JP5177463B2 - 内燃機関のガス状態推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に備えられたガス通路内のガス状態を推定するガス状態推定装置に関する。ガス通路としては、内燃機関のスロットル弁と吸気弁との間の吸気通路等が例示される。
従来より、内燃機関のスロットル弁と吸気弁との間の吸気通路(以下、「スロットル弁下流吸気通路」と呼ぶ。)内における空気について質量保存則、エネルギー保存則、状態方程式等の物理法則を適用することで、スロットル弁下流吸気通路内の空気の圧力及び温度(以下、「吸気圧力」、「吸気温度」と呼ぶ。)を計算により推定する手法が知られている(例えば、国際公開第03/033897号パンフレットを参照)。
具体的には、上記文献では、下記(1)式に基づいて、吸気圧力を吸気温度で除した値(吸気圧力温度比)Pm/Tmの時間的変化量d(Pm/Tm)/dtが推定され、下記(2)式に基づいて、吸気圧力Pmの時間的変化量dPm/dtが推定される。
d(Pm/Tm)/dt=(R/Vm)・(mt−mc) …(1)
dPm/dt=κ・(R/Vm)・(mt・Ta−mc・Tm) …(2)
上記(1)式、(2)式において、Pmは吸気圧力、Tmは吸気温度、Rは空気の気体定数、Vmはスロットル弁下流吸気通路の容積、mtはスロットル弁を介してスロットル弁下流吸気通路に流入する空気の質量流量(単位時間当たりの質量)、mcは吸気弁を介してスロットル弁下流吸気通路から流出する空気の質量流量(単位時間当たりの質量)、κは空気の比熱比、Taはスロットル弁を介してスロットル弁下流吸気通路に流入する空気の温度(大気温度)、tは時間である。
上記(1)式は、スロットル弁下流吸気通路内の空気について、質量保存則、及び気体の状態方程式を適用することで導出される。上記(2)式は、スロットル弁下流吸気通路内の空気について、エネルギー保存則、及び気体の状態方程式を適用することで導出される。これらの式の導出については上記文献に詳細に記載されている。
そして、上記(2)式から得られるdPm/dtを時間で逐次積分していくことで吸気圧力Pmが逐次推定される。また、このように逐次推定される吸気圧力Pmと、上記(1)式から得られるd(Pm/Tm)/dtを時間で逐次積分していくことで逐次推定される吸気圧力温度比Pm/Tmとに基づいて吸気温度Tmが逐次算出される。このように、上記文献では、上記(1)式、(2)式をそれぞれ時間で逐次積分していくことで、スロットル弁下流吸気通路内の空気の状態(吸気圧力Pm及び吸気温度Tm)が逐次推定されていく。
ところで、上記(1)式、(2)式におけるスロットル弁下流吸気通路の容積Vmとしては、吸気圧力Pm及び吸気温度Tmの変化に実質的に影響を与える容積(以下、特に「有効容積」と呼ぶ。)が使用される。一般に、この有効容積Vmをスロットル弁下流吸気通路の幾何学的な形状のみに基づいて精度良く算出することは困難である。従って、上記(1)式、(2)式に基づいて吸気圧力Pm及び吸気温度Tmを精度良く推定するためには、有効容積Vmを同定するための試験(同定実験)を行う必要がある。
この同定実験では、上記(1)式、(2)式をそれぞれ時間で逐次積分していくことで得られる吸気圧力Pm及び吸気圧力温度比Pm/Tmの推移が対応する実際の測定値の推移にそれぞれ近づくように、周知の統計的手法等を利用して有効容積Vmが同定される。ここで、上記(1)式、(2)式には共に有効容積Vmの項が存在する。従って、有効容積Vmの値によって吸気圧力Pm及び吸気圧力温度比Pm/Tmの推移が変動し得る。即ち、吸気圧力Pm及び吸気圧力温度比Pm/Tmの両方の推移を監視しながら有効容積Vmの同定を行う必要がある。加えて、上記(1)式、(2)式は共に微分項が存在するので、有効容積Vmの値の変化に対する吸気圧力Pm及び吸気圧力温度比Pm/Tmの変化の度合いが比較的大きくなり易い。この結果、有効容積Vmの同定が比較的困難であるという問題があった。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであって、その目的は、スロットル弁下流吸気通路等の内燃機関に備えられたガス通路内のガス状態を推定するガス状態推定装置であって、その推定に必要となるガス通路の容積(有効容積)の同定が比較的容易なものを提供することにある。
本発明に係るガス状態推定装置は、内燃機関に備えられたガス通路内のガスの圧力及び温度を推定する。前記ガス通路とは、ガスが流通する通路における所定区間の部分を指す。前記ガス通路としては、例えば、内燃機関のスロットル弁と吸気弁との間の吸気通路(上記スロットル弁下流吸気通路)が例示される。
この装置では、前記ガス通路内のガスの質量の時間的変化量が、ガス通路内のガスについて質量保存則を適用することで推定される。具体的には、例えば、下記(3)式に基づいて、前記ガス通路内のガス質量の時間的変化量dM/dtが推定される。ここで、mtは前記ガス通路に流入するガスの質量流量、mcは前記ガス通路から流出するガスの質量流量、Mは前記ガス通路内のガスの質量、tは時間である。「ガスの質量流量」とは、前記ガス通路に単位時間当たりに流入(流出)するガスの質量である。
dM/dt=mt−mc …(3)
また、この装置では、前記ガス通路内のガスの温度の時間的変化量が、前記ガス通路内のガスについてエネルギー保存則を適用することで推定される。具体的には、例えば、下記(4)式に基づいて、前記ガス通路内のガス温度の時間的変化量dTm/dtが推定される。ここで、mtは前記ガス通路に流入するガスの質量流量、mcは前記ガス通路から流出するガスの質量流量、Mは前記ガス通路内のガスの質量、Taは前記ガス通路に流入するガスの温度、Tmは前記ガス通路内のガスの温度、Cvは前記ガス通路内のガスの定積比熱、Cpは前記ガス通路内のガスの定圧比熱、tは時間である。
dTm/dt=(1/(M・Cv))・(mt・Cp・Ta−mc・Cp・Tm−dM/dt・Cv・Tm) …(4)
加えて、この装置では、前記推定されたガス質量の時間的変化量を時間で逐次積分していくことでガス質量が逐次推定される。前記推定されたガス温度の時間的変化量を時間で逐次積分していくことでガス温度が逐次推定される。そして、前記ガス通路内のガスの圧力が、前記ガス通路内のガスについて適用される前記ガス通路の容積の項を含むガスの状態方程式に基づいて推定される。具体的には、例えば、下記(5)式に基づいて、前記ガス通路内のガスの圧力Pmが推定される。ここで、Mは前記ガス通路内のガス質量の時間的変化量を時間で逐次積分して得られるガス質量、Tmは前記ガス通路内のガス温度の時間的変化量を時間で逐次積分して得られるガス温度、Rは前記ガス通路内のガスのガス定数、Vmは前記ガス通路の容積、Pmは前記ガス通路内のガスの圧力である。
Pm=(1/Vm)・M・R・Tm …(5)
