JP5164654B2 - 草花の害虫防除及び開花制御装置並びに方法 - Google Patents

草花の害虫防除及び開花制御装置並びに方法 Download PDF

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Description

本発明は、草花の害虫防除と開花制御とを行う装置並びに方法に関する。
草花における害虫被害の一つに、夜間に害虫の成虫が集まって産卵したり吸汁したりし、やがてふ化したその幼虫が草花を食い荒らすという加害形態がある。この害虫の代表がヤガ(夜蛾)科であり、タバコガ、ヨトウガ等を例示することができる。とりわけオオタバコガは、近年、日本において発生量が拡大しており、その被害は甚大である。これに対する方策として、夜間に特定波長の黄色光を草花に照射して、害虫(成虫)に忌避反応を起こさせ、害虫の侵入、産卵、吸汁行動等を防止する方法及び装置が知られている。黄色光には、夜間に暗反応する上記害虫(特にヤガ)の複眼を、明反応させる作用があり、この作用を害虫が忌避するのである。
例えば、特許文献1には、ピーク波長が570〜620nmの黄色光を発する蛍光灯を用いた防除用ランプが記載されている。また、このような防除用の直管形蛍光灯は、すでに市販され使用されている。
次に、特許文献2には、Ga、As、Al、In、P及びNのうち少なくとも2種以上の金属を含む半導体で、例えばGaP系、GaAsP系、GaPN系、GaAlAs系、AlInGaP系などの半導体素子であり、ピーク波長が580〜700nmの光を発光するLED(第1の発光ダイオード)を用いた照明装置が記載されている。発光素子自身が同ピーク波長の光を発光するものと考えられる。同照明装置の実施例として同文献には、直管形蛍光ランプと同様の形状に形成された管体の内部に、前記LEDを別のLEDと共に取り付けた基板を収納してなる照明装置と、ほぼ電球形状に形成されたカバー体の内部に、同様の基板を収納してなる照明装置とが記載されている。
次に、特許文献3にも黄色LEDを用いた防虫灯が記載されている。この黄色LEDについては「黄色LEDは、透明体の中に発光ダイオードを封入し、2本の端子線を外部に引き出している」の記載があることから、発光素子自身が黄色を発光するものと考えられる。同防虫灯の実施例として同文献には、透明のパイプの内部に、多数の黄色LEDを取り付けた角状の管体を収納してなる柱状の防虫灯と、四角板状の基板に多数の黄色LEDを縦横に取り付けてなるプレート状の防虫灯と、電線に多数の黄色LEDを直列に取り付けてなる紐状の防虫灯とが記載されている。また、電源として太陽電池発電装置を用いることも記載されている。
また、キクのように一年を通じて需要がある草花については、人工的に光をあてるいわゆる電照により開花を制御して出荷時期を調整している。キクのような草花には日照時間が短くなると開花する性質があるため、電照により開花を遅らせるのである。この電照には、かつては白熱電球が多用されていたが、最近では蛍光ランプが多用されるようになってきた。
特許文献4には、黄色蛍光ランプからなる黄色ランプ(光波長がピーク値が約580nmで500nm以下、及び700nm以上の成分を持たない幅狭の分光分布特性を持つもの)を用いて電照する際に、防蛾効果があって、キクの開花を抑制しないような低レベル照度(1〜4lx(ルクス))に制御する時間と、開花抑制に効果のある高レベル照度(36lx以上)に制御する時間とを、夫々が必要とする時期に対応させて設定することを特徴とするキクの栽培における人工照明の制御方法が開示されている。この方法によれば、黄色ランプの点灯制御のみでヤガ類の防除ができるとともに、開花抑制も行なえ、しかも開花抑制が不要な時期においては開花に影響を与えることなく防除が行なえる、という効果があると記載されている。
特開平1−187757号公報 特開2004−93号公報 特開2003−284482号公報 特開平9−313036号公報
特許文献1及び特許文献4のような黄色蛍光ランプを用いた防除用ランプは、前記のとおりすでに市販され使用されているが、ほ場(園芸農作物のために整備された土地)を均一の照度で照射することが困難であるという問題があった。すなわち、黄色蛍光灯は一本あたりの全光束が大きいため、複数本を大きな相互間隔をおいてほ場に配設している。このため、黄色蛍光灯の直下ないしその近傍においては照度が非常に高くなり、園芸農作物の種類によってその生長や開花に影響し阻害することがあった。一方、黄色蛍光灯から遠く離れた所(前記相互間隔の中央部)においては照度が低くなりすぎ、害虫防除効果が低下することがあった。また、黄色蛍光灯は、ほ場周辺に光が漏れて光害を招きやすいとか、寿命が短く交換が面倒であるという問題もあった。
