しかしながら、多くの証券会社により、夜間取引を行うことができるPTS市場が開設され、従来から存在する他の市場も含め、同じ時間帯に多くの市場システムが稼働している状況になると、投資家は、多くの投資機会を得ることになるが、その反面、市場の監視負担も増すため、最適な投資機会を逃してしまうケースも多くなるといえる。
また、前述した非特許文献1,2に記載された注文方法を利用すれば、例えば、ある銘柄を、安く購入し、高くなってから売却するという売買差額による利得を図るための売買取引を行う場面では、同一銘柄の値動きをコンピュータにより自動監視し、意図した売却タイミングを逃すことなく売却処理を実現することができ、投資家による市場の監視負担もいくらか軽減される。しかし、これは、単一市場における当該銘柄の値動きを監視するものであるから、同じ時間帯にPTS市場等の多くの市場で商いが行われている状況下での監視を実現するものではない。
本発明の目的は、複数の市場に跨る売買注文の容易化および投資家の市場監視負担の軽減を図ることができる有価証券売買注文システムおよび有価証券売買注文処理方法、並びにプログラムを提供するところにある。
本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムであって、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、各銘柄についての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行する相場情報取得処理手段と、この相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて記憶する相場情報記憶手段と、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行する売気配値総合最安値判断処理手段と、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行する買気配値総合最高値判断処理手段と、各銘柄について、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、各市場の前日の終値の平均値、若しくはその他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行する裁定取引用指標値算出処理手段と、この裁定取引指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値の大きい銘柄順に並べた状態で、各銘柄についての相場情報、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のうちの少なくとも1つの情報を、銘柄識別情報とともに一覧表示する処理、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上若しくは超過である各銘柄について、相場情報、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のうちの少なくとも1つの情報を、銘柄識別情報とともに一覧表示する処理、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上若しくは超過である各銘柄について、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値の大きい銘柄順に並べた状態で、相場情報、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のうちの少なくとも1つの情報を、銘柄識別情報とともに一覧表示する処理、または、全ての取扱い銘柄について、相場情報、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のうちの少なくとも1つの情報を、銘柄識別情報とともに一覧表示し、かつ、この一覧表示中で乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上若しくは超過である各銘柄を識別するための色塗り、枠囲い、網掛け、点滅若しくはその他の裁定取引候補銘柄識別用のマークを表示する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行する裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段」における「少なくとも1つの処理」には、1つの処理のみを行う場合、複数の処理を画面切替で行う場合、複数の処理を画面分割または複数の窓表示により同時に行う場合のいずれの場合も含まれる。以下の発明においても同様である。
また、「銘柄」とは、株式や債券等の有価証券の銘柄である。以下の発明においても同様である。
さらに、「同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量」には、同一銘柄についての買い注文およびこの買い注文に係る取引成立後の売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量である場合と、同一銘柄についての売り注文およびこの売り注文に係る取引成立後の買い注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量である場合と、同一銘柄についての買い注文および売り注文について一方の注文に係る取引が成立してから反対売買となる他方の注文を行うのではなく互いの取引の成立(約定)に関係なく同時または略同時に行う買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量である場合とが含まれる。また、取引には、現物取引のみならず、信用取引、先物取引等も含まれる。以下の発明において「同一銘柄についての買い注文および売り注文」というときも同様である。
このような本発明の有価証券売買注文システムにおいては、各銘柄について、複数の市場間の値段の乖離額、乖離率、または予想取引差額を算出し、これらの乖離額、乖離率、または予想取引差額を用いて裁定取引候補銘柄の一覧表示を行うので、投資家は、この一覧表示を参照することで、複数の市場間での値段の乖離額や乖離率が大きい銘柄、あるいは値段の乖離を利用して売買を行った場合に見込まれる利得金額が大きい銘柄を知ることが可能となる。このため、複数の市場に跨って投資のための有用な情報を得ることが可能となるので、複数の市場に跨る売買注文の容易化および投資家の市場監視負担の軽減を図ることが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
また、前述した有価証券売買注文システムにおいて、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段により表示された各銘柄の中から、同一銘柄についての買い注文および売り注文を行う銘柄の選択入力を受け付けるとともに、受け付けた銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場が買い注文を行う市場として予めデフォルト入力され、かつ、受け付けた銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場が売り注文を行う市場として予めデフォルト入力されている注文画面を表示する処理を実行する注文受付処理手段を備えた構成とすることが望ましい。
このように裁定取引候補銘柄一覧表示の中から銘柄の選択入力を受け付け、かつ、買い注文および売り注文を行う市場がデフォルト入力されている注文画面を表示する構成とした場合には、投資家は、裁定取引候補銘柄一覧表示を参照し、投資のために必要な情報を得て、この一覧表示の中で売買対象銘柄を決定して選択入力することが可能となるので、注文する銘柄の指定作業を容易に行うことが可能となるうえ、選択入力した銘柄に応じて市場がデフォルト入力されているので、注文を行う市場の指定作業も容易に行うことが可能となる。
さらに、上記のように裁定取引候補銘柄一覧表示の中から銘柄の選択入力を受け付け、かつ、買い注文および売り注文を行う市場がデフォルト入力されている注文画面を表示する構成とした場合において、注文受付処理手段は、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、この売買可能数量が買い注文の買付数量または売り注文の売付数量として予めデフォルト入力されている注文画面を表示するか、または売買可能数量を参照情報として注文画面に表示する処理を実行する構成とされていることが望ましい。
このように売買可能数量がデフォルト入力されている注文画面を表示するか、または売買可能数量を参照情報として注文画面に表示する構成とした場合には、投資家は、自ら売買可能数量を判断する必要がなくなるうえ、注文数量の指定作業も容易に行うことが可能となる。
そして、前述した有価証券売買注文システムにおいて、同一銘柄についての買い注文および売り注文を行う銘柄の入力を受け付けるとともに、受け付けた銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場が買い注文を行う市場として予めデフォルト入力され、かつ、受け付けた銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場が売り注文を行う市場として予めデフォルト入力されている注文画面を表示し、さらに受け付けた銘柄について、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、この売買可能数量を買い注文の買付数量または売り注文の売付数量として注文画面に予めデフォルト入力するか、または売買可能数量を参照情報として注文画面に表示する処理を実行する注文受付処理手段を備えた構成としてもよい。
このように銘柄の入力を受け付け、かつ、買い注文および売り注文を行う市場がデフォルト入力されている注文画面を表示し、さらに売買可能数量を注文画面にデフォルト入力するか、または売買可能数量を参照情報として注文画面に表示する構成とした場合には、投資家は、入力した銘柄に応じて市場がデフォルト入力されているので、注文を行う市場の指定作業を容易に行うことが可能となり、さらに、自ら売買可能数量を判断する必要がなくなるので、注文数量の指定作業も容易に行うことが可能となる。
また、本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムであって、同一銘柄についての買い注文および売り注文を行う場合の概算上限買付金額または概算上限売付金額の入力を受け付ける処理を実行する自動発注条件受付処理手段と、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、各銘柄についての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行する相場情報取得処理手段と、この相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて記憶する相場情報記憶手段と、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行する売気配値総合最安値判断処理手段と、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行する買気配値総合最高値判断処理手段と、各銘柄について、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、若しくは各市場の前日の終値の平均値その他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行する裁定取引用指標値算出処理手段と、この裁定取引用指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、この売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文および売り注文を行う場合の銘柄識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文を行う市場についての市場識別情報とし、自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限買付金額を、売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出するか、または自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限売付金額を、売買対象銘柄についての買気配値総合最高値で除することにより、上限売付数量を算出し、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、売買可能数量が上限買付数量以下または上限売付数量以下である場合には、売買可能数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、売買可能数量が上限買付数量または上限売付数量を超える場合には、上限買付数量または上限売付数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を実行する発注データ作成処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような本発明の有価証券売買注文システムにおいては、各銘柄について、複数の市場間の値段の乖離額、乖離率、または予想取引差額を算出し、これらの乖離額、乖離率、または予想取引差額を用いて、売買対象銘柄および市場を決定するとともに、概算上限買付金額または概算上限売付金額を超えないように買い注文の買付数量または売り注文の売付数量を決定し、発注データが自動作成されるので、投資家は、手間をかけることなく、図利目的の売買を行うことが可能となり、複数の市場に跨る売買注文の容易化および投資家の市場監視負担の軽減を図ることが可能となる。
また、概算上限買付金額または概算上限売付金額を入力しておくので、支払能力に応じた売買取引を行うことができるとともに、リスクの軽減を図ることが可能となる。例えば、購入した数量の一部しか売却することができなかった場合、あるいは売気配値総合最安値判断処理手段、買気配値総合最高値判断処理手段、および裁定取引用指標値算出処理手段による処理時点から、相場が変動し、作成した発注データによる内容では、利益が得られなくなってしまった場合等に、支払可能な限度額を超えるような大きな損失の発生を回避することが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
