JP5176888B2 - 電動式チルトステアリング装置 - Google Patents

電動式チルトステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5176888B2
JP5176888B2 JP2008290501A JP2008290501A JP5176888B2 JP 5176888 B2 JP5176888 B2 JP 5176888B2 JP 2008290501 A JP2008290501 A JP 2008290501A JP 2008290501 A JP2008290501 A JP 2008290501A JP 5176888 B2 JP5176888 B2 JP 5176888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tilt
steering column
gap adjusting
steering
tilt bracket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008290501A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010116042A (ja
Inventor
健 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2008290501A priority Critical patent/JP5176888B2/ja
Publication of JP2010116042A publication Critical patent/JP2010116042A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5176888B2 publication Critical patent/JP5176888B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)

Description

この発明は、電動モータを駆動源とする電動アクチュエータによりステアリングホイールの高さ位置を調節可能とする、電動式チルトステアリング装置の改良に関する。
運転者の体格や運転姿勢等に応じてステアリングホイールの高さ位置を調節可能とするステアリング装置として、チルトステアリング装置が従来から知られている。この様なチルトステアリング装置には、上記高さ位置の調節を手動で行う、手動式チルトステアリング装置と、同じく電動で行う、電動式チルトステアリング装置とがある。図10〜11は、このうちの手動式チルトステアリング装置の従来構造の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。後端部(図10の右端部。尚、本明細書で、後とは、自動車の進行方向に関し「後」を言い、逆に、前とは、自動車の進行方向に関し「前」を言う。)に固定されたステアリングホイール1の操作により回転するステアリングシャフト2を、ステアリングコラム3の内側に回転自在に支持している。これと共に、このステアリングコラム3の前端部(図10の左端部)に固定したコラム側ブラケット4を、車体に固定した車体側ブラケット5に支持されたチルト軸6により枢支している。一方、上記ステアリングコラム3の中間部は、車体に取り付けたチルトブラケット7に対し、高さ位置の調節を可能に支持している。
上記チルトブラケット7は、十分な剛性を有する金属板を折り曲げ形成して成り、互いに平行に配置した1対の鉛直板部8、8を備える。そして、これら両鉛直板部8、8の互いに整合する位置に、上記チルト軸6を中心とする円弧状で上下方向に長い長孔9、9を形成している。又、上記ステアリングコラム3の中間部で、上記両鉛直板部8、8同士の間に挟まれた部分に、十分な剛性を有する金属板を折り曲げ形成して成る、断面略U字型の昇降ブラケット10を、溶接等により固定している。この昇降ブラケット10は、上記両鉛直板部8、8と重なり合う、互いに平行な1対の側板部11、11を備える。そして、これら両側板部11、11の一部で上記各長孔9、9と整合する部分に、それぞれ互いに同心の通孔12、12を形成している。そして、これら各通孔12、12と上記各長孔9、9とに、チルトボルト13を挿通している。
上記チルトボルト13の先端部に螺合したチルトナット57にはチルトレバー14を設け、このチルトレバー14を操作する事により、上記両鉛直板部8、8の内側面と、上記両側板部11、11の外側面との間に生じる摩擦力を変化させる。そして、上記ステアリングコラム3を、上記チルト軸6を中心として揺動可能又は揺動不能とする。これにより、上記ステアリングホイール1の高さ位置を調節可能とすると共に調節後の位置に保持可能とする。
