JP5170247B2 - Li含有α−サイアロン系蛍光体とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置 - Google Patents

Li含有α−サイアロン系蛍光体とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、照射光の一部を、それとは異なる波長の光に変換する機能を有する光機能材料とその製造方法に関するものである。具体的には、紫外から青色の光源に好適な、希土類金属元素で賦活されたサイアロン系蛍光体に関するものである。また、前記のサイアロン系蛍光体の製造方法、それを利用した発光装置および画像表示装置に関するものである。
近年、青色発光ダイオード(LED)が実用化されたことにより、この青色LEDを利用した白色LEDの開発が精力的に行われている。白色LEDは、既存の白色光源に較べ消費電力が低く、長寿命であるため、液晶パネル用バックライト、室内外の照明機器等への用途展開が進行している。
現在、開発されている白色LEDは、青色LEDの表面にCeをドープしたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)を塗布したものである。しかしながら、CeをドープしたYAGの蛍光波長は530nm付近にあり、この蛍光の色と青色LEDの光を混合して白色光にすると、青みの強い白色光となり、良好な白色を得ることができない。
これに対して、希土類元素を賦活させたα−サイアロン系の蛍光体は、CeをドープしたYAGの蛍光波長より長い波長の蛍光を発生することが知られている(特許文献1参照)。このようなサイアロンの蛍光を用いて白色LEDを構成すると、YAGを用いた白色LEDよりも、色温度の低い電球色の白色LEDを作製することができる。
また、非特許文献1では、サイアロン系蛍光体は、その組成式を MSi12−(m+n)Alm+n16−nで表すと、m=2.8で最高の強度になりその時のピーク波長は595nm付近のものが得られている。この蛍光波長は、電球色のような色温度の低い白色LEDに適している。しかしながら、もっと色温度の高い昼白色、昼光色のような色温度の高い白色LEDを作製することはできない。
昼白色、昼光色は照明のみならず液晶表示装置のバックライトなど用途が広く、社会的ニーズが電球色よりも大きい。そのため、サイアロン系蛍光体の蛍光の短波長化が望まれている。ところが、非特許文献1からも分かるように、Caを含むαサイアロン蛍光体では、蛍光波長が595nmより短波長側になると蛍光強度が低下していく。そのため、青色LEDと組み合わせて、高輝度の昼白色、昼光色のLEDを作製するのに適した短波長の蛍光を放出するサイアロン系蛍光体を作製するとは困難であった。
これを解決するために特許文献2においてLi(リチウム)含有α−サイアロン系蛍光体が開示されている。このサイアロンはCa含有α−サイアロン系蛍光体にくらべ短波長の蛍光を放出することができる。しかし、この発明では、窒素1MPaの加圧雰囲気においてLi含有α−サイアロン系蛍光体を得ており、製造工程の煩雑さや高温高圧の窒素ガスに耐えうる製造装置を利用するという点において、コストのかかる方法で作製されている。また、前記のサイアロン組成式においてLiの含有量を表すx1が、1.2≦x1≦2.4と異常に大きな値であり、所望の組成を有するLi含有α−サイアロン系蛍光体を再現性良く作製することが難しい。
Li含有α−サイアロン系蛍光体の報告としては、特許文献2の他に、特許文献3が存在するが、開示されたLi含有α−サイアロン系蛍光体の発光波長は585nmであり、本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体とは、組成を異にするものである。このような発光波長では、青色発光ダイオードと組み合わせても、昼白色、昼光色のLEDを得ることはできない。
さらに、引用文献2の発明では粒子の形態や凝集状態に配慮がなされていない。特許文献2では、結晶質の窒化ケイ素を用いてLi含有α−サイアロン系蛍光体を作製する。Ca含有α−サイアロン系蛍光体の場合、結晶質の窒化ケイ素を用いると、小さな一次粒子が強く凝集(融着)した二次粒子を形成する。そのような例は特許文献4の図1から図8に見られる。Li含有α−サイアロン系蛍光体の場合も同様になると考えられる。
蛍光体粉末の粒子形態や凝集状態は光の散乱、吸収に影響するため、蛍光強度に影響する。さらに、蛍光体を塗布する際のスラリーの物性にも影響を与える。スラリーの物性は製品の製造プロセスに重要な因子である。
蛍光強度への影響についてさらに説明する。蛍光体では、一次粒子サイズ、二次粒子にかかわらず、粒子サイズが、サブミクロン程度になると、光の散乱が増え吸収が低下し、蛍光強度が低下する。これを避ける方法として、サブミクロンの一次粒子を凝集させ大きな二次粒子を作製することが考えられる。しかし、このような粉末を粉砕や様々なハンドリングをすると、サブミクロンの一次粒子が脱落してくるため、結果的に一次粒子の影響を避けることは難しい。また、小さな一次粒子の凝集した二次粒子の場合、二次粒子の表面に細かな凹凸が生じ、これが光の散乱を引き起こし、蛍光強度を低下させることも考えられる。
この他、二次粒子の凝集が強固な場合、強い粉砕が必要になり、粉砕機からの不純物の混入が起こる。蛍光体は光吸収になる成分が少量でも入ると特性が大きく低下するので、強い粉砕は好ましくない。
また、粒子サイズが数十ミクロン以上になると、白色LED等の製品を作る際に、色むらの原因等を引き起こし、安定した品質の製品を作ることができなくなる。一方、高品質の蛍光体、すなわち、高い蛍光強度を有する蛍光体を得るには、高い結晶性の粒子が必要である。これらの点から、一次粒子が大きな結晶であることが好ましい。その理由は、結晶サイズが小さくなると、表面欠陥の影響で蛍光強度が低下するからである。
以上の条件を勘案すると、特性の良い蛍光体とは、凝集のない一次粒子が1μmから20μmの範囲に分布し、この粒度範囲でより大きいサイズの粒子で構成された粉末が望ましいと言える。
特許文献5、6においてCa含有α−サイアロン蛍光体の一次粒子のサイズについてはすでに知られているが、特許文献5、6では、Li含有α−サイアロンの一次粒子については、まだ、十分な検討がなされていない。特許文献5、6の開示にもかかわらず、Li含有α−サイアロンの一次粒子の成長については、Liが蒸発しやすい元素であること、また、Liに関係する物質が比較的低融点の化合物を作りやすいことのために、Ca含有α−サイアロンと同様に考えることはできない。
蛍光体において、一次粒子の形態を整える技術として、融剤を用いる技術が広く使用されている。Li含有α−サイアロンにおいても、一次粒子を大きくするために、融剤を用いることが考えられる。特許文献2には、融剤として、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Euのフッ化物、塩化物、ヨウ化物、臭化物、リン酸塩、特にフッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウムを指摘しているが、その効果については、具体的には示しておらず、一般的な技術を示したにすぎない。
特開2002−363554号公報 WO2007/004493 A1 特開2004−67837号公報 特開2006−152069 特開2006−52337号公報 特開2006−321921号公報
J.Phys.Chem.B 2004,108,12027−12031
本発明は、上記のようなサイアロン系蛍光体の問題点を解決するために為されたものであり、高蛍光強度で、青色LEDと組み合わせて、昼白色や昼光色の白色発光ダイオードを作製することが可能な蛍光色を発する蛍光体を提供することを目的とする。
本発明は、また、Li含有α−サイアロンの一次粒子を制御することで、高い蛍光強度を有し、かつ、蛍光体粉末として優れた特性を有する、Li含有α−サイアロン蛍光体粉末を提供することを目的とする。このようなLi含有α−サイアロンは、紫外〜青色LEDと組み合わせて、高効率の昼白色や昼光色の白色発光ダイオードを作製することが可能である。
また、本発明は高い蛍光強度のLi含有α−サイアロン系蛍光体を提供することにより、紫外または青色LEDを光源として、昼白色、昼光色の色を発する白色LEDなどの照明装置を提供することを目的とする。
また、電子線などの励起源を有する画像評価装置の高輝度化と色調安定化を達成することを目的とする。
さらに、本発明の目的は、前記のような蛍光色を高強度で発光することが可能なサイアロン系蛍光体が高収率で得られる新規な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、LiとEu(ユーロピウム)を含有するα−サイアロン系蛍光体において、詳細な研究を行い、常圧の窒素ガスの雰囲気において製造できる、特定の組成を有するLi含有α−サイアロン系蛍光体において優れた蛍光強度と蛍光波長の短波化が可能であることを突き止めた。
本発明者らは、また、出発原料として含窒素シラン化合物および/または非晶質(アモルファス)窒化ケイ素粉末を用いると、一次粒子サイズが大きく、一次粒子同士の凝集が少なく、また、凝集力も弱いLi含有α−サイアロン蛍光体を得ることが可能なことを突き止めた。しかも、結晶質の窒化ケイ素を用いて作製したものよりも、高い蛍光強度を有している。
本発明者らは、さらに、LiとEuを含有するα−サイアロン系蛍光体において、一次粒子のサイズの大きなLi含有α−サイアロンを得ることが可能であることを突き止めた。さらにこの方法では、より短波長の蛍光を発するLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末を得ることができること、また、その蛍光強度は、通常の方法で作製したものに比べ、高くなることを突き止めた。
