JP5170885B2 - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物(GaN)系化合物半導体による電界効果トランジスタ及びその製造方法に関し、特に、そのゲート電極及びソース電極間及び/又はゲート電極及びドレイン電極間に保護ダイオードを内蔵させた電界効果トランジスタとその製造方法に関する。
GaN,InGaN,AlGaN,AlInGaN等のGaN系化合物半導体は、SiやGaAs系の半導体材料に比べてバンドギャップエネルギーが大きく、この半導体材料を用いた電子デバイスは、耐熱温度が高く且つ高温動作に優れていることから、近年は、GaN系半導体を用いたFET等の電子デバイスは、高電圧大電流を制御する電力用デバイスとして利用されるようになってきている。
窒化物系(GaN)化合物半導体を用いたFET(電界効果トランジスタ)は、シリコンやサファイア等の基板の上に、GaNから成るバッファ層を含む下部半導体層が形成され、その上にアンドープGaNからなる電子走行層と当該電子走行層に比べて薄いアンドープAlaGa1-aN(0<a<1)からなる電子供給層とから成る半導体動作層が形成されたヘテロ接合構造を有する。そして、このヘテロ接合構造体の半導体動作層上にトランジスタ形成領域が区画され、当該領域にソース電極、ゲート電極、ドレイン電極が配置されるのである。
電力用トランジスタ(パワートランジスタ)は、一般的に、変圧器か変成器(コイル)等のインダクタンス系負荷を駆動することから特にオン状態からオフ状態になる時に負荷側から大きなキックバック電圧(逆起電力)が電極間に印加されたり、静電気等により電極間に定格値以上の大きな電圧が印加されることとなる。電極間に定格以上の電圧が印加されるとトランジスタ内部では所謂アヴァランシェ崩壊が発生し素子は破壊する。このような事態を防止するために、多くのシリコン系半導体のバイポーラ型やMOS型のパワートランジスタでは電極間に素子の降伏電圧以上の電圧が印加された場合にトランジスタを破壊から保護するために保護ダイオードを電極間に並列接続してこれを保護することが行われてきた。
そして、シリコン系半導体においては、半導体内に比較的簡単にPN接合を形成することができることから、保護ダイオードを外付けするのではなくトランジスタの形成時に半導体素子に内蔵させることが従来から行われてきた。
一方、炭化珪素接合型のパワートランジスタにおいても、図14に示すように、静電気、サージエネルギ等からトランジスタを保護するために、保護用ダイオードを素子形成時に内蔵させるべく、SiC−JFET2と、このSiC−JFET2を保護するための保護用ダイオード4,6,8とを同一チップ上に形成し、第1及び第2のツェナーダイオード群4,6によって、SiC−JFET2にかかるサージ電圧をクランプしたり、サージエネルギを放出させることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−68759号公報
しかし、特許文献1に記載の炭素珪素接合型のパワートランジスタにおいては、トランジスタを形成するセルの外周にトランジスタの形成領域とほぼ領域を必要とするダイオード形成領域を設け、トランジスタを形成した後にダイオードを形成し、その後トランジスタの電極とダイオードの電極を素子上でワイヤリング接続する工程を必要としていた。
一方、窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体による電界効果トランジスタにおいては、半導体動作層の上にダイオードを形成することが難しかったことから、従来は、GaN系化合物半導体によるパワートランジスタに保護用ダイオードを外付けして使用するようにしており、保護ダイオードを内蔵する従来のシリコン系半導体のバイポーラ型やMOS型のパワートランジスタと比較して使用勝手が悪かったのである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、GaN系化合物半導体による電界効果トランジスタにおいて、ゲート電極及びソース電極間及び/又はゲート電極及びドレイン電極間に、外部負荷からの逆起電力等のサージ電圧や静電気からトランジスタを有効に保護するためのダイオードを内蔵させた電力制御用の電界効果トランジスタとその製造方法を提供することを目的とする。