以上のように、本発明に係るガス状態推定装置によれば、例えば、上記(3)式、(4)式、(5)式を利用してガス通路内のガスの圧力及び温度が推定される。ここで、上記(3)式、(4)式、(5)式のうちでガス通路の容積(有効容積)Vmの項が存在するのは上記(5)式のみである。従って、ガス質量の時間的変化量dM/dt、ガス温度の時間的変化量dTm/dt、ガス圧力Pmのうちで有効容積Vmの値によって変動し得るのは、ガス圧力Pmのみである。即ち、ガス圧力Pmのみの推移を監視しながら有効容積Vmの同定を行うことができる。加えて、上記(5)式には微分項が存在しないので、微分項が存在する場合と比べて、有効容積Vmの値の変化に対するガス圧力Pmの変化の度合いが小さい。以上より、本発明に係るガス状態推定装置によれば、ガス通路の容積(有効容積)の同定が比較的容易となる。
図1は、本発明に係るガス状態推定装置を含んだ燃料噴射量制御装置を火花点火式多気筒内燃機関に適用したシステムの概略構成図である。
図2は、スロットル弁開度を制御するとともに吸気圧力、吸気温度、予測吸入空気量、及び燃料噴射量を決定するための各種ロジック、及び各種モデルの機能ブロック図である。
図3は、図1に示したCPUが参照するアクセルペダル操作量と暫定目標スロットル弁開度との関係を規定したテーブルを示したグラフである。
図4は、暫定目標スロットル弁開度、目標スロットル弁開度、及び予測スロットル弁開度の変化を示したタイムチャートである。
図5は、予測スロットル弁開度を算出する際に用いる関数を示したグラフである。
図6は、図1に示したCPUが実行する目標スロットル弁開度、及び予測スロットル弁開度を演算するためのプログラムを示したフローチャートである。
図7は、図1に示したCPUが実行する予測吸入空気量を算出するためのプログラムを示したフローチャートである。
図8は、図1に示したCPUが実行する(予測)スロットル弁通過空気流量を算出するためのプログラムを示したフローチャートである。
図9は、図1に示したCPUが実行する(予測)吸気弁通過空気流量を算出するためのプログラムを示したフローチャートである。
図10は、図1に示したCPUが実行する燃料噴射実行(燃料噴射量計算)のためのプログラムを示したフローチャートである。
以下、本発明に係る内燃機関のガス状態推定装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る内燃機関のガス状態推定装置の実施形態を含んだ燃料噴射量制御装置を火花点火式多気筒(4気筒)内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース、及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50とを含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23、及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21とピストン22のヘッドは、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38、及び燃料を吸気ポート31内に噴射するインジェクタ(燃料噴射手段)39を備えている。
吸気系統40は、吸気ポート31に連通し同吸気ポート31とともに吸気通路を形成するインテークマニホールドを含む樹脂製の吸気管41、吸気管41の端部に設けられたエアフィルタ42、吸気管41内にあって吸気通路の開口断面積を可変とするスロットル弁43、スロットル弁駆動手段を構成するスロットル弁アクチュエータ43a、スワールコントロールバルブ(以下、「SCV」と称呼する。)44、及びSCVアクチュエータ44aを備えている。ここで、吸気管41における、スロットル弁43よりも下流であって吸気弁32よりも上流の部分は「スロットル弁下流吸気通路」を構成している。
DCモータからなるスロットル弁アクチュエータ43aは、後述する電子制御装置70が達成する電子制御スロットル弁ロジックにより目標スロットル弁開度TAtが与えられると、実際のスロットル弁開度TAが目標スロットル弁開度TAtとなるようにスロットル弁43を駆動するようになっている。
排気系統50は、排気ポート34に連通したエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51に接続されたエキゾーストパイプ52、及び、エキゾーストパイプ52に介装された所謂酸素吸蔵・放出機能を備えた触媒コンバータ(三元触媒装置)53を備えている。ここで、排気ポート34、エキゾーストマニホールド51、及びエキゾーストパイプ52は、排気通路を構成している。
一方、このシステムは、熱線式エアフローメータ61、吸気温センサ62、大気圧センサ(スロットル弁上流圧力センサ)63、スロットルポジションセンサ64、SCV開度センサ65、カムポジションセンサ66、クランクポジションセンサ67、水温センサ68、空燃比センサ69、及び、アクセル開度センサ81を備えている。
エアフローメータ61は、吸気管41内を流れる吸入空気の質量流量を計測し、同質量流量に応じた電圧Vgを出力するようになっている。大気温センサ62は、エアフローメータ61内に備えられていて、吸入空気の温度(大気温度)を検出し、大気温度THAを表す信号を出力するようになっている。大気圧センサ63(外側圧力取得手段)は、スロットル弁43の上流の圧力(即ち、大気圧)を検出し、大気圧Paを表す信号を出力するようになっている。
スロットルポジションセンサ64は、スロットル弁43の開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。SCV開度センサ65は、SCV44の開度を検出し、SCV開度θivを表す信号を出力するようになっている。カムポジションセンサ66は、インテークカムシャフトが90°回転する毎に(即ち、クランク軸24が180°回転する毎に)一つのパルスを有する信号(G2信号)を発生するようになっている。クランクポジションセンサ67は、クランク軸24が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランク軸24が360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。この信号は、エンジン回転速度NEを表す。
水温センサ68は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。空燃比センサ69は、触媒コンバータ53に流入する排ガス中の酸素濃度を検出することで空燃比を表す信号を出力するようになっている。アクセル開度センサ81は、運転者によって操作されるアクセルペダルAPの操作量を検出し、同アクセルペダルの操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。
