JP5176457B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載のプロジェクタは、略L字状に形成されたヘッド体を備え、当該ヘッド体の水平部分に、各液晶パネルとプリズムとを組み合わせたプリズムユニットが載置され、垂直部分に投射光学装置である投射レンズが取り付けられる。このような構成により、液晶パネル及びプリズムと、投射光学装置とを一体的に組み付けることができ、互いの位置ずれを抑制することができる。なお、このようなヘッド体は、筐体を形成するロアーケースに固定される。
本発明によれば、筐体に取り付けられるダクトにより、投射光学装置は支持される。これによれば、筐体に外部から衝撃が加わった場合でも、ダクトが衝撃を吸収するので、投射光学装置における衝撃の影響を緩和することができる。従って、筐体に衝撃が加わった場合でも、投射光学装置の位置ずれ等を抑制することができる。
これに対し、本発明では、投射光学装置と筐体との間にダクトを配置し、当該ダクトにより投射光学装置が支持される構成としたことにより、投射光学装置と筐体との間の空間を有効利用することができる。従って、プロジェクタの小型化を図ることができるとともに、ダクト内空間を確保することができるので、冷却対象の冷却を効率よく行うことができる。
本発明によれば、投射光学装置の重心近傍をダクトの支持部が支持することにより、筐体の外部からの衝撃による投射光学装置の位置ずれを一層抑制することができる。従って、形成された画像光を適切に投射することができ、投射品質の劣化を抑制することができる。
ここで、取付部と支持部とが同軸上にないとは、ダクトを一方向から見た際に、当該取付部と支持部とが重ならないことを示す。
本発明によれば、筐体に対して外部から衝撃が加わった場合に、当該衝撃が投射光学装置に伝わることを一層抑制することができる。すなわち、筐体に加わった衝撃に係る振動は、取付部を介してダクトに伝導される。この際、取付部と支持部とが同軸上にある場合には、取付部に伝わった振動が支持部に直接伝わり、ひいては、当該振動が投射光学装置に伝導されてしまうため、ダクトの緩衝効果が薄れてしまう。
これに対し、本発明では、ダクトにおける支持部と取付部とが同軸上にないので、取付部を介して伝導された振動は、ダクトに伝わった後に支持部を介して投射光学装置に伝導されることとなる。このため、振動の伝達距離を長くすることができるので、投射光学装置に伝導される振動を小さくすることができる。従って、筐体に加わった衝撃の投射光学装置に対する影響を一層確実に緩和することができる。
本発明によれば、ダクトが投射光学装置の鏡筒の外形に沿った形状、すなわち、鏡筒の筐体側の面を覆う形状を有している。このような構成のダクトが、投射光学装置と筐体との間に介装されることにより、当該ダクト内の空間を大きく形成することができる。従って、筐体に形成された吸気口から効率よく筐体外の空気を導入することができるので、効率よく冷却することができる。また、ダクトを鏡筒の外形に沿った形状とすることにより、衝撃を緩和することができる。
本発明では、前記吸気口を介して前記ダクト内に導入された空気を吐出する一対のシロッコファンを備え、前記一対のシロッコファンは、それぞれの吐出口における外周側の領域が隣り合い、かつ、それぞれの吸気口が前記ダクト内の中空となる空間を向くように、当該ダクトに取り付けられていることが好ましい。
この場合、前記筐体の内面には、前記一対のシロッコファンを支持する支持部が設けられていることが好ましい。
〔プロジェクタの外観構成〕
図1及び図2は、本実施形態に係るプロジェクタ1を正面側から見た斜視図である。詳述すると、図1及び図2は、それぞれプロジェクタ1の正面に向かって左側上方及び右側上方から見た斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクタ1は、外部機器等から入力する画像情報に応じた画像光を形成し、当該画像光をスクリーン等の投射面上に投射するものである。このプロジェクタ1は、図1及び図2に示すように、外装筐体2と、当該外装筐体2内に収納される装置本体3(図3参照)とを備えている。
外装筐体2は、全体略直方体形状を有する合成樹脂製の筐体である。この外装筐体2は、当該外装筐体2の上部を形成するアッパーケース21、下部を形成するロアーケース22、及び、正面部(後述する投射光学装置45により画像光を投射する側の部分)を形成するフロントケース23とから構成されている。
このうち、ロアーケース22の底面には、詳しい図示を省略するが、設置面にプロジェクタ1を設置するための脚部が突設されている。
