JP5158841B2 - 色素増感太陽電池用電極およびそれを用いた色素増感太陽電池 - Google Patents

色素増感太陽電池用電極およびそれを用いた色素増感太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池、特に色素増感太陽電池用の電極、及びそれを用いた色素増感太陽電池に関する。
近年、半導体層に可視光域を吸収させる増感色素を担持させた色素増感太陽電池が検討されている。この色素増感太陽電池は、使用する材料が安価であること、比較的シンプルなプロセスで製造できること等の利点からその実用化が期待されている。
上記色素増感太陽電池は、可視光を吸収して励起した増感色素から半導体電極に電子が注入され、集電体を通して外部に電流が取り出される。一方、増感色素の酸化体は電解質中の酸化還元対により還元されて再生する。酸化された酸化還元対は、半導体電極に対向して設置された対極表面で還元されてサイクルが一周する。
現在、上記電解質は、溶液すなわち電解液や、溶液をゲル中に保持したゲル電解質を使用しているのが一般的であり、酸化還元対には、通常ヨウ化物(例えば、I /I等)が用いられている。この、発電機構に不可欠な酸化還元対は、上記電解液、もしくはゲル中の溶媒に溶解させて使用することが一般的である。ここで、電解質成分、中でもアニオン性電解質成分、特に酸化還元対として使用されるヨウ素およびヨウ化物アニオンが、金属に対する高い腐食性を有するため、色素増感太陽電池の対極や半導体電極の基板上に設ける透明導電膜としては、金属材料を使用せずにITO等の金属酸化物材料が採用されている。
しかしながら、金属酸化物よりなる透明導電膜は、比抵抗が10−4〜10−3Ω・cm程度であり、抵抗値が十分に低いものではない。また、上記透明導電膜を厚くすることで多少の改善は認められるものの、依然として電導度は不十分である。さらに、光透過性の低下や、重量およびコストの増加など、欠点が顕著に増加してしまう。
さらに、特に軽量化やフレキシブル性付与のために基板にプラスチックフィルムを用いた場合、前記金属酸化物成膜時のプラスチックの耐熱制約の問題から、低抵抗の透明導電膜の形成が困難である。この結果、色素増感太陽電池の光電変換効率を下げる原因となっており、特に、大面積化を図る場合、電極自身の電気抵抗による損失が光電変換効率低下の大きな問題となっている。
上記従来の問題点を解決するため、金属酸化物よりも電導度が高い材料を、半導体電極もしくは対極の一部に形成することで、電極全体の抵抗値低下を図った検討がなされている。このとき、電解質成分による金属材料の腐食を避けるために、高耐蝕性の金属材料を用いる方法や、金属材料の表面に不動態層を形成させる方法、前記透明導電膜を形成する金属酸化物材料で被覆する方法などが検討されている。また、前記高耐蝕性金属などでは電導度が不足するため、一般には銀や銅などの高電導度材料が用いられるが、銀や銅などは特に腐食しやすいため、前記金属材料表面に絶縁性の被覆層を形成させる手法が検討されている(特許文献1〜13)。
しかしながら、金属酸化物や不動態被膜では、電解液の浸透や不動態被膜自身が徐々に腐食・高抵抗化するため、長期間の耐久性は不十分であった。また、例えば樹脂などの絶縁性被覆層で密閉した場合においても、太陽電池の使用条件下では寒暖の差による熱膨張伸縮が大きく、基板や透明導電膜、被覆層などの各構成材料の熱膨張係数の違いから亀裂が生じて電解質が滲出してしまうため、やはり長期の耐久性は不十分であり、電極の抵抗値が高くなるという問題を完全に解決することはできない。
したがって、依然としてより安価な製造コストとプロセスで作製でき、かつ色素増感太陽電池に使用される電解質成分、特に酸化還元対であるヨウ素に対してより優れた耐性を有する色素増感太陽電池用電極、ならびにそれを用い、太陽電池特性の経時的低下が抑制され高い耐久性を有し、信頼性に優れた色素増感太陽電池が求められている。
特開2004−296669号公報 特開2005−197176号公報 特開2003−331934号公報 特開2004−327226号公報 特開2007−42366号公報 特開2006−196330号公報 特開2006−66278号公報 特開2005−317225号公報 特開2005−158727号公報 特開2005−78857号公報 特開2004−296669号公報 特開2004−164970号公報 特開2004−146425号公報
本発明は、色素増感太陽電池に使用される電解質成分、特に酸化還元対であるヨウ素に対してより優れた耐性を有する色素増感太陽電池用電極ならびにそれを用い太陽電池特性の経時的低下が抑制され高い耐久性を有し、信頼性に優れた色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、電極の低抵抗化を図るための補助電極と、該補助電極上に被覆層とを設けた色素増感太陽電池用電極であって、前記被覆層が、絶縁性材料と導電性高分子とを含んでなることを特徴とする色素増感太陽電池用電極が、色素増感太陽電池に使用される電解質成分、特に酸化還元対であるヨウ素に対してより優れた耐性を有する色素増感太陽電池用電極となること、ならびにそれを用い、太陽電池特性の経時的低下が抑制され高い耐久性を有し、信頼性に優れた色素増感太陽電池となることを見出した。
従って、本発明は、