こうして、本発明は、下記を提供する。
一般式(1)
LiEuSi12−(m+n)Al(m+n)n+δ16−n‐δ (1)
(式中、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=m;0.45≦x<1.2、0.001≦y≦0.2、0.9≦m≦2.5、0.5≦n≦2.4、δ>0である。)で表されることを特徴とするLi含有α−サイアロン系蛍光体に関する。
好ましくは、本発明は、前記δが0.05〜1.2であり、前記xとmとの比x/mが、0.4〜0.9の範囲であることを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体に関する。さらに、本発明の好ましい態様は、前記xが、0.82≦x<1.2であり、前記x/mが、0.5〜0.9の範囲であることを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体である。
さらに、本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体は、前記xが、0.91≦x<1.2であり、前記x/mが、0.6〜0.9の範囲であることが好ましい。また、本発明は、励起光を入射することにより、波長560nmから580nmのピーク波長の蛍光を放出することを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体に関する。
また、本発明は、発光源と、前記Li含有α−サイアロン系蛍光体を含有する蛍光体とから構成される照明器具に関する。前記発光源は330〜500nmの波長の光を発光するLEDであることが好ましい。また、本発明の照明器具の一態様は、前記蛍光体は、さらに、600nm〜650nmの赤色を発する蛍光体を含有していることを特徴とする。
また、本発明は、励起源と前記Li含有α−サイアロン系蛍光体を含有する蛍光体とから構成される画像表示装置に関する。本発明の画像表示装置の一態様は、前記励起源が電子線、電場、真空紫外、紫外線であることを特徴とする。
また、本発明は、窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、一般式(1)で表わされる所望のLi含有α−サイアロン系蛍光体組成よりも、リチウムが過剰な組成になるように秤量、混合し、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中、1400〜1800℃で焼成することを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体の製造方法に関する。本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体の製造方法において、焼成後のLi含有α−サイアロン系蛍光体を、酸洗浄することが好ましい。
また、本発明は、前記窒化ケイ素粉末として、非晶質窒化ケイ素粉末を使用することを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体の製造方法に関する。
本発明は、1つの好ましい態様において、一般式(1)で表されるLi含有α−サイアロン系蛍光体であって、走査型電子顕微鏡写真を画像解析することにより計測される一次粒子径の平均アスペクト比が2以下であり、平均粒子径Dparticleが1μm以上、3.0μm以下であることを特徴とするLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末に関する。
また、本発明は、この態様において、走査型電子顕微鏡写真を画像解析することにより計測される粒子において、0.8μm以上の一次粒子が面積比で70%以上存在することを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体粉末に関する。また、本発明は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した粒度分布曲線における頻度分布曲線が、単一のピークであり、メジアン径が4〜15μmであることを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体粉末に関する。
また、本発明は、この態様において、粒度分布曲線における10%径が1.5μm以上で、90%径が15μm以下であることを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体粉末に関する。
また、本発明は、この態様において、励起光を入射することにより、波長560nmから580nmのピーク波長の蛍光を放出することを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体粉末に関する。
また、本発明は、この態様において、発光源と、前記Li含有α−サイアロン系蛍光体粉末を含有する蛍光体とから構成される照明器具に関する。前記発光源が330〜500nmの波長の光を発光するLEDであることが好ましい。さらに前記蛍光体の他の形態として、600nm〜650nmの赤色を発する蛍光体を含有していてもよい。
また、本発明は、この態様において、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、一般式(1)で表わされる所望のLi含有α−サイアロン系蛍光体組成よりも、リチウムが過剰な組成になるように秤量、混合し、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中、1400〜1800℃で焼成することを特徴とする前記Li含有α−サイアロン系蛍光体粉末の製造方法に関する。
本発明は、もう1つの好ましい態様において、一般式(1)で表されるLi含有α−サイアロン系蛍光体であって、走査型電子顕微鏡写真を画像解析することにより計測される一次粒子のアスペクト比が3以下であり、短軸の長さが3μmより大きいことを特徴とするLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子を提供する。
さらに、本発明のこの態様は、一般式(1)の組成になる理論量の、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物とAlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、さらに、前記理論量に含まれない過剰の、Liの酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを混合し、常圧の窒素を含有する不活性ガス雰囲気中、1500〜1800℃で焼成することを特徴とする上記のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の製造方法に関する。
本発明のこの態様において、好ましくは、前記理論量に含まれない過剰の、Liの酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質の金属リチウムの量が、理論量の生成物のLi含有α−サイアロン系蛍光体1モルに対して、0.1〜1.25モルである。
本発明のこの態様は、発光源と、上記一般式(1)で表されるLi含有α−サイアロン系蛍光体を含有する蛍光体とから構成される照明器具に関する。前記発光源が330〜500nmの波長の光を発光するLEDであることを特徴とする。
本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体は、生成物のLi含有量を調整し、特定の組成とすることにより、従来得られなかった高い蛍光強度を示し、紫外または青色LEDを光源として、昼白色、昼光色の色を発する白色LEDなどの照明装置を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、非晶質窒化珪素及び/又は含窒素シラン化合物を原料にすることにより、特定の粒子形態を有するLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子とし、生成物のLi含有量を調整することで特定組成のLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子とすることにより、従来得られなかった高い蛍光強度を示す蛍光体を得ることができる。
本発明のもう1つの好ましい態様によれば、従来にない一次粒子サイズの大きなLi含有α−サイアロン蛍光体を得ることができる。本発明のLi含有α−サイアロン蛍光体は、高い蛍光強度を有し、かつ、蛍光体粉末として優れた特性を有する。
また、本発明により得られる、これらの蛍光体粉末を使用することにより、紫外または青色LEDを光源として、昼白色、昼光色の色を発する白色LEDなどの高輝度の照明装置を提供することができる。
図1A及び1Bは、実施例2および実施例6の酸処理後の粉末の一実施形態の状態を示したSEM写真である。図1Aは非晶質窒化ケイ素を原料に用いて作製したLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末、図1Bは結晶質窒化ケイ素を原料に用いて作製したLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末のSEM写真である。
図2A及び2Bは、実施例2および実施例6の粉砕後の蛍光体粉末の一実施形態を示したSEM写真である。図2Aの非晶質窒化ケイ素を原料に用いて作製したLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末のSEM写真、図2Bは結晶質窒化ケイ素を原料に用いて作製したLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末のSEM写真である。