また、特許文献2及び特許文献3のような黄色LEDを用いた防虫灯は、実用化が困難であり、ほとんど実用化されていないと思われる。その理由の一つは、前記のとおりGaP系、GaAsP系、GaPN系、GaAlAs系、AlInGaP系などの半導体を用いた、発光素子自身が黄色を発光するLEDランプを用いており、この種の黄色LEDは発光効率が低く、一個当たりの全光束が非常に小さいところにあると考えられる。このような低光束の黄色LEDで忌避可能な照度を得るには、極めて多数の黄色LEDを前記のような直管形蛍光ランプ形状、電球形状、プレート状、紐状に取り付ける必要があるため、多大なコストと手間がかかるとともに、装置全体の消費電力が嵩むからである。
また、多数の黄色LEDを直管形蛍光ランプ形状、電球形状等に集中的に取り付けて防虫灯にするという発想は、前記の黄色蛍光灯の置き換えを狙ったものであるから、前記のほ場を均一の照度で照射することが困難であるという問題は、解消されずにそのまま持ち越されることになる。すなわち、特許文献2には、前記LEDにより照度が被照射体表面において1〜10lxになるように照射可能とすることが記載されてはいるが、それは同防虫灯の直下ないしその近傍におけることであって、ほ場の全域において1〜10lxとすることは同防虫灯では困難である。
また、特許文献4に記載の人工照明の制御方法によれば、ヤガ類の防除と開花抑制とを行うことができるが、本発明者等の検討によれば、開花をきめ細かく制御しようとすると、照度を36ルックス以上に切り替えることでは不十分である。
本発明の目的は、上記課題を解決し、害虫が忌避するとともに草花の開花に影響する黄色光を高い発光効率で放射することができ、使用個数、消費電力及びコストの削減に寄与し、光害を招きにくく、また寿命が長いLEDランプを用いて、害虫防除するとともに草花の開花をきめ細かく制御することができる装置及び方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、次の手段(A)(B)を採った。
(A)草花の害虫防除及び開花制御装置
本発明の草花の害虫防除及び開花制御装置は、半導体からなりピーク波長370〜480nmの青色光ないし近紫外光を発光する発光素子と、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光を励起光としてピーク波長560〜580nmの黄色光を放射する蛍光体とを組み合わせてなり、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光が、その略全てが蛍光体に吸収されて、LEDランプ外に実質的に漏れないLEDランプを、栽培中の草花の上方に設置し、前記LEDランプを発光させる駆動装置を設け、前記LEDランプの発光により照らされる草花の上端での照度を12lx以上で設定される任意の値とすることができるようにしたことを特徴とする。
本発明における態様を以下に例示する。
(1)LEDランプ
ピーク波長370〜480nmの青色光ないし近紫外光を発光する発光素子を用いるのは、蛍光体を高効率で励起させることができるからである。発光素子が発光した青色光ないし近紫外光が(その略全てが蛍光体に吸収されて)LEDランプ外に実質的に漏れないLEDランプとするので、青色光ないし近紫外光のうちのいずれの光を発光するものでもよい近紫外光が漏れると、害虫を引き寄せるように作用することがある。
ピーク波長560〜580nmの黄色光を放射する蛍光体を用いるのは、同波長は前記加害形態の害虫(特にヤガ)の複眼を明反応させる作用が強く、害虫が特に忌避するからである。
(1−1)発光素子
ピーク波長370〜480nmの青色光ないし近紫外光を発光する発光素子としては、特に限定されないが、GaN(窒化ガリウム)系半導体や、酸化亜鉛系半導体からなる発光素子を例示できる。発光効率が高く寿命も長い点で、GaN系半導体からなる発光素子が好ましい。
さらに、発光素子は、AlGa1−xN(但し、0<x<1)の層を含むp型クラッド層と、AlGa1−yN(但し、0≦y<1)の層を含むn型クラッド層とに挟まれた、インジウムを含む層を含む発光層を備えたダブルヘテロ構造を有するものであることが好ましい。発光効率が高いからである。
p型クラッド層は、バンドギャップが前記n型クラッド層のバンドギャップより大きいことが好ましい。また、p型クラッド層は、互いに組成が異なる窒化物半導体膜が積層された超格子構造からなることが好ましい。n型クラッド層も、互いに組成が異なる窒化物半導体膜が積層された超格子構造からなることが好ましい。
発光層は、AlInGa1−a−bN(但し、0≦a<1,0<b<1)からなる井戸層とAlInGa1−c−dN(但し、0≦c<1,0≦d<1)からなるバリア層とからなり、前記バリア層のバンドギャップエネルギーが前記井戸層のバンドギャップエネルギーより大きい量子井戸構造であることが好ましい。また、発光層は、InGaNからなる井戸層とGaN又はAlGaNからなるバリア層とからなる量子井戸構造であることがより好ましい。
(1−2)蛍光体
前記青色光ないし近紫外光を励起光としてピーク波長560〜580nmの黄色光を放射する蛍光体としては、特に限定されないが、高効率である点で、希土類珪酸塩系蛍光体が好ましい。希土類珪酸塩系蛍光体としては、LITEC社の商品名FA565等を例示できる。