さらに、本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムであって、同一銘柄についての買い注文および売り注文を行う場合の候補銘柄として少なくとも1つの銘柄についての銘柄識別情報の入力を受け付けるとともに、概算上限買付金額または概算上限売付金額の入力を受け付ける処理を実行する自動発注条件受付処理手段と、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行する相場情報取得処理手段と、この相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて記憶する相場情報記憶手段と、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行する売気配値総合最安値判断処理手段と、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行する買気配値総合最高値判断処理手段と、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、若しくは各市場の前日の終値の平均値その他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行する裁定取引用指標値算出処理手段と、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄のうち、裁定取引用指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、この売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文および売り注文を行う場合の銘柄識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文を行う市場についての市場識別情報とし、自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限買付金額を、売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出するか、または自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限売付金額を、売買対象銘柄についての買気配値総合最高値で除することにより、上限売付数量を算出し、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、売買可能数量が上限買付数量以下または上限売付数量以下である場合には、売買可能数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、売買可能数量が上限買付数量または上限売付数量を超える場合には、上限買付数量または上限売付数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を実行する発注データ作成処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような本発明の有価証券売買注文システムにおいては、入力した各候補銘柄について、複数の市場間の値段の乖離額、乖離率、または予想取引差額を算出し、これらの乖離額、乖離率、または予想取引差額を用いて、候補銘柄の中から売買対象銘柄を決定し、かつ、市場を決定するとともに、概算上限買付金額または概算上限売付金額を超えないように買い注文の買付数量または売り注文の売付数量を決定し、発注データが自動作成されるので、投資家は、手間をかけることなく、図利目的の売買を行うことが可能となり、複数の市場に跨る売買注文の容易化および投資家の市場監視負担の軽減を図ることが可能となる。また、概算上限買付金額または概算上限売付金額を入力しておくので、支払能力に応じた売買取引を行うことができるとともに、リスクの軽減を図ることが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
そして、本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムであって、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量に対する買い注文の買付数量の比率を示す買付数量比率または売買可能数量に対する売り注文の売付数量の比率を示す売付数量比率の入力を受け付ける処理を実行する自動発注条件受付処理手段と、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、各銘柄についての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行する相場情報取得処理手段と、この相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて記憶する相場情報記憶手段と、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行する売気配値総合最安値判断処理手段と、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行する買気配値総合最高値判断処理手段と、各銘柄について、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、若しくは各市場の前日の終値の平均値その他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行する裁定取引用指標値算出処理手段と、この裁定取引用指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、この売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文および売り注文を行う場合の銘柄識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文を行う市場についての市場識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じることにより、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量を算出し、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を実行する発注データ作成処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような本発明の有価証券売買注文システムにおいては、各銘柄について、複数の市場間の値段の乖離額、乖離率、または予想取引差額を算出し、これらの乖離額、乖離率、または予想取引差額を用いて、売買対象銘柄および市場を決定するとともに、売買可能数量に対する買付数量比率または売付数量比率を用いて、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量を決定し、発注データが自動作成されるので、投資家は、手間をかけることなく、図利目的の売買を行うことが可能となり、複数の市場に跨る売買注文の容易化および投資家の市場監視負担の軽減を図ることが可能となる。また、売買可能数量に対する買付数量比率または売付数量比率を入力しておくので、リスクの軽減を図ることが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
また、上記のように、自動発注条件受付処理手段により売買可能数量に対する買付数量比率の入力を受け付ける構成とした場合において、自動発注条件受付処理手段は、概算上限買付金額または概算上限売付金額の入力も受け付ける処理を行う構成とされ、発注データ作成処理手段は、自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限買付金額を、売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出するか、または自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限売付金額を、売買対象銘柄についての買気配値総合最高値で除することにより、上限売付数量を算出し、売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じた数量が上限買付数量以下または上限売付数量以下である場合には、売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じた数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じた数量が上限買付数量または上限売付数量を超える場合には、上限買付数量または上限売付数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を行う構成とされていることが望ましい。
このように売買可能数量に対する買付数量比率または売付数量比率に加え、概算上限買付金額または概算上限売付金額の入力も受け付けて発注データの作成処理を行う構成とした場合には、リスクの軽減を、より一層図ることが可能となる。
さらに、本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムであって、同一銘柄についての買い注文および売り注文を行う場合の候補銘柄として少なくとも1つの銘柄についての銘柄識別情報の入力を受け付けるとともに、買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量に対する買い注文の買付数量の比率を示す買付数量比率または売買可能数量に対する売り注文の売付数量の比率を示す売付数量比率の入力を受け付ける処理を実行する自動発注条件受付処理手段と、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行する相場情報取得処理手段と、この相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて記憶する相場情報記憶手段と、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行する売気配値総合最安値判断処理手段と、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行する買気配値総合最高値判断処理手段と、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、若しくは各市場の前日の終値の平均値その他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行する裁定取引用指標値算出処理手段と、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄のうち、裁定取引用指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、この売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文および売り注文を行う場合の銘柄識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文を行う市場についての市場識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じることにより、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量を算出し、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を実行する発注データ作成処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような本発明の有価証券売買注文システムにおいては、入力した各候補銘柄について、複数の市場間の値段の乖離額、乖離率、または予想取引差額を算出し、これらの乖離額、乖離率、または予想取引差額を用いて、候補銘柄の中から売買対象銘柄を決定し、かつ、市場を決定するとともに、売買可能数量に対する買付数量比率または売付数量比率を用いて、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量を決定し、発注データが自動作成されるので、投資家は、手間をかけることなく、図利目的の売買を行うことが可能となり、複数の市場に跨る売買注文の容易化および投資家の市場監視負担の軽減を図ることが可能となる。また、売買可能数量に対する買付数量比率または売付数量比率を入力しておくので、リスクの軽減を図ることが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
そして、上記のように、自動発注条件受付処理手段により候補銘柄および売買可能数量に対する買付数量比率の入力を受け付ける構成とした場合において、自動発注条件受付処理手段は、概算上限買付金額または概算上限売付金額の入力も受け付ける処理を行う構成とされ、発注データ作成処理手段は、自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限買付金額を、売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出するか、または自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限売付金額を、売買対象銘柄についての買気配値総合最高値で除することにより、上限売付数量を算出し、売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じた数量が上限買付数量以下または上限売付数量以下である場合には、売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じた数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じた数量が上限買付数量または上限売付数量を超える場合には、上限買付数量または上限売付数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を行う構成とされていることが望ましい。
このように候補銘柄および売買可能数量に対する買付数量比率または売付数量比率に加え、概算上限買付金額または概算上限売付金額の入力も受け付けて発注データの作成処理を行う構成とした場合には、リスクの軽減を、より一層図ることが可能となる。
また、以上に述べたように、発注データを自動作成する構成とした場合において、相場情報取得処理手段は、相場情報の取得処理を繰り返し行う構成とされ、相場情報記憶手段には、最新の相場情報が記憶され、売気配値総合最安値判断処理手段および買気配値総合最高値判断処理手段は、相場情報記憶手段に記憶された最新の相場情報が更新される都度に、売気配値総合最安値および買気配値総合最高値の判断処理を行う構成とされ、裁定取引用指標値算出処理手段は、売気配値総合最安値判断処理手段および買気配値総合最高値判断処理手段による判断処理が行われる都度に、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額の算出処理を行う構成とされ、発注データ作成処理手段は、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄について、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上または超過となっているか否かを判断し、閾値以上または超過となっている場合に、その銘柄を売買対象銘柄として決定し、発注データの作成処理を行う構成とされていることが望ましい。
このように乖離額、乖離率、または予想取引差額が最も大きい銘柄について、乖離額、乖離率、または予想取引差額が閾値以上または超過となっているか否かを判断する構成とした場合には、殆ど利益が得られない状況では、発注データを作成しないようにすることが可能となる。このため、例えば、手数料を勘案すると、殆ど利益が得られない、あるいは却って損失が生じるという事態を回避することが可能となる。