図3A及び3Bは図2A及び2Bの拡大写真である。
図4Aは、実施例2で得られた本発明のLi−α−サイアロン蛍光体粉末の粒度分布(頻度分布曲線)図であり、図4Bは結晶質窒化ケイ素を原料に用いた実施例6で得られた蛍光体粉末の粒度分布図である。
図5、実施例11で得られた粉末のSEM写真である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明において、Li含有α−サイアロン系蛍光体は、一般式(1)
LiEuSi12−(m+n)Al(m+n)n+δ16−n‐δ (1)
で示される。ここで、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=mである(但し、δ>0である)。
本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体は、Liの含有量に特徴がある。即ち、本発明者らは、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中で焼成したLi含有α−サイアロン系蛍光体は仕込組成と、得られた合成物の組成ではLiの含有量に大きな差があるということを突き止めた。Liは蒸発しやすい元素であり、焼成中に、蒸発が起こり、結果として、酸洗浄後に得られたLi含有α−サイアロン系蛍光体のLiの含有量が少なくなる。Liの蒸発は常圧下または減圧下の焼成では特に顕著であり、仕込組成と、得られた合成物の組成との相関を詳細に調べることにより、前記のLi含有α−サイアロンの組成式において、δが0.05〜1.2であり、前記xとmとの比x/mが、0.4〜0.9の範囲である場合に、X線回折パターンで、ほぼ単一相のLi含有α−サイアロン系蛍光体と同定される蛍光体が得られることを見出した。本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体のLi組成領域において、優れた蛍光強度とより短い蛍光波長が両立できることを示したのは本発明が始めてである。
本発明では、0.08〜0.9MPaの圧力の不活性ガス雰囲気中1400〜2000℃で焼成した後、酸洗浄することでLi含有α−サイアロン系蛍光体を合成する。焼成雰囲気としては、窒素雰囲気下、常圧で行うことが好ましい。特に、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中における合成を行うことで、Li含有α−サイアロン系蛍光体の生産コストを低減させることができる。本発明者らは、常圧の窒素雰囲気において様々な組成のLi含有α−サイアロン系蛍光体を合成し、酸洗浄後に得られたLi含有α−サイアロン系蛍光体の蛍光特性に対する組成的な特徴を見出した。その結果、常圧の窒素雰囲気中での焼成で、優れた蛍光強度とより短い蛍光波長が両立できるLi含有α−サイアロン系蛍光体の合成が、初めて可能になった。
さらに、本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体には、前記のようにx+ya+δ=m(但し、δ>0)と表され、x+yaがmよりも小さいという特徴がある。ここでaはEuの平均価数であるが、Euの価数は温度と雰囲気中の酸素分圧によって異なる。室温では3価が安定であるため、Euの酸化物としてはEuしか知られていないが、温度が高くなると2価の方が安定となるので、窒素雰囲気中、高温では、Euが2価に還元され、Eu2+としてα−サイアロンの結晶格子に固溶すると考えられている。前記特許文献2(WO2007/004493)の14ページの段落0065に開示されているように、従来報告されている文献、特許公報においては、総て、Euは2価として、α−サイアロンの組成式が組み立てられている。このため、本発明のLi含有α−サイアロンの組成においては、Euの価数は2価であるとしてδを算出する。
従来のサイアロンにおいては、いずれも固溶する金属の量はm/[金属の価数]となり、従来技術におけるLi含有α−サイアロン系蛍光体の組成は、いずれもx+ya=mという関係式を満足していた。一方、本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体の場合、従来の組成よりもAlの含有量が多く、その化学組成は、前記の一般式(1)で表されるという特徴がある。x+yaがmよりも小さいことによって、Li含有α−サイアロン系蛍光体を構成するSi原子とAl原子の比率が変わり、同時に酸素原子の比率と窒素原子の比率も変わる。
このようなLi含有α−サイアロン系蛍光体における構成原子の組成変化により、電荷ずれが生じることも考えられる。この場合には、Li含有α−サイアロン系蛍光体中に生じる欠陥によって、電荷バランスが補償されることも考えられる。α−サイアロンの結晶格子には、陽イオン(Si,Al)―陰イオン(O,N)―陽イオン(Si,Al)―陰イオン(O,N)―から成るネットワークが存在し、ネットワークの間隙にLi,Euなどの金属元素が侵入固溶している。陽イオンサイトに空孔が生じると、相対的に、陰イオンサイトの酸素または窒素原子の割合が増加し、逆に、陰イオンサイトに空孔が生じると、相対的に、陰イオンサイトの酸素または窒素原子の割合が減少するので、その化学組成は、より一般的に次式(2)で表される。
LiEuSi12−(m+n)Al(m+n)n+ε16−n−φ (2)
ここで、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=mであり、かつδ=3φ−2εである。ここで、(n+ε)は陰イオンサイトを占有する酸素原子の数を表し、(16−n−φ)は陰イオンサイトを占有する窒素原子の数を表す。但し、δ>0であり、−δ/2≦ε≦δ/2であり、−δ/3≦φ≦δ/3である。
原料中のLiを増やして、x+yaとmが一致するようなサイアロンを合成しようとすると、異相の生成がおこり、単相のLi含有α−サイアロン系蛍光体を得ることができない。本発明の方法で得られるLi含有α−サイアロン系蛍光体は、x+yaとmが一致しないほうが安定なサイアロンになるという知見から得られたものである。x+yaとmを一致させることに注力すると、高圧の窒素ガスの中で合成を行うなどのコストアップにつながり、また再現性にも乏しくなるので好ましくない。
本発明者らによる検討の結果、単相のLi含有α−サイアロン系蛍光体となる組成は、Li含有α−サイアロン系蛍光体の一般式(1)において、0.45≦x<1.2、より好ましくは、0.82≦x<1.2の範囲である。さらに好ましくは、0.91≦x<1.2の範囲である。xが0.45よりも小さいと、蛍光強度が低くなり、1.2以上では、異相が生成し、単一相のα−サイアロン系蛍光体が得られなくなる。特に、短波長化と蛍光強度を両立できる組成範囲は、0.82≦x<1.2である。蛍光の波長は、Liの含有量が多くなると、短波長にシフトし、ピーク波長で560nm〜580nmの範囲で変化させることができる。
また、本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体は、δ>0であることが特徴であるが、特にδが0.05〜1.2であり、xとmとの比x/mで0.5〜0.9であることが、蛍光強度が高くなり、より好ましい。δが0.05〜1.0であり、x/m比が0.6〜0.9であれば、さらに好ましい。
EuはLi含有α−サイアロン系蛍光体に固溶して発光源となる元素であり、一般式(1)において、yは、0.001≦y≦0.2が好ましい。yが0.001より小さい発光源が少なくなるために明るい蛍光体を得ることができない、また、0.2よりも大きいと短波長の蛍光を発するサイアロンが得られなくなる。より好ましい範囲は、0.01≦y≦0.15であり、さらに好ましい範囲は、0.01≦y≦0.1である。
mとnは0.9≦m≦2.5、0.5≦n≦2.4である。mはサイアロンへ金属元素が固溶する際に電気的中性を保つために決められる値で、m=x+ya+δである。aはEuの平均価数。ここで、α−サイアロンを構成する陽イオン(Si,Al)―陰イオン(O,N)―陽イオン(Si,Al)―陰イオン(O,N)―から成るネットワークにおいて、侵入固溶した金属元素(LiおよびEu)の数に対応する陽イオンサイトの置換Al原子数よりも過剰にSi原子を置換したAl原子数をδと表記する(但し、本発明においては、δ>0である)。mが0.9より小さいと金属元素(LiおよびEu)の固溶量が小さくサイアロン結晶が安定化し難いため、蛍光体の蛍光強度が低下するおそれがある。m値が2.5より大きいとサイアロン以外の結晶相が生成し易くなる。0.9≦m≦2.5が好ましい。nはLi含有α−サイアロン系蛍光体への酸素の置換固溶量に関する値である。n値が0.5よりも小さい、または(n+δ)が0.55より小さいと金属元素(LiおよびEu)の固溶量が小さく、サイアロン結晶が安定化し難いため、蛍光強度が低下する恐れがある。n値が2.4よりも大きい、または(n+δ)が3.2より大きいと、サイアロン以外の結晶相が生成し易くなる。より好ましい範囲は、1.0≦m≦2.1、1.4≦n≦2.4、1.8≦n+δ≦3.1であり、さらに好ましい範囲は、1.1≦m≦2.0、1.55≦n≦2.3、1.9≦n+δ≦3.0である。
なお、ここでいう異相とは、X線回折の回折パターンによって同定される異相であって、X線回折に現れない成分、たとえば、ガラスなどは含まれない。
次に本発明のサイアロン系蛍光体粉末の作製方法について述べる。