次に、図12〜14は、電動式チルトステアリング装置の従来構造の1例として、特許文献1、2等に記載されたものを示している。本例の場合も、後端部(図12、14の右端部)に固定されたステアリングホイール1(図12には図示省略)の操作により回転するステアリングシャフト2aを、ステアリングコラム3aの内側に回転自在に支持している。これと共に、このステアリングコラム3aの前端部(図12の左端部)に固定したコラム側ブラケット4aを、車体に固定した図示しない車体側ブラケットに支持されたチルト軸6により枢支している。一方、上記ステアリングコラム3aの中間部は、車体に取り付けたチルトブラケット7aに対し、高さ位置の調節を可能に支持している。
上記ステアリングシャフト2aは、インナーシャフト15の後端部とアウターシャフト16の前端部とを、回転力の伝達と軸方向の相対変位とを可能にスプライン嵌合させて成る。又、上記ステアリングコラム3aは、アウターコラム17の後端部とインナーコラム18の前端部とを、軸方向の相対変位を可能に嵌合させて成る。又、上記チルトブラケット7aは、全体を矩形枠状に形成しており、上板部19と、下板部20と、これら両板部19、20の両端部同士を連結する、互いに平行な1対の側板部21a、21bと、これら両側板部21a、21bの上端部から互いに離れる方向に延出した1対の取付板部22a、22bとを備える。この様なチルトブラケット7aは、上記アウターコラム17の後端部の周囲に配置した状態で、上記両取付板部22a、22bを車体に取り付ける。
又、上記チルトブラケット7aの横幅方向片側(図13の右側)部分には、隙間調整手段23を組み付けている。この隙間調整手段23は、1対の隙間調整ねじ24、24と、1対の円柱状のピン25、25と、隙間調整部材である隙間調整板26と、1対のロックナット27、27とを備える。このうちの1対の隙間調整ねじ24、24はそれぞれ、中心部の先端部乃至中間部に圧入孔28を、同じく基端部に六角レンチを係合させる為の六角孔29を、それぞれ先端面又は基端面に開口する状態で有している。この様な両隙間調整ねじ24、24はそれぞれ、上記チルトブラケット7aを構成する片側(図13の右側)の側板部21aの上下両端寄り部分に形成した1対のねじ孔30、30に螺合している。又、上記1対のピン25、25は、それぞれの基半部を、上記両隙間調整ねじ24、24の圧入孔28、28に圧入固定している。又、上記隙間調整板26は、上下両端寄り部分に1対の係合孔31、31を有するもので、上記片側の側板部21aと上記アウターコラム17の後端部との間部分に、この片側の側板部21aと平行に配置している。又、この様に配置した状態で、上記隙間調整板26は、上記両係合孔31、31に上記両ピン27、27の先半部をがたつきなく係合させると共に、外側面(図13の右側面)に上記両隙間調整ねじ24、24の先端面を当接させている。これにより、これら両隙間調整ねじ24、24を両方向に回転させる事に基づいて、上記隙間調整板26を上記アウターコラム17の後端部側面に対し、遠近動させられる様にしている。又、上記両ロックナット27、27はそれぞれ、上記両隙間調整ねじ24、24の基端部に螺合しており、締め付ける事でこれら両隙間調整ねじ24、24の回転を不能にし、緩める事でこれら両隙間調整ねじ24、24の回転を可能にする。
使用時の状態では、上記隙間調整板26を上記アウターコラム17の後端部側面に近づける事に基づいて、このアウターコラム17の後端部両側面に設けた互いに平行な1対の平面部32、32と、上記隙間調整板26の内側面(図13の左側面)及び上記チルトブラケット7aを構成する他側(図13の右側面)の側板部21bの内側面との間に存在する各隙間を、それぞれ極力(これら各面同士の間に過大な摩擦力が作用しない程度に)小さくしている。これにより、上記チルト軸6を中心として上記ステアリングコラム3aを揺動させる際に、上記隙間調整板26の内側面と上記他側の側板部21bの内側面とにより、上記アウターコラム17の後端部を、横幅方向のがたつきを抑えた状態で案内できる様にしている。
又、上記チルトブラケット7aの横幅方向他側(図13の左側)部分には、チルト用電動アクチュエータ33を組み付けている。このチルト用電動アクチュエータ33は、チルト用電動モータ34と、このチルト用電動モータ34の出力軸に対し、回転力の伝達を可能に接続したウォーム35と、このウォーム35に噛合させたウォームホイール36とを備える。更には、このウォームホイール36をその下端寄り部分に外嵌固定すると共に、上下方向に配設した状態で、回転可能に設けたねじ軸37と、このねじ軸37の中間部に螺合したナット部材38とを備える。更には、このナット部材38の周囲を覆う状態で組み付けたナットホルダ39と、このナットホルダ39の側面に突設した円柱状の連結軸40とを備える。この連結軸40の先端部は、上記アウターコラム17の後端部側面に開口する状態で形成した連結孔41の内側に、径方向のがたつきなく係合させている。
