JP5167885B2 - コンクリート評価装置およびコンクリート評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート評価装置およびコンクリート評価方法に関するものである。
塗り床としてエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などの合成樹脂が用いられ、屋内外を問わず各種工場、事務所、倉庫、廊下、厨房、実験室に施工され共用されている。これらの塗り床材を施工する場合にはフクレや剥がれなどの施工後のトラブルを防ぐためにも施工時の各種管理が重要である。
その中で特に塗布対象である下地の品質管理が重要であり、日本塗り床工業会編集の「塗り床ハンドブック」においては下地の乾燥程度、表面強度、圧縮強度、平坦さ、平滑さ、汚れなどの下地状態などの管理が必要であることが記載されている。
また、日本床施工技術研究協議会はコンクリート床下地表層部の諸品質の測定方法、グレードを策定して下地評価方法を提示しており、評価項目として表面凹凸、不陸、表面強度、水分量(表層部)、水分量(表面から40mm程度まで)を挙げ各項目に対する測定方法を提示している。その中で表層部の水分量の測定には乾燥度試験紙が用いられている。この乾燥度試験紙を用いた測定では、乾燥度試験の変色度合により色評価値が求められる。
また、表面から40mm程度までの水分量の測定には、コンクリート、モルタル用高周波静電容量式水分計HI−500またはHI−520((株)ケット科学研究所製)による測定が提示されており、下地の乾燥度合として水分量5%以下が施工可能な水分量とされている。塗り床施工現場でも多くの場合、この水分計による測定値が指標とされている。上記の水分計は、たとえば特開2006−153781号公報に開示されているように、コンクリート面に電極を押圧し、電流により水分を測定する装置である。
また水分を測定する装置として、たとえば特開平11−006797号公報に記載された装置もある。特開平11−006797号公報には、赤外線をコンクリートに照射して赤外線の反射量からコンクリートの水分を求める装置が記載されている。
特開2006−153781号公報 特開平11−006797号公報
しかしながら、乾燥度試験紙を用いた水分量の測定では、乾燥度試験紙の変色度合により色評価値が求められるため、誤差が大きくなるという問題がある。
また上記の高周波静電容量式水分計を用いた水分量の測定では、+電極を押し当てる下地コンクリートの粗密性の違いによる接触面積の違いによって表示値に大きなばらつきが生じたり、コンクリート内部に存在する水分を検出できないなどの問題がある。
また上記の水分計では、コンクリートの浅部と深部との双方の水分量を測定するためには、+電極と−電極との距離の異なる電極対を複数対準備する必要がある。このため、簡易な装置構成でコンクリート内部の水分量を測定することができない。
また特開平11−006797号公報の装置では、コンクリート内部に存在する水分を検出できず、内部の水分を検出するためにはコンクリート中に貫入するように測定用窓部を形成する必要がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水分量測定の誤差が小さく、かつコンクリートの粗密の変化による測定値のばらつきが小さく、かつコンクリート内部の水分量を簡易な構成で測定可能なコンクリート評価装置およびコンクリート評価方法を提供することである。
本発明のコンクリート評価装置は、耐圧容器と、減圧部材と、湿度測定部材と、シール部材とを備えている。耐圧容器は、外部に通じる内部空間を有している。減圧部材は、耐圧容器の内部空間を減圧するためのものである。湿度測定部材は、耐圧容器の内部空間の湿度を測定するためのものである。シール部材は、内部空間が耐圧容器の外部に通じる開口部をコンクリートで密閉するように耐圧容器をコンクリートの表面に密着させるためのものである。湿度測定部材は、内部空間が減圧部材により減圧される前の初期状態および減圧された減圧状態のいずれかの状態での内部空間の湿度と、減圧状態から自然吸気により内部空間の減圧度が低下した減圧度低下状態での内部空間の湿度とを測定できるように構成されている。
また本発明のコンクリートの評価方法は、以下の工程を備えている。
まず耐圧容器の内部空間の開口部をコンクリートで密閉するように耐圧容器がコンクリートの表面に密着された初期状態とされる。その初期状態から内部空間が減圧されて減圧状態とされる。その減圧状態から自然吸気により内部空間の減圧度が低下されて内部空間が減圧度低下状態とされる。初期状態および減圧状態のいずれかの状態での内部空間の湿度と、減圧度低下状態での内部空間の湿度との湿度差に基づいてコンクリート内の水分量が評価される。
本発明のコンクリート評価装置およびコンクリートの評価方法によれば、コンクリート表面と外部に通じる内部空間を有する耐圧容器とで形成される該内部空間を減圧状態にすることによって、コンクリートに内包された水分を促進的にコンクリートの外へ引っ張り出すことができる。結果としてコンクリート内部から外に出てきた水分を湿度測定部材で測定することができ、コンクリート内部に存在する水分を小さな誤差で検出することができる。
また本発明のコンクリート評価装置およびコンクリートの評価方法では、従来例のように装置とコンクリートとの接触面積の違いによって表示値に大きなばらつきが生じるようなこともない。このため、コンクリートの粗密の変化による測定値のばらつきを小さく抑えることができる。
また上記のコンクリート評価装置においては、内部空間が耐圧容器の外部に通じる開口部をコンクリートで密閉するように耐圧容器をコンクリートの表面に密着させるためのシール部材がさらに備えられているため、より正確に耐圧容器の内部空間内の湿度または圧力を測定することが可能となる。
上記のコンクリート評価装置において好ましくは、耐圧容器の内部空間内の圧力を測定するための圧力測定部材がさらに備えられている。