このため、本発明は、基板上に少なくともバッファ層を含む下部半導体層と、当該下部半導体層上に形成された半導体動作層と、当該半導体動作層の上に形成されたソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を有する窒化ガリウム系化合物半導体からなる電界効果トランジスタにおいて、前記ゲート電極及び前記ソース電極間と、前記ゲート電極及び前記ドレイン電極間と、の何れか一方又は両方に並列接続されるダイオードが、前記電極間であって前記半導体動作層表面から前記半導体動作層と前記下部半導体層との界面近傍に至る溝により形成されたことを特徴とする電界効果トランジスタを提供するものである。
ここで、前記半導体動作層は、電子走行層と、前記電子走行層よりもバンドギャップエネルギーの大きい材料からなる電子供給層と、からなり、具体的には、前記電子走行層はアンドープのGaNであり、前記電子供給層はn型のAlGaNである。
そして、前記溝の幅により前記双方向ダイオードの降伏電圧を調整するが、前記双方向ダイオードの降伏電圧は、前記溝の幅を所定値に設定することにより前記電界効果トランジスタの降伏電圧よりも低く設定するのである。これにより、トランジスタの定格電圧に対応した降伏電圧を保護用ダイオードに持たせるのである。
本発明は、さらに、基板上に少なくともバッファ層を含む下部半導体層と、電子走行層及び電子供給層により形成された半導体動作層と、を有する窒化ガリウム系化合物半導体の上に形成されたソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を有する電界効果トランジスタの製造方法であって、(a)前記基板上に前記下部半導体層を形成するステップと、(b)前記半導体動作層を形成するステップと、(c)前記半導体動作層上に、ソース電極、ゲート電極及びドレイン電極を形成するステップと、(d)ダイオード形成領域を設け、当該ダイオード形成領域において前記半導体動作層から前記下部半導体層に至る溝を、前記ゲート電極と前記ソース電極間及び/又は前記ゲート電極と前記ドレイン電極間に形成するステップと、の各ステップを含み、以って、前記ゲート電極及び前記ソース電極間と、前記ゲート電極及び前記ドレイン電極間と、の何れか一方又は両方にダイオードを形成することを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法を提供するものである。
ここで、前記ステップ(a)は、(a−1)Si基板の上にAlN層を形成するステップと、(a−2)前記AlN層の上にGaN/AlN複合層を積層したバッファ層を形成するステップと、(a−3)前記バッファ層の上にp型のGaNによる下部半導体層を形成するステップと、の各サブステップを含む。そして、前記ステップ(d)は、(d−1)前記電子走行層の上にマスク層を形成するステップと、(d−2)前記ゲート電極及び前記ソース電極間に及び/又は前記ゲート電極及び前記ドレイン電極間に形成する溝の形成領域に対応する前記マスク層を取り除くステップと、(d−3)前記溝の形成領域をエッチングにより取り除くステップと、の各ステップを含むのである。
このように、本発明に係る窒化ガリウム系化合物半導体からなる電界効果トランジスタ(以下、適宜「本FET」という)においては、ゲート電極及びソース電極間と、ゲート電極及びドレイン電極間と、の何れか一方又は両方に並列接続されるダイオードが、前記電極間であって半導体動作層から下部半導体層に至る溝により形成され、このダイオードは、溝の幅に対応して調整可能なリーク電流を利用している。これによって、本FETにおいては、電界効果トランジスタの定格電圧値以下で当該溝間にリーク電流が流れるように設定させることにより、外部負荷からの逆起電力等のサージ電圧や静電気からトランジスタを有効に保護するためのダイオードを、GaN系化合物半導体による電界効果トランジスタデバイスに内蔵させることができたのである。
以下、本発明に係る保護ダイオードを内蔵したFETについて、図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本FET11の構成を説明するものであり、図1(a)は、上面側から見た本FETの構成を説明するための図であり、図1(b)は、本FET11の等価回路を示す。