本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、窒化ケイ素粉末と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、所望のLi含有α−サイアロン系蛍光体組成よりも、リチウムが過剰な組成になるように秤量、混合し、混合物を、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中、1400〜2000℃で焼成することにより得ることができる。得られた粉末は、酸溶液において洗浄され、表面に付着したガラス成分などを取り除くことで、最終的に、実質的にLi含有α−サイアロン系蛍光体の単相で構成された蛍光体粉末を得ることができる。
原料物質のLi化合物を増やす理由は、Liが蒸発しやすく、得られるLi含有α−サイアロン系蛍光体のLiが少なくなりすぎることを防ぐためである。
原料の窒化ケイ素粉末としては、結晶質窒化ケイ素、あるいは、含窒素シラン化合物および/または非晶質(アモルファス)窒化ケイ素粉末を用いてもよい。
含窒素シラン化合物としては、シリコンジイミド(Si(NH))、シリコンニトロゲンイミド(SiNH)などを用いることができる。またこれらの化合物を窒化ケイ素粉末と混合して用いてもよい。
主原料である含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末は、公知の方法、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四沃化ケイ素などのハロゲン化ケイ素とアンモニアとを気相または液相状態で反応させることにより生成するシリコンジイミド等のSi−N−H系前駆体化合物を窒素またはアンモニアガス雰囲気下に600〜1200℃に加熱分解して得ることができる。また、結晶質窒化ケイ素粉末は、得られた含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末を、1300℃〜1550℃で焼成することによって得られる。結晶質の窒化ケイ素は金属シリコンを窒素雰囲気中で、直接窒化することでも得ることができるが、この方法では微粉の粉末を得るには、粉砕工程を要することから、不純物が入りやすいので、高純度粉末を得やすい前駆体を分解する方法を採用することが好ましい。
また、含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末、結晶質窒化ケイ素粉末は、酸素含有量が1〜5質量%のものを使用する。酸素含有量1〜3質量%のものは更に好ましい。酸素含有量が1質量%未満のものでは、焼成過程での反応によるα−サイアロン相の生成が著しく困難となり、出発物質の結晶相の残存や21R等のAlNポロタイプの生成が起こり好ましくない。また、一方、酸素含有量が5質量%以上になると、α−サイアロン生成反応は促進される反面、β−サイアロンや酸窒化物ガラスの生成割合が増大する。
また、含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末は、80〜600m/gの比表面積を持つものの使用が好ましい。340〜500m/gのものは更に好ましい。結晶質窒化ケイ素の場合、1m/g〜15m/gの比表面積をもつ原料を用いることが好ましい。
アルミニウム源となる物質としては、酸化アルミニウム、金属アルミニウム、窒化アルミニウムが挙げられ、これらの粉末の夫々を単独で使用しても良く、併用しても良い。窒化アルミニウム粉末は、酸素含有量が0.1〜8質量%、比表面積が1〜100m/gの一般的なものを使用することができる。
LiおよびEuの熱分解により酸化物となる前駆体物質としては、夫々の炭酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩、塩基性炭酸塩、水酸化物等の金属塩類を挙げることができる。
本発明では、Li含有α−サイアロン系蛍光体の構成成分以外の、金属不純物量が0.01質量%以下となる様にすることが好ましい。特に、添加量の多い含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末、および/または結晶質窒化ケイ素並びに、酸化アルミニウム、AlNについては、金属不純物の含有量が0.01質量%以下、好ましくは0.005質量%以下、更に好ましくは0.001質量%のものを使用する。金属Liの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、金属Euの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質についても、酸化物になった場合の金属不純物含有量が0.01質量%以下のものの使用が好ましい。
前記した各出発原料を混合する方法については、特に制約は無く、それ自体公知の方法、例えば、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミル、媒体攪拌ミルなどが好適に使用される。但し、含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末は、水分、湿気に対して極めて敏感であるので、出発原料の混合は、制御された不活性ガス雰囲気下で行うことが必要である。
出発原料の混合物は、常圧の窒素含有不活性ガス雰囲気中1400〜1800℃、好ましくは1500〜1700℃で焼成され、目的とするLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末が得られる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどが例示されるが、本発明においては、これらのガスと少量の水素ガスとを混合して使用することも可能である。焼成温度が1400℃よりも低いと、所望のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の生成に長時間の加熱を要し、実用的でない。また、生成粉末中におけるLi含有α−サイアロン系蛍光体相の生成割合も低下する。焼成温度が1800℃を超えると、窒化ケイ素およびサイアロンが昇華分解し、遊離のシリコンが生成する好ましくない事態が起こる。
粉末混合物の焼成に使用される加熱炉については、とくに制約は無く、例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャ−式電気炉などを使用することができる。焼成のるつぼには、BN製の坩堝、窒化ケイ素製の坩堝、黒鉛製の坩堝、炭化珪素製の坩堝を用いることができる。黒鉛製の坩堝の場合には、その内壁に窒化珪素、窒化ホウ素等で被覆しておくことが好ましい。
このようにして得られたLi含有α−サイアロン系蛍光体には、表面にガラス層が付着しており、より高い蛍光強度の蛍光体を得るためには、ガラス層の除去が好ましい。蛍光体粒子の表面のガラス層の除去には、酸による洗浄がもっとも容易である。すなわち、硫酸、塩酸または硝酸から選ばれる酸溶液に前記サイアロン粒子を入れ表面のガラス層を除去する処理である。酸溶液の濃度は0.1規定から7規定であり、好ましくは、1規定から3規定である。過度に濃度が高いと酸化が著しく進み良好な蛍光特性を得られなくなる。濃度を調整した酸溶液に、サイアロン系蛍光体粉末を溶液に対し5wt%入れ、攪拌しながら、所望の時間保持する。洗浄後、サイアロン系蛍光体粉末の入った溶液をろ過して水洗によって、酸を洗い流して乾燥する。
本発明のLi含有α−サイアロン蛍光体は、1つの好ましい態様において、上記の組成的な特徴とともに、蛍光体を構成する粒子の大きさと結晶形態に特徴がある。
本発明のこの態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、上記のLiの含有量を有する組成的特徴と、原料として非晶質窒化ケイ素粉末及び/含窒素シラン化合物を用いて製造することを特徴としており、非晶質窒化ケイ素粉末及び/含窒素シラン化合物と、Al源と、Li源と、Eu源とを、上記の一般式(1)の所望のLi含有α−サイアロン系蛍光体組成よりも、リチウムが過剰な組成になるように秤量、混合し、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中、焼成することにより得られる。
非晶質窒化ケイ素粉末及び/含窒素シラン化合物を原料として使用することにより、本発明のこの態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、以下に説明する粒子の形態と凝集状態の特徴を有する。図1A及び1Bは、本発明のこの態様の実施例2および6で得られたLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子の酸処理後の粉末の状態を示した走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。一次粒子が融着・凝集した二次粒子の一部を観察している。図1Aは非晶質窒化ケイ素を原料に使用したLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子、図1Bは結晶質窒化ケイ素を原料に使用したLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子のそれぞれのSEM写真である。図1Aでは、1〜2μmの粒子からなることがわかる。これらはLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子の自形の一次粒子である。図1Bでは0.5〜1.3μmの粒子からなることがわかる。この粒子は後述するように、数個のLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子の結晶が集合した二次粒子であり、自形を示す結晶はほとんど見られない。