この圧力測定部材で耐圧容器の内部空間内の圧力を測定することにより、コンクリートの透気性を測定することができる。上記で測定した水分量と透気性とにより、コンクリートの表面に施工された床材に生じるフクレや剥がれの発生を予測することができる。
また耐圧容器の内部空間内の圧力を測定する圧力測定部材を追加した1つの装置で水分量と透気性との双方を一度に測定できるため、水分量測定用の装置と透気性測定用の装置とを別々の装置で測定する場合よりも装置構成を簡略化することができる。
上記の本発明のコンクリートの評価方法において好ましくは、減圧状態から減圧度低下状態に至るまでの時間と、減圧状態および減圧度低下状態の各々の内部空間の圧力とを測定することによりコンクリートの透気性を評価する工程がさらに備えられている。
これにより、上記で測定した水分量と透気性とにより、コンクリートの表面に施工された床材に生じるフクレや剥がれの発生を予測することができる。
また耐圧容器の内部空間内の圧力を測定する圧力測定部材を追加した1つの装置で1回の減圧−減圧度低下プロセスにて水分量と透気性との双方を測定できるため、水分量の測定と透気性の測定とを別々のプロセスで行なう場合よりも測定プロセスを簡略化することができる。
以上説明したように本発明によれば、コンクリート表面を減圧状態にすることによって、コンクリートに内包された水分を促進的にコンクリート表面と外部に通じる内部空間を有する耐圧容器で形成される該内部空間へ引っ張り出すことができ、コンクリート内部に存在する水分を小さな誤差で検出することができる。また装置とコンクリートとの接触面積の違いによって表示値に大きなばらつきが生じるようなこともないため、コンクリートの粗密の変化によるコンクリート内の水分測定値のばらつきを小さく抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるコンクリート評価装置の構成を概略的に示す断面図である。図1を参照して、本実施の形態のコンクリート評価装置10は、耐圧容器1と、減圧部材2と、湿度測定部材3と、圧力測定部材4と、シール部材5と、ロガー(自動記録部材)6と、耐圧ホース7と、ゴム栓8とを主に有している。
耐圧容器1は、内部空間1aと、その内部空間1aを耐圧容器1の外部に通じさせるための開口部1bとを有している。また耐圧容器1は、内部空間1aに通じるたとえば3つの口1c1、1c2、1c3を有している。この耐圧容器1は、後述するような減圧度(たとえば8.0kPa)に耐えられる容器であればよく、材質としてはたとえば耐圧ガラス、プラスチック、金属などからなっていてもよい。
減圧部材2は、耐圧容器1の内部空間1a内を減圧するためのものであり、耐圧ホース7を介して耐圧容器1に接続されている。耐圧ホース7は、耐圧容器1の口1c1に気密に接続されている。この減圧部材2には、たとえば真空ポンプが用いられる。この真空ポンプは、ウェットポンプおよびドライポンプのいずれでもよく、ウェットポンプとしてはロータリーポンプ、拡散ポンプ、揺動ピストン型ポンプなどが用いられ、ドライポンプとしてはソープションポンプ、ターボ分子ポンプ、イオンポンプ、ゲッターポンプ、クライオポンプ、メカニカルブースターポンプ、ダイヤフラムポンプなどが用いられる。また、減圧部材2として、真空度に応じて、これらのポンプが単体で用いられてもよく、また任意の組み合わせで用いられてもよい。
湿度測定部材3は、耐圧容器1の内部空間1a内の湿度を測定するためのものであり、耐圧容器1の口1c2から内部空間1a内に挿入されている。また湿度測定部材3と口1c2との間にゴム栓8が嵌められることにより、湿度測定部材3と口1c2との間の気密が保たれている。湿度測定部材3には、たとえば伸縮式湿度計、電気式湿度計が単体もしくは組み合わせで用いられる。
また湿度測定部材3として、たとえばシリカゲル、モレキュラシーブ(ゼオライト)、酸化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、水酸化ナトリウム、吸水性樹脂(吸水性ポリマー)などの吸湿性を有する吸湿剤が用いられてもよい。つまり、その吸湿剤で耐圧容器1の内部空間1a内の水分を吸湿させた後に、この吸湿剤中に吸湿された水分量を測定することで、その測定された水分量から内部空間1a内の湿度が求められてもよい。ただし、このような吸湿剤を使用する場合には、減圧状態での湿度の測定が困難であるため、実際の判断は初期状態での湿度の測定結果に基づいて行なわれることになる。
また湿度測定部材3には、湿度だけでなく温度も同時に測定することのできる温湿度センサーが用いられてもよい。
この湿度測定部材3にはロガー(自動記録部材)6が接続されている。このロガー6により、湿度測定部材3で測定された耐圧容器1の内部空間1a内の湿度、温度を自動的に記録することが可能となる。
圧力測定部材4は、耐圧容器1の内部空間1a内の圧力を測定するためのものであり、気密を保った状態で耐圧容器1の口1c3に接続されている。これにより、耐圧容器1の内部空間1a内の圧力を圧力測定部材4によって測定することが可能である。圧力測定部材4には、たとえばブルドン管圧力計、ダイヤフラム圧力計などが単体もしくは組み合わせで用いられてもよい。
シール部材5は耐圧容器1の開口部1bの周囲を取り囲むように耐圧容器1に取り付けられている。このシール部材5は、耐圧容器1をコンクリート11の表面に密着させることができるように構成されており、これにより内部空間1aの開口部1bをコンクリート11で密閉することが可能で、耐圧容器1で密閉された内部空間1aを形成できる。このシール部材5には、たとえばOリング、ゴムパッキン、ゴムシート、メタルシート、セミメタルシート、シールテープ、液状シール、メカニカルシールなどで、その材質としては、高分子弾性部材として、エラストマー部材、ゴム部材、高分子ゲル状部材であり、たとえばポリウレタン、シリコンから得られる。市販品としてはαゲル(ジェルテック株式会社製品)などが用いられる。