また、以上に述べた本発明の有価証券売買注文システムにより実現される有価証券売買注文処理方法として、以下のような本発明の有価証券売買注文処理方法が挙げられる。
すなわち、本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムで実行される有価証券売買注文処理方法であって、相場情報取得処理手段が、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、各銘柄についての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行し、相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて相場情報記憶手段に記憶させ、売気配値総合最安値判断処理手段が、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行し、買気配値総合最高値判断処理手段が、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行し、裁定取引用指標値算出処理手段が、各銘柄について、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、各市場の前日の終値の平均値、若しくはその他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行し、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段が、裁定取引指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値の大きい銘柄順に並べた状態で、各銘柄についての相場情報、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のうちの少なくとも1つの情報を、銘柄識別情報とともに一覧表示する処理、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上若しくは超過である各銘柄について、相場情報、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のうちの少なくとも1つの情報を、銘柄識別情報とともに一覧表示する処理、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上若しくは超過である各銘柄について、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値の大きい銘柄順に並べた状態で、相場情報、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のうちの少なくとも1つの情報を、銘柄識別情報とともに一覧表示する処理、または、全ての取扱い銘柄について、相場情報、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のうちの少なくとも1つの情報を、銘柄識別情報とともに一覧表示し、かつ、この一覧表示中で乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上若しくは超過である各銘柄を識別するための色塗り、枠囲い、網掛け、点滅若しくはその他の裁定取引候補銘柄識別用のマークを表示する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行することを特徴とするものである。
また、本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムで実行される有価証券売買注文処理方法であって、自動発注条件受付処理手段が、同一銘柄についての買い注文および売り注文を行う場合の概算上限買付金額または概算上限売付金額の入力を受け付ける処理を実行し、相場情報取得処理手段が、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、各銘柄についての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行し、相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて相場情報記憶手段に記憶させ、売気配値総合最安値判断処理手段が、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行し、買気配値総合最高値判断処理手段が、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行し、裁定取引用指標値算出処理手段が、各銘柄について、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、若しくは各市場の前日の終値の平均値その他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行し、発注データ作成処理手段が、裁定取引用指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、この売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文および売り注文を行う場合の銘柄識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文を行う市場についての市場識別情報とし、自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限買付金額を、売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出するか、または自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限売付金額を、売買対象銘柄についての買気配値総合最高値で除することにより、上限売付数量を算出し、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、売買可能数量が上限買付数量以下または上限売付数量以下である場合には、売買可能数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、売買可能数量が上限買付数量または上限売付数量を超える場合には、上限買付数量または上限売付数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を実行することを特徴とするものである。
さらに、本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムで実行される有価証券売買注文処理方法であって、自動発注条件受付処理手段が、同一銘柄についての買い注文および売り注文を行う場合の候補銘柄として少なくとも1つの銘柄についての銘柄識別情報の入力を受け付けるとともに、概算上限買付金額または概算上限売付金額の入力を受け付ける処理を実行し、相場情報取得処理手段が、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行し、相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて相場情報記憶手段に記憶させ、売気配値総合最安値判断処理手段が、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行し、買気配値総合最高値判断処理手段が、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行し、裁定取引用指標値算出処理手段が、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、若しくは各市場の前日の終値の平均値その他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行し、発注データ作成処理手段が、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄のうち、裁定取引用指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、この売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文および売り注文を行う場合の銘柄識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文を行う市場についての市場識別情報とし、自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限買付金額を、売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出するか、または自動発注条件受付処理手段により受け付けた概算上限売付金額を、売買対象銘柄についての買気配値総合最高値で除することにより、上限売付数量を算出し、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、売買可能数量が上限買付数量以下または上限売付数量以下である場合には、売買可能数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、売買可能数量が上限買付数量または上限売付数量を超える場合には、上限買付数量または上限売付数量を、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量とし、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を実行することを特徴とするものである。
そして、本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムで実行される有価証券売買注文処理方法であって、自動発注条件受付処理手段が、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量に対する買い注文の買付数量の比率を示す買付数量比率または売買可能数量に対する売り注文の売付数量の比率を示す売付数量比率の入力を受け付ける処理を実行し、相場情報取得処理手段が、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、各銘柄についての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行し、相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて相場情報記憶手段に記憶させ、売気配値総合最安値判断処理手段が、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行し、買気配値総合最高値判断処理手段が、各銘柄について、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行し、裁定取引用指標値算出処理手段が、各銘柄について、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、若しくは各市場の前日の終値の平均値その他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行し、発注データ作成処理手段が、裁定取引用指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、この売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文および売り注文を行う場合の銘柄識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文を行う市場についての市場識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じることにより、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量を算出し、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を実行することを特徴とするものである。
また、本発明は、有価証券の売買注文に関する処理を実行するコンピュータにより構成された有価証券売買注文システムで実行される有価証券売買注文処理方法であって、自動発注条件受付処理手段が、同一銘柄についての買い注文および売り注文を行う場合の候補銘柄として少なくとも1つの銘柄についての銘柄識別情報の入力を受け付けるとともに、買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量に対する買い注文の買付数量の比率を示す買付数量比率または売買可能数量に対する売り注文の売付数量の比率を示す売付数量比率の入力を受け付ける処理を実行し、相場情報取得処理手段が、市場システムまたはその他の相場情報提供システムから、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについての複数の市場の相場情報を取得する処理を実行し、相場情報取得処理手段により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて相場情報記憶手段に記憶させ、売気配値総合最安値判断処理手段が、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断する処理を実行し、買気配値総合最高値判断処理手段が、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、相場情報記憶手段に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断する処理を実行し、裁定取引用指標値算出処理手段が、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄または候補銘柄を含む全ての取扱い銘柄のそれぞれについて、買気配値総合最高値判断処理手段により得られた買気配値総合最高値から、売気配値総合最安値判断処理手段により得られた売気配値総合最安値を減じることにより、乖離額を算出する処理、この乖離額を、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値、若しくは各市場の前日の終値の平均値その他の基準単価で除することにより、乖離率を算出する処理、または、売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、同一銘柄についての買い注文および売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量と、乖離額とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額を算出する処理のうち、少なくとも1つの処理を実行し、発注データ作成処理手段が、自動発注条件受付処理手段により受け付けた候補銘柄のうち、裁定取引用指標値算出処理手段により算出した乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、この売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文および売り注文を行う場合の銘柄識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文を行う市場についての市場識別情報とし、売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値に対応して相場情報記憶手段に記憶された売気配数量と、買気配値総合最高値判断処理手段により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値に対応して相場情報記憶手段に記憶された買気配数量とのうち、小さい方の数量を、売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量に自動発注条件受付処理手段により受け付けた買付数量比率または売付数量比率を乗じることにより、買い注文の買付数量または売り注文の売付数量を算出し、市場システムへの送信用の発注データを作成する処理を実行することを特徴とするものである。