蛍光体は、発光素子のモールド材又は該モールド材のコーティング材として使用される透明樹脂(例えばエポキシ樹脂やシリコーン)に混合された形で、発光素子と組み合わされている態様を例示できる。該態様には、モールド材のうちの一部、例えばリードフレームカップ内の透明樹脂のみに混合する態様も含まれる。該態様において、混合する範囲の透明樹脂における蛍光体の濃度は、40〜60%が好ましく、50〜55%がより好ましい。蛍光体の濃度が40%未満になると、LEDランプが発光した青色光ないし近紫外光の一部しか吸収しなくなって、黄色光が弱くなるとともに、青色光ないし近紫外光がLEDランプ外に多く漏れる傾向となる。蛍光体の濃度が60%を超えると、かえって発光効率が落ち、光度にばらつきが生じる傾向となる。
LEDランプは、前記黄色光によって、40lm/W(ルーメン/ワット)以上の発光効率を有するものであることが好ましく、50lm/W以上の発光効率を有するものであることがより好ましい。前記で例示した発光素子及び蛍光体を使用すれば、同発光効率を得ることができる。
(2)照度
(2−1)下限と上限
LEDランプの発光により照らされる草花の上端での照度は、(害虫防除のためだけであれば1lx以上あればよいが)草花の開花を実用レベルで明確に制御するためには12lx以上とする必要があり、好ましくは25lx以上である。また、同照度の上限は、特に定めはないが、高すぎてもエネルギが無駄になるという観点からは、好ましくは100lx以下であり、より好ましくは50lx以下であり、前記の特許文献4より低い35lx以下として省エネを図ることもできる。
(2−2)照度の均一性
LEDランプから放射される黄色光によって、ほ場における害虫防除及び開花制御の必要な被照射面全域での照度が12lx以上となるように、ほ場に複数個の前記LEDランプを分散配置することが好ましい。LEDランプの数及び分散配置形態は、草花や害虫の種類を考慮して適宜に決定できる。また、LEDランプに光放射の指向角を拡げる光拡散部材を設けることが好ましい。光拡散部材としては、拡散レンズ、拡散反射鏡等を例示できる。
(3)駆動装置
駆動装置の電源装置としては、特に限定されないが、(a)商用交流電源から降圧、整流等の調整をするもの、(b)太陽電池と該太陽電池が発電した電気を蓄える蓄電池とを備えるもの、(c)風力発電機と該風力発電機が発電した電気を蓄える蓄電池とを備えるもの、または、これらを組み合わせて(例えばa+b、a+c、a+b+c)切り替えられるようにしたもの等を例示できる。
また、駆動装置は、LEDランプの発光強度を切り替える回路を備えることが好ましい。草花の上端での照度が12lx以上の任意の値となるように調整することが容易にでき、よりきめ細かい開花制御をすることができるからである。
また、駆動装置は、LEDランプをパルス駆動するパルス駆動回路を備えていることが好ましい。省エネルギになるとともに、上記LEDランプの発光強度の切り替えとしても利用することができるからである。駆動条件及びパルス駆動条件の調整については、害虫防除及び開花制御方法の項で説明する。
(4)LEDランプの設置高さを変更する機構
LEDランプの設置高さを変更する機構としては、LEDランプを支持する部材を、ほ場に立設した支柱に対して上下位置調節可能に取り付ける機構や、LEDランプを支持する部材を吊り下げ、その吊り下げ長さを変更する機構等を例示することができる。
(B)草花の害虫防除及び開花制御方法
本発明の草花の害虫防除及び開花制御方法は、半導体からなりピーク波長370〜480nmの青色光ないし近紫外光を発光する発光素子と、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光を励起光としてピーク波長560〜580nmの黄色光を放射する蛍光体とを組み合わせてなり、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光が、その略全てが蛍光体に吸収されて、LEDランプ外に実質的に漏れないLEDランプを、栽培中の草花の上方に設置し、前記LEDランプを発光させることにより、前記LEDランプの発光により照らされる草花の上端での照度が12lx以上で設定される任意の値とすることにより、害虫防除しながら草花の開花を制御することを特徴とする。
本発明における態様を以下に例示する。
(1)草花
害虫防除及び開花制御する草花としては、黄色光を忌避する害虫が付きやすく且つ日照時間が開花時期に影響するキク等の草花を例示することができる。
(2)LEDランプの設置高さを変更すること
草花の上端高さが高くなるにつれてLEDランプの設置高さを高くすることが好ましい。草花の上端での照度が無用に変動しないようにするためである。
(3)LEDランプの駆動について
(3−1)駆動条件
特に限定されないが、例えばGaN系半導体からなる発光素子を用いたLEDランプの場合、一個の発光素子を電圧3.0〜3.2V、電流20〜30mAで駆動することが好ましい。必要な光束を得ながら、発熱を抑えて寿命を延ばすことができるからである。
(3−2)パルス駆動