なお、耐圧容器1自体がコンクリート11の表面に直接密着性よく配置できる場合には、シール部材5は省略されてもよい。またシール部材5は、予め耐圧容器1に取り付けられてなくてもよく、コンクリート11を評価する際に耐圧容器1とコンクリート11との間に配置されてもよい。
次に、上記のコンクリート評価装置10を用いた本実施の形態のコンクリートの評価方法について説明する。
図2は、本発明の一実施の形態におけるコンクリート評価方法を示すフロー図である。図2を参照して、まず図1に示すコンクリート評価装置10がコンクリート11の表面に設置される(ステップS1)。この設置の際に、シール部材5が耐圧容器1とコンクリート11との間に位置し、かつコンクリート11の表面に密着するように耐圧容器1が配置される。これにより、内部空間1aの開口部1bがコンクリート11で密閉される。この状態が初期状態とされる。この初期状態における耐圧容器1の内部空間1a内の湿度が湿度測定部材3により測定される(ステップS2)。
この初期状態から、耐圧容器1の内部空間1aが減圧部材2により減圧される(ステップS3)。この状態が減圧状態とされる。この減圧状態における耐圧容器1の内部空間1a内の湿度が湿度測定部材3により測定され、内部空間1a内の圧力が圧力測定部材4により測定される(ステップS4)。この減圧状態とは、内部空間1aを圧力測定部材4により測定した際に、好ましくは5〜20kPaとした状態である。
この減圧状態から、減圧部材2による減圧が停止される。これにより、耐圧容器1の内部空間1a内にコンクリート11の空隙などを通じて空気が徐々に流入する。このような自然吸気により内部空間の減圧度が徐々に低下する(ステップS5)。この状態が減圧度低下状態とされる。この減圧度低下状態における耐圧容器1の内部空間1a内の湿度が湿度測定部材3により測定され、内部空間1a内の圧力が圧力測定部材4により測定される(ステップS6)。
上記の初期状態および減圧状態のいずれかの状態での内部空間1aの湿度と、減圧度低下状態での内部空間1aの湿度との湿度差に基づいて、コンクリート11の内部の水分量が評価される(ステップS7A)。この減圧度低下状態とは、内部空間1aを圧力測定部材4により測定した際に、好ましくは30〜60kPaとした状態である。
また上記の減圧状態から減圧度低下状態に至るまでの時間Tと、減圧状態における内部空間1aの圧力P1および減圧度低下状態における内部空間1aの圧力P2とを測定することにより、コンクリート11の透気性が評価される(ステップS7B)。透気性を評価するための透気性指数(A.P.I.(Air Permeability Indexes):単位(kPa/sec.))として、たとえば(P2−P1)/Tの等式が用いられる。
本実施の形態においては、上記のようにしてコンクリートの水分量と透気性とが評価される。
なお、内部空間1a内の湿度および圧力は、上記の初期状態から測定の終了まで、所定時間ごとに(たとえば1秒ごとに)逐次測定されてもよい。また内部空間1a内の温度が湿度測定部材3としての温湿度センサーにより測定されてもよく、この温度も上記の初期状態から測定の終了まで、所定時間ごとに(たとえば1秒ごとに)逐次測定されてもよい。このように逐次測定された湿度および温度はロガー6に自動的に記録され、その記録されたデータから初期状態、減圧状態および減圧度低下状態の湿度および温度が割り出されてもよい。また圧力に関しても、自動的に記録されて、その記録されたデータから初期状態、減圧状態および減圧度低下状態の圧力が割り出されてもよい。
本実施の形態によれば、コンクリート11の表面を減圧状態にすることによって、コンクリート11に内包された水分を促進的にコンクリート11の外へ引っ張り出すことができる。結果としてコンクリート11の内部から外に出てきた水分を湿度として湿度測定部材3で測定することができ、コンクリート11の内部に存在する水分を小さな誤差で検出することができる。
また本実施の形態によれば、従来例のように装置とコンクリート11との接触面積の違いによって表示値に大きなばらつきが生じるようなこともない。このため、コンクリート11の粗密の変化による測定値のばらつきを小さく抑えることができる。
また上記のようにして得られたコンクリートの水分量と透気性とから、コンクリート表面における施工された床材のフクレおよび剥がれの生じやすさを従来例よりも正確に予測、評価することもできる。以下、そのことを説明する。
従来、高周波静電容量式水分計HI−500またはHI−520によってコンクリートの水分量を測定した場合、その測定値が施工可能な水分量とされている5%以下であっても、施工後に塗床表面にフクレや剥がれが生じる場合がある。このフクレや剥がれが生じる原因は、下地水分による突き上げに起因するものと推定される。しかしながら、従来の水分計による測定では、コンクリート内部の浅部から深部までの全体的な水分量を測定することができないため、該フクレや剥がれの発生を事前に推測することは困難である。
これに対して、本実施の形態のコンクリート評価装置10を用いた評価方法によれば、上述したようにコンクリート11の内部に存在する水分を小さな誤差で検出することができる。このため、コンクリート11の下地水分による突き上げを従来例よりも正確に予測することが可能となる。よって、コンクリート11の表面におけるフクレおよび剥がれの生じやすさを従来例よりも正確に評価することが可能となる。
また従来の透気性のみを測定する測定装置の場合、透気性の測定時にコンクリートの空隙に水分が存在すると、透気性があたかも低くなっているような測定結果が得られる。これに対して本実施の形態においては、湿度の測定値からコンクリートの空隙内における水分量を評価できるため、その水分量から透気性をより正確に知ることができる。
また本実施の形態のコンクリート評価装置10では、1つの装置でコンクリートの透気性と水分量との双方を一度に測定することができる。このため、水分量と透気性とを別々の装置で測定する構成よりも装置構成を簡略化することができる。