図1(a)に示すように、本発明に係る保護ダイオードを内蔵するFET11は、GaN系の半導体動作層105の上にドレイン電極12、ソース電極13及びゲート電極が形成されるトランジスタ領域(1)と、これに隣接するダイオード領域(2)を有する。そして、少なくともダイオード領域(2)において、半導体動作層105からその下の下部半導体層104(図2及び3参照)に至る溝15がゲート電極14とソース電極13間、ゲート電極14とドレイン電極12間の何れか一方又は両方に形成され、これにより電極間(14−13間、14−12間の何れか一方又は両方)に並列接続されるダイオードD1、D2、D3及びD4を生じさせるのである。なお、半導体動作層105は、電子走行層と、該電子走行層上に形成された電子供給層とからなり、下部半導体層104は、少なくともバッファ層を含むものである。また、溝15は、少なくとも半導体動作層105の表面から、電子走行層と下部半導体層104とが接触する界面まで達するものであればよく、また該界面から下部半導体層104側に入り込んだ領域まで達するものであってもよい。
そして、図1(b)に示すように、ゲート電極14とソース電極13間に並列接続されたダイオードD1およびD2と、ゲート電極14とドレイン電極12間に並列接続されたダイオードD3およびD4とは、半導体動作層105と下部半導体層104のバッファ層間に流れるリーク電流によって生じる双方向ダイオードを形成するのである。
そして、図4及び図5において説明するように、電極12、13、14間をアイソレーションする溝15は、その電流方向の幅により双方向ダイオードD1、D2、D3及びD4の降伏電圧を調整できるので、溝15の幅の調整により本FET11の定格電圧に対応してその降伏電圧よりも低く設定するのである。
図2は、本FETの図1(a)におけるダイオード領域(図1(a)に示す()の領域)のB−B’断面を示すものであり、種々の溝形成の例を示すものである。
図2(a)に示す第1の実施例は、ゲート電極14とドレイン電極12間のみに溝15が設けられ、図1(b)に示す等価回路においてD3及びD4のダイオードが形成されることとなる。図2(a)において、ゲート電極14とドレイン電極12間において、半導体動作層105からその下の下部半導体層104(図2及び3参照)に至る溝15が形成され、これによりゲート電極14とドレイン電極12間に並列接続されるダイオードD3及びD4が形成されるのである。
図2(b)に示す第2の実施例は、ゲート電極14とソース電極13間のみに溝15が設けられ、図1(b)に示す等価回路においてD1及びD2のダイオードが形成されることとなる。図2(b)において、ゲート電極14とソース電極13間において、半導体動作層105からその下の下部半導体層104(図2及び3参照)に至る溝15が形成され、これによりゲート電極14とソース電極13間に並列接続されるダイオードD1及びD2が形成されるのである。
図2(c)に示す第3の実施例は、ゲート電極14とドレイン電極12間と、ゲート電極14とソース電極13間の両方の電極間に溝15が設けられ、図1(b)と同じ等価回路となる。図2(c)において、ゲート電極14とソース電極13間、ゲート電極14とドレイン電極12間の両方において、半導体動作層105からその下の下部半導体層104(図2及び3参照)に至る溝15が形成され、これによりゲート電極14とドレイン電極12間、そしてゲート電極14とソース電極13間にそれぞれ並列接続されるダイオードD1、D2、D3及びD4が形成されるのである。
図3は、本FETの図1(a)のダイオード領域(2)におけるB−B’断面を示し、種々の溝形成の他の例を示すものである。図3(a)は、ゲート電極部の領域に溝を掘り込んだ形態の例を、図3(b)は、ソース電極部及びドレイン電極部の領域に溝を掘り込んだ形態の例を、そして、図3(c)は、ソース電極部、ドレイン電極部及びゲート電極部の全電極領域部に溝を掘り込んだ形態の例を、それぞれ示す。
図3(a)に示すダイオード領域(図1(a)に示す(2)の領域)における第1の溝形成の例では、ゲート電極14の形成領域全体において、半導体動作層105からその下の下部半導体層104(図2及び3参照)に至る溝15が形成され、当該溝15の上にゲート電極14が形成される。
図3(b)に示すダイオード領域(図1(a)に示す(2)の領域)における第2の溝形成の例では、ドレイン電極12の形成領域及びソース電極13の形成領域において、半導体動作層105からその下の下部半導体層104(図2及び3参照)に至る溝15が形成され、当該溝15の上にドレイン電極12とソース電極13が形成される。