前記ステアリングホイール1の高さ位置を調節すべく、上記チルト軸6を中心として上記ステアリングコラム3aを揺動させる際には、上記チルト用電動モータ34により、上記ウォーム35及びウォームホイール36を介して上記ねじ軸37を両方向に回転駆動する。これに基づいて、上記ナット部材38と共に上記ナットホルダ39及び連結軸40を上記ねじ軸37に沿って上下方向に移動させる事により、上記アウターコラム17の後端部を上記チルトブラケット7aに対し昇降させる。尚、この様なステアリングホイール1の高さ位置の調節は、運転者によるスイッチ操作等により行う。
又、図示の例では、電動モータを駆動源として上記ステアリングホイール1の前後位置を調節可能とする為のテレスコ用電動アクチュエータ42を、上記ステアリングコラム3aの下面側部分に、上記アウターコラム17と前記インナーコラム18との間に掛け渡す状態で組み付けている。このテレスコ用電動アクチュエータ42は、テレスコ用電動モータ43と、このテレスコ用電動モータ43に対し、回転力の伝達を可能に接続したウォーム44と、このウォーム44に噛合させたウォームホイール45とを備える。更には、上記ステアリングコラム3aの下面と対向する位置に、このステアリングコラム3aと平行に配設された変位軸46を備える。この変位軸46は、前端部を雄ねじ部47としており、この雄ねじ部47を、上記ウォームホイール45の中心部に設けたねじ孔48に螺合させている。一方、上記変位軸46の後端部は、上記インナーコラム18の後端寄り部分に固定した結合フランジ49に連結している。
上記ステアリングホイール1の前後位置を調節する際には、上記テレスコ用電動モータ43により、上記ウォーム44を介して上記ウォームホイール45を両方向に回転駆動する事に基づいて、上記変位軸46をこのウォームホイール45に対して軸方向に変位させる。そして、これに伴い、上記インナーコラム18及び前記アウターシャフト16を、上記アウターコラム17及び前記インナーシャフト15に対して軸方向に変位させる事により、上記ステアリングホイール1の前後位置を調節する。尚、この様なステアリングホイール1の前後位置の調節は、運転者によるスイッチ操作等により行う。
ところで、上述した様な電動式チルトステアリング装置の場合、使用時にステアリングホイール1の高さ位置を調節する際には、チルトブラケット7aとステアリングコラム3aとが、チルト軸6を中心として相対的に揺動変位する。即ち、使用時に於いて、これらチルトブラケット7aとステアリングコラム3aとの位置関係は、上記揺動変位が起こる範囲内でのみ変化する。一方、この様な電動式チルトステアリング装置の場合、上記チルトブラケット7aを車体に取り付ける以前の状態では、このチルトブラケット7aを上記ステアリングコラム3aの中間部(アウターコラム17の後端部)に対し、使用時と同じ位置関係(使用時に実現する何れかの位置関係)で仮固定しておく。この為に具体的には、上記チルトブラケット7aと上記ステアリングコラム3aとの位置関係を、使用時と同じ位置関係にした状態で、前記1対の隙間調整ねじ24、24を回転させる事に基づき、前記隙間調整板26の内側面と前記他側の側板部21bの内側面とを、それぞれ上記アウターコラム17の後端部両側面に設けた1対の平面部32、32に強く摩擦係合させておく。即ち、この摩擦係合力により、上記仮固定を行う。
ところが、上述の様な仮固定の方法では、例えば輸送時の振動や手扱い時の不慮の接触等によって、上記チルトブラケット7aに上記摩擦係合力を越える大きさの外力が加わった場合に、このチルトブラケット7aと上記ステアリングコラム3aとの位置関係が、使用時と異なる位置関係(例えば、これらチルトブラケット7aとステアリングコラム3aとが、チルト用電動アクチュエータ33を構成する連結軸40と連結孔41との係合部を中心として大きく相対回転した結果生じる様な、使用時には実現される事のない位置関係)にずれ動く可能性がある。そして、この様な位置関係のずれが発生した場合には、そのままの状態で上記チルトブラケット7aを車体に取り付ける事ができなくなる可能性がある。更に、この場合、無理に元の位置関係に戻してから車体に取り付けたとしても、初期のセッティングが崩れる為、使用時に於ける正常な作動を保証できなくなる。そこで、この様な不具合が発生するのを回避すべく、上述の様な位置関係のずれが発生するのを防止できる構造を実現する事が望まれる。