また本実施の形態のコンクリート評価方法では、1回の減圧−減圧度低下プロセスにより水分量と透気性との双方を測定することができる。このため、水分量と透気性とを別々のプロセスで測定する方法よりも測定プロセスを簡略化することができる。
またシール部材5により耐圧容器1をコンクリート11の表面に密着させることができるため、より正確に耐圧容器1の内部空間1a内の湿度または圧力を測定することが可能となる。
また温度を測定することで、コンクリート中の水分が気化するときの気化熱により温度が低下する様子を知ることができる。このため、その温度低下の状態からもコンクリート内部の水分量を知ることができ、より正確な水分量の測定が可能となる。
以上より本実施の形態によれば、施工現場においてコンクリート表面の粗密性とコンクリート内部の水分の有無を簡易的かつ短時間で測定することができる。また、初期の空気中の湿度以上に耐圧容器1の内部空間1aの湿度が上昇するか否かで施工後の不具合に起因するコンクリート11の内部の水分を検出することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1を参照して、耐圧容器1としてのガラス製の直径20cmの三口セパラブルフラスコ頭部の口1c1、1c2、1c3のそれぞれに真空ポンプ2、温湿度センサー3(安立計器株式会社製耐圧温湿度センサーTA502RWS)、デジタル式圧力ゲージ4を設置した。なお真空ポンプ2は耐圧ホース7を使って耐圧容器の口1c1に接続し、温湿度センサー3にはロガー6(ロガーAM8000K)を接続した。この温湿度センサー3とロガー6を用いることによって1秒毎に温度と湿度を検出することができる。
JIS A−5371コンクリート舗道板11(30cm×30cm)を準備し、このコンクリート舗道板11を80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度50%の室内に1日放置した。この後、コンクリート舗道板11にシール部材5としてシリコンゴムパッキンを介して耐圧容器1を密着させた。この際に耐圧容器1の内部空間1a内の温度および湿度を測定したところ、温度が23℃で、湿度が50%であった。
耐圧容器1の内部空間1aを真空ポンプ2により減圧状態とし、内部空間1a内の圧力が8.0kPaとなった時点で減圧をストップした。減圧をストップした際の減圧状態における内部空間1a内の湿度は26%であった。
上記減圧をストップした後、耐圧容器1をコンクリート舗道板11に密着させた状態で所定時間放置した。この際、コンクリート舗道板11の空隙等からの自然吸気による空気流入によって耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が次第に上昇した。その内部空間1a内の圧力が53.3kPaとなる時点までの時間を測定することで透気性指標A.P.I.(kPa/sec.)を評価した。この際のA.P.I.は(53.3−8.0)/206秒=0.22kPa/sec.であった。また耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が53.3kPaまで戻った際の、減圧度低下状態における内部空間1a内の湿度は32%で安定した。
上記の測定結果から、初期状態と減圧度低下状態との湿度差が−18%と低い値となったため、コンクリート舗道板11は内部に水分をほとんど含まない乾燥コンクリートであると判断できる。
また80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度50%の室内に1日放置した同コンクリート舗道板11の表面水分を高周波静電容量式水分計HI−500((株)ケット科学研究所製)を用いて測定したところ、水分量の測定値は3.0%であった。
この結果から、同コンクリート舗道板11は、塗り床工業会発行の塗り床ハンドブックに記載の塗り床施工可能水分量と判断されるものであった。
(実施例2)
図1を参照して、耐圧容器1としてのガラス製の直径20cmの三口セパラブルフラスコ頭部の口1c1、1c2、1c3のそれぞれに真空ポンプ2、温湿度センサー3(安立計器株式会社製耐圧温湿度センサーTA502RWS)、デジタル式圧力ゲージ4を設置した。なお真空ポンプ2は耐圧ホース7を使って耐圧容器の口1c1に接続し、温湿度センサー3にはロガー6(ロガーAM8000K)を接続した。この温湿度センサー3とロガー6を用いることによって1秒毎に温度と湿度を検出することができる。
JIS A−5371コンクリート舗道板11(30cm×30cm)を準備し、このコンクリート舗道板11を80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度50%の室内に1日放置した。この後、コンクリート舗道板11の表面から5gの水道水を流し、5分後にウエスでコンクリート舗道板11の表面の水分をふき取った。この後、さらに1時間放置し、表層の水分が飛散しコンクリート舗道板11の表面の状態が水を流す前の状態と目視上同じになることを確認した。
この状態でのコンクリート舗道板11の表面の水分量を高周波静電容量式水分計HI−500((株)ケット科学研究所製)を用いて測定すると3.0%であった。
このコンクリート舗道板11にシール部材5としてシリコンゴムパッキンを介して耐圧容器1を密着させた。この際に耐圧容器1の内部空間1a内の温度および湿度を測定したところ、温度が23℃で、湿度が50%であった。
耐圧容器1の内部空間1aを真空ポンプ2により減圧状態とし、内部空間1a内の圧力が8.0kPaとなった時点で減圧をストップした。減圧をストップした際の減圧状態における内部空間1a内の湿度は35%であった。