電気制御装置70は、互いにバスで接続されたCPU71、CPU71が実行するプログラム、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、定数等を予め記憶したROM72、CPU71が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM73、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM74、及びADコンバータを含むインターフェース75等からなるマイクロコンピュータである。インターフェース75は、前記センサ61〜69,81と接続され、CPU71にセンサ61〜69,81からの信号を供給するとともに、同CPU71の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、インジェクタ39、スロットル弁アクチュエータ43a、及びSCVアクチュエータ44aに駆動信号を送出するようになっている。
次に、上記のように構成された状態量推定装置を含んだ燃料噴射量制御装置(以下、「本装置」と云うこともある。)による物理モデルを用いた燃料噴射量の決定方法について説明する。以下に述べる処理は、CPU71がプログラムを実行することにより行われる。
(燃料噴射量fiの決定方法の概要)
このような燃料噴射量制御装置は、吸気行程にある気筒、又は吸気行程の直前の状態にある気筒(即ち、燃料噴射気筒)の吸気弁32が、その吸気行程において開弁した状態から閉弁する状態に移行する時点(吸気弁閉弁時)より前の時点にて、同気筒に対して所定量の燃料を噴射する必要がある。そのため、本燃料噴射量制御装置は、吸気弁32が閉弁状態に移行する時点において同気筒内に吸入されているであろう筒内吸入空気量を前もって予測し、同予測した筒内吸入空気量に応じた燃料量の燃料を同吸気弁32の閉弁時より前の時点で同気筒に対して噴射する。本例においては、噴射終了時期を、燃料噴射気筒の吸気上死点前75°クランクアングル(以下、「BTDC75°CA」と表す。他のクランクアングルについても同様に表す。)と定めている。従って、本装置は、噴射に要する時間(インジェクタの開弁時間)、CPU71の計算時間を考慮して、BTDC75°CAの時点よりも前の時点にて、燃料噴射気筒の筒内吸入空気量を予測する。
一方、吸気弁閉弁時のスロットル弁下流吸気通路内の空気圧力(即ち、吸気圧力)は、筒内吸入空気量と密接な関係にある。また、吸気弁閉弁時の吸気圧力は、吸気弁閉弁時のスロットル弁開度に依存する。そこで、本装置は、吸気弁閉弁時のスロットル弁開度を予測・推定し、そのスロットル弁開度に基づいて燃料噴射気筒の吸入空気量KLfwd(k)を事前に予測し、下記(6)式に示したように、予測した予測吸入空気量KLfwd(k)をエンジンの運転状態に応じて別途定められる目標空燃比AbyFrefで除することで燃料噴射量fi(k)を求める。ここで、添え字kは今回の演算値であることを示している(以下、他の変数等についても同様。)。以上が、燃料噴射量fiを求める方法の概要である。
fi(k)=KLfwd(k)/AbyFref …(6)
(具体的構成・作用)
以下、上記した燃料噴射量fiを求めるための本装置の具体的構成、及び作用について説明する。この状態量推定装置を含んだ燃料噴射量制御装置は、機能ブロック図である図2に示したように、現時点での実際のアクセルペダルの操作量Accpを検出するアクセル開度センサ81、電子制御スロットル弁ロジックA1、電子制御スロットル弁モデルM1、内燃機関の吸気系における空気の挙動をモデル化した空気モデルを含む吸入空気モデルA2、目標空燃比設定手段A3、及び噴射量決定手段A4を含んでいる。以下、個別具体的に、各手段、及びモデル等について説明する。
(電子制御スロットル弁ロジックと電子制御スロットル弁モデル)
先ず、スロットル弁開度を制御するための電子制御スロットル弁ロジックA1と、将来における(現時点よりも先の時点における)スロットル弁開度TAestを予測する電子制御スロットル弁モデルM1について説明する。
電子制御スロットル弁ロジックA1は、先ず、演算周期ΔTt(例えば、8msec)の経過毎にアクセル開度センサ81の出力値に基づいてアクセルペダル操作量Accpを読込み、読み込んだアクセル操作量Accpと図3のアクセル操作量Accpと目標スロットル弁開度TAaccとの関係を規定したテーブルとに基づいて今回の暫定目標スロットル弁開度TAaccを求め、この暫定目標スロットル弁開度TAaccを図4のタイムチャートに示したように、所定の遅延時間TDだけ遅延し、この遅延した暫定目標スロットル弁開度TAaccを目標スロットル弁開度TAtとして設定してスロットル弁アクチュエータ43aに出力する。なお、遅延時間TDは、本例においては一定の時間であるが、内燃機関が所定のクランク角度(例えば、クランク角270°CA)だけ回転するのに要する時間T270とする等、エンジン回転速度NEに応じた可変の時間とすることもできる。
ところで、電子制御スロットル弁ロジックA1から目標スロットル弁開度TAtがスロットル弁アクチュエータ43aに出力された場合であっても、同スロットル弁アクチュエータ43aの遅れや、スロットル弁43の慣性などにより、実際のスロットル弁開度TAは、ある遅れをもって目標スロットル弁開度TAtに追従する。そこで、電子制御スロットル弁モデルM1においては、下記(7)式に基づいて遅延時間TD後におけるスロットル弁開度を予測・推定する(図4を参照)。
TAest(k+1)=TAest(k)+ΔTt・f(TAt(k),TAest(k)) …(7)
上記(7)式において、TAest(k+1)は今回の演算タイミングにおいて新たに予測・推定される予測スロットル弁開度TAestであり、TAt(k)は今回の演算タイミングにて新たに得られた目標スロットル弁開度TAtであり、TAest(k)は今回の演算タイミングにおいて既に予測・推定されていた最新の予測スロットル弁開度TAest(即ち、前回の演算タイミングにおいて予測・推定されたスロットル弁開度TAest)である。また、関数f(TAt(k),TAest(k))は、図5に示したように、TAt(k)とTAest(k)との差ΔTA(=TAt(k)−TAest(k))が大きい程大きい値をとる関数(ΔTAに関して単調増加する関数f)である。
このように、電子制御スロットル弁モデルM1(CPU71)は、今回の演算タイミングにて遅延時間TD後の目標スロットル弁開度TAtを新たに決定するとともに、遅延時間TD後のスロットル弁開度TAestを新たに予測・推定し、現時点から遅延時間TD経過後までの目標スロットル弁開度TAtと予測スロットル弁開度TAestを、現時点からの時間経過に対応させた形でRAM73に記憶・格納する。
