JP5165791B2 - 磁気共鳴撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スペクトロスコピックイメージングに関し、特に渦電流などによるスペクトル歪みを補正する渦電流補正の精度を高める技術に関する。
MRIで計測される核磁気共鳴信号には、分子構造の違いによって、共鳴周波数が僅かに異なる化学シフト現象が生じる。この現象を利用して、分子(代謝物質)ごとに核磁気共鳴信号を分離し、スペクトルを得るMRS(Magnetic Resonance Spectroscopy)、代謝物質ごとの空間的な信号強度分布を画像化するCSI(Chemical Shift Imaging:化学シフトイメージング)、MRSI(Magnetic Resonance Spectroscopic Imaging:核磁気共鳴スペクトロスコピックイメージング)が知られている。
MRSやMRSIで検出できる人体の主な代謝物質には、コリン(Cho)、クレアチン(Cr)、N−アセチルアスパラギン酸(NAA)、乳酸(Lac)等がある。これら代謝物質の量から、がん等の代謝異常疾患の進行度判定や早期診断が可能となる。また、腫瘍の悪性度診断を非侵襲的に行うことが可能になると考えられる。
MRSおよびMRSIでは、計測時に印加する傾斜磁場によって渦電流が生じる。渦電流は、空間的、時間的に静磁場不均一を生じさせ、計測によって得られたスペクトルの形状を歪ませる。このスペクトル歪みは、一般に参照信号の位相値を用いて補正される。例えば、参照信号として代謝物質よりも信号強度が大きい水信号を用いる。この水信号から、位相値を取得し、補正に使用する(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献1に開示の手法では、この水信号から空間的、時間的な位相値を算出し、代謝物質画像データに対して位相補正を行い、渦電流によるスペクトル歪みを補正している。
CSIあるいはMRSIは、計測時間およびSNR(信号対雑音比)の観点から、計測するマトリクス(ボクセル)数が8×8〜32×32程度と非常に少ない。このため、画像再構成で実施するフーリエ変換によって、トランケーションが生じ、遠くのボクセルの信号が混入する。その結果、静磁場不均一が存在する場合、対象とするボクセル内の水信号と異なる周波数の水信号が混入する。
異なる周波数の水信号が混入すると、渦電流補正に用いる位相値の時間変化に、単位時間当たりの位相値の変化量の変動が他の箇所に比べて突出して大きい、いわゆる、位相とび領域が発生する。この位相とび領域における位相変化量の大きさは、混入した水信号の濃度に比例する。ここで、図13を用いて、この位相とびについて説明する。
図13(a)に、計算機シミュレーションによる、水信号のスペクトルを示す。図13(a)におけるWater1およびWater2は、周波数がそれぞれ2Hzと5Hz、濃度比が1.0対0.9の水信号のスペクトルである。この2つの信号が混在する場合の、時間領域における位相値の時間変化を図13(b)に示す。図13(a)、(b)に示すように、周波数差Δfに対して、1/Δfの時間間隔で、濃度比に比例した位相とびが生じる。なお、ここでは、渦電流による静磁場変動を付加し、緩やかな位相変化を生じさせている。
ここで、時間方向に図13(b)に示す変化を示す位相データを用いて、代謝物質の渦電流によるスペクトル歪みを補正する場合の、補正前後の様子を、それぞれ図13(c)、(d)に示す。図13(c)には、渦電流補正前の様子を、図13(d)は渦電流補正後の様子をそれぞれ示す。図13(d)に示すように、位相とびのある位相データを用いて補正すると、位相とびによって、リンギングアーチファクトが生じ、渦電流補正処理によって逆にスペクトルが劣化する。
これに対し、例えば、水信号のスペクトルに対してローパスフィルタをかけることによって、リンギングアーチファクトを低減する手法がある(例えば、非特許文献2参照。)。また、位相データに現れる位相とびを補正し、リンギングアーチファクトを低減する手法がある(例えば、非特許文献3参照。)。ここでは、時間領域における水信号の絶対値強度が極値を取るタイミングを位相とびの発生箇所とする。そして、時間領域における水信号の位相データに関して時間tについての1次導関数を算出し、上記の位相とび発生箇所の周辺をモデル関数でフィッティングする。このとき、フィッティングした領域を位相とび補正領域とし、上記位相値を線形補間することにより位相とびを補正する。
Uwe Klose "In Vivo Proton Spectroscopy in Presence of Eddy Currents" Magnetic Resonance In Medicine、14巻、26−30頁(1990年) J. M. Wild "Artifacts Introduced by Zero Order Phase Correction in Proton NMR Spectroscopy and a Method of Elimination by Phase Filtering" Journal of Magnetic Resonance、137巻、430−436頁(1999年) A. W. Simonetti,et al."Automated correction of unwanted phase jumps in reference signals which corrupt MRSI spectra after eddy current correction" Journal of Magnetic Resonance、159巻、151−157頁(2002年)
しかしながら、非特許文献2に記載の手法では、位相とびの低周波成分が残るため、リンギングアーチファクトを完全には除去できない。また、渦電流の高周波成分をカットしてしまうため、十分な渦電流の補正効果が得られない。