上記減圧をストップした後、耐圧容器1をコンクリート舗道板11に密着させた状態で所定時間放置した。この際、コンクリート舗道板11の空隙等からの自然吸気による空気流入によって耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が次第に上昇した。その内部空間1a内の圧力が53.3kPaとなる時点までの時間を測定することで透気性指標A.P.I.(kPa/sec.)を評価した。この際のA.P.I.は(53.3−8.0)/205秒=0.22kPa/sec.であった。また耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が53.3kPaまで戻った際の、減圧度低下状態における内部空間1a内の湿度は71%まで上昇した。
上記の測定結果から、初期状態と減圧度低下状態との湿度差が+21%と高い値となったため、上記の実施例1に比較して、本実施例のコンクリート舗道板11は内部に水分を多く含んでいると判断できる。
一方、上記の高周波静電容量式水分計HI−500での水分の測定値は実施例1と同じであったことを鑑みると、図1に示す本実施の形態の装置10を用いることにより、高周波静電容量式水分計HI−500では検出できない内部水分の存在を見極めることができたことがわかる。
(実施例3)
図1を参照して、耐圧容器1としてのガラス製の直径20cmの三口セパラブルフラスコ頭部の口1c1、1c2、1c3のそれぞれに真空ポンプ2、温湿度センサー3(安立計器株式会社製耐圧温湿度センサーTA502RWS)、デジタル式圧力ゲージ4を設置した。なお真空ポンプ2は耐圧ホース7を使って耐圧容器の口1c1に接続し、温湿度センサー3にはロガー6(ロガーAM8000K)を接続した。この温湿度センサー3とロガー6を用いることによって1秒毎に温度と湿度を検出することができる。
JIS A−5371コンクリート舗道板11(30cm×30cm)を準備し、このコンクリート舗道板11を80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度50%の室内に1日放置した。この後、コンクリート舗道板11にシール部材5としてシリコンゴムパッキンを介して耐圧容器1を密着させた。この際に耐圧容器1の内部空間1a内の温度および湿度を測定したところ、温度が23℃で、湿度が50%であった。
耐圧容器1の内部空間1aを真空ポンプ2により減圧状態とし、内部空間1a内の圧力が8.0kPaとなった時点で減圧をストップした。減圧をストップした際の減圧状態における内部空間1a内の湿度は28%であった。
上記減圧をストップした後、耐圧容器1をコンクリート舗道板11に密着させた状態で所定時間放置した。この際、コンクリート舗道板11の空隙等からの自然吸気による空気流入によって耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が次第に上昇した。その内部空間1a内の圧力が53.3kPaとなる時点までの時間を測定することで透気性指標A.P.I.(kPa/sec.)を評価した。この際のA.P.I.は(53.3−8.0)/302秒=0.15kPa/sec.であった。また耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が53.3kPaまで戻った際の、減圧度低下状態における内部空間1a内の湿度は35%で安定した。
上記の測定結果から、初期状態と減圧度低下状態との湿度差が−15%と低い値となったため、コンクリート舗道板11は内部に水分をほとんど含まない乾燥コンクリートであると判断できる。
また80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度50%の室内に1日放置した同コンクリート舗道板11の表面水分を高周波静電容量式水分計HI−500((株)ケット科学研究所製)を用いて測定したところ、水分量の測定値は3.8%であった。
この結果から、同コンクリート舗道板11は、塗り床工業会発行の塗り床ハンドブックに記載の塗り床施工可能水分量と判断されるものであった。
ただし、上記の実施例1と同様のJISコンクリート舗道板11を用いまったく同様の条件で乾燥させて同様の条件で測定した本実施例の場合でも高周波静電容量式水分計HI−500での測定結果は0.8%も高く、大きなばらつきが見られた。具体的には、実施例1および3の水分量の小さい値に対する大きい値の比(大きい値/小さい値)は、3.8/3.0≒127%とばらつきが大きくなることが分かる。これに対して、実施例1および3の各々の減圧度低下状態における湿度の小さい値に対する大きい値の比(大きい値/小さい値)は、35/32=109%とばらつきが小さくなることが分かる。
(実施例4)
図1を参照して、耐圧容器1としてのガラス製の直径20cmの三口セパラブルフラスコ頭部の口1c1、1c2、1c3のそれぞれに真空ポンプ2、温湿度センサー3(安立計器株式会社製耐圧温湿度センサーTA502RWS)、デジタル式圧力ゲージ4を設置した。なお真空ポンプ2は耐圧ホース7を使って耐圧容器の口1c1に接続し、温湿度センサー3にはロガー6(ロガーAM8000K)を接続した。この温湿度センサー3とロガー6を用いることによって1秒毎に温度と湿度を検出することができる。
JIS A−5371コンクリート舗道板11(30cm×30cm)を準備し、このコンクリート舗道板11を80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度50%の室内に1日放置した。この後、コンクリート舗道板11の表面から10gの水道水を流し、5分後にウエスでコンクリート舗道板11の表面の水分をふき取った。この後、さらに1時間放置し、表層の水分が飛散しコンクリート舗道板11の表面の状態が水を流す前の状態と目視上同じになることを確認した。
この状態でのコンクリート舗道板11の表面の水分量を高周波静電容量式水分計HI−500((株)ケット科学研究所製)を用いて測定すると3.8%であった。
このコンクリート舗道板11にシール部材5としてシリコンゴムパッキンを介して耐圧容器1を密着させた。この際に耐圧容器1の内部空間1a内の温度および湿度を測定したところ、温度が23℃で、湿度が50%であった。