以上に述べた本発明の有価証券売買注文処理方法においては、前述した、対応する本発明の有価証券売買注文システムで得られる作用・効果がそのまま得られ、これにより前記目的が達成される。
さらに、本発明のプログラムは、前述した有価証券売買注文システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
以上に述べたように本発明によれば、各銘柄について、複数の市場間の値段の乖離額、乖離率、または予想取引差額を算出し、これらの乖離額、乖離率、または予想取引差額を用いて裁定取引候補銘柄の一覧表示を行うか、あるいはこれらの乖離額、乖離率、または予想取引差額を用いて、売買対象銘柄、市場、および買い注文の買付数量若しくは売り注文の売付数量を決定し、発注データを自動作成するので、投資家は、手間をかけることなく、図利目的の売買を行うことができ、複数の市場に跨る売買注文の容易化および投資家の市場監視負担の軽減を図ることができるという効果がある。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の有価証券売買注文システム10の全体構成が示されている。図2には、相場情報記憶手段40の構成が示され、図3には、注文データ記憶手段41の構成が示され、図4には、自動発注条件記憶手段42の構成が示されている。また、図5には、注文処理サーバ20で定期的に繰り返し行われる処理の流れがフローチャートで示され、図6には、注文処理の流れがフローチャートで示され、図7には、自動発注処理の流れがフローチャートで示されている。さらに、図8には、裁定取引候補銘柄一覧画面100および注文画面200の一例が示され、図9には、自動発注条件設定画面400の一例が示されている。
図1において、有価証券売買注文システム10は、有価証券売買注文に関する各種処理を実行するとともに各種処理に必要なデータを記憶する注文処理サーバ20と、この注文処理サーバ20にネットワーク1を介して接続された投資家端末装置50とを備えている。また、注文処理サーバ20には、専用線2またはネットワーク1を介して相場情報提供システム60が接続されている。さらに、注文処理サーバ20には、専用線3またはネットワーク1を介して複数の市場システム70が接続されている。
ネットワーク1は、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
注文処理サーバ20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、有価証券売買注文に関する各種処理を実行する処理手段20Aと、この処理手段20Aに接続された相場情報記憶手段40、注文データ記憶手段41、および自動発注条件記憶手段42とを備えて構成されている。この注文処理サーバ20は、証券会社や証券仲介業者等の金融機関が運用・管理するサーバである。
処理手段20Aは、相場情報取得処理手段21と、売気配値総合最安値判断処理手段22と、買気配値総合最高値判断処理手段23と、裁定取引用指標値算出処理手段24と、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25と、注文受付処理手段26と、自動発注条件受付処理手段27と、発注データ作成処理手段28と、発注処理手段29と、約定データ受信処理手段30と、売買結果表示処理手段31とを含んで構成されている。
相場情報取得処理手段21は、相場情報提供システム60から、専用線2またはネットワーク1を介して、各銘柄(本実施形態では、全ての取扱い銘柄とする。)についての複数の市場の相場情報を取得し、取得した相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。各市場から取得する各銘柄の相場情報は、気配値と、売気配数量や買気配数量とが対になった気配情報(いわゆる板情報)であり、例えば、上下5本気配情報(最安値〜5番目の安値の売り注文、および最高値〜5番目の高値の買い注文についての値段とその注文数量をリアルタイムで提供するもの)等であるが、上下1本の気配を提供する一般気配等であってもよい。また、相場情報取得処理手段21は、相場情報の取得処理を繰り返し行う構成とされ、相場情報記憶手段40(図2参照)には、最新の相場情報が記憶される。
売気配値総合最安値判断処理手段22は、各銘柄(本実施形態では、全ての取扱い銘柄とする。)について、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値(図2の銘柄αの例では、市場Aの509円、市場Bの506円、市場Cの500円、…)のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断し、最良売り気配市場についての市場識別情報および売気配値総合最安値を、銘柄識別情報と関連付けて相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。図2の銘柄αの例では、市場Cの500円が、最良売り気配市場および売気配値総合最安値となる。また、売気配値総合最安値判断処理手段22は、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された最新の相場情報が更新される都度に、売気配値総合最安値の判断処理を行う。
買気配値総合最高値判断処理手段23は、各銘柄(本実施形態では、全ての取扱い銘柄とする。)について、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された複数の市場の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値(図2の銘柄αの例では、市場Aの508円、市場Bの505円、市場Cの499円、…)のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断し、最良買い気配市場についての市場識別情報および買気配値総合最高値を、銘柄識別情報と関連付けて相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。図2の銘柄αの例では、市場Aの508円が、最良買い気配市場および買気配値総合最高値となる。また、買気配値総合最高値判断処理手段23は、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された最新の相場情報が更新される都度に、買気配値総合最高値の判断処理を行う。
裁定取引用指標値算出処理手段24は、各銘柄(本実施形態では、全ての取扱い銘柄とする。)について、複数の市場間の値段の乖離額(価格差)、乖離率、乖離を利用して買い注文およびこの買い注文約定後の売り注文を行う場合の売買可能数量、およびこの場合に見込まれる利得金額を示す予想取引差額を算出し、算出した乖離額、乖離率、売買可能数量、および予想取引差額を、銘柄識別情報と関連付けて相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。また、裁定取引用指標値算出処理手段24は、売気配値総合最安値判断処理手段22および買気配値総合最高値判断処理手段23による判断処理が行われる都度に、乖離額、乖離率、売買可能数量、および予想取引差額の算出処理を行う。
具体的には、裁定取引用指標値算出処理手段24は、各銘柄(本実施形態では、全ての取扱い銘柄とする。)について、買気配値総合最高値判断処理手段23により得られた買気配値総合最高値(図2の銘柄αの例では、508円)から、売気配値総合最安値判断処理手段22により得られた売気配値総合最安値(図2の銘柄αの例では、500円)を減じることにより、乖離額(図2の銘柄αの例では、8円)を算出する処理を行う。
また、裁定取引用指標値算出処理手段24は、乖離額(図2の銘柄αの例では、8円)を、基準単価である売気配値総合最安値(図2の銘柄αの例では、500円)で除することにより、乖離率(図2の銘柄αの例では、1.6%)を算出する処理を行う。なお、本実施形態では、基準単価として、売気配値総合最安値を用いるが、買気配値総合最高値、当該銘柄についての各市場の前日の終値の平均値、売気配値総合最安値と買気配値総合最高値との平均値、あるいはその他の基準単価を用いてもよい。
さらに、裁定取引用指標値算出処理手段24は、売気配値総合最安値判断処理手段22により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値(図2の銘柄αの例では、市場Cの500円)に対応して相場情報記憶手段40に記憶された売気配数量(図2の銘柄αの例では、11,000株)と、買気配値総合最高値判断処理手段23により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値(図2の銘柄αの例では、市場Aの508円)に対応して相場情報記憶手段40に記憶された買気配数量(図2の銘柄αの例では、13,000株)とのうち、小さい方の数量(図2の銘柄αの例では、11,000株)を、同一銘柄についての買い注文およびこの買い注文に係る取引成立後の売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量(図2の銘柄αの例では、11,000株)と、乖離額(図2の銘柄αの例では、8円)とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額(図2の銘柄αの例では、88,000円)を算出する処理を行う。
裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25は、投資家端末装置50からの投資家の表示要求に応じ、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶されたデータを用いて、裁定取引候補銘柄一覧画面100(図8参照)の表示用データを作成し、作成した表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信する処理を実行するものである。
具体的には、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25は、投資家端末装置50からネットワーク1を介して投資家の表示要求信号を受信すると、相場情報記憶手段40(図2参照)から、各銘柄についての銘柄識別情報(銘柄名や銘柄コード等)とともに、各銘柄の乖離額、乖離率、売買可能数量、予想取引差額、各市場(市場A、市場B、市場C、…)における相場情報(本実施形態では、一例として、板情報の一部であり、市場別売気配値最安値およびこれに対応する売気配数量、並びに市場別買気配値最高値およびこれに対応する買気配数量)を読み込むとともに、図示されない単元株記憶手段から各銘柄の単元株を読み込み、これらのデータを、乖離額の大きい銘柄順に並べて裁定取引候補銘柄一覧画面100(図8参照)の表示用データを作成し、作成した表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信する処理を行う。この際、本実施形態では、初期状態の表示の一例として、各銘柄のデータを、乖離額の大きい銘柄順に並べるが、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25は、投資家による表示順の変更要求信号(図8の「乖離率ソート」ボタン171や「予想取引差額ソート」ボタン172の押操作による信号)をネットワーク1を介して投資家端末装置50から受信し、乖離率または予想取引差額の大きい銘柄順に並べ替える処理も行い、さらに表示順を元に戻す要求信号(図8の「乖離額ソート」ボタン170の押操作による信号)をネットワーク1を介して投資家端末装置50から受信し、乖離額の大きい銘柄順の表示に戻す処理も行う。なお、初期状態の表示は、乖離額、乖離率、または予想取引差額のうち、いずれの値の大きい順としてもよく、いずれを初期状態の表示とした場合であっても、投資家の利便性向上等の観点から、本実施形態のように表示順を変更可能な構成としておくことが好ましい。
また、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25は、各銘柄毎の表示の中で、最良売り気配市場における売気配値総合最安値およびこれに対応する売気配数量の表示部分、および最良買い気配市場における買気配値総合最高値およびこれに対応する買気配数量の表示部分に、他の部分とは異なる色彩を付し、さらにこれらの表示部分どうしの色彩も異なるものとする処理を行う。
注文受付処理手段26は、投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる投資家による売買対象銘柄の選択信号(図8の裁定取引候補銘柄一覧画面100に設けられた「現物」ボタン111または「信用」ボタン112の押操作による信号であり、売買対象銘柄についての銘柄コード等の銘柄識別情報そのものでもよく、あるいは銘柄識別情報と関連付けられている表示順や表示位置を示すプログラムコード等でもよい。)を受信し、投資家により選択された売買対象銘柄に関する情報が表示され、あるいはデフォルト入力された注文画面200(図8参照)の表示用データを作成し、作成した表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信するとともに、注文画面200で投資家により入力されて投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる注文データを受信し、受信した注文データに、注文識別情報(注文番号等)を自動付与し、注文データを、注文識別情報および投資家識別情報と関連付けて注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。