尚、この様な構造に関連する先行技術としては、例えば特許文献3、4に記載された発明がある。これら特許文献3、4に記載された発明は、前述の図10〜11に示した様な手動式チルトステアリング装置を対象とするものである。より具体的には、この様な手動式チルトステアリング装置のうち、自動車の衝突事故(二次衝突)に伴ってステアリングコラム3からチルトボルト13を介してチルトブラケット7に前方に向く衝撃荷重が加わった場合に、このチルトブラケット7がこの衝撃荷重を吸収しつつ車体に対し前方に離脱する様に、このチルトブラケット7の上端部を車体に対し取り付けた構造を対象とするものである。上記特許文献3、4に記載された発明は、この様な手動式チルトステアリング装置に於いて、上述の様な衝撃吸収の効果を適切に発揮できる(上記チルトブラケット7が車体に対し安定して前方に離脱できる)様にすべく、上記衝撃荷重が加わった際に上記ステアリングコラム3と上記チルトブラケット7とが上記チルトボルト13を中心として相対回転するのを防止する為の金属製のガイド部材(ストッパ、突起を有するブラケット等)を、上記ステアリングコラム3と上記チルトブラケット7との間に設けた事を特徴とするものである。
この様な特許文献3、4に記載された発明によれば、上記チルトブラケット7を車体に取り付ける以前の状態で、上記ガイド部材により、このチルトブラケット7と上記ステアリングコラム3との位置関係が、使用時と異なる位置関係にずれ動くのを防止する効果を発揮する事が期待できる。但し、上記特許文献3、4に記載された発明の本来の目的は、この様な効果を発揮する事ではなく、上記衝撃荷重が加わった際に、上記チルトブラケット7が車体に対し安定して前方に離脱できる様にする効果を発揮する事にある。そして、この様な目的の相違から、特に特許文献3に記載された発明の場合には、通常の使用状態で、上記チルトブラケット7と上記ガイド部材とが干渉して、ステアリングホイール1の高さ位置の調節が不能となるのを防止すべく、上記チルトブラケット7と上記ガイド部材との間に若干の隙間を設けている。この為、上記チルトブラケット7を車体に取り付ける以前の状態で、上記隙間の分だけ、このチルトブラケット7と上記ステアリングコラム3との位置関係が、使用時と異なる位置関係にずれ動く可能性がある。上記隙間を極力小さく設定すれば、この様な不具合が発生する事を抑制できるが、寸法のばらつきや温度変化による熱膨張に起因して、上記チルトブラケット7と上記ガイド部材とが干渉し、上記高さ位置の調節が不能になる可能性がある為、採用しにくい。この様な事情は、上記特許文献4に記載された発明に就いても当て嵌まる。
又、そもそも上記特許文献3、4に記載された発明は、手動式チルトステアリング装置(上記チルトブラケット7に形成した長孔9と上記チルトボルト13との係合部を有するもの)を対象としたものであり、電動式チルトステアリング装置(上記長孔9と上記チルトボルト13との係合部を有しないもの)には適用できない(上記ガイド部材を設ける事ができない)か、或は、適用できても(このガイド部材を設ける事ができても)、上述した位置関係のずれを有効に防止する事が難しいものである。
特開2008−30728号公報 特開2008−87661号公報 実公平6−21814号公報 特開2005−75045号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、電動式チルトステアリング装置を対象として、チルトブラケットを車体に取り付ける以前の状態で、このチルトブラケットとステアリングコラムとの位置関係が、使用時と異なる位置関係にずれ動く事を防止できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の電動式チルトステアリング装置は、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持していて、車体に対し、横幅方向に配設されたチルト軸を中心とする揺動可能に支持されるステアリングコラムと、上記車体に取り付けた状態で、上記ステアリングコラムの軸方向中間部を、上記チルト軸を中心とするこのステアリングコラムの揺動位置を調節可能に支持するチルトブラケットと、電動モータの駆動に伴い、上記ステアリングコラムを上記チルト軸を中心として揺動させる電動アクチュエータとを備える。
特に、本発明の電動式チルトステアリング装置に於いては、上記チルトブラケットに結合した隙間調整手段と、この隙間調整手段と上記ステアリングコラムとの間に設けたずれ動き防止手段とを備える。
又、上記チルトブラケットは、上記ステアリングコラムの軸方向中間部を横幅方向両側から緩く挟む状態で配置した1対の側板部を備える。この様なチルトブラケットは、上記車体に取り付ける以前の状態で、上記ステアリングコラムの軸方向中間部に対し、使用時と同じ位置関係で組み付けられている。