非特許文献3に記載の手法では、時間領域における水信号の絶対値強度に極値が存在しなくても位相とびが発生するときには、位相とびが補正されない。また、位相変化が急峻な箇所が複数ある場合、その中から位相とびの箇所を特定し、抽出することが難しい。さらに、フィッティング領域を指定していないため、位相変化量が異なる複数の位相とびがある場合、フィッティング精度が低下する。すなわち、フィッティング精度を高めるためには、位相とび発生箇所毎にフィッティングを行う必要があり、処理が煩雑となるとともに、自動的に位相とびを補正することが難しい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、MRI装置における渦電流の影響を補正する処理を行うとき、補正処理によるアーチファクトを防ぎ、補正結果の精度を向上させることを目的とする。
本発明は、計測対象の代謝物質より信号強度の大きい物質の信号の位相データを用いて渦電流の影響を補正する渦電流補正処理において、時間領域における位相変化量の大きさにより、位相データ内の位相とびが発生している領域箇所を特定し、位相とびと特定された箇所のみ、位相とび補正を行う。変化量の大きさは、予め定められた領域分割に従って分割された各領域内で決定する。
具体的には、被検体に静磁場を印加する静磁場印加手段と、前記被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段と、前記被検体に高周波磁場パルスを照射する高周波磁場パルス照射手段と、前記被検体から核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記核磁気共鳴信号に渦電流補正を実施する渦電流補正手段と、を備える磁気共鳴撮影装置であって、前記渦電流補正手段は、計測対象の代謝物質より信号強度の大きい物質の核磁気共鳴信号の位相データを算出する位相データ算出手段と、前記位相データを、時間方向に複数の小領域に分割する位相データ分割手段と、前記小領域の中から位相とびが存在する位相とび発生領域を抽出する位相とび発生領域抽出手段と、前記位相とび発生領域内の位相とびを補正する位相とび補正手段と、を備えることを特徴とする磁気共鳴撮影装置を提供する。
本発明によれば、MRI装置における渦電流の影響を補正する処理を行うとき、補正処理によるアーチファクトを防ぎ、補正結果の精度を向上させることができる。
(a)〜(c)は、本発明の実施形態の磁気共鳴撮影装置の外観図である。 (a)は、本発明の実施形態の磁気共鳴撮影装置の機能構成図であり、(b)は、本発明の実施形態の磁気共鳴撮影装置が備える計算機の機能ブロック図である。 本発明の実施形態のMRSIパルスシーケンスの一例を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態のMRSIパルスシーケンスにより励起される領域を説明するための図である。 本発明の実施形態の位相折り返し接続処理の一例を説明するための図である。 本発明の実施形態の位相とび補正処理のフローチャートである。 (a)は、本発明の実施形態の領域分割処理のフローチャートであり、(b)および(c)は、本発明の実施形態の領域分割処理を説明するための図である。 本発明の実施形態の位相変化量算出処理を説明するための図である。 本発明の実施形態の位相とび補正領域決定処理および位相とび補正処理を説明するための図である。 (a)は、本発明の実施形態の位相とび補正処理を実施する前の位相データと、位相とび領域を1箇所補正した後の位相データである。(b)は、本発明の実施形態の位相とび補正処理を実施する前の位相データと、全ての位相とび領域を補正した後の位相データを示す図である。 (a)〜(c)は、計算機シミュレーション結果を用いて本発明の実施形態による効果を説明するための図である。 (a)〜(c)は、ファントム実験結果を用いて本発明の実施形態による効果を説明するための図である。 (a)〜(d)は、水信号の位相データを用いて渦電流補正を行う場合、リンギングアーチファクトが生じる原因を説明するための図である。
以下、本発明を適用する実施形態について説明する。以下、実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
まず、本実施形態の磁気共鳴撮影装置(MRI装置)について説明する。図1は、本実施形態のMRI装置の外観図である。図1(a)は、ソレノイドコイルで静磁場を生成するトンネル型磁石を用いた水平磁場方式のMRI装置100である。図1(b)は、開放感を高めるために磁石を上下に分離したハンバーガー型(オープン型)の垂直磁場方式のMRI装置110である。また、図1(c)は、図1(a)と同じトンネル型磁石を用い、磁石の奥行を短くし且つ斜めに傾けることによって、開放感を高めたMRI装置120である。本実施形態では、これらの外観を有するMRI装置のいずれを用いることもできる。なお、これらは一例であり、本実施形態のMRI装置はこれらの形態に限定されるものではない。本実施形態では、装置の形態やタイプを問わず、公知の各種のMRI装置を用いることができる。以下、特に区別する必要がない場合は、MRI装置100で代表する。
図2(a)は、本実施形態のMRI装置100の機能構成図である。本図に示すように、本実施形態のMRI装置100は、被検体1が置かれる空間に、静磁場を生成する静磁場コイル2と、x方向、y方向、z方向にそれぞれ傾斜磁場を発生させる傾斜磁場コイル3と、静磁場分布を調整するシムコイル4と、被検体1の計測領域に対し高周波磁場を照射する計測用高周波コイル5(以下、単に送信コイルという)と、被検体1から発生する核磁気共鳴信号を受信する受信用高周波コイル6(以下、単に受信コイルという)とを備える。
静磁場コイル2は、図1に示した各MRI装置100、110、120の構造に応じて、種々の形態のものが採用される。傾斜磁場コイル3及びシムコイル4は、それぞれ傾斜磁場用電源部12及びシム用電源部13により駆動される。なお、本実施形態では、送信コイル5と受信コイル6とに別個のものを用いる場合を例にあげて説明するが、送信コイル5と受信コイル6との機能を兼用する1のコイルで構成してもよい。送信コイル5が照射する高周波磁場は、送信機7により生成される。受信コイル6が検出した核磁気共鳴信号は、受信機8を通して計算機9に送られる。