図3(c)に示すダイオード領域(図1(a)に示す(2)の領域)における第3の溝形成の例では、ドレイン電極12、ソース電極13及びゲート電極12の全電極の形成領域において、半導体動作層105からその下の下部半導体層104(図2及び3参照)に至る溝15が形成され、当該溝15の上にドレイン電極12、ソース電極13及びゲート電極14が形成される。
図4は、ダイオード領域部に設けられた電極間距離(溝の幅)と降伏電圧との関係を示すものである。
保護ダイオードを内蔵した本FETにおいては、上述したように、トランジスタ領域(1)に隣接するダイオード領域(図1の(2)に示す領域)において、半導体動作層とその下の下部半導体層を構成するバッファ層間に流れるリーク電流によって生じる電極間の溝の幅により、実質的な双方向ダイオード(図1(b)のD1、D2、D3及びD4)を形成させ、電極間をアイソレーションする溝15の幅の調整によりリーク電流が制御できることを利用する。すなわち、電極間に形成される双方向ダイオードの降伏電圧を利用するのである。このように、双方向ダイオードの降伏電圧は、溝15の幅を所定値に設定することにより調整できるので、これを本FETの降伏電圧に対応させるのである。
図4(b)のグラフに示すように、電極間距離を図4(a)に示す距離と定義し、この電極間距離に対応する双方向ダイオードの耐電圧特性は実験によって得られるので、本FETの定格電圧に対応して、ダイオード領域における電極間距離(溝の幅)を選定することになる。
図5は、一例として、電極間距離を所定値に設定にした場合の実験データを示すものであり、電極間に印加される電圧を横軸にとり、リーク電流値を縦軸にとった実際の実験データを示している。この実験例では、図5に示すように、電極間に約400V以上の電圧が印加された場合に、リーク電流が流れ始めることを示している。このように、本発明のFETでは、電極間に設けられた溝間に流れるリーク電流を利用して保護用ダイオード(図1(b)のD1、D2、D3及びD4)を形成するのである。
次に、本発明に係る保護ダイオードを内蔵するFETの製造方法について、半導体基板を形成するための工程を含めて説明する。
図6は、本発明に係る保護ダイオードを内蔵するMOS型FET(完成)の構造の一例を示すものである。
図7乃至11において、最初に、Siからなる基板(101)を、例えば有機金属気層成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)させるべくMOCVD装置にセットし、濃度100%の水素ガスをキャリアガスとして用い、トリメチルガリウム(TMGa)と、トリメチルアルミニウム(TMAl)と、NHと、を、それぞれ58μmol/min、100μmol/min、12l/minの流量で導入し、成長温度1050℃で、基板101上に、AlN層102、バッファ層103、p−GaNからなる下部半導体層104を順次エピタキシャル成長させる。尚、下部半導体層104に対するp型のドーピング源としてビスシクロペンタディエニルマグネシウム(Cp2Mg)を用い、Mgの濃度が、1×1017cm−3程度になるようにCp2Mgの流量を調整する。
次に、TMGaとNHとを、それぞれ19μmol/min、12l/minの流量で導入し、成長温度1050℃で、下部半導体層104上にアンドープGaNからなる電子走行層105aをエピタキシャル成長させ、さらに、TMAlとTMGaとNHとを、それぞれ125μmol/min、19μmol/min、12l/minの流量で導入し、電子走行層105a上にAl組成が25%のアンドープ−AlGaNからなる電子供給層105bをエピタキシャル成長させ、半導体動作層105を形成する。尚、半導体動作層105は、厚さが25nm、キャリア濃度が5×1017cm−3のnGaN層からなる単層であってもよい。ドーパントは、Si(原料ガスはシランSiH)を用いることができる。
尚、上記において、バッファ層103は、厚さ200nm/20nmのGaN/AlN複合層を8層だけ積層したものとする。また、AlN層102、下部半導体層104、電子走行層105a、電子供給層105bの厚さは、それぞれ100nm、500nm、100nm、20nmとする。
次に、図8に示すように、プラズマ化学気相成長(PCVD)法を用いて、電子供給層105b上に、SiO2からなるマスク層110を厚さ500nmで形成し、フォトリソグラフィとCHFガスを用いてパターニングを行い、ゲート電極14及び溝15(図1(a)参照)を形成するための開口部110aを形成する。この溝15形成のための開口部において、本発明に係る保護ダイオードを内蔵するFETにおける保護ダイオードが形成されるのである。