又、上記隙間調整手段は、上記チルトブラケットと上記ステアリングコラムとの間に存在する、これらチルトブラケットとステアリングコラムとの間で横幅方向のがたつきを生じさせる隙間の大きさを調整可能なものである。この様な隙間調整手段は、上記両側板部のうちの一方の側板部に螺合した隙間調整ねじと、この一方の側板部と上記ステアリングコラムの軸方向中間部との間に配置した状態で、上記隙間調整ねじを両方向に回転させる事に基づき、上記ステアリングコラムの軸方向中間部に対し遠近動する隙間調整部材とを備え、且つ、この隙間調整部材の前後方向両側縁の形状を、それぞれ上記チルト軸を中心とする円弧形状としている。
又、上記ずれ動き防止手段は、上記チルトブラケットを上記車体に取り付ける以前の状態で、このチルトブラケットと上記ステアリングコラムとの位置関係が使用時と異なる位置関係にずれ動く事を防止するものであって、具体的には、上記隙間調整部材が上記ステアリングコラムの中間部に対し、遠近動する方向に変位する事、及び、上記チルト軸を中心とする円周方向に変位する事を許容すると共に、それ以外の方向に変位又は回転する事を防止するものである。この様なずれ動き防止手段は、上記隙間調整部材の前後方向両側縁をそれぞれの外周縁により案内する状態で配置された(即ち、これら前後方向両側縁とそれぞれの外周縁との間のクリアランスを極力小さく設定した状態で配置された)複数のガイドリングと、これら各ガイドリングを上記ステアリングコラムに対して結合する、これら各ガイドリングと同数のガイドボルトとを備える。
尚、本発明を実施する場合に、好ましくは、上記ガイドリングの数を、3個以上とする。又、このガイドリングの数を3個とする場合には、これら各ガイドリングの配置を、三角配置とする。即ち、前後方向両側縁のうちの一方の側縁に対向して2個、他方の側縁に対向して1個、それぞれ配置する。
又、この様な本発明を実施する場合に、好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記各ガイドリングをそれぞれ、合成樹脂により全体を円環状に形成すると共に、外周面を凸曲面状に形成したものとする。
上述の様に構成する本発明の電動式チルトステアリング装置によれば、ずれ動き防止手段を設けている為、チルトブラケットを車体に取り付ける以前の状態で、このチルトブラケットとステアリングコラムとの位置関係が、使用時と異なる位置関係にずれ動く事を防止できる。従って、上記チルトブラケットを車体に取り付けられなくなる等の、当該ずれ動きに基づく不具合が発生する事を防止できる。
又、本発明は、前述の図12〜14に示した従来構造に対して適用するのが容易である。特に、請求項2に記載した発明の構成を採用すれば、仮に、車体側の部品や本発明の構造を構成する部品に寸法のばらつきが生じたり、温度変化による熱膨張が生じたりする事によって、隙間調整部材の前後方向両側縁と複数のガイドリングの外周縁とが強く接触する状態になったとしても、これら各ガイドリングの外周縁が潰れる(塑性変形する)か、或は削れる事によって、これら各ガイドリングによる上記隙間調整部材の前後方向両側縁の案内状態を良好にできる。この為、上述の様に寸法のばらつきや温度変化による熱膨張が生じた場合でも、ステアリングホイールの高さ位置の調節動作が妨げられると言った不具合が発生する事を、有効に防止できる。
図1〜9は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、チルトブラケット7bを車体に取り付ける以前の状態で、このチルトブラケット7bとステアリングコラム3bとの位置関係が、使用時と異なる位置関係にずれ動く事を防止する為のずれ動き防止手段50を、上記チルトブラケット7bに結合した隙間調整手段23aと、上記ステアリングコラム3bとの間に設けた点にある。その他の部分の構造及び作用は、基本的には前述の図12〜14に示した従来の電動式チルトステアリング装置と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、上記隙間調整手段23aを構成する、隙間調整部材である隙間調整板26aの前後方向(図1、4、9の左右方向)両側縁の形状を、それぞれチルト軸6(図1〜9には図示せず。図10、12参照)を中心とする、曲率半径R1、R2の円弧形状としている。又、上記隙間調整板26aの上端部の後端部(図1、4の左端部)には、同じく前端部(図1、4の右端部)乃至中間部よりも上方に突出する、凸部58を設けている。そして、この様な凸部58を設ける事により、ステアリング装置への組み付け時に上記隙間調整板26aを掴み易くしている。又、本例の場合には、上記隙間調整板26aの前後方向両側縁の形状を、上述の様な円弧形状とした事に伴い、上記チルトブラケット7bを構成する1対の側板部21c、21dの形状も、上記隙間調整板26aの前後方向両側縁と同方向にほぼ同じ曲率で湾曲した、円弧形状としている。