この粒子を、粉砕して蛍光体粉末として利用できる状態にしたものの代表例のSEM写真を図2A、2B、3A及び3Bに示した。図2Aの非晶質窒化ケイ素を原料に用いて作製したLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末のSEM写真であり、図2Bは、結晶質窒化ケイ素を原料に使用したLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子のSEM写真である。図3A及び3Bは、図2A及び2Bの拡大写真である。図2Aの非晶質窒化ケイ素を原料に用いて作製したLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末では、粒子サイズが1〜1.5μmの六角柱状、六方錐面体の一次粒子が多く存在し、微細な粒子はほとんどない。一次粒子径の大きさは、組成と焼成条件によって変化するが、本発明の範囲では、SEM写真の画像解析の結果から、平均粒子径Dparticleは1.0〜3.0μmであった。これよりも大きな平均粒子径のものを作製するには、著しく長時間の焼成過程を必要とし、実用的でない。また、平均粒子径を0.5μm以下にすると、結晶質から作製したものとの差がなくなる。また、SEM写真からもわかるように、本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末を構成する粒子のアスペクト比は、2以下である。図2Bは、結晶質窒化ケイ素を原料に使用したLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子のSEM写真である。
本発明のこの態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は大きな一次粒子であることが特徴であり、一次粒子同士の融着・凝集が少ない。しかし、すべての粒子がそうなるのではなく、小さな粒子の生成も起こる。本発明の好ましい態様では、測定の結果、0.8μm以上の粒子の存在面積は、測定範囲の全粒子の面積の総和に対し、70%以上であった。この面積が多いほど良好な蛍光体であり、少ないほど蛍光強度の低下がおこると考えられる。
図2Bの結晶質窒化ケイ素を原料に用いたものでは自形の一次粒子は存在しない。図3Bから分かるように、1〜1.3μmの大きな粒子は0.5μm程度の一次粒子が密に融着したものである。また、0.5μm以下の微粒の結晶が多く存在する。このような粉末では、小さな粒子による光の散乱が増え、蛍光強度は低下する。
図2A及び2Bに示す粒子の存在様式の差は粒度分布の差として現れる。図4Aには、本発明のこの態様のLi含有α−サイアロン蛍光体粉末のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した粒度分布(頻度分布曲線)を、図4Bには結晶質窒化ケイ素を用いた場合の粒度分布を示す。この頻度分布曲線は十分に大きい粒子(約1000μm)と十分に小さい粒子(約0.02μm)の区間をログ・スケールで均等な80区間に分割し、粒子の体積基準で頻度を求めたものである。図4Aでは5μm付近にピークをもつ単一のピーク(ひとやま)の粒度分布を示している。このような粒度分布は蛍光体としては非常に好ましい。本発明のこの態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、融着・凝集が弱いため、弱い粉砕で、メジアン径4〜15μmの単一のピークを示す粉体を得ることができる。ひとやまのピークの形が重要である。メジアン径は粉砕の程度によって変化させることが可能であるが、ピーク形状は、二次粒子における一次粒子のサイズに依存するからである。
一方、結晶質窒化ケイ素を原料に用いた場合には、粒度分布は1.5μmのピークと15μmの二つのピーク(ふたやま)を示す粒度分布曲線になり、非結晶質窒化ケイ素を原料に用いた方が、得られる粉体特性に優れることを示している。図3Bから分かるように、この場合、小さな一次粒子が集合して大きな二次粒子を形成している。この粒子が壊れた粉末であるため、前述の二つのピークになったと考えられる。
ここで、非晶質窒化ケイ素及び/含窒素シラン化合物と結晶質窒化ケイ素をそれぞれ原料に用いた場合の粒子の形態と凝集状態に違いが生じる原因について述べる。
Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子の核形成及び成長は、昇温する過程で原料中に生じるLi−Al−Si−O−N系のガラス相で起こると考えられる。非晶質窒化ケイ素または含窒素シラン化合物は粒子径が数nmから10nm程度の超微粉であり、きわめて嵩高い。これが主成分であるので、他の成分はこの中で均一に分散でき、微細なガラス相が低温で均一に形成されると考えられる。このガラス相にLi含有α−サイアロン系蛍光体の成分が溶け込み、核形成と成長が段階的に進行すると考えられる。このため、粒子径が大きく自形を呈するLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子が成長すると考えられる。嵩高いことと相俟って、各粒子は独立して成長するため、融着・凝集はほとんど起こらない。
一方、結晶質の窒化ケイ素の粒子径は、微粒のものでも0.2μm程度であり、前述の非晶質窒化ケイ素または含窒素シラン化合物と比較すると、粒子サイズは非常に大きい。このため、ガラス相を形成するLi、Al、O、Nと均一な接触を確保することができない。このため、ガラス相は局所的に生成すると考えられる。また、生成するガラス粒の数は少ないと考えられる。存在する窒化ケイ素の粒子径が大きいため、ガラス相に原料が溶け込むのではなく、窒化ケイ素粒子の表面をガラスが被うように存在しLi含有α−サイアロン系蛍光体への反応が進行する。このようなガラス相の存在様式では、多数の結晶核がガラス相を共有して、競争的または同時に成長が進行する。結果として一次粒子同士が強く融着・凝集した二次粒子になるものと考えられる。
次に本発明のこの好ましい態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の作製方法について述べる。本発明のこの態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、所望のLi含有α−サイアロン系蛍光体組成よりも、リチウムが過剰な組成になるように秤量、混合し、混合物を、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中、1400〜2000℃で焼成することにより得ることができる。得られた粉末は、酸溶液において洗浄され、表面に付着したガラス成分などを取り除くことで、最終的に、実質的にLi含有α−サイアロン系蛍光体で構成された蛍光体粉末を得ることができる。
この態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の作製方法は、原料物質のうち、窒化ケイ素粉末として、結晶質窒化ケイ素粉末ではなく、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物を用いる以外は、先に述べた本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の作製方法と同じでよい。
原料の含窒素シラン化合物としては、シリコンジイミド(Si(NH))、シリコンニトロゲンイミド(SiNH)などを用いることができる。また、含窒素シラン化合物と非晶質窒化ケイ素粉末との混合物を用いてもよい。
本発明のもう1つの好ましい態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体の粒子は、一般式(1)で表される組成のLi含有α−サイアロン系蛍光体であって、走査型電子顕微鏡写真を画像解析することにより計測される一次粒子のアスペクト比が3以下であり、短軸の長さが3μmより大きいことを特徴とする。短軸の長さの好ましい上限は5μmである。このようなLi含有α−サイアロン系蛍光体の粒子は、高い蛍光強度を有する。
本発明のこの態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、上記のLi含有量のα−サイアロン組成と、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物を原料として用いることと、酸化リチウム、及び/又は、高温で酸化リチウムを形成する原料を過剰に添加して製造することを特徴としており、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物と、Al源と、Li源と、Eu源とを、上記の一般式(1)の所望のLi含有α−サイアロン系蛍光体組成を秤量し、さらにこの粉末に、Liの酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質を過剰に添加して混合し、窒素を含有する不活性ガス雰囲気中、焼成することにより得られる。
図5は、本発明のこの態様の実施例で得られたLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子の酸処理後の粉末の状態を示した走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。一次粒子が弱く融着した二次粒子の一部を観察している。
図5は非晶質窒化ケイ素にLiの酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質を過剰に添加した原料を用いて作製したLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子である。