また、LEDランプをパルス駆動することが好ましい。パルス間隔は、特に限定されないが、2〜5ms(ミリ秒)が好ましい。半導体発光素子は通電が遮断されると残光のほとんどない状態で瞬時(ナノ秒以下)に消灯するが、黄色蛍光体は、半導体発光素子よりも長時間の残光特性を持つため、さらに長時間(少なくともミリ秒程度)残光を放射し、発光状態が保たれて害虫の忌避効果が持続するとともに、開花制御できるからである。このようにパルス駆動することにより、電力消費量を節減することができ、前記太陽電池と蓄電池による駆動の実現を容易化する。この点、前記従来の蛍光体を持たないLEDでは、このようなパルス駆動を行うことができないから、本LEDランプの大きな利点といえる。
(3−3)太陽電池充電駆動
また、LEDランプを、(昼間に)太陽電池が発電した電気を蓄えた蓄電池により(夜間に)駆動することが好ましい。ランニングコストの節約となり、また、商用交流電源を引くことが困難なほ場において特に有用である。
本発明の害虫防除及び開花制御装置及び方法によれば、害虫が忌避するとともに草花の開花に影響する黄色光を高い発光効率で放射することができ、使用個数、消費電力及びコストの削減に寄与し、光害を招きにくく、また寿命が長いLEDランプを用いて、害虫防除するとともに草花の開花をきめ細かく制御することができる、という優れた効果が得られる。
草花の害虫防除及び開花制御装置は、半導体からなりピーク波長370〜480nmの青色光ないし近紫外光を発光する発光素子と、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光を励起光としてピーク波長560〜580nmの黄色光を放射する蛍光体とを組み合わせてなり、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光が、その略全てが蛍光体に吸収されて、LEDランプ外に実質的に漏れないLEDランプを、栽培中の草花の上方に設置し、前記LEDランプを発光させる駆動装置を設け、前記LEDランプの発光により照らされる草花の上端での照度を12lx以上で設定される任意の値とすることができるようにしたものである。
草花の害虫防除及び開花制御方法は、半導体からなりピーク波長370〜480nmの青色光ないし近紫外光を発光する発光素子と、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光を励起光としてピーク波長560〜580nmの黄色光を放射する蛍光体とを組み合わせてなり、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光が、その略全てが蛍光体に吸収されて、LEDランプ外に実質的に漏れないLEDランプを、栽培中の草花の上方に設置し、前記LEDランプを発光させることにより、前記LEDランプの発光により照らされる草花の上端での照度が12lx以上で設定される任意の値とすることにより、害虫防除しながら草花の開花を制御する。
図1〜図5は、本発明における害虫防除の部分を予備的に試験した実施例1を示している。図1、図2に示すように、実施例1の害虫防除装置1は、ハウス2内のほ場Bに設備されている。同ほ場Bは、長辺がの12m、短辺が5.32m、平面積が約64mである。害虫防除装置1は、ほ場Bに対応する大きさで格子状に組まれて地面から200cmの高さ(H)に架設された支持フレーム3と、支持フレーム3の短辺方向中央部を長辺と平行に延びる中央枠部3aの中間部に300cmのピッチで取り付けられた合計3つの4個集中型照明灯4と、支持フレーム3の2つの長辺部3bに300cmのピッチで取り付けられ、また2つの短辺部3cの中央部にも取り付けられた合計12個の2個集中型照明灯5とを含む。
4個集中型照明灯4は、図3(a)(b)に示すように、支持フレーム3に取り付ける平板状の基板6と、基板6の下面に設けられて4個のLEDランプ8を放射状に配向させる四角錐状の配向部材7と、配向部材7の4面に取り付けられた4個のLEDランプ8とからなる。2個集中型照明灯4は、図3(c)(d)に示すように、支持フレーム3に取り付けるL字状の基板6と、基板6の下面に設けられて2個のLEDランプ8を放射状に配向させる半割り四角錐状の配向部材7と、配向部材7の2面に取り付けられた2個のLEDランプ8とからなる。
これらのLEDランプ8が、後述する電源装置・条件により100%の光量で連続駆動されて全数点灯した時は、ほ場Bの全域における地上50cmでの照度が平均3.75lxでほぼ均一となり、後述する電源装置・条件によりパルス駆動されて全数点灯した時は、ほ場Bの全域における地上50cmでの照度がより低い値でほぼ均一となるようになっている。