(吸入空気モデルA2)
吸入空気モデルA2は、内燃機関の吸気系における空気の挙動をモデル化した空気モデルを構成するスロットルモデルM2、吸気弁モデルM3、吸気管モデルM4、及び吸気弁モデルM5を備えていて、少なくとも電子制御スロットル弁モデルM1により予測・推定された予測スロットル弁開度TAestに基づいて燃料噴射気筒の今回の吸気行程における吸気弁閉弁時の筒内吸入空気量(予測吸入空気量)KLfwd(k)を予測・推定する。上記スロットルモデルM2、吸気弁モデルM3、吸気管モデルM4、及び吸気弁モデルM5については、後に詳述する。
なお、本例では、スロットルモデルM2、吸気弁モデルM3、吸気管モデルM4、及び吸気弁モデルM5により吸気弁閉弁時の予測吸入空気量KLfwd(k)を予測・推定するが、吸入空気モデルA2は、燃料噴射気筒の今回の吸気行程における吸気弁閉弁時の予測スロットル弁開度TAest、同燃料噴射気筒の今回の吸気行程における吸気弁閉弁時の実エンジン回転速度NE、及びテーブル(スロットル弁開度TA、及びエンジン回転速度NEと、筒内吸入空気量との関係を規定したテーブル)を用いて、今回の吸気行程における吸気弁閉弁時の予測吸入空気量KLfwd(k)を求める(予測する)ように構成されていてもよい。
(目標空燃比設定手段A3)
目標空燃比設定手段A3は、内燃機関の運転状態であるエンジン回転速度NE、及び目標スロットル弁開度TAt等に基づいて目標空燃比AbyFrefを決定する手段である。この目標空燃比AbyFrefは、例えば、内燃機関の暖機終了後においては、特殊な場合を除き理論空燃比に設定されてよい。
(噴射量決定手段A4)
図2に示した噴射量決定手段A4は、吸入空気モデルA2により算出された特定気筒の今回の吸気行程における吸気弁閉弁時の予測吸入空気量KLfwd(k)、及び目標空燃比設定手段A3により決定された目標空燃比AbyFrefに基づいて、上記(6)式に従って、同特定気筒の今回の吸気行程に対する燃料噴射量fi(k)を決定する手段である。
次に、上述した吸入空気モデルA2について詳細に説明する。図2に示したように、吸入空気モデルA2はモデルM2〜M5を備えている。以下、吸入空気モデルA2が備える各モデルについて、個別に説明を加える。
(スロットルモデルM2)
スロットルモデルM2は、スロットル弁43を通過した空気流量(スロットル弁通過空気流量)mtを、エネルギー保存則、運動量保存則、質量保存則、及び状態方程式等の物理法則に基づいて得られた下記(8)式及び下記(9)式に基づいて推定するモデルである。下記(8)式及び下記(9)式において、Ct(θt)はスロットル弁開度θt(=TA)に応じて変化する流量係数、At(θt)はスロットル弁開度θt(=TA)に応じて変化するスロットル開口面積(吸気管41の開口面積)、νはスロットル弁43を通過する空気の流速、ρmは大気密度、Paはスロットル弁上流の空気圧力(即ち、大気圧)、Pmはスロットル弁下流吸気通路内の空気圧力(即ち、吸気圧力)、Ta(=THA)はスロットル弁上流の空気温度(即ち、大気温度)、Rは気体定数、及びκは比熱比である。なお、本例では、空気を酸素原子と窒素原子の2原子にて構成された2原子分子として扱うことにより、比熱比κを1.4(一定値)と仮定する。
mt=Ct(θt)・At(θt)・ν・ρm=Ct(θt)・At(θt)・{Pa/(R・Ta)1/2}・Φ(Pm/Pa) …(8)
Figure 0005177463
上記(9)式において、値(1/(κ+1))≒0.4167は吸気圧力Pmが流体力学における臨界圧力(critical pressure)になっているときに対応している。上記(9)式から理解できるように、吸気圧力Pmが前記臨界圧力よりも大きいとき(即ち、値(Pm/Pa)>0.4167のとき)、同吸気圧力Pmの増加に応じて値Φ(Pm/Pa)(従って、スロットル弁通過空気流量mt)は減少する。他方、吸気圧力Pmが前記臨界圧力以下のとき(即ち、値(Pm/Pa)≦0.4167のとき)、値Φ(Pm/Pa)(従って、スロットル弁通過空気流量mt)は吸気圧力Pmに係わらず一定値となる。
次に、スロットルモデルM2におけるスロットル通過空気流量mtの求め方を述べると、上記(8)式においてCt(θt)・At(θt)・{Pa/(R・Ta)1/2}をk1とおき、mtsを吸気弁閉弁時のスロットル弁通過空気流量とするとき上記(8)式は下記(10)式に書き換えられる。
mts=k1・Φ(Pm/Pa) …(10)
また、上記(10)式において、内燃機関10が定常状態にある場合(スロットル弁開度が一定のまま推移して吸気弁閉弁に至る場合)のスロットル弁通過空気流量をmtsTA、及びそのときの吸気圧力をPmTAとすると、下記(11)式が得られるので、上記(10)式及び下記(11)式から係数k1を消去して下記(12)式を得ることができる。
mtsTA=k1・Φ(PmTA/Pa) …(11)
mts={mtsTA/Φ(PmTA/Pa)}・Φ(Pm/Pa) …(12)
上記(12)式の右辺における値mtsTAは、スロットル弁開度TAが一定である定常運転状態での吸入空気流量(スロットル弁通過空気流量)に関する値であり、このような定常運転状態にあってはスロットル弁通過空気流量mtは、吸気弁通過空気流量mcと等しくなる。そこで、スロットルモデルM2は、後述する吸気弁モデルM3で用いる経験則により得られた式(下記(13)式)を用いて現時点から演算周期ΔTtだけ前の時点の吸気弁通過空気流量mcを求め、これを値mtsTAとする。なお、この値mtsTAを求める際の各パラメータ(エンジン回転速度NE、及び吸気弁開閉タイミングVT)は、総て現時点から演算周期ΔTt前での実際の値を用いる。
また、スロットルモデルM2は、燃料噴射開始時期直前(BTDC90°CA)から吸気弁閉弁時までの時間をエンジン回転速度NEから求め、この時間と略一致する遅延時間後の予測スロットル弁開度TAestをRAM72から読み出し、それを予測スロットル弁開度TAest(k−1)とする。加えて、スロットルモデルM2は、スロットル弁開度TA、予測吸入空気量KLfwd、エンジン回転速度NE、及び吸気弁の開閉タイミングVTと、吸気圧力Pmとの関係を規定するテーブルMAPPMをROM72内に記憶していて、前記予測スロットル弁開度TAest(k−1)、後述する吸気弁モデルM5が既に求めている前回の(予測)吸入空気量KLfwd(k−1)、現時点から演算周期ΔTt前の実際のエンジン回転速度NE、及び現時点から演算周期ΔTt前の実際の吸気弁の開閉タイミングVTと、前記テーブルMAPPMとに基づいて上記(7)式の右辺における吸気圧力PmTA(=MAPPM(TAest(k−1),KLfwd(k−1),NE,VT))を求める。