具体的には、注文受付処理手段26は、投資家端末装置50から売買対象銘柄の選択信号を受信すると、当該売買対象銘柄についての銘柄識別情報(銘柄名、銘柄コード)を、買い注文に係る銘柄および売り注文に係る銘柄についての銘柄識別情報としてデフォルト入力し、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての最良売り気配市場についての市場識別情報を、買い注文に係る市場についての市場識別情報としてデフォルト入力し、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての最良買い気配市場についての市場識別情報を、売り注文に係る市場についての市場識別情報としてデフォルト入力し、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての売買可能数量を、買い注文の買付数量および売り注文の売付数量としてデフォルト入力し、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての売気配値総合最安値を、買い注文に係る指値としてデフォルト入力し、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての買気配値総合最高値を、売り注文に係る指値としてデフォルト入力した注文画面200(図8参照)の表示用データを作成し、作成した表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信する処理を実行するものである。なお、相場情報記憶手段40(図2参照)に、最良売り気配市場についての市場識別情報、最良買い気配市場についての市場識別情報、売買可能数量、売気配値総合最安値、買気配値総合最高値が記憶されていない場合には、注文受付処理手段26により、これらを再計算、再決定してもよい。
また、注文受付処理手段26は、注文画面200(図8参照)で投資家により入力されて投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる、買い注文およびこの買い注文成立後の売り注文を行うための連続注文の注文データとして、買い注文に係る銘柄識別情報(銘柄コード等)、市場識別情報(市場コード等)、売買区分(買付)、買付数量、指値注文の場合の指値、売り注文に係る銘柄識別情報(銘柄コード等)、市場識別情報(市場コード等)、売買区分(売付)、売付数量(指定しない場合には、買い注文の約定買付数量となる。)、指値注文の場合の指値を受信し、受信した連続注文の注文データを、自動付与した注文識別情報(注文番号等)および投資家識別情報と関連付けて注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させる処理を行う。なお、投資家識別情報は、投資家が個人投資家や機関投資家である場合には、証券会社に開設された口座の口座番号等であり、投資家が証券会社内の自己売買部門のディーラーである場合には、従業員コード、部署コード、証券会社自身であることを示すコード等である。
さらに、注文受付処理手段26は、投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる投資家の表示要求信号に応じ、売買対象銘柄の指定入力を行うための注文画面300(図8参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信するとともに、注文画面300(図8参照)で投資家により入力されて投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる売買対象銘柄についての銘柄識別情報を受信する処理も行い、その後は、図8の裁定取引候補銘柄一覧画面100に設けられた「現物」ボタン111または「信用」ボタン112の押操作による信号(売買対象銘柄の選択信号)を受信した場合と同様な処理、すなわち注文画面200(図8参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信するとともに、注文画面200で入力されて投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる注文データを受信し、注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させる処理を行う。この注文受付処理手段26による注文画面300(図8参照)の表示処理は、投資家が裁定取引候補銘柄一覧画面100(図8参照)に表示された裁定取引候補銘柄の中から売買対象銘柄を選択するのではなく、既に売買対象銘柄が決まっている状況下で投資家が売買対象銘柄を入力指定する場合に行われる。
自動発注条件受付処理手段27は、投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる投資家の表示要求信号に応じ、自動発注条件設定画面400(図9参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信するとともに、自動発注条件設定画面400(図9参照)で投資家により入力されて投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる自動発注条件データとして、売買対象銘柄決定方法の選択情報(乖離額最大、乖離率最大、予想取引差額最大の別)、概算上限買付金額、売買可能数量に対する買付数量の比率を示す買付数量比率、処理継続時間(処理を繰り返さずに1回で終了させることを示すデータを含む。)、乖離額閾値、乖離率閾値、予想取引差額閾値、候補銘柄についての銘柄識別情報(全銘柄を候補銘柄とすることを示すデータを含む。)を受信し、受信した自動発注条件データに受付番号を自動付与し、自動発注条件データを、受付番号および投資家識別情報と関連付けて自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶させる処理を実行するものである。
発注データ作成処理手段28は、注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶された注文データを用いて、注文データ中の市場識別情報の市場への発注データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、売買区分、数量、指値注文の場合の指値等を含む。)を作成する処理を実行するものである。
また、発注データ作成処理手段28は、自動発注条件受付処理手段27により自動発注条件データの入力を受け付けたときに、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された自動発注条件データを用いて、市場への発注データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、売買区分、数量、指値注文の場合の指値等を含む。)を自動作成する処理も実行する。この際、発注データ作成処理手段28は、本実施形態では、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された自動発注条件データを用いて、先ず、買い注文(順位1)および売り注文(順位2)の注文データを自動作成して注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させ、次に、注文データ記憶手段41に記憶させた買い注文(順位1)の注文データを用いて、発注データ(順位1)を作成し、さらに、買い注文(順位1)の約定後に、注文データ記憶手段41に記憶させた売り注文(順位2)の注文データを用いて、発注データ(順位2)を作成する。なお、本実施形態では、自動発注条件受付処理手段27により自動発注条件設定画面400(図9参照)で自動発注条件データの入力を受け付けた場合と、注文受付処理手段26により注文画面200(図8参照)で注文データの入力を受け付けた場合とで、処理の共通化を図るため、注文受付処理手段26により受け付けた場合と同じ形式の注文データを作成して注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させる処理を行うが、このように注文データを作成することなく、直接に発注データを作成する構成としてもよい。
具体的には、発注データ作成処理手段28は、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された売買対象銘柄決定方法の選択情報(乖離額最大、乖離率最大、予想取引差額最大の別)を参照し、乖離額、乖離率、または予想取引差額のいずれの裁定取引用指標値が選択されているのかという情報を取得し、自動発注条件記憶手段42に記憶された候補銘柄の中から、選択されている裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、この売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文(順位1)および売り注文(順位2)に係る銘柄についての銘柄識別情報として、注文データ、さらには発注データを作成する。この際、発注データ作成処理手段28は、選択されている裁定取引用指標値が最も大きい銘柄について、その裁定取引用指標値が自動発注条件記憶手段42に記憶された閾値以上または超過となっているか否かを判断し、閾値以上または超過となっている場合にのみ、その銘柄を売買対象銘柄として決定し、注文データ、さらには発注データを作成する。従って、裁定取引用指標値が閾値未満または以下となっている場合には、注文データや発注データは作成しない。なお、自動発注条件記憶手段42に裁定取引用指標値の閾値(乖離額、乖離率、または予想取引差額の閾値)が記憶されていない場合、つまり投資家による閾値の入力指定が行われていない場合には、システムで予め設定されている値としてプログラム内に記述されている閾値を適用する。また、発注データ作成処理手段28は、裁定取引用指標値が閾値以上または超過となっているか否かの判断処理を、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された処理継続時間だけ繰り返し、裁定取引用指標値が閾値以上または超過となっていると判断した時点で、注文データ、さらには発注データを作成する。
また、発注データ作成処理手段28は、売買対象銘柄について相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された最良売り気配市場についての市場識別情報、すなわち売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段22により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文(順位1)を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、売買対象銘柄について相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された最良買い気配市場についての市場識別情報、すなわち売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段23により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文(順位2)を行う市場についての市場識別情報とし、注文データ、さらには当該市場向けの形式の発注データを作成する。
さらに、発注データ作成処理手段28は、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に自動発注条件受付処理手段27により受け付けた概算上限買付金額および買付数量比率が記憶されている場合には、自動発注条件記憶手段42に記憶された概算上限買付金額を、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出し、相場情報記憶手段40に記憶された売買対象銘柄についての売買可能数量に自動発注条件記憶手段42に記憶された買付数量比率を乗じた数量が上限買付数量以下である場合には、売買可能数量に自動発注条件記憶手段42に記憶された買付数量比率を乗じた数量を、買い注文(順位1)の買付数量とし、売買可能数量に自動発注条件記憶手段42に記憶された買付数量比率を乗じた数量が上限買付数量を超える場合には、上限買付数量を、買い注文(順位1)の買付数量とし、注文データ、さらには発注データを作成する。
そして、発注データ作成処理手段28は、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に自動発注条件受付処理手段27により受け付けた概算上限買付金額が記憶され、かつ、買付数量比率は記憶されていない場合には、自動発注条件記憶手段42に記憶された概算上限買付金額を、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出し、相場情報記憶手段40に記憶された売買対象銘柄についての売買可能数量が上限買付数量以下である場合には、売買可能数量を、買い注文(順位1)の買付数量とし、売買可能数量が上限買付数量を超える場合には、上限買付数量を、買い注文(順位1)の買付数量とし、注文データ、さらには発注データを作成する。
また、発注データ作成処理手段28は、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に自動発注条件受付処理手段27により受け付けた買付数量比率が記憶され、かつ、概算上限買付金額は記憶されていない場合には、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された売買対象銘柄についての売買可能数量に自動発注条件記憶手段42に記憶された買付数量比率を乗じることにより、買い注文(順位1)の買付数量を算出し、注文データ、さらには発注データを作成する。
なお、発注データ作成処理手段28は、本実施形態では、買い注文(順位1)の約定買付数量と同数量を、売り注文(順位2)に係る発注データの売付数量とする処理を行うが、約定の成否にかかわらず、買い注文(順位1)の買付数量と同数量を、売り注文(順位2)の売付数量としてもよい。
また、発注データ作成処理手段28は、指値・成行の別については、本実施形態では、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された売買対象銘柄についての売気配値総合最安値を、買い注文(順位1)の指値とし、相場情報記憶手段40に記憶された売買対象銘柄についての買気配値総合最高値を、売り注文(順位2)の指値とするが、いずれか一方または双方を成行注文としてもよい。
発注処理手段29は、発注データ作成処理手段28により作成した各市場向けの形式の発注データを、専用線3またはネットワーク1を介して、該当する市場システム70へ送信する処理を実行するものである。
約定データ受信処理手段30は、各市場システム70から、専用線3またはネットワーク1を介して送信されてくる約定データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、売買区分、約定単価、約定数量等を含む。)を受信し、同一の注文識別情報を付された注文データに対応させて注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。
売買結果表示処理手段31は、約定データ受信処理手段30により受信されて注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶された約定データを用いて、利得金額を算出し、約定データ(銘柄識別情報、市場識別情報、売買区分、約定単価、約定数量)および算出した利得金額を、売買結果データとして、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信する処理を実行するものである。利得金額は、約定買付数量と約定売付数量とが一致している場合に、この約定数量と、売付単価から買付単価を減じた金額とを乗じることにより、算出される。なお、約定買付数量と約定売付数量とが一致していない場合には、約定買付数量と約定売付数量とのうちの小さい方の数量と、売付単価から買付単価を減じた金額とを乗じることにより、利得金額を算出し、表示してもよく、あるいは利得金額の算出および表示処理を行わなくてもよい。
