70質量部とからなる粘着付与樹脂成分(C)を合計で70〜120質量部、及び酸化防止剤(D)0.5〜5質量部を含有するテーピングテープ用粘着剤組成物。
  2. 布基材の片面に、請求項1記載のテーピングテープ用粘着剤組成物からなる粘着剤層が設けられたテーピングテープ。
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