次に、図9乃至11に示すように、マスク層110を除去し、SiHとNOを原料ガスとしたプラズマ化学気相成長法(PCVD)を用いて、半導体動作層105上とリセス部105c内における下部半導体層104の表面104aとにわたってSiOからなる厚さ60nmのゲート絶縁膜108を形成するのである。
そして、ゲート絶縁膜103の一部をフッ酸で除去し、リフトオフ法を用いて半導体動作層105上にソース電極13、ドレイン電極12を形成する。なお、ソース電極13、ドレイン電極12は、いずれも厚さ25nm/300nmのTi/Al構造とする。また、金属膜の成膜は、スパッタ法や真空蒸着法を用いて行うことができる。そして、ソース電極13、ドレイン電極12を形成後、600℃、10分のアニールを行ない、つぎに、リフトオフ法を用いて、リセス部105cにTi/Al/Ti構造のゲート電極14を形成し、図6に示すMOS型FET100が完成するのである。
図12は、本発明に係る保護ダイオードを内蔵するHEMT型FETの構造の一例を示すものである。そして、図13は、図12に示した本発明に係るHEMT型FETの製造工程の例を示す。
図13に示すように、最初に、Siからなる基板(101)を、例えば有機金属気層成長させるべくMOCVD装置にセットし、濃度100%の水素ガスをキャリアガスとして用い、トリメチルガリウム(TMGa)と、トリメチルアルミニウム(TMAl)と、NHと、を、それぞれ58μmol/min、100μmol/min、12l/minの流量で導入し、成長温度1050℃で、基板101上に、AlN層102、バッファ層103、p−GaNからなる下部半導体層104を順次エピタキシャル成長させる。
次に、TMGaとNHとを、それぞれ19μmol/min、12l/minの流量で導入し、成長温度1050℃で、下部半導体層104上にアンドープGaNからなる電子走行層105aをエピタキシャル成長させ、さらに、TMAlとTMGaとNHとを、それぞれ125μmol/min、19μmol/min、12l/minの流量で導入し、電子走行層105a上にAl組成が25%のアンドープ−AlGaNからなる電子供給層105bをエピタキシャル成長させ、半導体動作層105を形成する。尚、バッファ層103は、厚さ200nm/20nmのGaN/AlN複合層を8層だけ積層したものとする。また、AlN層102、下部半導体層104、電子走行層105a、電子供給層105bの厚さは、それぞれ100nm、500nm、100nm、20nmとする。
次に、プラズマ化学気相成長(PCVD)法を用いて、電子供給層105b上に、SiO2からなるマスク層110を厚さ500nmで形成し、フォトリソグラフィとCHFガスを用いてパターニングを行い、ゲート電極14及び溝15(図1(a)参照)を形成するための開口部110aを形成する。この溝15形成のための開口部において、本発明に係る保護ダイオードを内蔵するFETにおける保護ダイオードが形成されるのである。
その後、リフトオフ法を用いて半導体動作層105上にソース電極13、ドレイン電極12を形成する。なお、ソース電極13、ドレイン電極12は、いずれも厚さ25nm/300nmのTi/Al構造とする。また、金属膜の成膜は、スパッタ法や真空蒸着法を用いて行うことができる。そして、ソース電極13、ドレイン電極12を形成後、600℃、10分のアニールを行ない、リフトオフ法を用いて、ゲート部105cにNi/Au構造のゲート電極14を形成し、これにより、図12に示すHEMT型FET100が完成するのである。
以上詳しく説明したように、本発明においては、半導体基板上に少なくともバッファ層を含む下部半導体層104と、電子走行層及び電子供給層により形成された半導体動作層105と、を有する窒化ガリウム系化合物半導体の上に形成されたソース電極13、ドレイン電極12及びゲート電極14を有する電界効果トランジスタ11において、電界効果トランジスタ11を形成するトランジスタ領域(1)の隣にダイオード形成領域(2)を設け、このダイオード形成領域(2)において、半導体動作層105から下部半導体層104に至る溝15が、ゲート電極14とソース電極13間及び/又はゲート電極14とドレイン電極12間に形成され、この溝の幅に対応する降伏電圧により生じる下部半導体層104のバッファ層に流れるリーク電流により、電極間に並列接続されるダイオードを生じさせるのである。