図4(a)に示すように、LEDランプ8は、GaN系半導体からなる青色発光素子11と、希土類珪酸塩(具体的にはLITEC社の商品名FA565)からなる黄色蛍光体12とを組み合わせて構成されている。発光素子11はリードフレーム13のマウントカップ13a上に接着され、発光素子11の一方の電極はボンディングワイヤ16でリードフレーム13に接続され、他方の電極はボンディングワイヤ16で他方のリードフレーム15に接続されている。マウントカップ13a内には、黄色蛍光体12が50〜55%の濃度で混合されたシリコーンの透明樹脂14が充填されて、発光素子11を封止している。そして、これら発光素子11、マウントカップ13a、透明樹脂14等を封止するモールド材がエポキシ樹脂の透明樹脂17で砲弾型に成形されている。透明樹脂17の頂部は集光レンズ18になっており、LEDランプ8の指向角を約60°としている。
図4(b)は、前記発光素子11の層構成を示している。発光素子11は、透明基板として例えばサファイア基板111を有し、このサファイア基板111上に、MOCVD法等によりGaN系半導体層として例えば、バッファ層112、n型コンタクト層113、n型クラッド層114、多重量子井戸構造の活性層(発光層)115、p型クラッド層116、およびp型コンタクト層117を順次形成し、スパッタリング法,真空蒸着法等により、p型コンタクト層117上の全面に透光性電極120、透光性電極120上の一部にp電極118、およびn型コンタクト層113上の一部にn電極119を形成したものである。
バッファ層112は、例えば、AlNからなり、n型コンタクト層113は、例えば、GaN からなる。n型クラッド層114は、例えば、AlGa1−yN(0≦y<1)の層を含み、p型クラッド層116は、例えば、AlGa1−xN(0<x<1)の層を含み、p型コンタクト層117は、例えば、AlGa1−zN(0≦z<1、z<x)の層を含む。また、p型クラッド層116のバンドギャップは、n型クラッド層114のバンドギャップより大きい。n型クラッド層114およびp型クラッド層116は、単一組成の構成であってもよいが、本例では超格子構造となるように、互いに組成が異なる厚み100Å以下の上記の窒化物半導体膜が積層される構成となっている。
活性層115は、InGaN からなる複数の井戸層と、GaN又はAlGaNからなる複数のバリア層とからなる。また、超格子層を構成するように、井戸層およびバリア層の厚みは100Å以下、好ましくは60〜70Åになっている。
このように構成された発光素子11の発光波長の半値幅は、50nm以下、好ましく40nm以下となっている。また、発光素子11のピーク発光波長は、450〜460nmの青色である。従って、LEDランプ8は、発光素子11から発光された該青色光で前記黄色蛍光体12を励起し、ピーク波長570〜572nmの黄色光を放射するように構成されている。前記青色光はランプ外にはほとんど漏れない。
図5に示すように、LEDランプ8はリード線20によって8個ずつ直列に接続され、24Vの直流電圧が直流電源装置23から(パルス駆動回路24を介さずに、又は介し)抵抗25を介してLEDランプ8に供給される。各LEDランプ8の発光素子11はこうして調整された約3V、20mAの駆動条件で連続駆動され、或いはパルス駆動回路24を介した場合にはパルス駆動される。なお、直流電源装置23としては、商用交流電源に接続して整流する直流電源装置のほか、太陽電池により発電された電気を蓄えた蓄電池または燃料電池等を好ましく使用できる。
上記構成の害虫防除装置1によれば、発光効率のよい青色発光素子11と黄色蛍光体12とを組み合わせてなるLEDランプ8を用い、またLEDランプ8の指向角が約60°であり、また4個集中型照明灯4及び2個集中型照明灯5によりLEDランプ8を放射状に配向させるので、前記のとおり、LEDランプ8から放射される黄色光によって、ほ場Bの全域における地上50cmでの照度が1〜5lxの範囲でほぼ均一となる。また、LEDランプ8を1個ずつ支持フレーム3に取り付ける手間は大変であるが、本実施例では4個又は2個のLEDランプ8を4個集中型照明灯4又は2個集中型照明灯5に集中して設けているので、支持フレーム3に取り付ける手間を削減できる。
この黄色光の略均一な照射によって、ほ場B全域の草花を害虫(特にヤガ)から効率よく保護できる。但し、この明るさは草花の開花にほとんど影響を与えない。また、LEDランプ8の効率が高いので、LEDランプ8の使用数を減らし、消費電力を節約できるとともに、ハウス2の設備レイアウトの自由度を高めることができる。また、前記パルス駆動によれば、さらに消費電力を節約できる。また、前記太陽電池及び蓄電池による駆動によれば、商用交流電源を引くことが困難なほ場において特に有用である。
上記構成の害虫防除装置1を使用して、LED照明がオオタバコガの産卵数に及ぼす影響を調査した。この調査では、長野県野菜花き試験場内にあるカーネーションを栽培するハウス2(図1、図2に示すもの)に上記構成の害虫防除装置1を設備し、但しハウス2内には、LEDランプ8により照明されるLED処理区のみならず、一部のLEDランプ8は駆動しないようにしてその下方にLEDランプ8により照明されない無処理区を形成した。