又、上記ずれ動き防止手段50は、それぞれの外周縁により上記隙間調整板26aの前後方向両側縁を案内する状態で三角配置した、3個のガイドリング51a、51b、51cと、これら各ガイドリング51a、51b、51cをアウターコラム17aの後端部側面に対して結合支持した、3本のガイドボルト52、52とを備える。このうちの各ガイドリング51a、51b、51cはそれぞれ、樹脂により全体を円環状に形成すると共に、外周面を凸曲面状に形成している。そして、このうちの2個のガイドリング51a、51bの外周縁を、上記隙間調整板26aの後端側(図1、4、9の左側)の側縁に、1個のガイドリング51cの外周縁を、上記隙間調整板26aの前端側(図1、4、9の右側)の側縁に、それぞれ軽く接触させるか、或は微小隙間を介して近接対向させている。
又、上記各ガイドボルト52、52はそれぞれ、杆部53と、頭部54と、この頭部54に六角レンチの先端部を係合させる為の六角孔55とを備える。そして、これら各ガイドボルト52、52を構成する各杆部53、53の基端部(大径部)に上記各ガイドリング51a、51b、51cを、径方向のがたつきなく外嵌した状態で、上記各杆部53、53の先端部乃至中間部(小径の雄ねじ部)を、上記アウターコラム17aの後端部側面に開口する状態で形成したねじ孔56、56に螺合し、更に締め付けている。これにより、上記各ガイドボルト52、52を構成する各頭部54、54の内側面と、上記アウターコラム17aの後端部側面との間に、上記各ガイドリング51a、51b、51cの径方向内半部を、軸方向のがたつきなく挟持している。
そして、上記ずれ動き防止手段50は、上述の様に3個のガイドリング51a、51b、51cの外周縁により隙間調整板26aの前後方向両側縁を案内する事で、上記隙間調整板26aが上記アウターコラム17aの後端部側面に対し、遠近動する方向(図1、4、9の表裏方向、図2、3、5の左右方向、図6の上下方向)に変位する事、及び、上記チルト軸6(図10、12参照)を中心とする円周方向(図1、4、9のイ方向)に変位する事を許容すると共に、それ以外の方向に変位又は回転する事を防止している。
上述の様に、本例の電動式チルトステアリング装置の場合には、上記ずれ動き防止手段50により、上記隙間調整板26aが上記アウターコラム17aの後端部側面に対し、上記それ以外の方向に変位又は回転する事を防止している。この為、上記隙間調整板26aを結合したチルトブラケット7bを車体に取り付ける以前の状態で、このチルトブラケット7bとステアリングコラム3bとの位置関係が、使用時と異なる位置関係{例えば図9に仮想線(二点鎖線)で示す様な位置関係}にずれ動く事を防止できる。従って、上記チルトブラケット7bを車体に取り付けられなくなる等の、当該ずれ動きに基づく不具合が発生する事を防止できる。
又、本例の場合、上記ずれ動き防止手段50は、上記隙間調整板26aが上記アウターコラム17aの後端部側面に対し、遠近動する方向に変位する事を許容する。この為、上記ずれ動き防止手段50によって、前記隙間調整手段23aによる隙間調整作業が妨げられる事はない。又、上記ずれ動き防止手段50は、上記隙間調整板26aが上記アウターコラム17aの後端部側面に対し、チルト軸6(図10、12参照)を中心とする円周方向に変位する事を許容する。この為、上記ずれ動き防止手段50によって、ステアリングシャフト2aの後端部に固定したステアリングホイール1(図1〜9には図示省略。図10、14参照)の高さ位置の調節動作が妨げられる事はない。
更に、本例の場合には、上記ずれ動き防止手段50を構成する各ガイドリング51a、51b、51cを、合成樹脂により全体を円環状に形成すると共に、外周面を凸曲面状に形成している。この為、仮に、車体側の部品や本例の構造を構成する部品に寸法のばらつきが生じたり、温度変化による熱膨張が生じたりする事によって、上記隙間調整板26aの前後方向両側縁と上記各ガイドリング51a、51b、51cの外周縁とが強く接触する状態になったとしても、これら各ガイドリング51a、51b、51cの外周縁が潰れる(塑性変形する)か、或は削れる事によって、これら各ガイドリング51a、51b、51cによる上記隙間調整板26aの前後方向両側縁の案内状態を良好にできる。この為、上述の様に寸法のばらつきや温度変化による熱膨張が生じた場合でも、ステアリングシャフト2aの後端部に固定したステアリングホイール1(図1〜9には図示省略。図10、14参照)の高さ位置の調節動作が妨げられると言った不具合が発生する事を、有効に防止できる。