これにより、本発明は、GaN系化合物半導体によるFETにおいて、外部負荷からの逆起電力等のサージ電圧や静電気からトランジスタを有効に保護するためのダイオードを内蔵させることを可能にしたのである。
本発明は、窒化物(GaN)系化合物半導体による電界効果トランジスタ及びその製造方法に関し、そのゲート電極及びソース電極間及び/又はゲート電極及びドレイン電極間に保護ダイオードを内蔵させた電界効果トランジスタとその製造方法に関するに関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
本FET11の構成を説明するものであり、図1(a)は、上面側から見た本FETの構成を説明するための図であり、図1(b)は、本FET11の等価回路を示す。 本FETの図1(a)におけるトランジスタ領域(1)のA−A’断面の形態の例を示すものである。 本FETの図1(a)のダイオード領域(2)におけるB−B’断面を示し、種々の溝形成の例を示すものである。 ダイオード領域部に設けられた電極間距離(溝の幅)と降伏電圧との関係を示すものである。 電極間に印加される電圧を横軸にとり、リーク電流値を縦軸にとった実際の実験データを示す。 本発明に係る保護ダイオードを内蔵するMOS型FET(完成)の構造の一例を示す。 図6に示すMOS型FETの製造工程を説明する図(その1)である。 図6に示すMOS型FETの製造工程を説明する図(その2)である。 図6に示すMOS型FETの製造工程を説明する図(その3)である。 図6に示すMOS型FETの製造工程を説明する図(その4)である。 図6に示すMOS型FETの製造工程を説明する図(その5)である。 本発明に係る保護ダイオードを内蔵するHEMT型FET(完成)の構造の一例を示す 図13に示すHEMT型FETの製造工程を説明する図である。 炭化珪素接合型のパワートランジスタにおいて、保護ダイオードを内蔵させた従来技術の例を示す。
符号の説明
11:本発明に係る電界効果トランジスタ(FET)
12:ドレイン電極
13:ソース電極
14:ゲート電極
15:溝
104:下部半導体層(バッファ層を含む)
105:半導体動作層

Claims (12)

  1. 基板上に形成されたバッファ層を含む下部半導体層と、
    当該下部半導体層の上に形成された電子走行層を含む半導体動作層と、
    当該半導体動作層の上に形成されたソース電極、ドレイン電極及びゲート電極とを有する窒化ガリウム系化合物半導体からなる電界効果トランジスタにおいて、
    トランジスタ機能を有するトランジスタ領域と該トランジスタ領域に隣接するダイオード領域とを有し、
    該ダイオード領域においては、前記ゲート電極及び前記ソース電極間と、前記ゲート電極及び前記ドレイン電極間と、の何れか一方又は両方において、前記半導体動作層表面から、前記電子走行層と前記下部半導体層との界面または前記下部半導体層に至る溝が形成され、該溝は、前記電極間において、前記下部半導体層を流れるリーク電流によって、前記電極間に並列接続される双方向ダイオードとして機能するものであることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 前記半導体動作層は、前記電子走行層と、前記電子走行層よりもバンドギャップエネルギーの大きい材料からなる電子供給層と、からなることを特徴とする請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
  3. 前記溝の幅により前記双方向ダイオードの降伏電圧を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の電界効果トランジスタ。
  4. 前記双方向ダイオードの降伏電圧は、前記溝の幅を所定値に設定することにより、前記電界効果トランジスタの降伏電圧よりも低く設定されていることを特徴とする請求項3に記載の電界効果トランジスタ。
  5. 前記電子走行層はアンドープのGaNであり、前記電子供給層はn型のAlGaNであることを特徴とする請求項2乃至4の何れかの項に記載の電界効果トランジスタ。
  6. 基板上に形成されたバッファ層を含む下部半導体層と、
    当該下部半導体層の上に形成された電子走行層を含む半導体動作層と、