相場情報記憶手段40は、図2に示すように、相場情報取得処理手段21により取得した各銘柄についての複数の市場の相場情報(気配値、売気配数量、買気配数量からなる板情報)を、銘柄識別情報(銘柄名や銘柄コード等)および市場識別情報(市場コード等)と関連付けて記憶するものである。また、相場情報記憶手段40は、売気配値総合最安値判断処理手段22により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値(図2の銘柄αの例では、500円)を付けている市場(最良売り気配市場であり、図2の銘柄αの例では、市場C)についての市場識別情報と、買気配値総合最高値判断処理手段23により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値(図2の銘柄αの例では、508円)を付けている市場(最良買い気配市場であり、図2の銘柄αの例では、市場A)についての市場識別情報と、売気配値総合最安値判断処理手段22により得られた売気配値総合最安値(図2の銘柄αの例では、500円)と、買気配値総合最高値判断処理手段23により得られた買気配値総合最高値(図2の銘柄αの例では、508円)と、裁定取引用指標値算出処理手段24により算出された乖離額(図2の銘柄αの例では、8円)と、乖離率(図2の銘柄αの例では、1.6%)と、予想取引差額(図2の銘柄αの例では、88,000円)と、売買可能数量(図2の銘柄αの例では、11,000株)とを、銘柄識別情報(銘柄名や銘柄コード等)と関連付けて記憶する。
注文データ記憶手段41は、図3に示すように、注文受付処理手段26により受信し、または自動発注条件データを受信したときに発注データ作成処理手段28により作成した注文データ(注文識別情報、注文種別、次注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、市場識別情報、売買区分、注文数量、指値注文の場合の指値等)と、約定データ受信処理手段30により受信した約定データ(約定単価、約定数量等)とを対応させて記憶するものである。なお、説明の便宜上、注文データ記憶手段41に注文データおよび約定データをまとめて記憶させているが、これらは、対応付けがなされていれば、別々に記憶させてもよい。ここで、注文種別には、連続注文(買い注文およびこの買い注文に係る取引成立後の売り注文)のうちの最初に発注する注文であることを示す「順位1」と、2番目に発注する注文であることを示す「順位2」とが記憶される。また、次注文識別情報には、最初に発注した注文(順位1)の約定後に発注する2番目の注文(順位2)についての注文識別情報が記憶される。
自動発注条件記憶手段42は、図4に示すように、受付番号、投資家識別情報、売買対象銘柄決定方法(乖離額最大、乖離率最大、予想取引差額最大の別)、概算上限買付金額、売買可能数量に対する買付数量の比率を示す買付数量比率、処理継続時間、乖離額閾値、乖離率閾値、予想取引差額閾値、候補銘柄についての銘柄識別情報を記憶するものである。ここで、売買対象銘柄決定方法には、乖離額が最大となる銘柄を売買対象銘柄とするか、乖離率が最大となる銘柄を売買対象銘柄とするか、あるいは予想取引差額が最大となる銘柄を売買対象銘柄とするかの選択情報が記憶される。また、概算上限買付金額は、発注直前の計算上の上限買付金額であるため、すなわち計算には約定単価ではなく発注直前の時価単価が使用されるため、実際の買付金額は、この概算上限買付金額を上回ることがあり得る。さらに、処理継続時間には、本実施形態では、一例として、5分間、10分間、20分間、無限に繰り返すことを示す「5分間」、「10分間」、「20分間」、「無限」が記憶され、その他に、処理を繰り返さずに1回で終了させることを示すデータが記憶されることもある。そして、候補銘柄についての銘柄識別情報には、投資家が指定した1つまたは複数の候補銘柄についての銘柄識別情報が記憶され、その他に、全銘柄を候補銘柄とすることを示すデータが記憶されることもある。
そして、以上において、注文処理サーバ20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
また、注文処理サーバ20の処理手段20Aに含まれる各処理手段21〜31は、注文処理サーバ20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
さらに、注文処理サーバ20に設けられた各記憶手段40,41,42は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
投資家端末装置50は、投資家が操作する端末装置であり、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置と、印刷装置とを備えている。投資家には、個人投資家、機関投資家、証券会社内の自己売買部門のディーラー等が含まれる。なお、本実施形態では、ネットワーク1は包括的に記載されているが、投資家の種別により、ネットワーク1の態様が異なっていてもよく、例えば、個人投資家であれば、ネットワーク1は、インターネット等を指し、自己売買部門のディーラーであれば、ネットワーク1は、証券会社内のイントラネットや社内LAN等を指すものであってもよい。
相場情報提供システム60は、各市場の相場情報を提供するコンピュータにより構成されたシステムである。この相場情報提供システム60は、市場システム70自体であってもよく、市場システム70から取得した相場情報を配信する二次情報源としての情報ベンダーのシステムであってもよく、あるいは証券会社内の他のシステムであってもよい。なお、相場情報提供システム60が市場システム70自体である場合には、複数の市場システム70のそれぞれが相場情報提供システム60である。また、相場情報提供システム60が情報ベンダーのシステムである場合には、複数の市場の相場情報をまとめて提供する1つの情報ベンダーのシステムが相場情報提供システム60であってもよく、あるいは、それぞれが1つまたは幾つかの市場の相場情報を提供する複数の情報ベンダーのシステムが相場情報提供システム60であってもよい。
市場システム70は、コンピュータにより構成され、例えば、証券取引所システムや、PTS市場を形成する証券会社のシステム等である。
このような本実施形態においては、以下のようにして有価証券売買注文システム10により有価証券の売買注文に関する処理が行われる。
図5において、注文処理サーバ20では、相場情報取得処理手段21により、相場情報提供システム60から、専用線2またはネットワーク1を介して、各銘柄(本実施形態では、全ての取扱い銘柄とする。)についての複数の市場の相場情報を取得し、取得した相場情報を、銘柄識別情報および市場識別情報と関連付けて相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる(ステップS1)。例えば、図2に示すように、各銘柄(銘柄α,β,γ…)について、各市場(市場A,B,C…)における気配値と売気配数量や買気配数量とが対になった気配情報(いわゆる板情報)を記憶させる。
続いて、売気配値総合最安値判断処理手段22により、各銘柄(銘柄α,β,γ…)について、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された複数の市場(市場A,B,C…)の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の売り注文の最も安い値段を示す市場別売気配値最安値どうしを比較することにより、各市場の市場別売気配値最安値(図2の銘柄αの例では、市場Aの509円、市場Bの506円、市場Cの500円、…)のうち、いずれの市場別売気配値最安値が最も安い値段を示す売気配値総合最安値であるかを判断し、最良売り気配市場についての市場識別情報および売気配値総合最安値を、銘柄識別情報と関連付けて相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる(ステップS2)。図2の銘柄αの例では、市場Cおよびその市場別売気配値最安値500円が、最良売り気配市場および売気配値総合最安値として記憶される。
また、買気配値総合最高値判断処理手段23により、各銘柄(銘柄α,β,γ…)について、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された複数の市場(市場A,B,C…)の相場情報のそれぞれに含まれる各市場の買い注文の最も高い値段を示す市場別買気配値最高値どうしを比較することにより、各市場の市場別買気配値最高値(図2の銘柄αの例では、市場Aの508円、市場Bの505円、市場Cの499円、…)のうち、いずれの市場別買気配値最高値が最も高い値段を示す買気配値総合最高値であるかを判断し、最良買い気配市場についての市場識別情報および買気配値総合最高値を、銘柄識別情報と関連付けて相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる(ステップS2)。図2の銘柄αの例では、市場Aおよびその市場別買気配値最高値508円が、最良買い気配市場および買気配値総合最高値として記憶される。
それから、裁定取引用指標値算出処理手段24により、各銘柄(銘柄α,β,γ…)について、複数の市場(市場A,B,C…)間の値段の乖離額(価格差)、乖離率、乖離を利用して買い注文およびこの買い注文約定後の売り注文を行う場合の売買可能数量、およびこの場合に見込まれる利得金額を示す予想取引差額を算出し、算出した乖離額、乖離率、売買可能数量、および予想取引差額を、銘柄識別情報と関連付けて相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶させる(ステップS3)。
例えば、図2の銘柄αの場合には、裁定取引用指標値算出処理手段24により、買気配値総合最高値判断処理手段23により得られた買気配値総合最高値508円から、売気配値総合最安値判断処理手段22により得られた売気配値総合最安値500円を減じることにより、乖離額8円を算出する。
また、図2の銘柄αの場合には、裁定取引用指標値算出処理手段24により、乖離額8円を、基準単価である売気配値総合最安値500円で除することにより、乖離率1.6%を算出する。なお、基準単価は、売気配値総合最安値500円に限定されず、例えば、買気配値総合最高値508円とすれば、乖離率は、1.57%となる。
さらに、図2の銘柄αの場合には、裁定取引用指標値算出処理手段24により、売気配値総合最安値判断処理手段22により売気配値総合最安値であると判断された市場Cの市場別売気配値最安値500円に対応して相場情報記憶手段40に記憶された売気配数量11,000株と、買気配値総合最高値判断処理手段23により買気配値総合最高値であると判断された市場Aの市場別買気配値最高値508円に対応して相場情報記憶手段40に記憶された買気配数量13,000株とのうち、小さい方の数量11,000株を、同一銘柄についての買い注文およびこの買い注文に係る取引成立後の売り注文の双方が可能な数量を示す売買可能数量として決定し、決定した売買可能数量11,000株と、乖離額8円とを乗じることにより、売買可能数量について買い注文および売り注文を行った場合に見込まれる予想取引差額88,000円を算出する。
そして、本実施形態では、以上のステップS1〜S3の処理を定期的に繰り返し行うことにより、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶されている最良売り気配市場についての市場識別情報および売気配値総合最安値、最良買い気配市場についての市場識別情報および買気配値総合最高値、乖離額、乖離率、売買可能数量、および予想取引差額を、最新の値に更新する。なお、以上のステップS1〜S3の処理は、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25、注文受付処理手段26、および自動発注条件受付処理手段27による各処理とは無関係のタイミングで繰り返し行われる。
図6において、投資家は、裁定取引を行う際には、投資家端末装置50から裁定取引候補銘柄一覧画面100(図8参照)の表示要求信号を、ネットワーク1を介して注文処理サーバ20へ送信する(ステップS11)。注文処理サーバ20では、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25により、投資家端末装置50からの表示要求信号を受信し(ステップS12)、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶されたデータを用いて、裁定取引候補銘柄一覧画面100(図8参照)の表示用データを作成し、作成した表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信する(ステップS13)。投資家端末装置50では、注文処理サーバ20から送信されてくる裁定取引候補銘柄一覧画面100(図8参照)の表示用データを受信すると、投資家端末装置50の画面上に、図8に示すような裁定取引候補銘柄一覧画面100が表示される(ステップS14)。
図8において、裁定取引候補銘柄一覧画面100には、現物取引を行うのか信用取引を行うのかを選択する取引方法選択欄110と、銘柄名および銘柄コードを表示する銘柄表示欄120と、単元株を表示する単元株表示欄130と、乖離額および乖離率を表示する乖離額・乖離率表示欄140と、予想取引差額および売買可能数量を表示する予想取引差額・売買可能数量表示欄150と、各市場の相場情報(市場別売気配値最安値およびこれに対応する売気配数量、並びに市場別買気配値最高値およびこれに対応する買気配数量)を表示する相場情報表示欄160とが設けられている。そして、取引方法選択欄110には、現物取引を選択するとともに注文画面200(図8参照)へ遷移するための「現物取引」ボタン111と、信用取引を選択するとともに注文画面200(図8参照)へ遷移するための「信用取引」ボタン112とが、各銘柄毎に設けられている。さらに、各市場の相場情報表示欄160において、各銘柄毎の表示(同一銘柄についての情報が横方向に並べられている。)の中で、最良売り気配市場における売気配値総合最安値およびこれに対応する売気配数量の表示部分、および最良買い気配市場における買気配値総合最高値およびこれに対応する買気配数量の表示部分には、最良売り気配市場および最良買い気配市場であることを示す色彩が付されている。
また、裁定取引候補銘柄一覧画面100には、乖離額の大きい銘柄順に各銘柄の表示を並べるための「乖離額ソート」ボタン170と、乖離率の大きい銘柄順に各銘柄の表示を並べるための「乖離率ソート」ボタン171と、予想取引差額の大きい銘柄順に各銘柄の表示を並べるための「予想取引差額ソート」ボタン172とが設けられている。投資家は、裁定取引候補銘柄一覧画面100における各銘柄の情報の表示順を変更したい場合、あるいは表示順を変更した後に元に戻したい場合には、「乖離率ソート」ボタン171や「予想取引差額ソート」ボタン172、あるいは「乖離額ソート」ボタン170を押操作すればよく、これにより表示順の変更要求信号がネットワーク1を介して注文処理サーバ20へ送信され、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25により、表示順を変更した後の状態の裁定取引候補銘柄一覧画面100の表示用データが、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信される。