シーケンス制御装置14は、傾斜磁場発生コイル3の駆動用電源である傾斜磁場用電源部12、シムコイル4の駆動用電源であるシム用電源部13、送信機7及び受信機8の動作を制御し、傾斜磁場、高周波磁場の印加および核磁気共鳴信号の受信のタイミングを制御する。制御のタイムチャートはパルスシーケンスと呼ばれ、計測に応じて予め設定され、後述する計算機9が備える記憶装置等に格納される。
計算機9は、受け取った核磁気共鳴信号に対して様々な演算処理を行い、画像情報やスペクトル情報を生成するとともに、MRI装置100全体の動作を制御する。計算機9は、CPU、メモリ、記憶装置などを備える情報処理装置であり、計算機9にはディスプレイ10、外部記憶装置11、入力装置15などが接続される。ディスプレイ10は、演算処理で得られた結果等をオペレータに表示するインタフェースである。入力装置15は、本実施形態で行われる演算処理に必要な条件、パラメータ等をオペレータが入力するためのインタフェースである。外部記憶装置11は、計算機9が備える記憶装置とともに、計算機9が実行する各種の演算処理に用いられるデータ、演算処理により得られるデータ、入力された条件、パラメータ等を保持する。
以下、本実施形態の計算機9が実現する機能について説明する。図2(b)は、本実施形態の計算機9の機能ブロック図である。本実施形態の計算機9は、計測制御部910と、表示情報生成部920と、渦電流補正部930とを備える。計測制御部910は、パルスシーケンスに従ってシーケンス制御装置14を動作させるとともに各部を制御し、計測を行う。表示情報生成部920は、計測により得られた核磁気共鳴信号に対して様々な演算処理を行い画像情報やスペクトル情報を生成する。
渦電流補正部930は、渦電流によるスペクトル歪みを補正する渦電流補正処理を行う。本実施形態では、渦電流によるスペクトル歪みを、代謝物質よりも信号強度の大きい水信号の位相データにより補正する。これを実現するため、渦電流補正部930は、得られた核磁気共鳴信号から水信号の位相データを算出する位相データ算出部940と、位相データ内の全ての位相とびを繰り返し計算によって補正する位相データ補正部950とを備える。さらに、本実施形態の位相データ補正部950は、位相データを時間方向に複数の小領域に分割する領域分割部953と、分割された小領域の中から位相とびが発生している領域を抽出する位相とび発生領域抽出部951と、前記位相とび発生領域抽出部951が抽出した小領域内の位相とびを補正する位相とび補正部952とを備える。
なお、計算機9が実現する各種の機能は、記憶装置が保持するプログラムを、CPUがメモリにロードして実行することにより実現される。また、計算機9が実現する各種の機能のうち、少なくとも1の機能は、MRI装置100とは独立した、情報処理装置であって、MRI装置100とデータの送受信が可能な情報処理装置により実現されていてもよい。
以下、上記各機能による、本実施形態の計測全体の流れについて簡単に説明する。本実施形態では、渦電流補正用信号として水信号を用いる。従って、まず、計測制御部910は、予め定められたパルスシーケンスに従ってシーケンス制御装置14を制御し、非水抑圧計測を行い、水信号F(t)を得る。なお、ここで、tは、サンプリング時間であり、離散値をとる変数である。得られた水信号F(t)から位相データ算出部940は、位相データφ(t)を算出する。そして、位相データ補正部950は、位相データφ(t)に存在する全ての位相とびが補正された位相データφc(t)を得る。次に、計測制御部910は、予め定められたパルスシーケンスに従ってシーケンス制御装置14を制御し、水抑圧計測を行い、代謝物質信号S(t)を得る。渦電流補正部930は、得られた代謝物質信号S(t)を位相データφc(t)で補正し、渦電流補正後の代謝物質信号Secc(t)を得る。表示情報生成部920は、代謝物質信号Secc(t)をフーリエ変換し、代謝物質のスペクトルまたは分布画像を得る。
ここで、計測制御部910が上記計測に用いるパルスシーケンスの一例について説明する。ここでは、代謝物質を画像化する領域選択型MRSIのパルスシーケンス(以降、MRSIパルスシーケンスと呼ぶ)を例にあげて説明する。
図3は、MRSIパルスシーケンス300の一例である。図3において、RFは高周波磁場パルスの印加タイミングを示す。Gx、Gy、Gzは、それぞれ、x、y、z方向の傾斜磁場パルスの印加タイミングを示す。A/Dは、信号の計測期間Tp1を示す。図3に示すMRSIパルスシーケンス300は、公知のMRSIパルスシーケンスと同じである。すなわち、1つの励起パルスRF1と2つの反転パルスRF2およびRF3とを用いて、所定の関心領域を選択的に励起し、この関心領域からFID信号(自由誘導減衰)FID1を得ることを、繰り返し時間TR間隔で繰り返す。
このMRSIパルスシーケンス300に従って、励起される領域を図4に示す。図4は、本計測に先立って行われる計測により得る位置決め用スカウト画像であって、それぞれ、図4(a)はトランス像、図4(b)はサジタル像、図4(c)はコロナル像である。以下、各部の動作と励起される領域との関係を図3および図4を用いて説明する。
まず高周波磁場RF1とz方向の傾斜磁場パルスGs1、Gs1’とを印加して、z方向の断面401を励起する。TE/4(ここで、TEはエコー時間)時間後に、高周波磁場RF2とy方向の傾斜磁場パルスGs2とを印加する。その結果、z方向の断面401とy方向の断面402とが交差する領域における核磁化の位相のみが反転する。続いて、高周波磁場RF2印加からTE/2後に高周波磁場RF3とx方向の傾斜磁場パルスGs3とを印加する。それによって、z方向の断面401、y方向の断面402、x方向の断面403が交差する関心領域404における核磁化の位相のみが反転し、ここから自由誘導減衰信号FID1が生じる。この自由誘導減衰信号FID1を計測する。なお各方向の傾斜磁場パルスGd1〜Gd3およびGd1’〜Gd3’は、高周波磁場RF1で励起された核磁化の位相は乱さず、RF2、RF3で励起された核磁化の位相をディフェイズするための傾斜磁場である。また、高周波磁場RF3の後には、位相エンコード傾斜磁場Gp1、Gp2を印加する。以上により、関心領域404の核磁気共鳴信号を得る。