[調査1] まず、平成19年8月31日に、ハウス2内にプランター植えのカーネーションを設置するとともに、ハウス2内に未交尾のオオタバコガ雄成虫20頭、雌成虫20頭を放虫し、同日以降の毎日、16:00〜7:00の間にLED処理区のLEDランプ8を連続駆動して、地上50cmでの照度を平均3.75lxとした(これを次の調査との関係で100%光量という)。そして、放虫1日後から21日後にかけて、ハウス2の予め定めたカーネーション20株について、産下されたオオタバコガ卵数を調査した。供試したオオタバコガは、野菜花き試験場累代飼育系統である。表1に示す調査結果のとおり、LED処理区は無処理区と比較して産卵数が50%以下で推移し、低密度に抑制された。
Figure 0005164654
[調査1] 次に、平成19年9月27日に、ハウス2内に新たなプランター植えのカーネーションを設置するとともに、ハウス2内に未交尾のオオタバコガ雄成虫20頭、雌成虫20頭を放虫し、同日以降の毎日、16:00〜7:00の間にLEDランプ8をパルス駆動して、上記調査の100%光量に対して50%光量となるよう、地上50cmでの照度を平均1.88lxとした。そして、上記調査と同様、放虫1日後から21日後にかけて、ハウス2の予め定めたカーネーション20株について、産下されたオオタバコガ卵数を調査した。表2に示す調査結果のとおり、LEDパルス処理区は無処理区と比較して、放虫21日後は産卵数が同数であったものの3日後から17日後まで産卵数は50%以下で推移し、低密度に抑制された。
Figure 0005164654
上記の実施例1により害虫防除の効果が確認されたので、実施例2として図6〜図9に示す害虫防除及び開花制御の試験を行った。図6、図7に示すように、本実施例の害虫防除及び開花制御装置26は、ハウス27内のほ場Bに設備されている。同ほ場Bには、2mの長辺と1mの短辺とからなる長方形をなす平面積が2mの区画b1〜b7が、相互に光漏れが影響しないように充分な間隔をおいて7区画設定されている。各区画b1〜b7には複数のプランタ28が縦横に並べて設置されるとともに、各区画b1〜b7の角に高さ2mの支柱29が4本立設されている。
第1の区画b1は、光を照射しない無処理区であり、支柱29に照明装置は設けられていない。
第2の区画b2は、キクの上端での照度が2lx近く(詳しくは後述のとおり1.3〜2.2lx)となるように光を照射する区画であり、便宜上2lx区という。この2lx区では、支柱29に図7及び図8(a)に示すような照明装置30が設けられている。この照明装置30は、長辺を隔てる支柱29に跨る2本の梁部材31と、両梁部材31の途中部の2個所(長辺を4等分する3つの分割点のうちの両側2点の個所又はそこから20cm以内の個所)に横架されて両梁部材31を連結する2本の横架部材32と、各横架部材32の中央部に1個取り付けられたLEDランプ8及びその取付板33とから構成されている。
梁部材31の両端は支柱29を取り巻いて折り返すループ部34になっており、その折り返し部分34aのボルト・ナット35を弛めてループ部34を大きくすれば、支柱29に対し上下動させることができ、ボルト・ナット35を締めてループ部34を小さくすれば、支柱29に対して締着できるようになっている。
図8(d)に示すように、横架部材32にはL型アングル材が使用され、内直角形成面32aを下向きに伏せた山形の姿勢で、両端部が梁部材31に固定されている。LEDランプ8は透明樹脂よりなる取付板33に上向きに取り付けられ、取付板33が横架部材32に取り付けられている。LEDランプ8は実施例1のものと同一であり、これを駆動する電源装置・条件も実施例1と基本的には同一である(但しこの実施例では連続駆動で試験した)。LEDランプ8が上向きに発した光は、横架部材32の内直角形成面32aで反射されて、下向きに広角に照射される。このため、LEDランプ8が合計2個と少数であるにも拘わらず、区画b2の全体がほぼ均一な照度となるように光を照射することができる。
第3の区画b3は、キクの上端での照度が5lx近く(詳しくは後述のとおり2.2〜4.4lx)となるように光を照射する区画であり、便宜上5lx区という。この5lx区では、支柱29には図8(b)に示すような照明装置30が設けられている。この照明装置30は、区画b2のものと同様の2本の梁部材31と、両梁部材31の途中部の2個所(長辺を3等分する2つの分割点の個所又はそこから20cm以内の個所)に横架されて両梁部材31を連結する区画b2のものと同様の2本の横架部材32と、各横架部材32の途中部に2個取り付けられた区画b2のものと同様のLEDランプ8及びその取付板33とから構成されている。
この照明装置30も、LEDランプ8が合計4個と少数であるにも拘わらず、区画b2のものと同様の理由で、区画b3の全体がほぼ均一な照度となるように光を照射することができる。
第4の区画b4は、キクの上端での照度が8lx近く(詳しくは後述のとおり4.6〜7.6lx)となるように光を照射する区画であり、便宜上8lx区という。この8lx区では、支柱29には図8(c)に示すような照明装置30が設けられている。この照明装置30は、区画b2のものと同様の2本の梁部材31と、両梁部材31の途中部の4個所(長辺を5等分する4つの分割点の個所又はそこから20cm以内の個所)に横架されて両梁部材31を連結する区画b2のものと同様の4本の横架部材32と、各横架部材32の途中部に2個取り付けられた区画b2のものと同様のLEDランプ8及びその取付板33とから構成されている。