耐圧容器1の内部空間1aを真空ポンプ2を用いて減圧状態とし、内部空間1a内の圧力が8.0kPaとなった時点で減圧をストップした。減圧をストップした際の減圧状態における内部空間1a内の湿度は42%であった。
上記減圧をストップした後、耐圧容器1をコンクリート舗道板11に密着させた状態で所定時間放置した。この際、コンクリート舗道板11の空隙等からの自然吸気による空気流入によって耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が次第に上昇した。その内部空間1a内の圧力が53.3kPaとなる時点までの時間を測定することで透気性指標A.P.I.(kPa/sec.)を評価した。この際のA.P.I.は(53.3−8.0)/302秒=0.15kPa/sec.であった。また耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が53.3kPaまで戻った際の、減圧度低下状態における内部空間1a内の湿度は93%まで上昇した。
上記の測定結果から、初期状態と減圧度低下状態との湿度差が+43%と高い値となったため、上記の実施例3に比較して、本実施例のコンクリート舗道板11は内部に水分を多く含んでいると判断できる。
一方、上記の高周波静電容量式水分計HI−500での水分の測定値は実施例3と同じであったことを鑑みると、図1に示す装置を用いることにより、高周波静電容量式水分計HI−500では検出できない内部水分の存在を見極めることができたことがわかる。
また本実施例における初期状態と減圧度低下状態との湿度差(+43%)が、実施例2の湿度差(+21%)よりも大きくなっているのは、コンクリート舗道板11の表面に流した水道水の量を反映しているためと考えられる。つまり、本実施例では実施例2よりも多くの水道水を流しているため、コンクリート舗道板11の内部に蓄えられた水分量についても本実施例の方が実施例2よりも多いと考えられ、測定された湿度差がその内部の水分量を反映しているものと考えられる。このため、図1に示す装置を用いることにより、コンクリート舗道板11の内部の水分量を正確に測定できていることがわかる。
(実施例5)
図1を参照して、耐圧容器1としてのガラス製の直径20cmの三口セパラブルフラスコ頭部の口1c1、1c2、1c3のそれぞれに真空ポンプ2、温湿度センサー3(安立計器株式会社製耐圧温湿度センサーTA502RWS)、デジタル式圧力ゲージ4を設置した。なお真空ポンプ2は耐圧ホース7を使って耐圧容器の口1c1に接続し、温湿度センサー3にはロガー6(ロガーAM8000K)を接続した。この温湿度センサー3とロガー6を用いることによって1秒毎に温度と湿度を検出することができる。
JIS A−5371コンクリート舗道板11(30cm×30cm)を準備し、このコンクリート舗道板11を80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度80%の室内に1日放置した。この後、コンクリート舗道板11にシール部材5としてシリコンゴムパッキンを介して耐圧容器1を密着させた。この際に耐圧容器1の内部空間1a内の温度および湿度を測定したところ、温度が23℃で、湿度が80%であった。
耐圧容器1の内部空間1aを真空ポンプ2により減圧状態とし、内部空間1a内の圧力が8.0kPaとなった時点で減圧をストップした。減圧をストップした際の減圧状態における内部空間1a内の湿度は60%であった。
上記減圧をストップした後、耐圧容器1をコンクリート舗道板11に密着させた状態で所定時間放置した。この際、コンクリート舗道板11の空隙等からの自然吸気による空気流入によって耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が次第に上昇した。その内部空間1a内の圧力が53.3kPaとなる時点までの時間を測定することで透気性指標A.P.I.(kPa/sec.)を評価した。この際のA.P.I.は(53.3−8.0)/266秒=0.17kPa/sec.であった。また耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が53.3kPaまで戻った際の、減圧度低下状態における内部空間1a内の湿度は72%で安定した。
上記の測定結果から、初期状態と減圧度低下状態との湿度差が−8%と低い値となったため、コンクリート舗道板11は内部に水分をほとんど含まない乾燥コンクリートであると判断できる。
また80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度80%の室内に1日放置した同コンクリート舗道板11の表面水分を高周波静電容量式水分計HI−500((株)ケット科学研究所製)を用いて測定したところ、水分量の測定値は3.6%であった。
この結果から、同コンクリート舗道板11は、塗り床工業会発行の塗り床ハンドブックに記載の塗り床施工可能水分量と判断されるものであった。
(実施例6)
図1を参照して、耐圧容器1としてのガラス製の直径20cmの三口セパラブルフラスコ頭部の口1c1、1c2、1c3のそれぞれに真空ポンプ2、温湿度センサー3(安立計器株式会社製耐圧温湿度センサーTA502RWS)、デジタル式圧力ゲージ4を設置した。なお真空ポンプ2は耐圧ホース7を使って耐圧容器の口1c1に接続し、温湿度センサー3にはロガー6(ロガーAM8000K)を接続した。この温湿度センサー3とロガー6を用いることによって1秒毎に温度と湿度を検出することができる。
JIS A−5371コンクリート舗道板11(30cm×30cm)を準備し、このコンクリート舗道板11を80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度80%の室内に1日放置した。この後、コンクリート舗道板11の表面から10gの水道水を流し、5分後にウエスでコンクリート舗道板11の表面の水分をふき取った。この後、さらに4時間放置し、表層の水分が飛散しコンクリート舗道板11の表面の状態が水を流す前の状態と目視上同じになることを確認した。