次に、渦電流補正部930による渦電流補正を説明する。渦電流補正部930は、代謝物質信号をS(t)から、位相とび補正後の水信号の位相データφc(t)を用いて、渦電流補正後の代謝物質信号Secc(t)を、以下の式(1)に従って算出する。
ecc(t)=S(t)・exp(−i・φc(t)) (1)
ここで、iは虚数単位である。
なお、今後、exp(−i・φc(t))を位相補正量と呼ぶ。
まず、位相データ算出部940による位相データの算出処理を説明する。位相データ算出部940は、計測された水信号F(t)から水信号の位相データφ(t)を、以下の式(2)に従って算出する。
φ(t)=tan−1(Im(F(t)))/(Re(F(t))) (2)
ここで、tan−1は、アークタンジェント関数、Im(F(t))は複素数F(t)の虚部、Re(F(t))は複素数F(t)の実部を表す。
次に、位相データ補正部950による、位相データφ(t)に存在する全ての位相とびを繰り返し計算により補正する位相データ補正処理について説明する。なお、位相データ補正部950は、位相データ補正処理の実施に先立ち、上記式(2)で得られた位相データφ(t)に対し、位相折り返し接続処理を行う。まず、この位相折返し接続処理について図5を用いて説明する。図5において、横軸は、水信号の計測開始からの時間(ms)、縦軸は位相値(rad)である。また、破線は計測結果から算出された位相データφ(t)、実線は位相折返し接続処理後の位相データφz(t)を示す。
位相データφ(t)は、−πから+πの間の値として算出される。しかし、上記MRSIパルスシーケンス300により取得する水信号の位相には、−πから+πの範囲を超えた値が生じる。位相にこのような値が発生するタイミングでは、折り返されて−πから+πの間の値が得られる。本図に示すように、折り返された部分では、値に不連続な状態が生じる。そこで、このような不連続な位相値の時間的な変化を取り除く位相折り返し接続処理を行い、本来の位相変化の状態である位相データφz(t)を得る。なお、位相折り返し接続処理は、既存の各種の位相折り返し接続処理を用いることができる。このとき、ノイズによる位相ばらつきを防ぐため、適宜スムージングを行ってもよい。
次に、位相データ補正部950による、位相折返し接続処理後の位相データφz(t)に対する位相データ補正処理について説明する。一般に位相とびが発生している箇所は、その近傍で位相値に急激な変化が発生し、そこに変曲点が生じる。すなわち、位相とびが生じる領域は、位相データの1次時間微分値が上あるいは下に凸となり、2次時間微分値が0となる点が含まれる。以降、位相データの1次時間微分値の変化量を単に「位相変化量」、2次時間微分値が0となる点を単に「変曲点」と呼ぶ。ここで、位相値に不規則な変化が発生している箇所であっても、その位相変化量が所定以下の箇所は、位相とびによるものではなく、渦電流の影響など、他の理由による。本実施形態では、位相データ補正部950は、位相変化量の大きさにより、位相データφz(t)内の位相とびが発生している領域を特定し、位相とびが発生していると特定された領域内でのみ、位相とび補正を行う。
具体的には、位相データ補正部950は、位相データφz(t)を時間方向に複数の小領域に分割し、小領域内で位相変化量を算出する。そして、この変化量の大きい領域から順に位相とびを補正する。このとき、補正する毎に、位相補正量をフーリエ変換して得る値に与える影響を評価する。この値に与える影響が略なくなったところで、位相とびが発生している箇所の補正を終えたものと判断する。
なお、本実施形態では、分割した各小領域内で、当該領域内の位相データφz(t)の1次微分φz’(t)の最大値と最小値との差分の絶対値を位相変化量とする。
図6は、位相データ補正部950による本実施形態の位相データφz(t)の位相とび補正処理の処理フローである。まず、領域分割部953は、位相データφz(t)を時間方向に複数の小領域に分割する領域分割処理を行う(ステップS601)。
次に、位相とび発生領域抽出部951は、ステップS601で分割した小領域毎に、位相変化量を算出する(ステップS602)。そして、位相とび発生領域抽出部951は、各小領域と算出した位相変化量とを対応づけて、記憶装置等に保持する(ステップS603)。
次に、位相とび発生領域抽出部951は、記憶装置に保持された位相変化量の中から、最も大きい位相変化量に対応づけて保持された小領域を、位相とび発生領域として抽出する(ステップS604)。
次に、位相とび補正部952は、ステップS604で抽出した位相とび発生領域において、位相とび補正領域を決定する(ステップS605)。その後、位相とび補正部952は、位相とび補正領域において、位相とびを補正する(ステップS606)。
次に、位相とび発生領域抽出部951は、予め定められた評価関数に従って評価値を算出する(ステップS607)。位相とび発生領域抽出部951は、算出した評価値が予め定められた終了条件を満たすか否かを判別する(ステップS608)。終了条件を満たさない場合、位相とび発生領域がまだ残っているものとして、ステップS606で補正を行った小領域に対応して記憶装置に保持された位相変化量を0とし(ステップS609)、ステップS604に戻る。一方、終了条件を満たす場合、位相データ補正部950は、処理を終了し、最終的に位相とび補正後の位相データφc(t)を得る。なお、ステップS609の処理は、上記に限られず、処理済みの小領域を、以降の処理から除くことができるようステップS603で記憶した情報を更新するものであればよい。
ここで、上記ステップS601の領域分割処理の詳細について説明する。上述したように、位相とびが生じる領域は変曲点が含まれる。したがって、本実施形態では、領域分割部953は、位相データφz(t)の変曲点を算出し、分割領域に変曲点が1つ含まれるように分割し、各小領域を得る。図7は、領域分割部953による、本実施形態の領域分割処理を説明するための図であり、(a)は、処理フロー、(b)および(c)は、分割手法の説明図である。