上面部211の略中央には、複数の開口2111が形成されており、当該開口2111を介して、プロジェクタ1を操作するための操作パネル上に配設された複数のキー2112が露出する。このようなキー2112として、プロジェクタ1の電源をオン/オフする電源キーや、台形歪み等の調整並びにメニュー画面の項目選択等に用いられる方向キー及び決定キー等が配設されている。
更に、上面部211における背面側には、後述する光源装置411を交換するための略矩形の開口2115が形成され、当該開口2115は、カバー2116により覆われている。
また、側面部213とは反対側に形成された側面部212には、図2に示すように、外装筐体2内部の空気を外部に排出するスリット状の第一の排気口2121と、略矩形状の切欠2122とが形成されている。
このうち、切欠2122には、アッパーケース21とロアーケース22とが組み合わされた際に、ロアーケース22に形成された排気部221が嵌め合わされる。なお、この排気部221にはスリット状の第二の排気口222が形成されており、当該第二の排気口222を介して、内部に設けられたファン66(図3参照)により、外装筐体2内の空気が排出される。
また、フロントケース23の略中央上側には、アッパーケース21と組み合わさって形成される略矩形の開口232が形成されている。この開口232の内部には、図示を省略したが、リモコン(図示省略)からの赤外線信号を受光する受光部が設けられており、当該開口232は、カバー233によって覆われている。
図3は、装置本体3を示す斜視図である。換言すると、図3は、図2の状態からアッパーケース21及びフロントケース23を取り外した状態のプロジェクタ1を示す斜視図である。
装置本体3は、外部機器等から入力した画像情報を処理し、当該画像情報に応じた画像光を形成投射するものであり、ロアーケース22に固定されている。この装置本体3は、図3に示すように、光学装置4、電源装置5、制御装置(図示省略)及び冷却装置6を備えている。
光学装置4は、前述の制御装置から入力する画像信号に応じた画像光を形成し、当該画像光を投射面上に投射する。この光学装置4は、外装筐体2の背面(背面部214)に沿って延出するとともに、当該外装筐体2の側面(側面部213)に沿って延出する平面視略L字形状を有している。
このような光学装置4は、図4に示すように、照明光学装置41と、色分離光学装置42と、リレー光学装置43と、電気光学装置44と、投射光学装置45と、これらを収納配置する光学部品用筐体46とを備えて構成されている。
光源装置411は、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、当該光源ランプ416から射出された放射光を反射して所定位置に収束させるリフレクタ417と、リフレクタ417にて収束される光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化凹レンズ418とを備えている。このような光源ランプ416としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ及び高圧水銀ランプ等を利用することができる。また、リフレクタ417としては、回転楕円面を有する楕円面リフレクタで構成することができるほか、回転放物面を有する放物面リフレクタで構成することも可能である。この場合には、平行化凹レンズ418を省略することができる。
第二レンズアレイ413は、光路後段に位置する重畳レンズ415とともに、第一レンズアレイ412の各小レンズから射出された像を、電気光学装置44の後述する液晶パネル441の画像形成領域に結像させる。
偏光変換素子414は、第二レンズアレイ413から入射した各部分光束を、略1種類の直線偏光光に変換する。
3つの液晶パネル441は、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、入力される画像情報に応じて液晶の配向状態が制御されることで、入射側偏光板442から射出された偏光光の偏光方向を変調する。
3つの射出側偏光板443は、液晶パネル441を介して射出された光束のうち、一定方向の偏光光(例えば、入射側偏光板442における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束)を透過し、その他の光を吸収する。
投射光学装置45は、電気光学装置44で形成された画像光を拡大投射する。この投射光学装置45は、図4及び図5に示すように、複数のレンズ(例えば、投射方向先端側に位置するフレネルレンズ451等)と、当該複数のレンズを内部に収納する鏡筒452とを備えた組レンズとして構成されており、本実施形態では、従来のプロジェクタに比べて投射面までの距離が短くても、従来のプロジェクタと同等の投射範囲を実現可能に構成されている。