この照明装置30も、LEDランプ8が合計8個と少数であるにも拘わらず、区画b2のものと同様の理由で、区画b4の全体がほぼ均一な照度となるように光を照射することができる。
第5の区画b5は、キクの上端での照度が20lx近く(詳しくは後述のとおり12〜28lx)となるように光を照射する区画であり、便宜上20lx区という。この20lx区では、支柱29には図9(a)に示すような照明装置30が設けられている。この照明装置30は、区画b2のものと同様の2本の梁部材31と、両梁部材31の途中部の4個所(長辺を6等分する5つの分割点の個所又はそこから20cm以内の個所)に横架されて両梁部材31を連結する5本の横架部材32と、各横架部材32の途中部に2個取り付けられた区画b2のものと同様のLEDランプ8とから構成されている。
本区画の横架部材32にはやはりL型アングル材が使用されるものの、図9(c)に示すように、その一壁を水平にした姿勢で、両端部が梁部材31に固定されている。LEDランプ8は前記L型アングル材の一壁に下向きに取り付けられている。
この照明装置30は、LEDランプ8が合計15個と多数であり、それらが広く分散配置されているため、区画b5の全体がほぼ均一な照度となるように光を照射することができる。
第6の区画b6は、キクの上端での照度が50lx近く(詳しくは後述のとおり25〜52lx)となるように光を照射する区画であり、便宜上50lx区という。この50lx区では、支柱29には図9(b)に示すような照明装置30が設けられている。この照明装置30は、区画b2のものと同様の2本の梁部材31と、区画b5のものと同様の5本の横架部材32と、各横架部材32の途中部に6個取り付けられた区画b2のものと同様のLEDランプ8とから構成されている。
この照明装置30は、LEDランプ8が合計30個と多数であり、それらが広く分散配置されているため、区画b6の全体がほぼ均一な照度となるように光を照射することができる。
第7の区画b7は、従来より使用されている白熱電球で光を照射する区画であり、便宜上白熱電球区という。この白熱電球区では支柱29には図9(d)に示すような照明装置40が設けられている。この照明装置40は、区画b2のものと同様の2本の梁部材31と、両梁部材31の間に吊下された1個の75W型の白熱電球41とから構成されている。この白熱電球41の光量は非常に高いことから、キクの上端での照度が100lx近く(詳しくは後述のとおり46〜97lx)となる。
上記構成の害虫防除及び開花制御装置1を使用して、LED照明がキクの開花に及ぼす影響を調査した。
この調査では、長野県野菜花き試験場内にある1つのハウス27において、各区画b1〜b7の10個のプランタ28に10品種のキク、すなわち季咲時期が7〜8月である品種「岩の白扇」「千穂」「アルプス」「玉三郎」と、季咲時期が9〜10月である品種「笑の曲」「笑の誉れ」「笑王」「秋風」「白妙」「清見」とを定植した。
具体的には、まず、平成19年5月28日に、200穴のセル成型トレイに10品種のキクをさし芽して発根させた後、6月18日に1プランタ28(サイズ60cm×20cm)当たり10株を定植した。培土には「プロミックスBX(カナダ製、PREMIER HORTICULTURE社の商品名)」と「花専用培土(信濃培養土社の商品名)」とを体積比で2:1に混合したものを使用した。6月25日に摘心し、その後伸長した芽を1株当たり2本に仕立てた。施肥は、7月10日に「ロング424−100(旭化成ケミカルズ社の商品名)」を1プランター当たり17g施用した。
LEDランプ8及び白熱電球41の照明は、定植から試験終了まで行い、LEDランプ8は終夜照明、白熱電球41は22時〜2時まで4時間の暗期中断とした。同照明によるキクの上端(生長点)付近における各区の照度を6月23日に測定した結果、2lx区で1.3〜2.2lx、5lx区で2.2〜4.4lx、8lx区で4.6〜7.6lx、20lx区で12〜28lx、50lxで25〜52lx、白熱電球区で46〜97lxと、同一区内でも場所による差が多少あった。
次の表3及び表4に、キクが定植以降どの時期にどの程度開花したかについての試験結果を示す。
Figure 0005164654
Figure 0005164654
表3及び表4のとおり、次のことが判明した。
(1)無処理区における各品種の開花率が100%に達したのは、「岩の白扇」、「アルプス」で8月23日、「千穂」「玉三郎」で9月14日、「笑の曲」「笑の誉」「笑王」で9月28日、「秋風」「白妙」で10月5日、「清見」で10月12日であった。
(2)これに対し、50lx区では、調査終了時の10月19日までに全く開花しなかった品種が7品種あり、一部が開花した3品種でも開花時期は無処理区に比べると大幅に遅れ、照明による開花抑制効果が極めて顕著に認められた。