本発明の実施の形態の1例を示す部分側面図。 図1の左方から見た図。 一部を省略して示す、図1のA−A断面図。 チルトブラケット等を取り去った状態で示す、図1と同様の図。 図4の左方から見た図。 一部を省略して示す、図4のB−B断面図。 一部を分解した状態で示す、図4の左手前上方から見た斜視図。 隙間調整手段を組み付けたチルトブラケットの斜視図。 チルトブラケットがステアリングコラムに対し、使用時と異なる位置関係にずれ動いた状態を鎖線で示す、図1と同様の図。 手動式チルトステアリング装置の従来構造の1例を示す側面図。 図10の拡大C−C断面図。 電動式チルトステアリング装置の従来構造の1例を、一部を省略して示す側面図。 一部を省略して示す、図12の拡大D−D断面図。 一部を切断して示す、図12の右端部乃至中間部を示す図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2、2a ステアリングシャフト
3、3a、3b ステアリングコラム
4、4a コラム側ブラケット
5 車体側ブラケット
6 チルト軸
7、7a、7b チルトブラケット
8 鉛直板部
9 長孔
10 昇降ブラケット
11 側板部
12 通孔
13 チルトボルト
14 チルトレバー
15 インナーシャフト
16 アウターシャフト
17、17a アウターコラム
18 インナーコラム
19 上板部
20 下板部
21a、21b、21c、21d 側板部
22a、22b 取付板部
23、23a 隙間調整手段
24 隙間調整ねじ
25 ピン
26、26a 隙間調整板
27 ロックナット
28 圧入孔
29 六角孔
30 ねじ孔
31 係合孔
32 平面部
33 チルト用電動アクチュエータ
34 チルト用電動モータ
35 ウォーム
36 ウォームホイール
37 ねじ軸
38 ナット部材
39 ナットホルダ
40 連結軸
41 連結孔
42 テレスコ用電動アクチュエータ
43 テレスコ用電動モータ
44 ウォーム
45 ウォームホイール
46 変位軸
47 雄ねじ部
48 ねじ孔
49 結合フランジ
50 ずれ動き防止手段
51a、51b、51c ガイドリング
52 ガイドボルト
53 杆部
54 頭部
55 六角孔
56 ねじ孔
57 チルトナット
58 凸部

Claims (2)

  1. 内側にステアリングシャフトを回転自在に支持していて、車体に対し、横幅方向に配設されたチルト軸を中心とする揺動可能に支持されるステアリングコラムと、上記車体に取り付けた状態で、上記ステアリングコラムの軸方向中間部を、上記チルト軸を中心とするこのステアリングコラムの揺動位置を調節可能に支持するチルトブラケットと、電動モータの駆動に伴い、上記ステアリングコラムを上記チルト軸を中心として揺動させる電動アクチュエータとを備えた電動式チルトステアリング装置に於いて、
    上記チルトブラケットに結合した隙間調整手段と、この隙間調整手段と上記ステアリングコラムとの間に設けたずれ動き防止手段とを備えており、
    上記チルトブラケットは、上記ステアリングコラムの軸方向中間部を横幅方向両側から緩く挟む状態で配置した1対の側板部を備えるものであって、上記車体に取り付ける以前の状態で、上記ステアリングコラムの軸方向中間部に対し、使用時と同じ位置関係で組み付けられており、
    上記隙間調整手段は、上記チルトブラケットと上記ステアリングコラムとの間に存在する、これらチルトブラケットとステアリングコラムとの間で横幅方向のがたつきを生じさせる隙間の大きさを調整可能なものであって、上記両側板部のうちの一方の側板部に螺合した隙間調整ねじと、この一方の側板部と上記ステアリングコラムの軸方向中間部との間に配置した状態で、上記隙間調整ねじを両方向に回転させる事に基づき、上記ステアリングコラムの軸方向中間部に対し遠近動する隙間調整部材とを備え、且つ、この隙間調整部材の前後方向両側縁の形状を、それぞれ上記チルト軸を中心とする円弧形状としており、
    上記ずれ動き防止手段は、上記チルトブラケットを上記車体に取り付ける以前の状態でこのチルトブラケットと上記ステアリングコラムとの位置関係が使用時と異なる位置関係にずれ動く事を防止するものであって、上記隙間調整部材が上記ステアリングコラムの中間部に対し、遠近動する方向に変位する事、及び、上記チルト軸を中心とする円周方向に変位する事を許容すると共に、それ以外の方向に変位又は回転する事を防止するものであり、上記隙間調整部材の前後方向両側縁をそれぞれの外周縁により案内する状態で配置された複数のガイドリングと、これら各ガイドリングを上記ステアリングコラムに対して結合する、これら各ガイドリングと同数のガイドボルトとを備えている
    事を特徴とする電動式チルトステアリング装置。
  2. 各ガイドリングはそれぞれ、合成樹脂により全体を円環状に形成すると共に、外周面を凸曲面状に形成したものである、請求項1に記載した電動式チルトステアリング装置。