また、鏡筒452は、当該鏡筒452を光学部品用筐体46に固定するためのフランジ部454を備えている。このフランジ部454は、詳しい図示を省略したが、鏡筒452の軸方向に対して直交し、かつ、光学部品用筐体46を構成する後述するヘッド体463に当接される当接面を有し、当該当接面の四隅には、当該ヘッド体463にフランジ部454を固定するためのねじが螺合するねじ孔が形成されている。
このうち、部品収納部材461は、光源装置411を除いた光学部品を収納する本体部4611と、当該本体部4611の一方の端部に形成され、かつ、光源装置411を収納する光源収納部4612とを備えている。
このうち、レンズ取付部4631は、詳しい図示を省略したが、投射光学装置45のフランジ部454が当接する当接面と、当該当接面の四隅に形成された孔部とを有している。そして、当該当接面とフランジ部454とを当接させ、かつ、投射光学装置45の軸方向に沿って孔部を挿通したねじをフランジ部454のねじ孔に螺合させることにより、ヘッド体463に投射光学装置45が取り付けられる。
図6は、第一冷却系を構成するダクト61、ファン62,63、取付部材64及び導風部223を示す斜視図である。
第一冷却系は、図6に示すように、ダクト61、ファン62,63及び取付部材64と、ロアーケース22に形成された導風部223とを備え、前述のように、主に光学装置4を冷却する。具体的に、第一冷却系では、ファン62,63の駆動により、アッパーケース21の吸気口2131を介して外装筐体2外から導入された空気が電気光学装置44及び偏光変換素子414に送出されることで、これらが冷却される。
このような第一冷却系を構成するダクト61は、投射光学装置45の鏡筒452におけるロアーケース22側を覆うように形成され、当該ロアーケース22に取り付けられるとともに、投射光学装置45を含むヘッド体463を支持する。このダクト61は、図7〜図9に示すように、一対の側部611,612と、当該側部611,612を接続する接続部613とを有する縦断面視略U字状を有し、内部が中空に形成されている。また、ダクト61は、一対の側部611,612を結ぶ直線に対して直交する方向に接続部613の端部から延出する延出部614を有している。このようなダクト61は、接続部613の底面613Bがロアーケース22側を向くように配置される。
接続部613は、側部611内に流入した空気が側部612側に流通できる程度の高さ寸法を有している。ダクト61の底面側には、開口6131が形成されており、当該開口6131は、ダクト61に2つのシロッコファン62,63を取り付けるための取付部材64により覆われる。
ここで、シロッコファン62,63の各吐出口621,631は、ロアーケース22の内面に設けられた導風部223に接続される。
この導風部223は、図10に示すように、ロアーケース22において、前述の電気光学装置44の配置位置に応じて形成されており、ダクト61の延出部614と組み合わさることにより、各シロッコファン62,63から吐出された空気を3分割する。具体的に、導風部223は、ロアーケース22の内面から起立する複数の起立部223Aにより形成され、かつ、各シロッコファン62,63から吐出された空気を分割する3つの分割部2231〜2233を有している。
起立部614Rの下方には、分割部2232により分割された空気が流通する。そして、当該空気は、起立部614Rに形成された開口614R1を介して、当該起立部614Rの上方に位置する液晶パネル441R及び偏光板442,443に送風される。
このような構成により、外装筐体2の吸気口2131から導入された空気は、ダクト61を介してシロッコファン62,63により吸引され、液晶パネル441、偏光板442,443及び偏光変換素子414に送出され、これらを冷却する。
具体的に、取付部615は、図9に示すように、平面視略矩形状の接続部613における四隅近傍に形成された4つの孔部であり、取付部615を挿通したねじがロアーケース22に形成されたねじ孔(図示省略)に螺合することにより、ダクト61がロアーケース22に取り付けられる。
支持部616は、側部611,612の接続部613側の位置(中央寄りの位置)に、それぞれ形成された2つのねじ孔である。このような支持部616は、ヘッド体463の固定部4632に対応する位置に形成されており、支持部616には、当該固定部4632を挿通したねじが螺合する。これにより、図11に示すように、ダクト61が、投射光学装置45の重心B近傍にて、当該投射光学装置45を含むヘッド体463を支持する。