(3)20lx区では、10月19日までに全く開花しなかった品種は3品種と50lxより少なかったが、他の7品種でも無処理区より開花時期が遅れており、照明による開花抑制効果が顕著に認められた。
(4)8lx区及び5lx区では、いずれの品種においても無処理区に比べると開花時期は遅れたものの、その程度は20lx区及び50lx区に比べると小さかった。よって、実用レベルで所望のとおりに開花制御できるとまでは言い難い。
(5)2lx区では、無処理区より開花始期が遅れた品種が6品種あったものの、開花率が100%に達したのが無処理区より遅れたのは、「玉三郎」「笑王」の2品種のみであり、開花への影響は小さかった。
(6)なお、この定植から試験終了までの間、ハウス22は外部から害虫が侵入できる状態であったが、(無処理区を除く)2lx区、5lx区、8lx区、20lx区、50lx区及び白熱電球区では、上記実施例1の調査2と同等又はそれ以上の照度でキクを照らしたので、オオタバコガの防除効果があったものと推定される。
以上を考慮すると、使用したLEDランプ8では、キクの上端での照度が概ね2lx以下の場合にはキクの開花にほとんど影響を及ぼさないが、20lx区のように(上記のとおり12〜28lxと場所による差があったので、少なくとも下限値である)12lx以上になるとキクの開花を抑制し、50lx区のように(上記のとおり25〜52lxと場所による差があったので、少なくともその下限値である)25lx以上の時に開花抑制程度が最も大きかった。従って、前記の特許文献4では照度を36lx以上に切り替えて開花抑制するとしていたので、必ずしもきめ細かい開花制御ができなかったが、LEDランプ8の発光によりキクの上端での照度を12lx以上で設定される任意の値とする(例えば、12lxとしたり、25lxとしたり、あるいは途中で照度を変更したりする等)ようにすれば、キクの品種や所望の出荷時期に合わせて、開花時期をきめ細かく制御することができることが判明した。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
本発明の実施例1に係る害虫防除装置を示すハウスの側面図である。 ハウスの内側から天井面を見た該装置の下面図である。 (a)(b)はそれぞれ該装置の4個集中型照明灯の側面図及び下面図、(c)(d)はそれぞれ該装置の2個集中型照明灯の側面図及び下面図である。 (a)は該装置のLEDランプを示す断面図、(b)は該LEDランプの発光素子の層構成を示す概略図である。 該装置の電気配線図である。 本発明の実施例2に係る害虫防除及び開花制御装置を示すハウスの斜視図である。 該装置の2lx区の斜視図である。 (a)(b)(c)は該装置のそれぞれ2lx区、5lx区、8lx区の平面図、(d)は該装置のLEDランプの側面図である。 (a)(b)は該装置のそれぞれ20lx区、50lx区の平面図、(c)は該装置のLEDランプの側面図、(d)は該装置の白熱電球区の平面図である。
符号の説明
8 LEDランプ
11 青色発光素子
12 黄色蛍光体
21 開花制御装置
23 直流電源装置
24 パルス駆動回路
30 照明装置

Claims (4)

  1. 半導体からなりピーク波長370〜480nmの青色光ないし近紫外光を発光する発光素子と、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光を励起光としてピーク波長560〜580nmの黄色光を放射する蛍光体とを組み合わせてなり、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光が、その略全てが蛍光体に吸収されて、LEDランプ外に実質的に漏れないLEDランプを、栽培中の草花の上方に設置し、前記LEDランプを発光させる駆動装置を設け、前記LEDランプの発光により照らされる草花の上端での照度を12lx以上で設定される任意の値とすることができるようにしたことを特徴とする草花の害虫防除及び開花制御装置。
  2. 前記LEDランプの設置高さを変更する機構を備えた請求項1記載の草花の害虫防除及び開花制御装置。
  3. 半導体からなりピーク波長370〜480nmの青色光ないし近紫外光を発光する発光素子と、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光を励起光としてピーク波長560〜580nmの黄色光を放射する蛍光体とを組み合わせてなり、前記発光素子が発光した青色光ないし近紫外光が、その略全てが蛍光体に吸収されて、LEDランプ外に実質的に漏れないLEDランプを、栽培中の草花の上方に設置し、前記LEDランプを発光させることにより、前記LEDランプの発光により照らされる草花の上端での照度が12lx以上で設定される任意の値とすることにより、害虫防除しながら草花の開花を制御することを特徴とする草花の害虫防除及び開花制御方法。
  4. 草花の上端高さが高くなるにつれてLEDランプの設置高さを高くする請求項3記載の草花の害虫防除及び開花制御方法。
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