まず、領域分割部953は、水信号の位相データφz(t)の2次微分φz”(t)を計算し、その値が0となる点を、図7(b)に示すように、水信号の位相データφz(t)の変曲点810として抽出する(ステップS801)。なお、図7(b)のグラフにおいて、横軸は、水信号の計測開始からの時間(ms)、縦軸は2次微分値(a.u)である。ここでは、計測期間(t〜t)中に5個の変曲点810を抽出した場合を例示する。
次に、領域分割部953は、各変曲点810の時間tIPn(nは1、2、3、4、5のいずれか)を特定し(ステップS802)、時間方向に順に境界点811を決定する(ステップS803)。ここでは、領域分割部953は、各変曲点810を時間方向に順に取り上げ、最初の変曲点810および最後の変曲点810については、それぞれ最寄りのデータ端点(tまたはt)との間の中間の時間tIPM1、tIPM6を、他の変曲点810の場合は、変曲点810(tIPnとtIPn−1)間の中間の時間tIPMnを、それぞれ境界点811の時間とする。そして、領域分割部953は、境界点811により、水信号の位相データφz(t)の時間領域を、図7(c)に示すように、例えば、小領域821、822、823、824、825、826、827に分割する。ここで、図7(c)のグラフにおいて、横軸は、水信号の計測開始からの時間(ms)、縦軸は位相データの位相値(rad)である。
本実施形態では、領域分割部953は、以上の手順で分割した各領域を特定する情報、例えば、各小領域821、822、823、824、825、826、827に対応づけて、それぞれの両端の境界点811の時間(t、tIPM1)、(tIPM1、tIPM2)、(tIPM2、tIPM3)、(tIPM3、tIPM4)、(tIPM4、tIPM5)、(tIPM5、tIPM6)、(tIPM6、t)を記憶する。
次に、上記ステップS602における、位相とび発生領域抽出部951による位相変化量を算出する位相変化量算出処理について、図8を用いて説明する。図8は、位相データφz(t)の、1次微分φz’(t)のグラフ831であり、横軸は、水信号の計測開始からの時間t(ms)、縦軸は1次微分値(a.u)である。位相変化量算出処理では、位相とび発生領域抽出部951は、まず、位相データφz(t)の1次微分φz’(t)を求め、ステップS601の分割で得た小領域毎に、当該領域内の1次微分φz’(t)の最大値と最小値との差の絶対値を算出する。そして、位相とび発生領域抽出部951は、算出した絶対値を、位相変化量とする。
なお、位相変化量を算出する位相変化量算出処理はこれに限られない。位相データφz(t)の1次微分φz’(t)を求め、ステップS601の分割で得た小領域毎に、ガウシアンなどのモデル関数で1次微分φz’(t)をフィッティングし、各領域のフィッティング関数の高さを位相変化量としてもよい。
次に、位相とび補正部952による、ステップS605の位相とび補正領域を決定する補正領域決定処理と、ステップS606の位相とび補正処理と、について、図9を用いて説明する。図9は、位相とび発生領域として決定された小領域近傍の1次微分グラフ831であり、横軸は時間(ms)、縦軸は1次微分値(a.u.)である。ここでは、一例として小領域822が、位相とび発生領域841と決定されたものとして説明する。
補正領域決定処理では、位相とび補正部952は、位相とび発生領域841において、一次微分φz’(t)のピーク半値幅を算出し、その2倍の幅を位相とび補正領域842とする。なお、位相とび補正領域1002の決定手法はこれに限られない。当該小領域における位相変化量が、最小となるような領域であればよく、例えば、変曲点に対応する1次微分ピーク点の両側を1点ずつ除外したときに、位相変化量が最小となるように決定してもよい。また、上記のように位相変化量算出処理において、ガウシアンなどのモデル関数でフィッティングし、位相とび発生領域841を決定した場合は、フィッティング関数の半値幅の2倍を位相とび補正領域842とするよう構成してもよい。
また、位相とび補正処理では、位相とび補正部952は、例えば、図9に示すように、1次微分φz’(t)のグラフ上で、位相とび補正領域842の両端を直線で結ぶ線形補間により補正後の1次微分φc’(t)を決定する。そして、位相とび補正部952は、補正後の1次微分φc’(t)を積分することで位相とび補正後の位相値φc(t)を算出する。ここで、補正後の1次微分φc’(t)を、積分ではなく累乗和から位相とび補正後の位相値φc(t)を算出してもよい。
ここで、上記位相とび補正処理の前後の位相データのグラフの一例を図10(a)に示す。破線が位相とび補正前の水信号の位相データφz(t)のグラフ、実線が、位相とび発生領域841(小領域822)の位相とびを補正後の水信号位相データφc(t)のグラフである。本図において、横軸は、時間(ms)、縦軸は、位相(rad)を示す。本図に示すように、上記位相とび補正処理により、水信号の位相とびが解消されていることがわかる。
なお、位相とび補正の手法は、これに限られない。例えば、位相とび補正部952は、位相とび補正領域rの両側で一次微分φ’(t)が滑らかな曲線になるよう、位相とび補正領域rを補間し、補正後の1次微分φc’(t)を決定してもよい。
次に、ステップS607およびS608における、位相とび発生領域抽出部951による評価処理について説明する。本実施形態では、位相とび発生領域抽出部951は、n回目の位相とび補正後の位相データφ(t)に関して、以下の式(3)を計算する。
(t)=exp(i・φ(t)) (3)
次に、位相とび発生領域抽出部951は、g(t)をフーリエ変換したG(f)を算出する(式(4))。
(f)=F[gn(t)] (4)
ここで、F[]は、フーリエ変換を示す。位相とび発生領域抽出部951は、算出したG(f)の絶対値|G(f)|の最大ピークPを算出する。そして、位相とび発生領域抽出部951は、最大ピークPと、n−1回目の位相とび補正後の最大ピークPn−1との差分の絶対値|P−Pn−1|を評価関数とし、この評価関数を計算することにより得られるΔPを評価値とする。
