JP5173445B2 - シャシーダイナモメータ - Google Patents

Description

本発明は、自動車の各種試験に用いられるシャシーダイナモメータに関するものである。

自動車の各種試験に用いられるシャシーダイナモメータとしては、アウタロータ式のダイナモと、中空円筒上のローラとを、ローラの中空部分内にダイナモが位置するように同軸状に配置し、ローラとダイナモのアウタロータとを６分力測定器を兼ねるトルク伝達部材で連結し、６分力測定器を用いて自動車の車輪とローラ間で作用する力の計測を行うシャシーダイナモメータが知られている（たとえば、特許文献１）。
特開2007-40835号公報

前記特許文献１記載の技術によれば、シャシーダイナモメータを小型化することができるが、ローラとダイナモのアウタロータとを６分力測定器で連結するので、比較的大型の６分力測定器が必要となり、また、シャシーダイナモメータの回転系の構造が複雑化する。そして、これらのことより、精度良くシャシーダイナモメータを製作することが比較的困難となる。

そこで、本発明は、小型かつ構造が簡易なシャシーダイナモメータを提供することを課題とする。

前記課題達成のために、本発明は、シャシーダイナモメータを、ステータと、前記ステータに対して回転する、車両の車輪が載置されるローラを兼ねるアウタロータとより構成されるモータと、前記ステータの軸を軸支する軸支部と、一端が固定され、他端が前記ステータの軸に連結された軸トルク計とより構成したものである。

このようなシャシーダイナモメータによれば、回転系を、ステータとアウタロータとより構成されるモータのみで構成することができる。また、大型の６分力測定器などを用いることなく、ステータの軸トルクより自動車の車輪とローラ間で作用する力の計測を行うことができるようになる。

以上のように、本発明によれば、小型かつ構造が簡易なシャシーダイナモメータを提供することができる。

以下、本発明の一実施形態について説明する。
図１ａ、ｂに、本実施形態に係るシャシーダイナモメータの適用例を模式的に示す。
図１ａは、自動二輪車の試験にシャシーダイナモメータを適用した場合を示しており、図１ｂは、四輪駆動車の試験にシャシーダイナモメータを適用した場合を示している。
図示するように、シャシーダイナモメータは、被試験車両２の駆動輪毎に一つずつ設けられたダイナモメータ１を備え、各ダイナモメータ１は、被試験車両２の走行面となるピット１００の上面に設けた開口に、ローラ１１の天頂部が露出するようにピット１００内に配置される。
そして、このようなシャシーダイナモメータを用いた被試験車両２の試験は、被試験車両２の各駆動輪を各ダイナモメータ１のローラ１１の天頂部に載置した状態で、固定装置１１０を用いて被試験車両２を固定し、ローラ１１を回転しながら、被試験車両２の駆動輪とローラ１１の周面間で作用する力を計測することにより行われる。

次に、本実施形態に係るダイナモメータ１の構造を図に示す。
ここで、図２ａはダイナモメータ１を上面から見た様子を、図２ｂはダイナモメータ１を前面から見た様子を、図２ｃは図２ａの切断線ＡＡによる切断面で見たダイナモメータ１の内部構造を模式的に表した図である。
図示するように、本実施形態に係るシャシーダイナメータは、軸受柱１２によってベアリング１２１を介してシャフトが回動可能に支持されたローラ１１と、軸受柱１３によってベアリング１３１を介してシャフトが回動可能に支持されたステータ１４とを有し、ステータ１４はローラ１１の内部にローラ１１と同軸入れ子状に配置されている。

そして、ステータ１４の外周側にはモータコイル１４１が巻き回されており、ローラ１１の内壁側には永久磁石１１１が設置されており、このような構造によってステータ１４とローラ１１は、ローラ１１をアウタロータとするモータとして機能し、モータコイル１４１を駆動することにより、ローラ１１に回転方向のトルクを作用させることができる。

一方、ステータ１４のシャフトは、固定柱１５に軸トルク計１６を介して連結されており、ローラ１１に被試験車両２の駆動輪によって加えられた力に応じた、軸トルクが軸トルク計１６で検出される。
なお、軸トルク計１６は、たとえば歪みゲージであり、固定柱１５とステータ１４のシャフトとの間に働く軸トルクを、たとえば、シャフトのねじれ方向の歪み量より検出する。
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、図２に示したダイナモメータ１では、ステータ１４の外周側にモータコイル１４１を巻き回し、ローラ１１の内壁側に永久磁石１１１を設置したが、これは、ローラ１１の慣性質量を充分に小さくできる場合には、ステータ１４の外周側に永久磁石１１１を設置し、ローラ１１の内壁側にモータコイルを巻き回すように構成することもできる。

また、図２に示したダイナモメータ１では、ステータ１４とアウタロータを兼ねるローラ１１をそれぞれ、軸方向について片側だけで回動可能に支持したが、これは、図３ａ、ｂに示すように、軸方向について両側で軸受柱１７によって回動可能に支持するようにしてもよい。また、図３ｃ、ｄに示すように、軸トルク計１６を、ステータ１４の両側に設けるようにしてもよい。なお、図３ｂ、ｄに示す構造によれば、ステータ１４のベアリングロスと、アウタロータを兼ねるローラ１１のベアリングロスとの影響をおおよそ相殺することができる。

本発明の実施形態に係るシャシーダイナモメータの適用例を示す図である。 本発明の実施形態に係る本発明の実施形態に係るダイナモメータの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るダイナモメータの他の構成例を示す図である。

符号の説明

１…ダイナモメータ、２…被試験車両、１１…ローラ、１４…ステータ、１６…軸トルク計、１００…ピット、１１１…永久磁石、１４１…モータコイル。

Claims (1)

1. 基体と、
   ステータと、前記ステータに対して回転する、車両の車輪が載置されるローラを兼ねるアウタロータとより構成される、前記基体上方に配置されたモータと、
   前記基体上に固定された固定柱と、
   前記ステータの軸を軸支する、前記固定柱に固定された第１軸支部と、
   前記アウタロータの軸を軸支する、前記固定柱に固定された第２軸支部と、
   一端が固定され、他端が前記ステータの軸に連結された軸トルク計とを有し、
   前記第２軸支部は、前記ステータの軸によって支持されておらず、前記固定柱を介して前記基体によって支持されていることを特徴とするシャシーダイナモメータ。