    当該半導体動作層の上に形成されたソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を有する窒化ガリウム系化合物半導体からなる電界効果トランジスタの製造方法であって、
    (a)前記基板上に前記下部半導体層を形成するステップと、
    (b)前記下部半導体層上に前記半導体動作層を形成するステップと、
    (c)前記半導体動作層上に、ソース電極、ゲート電極及びドレイン電極を形成するステップと、
    (d)トランジスタ機能を有するトランジスタ領域と該トランジスタ領域に隣接するダイオード領域とを形成し、該ダイオード領域において、前記半導体動作層表面から前記電子走行層と前記下部半導体層との界面または前記下部半導体層に至る溝を、前記ゲート電極と前記ソース電極間及び/又は前記ゲート電極と前記ドレイン電極間に形成するステップと、
    の各ステップを含み、前記ステップ(d)において形成された前記溝は、前記電極間において、前記下部半導体層を流れるリーク電流によって、前記電極間に並列接続される双方向ダイオードとして機能するものであることを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法。
  7. 前記ステップ(a)は、
    (a−1)Si基板の上にAlN層を形成するステップと、
    (a−2)前記AlN層の上にGaN/AlN複合層を積層したバッファ層を形成するステップと、
    (a−3)前記バッファ層の上にp型のGaN層を形成するステップと、
    の各ステップを含むことを特徴とする請求項6記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  8. 前記ステップ(d)は、
    (d−1)前記電子走行層の上にマスク層を形成するステップと、
    (d−2)前記ゲート電極及び前記ソース電極間及び/又は前記ゲート電極及び前記ドレイン電極間に形成する溝の形成領域に対応する前記マスク層を取り除くステップと、
    (d−3)前記溝の形成領域をエッチングにより取り除くステップと、
    の各ステップを含むことを特徴とする請求項6または7に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  9. 前記半導体動作層は、前記電子走行層と、前記電子走行層よりもバンドギャップエネルギーの大きい材料からなる電子供給層とからなり、
    前記電子走行層はアンドープのGaNであり、前記電子供給層はn型のAlGaNであることを特徴とする請求項6乃至8の何れかの項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  10. 前記電極間をアイソレーションする前記溝の幅により、前記双方向ダイオードの降伏電圧を調整することを特徴とする請求項6乃至9の何れかの項に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  11. 前記双方向ダイオードの降伏電圧は、前記溝の幅を所定値に設定することにより、前記電界効果トランジスタの降伏電圧よりも低く設定されていることを特徴とする請求項10に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  12. 基板上に形成されたバッファ層を含む下部半導体層と、
    当該下部半導体層の上に形成された電子走行層を含む半導体動作層と、
    当該半導体動作層の上に形成されたソース電極、ドレイン電極及びゲート電極とを有する窒化ガリウム系化合物半導体からなる電界効果トランジスタにおいて、
    トランジスタ機能を有するトランジスタ領域と該トランジスタ領域に隣接するダイオード領域とを有し、
    該ダイオード領域においては、前記ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極の少なくとも一つが、前記半導体動作層表面から、前記電子走行層と前記下部半導体層との界面または前記下部半導体層に至る溝の上に形成され、該溝は、前記ゲート電極及び前記ソース電極間と、前記ゲート電極及び前記ドレイン電極間と、の何れか一方又は両方において、前記下部半導体層を流れるリーク電流によって、前記電極間に並列接続される双方向ダイオードとして機能するものであることを特徴とする電界効果トランジスタ。
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