また、本実施形態の評価処理の終了条件は、得られた評価値が閾値未満となることとする。閾値としては、限りなく0に近い値を設定する。位相とび補正後の|G(f)|の最大ピークPの変化が0に漸近するということは、これ以上、新たな領域を抽出して位相とび補正を行っても効果が変わらないことを意味する。なぜなら、渦電流やノイズなどに起因する位相とび以外の位相変化は、上記評価値を著しく変化させるほど大きな変化ではないからである。従って、本実施形態では、本終了条件を満たす場合、位相とびが発生している全ての箇所の位相とび補正を終えたものと判断し、処理を終了させる。
なお、評価関数として、|G(f)|の最大ピーク値の位相とび補正毎の変化ではなく、|G(f)|の標準偏差の位相とび補正毎の変化を用いてもよい。また、|G(f)|が閾値T以上の値をとる信号値fの数Nnの、位相とび補正ごとの変化を用いてもよい。
図10(b)に、位相とび補正処理を実施する前の位相データのグラフと、全ての位相とび領域を補正した後の位相データのグラフの一例を示す。破線が本実施形態の位相とび補正処理前の水信号の位相データφz(t)のグラフである。そして、実線が、全ての位相とびを補正した後の水信号の位相データφc(t)のグラフである。本図において、横軸は、時間(ms)、縦軸は、位相(rad)を示す。本図に示すように、上記繰り返し計算による位相とび補正処理により、水信号の全ての位相とびが解消されていることがわかる。
以上説明したように、本実施形態によれば、渦電流補正用信号の位相データを時間方向に複数の領域に分割し、その中で位相変化量が最も大きい領域を抽出する。その領域の位相とびを補正し、評価関数を基に評価値を算出する。この処理を繰り返し、評価値が0に近づいたとき、処理を終了する。このように構成することで、複数の位相変化がある位相とびを自動で判別し除去する。また、除去後の位相データを用い、渦電流補正を実施する。
本実施形態によれば、評価値が0に漸近するまで、位相とび発生領域を抽出し、位相とび補正を繰り返すため、位相データの値に不規則な変化が発生している箇所において、位相とび箇所のみ抽出して補正することができる。従って、効率よく、また、精度よく、位相データの位相とびを除去することができる。これにより、渦電流補正において、位相とびのない位相データを用いることができ、リンギングアーチファクトが生じない良好なスペクトルを取得することができる。
ここで、本実施形態による渦電流補正の効果を計算機シミュレーションおよびファントム実験にて確認する。
計算機シミュレーション結果を図11に示す。ここで、図11(a)は、渦電流補正を行わなかった場合の代謝物質スペクトル、(b)は、本実施形態の位相とび補正を行わない位相データを用いて渦電流補正を行った場合の代謝物質スペクトル、(c)は、本実施形態の位相とび補正を実施した位相データを用いて渦電流補正を行った場合の代謝物質スペクトルをそれぞれ示す。
これらの図に示すように、本実施形態の位相とび補正後に渦電流補正を行うと、位相とびによるリンギングアーチファクトが除去でき、かつ、渦電流によるスペクトル歪みも補正できることがわかる。
次に、ファントムを用い、実際に計測した結果を図12に示す。ここで用いたファントムは、濃度10mMのアセチルアラニンファントムである。図12(a)は、渦電流補正を行わなかった場合の代謝物質スペクトル、(b)は、本実施形態の位相とび補正を行わない位相データを用いて渦電流補正を行った場合の代謝物質スペクトル、(c)は、本実施形態の位相とび補正を実施した位相データを用いて渦電流補正を行った場合の代謝物質スペクトルをそれぞれ示す。
これらの図に示すように、ファントムを用いて実際に計測した結果においても、本実施形態の位相とび補正後に渦電流補正を行うと、位相とびによるリンギングアーチファクトが除去でき、かつ、渦電流によるスペクトル歪みも補正できることがわかる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、渦電流歪みを補正するために用いる位相データに、位相変化量が大きく異なる等の不規則な変化をする箇所が複数ある場合であっても、リンギングアーチファクトの原因となる位相とびの箇所のみを抽出して位相とび補正を行うことができるため、位相データの位相とびを効率よく補正することができる。従って、渦電流によるスペクトル歪みの補正にあたり、リングングアーチファクトの発生を効果的に防ぐことができ、渦電流によるスペクトル歪みを良好に補正することができる。
このため、本実施形態によれば、渦電流の影響を補正する処理を行うとき、補正処理によるアーチファクトを防ぎ、補正結果の精度を高めることができる。例えば、MRSIにおいて、リンギングアーチファクトのない、良好な代謝物質スペクトルを得ることができる。
なお、本実施形態では、渦電流の補正に用いる位相データを水信号から得る場合を例にあげているが、これに限られない。計測対象の代謝物質よりも信号強度の大きい物質の信号であれば、特に水信号に限られない。
また、上記位相とび補正処理では、領域分割部953が領域分割後、位相とび発生領域抽出部951が全小領域について、位相変化量を算出し、記憶装置に保持しているが、これに限られない。例えば、位相とび補正処理を、位相とび補正毎に、領域を分割し直し、位相変化量が最も大きい小領域を算出するよう構成してもよい。すなわち、ステップS602の後に、その結果を保持せず、ステップS604の位相とび発生領域を抽出し、ステップS605、S606、S607、S608と処理を進め、条件を満たさない場合、ステップS606で補正後の位相データについて、ステップS601から処理を繰り返す。
さらに、上記実施形態では、評価関数を用い、位相とび補正が渦電流補正係数に与える影響を評価し、位相とび発生領域を繰り返し抽出しているが、これに限られない。例えば、予め閾値を定めておき、位相変化量が閾値以上である領域を位相とび発生領域として抽出し、抽出した全領域に対し、位相とび補正処理を行うよう構成してもよい。
また、一般に、局所的な時間範囲で考えた場合、位相とびは、強度および周波数の異なる2つのベクトルのベクトル和によって生じる位相変化である。そのため、2つのベクトルの強度が近ければ近いほど、2つのベクトルが対向する短い時間幅で急激に位相が変化する。逆に、2つのベクトルの強度が異なるほど、強度が小さいベクトルの影響が小さくなるため、対向する時間幅で緩やかに位相が変化する。したがって、位相変化量の大小と、位相とび補正領域の時間幅(変化幅)とは、反比例の関係にある。これを利用し、位相変化量の大きい領域から順に位相とびを補正するのではなく、前記変化幅の小さい領域から順に、位相とび補正の影響がなくなるまで、位相とび補正を行うよう構成してもよい。この場合、位相折返し接続処理後、ノイズによる影響を軽減するためスムージング処理を行う。