更に、スロットルモデルM2は、値Pm/Paと値Φ(Pm/Pa)との関係を規定するテーブルMAPΦを記憶していて、前記吸気圧力PmTAをスロットル弁上流圧力Paで除した値(PmTA/Pa)と、前記テーブルMAPΦとから、上記(12)式の右辺における値Φ(PmTA/Pa)(=MAPΦ(PmTA/Pa))を求める。同様にして、スロットルモデルM2は、後述する吸気管モデルM4が既に求めている前回の吸気圧力Pm(k−1)をスロットル弁上流圧力Paで除した値(Pm(k−1)/Pa)と、前記テーブルMAPΦとから、上記(12)式の右辺における値Φ(Pm/Pa)(=MAPΦ(Pm(k−1)/Pa))を求める。以上により、上記(12)式の右辺の各因数が求められるので、これらを掛け合わせることにより、予測スロットル弁通過空気流量mts(=mt(k−1))が求められる。このようにして予測スロットル弁通過空気流量mts(=mt(k−1))を取得する手段がスロットル弁通過空気流量取得手段に相当する。
(吸気弁モデルM3)
吸気弁モデルM3は、吸気圧力Pm、吸気温度(スロットル弁下流吸気通路内の空気温度)Tm、及び大気温度THA(=Ta)等から吸気弁通過空気流量mcを推定するモデルである。吸気弁閉弁時の気筒内圧力は吸気弁32の上流の圧力、即ち吸気弁閉弁時の吸気圧力Pmとみなすことができるので、吸気弁通過空気流量mcは吸気弁閉弁時の吸気圧力Pmに比例する。そこで、吸気弁モデルM3は吸気弁通過空気流量mcを、経験則に基づく下記(13)式にしたがって求める。
mc=(THA/Tm)・(c・Pm−d) …(13)
上記(13)式において、値cは比例係数、値dは筒内に残存していた既燃ガス量に対応する量である。吸気弁モデルM3は、エンジン回転速度NE、及び吸気弁の開閉タイミングVTと、比例係数c、及び既燃ガス量dとの関係をそれぞれ規定するテーブルMAPC、及びMAPDをROM72内に格納していて、現時点の実際のエンジン回転速度NEと、現時点の実際の吸気弁の開閉タイミングVTと、前記格納しているテーブルとから比例係数c(=MAPC(NE,VT))、及び既燃ガス量d(=MAPD(NE,VT))を求める。また、吸気弁モデルM3は、演算時点にて、後述する吸気管モデルM4により既に推定されている最新の吸気圧力Pm(=Pm(k−1))と最新の吸気温度Tm(=Tm(k−1))とを上記(13)式に適用し、吸気弁通過空気流量mc(=mc(k−1))を推定する。このようにして吸気弁通過空気流量mc(=mc(k−1))を取得する手段が吸気弁通過空気流量取得手段に相当する。
(吸気管モデルM4)
吸気管モデルM4は、質量保存則、エネルギー保存則、及び気体の状態方程式にそれぞれ基づく下記(14)式、(15)式、及び(16)式、スロットル弁通過空気流量mt、及び吸気管41から流出する吸気弁通過空気流量mcから、スロットル弁下流吸気通路内の吸気圧力Pm、及び吸気温度Tmを求めるモデルである。なお、下記(14)式、(15)式、及び(16)式は、上述の(3)式、(4)式、及び(5)式とそれぞれ同じである。
dM/dt=mt−mc …(14)
dTm/dt=(1/(M・Cv))・(mt・Cp・Ta−mc・Cp・Tm−dM/dt・Cv・Tm) …(15)
Pm=(1/Vm)・M・R・Tm …(16)
ここで、Vmはスロットル弁下流吸気通路の容積であり、より正確には、吸気圧力Pm及び吸気温度Tmの変化に実質的に影響を与えるスロットル弁下流吸気通路の容積(有効容積)である(本例では、一定)。上述したように、この容積Vm(一定)は、同定実験を通して決定されている。Mはスロットル弁下流吸気通路内の空気の質量である。Taはスロットル弁通過空気温度(即ち、大気温度)であり、本例では大気温センサ62の検出結果から取得される。Cv,Cp,Rはそれぞれ、空気の定積比熱、空気の定圧比熱、空気の気体定数である(本例では、共に一定)。
吸気管モデルM4は、上記(14)式、及び上記(15)式の右辺におけるスロットル弁通過空気流量mt(=mt(k−1))をスロットルモデルM2から取得するとともに、吸気弁通過空気流量mc(=mc(k−1))を吸気弁モデルM3から取得する。吸気管モデルM4は、上記(14)式を時間で逐次積分していくことで、スロットル弁下流吸気通路内の最新の空気質量M(=M(k))を逐次推定する。吸気管モデルM4は、上記(15)式を時間で逐次積分していくことで、最新の吸気温度Tm(=Tm(k))を逐次推定する。そして、吸気管モデルM4は、これらの積分値M,Tmを上記(16)式に逐次代入することで、最新の吸気圧力Pm(=Pm(k))を逐次推定する。
ここで、上記吸気管モデルM4を記述した(14)式及び(15)式の導出過程について説明する。先ず、(14)式の導出について説明する。スロットル弁下流吸気通路内の空気について質量保存則を適用すると、スロットル弁下流吸気通路内の空気の質量Mの時間的変化量dM/dtは、スロットル弁下流吸気通路に流入する空気量に相当するスロットル弁通過空気流量mtとスロットル弁下流吸気通路から流出する空気量に相当する吸気弁通過空気流量mcの差に等しいと考えることができる。従って、上記(14)式が得られる。
次に、(15)式の導出について説明する。スロットル弁下流吸気通路内の空気に関するエネルギー保存則について検討する。スロットル弁下流吸気通路の容積(有効容積)Vmは変化しないものと仮定する。また、スロットル弁下流吸気通路内のエネルギーの殆どが温度上昇に寄与する(運動エネルギーは無視し得る)ものと仮定する。
そうすると、スロットル弁下流吸気通路内の空気の内部エネルギーM・Cv・Tmの時間的変化量は、スロットル弁下流吸気通路に流入する空気のエネルギーCp・mt・Taとスロットル弁下流吸気通路から流出する空気のエネルギーCp・mc・Tmの差に等しいと考えることができる。従って、下記(17)が得られる。下記(17)式をdTm/dtについて整理すると、上記(15)式が得られる。
d(M・Cv・Tm)/dt=M・Cv・dTm/dt+Cv・Tm・dM/dt=Cp・mt・Ta−Cp・mc・Tm …(17)
(吸気弁モデルM5)
吸気弁モデルM5は、上記吸気弁モデルM3と同様のモデルを含んでいて、ここでは吸気管モデルM4が算出した最新の吸気圧力Pm(=Pm(k))、及び吸気温度Tm(=Tm(k))と、現時点のエンジン回転速度NEと、現時点の吸気弁の開閉タイミングVTと、前記マップMAPCと、前記マップMAPDと、上記経験則に基づく(13)式(mc=(THA/Tm)・(c・Pm−d))とを用いて最新の吸気弁通過空気流量mc(=mc(k))を求める。そして、吸気弁モデルM5は、前記求めた吸気弁通過空気流量mc(k)に、エンジン回転速度NEから算出される吸気行程に要する時間(吸気弁32が開弁してから閉弁するまでの時間)Tintを乗じることにより予測吸入空気量KLfwd(k)を求める。吸気弁モデルM5は、このような演算を各気筒毎に所定時間の経過毎に行う。