図8の裁定取引候補銘柄一覧画面100において、投資家が、売買対象銘柄を選択して当該売買対象銘柄の「現物取引」ボタン111または「信用取引」ボタン112を押操作すると、投資家による売買対象銘柄の選択信号が、投資家端末装置50からネットワーク1を介して注文処理サーバ20へ送信される(ステップS15)。
なお、投資家は、既に売買対象銘柄が決まっているときには、裁定取引候補銘柄一覧画面100(図8参照)ではなく、注文画面300(図8参照)の表示要求信号を、投資家端末装置50からネットワーク1を介して注文処理サーバ20へ送信する。注文処理サーバ20では、注文受付処理手段26により、投資家端末装置50からの投資家の表示要求信号に応じ、売買対象銘柄の指定入力を行うための注文画面300(図8参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信する。すると、投資家端末装置50の画面上には、図8に示すような注文画面300が表示される。図8において、注文画面300には、売買対象銘柄入力部310および「OK」ボタン320が設けられている。この注文画面300において、投資家が、売買対象銘柄入力部310に売買対象銘柄についての銘柄識別情報を入力し、「OK」ボタン320を押操作すると、売買対象銘柄についての銘柄識別情報が、投資家端末装置50からネットワーク1を介して注文処理サーバ20へ送信される。
注文処理サーバ20では、注文受付処理手段26により、投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる売買対象銘柄の選択信号(図8の裁定取引候補銘柄一覧画面100で「現物取引」ボタン111または「信用取引」ボタン112の押操作が行われた場合)または売買対象銘柄についての銘柄識別情報(図8の注文画面300で「OK」ボタン320の押操作が行われた場合)を受信し(ステップS16)、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についてのデータを用いて、注文画面200(図8参照)の表示用データを作成し、作成した表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信する(ステップS17)。投資家端末装置50では、注文処理サーバ20から送信されてくる注文画面200(図8参照)の表示用データを受信すると、投資家端末装置50の画面上に、図8に示すような注文画面200が表示される(ステップS18)。
図8において、注文画面200には、売買対象銘柄についての情報(売買対象銘柄の銘柄名または銘柄コード、乖離額、乖離率、予想取引差額、売買可能数量、最良売り気配市場、売気配値総合最安値およびこれに対応する売気配数量、最良買い気配市場、買気配値総合最高値およびこれに対応する買気配数量)を表示する売買対象銘柄情報表示部210が設けられている。この売買対象銘柄情報表示部210に表示されている情報は、注文受付処理手段26により、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込まれた情報である。
また、注文画面200には、連続注文の注文データとして、順位1の注文および順位2の注文のそれぞれにつき、銘柄コード、銘柄名、市場、現物/信用の別、売買区分、注文数量、成行/指値の別および指値注文の場合の指値を入力する注文データ入力部220が設けられている。この注文データ入力部220には、注文受付処理手段26により、投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてきた売買対象銘柄の選択信号に対応する銘柄識別情報(銘柄コード、銘柄名)が、買い注文(順位1)に係る銘柄および売り注文(順位2)に係る銘柄についての銘柄識別情報としてデフォルト入力され、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての最良売り気配市場についての市場識別情報が、買い注文に係る市場についての市場識別情報としてデフォルト入力され、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての最良買い気配市場についての市場識別情報が、売り注文に係る市場についての市場識別情報としてデフォルト入力され、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての売買可能数量が、買い注文の買付数量および売り注文の売付数量としてデフォルト入力され、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての売気配値総合最安値が、買い注文に係る指値としてデフォルト入力され、相場情報記憶手段40(図2参照)から読み込んだ当該売買対象銘柄についての買気配値総合最高値が、売り注文に係る指値としてデフォルト入力されている。これらの入力データは、すべて投資家の入力や判断の手間を軽減するために、デフォルト入力されているデータであるから、投資家は、いずれの入力データについても自由に変更することができ、例えば、指値を変更することや、指値注文を成行注文に変更することができる。
図8の注文画面200において、投資家が、注文データ入力部220に注文データを入力し、注文画面200の下部に設けられた「送信」ボタン230を押操作すると、入力した注文データが、投資家識別情報とともに、ネットワーク1を介して注文処理サーバ20へ送信される(ステップS19)。なお、投資家識別情報は、より前の適宜な段階で入力、送信されるようにしてもよい。
注文処理サーバ20では、注文受付処理手段26により、投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてきた注文データを受信し、受信した注文データに、注文識別情報(注文番号等)を自動付与し、注文データを、注文識別情報および投資家識別情報と関連付けて注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させる(ステップS20)。
その後、発注データ作成処理手段28により、注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶された買い注文(順位1)の注文データを用いて、この注文データ中の市場識別情報の市場への発注データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、売買区分、数量、指値注文の場合の指値等を含む。)を作成する(ステップS21)。
続いて、発注処理手段29により、発注データ作成処理手段28により作成した各市場向けの形式の買い注文(順位1)に係る発注データを、専用線3またはネットワーク1を介して、該当する市場システム70へ送信する(ステップS22)。
それから、約定データ受信処理手段30により、各市場システム70から、専用線3またはネットワーク1を介して送信されてくる買い注文(順位1)に係る約定データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、売買区分、約定単価、約定数量等を含む。)を受信し、同一の注文識別情報を付された注文データに対応させて注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させる(ステップS23)。
さらに、約定データ受信処理手段30による約定データの受信後に、発注データ作成処理手段28により、注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶された売り注文(順位2)の注文データを用いて、この注文データ中の市場識別情報の市場への発注データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、売買区分、数量、指値注文の場合の指値等を含む。)を作成する(ステップS24)。この際、売り注文(順位2)の注文データとして売付数量が入力されていない場合(連続注文であるから、そのような注文も可能となっている。)には、発注データ作成処理手段28により、売り注文(順位2)に係る発注データの売付数量を、買い注文(順位1)に係る約定買付数量と同数量とする。また、買い注文(順位1)に係る約定買付数量が、売り注文(順位2)の注文データとして入力されている売付数量を下回っている場合には、発注データ作成処理手段28により、買い注文(順位1)に係る約定買付数量と同数量を、売り注文(順位2)に係る発注データの売付数量とする処理、すなわち売り注文(順位2)の注文データとして入力されている売付数量を上限売付数量とする処理を行う構成としてもよい。なお、連続注文を構成する買い注文と売り注文とは、買い注文の注文データ中の次注文識別情報により関連付けられている。
続いて、発注処理手段29により、発注データ作成処理手段28により作成した各市場向けの形式の売り注文(順位2)に係る発注データを、専用線3またはネットワーク1を介して、該当する市場システム70へ送信する(ステップS25)。
それから、約定データ受信処理手段30により、各市場システム70から、専用線3またはネットワーク1を介して送信されてくる売り注文(順位2)に係る約定データ(注文識別情報、投資家識別情報、銘柄識別情報、売買区分、約定単価、約定数量等を含む。)を受信し、同一の注文識別情報を付された注文データに対応させて注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させる(ステップS26)。
そして、売買結果表示処理手段31により、約定データ受信処理手段30により受信されて注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶された買い注文(順位1)および売り注文(順位2)に係る約定データを用いて、利得金額を算出し、買い注文(順位1)および売り注文(順位2)に係る約定データ(銘柄識別情報、市場識別情報、売買区分、約定単価、約定数量)および算出した利得金額を、売買結果データとして、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信する(ステップS27)。すると、投資家端末装置50の画面上に、売買結果が表示される(ステップS28)。
図7において、投資家は、自動発注を行う際には、裁定取引候補銘柄一覧画面100(図8参照)や注文画面300(図8参照)の表示要求信号ではなく、自動発注条件設定画面400(図9参照)の表示要求信号を、ネットワーク1を介して注文処理サーバ20へ送信する(ステップS31)。注文処理サーバ20では、自動発注条件受付処理手段27により、投資家端末装置50からネットワーク1を介して送信されてくる投資家の表示要求信号を受信し(ステップS32)、自動発注条件設定画面400(図9参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置50へ送信する(ステップS33)。投資家端末装置50では、自動発注条件設定画面400(図9参照)の表示用データを受信すると、投資家端末装置50の画面上に、図9に示すような自動発注条件設定画面400が表示される(ステップS34)。
図9において、自動発注条件設定画面400には、売買対象銘柄決定方法を選択する売買対象銘柄決定方法選択部410が設けられている。この売買対象銘柄決定方法選択部410には、乖離額が最大となる銘柄を売買対象銘柄とする乖離額最大選択部411と、乖離率が最大となる銘柄を売買対象銘柄とする乖離率最大選択部412と、予想取引差額が最大となる銘柄を売買対象銘柄とする予想取引差額最大選択部413とが設けられている。
また、自動発注条件設定画面400には、買付の上限設定を行う上限設定部420が設けられている。この上限設定部420には、概算上限買付金額を設定することを選択する概算上限買付金額設定選択部421と、概算上限買付金額を入力する概算上限買付金額入力部422と、売買可能数量に対する買付数量の比率を示す買付数量比率を設定することを選択する買付数量比率設定選択部423と、買付数量比率を入力する買付数量比率入力部424とが設けられている。
さらに、自動発注条件設定画面400には、処理の継続の要否を選択する処理継続要否選択部430が設けられている。この処理継続要否選択部430には、いずれの候補銘柄についても、乖離額、乖離率、または予想取引差額が一定値に満たない場合には、売買は行わずに処理を終了する(つまり、売買対象銘柄の存否の判断処理を1回で終了する)ことを選択する1回終了選択部431と、乖離額、乖離率、または予想取引差額が一定値以上となるまで処理を繰り返すことを選択する繰返し選択部432と、この繰返し選択部432を選択した場合における処理継続時間を選択入力する処理継続時間入力部433と、乖離額の閾値(上記の一定値)を入力する乖離額閾値入力部434と、乖離率の閾値(上記の一定値)を入力する乖離率閾値入力部435と、予想取引差額の閾値(上記の一定値)を入力する予想取引差額閾値入力部436とが設けられている。なお、乖離額閾値入力部434、乖離率閾値入力部435、予想取引差額閾値入力部436への入力が行われない場合には、予めシステムで定められている閾値が適用される。
そして、自動発注条件設定画面400には、1つまたは複数の候補銘柄を指定する候補銘柄指定部440が設けられている。この候補銘柄指定部440には、全ての取扱い銘柄を候補銘柄とすることを選択する全銘柄選択部441と、候補銘柄を個別に指定することを選択する個別指定選択部442と、この個別指定選択部442を選択した場合において追加指定する候補銘柄を入力する追加銘柄入力部443と、指定された候補銘柄を表示する指定候補銘柄表示部444とが設けられている。
また、自動発注条件設定画面400には、設定した自動発注条件で自動発注処理を実行するための「実行」ボタン450と、自動発注処理を中止するための「中止」ボタン451とが設けられている。「中止」ボタン451を押操作すると、売買対象銘柄の存否の判断処理が繰り返されているときに、これを中止することができる。
さらに、自動発注条件設定画面400には、売買結果を表示する売買結果表示部460が設けられている。この売買結果表示部460には、売買された銘柄について、買い注文(順位1)および売り注文(順位2)のそれぞれについての市場、約定数量、および約定単価、並びに売買による利得金額(実際の取引差額)が表示される。
図9の自動発注条件設定画面400において、投資家が、自動発注条件データを入力し、「実行」ボタン450を押操作すると、入力された自動発注条件データが、ネットワーク1を介して注文処理サーバ20へ送信される(ステップS35)。注文処理サーバ20では、自動発注条件受付処理手段27により、投資家端末装置50から送信されてきた自動発注条件データを受信し、受信した自動発注条件データに受付番号を自動付与し、自動発注条件データを、受付番号および投資家識別情報と関連付けて自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶させる(ステップS36)。