図5では、Li含有α−サイアロン系蛍光体の一次粒子の形態(自形)が明確に確認できる。これらの粉体では、一次粒子の短軸が3μmより大きな粒子を含んでいる。
図5に示すような一次粒子形態及び凝集状態の差が生じる原因について述べる。Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子の核形成及び成長は、昇温過程で原料中に生じるLi−Al−Si−O−N系のガラス相で起こると考えられる。
まず、一次粒子の大きさの違いの原因について述べる。非晶質窒化ケイ素及び/又は含窒素シラン化合物を用い、過剰の酸化リチウムを用いない場合では、一次粒子の大きさは小さい。一方、過剰の酸化リチウムを用いた場合、一次粒子の大きさは、大きくなる。これはガラス相の量の差に起因する。すなわち、過剰の酸化リチウムを用いた場合、生成するガラス相が増加する。ガラス相が増加すると、ガラス中のサイアロンの過飽和度が低下し、生成する核の量は少なくなる。このため、1個の核に供給される原料の量が増え、結晶の大きさは大きくなる。
次に、前にも説明したが、粒子の凝集状態について述べる。結晶質の窒化ケイ素を用いて作製した場合、得られた蛍光体粉末の凝集が著しく起こる。一方、非晶質窒化ケイ素及び/又は含窒素シラン化合物を用いた場合には、凝集は少なくなる。
非晶質窒化ケイ素及び/又は含窒素シラン化合物は、その粒子径が数nmから10nm程度の超微粉であり、これがサイアロンの主原料になるため、非晶質窒化ケイ素を用いたサイアロンの原料はきわめて嵩高い。この中では、他の原料は均一に分散し、超微粉の窒化ケイ素原料と接触することになる。このため微細なガラス相が低温で均一に形成されると考えられる。しかも、原料が嵩高いため、空間的に離れた状態となる。このようなガラス相の中で核形成、成長が起こると、結果として、凝集の少ない粉体になる。
一方、結晶質窒化ケイ素の場合、その粒子径は、非晶質窒化ケイ素及び/又は含窒素シラン化合物にくらべ非常に大きく0.2μm程度ある。窒化ケイ素が大きいため、ガラス相に原料が溶け込むのではなく、窒化ケイ素粒子の表面をガラスが被うような様式でサイアロンへの反応が進行すると考えられる。また、結晶質窒化ケイ素を用いたサイアロン原料は嵩が小さく、非晶質窒化ケイ素及び/又は含窒素シラン化合物を用いた場合のようなガラス相の空間的隔離が十分にできない。このような状態でサイアロンへの反応が進行すると、一次粒子同士が強く融着・凝集した二次粒子になる。
本発明のこの態様では、過剰に添加した酸化リチウム、及び、高温で酸化リチウムを生成する原料は一種の融剤のような役割を果たすのであるが、結晶の形態をそろえる目的で添加される一般的な融剤とは大きく異なる。その理由は次の2点である。
(1)本発明のこの態様で示される常圧におけるLi含有α−サイアロンの合成では、Liの蒸発が多くなる。Liを補うことなくサイアロンを作製すると、リチウムの大きく不足したLi含有α−サイアロンになる。このようなサイアロンは欠陥が多くなり、蛍光体として好ましくない。これを解決するために、酸化リチウム、または、高温で酸化リチウムを形成する原料を添加することで、不足するLiを補うことができる。
(2)Li含有α−サイアロン系蛍光体の重要な特徴は、Ca含有α−サイアロン系蛍光体に比べ、短波長の蛍光を発することである。この蛍光波長の短波長化に、酸化リチウム、または、高温で酸化リチウムを形成する原料が有効であることも今回の検討において明らかになった。これは、添加した試薬から酸素が供給されることによると思われる。
以上のように、本発明のこの態様における酸化リチウム、及び、高温で酸化リチウムを生成する原料は、単に、結晶の一次粒子の形態を制御する通常のフラックスとは異なり、Li含有α−サイアロンの蛍光特性を本質的に向上させる効果がある。
一般的に考えて、サイアロン蛍光体を作製する場合、酸化リチウム、または、高温で酸化リチウムを形成する原料を融剤に用いることは好ましいことではない。融剤は蛍光体を得た後には不要な成分になるので、合成後に除去することが好ましい。そのため水や酸によって除去しやすい物質を選ぶことが普通である。この点を考慮するとフッ化バリウムのようなハロゲン化合物が選ばれる。酸化リチウムは、ハロゲン化合物に比べると溶解しにくい成分であり、合成後の除去が難しい。このため、本来なら融剤として採用しがたい原料である。そこで発明者らは、フッ化物を融剤として用いて検討したが、フッ化物では、良好形態の一次粒子からなるLi含有α−サイアロン系蛍光体を得ることはできなかった。
しかも、蛍光強度は酸化リチウム、または、高温で酸化リチウムを形成する原料を添加した場合に比べて低くなった。これはLiの蒸発を補うことができないためであると考えられる。以上の検討から、Li含有α−サイアロン系蛍光体に有効な融剤は、酸化リチウム、または、高温で酸化リチウムを形成する原料だけが適しているという結論に達した。
本発明のこの態様の酸化リチウム、または、高温で酸化リチウムを形成する原料を添加する方法は、本発明のすべての組成のLi含有α−サイアロンに有効であると考えられ、Li含有α−サイアロン系蛍光体の組成については、先に述べた組成であることができる。
Li含有α−サイアロン系蛍光体粉末原料(すなわち、生成すべきLi含有α−サイアロンとなるべき理論量の酸化リチウム)に対して過剰に添加する酸化リチウム、または、高温で酸化リチウムを形成する原料は、金属Liの量で、生成するLi含有α−サイアロン1モルに対し、0.1モル以上、1.25モル以下が好ましい。0.1モルよりも少ないと、結晶を大きくする効果が十分に得られない。また、1.25モルを超えると、異相の生成量が増えて蛍光強度の低下が起こる。より好ましい範囲は、0.15モル以上、0.8モル以下である。
次に本発明のこの態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の作製方法について述べる。本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質とで所望のLi含有α−サイアロン分を秤量し、さらにこの粉末に、Liの酸化物又は/及び熱分解により酸化物となる前駆体物質を過剰に添加して混合し、0.08〜0.1MPaの不活性ガス雰囲気中1500〜1800℃で焼成することにより得ることができる。焼成雰囲気としては、窒素雰囲気下、常圧で行うことがさらに好ましい。特に、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中における合成を行うことで、Li含有α−サイアロン系蛍光体の生産コストを低減させることができる。
この態様のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の作製方法は、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物を用いて、一般式(1)で表されるLi含有α−サイアロン分の原料のほかに、Liの酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質を過剰に添加する以外は、基本的に、先に述べたと同様であることができる。
過剰にLiの酸化物、または熱分解によりLiの酸化物となる前駆体物質を添加するが、熱分解によりLiの酸化物となる前駆体物質としては、夫々の炭酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩、塩基性炭酸塩、水酸化物等の金属塩類を挙げることができる。
出発原料の混合物は、常圧または減圧の窒素含有不活性ガス雰囲気中1500〜1800℃、好ましくは1550〜1700℃で焼成され、目的とするLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末が得られる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどが例示されるが、本発明においては、これらのガスと少量の水素ガスとを混合して使用することも可能である。焼成温度が1500℃よりも低いと、所望のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の生成に長時間の加熱を要し、実用的でない。また、生成粉末中におけるLi含有α−サイアロン系蛍光体相の生成割合も低下する。焼成温度が1800℃を超えると、窒化ケイ素およびサイアロンが昇華分解し、遊離のシリコンが生成する好ましくない事態が起こる。焼成時間としては、1〜48時間が好ましい。特に、焼成温度1600〜1700℃において1〜24時間の焼成時間が粒子形状及び組成において優れた蛍光体粒子が得られるためもっとも好ましい。
本発明の、希土類元素で賦活させたLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、励起光を入射することにより、波長560nmから580nmのピーク波長の蛍光を放出する。本発明のこの好ましい態様の、希土類元素で賦活させたLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、励起光を入射することにより、波長570nmから574nmの主波長の蛍光を放出する。
また、本発明の、希土類元素で賦活させたLi含有α−サイアロン系蛍光体は、いずれも、公知の方法でエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の透明樹脂と混練されてコーティング剤が製造され、該コーティング剤で表面をコーティングされた発光ダイオードは、発光素子として各種照明器具に用いることができる。
特に、励起光のピーク波長が330〜500nmの範囲にある発光源は、Li含有α−サイアロン系蛍光体に好適である。紫外領域では、Li含有α−サイアロン系蛍光体の発光効率が高く、良好な性能の発光素子を構成することが可能である。また、青色の光源でも発光効率高く、Li含有α−サイアロン系蛍光体の黄色の蛍光と青色の励起光との組み合わせで、良好な昼白色〜昼光色の発光素子を構成できる。