このように、吸入空気モデルA2は、予測吸入空気量KLfwd(k)を所定時間の経過毎に更新するが、燃料噴射開始時期直前(BTDC90°CA)から吸気弁閉弁時までの時間と略一致する遅延時間後の予測スロットル弁開度TAest(k−1)に基づいて予測吸入空気量KLfwd(k)を計算すること、及び同燃料噴射開始時期直前の時点での予測吸入空気量KLfwd(k)に基づいて燃料噴射量fi(k)が計算されること(上記(1)式を参照。)から、同吸入空気モデルA2は、ある気筒の吸気行程に対する吸気弁閉弁時の予測スロットル弁開度TAest(k−1)に基づいて、筒内吸入空気量(予測吸入空気量KLfwd(k))を実質的に予測する。
即ち、吸入空気モデルA2は、特定の気筒の今回の吸気行程に対する吸気弁閉弁時より前の所定時点(本例においては、同気筒の今回の吸気行程に対する燃料噴射開始(BTDC75°CA)前の所定のタイミング、具体的にはBTDC90°CAにて同気筒の今回の吸気行程での吸気弁閉弁時の筒内吸入空気量である予測吸入空気量KLfwd(k)を、電子制御スロットル弁モデルM1により予測された今回の吸気行程の吸気弁閉弁時近傍の時点の予測スロットル弁開度TAest(k−1)とモデルM2〜M5とに基づいて算出するのである。
以上、図2に示した各モデル、及び各手段により、機関10の吸気に係わる状態量である吸気圧力Pm、吸気温度Tm、予測吸入空気量KLfwd(k)が推定され、この予測吸入空気量KLfwd(k)に基づいて燃料噴射量fiが計算されていく。
次に、電気制御装置70の実際の作動について、図6〜図10に示したフローチャートを参照しながら説明する。
(目標スロットル弁開度、及び推定スロットル弁開度の計算)
CPU71は、図6にフローチャートにより示したルーチンを演算周期ΔTt(ここでは、8msec)の経過毎に実行することにより、上記電子制御スロットル弁ロジックA1、及び電子制御スロットル弁モデルM1の機能を達成する。具体的に述べると、CPU71は所定のタイミングにてステップ600から処理を開始し、ステップ605に進んで変数iに「0」を設定し、ステップ610に進んで変数iが遅延回数ntdlyと等しいか否かを判定する。この遅延回数ntdlyは、遅延時間TDを演算周期ΔTtで除した値である。
この時点で変数iは「0」であるから、CPU71はステップ610にて「No」と判定し、ステップ615に進んで暫定目標スロットル弁開度TAt(i)に暫定目標スロットル弁開度TAt(i+1)の値を格納するとともに、続くステップ620にて予測スロットル弁開度TAest(i)に予測スロットル弁開度TAest(i+1)の値を格納する。以上の処理により、暫定目標スロットル弁開度TAt(0)に暫定目標スロットル弁開度TAt(1)の値が格納され、予測スロットル弁開度TAest(0)に予測スロットル弁開度TAest(1)の値が格納される。
次いで、CPU71は、ステップ625にて変数iの値を「1」だけ増大してステップ610にもどる。そして変数iの値が今回の遅延回数ntdlyより小さければ、再びステップ615〜625を実行する。即ち、ステップ615〜625は、変数iの値が遅延回数ntdlyと等しくなるまで繰り返し実行される。これにより、暫定目標スロットル弁開度TAt(i+1)の値が暫定目標スロットル弁開度TAt(i)に順次シフトされ、予測スロットル弁開度TAest(i+1)の値が予測スロットル弁開度TAest(i)に順次シフトされて行く。
前述のステップ625が繰り返されることにより変数iの値が遅延回数ntdlyと等しくなると、CPU71はステップ610にて「Yes」と判定してステッ630に進み、同ステップ630にて現時点の実際のアクセル操作量Accpと、図3に示したテーブルとに基づいて今回の暫定目標スロットル弁開度TAaccを求め、これを暫定目標スロットル弁開度TAt(ntdly)に格納する。
次に、CPU71はステップ635に進み、同ステップ635にて前回の予測(推定)スロットル弁開度TAest(ntdly)と、今回の暫定目標スロットル弁開度TAaccと、上記(7)式(の右辺)に基づくステップ635内に記載した式とに応じて今回の予測スロットル弁開度TAest(ntdly)を算出する。そして、ステップ640にて目標スロットル弁開度TAtに暫定目標スロットル弁開度TAt(0)の値を設定するとともに、予測スロットル弁開度TAestに最新の予測スロットル弁開度TAest(ntdly)を格納し、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、目標スロットル弁開度TAtに関するメモリにおいては、本ルーチンが実行される毎にメモリの内容が一つずつシフトされて行き、暫定目標スロットル弁開度TAt(0)に格納された値が、電子制御スロットル弁ロジックA1によってスロットル弁アクチュエータ43aに出力される目標スロットル弁開度TAtとして設定される。即ち、今回の本ルーチンの実行により暫定目標スロットル弁開度TAt(ntdly)に格納された値は、今後において本ルーチンが遅延回数ntdlyだけ繰り返されたときにTAt(0)に格納され、目標スロットル弁開度TAtとなる。また、予測スロットル弁開度TAestに関するメモリにおいては、同メモリ内のTAest(m)に現時点から所定時間(m*ΔTt)経過後の予測スロットル弁開度TAestが格納されて行く。この場合の値mは、1〜ntdlyの整数である。
(予測吸入空気量KLfwdの計算)
CPU71は、所定の演算周期ΔTt(8msec)の経過毎に図7に示した予測吸入空気量計算ルーチンを実行することで、吸入空気モデルA2(スロットルモデルM2、吸気弁モデルM3、吸気管モデルM4、及び吸気弁モデルM5)の機能を達成するようになっている。具体的に説明すると、所定のタイミングになったとき、CPU71はステップ700から処理を開始し、ステップ705に進んで上記スロットルモデルM2(上記(12)式に基づくステップ705内に示した式)によりスロットル弁通過空気流量mt(k−1)を求めるため、図8のフローチャートに示したステップ800に進む。なお、スロットル弁通過空気流量mtの括弧内の変数がkではなくk−1となっているのは、このスロットル弁通過空気流量mt(k−1)が演算周期ΔTt前の各種値を用いて求められた値であることを意味していて、この変数k,k−1の意味は以下に述べる他の値についても同様である。
ステップ800に進んだCPU71は、ステップ805に進んで上記(13)式の係数c(=c(k−1))を、上記テーブルMAPCと、現時点より演算周期ΔTt前のエンジン回転速度NE、及び現時点より演算周期ΔTt前の吸気弁の開閉タイミングVTとから求める。また、同様に値d(=d(k−1))を、上記テーブルMAPDと、現時点より演算周期ΔTt前のエンジン回転速度NE、及び現時点より演算周期ΔTt前の吸気弁の開閉タイミングVTとから求める。