JP2008290501A 2008-11-13 2008-11-13 電動式チルトステアリング装置 Active JP5176888B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008290501A JP5176888B2 (ja) 2008-11-13 2008-11-13 電動式チルトステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008290501A JP5176888B2 (ja) 2008-11-13 2008-11-13 電動式チルトステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010116042A JP2010116042A (ja) 2010-05-27
JP5176888B2 true JP5176888B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=42303975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008290501A Active JP5176888B2 (ja) 2008-11-13 2008-11-13 電動式チルトステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5176888B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5655983B2 (ja) 2012-05-25 2015-01-21 日本精工株式会社 電動ステアリングホイールの位置調節装置
WO2019142378A1 (ja) 2018-01-19 2019-07-25 日本精工株式会社 ナット、送りねじ機構およびステアリングホイールの電動位置調節装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5055873B2 (ja) * 2006-02-09 2012-10-24 日本精工株式会社 ステアリング装置
JP5076383B2 (ja) * 2006-07-13 2012-11-21 日本精工株式会社 ステアリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010116042A (ja) 2010-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5528868B2 (ja) ステアリング装置
EP2431257B1 (en) Steering device
US8657339B2 (en) Steering apparatus
JP2009120187A (ja) 車両用操向コラムのテレスコピック及びチルト装置
JP2007168708A (ja) 車両用ステアリング装置
JP2008114766A (ja) チルト式ステアリング装置
JP2009196582A (ja) ステアリング装置
WO2012049920A1 (ja) 自動車用ステアリング装置
JP2007083936A (ja) 車両用ステアリング装置
JP5176888B2 (ja) 電動式チルトステアリング装置
JP2009113726A (ja) ステアリング装置
JP6288385B2 (ja) ステアリングホイールの位置調節装置
EP2662265B1 (en) Steering device
JP2008126750A (ja) ステアリング装置
JP2014015120A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2017154558A (ja) ステアリング装置
JP5233246B2 (ja) 電動テレスコ調整式ステアリング装置
JP2007168625A (ja) ステアリング装置
JP2009090737A (ja) ステアリングコラム装置
JP2009149228A (ja) ステアリング装置
JP2015171856A (ja) ステアリング装置
JP2013147250A (ja) ステアリング装置
JP5970991B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5970989B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5966700B2 (ja) 電動パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110408

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5176888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250