さらに、色調の調整に600nm〜650nmの赤色の蛍光体と組み合わせて、昼白色や昼光色の発光色を、温かみのある電球色の領域に制御することができる。このような電球色の発光素子は、一般家庭の照明に広く使うことができる。
また、本発明の、希土類元素で賦活させたLi含有α−サイアロン系蛍光体は、いずれも、Li含有α−サイアロン系蛍光体を用いて画像表示素子を作ることも可能である。この場合、前述した発光素子を用いることも可能であるが、直接、電子線、電場、紫外線などの励起源を用いてLi含有α−サイアロン系蛍光体を励起して発光させることも可能であり、たとえば、蛍光灯のような原理での利用ができる。そのような発光素子でも、画像表示装置を構成することができる。
以下では、具体的例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
(実施例1〜8)
炭酸リチウム粉末、窒化リチウム粉末、酸化ユーロピウム粉末、窒化アルミニウム粉末、及び、四塩化珪素とアンモニアを反応させることにより得られた非晶質窒化珪素粉末、または、比表面積約9.2m/gの結晶質窒化ケイ素を表1の組成になるように秤量した。表1は、原料組成をモル%で表示したものであり、表2は原料組成を重量%で表示したものである。攪拌用のナイロンボールと秤量した粉末を容器に入れ窒素雰囲下において、1時間振動ミルによって混合した。混合後、粉末を取り出し、窒化ホウ素製の坩堝に充填した。この時の充填密度は、結晶質窒化ケイ素を用いた場合約0.5g/cmで、非結晶質窒化ケイ素を用いた場合約0.18g/cmであった。これを抵抗加熱炉にセットし、常圧の窒素ガス流通雰囲気下で、室温から1000℃までを1時間、1000℃から1250℃までを2時間、1250℃から表3に示した目的の温度までを、200℃/hの昇温スケジュールで加熱し、蛍光体粉末を得た。得られた粉末は弱く焼結した塊になっていたのでこれを大きな塊のない粉末になるまで、めのう乳鉢を用いて軽く解砕し、2規定−硝酸溶液中に5時間浸漬、攪拌し酸処理を行い、得られた粉末を110℃の温度で5時間乾燥して粉末を得た。
この粉末のX線回折パターンを測定し、結晶相の同定を行った。その結果、すべての実施例において、ほぼ、Li含有α−サイアロン系蛍光体であることを確認した。次に、得られた粉末の組成分析を行った。Li含有α−サイアロン系蛍光体中に含まれる、酸素、および、窒素はLECO社製の酸素窒素同時分析装置にて行い、Liについては、試料を硝酸とフッ化水素酸で加圧酸分解したのち、硫酸を加えて白煙が発生するまで加熱濃縮し、これに塩酸を加えて加熱溶解したのち、エスアイアイ・ナノテクノロジー社のSPS5100型を用いてICP−AES法によって定量分析を行った。Siについては、試料を炭酸ナトリウムとほう酸で過熱融解したのち、塩酸で溶解し凝集重量法に準拠して定量分析を行った。Li,Euについては、Siの定量分析の前処理で得られたろ液を回収し、ICP−AESによる定量分析を行った。結果を表3に示す。これらの粉末について、さらに、日本分光社製、積分球付のFP−6500を用いて蛍光のピーク波長とピーク強度の評価を行った。なお、蛍光スペクトルの励起波長は450nmとした。結果を表4に示した。なお、δを算出する場合のEuの価数aとして2を使用した。
次に、原料として非晶質窒化ケイ素を用いた実施例2、結晶質窒化ケイ素を用いた実施例6について、日立ハイテクノロジーズ社製S4800、および、日本電子社製 JSM−7000Fの走査型電子顕微鏡(SEM)によって粒子形態を観察した。観察は、酸処理後の粒子形態について行い(図1A、図1B)、ついで、蛍光体として利用できるように、粉末から極端に大きな粒子と小さな粒子を除いた分級品について行った(図2A、2B,3A及び3B)。具体的には、粉末を20μmのふるいを通し、水比によって微粒の粒子を除去した。
SEM写真をもとに、画像解析ソフトImageJを用いておのおのの粒子の面積を求め、面積から円相当の粒子径を求め、平均粒子径を求めた。結果を表4に示した。また、目視により平均的な一次粒子を20個程度抽出し、その平均の粒子径も求めたが、その結果は、ほぼ、前述の円相当径の平均値と一致していた。非晶質窒化ケイ素を用いたLi−含有α−サイアロンの平均粒子径は、1〜3μmであった。アスペクト比はすべての実施例で2以下であった。非晶質窒化ケイ素を原料に用いたものでは、一次粒子が明確に判別できたが、結晶質窒化ケイ素を用いたものでは、一次粒子が密に融着・凝集した二次粒子になっているため画像解析は困難であった。そこで、目視により平均的な一次粒子を20個程度抽出し、その平均の粒子径を求めた。結果を表4に示す。一次粒子径は約0.5μmであり、非晶質窒化ケイ素を用いたものよりもはるかに小さかった。
また、解析領域の粒子について、0.8μm以上の粒子の存在割合を求めた。測定領域の全粒子の面積と0.8μm以上の粒子の面積を求め、その比を計算した。結果を表4に示す。全試料で70%以上の面積比であった。
実施例2の分級品について、粒度分布を堀場製作所社製のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用いて測定した。測定方法は次のとおり。サンノプコ社製のSNディスパーサントを0.03wt%含む分散媒をフローセルに入れブランク測定を行った。次に、同じ組成の分散媒に試料を加え、超音波分散を60分行った。溶液の透過率が95%〜70%になるように試料の量を調整し測定を行った。測定結果を、あらかじめ測定したブランク測定結果で補正し、粒度分布を求めた。この粉末のSEM写真を図2A、図3Aに示した。粒度分布測定の結果を図4Aに示した。頻度分布曲線は、ひとやまの良好な曲線を示した。D10、D50、D90を表4に示した。この粉末の比表面積を島津社製のフローソーブ2300型で測定したところ1.52m/gであった。さらに、実施例4の分級品についてもD10、D50、D90について測定した。頻度分布曲線は、ひとやまの良好な曲線を示した。
さらに、実施例6について、粒度分布測定を行った。この粉末のSEM写真を図2B、図3Bに示した。粒度分布の、測定結果を図4Bに示す。頻度分布曲線は、ふたやまの曲線を示した。D10、D50、D90を表4に示した。この粉末の比表面積を島津社製のフローソーブ2300型で測定したところ2.50m/gであった。さらに、実施例7の分級品についてもD10、D50、D90について測定した。頻度分布曲線は、ふたやまの曲線を示した。実施例7のD90は20μmを超えたが、これは微細な粒子と大きな粒子が測定中に凝集したためと考えられる。
結晶質窒化ケイ素を用いてLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末を作製すると、小さな一次粒子が、融着・凝集して二次粒子からなる粉末になるが、それを粉砕して蛍光体にすると、二次粒子のかけらの微粒と、大きな二次粒子になる。このような粉末では、微細な粒子によって散乱が増え、蛍光強度は低くなり、粒度分布も相対的に悪くなる。
(比較例1)
表1に示す組成で、実施例1と同様な方法で蛍光体粉末を作製した。さらに、実施例1と同じ方法で、結晶相の同定、組成分析を行った。結晶相の解析の結果、Li含有α−サイアロン系蛍光体単相で構成された粉末であった。分析した組成を表3に示す。x値が0.39のLi含有α−サイアロン系蛍光体であった。このLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の蛍光強度は低かった。このことから、x値が0.45より小さくなると良好な蛍光強度が得られないことが明らかになった。
(比較例2)
表1に示す組成で、実施例1と同様な方法で蛍光体粉末を作製した。さらに、実施例1と同じ方法で、結晶相の同定、組成分析を行った。結晶相の解析の結果、Li含有α−サイアロン系蛍光体とわずかな異相で構成された粉末であった。分析した組成を表3に示す。なお、異相はわずかでほとんどがLi含有α−サイアロン蛍光体であるので、異相を無視して計算を行った。x値が0.9、δが−0.2のLi含有α−サイアロン系蛍光体であった。このLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の蛍光強度は低かった。このことから、δが0より小さくなると良好な蛍光強度が得られないことが明らかである。
(比較例3)
表1に示す組成で、窒化ケイ素原料として比表面積約9.2m/gの結晶質窒化ケイ素を用いた以外は、実施例1と同様な方法で蛍光体粉末を作製し、同様に酸洗浄を行った。さらに、実施例1と同じ方法で、結晶相の同定、組成分析を行った。結晶相の解析の結果、Li含有α−サイアロン系蛍光体とわずかな異相で構成された粉末であった。分析した組成を表3に示す。なお、異相はわずかでほとんどがLi含有α−サイアロン蛍光体であるので、異相を無視して計算を行った。x値が0.82、δが0.0のLi含有α−サイアロン系蛍光体であった。蛍光強度比は68と小さい値を示した。
(実施例9)
実施例2の蛍光体とエポキシ樹脂を20:100の重量比で混合し、蛍光体ペーストを作製した。これを電極に取り付けられた青色発光ダイオード(波長470nm)に塗布し、120℃1時間加熱し、さらに150℃12時間加熱しエポキシ樹脂を硬化させた。得られた発光ダイオードを点灯し、昼光色の白色であることを確認した。
(実施例10)
実施例2の蛍光体と、別途作製した赤色蛍光体CaAlSiNを混合し、蛍光体の色調の調整を行った。その結果を表5に示す。表5に示す色調の変化に応じ、青色LEDとの組み合わせで、昼光色から電球色の範囲の白色LEDを作製することができた。
(実施例11)