次いで、CPU71はステップ810に進んで燃料噴射開始時期直前(BTDC90°CA)から吸気弁閉弁時までの時間をエンジン回転速度NEから求め、この時間と略一致する遅延時間後の予測スロットル弁開度TAestをRAM73から読み出し、それを予測スロットル弁開度TAest(k−1)とし、その予測スロットル弁開度TAest(k−1)、前回の本ルーチン実行時における後述する図7のステップ730にて求められた予測吸入空気量KLfwd(k−1)、現時点より演算周期ΔTt前のエンジン回転速度NE、及び現時点より演算周期ΔTt前の吸気弁の開閉タイミングVTと、上記テーブルMAPPMと、から吸気圧力PmTAを求める。
次いで、CPU71はステップ815に進んで、上記(13)式に基づくステップ815内に記載の式により、スロットル弁通過空気流量mtsTAを求める。なお、ステップ815において用いるスロットル弁通過空気温度(大気温度)Taは吸気温センサ62が検出する吸入空気温度THAを用い、吸気温度Tm(k−1)は、前回の本ルーチン実行時における後述する図7のステップ715にて求められた値を用いる。
次に、CPU71はステップ820に進み、値Φ(PmTA/Pa)を上記テーブルMAPΦと上記ステップ810にて求めた吸気圧力PmTAをスロットル弁上流圧力(大気圧センサ63が検出する大気圧)Paで除した値(PmTA/Pa)とから求める。また、CPU71は続くステップ825にて、前回の本ルーチン実行時における後述する図7のステップ715にて求められた吸気圧力Pm(k−1)をスロットル弁上流圧力Paで除した値(Pm(k−1)/Pa)と、上記テーブルMAPΦとから値Φ(Pm(k−1)/Pa)を求め、続くステップ830にて上記ステップ815、ステップ820、及びステップ825にてそれぞれ求めた値と、スロットルモデルM2を表すステップ830内に示した式とに基づいてスロットル弁通過空気流量mt(k−1)を求めた後、ステップ895を経由して図7のステップ710に進む。
CPU71は、ステップ710にて上記吸気弁モデルM3を表す上記(13)式を用いて吸気弁通過空気流量mc(k−1)を求める。このとき、係数c、及び値dとして、上記ステップ805にて求めた値を使用する。また、吸気圧力Pm(k−1)、及び吸気温度Tm(k−1)は、前回の本ルーチン実行時における後述するステップ715にて求められた値を用い、スロットル通過空気温度Taは吸気温センサ62が検出する吸入空気温度THAを用いる。
次いで、CPU71はステップ715に進み、上記吸気管モデルM4を表す上記(14)式、(15)式、(16)式をそれぞれ時間について演算周期Δtをもって離散化したステップ715内に記載の式を用いて、今回の吸気圧力Pm(k)と、今回の吸気温度Tm(k)とを求める。Δtは吸気管モデルM4で使用される離散間隔を示す。計算時間をΔTt(=8msec)、前回(k−1)の燃料噴射開始時期から吸気弁閉弁時までの時間をt、今回(k)の燃料噴射開始時期から吸気弁閉弁時までの時間をtとするとき、Δt=ΔTt+(t−t)で表される。dM(k)は、演算周期Δtの間におけるスロットル弁下流吸気通路内の空気質量Mの今回の時間的変化量であり、dTm(k)は、演算周期Δtの間における吸気温度Tmの今回の時間的変化量である。
スロットル弁通過空気流量mt(k−1)、及び、吸気弁通過空気流量mc(k−1)としては、今回の本ルーチン実行時におけるステップ705、及びステップ710にてそれぞれ求められた値が用いられる。空気質量M(k−1)としては、前回の本ルーチン実行時におけるステップ715内で求められたM(k)の値が用いられる。空気質量の時間的変化量dM(k)としては、今回の本ルーチン実行時におけるステップ715内で求められた値が用いられる。空気質量M(k)としては、今回の本ルーチン実行時におけるステップ715内で求められた値が用いられる。吸気温度Tm(k−1)としては、前回の本ルーチン実行時におけるステップ715内で求められたTm(k)の値が用いられる。吸気温度の時間的変化量dTm(k)としては、今回の本ルーチン実行時におけるステップ715内で求められた値が用いられる。スロットル通過空気温度Taとしては、吸気温センサ62が検出する吸入空気温度THAが用いられる。
具体的には、mt(k−1)とmc(k−1)とから空気質量Mの今回の時間的変化量dM(k)が演算され、Δt・dM(k)が前回の空気質量M(k−1)に積算されて今回の空気質量M(k)が演算される。即ち、dM(k)が逐次積算(積分)されてM(k)が逐次演算されていく。同様に、mt(k−1)とmc(k−1)とTm(k−1)とdM(k)とM(k)とTaとから吸気温度Tmの今回の時間的変化量dTm(k)が演算され、Δt・dTm(k)が前回の吸気温度Tm(k−1)に積算されて今回の吸気温度Tm(k)が演算される。即ち、dTm(k)が逐次積算(積分)されてTm(k)が逐次演算されていく。そして、積算値であるM(k)及びTm(k)から今回の吸気圧力Pm(k)が演算される。
次いで、CPU71はステップ720に進み、同ステップ720に示した上記(13)式に相当する吸気弁モデルM5を表す式に基づいて今回の吸気弁通過空気流量mc(k)を求める。具体的に述べると、CPU71はステップ720に進んだとき、図9に示したステップ900に進み、次のステップ905にて係数c(k)をエンジン回転速度NEと吸気弁の開閉タイミングVTとMAPCとにより求め(c(k)=MAPC(NE,VT))、続くステップ910にて値d(k)をエンジン回転速度NEと吸気弁の開閉タイミングVTとMAPDとにより求める(d(k)=MAPD(NE,VT))。このときのエンジン回転速度NE、及び吸気弁の開閉タイミングVTは、現時点での値を用いる。
そして、CPU71は、ステップ915に進んで、上記図7のステップ715にて求められた今回の吸気圧力Pm(k)、及び今回の吸気温度Tm(k)、ステップ905にて求められた係数c(K)、及びステップ910にて求められた値d(k)を用いて、今回の吸気弁通過空気流量mc(k)を算出し、ステップ995を経由して図7のステップ725に進む。
CPU71はステップ725に進むと、現時点でのエンジン回転速度NEと、インテークカムシャフトのカムプロフィールで決定されている吸気弁開弁角とから吸気弁開弁時間(吸気弁が開弁してから閉弁するまでの時間)Tintを計算し、続くステップ730にて上記今回の吸気弁通過空気流量mc(k)に吸気弁開弁時間Tintを乗じて予測吸入空気量KLfwd(k)を算出し、ステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。以上により、予測吸入空気量KLfwd(k)が求められる。
(噴射実行ルーチン)
次に、電気制御装置70が、実際に噴射を行うために実行するルーチンについて、同ルーチンをフローチャートにより示した図10を参照して説明すると、CPU71は各気筒のクランク角度がBTDC90°CAになる毎に、各気筒毎に同図10に示したルーチンを実行するようになっている。