続いて、発注データ作成処理手段28により、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された売買対象銘柄決定方法の選択情報(乖離額最大、乖離率最大、予想取引差額最大の別)を参照し、乖離額、乖離率、または予想取引差額のいずれの裁定取引用指標値が選択されているのかという情報を取得し、自動発注条件記憶手段42に記憶された候補銘柄の中から、選択されている裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を抽出し、抽出した銘柄について、その裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上または超過となっているか否かを判断する(ステップS37)。なお、投資家による閾値の入力指定が、自動発注条件設定画面400で行われない場合に、予めシステムで定められた閾値が適用される。
そして、裁定取引用指標値が閾値以上または超過となっている場合(ステップS38)には、抽出した銘柄、すなわち候補銘柄のうち裁定取引用指標値が最も大きい銘柄を売買対象銘柄として決定し、以降の注文データおよび発注データの作成処理に移行する。一方、裁定取引用指標値が閾値未満または以下となっている場合(ステップS38)には、注文データや発注データの作成処理に移行せずに、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された処理継続時間を参照することにより、売買対象銘柄の存否の判断処理を1回で終了するのか、継続するのかを判断し、かつ、継続する際には、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された処理継続時間を経過しているか否かをタイマーで判断し(ステップS39)、処理を継続する場合であって処理継続時間を経過していないときには、ステップS37の処理に戻り、以降、処理継続時間が経過するか、または裁定取引用指標値が閾値以上または超過となるまで、ステップS37〜S39の処理を繰り返す。なお、ステップS39で、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された処理継続時間が「1回で終了」となっていた場合、または自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された処理継続時間を経過していたときには、後述するステップS47の売買結果の送信処理に移行し、投資家端末装置50の画面上に、売買が行われなかった旨の表示を行う。
ステップS38で、売買対象銘柄として決定された銘柄、すなわち候補銘柄のうち裁定取引用指標値が最も大きい銘柄であって、かつ、その裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上または超過となっている銘柄があった場合には、発注データ作成処理手段28により、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に記憶された自動発注条件データを用いて、買い注文(順位1)および売り注文(順位2)の注文データを自動作成して注文データ記憶手段41(図3参照)に記憶させる(ステップS40)。
この際、発注データ作成処理手段28により、当該売買対象銘柄についての銘柄識別情報を、買い注文(順位1)および売り注文(順位2)に係る銘柄についての銘柄識別情報とし、注文データを作成する。
また、発注データ作成処理手段28により、当該売買対象銘柄について相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された最良売り気配市場についての市場識別情報、すなわち当該売買対象銘柄について売気配値総合最安値判断処理手段22により売気配値総合最安値であると判断された市場別売気配値最安値を付けている市場についての市場識別情報を、買い注文(順位1)を行う市場についての市場識別情報とし、かつ、当該売買対象銘柄について相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された最良買い気配市場についての市場識別情報、すなわち当該売買対象銘柄について買気配値総合最高値判断処理手段23により買気配値総合最高値であると判断された市場別買気配値最高値を付けている市場についての市場識別情報を、売り注文(順位2)を行う市場についての市場識別情報とし、注文データを作成する。
さらに、発注データ作成処理手段28により、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に自動発注条件受付処理手段27により受け付けた概算上限買付金額および買付数量比率が記憶されている場合には、自動発注条件記憶手段42に記憶された概算上限買付金額を、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出し、相場情報記憶手段40に記憶された売買対象銘柄についての売買可能数量に自動発注条件記憶手段42に記憶された買付数量比率を乗じた数量が上限買付数量以下である場合には、売買可能数量に自動発注条件記憶手段42に記憶された買付数量比率を乗じた数量を、買い注文(順位1)の買付数量とし、売買可能数量に自動発注条件記憶手段42に記憶された買付数量比率を乗じた数量が上限買付数量を超える場合には、上限買付数量を、買い注文(順位1)の買付数量とし、注文データを作成する。
そして、発注データ作成処理手段28により、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に自動発注条件受付処理手段27により受け付けた概算上限買付金額が記憶され、かつ、買付数量比率は記憶されていない場合には、自動発注条件記憶手段42に記憶された概算上限買付金額を、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された売買対象銘柄についての売気配値総合最安値で除することにより、上限買付数量を算出し、相場情報記憶手段40に記憶された売買対象銘柄についての売買可能数量が上限買付数量以下である場合には、売買可能数量を、買い注文(順位1)の買付数量とし、売買可能数量が上限買付数量を超える場合には、上限買付数量を、買い注文(順位1)の買付数量とし、注文データを作成する。
また、発注データ作成処理手段28により、自動発注条件記憶手段42(図4参照)に自動発注条件受付処理手段27により受け付けた買付数量比率が記憶され、かつ、概算上限買付金額は記憶されていない場合には、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された売買対象銘柄についての売買可能数量に自動発注条件記憶手段42に記憶された買付数量比率を乗じることにより、買い注文(順位1)の買付数量を算出し、注文データを作成する。
なお、本実施形態では、発注データ作成処理手段28により、買い注文(順位1)の約定買付数量と同数量を、売り注文(順位2)の売付数量とするので、この段階(ステップS40)では、売り注文(順位2)の注文データに売付数量は含ませないが、約定の成否にかかわらず、買い注文(順位1)の買付数量と同数量を、売り注文(順位2)の売付数量とし、この段階(ステップS40)で、売り注文(順位2)の注文データに売付数量を含ませておいてもよい。
また、本実施形態では、発注データ作成処理手段28により、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された当該売買対象銘柄についての売気配値総合最安値を、買い注文(順位1)の指値とし、相場情報記憶手段40に記憶された当該売買対象銘柄についての買気配値総合最高値を、売り注文(順位2)の指値とし、注文データを作成するが、いずれか一方または双方を成行注文としてもよい。
その後、ステップS41〜S48の処理を行うが、これらの処理は、前述した図6のステップS21〜S28の処理と同様であるため、説明を省略する。なお、本実施形態では、ステップS44で、発注データ作成処理手段28により、買い注文(順位1)の約定買付数量と同数量を、売り注文(順位2)に係る発注データの売付数量とする処理を行う。また、ステップS48では、投資家端末装置50に表示されている図9の自動発注条件設定画面400の売買結果表示部460に、売買された銘柄について、買い注文(順位1)および売り注文(順位2)のそれぞれについての市場、約定数量、および約定単価、並びに売買による利得金額(実際の取引差額)が表示される。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、有価証券売買注文システム10は、売気配値総合最安値判断処理手段22、買気配値総合最高値判断処理手段23、裁定取引用指標値算出処理手段24、および裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25を備えているので、各銘柄について、複数の市場間の値段の乖離額、乖離率、または予想取引差額を算出し、これらの乖離額、乖離率、または予想取引差額を用いて裁定取引候補銘柄の一覧表示を行うことができる。従って、投資家は、この一覧表示を参照することで、複数の市場間での値段の乖離額や乖離率が大きい銘柄、あるいは値段の乖離を利用して売買を行った場合に見込まれる利得金額が大きい銘柄を知ることができる。このため、投資家に対し、複数の市場に跨って投資のための有用な情報を提供することができるので、複数の市場に跨る売買注文の容易化および投資家の市場監視負担の軽減を図ることができる。
また、有価証券売買注文システム10は、注文受付処理手段26を備え、この注文受付処理手段26は、裁定取引候補銘柄一覧画面100(図8参照)の中から銘柄の選択入力を受け付け、かつ、買い注文および売り注文を行う市場がデフォルト入力されている注文画面200(図8参照)を表示する構成とされているので、投資家は、裁定取引候補銘柄一覧表示を参照し、投資のために必要な情報を得て、この一覧表示の中で売買対象銘柄を決定して選択入力することができることから、注文する銘柄の指定作業を容易に行うことができるうえ、選択入力した銘柄に応じて市場がデフォルト入力されていることから、注文を行う市場の指定作業も容易に行うことができる。
さらに、注文受付処理手段26は、注文画面200(図8参照)に売買可能数量もデフォルト入力し、または売買可能数量を参照情報として表示する処理を行うので、投資家は、自ら売買可能数量を判断する必要がなくなるうえ、注文数量の指定作業も容易に行うことができる。
そして、注文受付処理手段26は、連続注文の銘柄の入力を受け付ける注文画面300(図8参照)を表示することもできるので、投資家は、売買対象銘柄が決まっているときには、この注文画面300(図8参照)で銘柄を入力することにより、市場や数量がデフォルト入力されている注文画面200(図8参照)を表示させることができ、市場や数量の指定作業を容易に行うことができる。
また、有価証券売買注文システム10は、自動発注条件受付処理手段27および発注データ作成処理手段28を備えているので、自動発注条件に従って売買対象銘柄および市場を決定し、発注データを自動作成することができる。このため、投資家は、手間をかけることなく、図利目的の売買を行うことができ、複数の市場に跨る売買注文の容易化および投資家の市場監視負担の軽減を図ることができる。
さらに、自動発注条件受付処理手段27は、投資家による概算上限買付金額、あるいは売買可能数量に対する買付数量比率の入力を受け付ける構成とされているので、投資家は、支払能力に応じた売買取引を行うことができるとともに、リスクの軽減を図ることができる。
また、発注データ作成処理手段28は、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が最も大きい銘柄について、乖離額、乖離率、若しくは予想取引差額のいずれかの裁定取引用指標値が予めシステムで定められ若しくは投資家により入力指定された閾値以上または超過となっているか否かを判断し、閾値以上または超過となっている場合に、その銘柄を売買対象銘柄として決定し、発注データの作成処理を行う構成とされているので、殆ど利益が得られない状況では、発注データを作成しないようにすることができる。このため、例えば、手数料を勘案すると、殆ど利益が得られない、あるいは却って損失が生じるという事態を回避することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、図8に示すように、裁定取引候補銘柄一覧画面100には、銘柄名、銘柄コード、乖離額、乖離率、予想取引差額、売買可能数量、および各市場の相場情報(市場別売気配値最安値およびこれに対応する売気配数量、並びに市場別買気配値最高値およびこれに対応する買気配数量)が表示されていたが、裁定取引候補銘柄一覧表示処理手段25により表示する情報は、これに限定されるものではなく、例えば、銘柄識別情報(銘柄名または銘柄コード)および乖離額だけの表示、銘柄識別情報および乖離率だけの表示、銘柄識別情報および予想取引差額だけの表示等でもよく、あるいは銘柄識別情報が、乖離額、乖離率、または予想取引差額の大きい順に並べて表示されているだけでもよく、要するに、投資家が売買対象銘柄を決めるための何らかの銘柄に関する情報が表示されていればよい。
また、前記実施形態では、図9に示すように、自動発注条件設定画面400での設定により自動発注処理が行われる売買対象銘柄は、1銘柄(候補銘柄の指定がなされた場合には、候補銘柄の中から1銘柄)とされていたが、複数の銘柄について、まとめて自動発注する設定が可能な構成としてもよい。例えば、自動発注条件設定画面400において、自動発注する銘柄数を指定できるようにしておき、乖離額等の裁定取引用指標値が最大となる銘柄(候補銘柄の指定がなされている場合には、候補銘柄の中で乖離額等の裁定取引用指標値が最大となる銘柄)について自動発注処理を行った後にも、図7のステップS37〜S39に相当する処理を繰り返し、別の銘柄が、乖離額等の裁定取引用指標値が最大となる銘柄(候補銘柄の指定がなされている場合には、候補銘柄の中で乖離額等の裁定取引用指標値が最大となる銘柄)となった場合に、その別の銘柄について自動発注処理を行ってもよい。なお、相場情報記憶手段40(図2参照)に記憶された相場情報等は、図5の繰り返し処理で定期的に更新されているため、図7のステップS37〜S39に相当する処理を繰り返すことにより、時間が経過すれば、上記のように、別の銘柄が、乖離額等の裁定取引用指標値が最大となる銘柄に該当する状態になり得る。また、例えば、乖離額等の裁定取引用指標値が最大となる銘柄、2番目に大きい銘柄、および3番目に大きい銘柄(上位3銘柄)を、まとめて自動発注する等、最大となる銘柄を含め、指定された銘柄数の上位の銘柄について、まとめて自動発注する構成としてもよい。なお、この場合に、本願の請求項では、最大となる銘柄を売買対象銘柄として決定し、自動発注する旨の記載とされているが、この記載は、2番目以降の銘柄について自動発注することを妨げる記載ではなく、最大となる銘柄についての自動発注が含まれていればよい趣旨の記載である。
さらに、前記実施形態では、買い注文およびこの買い注文の約定後の売り注文を行う場合について説明がなされていたが、本発明における「同一銘柄についての買い注文および売り注文」は、この場合に限定されるものではなく、売り注文およびこの売り注文の約定後の買い注文を行う場合でもよく、あるいは一方の注文に係る取引が成立してから反対売買となる他方の注文を行うのではなく、互いの取引が成立したか否かに関係なく、すなわち互いの約定およびそのタイミングとは無関係に、同時または略同時に同一銘柄について買い注文および売り注文を行う場合でもよい。また、前記実施形態では、現物取引について説明がなされていたが、本発明における「同一銘柄についての買い注文および売り注文」は、信用取引、先物取引等で行われるものであってもよい。