投射光学装置45は、ヘッド体463に固定され、当該ヘッド体463は、外装筐体2ではなく、当該外装筐体2(ロアーケース22)に取り付けられたダクト61により支持される。これによれば、外装筐体2に外部から衝撃が加わった場合でも、ダクト61が当該衝撃を吸収することができる。従って、外部からの衝撃のヘッド体463に対する影響を緩和することができ、当該衝撃による投射光学装置45の位置ずれを抑制することができる。また、ダクト61は中空であるため、より衝撃を吸収しやすい構造となっている。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、ダクト61は、投射光学装置45を保持したヘッド体463を支持し、これにより、投射光学装置45を支持するとしたが、本発明はこれに限らず、ダクト61が投射光学装置45を直接支持する構成としてもよい。このような場合、投射光学装置45の鏡筒452に、固定部4632と同様の固定部を設け、当該固定部とダクト61の支持部616とにより、ダクト61が投射光学装置45を支持するようにすればよい。
例えば、取付部としてダクト61に凸部又は凹部を形成し、ロアーケース22に凹部又は凸部を形成し、これらを組み合わせた後、接着剤等によりそれぞれを固定することで、ロアーケース22にダクト61を取り付ける構成としてもよい。また、同様に、支持部としてダクト61に凸部又は凹部を形成し、ヘッド体463に凹部又は凸部を形成し、これらを組み合わせた後、接着剤等によりそれぞれを固定することで、ダクト61がヘッド体463を支持する構成としてもよい。更に、接続部613における鏡筒452に対向する面に、当該鏡筒452を支持する弾性体等の突起を設けることで、ダクト61が投射光学装置45を支持する構成としてもよい。すなわち、取付部及び支持部の構成は問わない。
また、前記実施形態では、光学装置4は平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
更に、前記実施形態では、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネル441を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
Claims (6)
- 光源、当該光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置、及び、変調された前記光束を投射する投射光学装置を有する光学装置と、
当該光学装置を内部に収納し、外部の空気を内部に導入する吸気口を有する筐体と、
前記吸気口と接続され、内部に中空の空間が形成されたダクトと、を備えたプロジェクタであって、
前記ダクトは、互いに対向する一対の側部と、前記一対の側部を接続する接続部とを有し、
前記中空の空間は、少なくとも前記一対の側部及び前記接続部により形成され、
前記一対の側部は、前記投射光学装置を支持する支持部を有し、
前記接続部は、前記ダクトを前記筐体に取り付ける取付部を有することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記支持部は、前記投射光学装置の重心近傍を支持することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1又は請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記取付部と前記支持部とは、同軸上にないことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記投射光学装置は、
少なくとも1つのレンズと、当該レンズを内部に収納する鏡筒とを備え、
前記ダクトは、前記鏡筒の外形に沿った形状を有していることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載にプロジェクタにおいて、
前記吸気口を介して前記ダクト内に導入された空気を吐出する一対のシロッコファンを備え、
前記一対のシロッコファンは、それぞれの吐出口における外周側の領域が隣り合い、かつ、それぞれの吸気口が前記ダクト内の中空となる空間を向くように、当該ダクトに取り付けられていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
前記筐体の内面には、前記一対のシロッコファンを支持する支持部が設けられていることを特徴とするプロジェクタ。
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