この状態でのコンクリート舗道板11の表面の水分量を高周波静電容量式水分計HI−500((株)ケット科学研究所製)を用いて測定すると3.6%であった。
このコンクリート舗道板11にシール部材5としてシリコンゴムパッキンを介して耐圧容器1を密着させた。この際に耐圧容器1の内部空間1a内の温度および湿度を測定したところ、温度が23℃で、湿度が80%であった。
耐圧容器1の内部空間1aを真空ポンプ2により減圧状態とし、内部空間1a内の圧力が8.0kPaとなった時点で減圧をストップした。減圧をストップした際の減圧状態における内部空間1a内の湿度は64%であった。
上記減圧をストップした後、耐圧容器1をコンクリート舗道板11に密着させた状態で所定時間放置した。この際、コンクリート舗道板11の空隙等からの自然吸気による空気流入によって耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が次第に上昇した。その内部空間1a内の圧力が53.3kPaとなる時点までの時間を測定することで透気性指標A.P.I.(kPa/sec.)を評価した。この際のA.P.I.は(53.3−8.0)/324秒=0.14kPa/sec.であった。また耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が53.3kPaまで戻った際の、減圧度低下状態における内部空間1a内の湿度は88%まで上昇した。
上記の測定結果から、初期状態と減圧度低下状態との湿度差が+8%と高い値となったため、上記の実施例5に比較して、本実施例のコンクリート舗道板11は内部に水分を多く含んでいると判断できる。
一方、上記の高周波静電容量式水分計HI−500での水分の測定値は実施例5と同じであったことを鑑みると、図1に示す装置を用いることにより、高周波静電容量式水分計HI−500では検出できない内部水分の存在を見極めることができたことがわかる。
なお本実施例における初期状態と減圧度低下状態との湿度差(+8%)が、実施例2の湿度差(+21%)よりも小さくなっているのは、初期状態が高湿度状態であるからであり、こうした場合にはコンクリート内部に水分があっても、もともと気中の水分が多いので減圧状態にしてもコンクリートに内包する水分の多くは内部空間11aの中にすべて出てこないことを示しているものと考えられる。
(実施例7)
図1を参照して、耐圧容器1としてのガラス製の直径20cmの三口セパラブルフラスコ頭部の口1c1、1c2、1c3のそれぞれに真空ポンプ2、温湿度センサー3(安立計器株式会社製耐圧温湿度センサーTA502RWS)、デジタル式圧力ゲージ4を設置した。なお真空ポンプ2は耐圧ホース7を使って耐圧容器の口1c1に接続し、温湿度センサー3にはロガー6(ロガーAM8000K)を接続した。この温湿度センサー3とロガー6を用いることによって1秒毎に温度と湿度を検出することができる。
セメントに対する水の比率(水/セメント(=W/C))が45%のコンクリート舗道板11(30cm×30cm)を表面開放のまま1ヶ月放置養生して作成した。このコンクリート舗道板11を80℃で60時間乾燥させた後に、温度23℃、湿度50%の室内に1日放置した。
この状態でのコンクリート舗道板11の表面の水分量を高周波静電容量式水分計HI−500((株)ケット科学研究所製)を用いて測定すると2.8%であった。
このコンクリート舗道板11にシール部材5としてシリコンゴムパッキンを介して耐圧容器1を密着させた。この際に耐圧容器1の内部空間1a内の温度および湿度を測定したところ、温度が23℃で、湿度が50%であった。
耐圧容器1の内部空間1aを真空ポンプ2により減圧状態とし、内部空間1a内の圧力が8.0kPaとなった時点で減圧をストップした。減圧をストップした際の減圧状態における内部空間1a内の湿度は25%であった。
上記減圧をストップした後、耐圧容器1をコンクリート舗道板11に密着させた状態で所定時間放置した。この際、コンクリート舗道板11の空隙等からの自然吸気による空気流入によって耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が次第に上昇した。その内部空間1a内の圧力が53.3kPaとなる時点までの時間を測定することで透気性指標A.P.I.(kPa/sec.)を評価した。この際のA.P.I.は(53.3−8.0)/503秒=0.09kPa/sec.であった。また耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が53.3kPaまで戻った際の、減圧度低下状態における内部空間1a内の湿度は30%で安定した。
上記の測定結果から、初期状態と減圧度低下状態との湿度差が−20%と低い値となったため、コンクリート舗道板11は内部に水分をほとんど含まない乾燥コンクリートであると判断できる。
また高周波静電容量式水分計HI−500で測定した水分量が2.8%であることから、同コンクリート舗道板11は、塗り床工業会発行の塗り床ハンドブックに記載の塗り床施工可能水分量と判断されるものであった。
(実施例8)
図1を参照して、耐圧容器1としてのガラス製の直径20cmの三口セパラブルフラスコ頭部の口1c1、1c2、1c3のそれぞれに真空ポンプ2、温湿度センサー3(安立計器株式会社製耐圧温湿度センサーTA502RWS)、デジタル式圧力ゲージ4を設置した。なお真空ポンプ2は耐圧ホース7を使って耐圧容器の口1c1に接続し、温湿度センサー3にはロガー6(ロガーAM8000K)を接続した。この温湿度センサー3とロガー6を用いることによって1秒毎に温度と湿度を検出することができる。