従って、特定の(任意の)気筒(吸気行程を迎える気筒)のクランク角度がBTDC90°CAになると、CPU71はステップ1000から処理を開始し、続くステップ1005にて、図7のステップ730にて求められている最新の予測吸入空気量KLfwd(k)(即ち、特定の気筒の今回の吸気行程での吸気弁閉弁時(近傍の時点)の予測吸入吸気量)を目標空燃比AbyFrefで除することにより特定の気筒の燃料噴射量fi(k)を求める。
次に、CPU71はステップ1010に進んで、前記特定の気筒のインジェクタ39に対して前記燃料噴射量fi(k)の燃料の噴射を指示する。これにより、燃料噴射量fi(k)に応じた量の燃料が前記特定気筒のインジェクタ39から噴射される。そして、CPU71はステップ1095にて本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本発明によるガス通路内のガス状態推定装置を含んだ燃料噴射量制御装置の上記実施形態によれば、スロットル弁下流吸気通路内の空気について質量保存則を適用することでスロットル弁下流吸気通路内の空気の質量Mの時間的変化量dM/dtが推定される(上記(14)式、ステップ715を参照)。スロットル弁下流吸気通路内の空気についてエネルギー保存則を適用することでスロットル弁下流吸気通路内の空気の温度(吸気温度)Tmの時間的変化量dTm/dtが推定される(上記(15)式、ステップ715を参照)。そして、時間的変化量dM/dtを時間で逐次積分して得られるスロットル弁下流吸気通路内の空気質量Mと、時間的変化量dTm/dtを時間で逐次積分して得られる吸気温度Tmと、スロットル弁下流吸気通路内の空気について適用されるスロットル弁下流吸気通路の容積(有効容積)Vmの項を含む空気の状態方程式(上記(16)式、ステップ715を参照)と、に基づいてスロットル弁下流吸気通路内の空気の圧力(吸気圧力)Pmが推定される。
ここで、上記(14)式、(15)式、(16)式のうちでスロットル弁下流吸気通路の容積(有効容積)Vmの項が存在するのは上記(16)式のみである。従って、スロットル弁下流吸気通路内の空気質量Mの時間的変化量dM/dt、吸気温度Tmの時間的変化量dTm/dt、吸気圧力Pmのうちで有効容積Vmの値によって変動し得るのは、吸気圧力Pmのみである。即ち、吸気圧力Pmのみの推移を監視しながら有効容積Vmの同定を行うことができる。加えて、上記(16)式には微分項が存在しないので、微分項が存在する場合と比べて、有効容積Vmの値の変化に対する吸気圧力Pmの変化の度合いが小さい。以上より、上記実施形態によれば、スロットル弁下流吸気通路路の容積(有効容積)Vmの同定が比較的容易となる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態においては、ガス状態(ガス温度、ガス圧力)を推定する対象であるガス通路としてスロットル弁下流吸気通路(=吸気通路におけるスロットル弁43と吸気弁32との間の部分)が採用される例が示されているが、前記ガス通路として、排気通路における排気弁35と触媒53との間の部分が採用されてもよい。また、直列式の2段ターボシステムでは、前記ガス通路として、吸気通路における第1、第2コンプレッサ間の部分、或いは、排気通路における第1、第2ターボチャージャ間の部分が採用されてもよい。また、前記ガス通路として、吸気を冷却するインタークーラの内部が採用され得る。

Claims (5)

  1. 内燃機関に備えられたガス通路内のガスについて適用される、前記ガス通路の容積の項を含まない質量保存則を表す式に基づいて、前記ガス通路内のガスの質量の時間的変化量を推定する第1推定手段と、
    前記ガス通路内のガスについて適用される、前記ガス通路の容積の項を含まないエネルギー保存則を表す式に基づいて、前記ガス通路内のガスの温度の時間的変化量を推定する第2推定手段と、
    前記推定されたガス質量の時間的変化量を時間で逐次積分して得られるガス質量と、前記推定されたガス温度の時間的変化量を時間で逐次積分して得られるガス温度と、前記ガス通路内のガスについて適用される前記ガス通路の容積の項を含み微分項を含まないガスの状態方程式と、に基づいて前記ガス通路内のガスの圧力を推定する第3推定手段と、
    を含む、ガス通路内のガス状態推定装置。
  2. 請求項1に記載のガス通路内のガス状態推定装置において、
    前記第1推定手段は、
    mtを前記ガス通路に流入するガスの質量流量、mcを前記ガス通路から流出するガスの質量流量、Mを前記ガス通路内のガスの質量、tを時間としたとき、
    dM/dt=mt−mc
    なるに基づいて、前記ガス通路内のガス質量の時間的変化量dM/dtを推定するように構成されたガス通路内のガス状態推定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のガス通路内のガス状態推定装置において、
    前記第2推定手段は、
    mtを前記ガス通路に流入するガスの質量流量、mcを前記ガス通路から流出するガスの質量流量、Mを前記ガス通路内のガスの質量、Taを前記ガス通路に流入するガスの温度、Tmを前記ガス通路内のガスの温度、Cvを前記ガス通路内のガスの定積比熱、Cpを前記ガス通路内のガスの定圧比熱、tを時間としたとき、
    dTm/dt=(1/(M・Cv))・(mt・Cp・Ta−mc・Cp・Tm−dM/dt・Cv・Tm)
    なるに基づいて、前記ガス通路内のガス温度の時間的変化量dTm/dtを推定するように構成されたガス通路内のガス状態推定装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のガス通路内のガス状態推定装置において、
    前記第3推定手段は、
    Mを前記第1推定手段により推定された前記ガス通路内のガス質量の時間的変化量を時間で逐次積分して得られるガス質量、Tmを前記第2推定手段により推定された前記ガス通路内のガス温度の時間的変化量を時間で逐次積分して得られるガス温度、Rを前記ガス通路内のガスのガス定数、Vmを前記ガス通路の容積、Pmを前記ガス通路内のガスの圧力としたとき、
    Pm=(1/Vm)・M・R・Tm
    なるに基づいて、前記ガス通路内のガスの圧力Pmを推定するように構成されたガス通路内のガス状態推定装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のガス通路内のガス状態推定装置において、
    前記ガス通路は、前記内燃機関のスロットル弁と吸気弁との間の吸気通路である、ガス通路内のガス状態推定装置。
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