また、位相とび補正を行う領域を決定するに当たり、位相変化量の大きさと、上述の変化幅とを併用するよう構成してもよい。例えば、予めそれぞれ閾値を定めておき、位相変化量が予め定めた第一の閾値以上であり、かつ、変化幅が、予め定めた第二の閾値以下である場合、位相とび発生領域と判別し、位相とび補正を行うよう構成してもよい。
1:被検体、2:静磁場コイル、3:傾斜磁場コイル、4:シムコイル、5:送信コイル、6:受信コイル、7:送信機、8:受信機、9:計算機、10:ディスプレイ、11:外部記憶装置、12:傾斜磁場用電源部、13:シム用電源部、14:シーケンス制御装置、15:入力装置、100:MRI装置、110:MRI装置、120:MRI装置、300:MRSIパルスシーケンス、401:断面、402:断面、403:断面、404:関心領域、810:変曲点、811:境界点、821:小領域、822:小領域、823:小領域、824:小領域、825:小領域、826:小領域、827:小領域、831:グラフ、841:位相とび発生領域、842:位相とび補正領域、910:計測制御部、920:表示情報生成部、930:渦電流補正部、940:位相データ算出部、950:位相データ補正部、951:位相とび発生領域抽出部、952:位相とび補正部、953:領域分割部

Claims (18)

  1. 被検体に静磁場を印加する静磁場印加手段と、前記被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段と、前記被検体に高周波磁場パルスを照射する高周波磁場パルス照射手段と、前記被検体から核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記核磁気共鳴信号に渦電流補正を実施する渦電流補正手段と、を備える磁気共鳴撮影装置であって、
    前記渦電流補正手段は、
    計測対象の代謝物質より信号強度の大きい物質の核磁気共鳴信号の位相データを算出する位相データ算出手段と、
    前記位相データを、時間方向に複数の小領域に分割する位相データ分割手段と、
    前記小領域の中から位相とびが存在する位相とび発生領域を抽出する位相とび発生領域抽出手段と、
    前記位相とび発生領域内の位相とびを補正する位相とび補正手段と、を備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相とび発生領域抽出手段は、前記位相データの位相変化量が、予め定められた条件を満たす領域を、前記位相とび発生領域として抽出すること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  3. 請求項1または2記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相とび補正手段は、前記位相とび発生領域抽出手段により位相とび発生領域が抽出される毎に前記位相とびの補正を行い、
    前記位相とび発生領域抽出手段は、
    前記位相とび補正手段によって位相とびが補正される毎に、当該補正後の前記位相データの評価値を算出する評価値算出手段と、
    前記評価値が算出される毎に、前記評価値が所定の閾値以上であるか否かを判別し、閾値以上である場合、前記位相とび発生領域の抽出を継続するよう決定し、閾値未満である場合、前記抽出を終了するよう決定する判別手段と、を備え、
    前記判別手段が抽出を継続すると判別する間、前記位相データの位相変化量が最も大きい小領域から順に1の前記小領域を前記位相とび発生領域として抽出すること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相データ分割手段は、
    前記位相データの変曲点を算出する変曲点算出手段を備え、
    前記各小領域に1の前記変曲点算出手段が算出した変曲点が含まれるよう分割すること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  5. 請求項3記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相とび発生領域抽出手段は、
    前記位相データの1次微分値を算出する1次微分算出手段と、
    前記小領域ごとに、前記1次微分値の最大値と最小値との差分の絶対値を算出する位相変化量算出手段と、を備え、
    前記絶対値が最大の小領域を、前記位相変化量が最も大きい小領域とすること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  6. 請求項3記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相とび発生領域抽出手段は、
    前記位相データの1次微分値を算出する変化量算出手段と、
    前記小領域毎に、前記一次微分値をモデル関数でフィッティングするフィッティング手段と、
    前記小領域毎に、前記フィッティング後のモデル関数の高さを算出する高さ算出手段と、を備え、
    前記高さが最も高い小領域を、前記位相変化量が最も大きい小領域とすること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  7. 請求項5記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相とび補正手段は、
    前記位相とび発生領域として抽出された小領域における、前記1次微分値のピーク値の半値幅を、前記位相とびを補正する位相とび補正領域と設定する位相とび補正領域設定手段を備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  8. 請求項6記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相とび補正手段は、