炭酸リチウム粉末、酸化ユーロピウム粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉末及び、四塩化珪素とアンモニアを反応させることにより得られた非晶質窒化珪素粉末をx=0.85、y=0.2、m=1.25、n=1.0になるように秤量し、さらに過剰の添加物として、炭酸リチウムをLi含有α−サイアロン1モルに対し、金属Li換算で0.63モルを添加した。攪拌用のナイロンボールと秤量した粉末を容器に入れ窒素雰囲下において、1時間振動ミルによって混合した。混合後、粉末を取り出し、窒化ホウ素製の坩堝に充填した。この時の充填密度は、約0.18g/cmあった。これを抵抗加熱炉にセットし、常圧の窒素ガス流通雰囲気下、室温から1000℃までを1時間、1000℃から1250℃までを2時間、1250℃から200℃/hで、1600℃まで加熱した。保持時間は3時間とし蛍光体粉末を得た。得られた粉末は弱く焼結した塊になっていたので、これを大きな塊のない粉末になるまで、めのう乳鉢を用いて軽く解砕した。次いで、2規定−硝酸溶液中に5時間浸漬、攪拌し酸処理を行った。得られた粉末を110℃の温度で5時間乾燥した。
得られた粉末を実施例1と同じ方法で組成の分析を行った。その結果、x=0.64、y=0.10、m=0.91、n=2.12、x/m=0.70、δ=0.07であった。
さらに、得られた粉末を、日本電子社製 JSM−7000Fの走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて粒子形態を観察した。結果を図5に示す。図5に示すように、3μm以上の粒子の平均アスペクト比1.3で、短軸の長さが3.3μmであり、短軸の長さが3μmよりも大きい一次粒子のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子含むLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末を得ることができた。
この粉末のX線回折パターンを測定し、結晶相の同定を行った。なおエックス線源としてCuのKαを用いた。その結果、主要なピークはLi含有α−サイアロンであることを確認した。エックス線を精密に走査し、格子定数を求めた。その結果、六方晶系、a=7.812Å、c=5.666Åであった。
次に蛍光特性について述べる。試料として、蛍光体を実際に利用する場合を考え、極端に大きな粒子と小さな粒子を除去した分級品を採用した。具体的には、大きな粒子の塊を20μmのふるいを通して除去し、さらに、極端に微細な粒子を、水比によって除去した。
蛍光特性は、日本分光社製、積分球付のFP−6500を用いて蛍光特性の測定を行った。表4と同じスケールで、270%であった。
(実施例12)
原料として、非晶質窒化ケイ素粉末をシリコンジイミドに代え、実施例2と同様の組成で原料を秤量、混合した。混合粉末を窒化ケイ素の坩堝に充填した。この時の充填密度は0.09g/cmであった。これを抵抗加熱炉にセットし、常圧の窒素ガス流通雰囲気下で、室温から800℃までを1時間、800℃から1000℃までを2時間、1000℃から1250℃までを2時間、1250℃から1650℃までを200℃/hの昇温スケジュールで加熱し蛍光体粉末を得た。得た粉末は実施例2と同様の方法で処理し、組成の分析を行った。その結果、x=0.90、y=0.03、m=1.13、n=2.23、x/m=0.80、δ=0.17であった。蛍光ピーク波長は572nm、蛍光強度は表4の強度比で表した場合、293%であった。

Claims (18)

  1. 一般式(1)
    LiEuSi12−(m+n)Al(m+n)n+δ16−n‐δ (1)
    (式中、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=m;0.45≦x<1.2、0.001≦y≦0.2、0.9≦m≦2.5、0.5≦n≦2.4、δ>0である。)で表されることを特徴とするLi含有α−サイアロン系蛍光体。
  2. 前記δが0.05〜1.2であり、前記xとmとの比x/mが、0.4〜0.9の範囲であることを特徴とする請求項1記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体。
  3. 前記xが、0.82≦x<1.2であり、前記x/mが、0.5〜0.9の範囲であることを特徴とする請求項2記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体。
  4. 励起光を入射することにより、波長560nmから580nmのピーク波長の蛍光を放出することを特徴とする請求項1記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体。
  5. 走査型電子顕微鏡写真を画像解析することにより計測される一次粒子の平均アスペクト比が2以下であり、平均粒子径Dparticleが1μm以上3.0μm以下である粉末であることを特徴とする請求項1記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体。
  6. 走査型電子顕微鏡写真を画像解析することにより計測される粒子において、0.8μm以上の一次粒子が面積比で70%以上存在することを特徴とする請求項5記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体。
  7. レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した粒度分布曲線における頻度分布曲線が、単一のピークであり、メジアン径が4〜15μmであることを特徴とする請求項5記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体。
  8. 粒度分布曲線における10%径が1.5μm以上で、90%径が15μm以下であることを特徴とする請求項5記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体。
  9. 走査型電子顕微鏡写真を画像解析することにより計測される一次粒子のアスペクト比が3以下であり、短軸の長さが3μmより大きい粉末であることを特徴とする請求項1記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体。
  10. 窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、前記一般式(1)で表されるLi含有α−サイアロン系蛍光体の組成よりも、リチウムが過剰な組成になるように秤量、混合し、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中、1400〜1800℃で焼成することを特徴とする請求項1記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体の製造方法。
  11. 焼成後のLi含有α−サイアロン系蛍光体を、酸洗浄することを特徴とする請求項10に記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体の製造方法。
  12. 非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、前記一般式(1)で表されるLi含有α−サイアロン系蛍光体の組成よりも、リチウムが過剰な組成になるように秤量、混合し、窒素を含有する常圧の不活性ガス雰囲気中、1400〜1800℃で焼成することを特徴とする請求項5記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体の製造方法。
  13. 前記一般式(1)の組成になる理論量の、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物とAlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、さらに、前記理論量に含まれない過剰の、Liの酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを混合し、常圧の窒素を含有する不活性ガス雰囲気中、1500〜1800℃で焼成することを特徴とする請求項9に記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体の製造方法。
  14. 前記理論量に含まれない過剰の、Liの酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質の金属リチウムの量が、理論量の生成物のLi含有α−サイアロン系蛍光体1モルに対して、0.1〜1.25モルであることを特徴とする請求項13記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体の製造方法。
  15. 発光源と、請求項1、5又は9に記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体を含有する蛍光体とから構成される照明器具。
  16. 前記発光源が330〜500nmの波長の光を発光するLEDであることを特徴とする請求項15に記載の照明器具。
  17. 前記蛍光体は、さらに、600nm〜650nmの赤色を発する蛍光体を含有していることを特徴とする請求項16記載の照明器具。
  18. 励起源と請求項1、5又は9に記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体を含有する蛍光体とから構成される画像表示装置。
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