セメントに対する水の比率(水/セメント(=W/C))が65%のコンクリート舗道板11(30cm×30cm)を表面開放のまま1ヶ月放置養生して作成した。このコンクリート舗道板11を80℃で60時間乾燥した後に、温度23℃、湿度50%の室内に1日放置した。
この状態でのコンクリート舗道板11の表面の水分量を高周波静電容量式水分計HI−500((株)ケット科学研究所製)を用いて測定すると1.9%であった。
このコンクリート舗道板11にシール部材5としてシリコンゴムパッキンを介して耐圧容器1を密着させた。この際に耐圧容器1の内部空間1a内の温度および湿度を測定したところ、温度が23℃で、湿度が50%であった。
耐圧容器1の内部空間1aを真空ポンプ2により減圧状態とし、内部空間1a内の圧力が8.0kPaとなった時点で減圧をストップした。減圧をストップした際の減圧状態における内部空間1a内の湿度は26%であった。
上記減圧をストップした後、耐圧容器1をコンクリート舗道板11に密着させた状態で所定時間放置した。この際、コンクリート舗道板11の空隙等からの自然吸気による空気流入によって耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が次第に上昇した。その内部空間1a内の圧力が53.3kPaとなる時点までの時間を測定することで透気性指標A.P.I.(kPa/sec.)を評価した。この際のA.P.I.は(53.3−8.0)/46秒=1.09kPa/sec.であった。また耐圧容器1の内部空間1a内の圧力が53.3kPaまで戻った際の、減圧度低下状態における内部空間1a内の湿度は39%で安定した。
上記のA.P.I.の測定結果から、本実施例のコンクリート舗道板11では、上記の実施例7で作成したコンクリート舗道板11と比較して空隙が多いことが分かる。つまり、上記の実施例7とW/Cのみが異なる以外はまったく同様の養生条件で作成した本実施例のコンクリート舗道板11は、コンクリート内の空隙、粗密性において実施例7のコンクリート舗道板11と異なることが透気性指標A.P.I.から判断することができる。
水分量を高周波静電容量式水分計HI−500((株)ケット科学研究所製)で測定する場合、実施例1、3、7および8に示すようにコンクリートの粗密性の違いによる測定部位の接触面積の違いで水分量の指標値が大きく異なっている。このことから、この水分計を用いた場合には、コンクリート舗道板11の表面状態の違いによって、測定された水分量が大きくばらつくことが分かる。具体的には、実施例1、3、7および8のうち水分量の最小値に対する最大値の比(最大値/最小値)は、3.8/1.9=200%とばらつきが大きくなることが分かる。
一方、図1に示す装置を用いた水分量の測定では、実施例1、3、7および8に示すようにコンクリートの粗密性に違いがあっても、その粗密性の違いによる測定値のばらつきを小さく抑えることができる。具体的には、実施例1、3、7および8のうちの減圧度低下状態における湿度の最小値に対する最大値の比(最大値/最小値)は、39/30=130%とばらつきが小さいことが分かる。
なお上記の実施例1〜8においては初期状態と減圧度低下状態との湿度差からコンクリート舗道板11の内部の水分量を評価する場合について説明したが、減圧状態と減圧度低下状態との湿度差からコンクリート舗道板11の内部の水分量が評価されてもよい。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、施工現場においてコンクリートの内部の水分量を簡易的かつ短時間で測定するためのコンクリート評価装置およびコンクリート評価方法に特に有利に適用され得る。
本発明の一実施の形態におけるコンクリート評価装置の構成を概略的に示す断面図である。 本発明の一実施の形態におけるコンクリート評価方法を示すフロー図である。
符号の説明
1 耐圧容器、1a 内部空間、1b 開口部、1c1,1c2,1c3 口、2 減圧部材、3 湿度測定部材、4 圧力測定部材、5 シール部材、6 ロガー、7 耐圧ホース、8 ゴム栓、10 コンクリート評価装置、11 コンクリート(舗装板)。

Claims (4)

  1. 外部に通じる内部空間を有する耐圧容器と、
    前記耐圧容器の前記内部空間を減圧するための減圧部材と、
    前記耐圧容器の前記内部空間の湿度を測定するための湿度測定部材と、
    前記内部空間が前記耐圧容器の外部に通じる開口部をコンクリートで密閉するように前記耐圧容器を前記コンクリートの表面に密着させるためのシール部材とを備え、
    前記湿度測定部材は、前記内部空間が前記減圧部材により減圧される前の初期状態および減圧された減圧状態のいずれかの状態での前記内部空間の湿度と、前記減圧状態から自然吸気により前記内部空間の減圧度が低下した減圧度低下状態での前記内部空間の湿度とを測定できるように構成されている、コンクリート評価装置。
  2. 前記耐圧容器の前記内部空間内の圧力を測定するための圧力測定部材をさらに備えた、請求項1に記載のコンクリート評価装置。
  3. 耐圧容器の内部空間の開口部をコンクリートで密閉するように前記耐圧容器を前記コンクリートの表面に密着させた初期状態とする工程と、
    前記初期状態から前記内部空間を減圧して減圧状態とする工程と、
    前記減圧状態から自然吸気により前記内部空間の減圧度を低下させて前記内部空間を減圧度低下状態とする工程と、
    前記初期状態および前記減圧状態のいずれかの状態での前記内部空間の湿度と、前記減圧度低下状態での前記内部空間の湿度との湿度差に基づいて前記コンクリート内の水分量を評価する工程とを備えた、コンクリートの評価方法。
  4. 前記減圧状態から前記減圧度低下状態に至るまでの時間と、前記減圧状態および前記減圧度低下状態の各々の前記内部空間の圧力とを測定することにより前記コンクリートの透気性を評価する工程をさらに備えた、請求項に記載のコンクリートの評価方法。
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