    前記フィッティング後のモデル関数の半値幅の2倍の領域を、前記位相とびを補正する位相とび補正領域と設定する位相とび補正領域設定手段を備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  9. 請求項7または8記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相とび補正手段は、前記位相とび補正領域の前記1次微分値を補間により接続し、前記位相とびを補正すること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  10. 請求項9記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記補間は、前記1次微分値の前記位相とび補正領域の両端を直線で接続する直線補間であること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  11. 請求項9または10記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相とび補正手段は、前記補間により接続後の前記1次微分値を積分し、前記位相とび補正後の位相データとすること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  12. 請求項9または10記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記位相とび補正手段は、前記補間により接続後の前記1次微分値の累乗和を、前記位相とび補正後の位相データとすること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  13. 請求項3から12いずれか1項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記評価値算出手段は、前記補正後の位相データから算出した補正スペクトルのピークの高さと、補正前の位相データから算出した補正スペクトルのピークの高さとの差分を前記評価値とすること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  14. 請求項3から12いずれか1項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記評価値算出手段は、前記補正後の位相データから算出した補正スペクトルの標準偏差と、補正前の位相データから算出した補正スペクトルの標準偏差との差分を前記評価値とすること、
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  15. 請求項3から12いずれか1項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記評価値算出手段は、前記補正後の位相データから算出した信号値であって、予め定めた値以上の値を有する信号値の数と、補正前の位相データから算出した信号値であって、予め定めた値以上の値を有する信号値の数との差を、前記評価値とすること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  16. 被検体に静磁場を印加する静磁場印加手段と、前記被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段と、前記被検体に高周波磁場パルスを照射する高周波磁場パルス照射手段と、前記被検体から核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記核磁気共鳴信号に渦電流補正を実施する渦電流補正演算手段と、を備える磁気共鳴撮影装置において、記受信手段で取得した核磁気共鳴信号の中で、計測対称の代謝物質より信号強度の大きい物質の核磁気共鳴信号である渦電流補正信号の位相データに発生する全ての位相とびを除去する位相データ補正方法であって、
    前記位相データを、時間方向に複数の小領域に分割する位相データ分割ステップと、
    前記小領域の中から位相とびが存在する位相とび発生領域を抽出する位相とび発生領域抽出ステップと、
    前記抽出した領域における位相とびを補正する位相とび補正ステップと、を備えること
    を特徴とする位相データ補正方法
  17. 請求項16記載の位相データ補正方法であって、
    前記位相とび補正ステップによって補正後の位相データの評価値を算出する評価値算出ステップと、
    前記評価値が所定の閾値以上であれば、前記位相とび発生領域抽出ステップと、前記位相とび補正ステップと、前記評価値算出ステップとを実行する繰返しステップと、をさらに備えること
    を特徴とする位相データ補正方法
  18. 被検体に静磁場を印加する静磁場印加手段と、前記被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加手段と、前記被検体に高周波磁場パルスを照射する高周波磁場パルス照射手段と、前記被検体から核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記核磁気共鳴信号に渦電流補正を実施する渦電流補正手段と、を備える磁気共鳴撮影装置のコンピュータを、
    前記受信手段で取得した核磁気共鳴信号の中で、計測対称の代謝物質より信号強度の大きい物質の核磁気共鳴信号である渦電流補正信号の位相データを算出する位相データ算出手段と、
    前記位相データを、時間方向に複数の小領域に分割する位相データ分割手段と、
    前記小領域の中から位相とびが存在する位相とび発生領域を抽出する位相とび発生領域抽出手段と、
    前記位相とび発生領域内の位相とびを補正する位相とび補正手段と
    して機能させることを特徴とするプログラム
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