[1]光増感作用を有する色素を含む多孔質金属酸化物半導体電極と、
該半導体電極に対向配置された対極との間に封入された酸化還元対となる化学種を含む電解質を有する色素増感太陽電池の、
前記半導体電極及び/又は対極の低抵抗化のための補助電極が設けられた色素増感太陽電池用電極において、
該補助電極上に、絶縁性材料と導電性高分子とを含む被覆層が形成されてなることを特徴とする色素増感太陽電池用電極であり、
[2]前記導電性高分子が、アニオンをドーパントとして吸蔵可能であることを特徴とする[1]に記載の色素増感太陽電池用電極であり、
[3]前記導電性高分子のドーパントが脱離されていることを特徴とする[1]又は[2]に記載の色素増感太陽電池用電極であり、
[4]前記導電性高分子が、絶縁性材料と化学的に架橋していることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電極であり、
[5]前記導電性高分子が、被覆層内部にて、導電性高分子モノマーを含有させ重合した導電性高分子であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電極であり、
[6]導電性高分子を構成するモノマーが、アニリン及びその誘導体、ピロール及びその誘導体、チオフェン及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電極であり、
[7]前記補助電極表面に形成された被覆層において、導電性高分子が複数の層状に形成されていることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電極であり、
[8]前記絶縁性材料が、導電性高分子よりも緻密に形成されていることを特徴とする[7]に記載の色素増感太陽電池用電極であり、
[9]光増感作用を有する色素を含む多孔質金属酸化物半導体層からなる半導体電極、酸化還元対となる化学種を含む電解質層と、該電解質層を介して前記半導体電極に対向配置され、前記電解質層との界面側に触媒活性層を形成させた対極とを、少なくとも有する色素増感太陽電池において、前記半導体電極もしくは対極の少なくとも一方に、[1]〜[8]のいずれかに記載の電極を備えてなることを特徴とする色素増感太陽電池であり、
[10]アニオンが酸化還元対の構成成分であることを特徴とする[9]に記載の色素増感太陽電池であり、
[11]酸化還元対がヨウ化物アニオンであることを特徴とする[9]又は[10]に記載の色素増感太陽電池である。
本発明は上記した実情に鑑み、電極の低抵抗化を図るための補助電極と、該補助電極上に被覆層とを設けた色素増感太陽電池用電極であって、前記被覆層が、絶縁性材料と導電性高分子を含んでなることを特徴とする色素増感太陽電池用電極が、色素増感太陽電池に使用される電解質成分、特に酸化還元対であるヨウ素に対してより優れた耐性を有する色素増感太陽電池用電極、ならびにそれを用いた、太陽電池特性の経時的低下が抑制され高い耐久性を有し、信頼性に優れた色素増感太陽電池を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について適宜、図面を参照しながら、詳細に説明する。図1の色素増感太陽電池の一例を表す断面模式図を用いて簡単にその構造を説明すると、透明基体2とその上に形成された透明導電膜3からなる電極基体1の表面に、多孔質金属酸化物半導体層4が形成され、さらに該多孔質金属酸化物半導体層4の表面には増感色素層5が吸着されることで半導体電極6が形成されている。そして、電解質層7を介して、基体9および触媒活性層10からなる対極8が対向して配置され、必要に応じて該対極と前記半導体電極間の一部には両電極間の間隔を規定するスペーサー11が設けられ、両電極の周縁部は、シール材12により封止されてセルを構成している。さらに、半導体電極6の一部には、電極の低抵抗化を図るための補助電極13が形成され、該補助電極上には、本発明の被覆層14が形成されている。
図2は、導電性高分子15と絶縁性材料16からなる本発明の被覆層14、および補助電極13を形成させた半導体電極6の一例を表す断面の拡大模式図である。さらに、図3、図4は、本発明の被覆層14の一例を表す断面の拡大模式図であって、絶縁性材料14と導電性高分子15からなる被覆層14において、電解質に近づくほど、導電性高分子の分布割合が増加している様子を示した模式図である。
以下、本発明の色素増感太陽電池の各構成材料について、好適な形態を説明する。
[透明基体]
電極基体1を構成する透明基体2は、可視光を透過するものが使用でき、透明なガラスが好適に利用できる。また、ガラス表面を加工して入射光を散乱させるようにしたもの、半透明なすりガラス状のものも使用できる。また、ガラスに限らず、光を透過するものであればプラスチック板やプラスチックフィルム等も使用できる。
透明基体2の厚さは、太陽電池の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、例えばガラスやプラスチックなどを用いた場合では、実使用時の耐久性を考慮して1mm〜1cm程度であり、フレキシブル性が必要とされ、プラスチックフィルムなどを使用した場合は、1μm〜1mm程度である。
[透明導電膜]
透明導電膜3としては、可視光を透過して、かつ導電性を有するものが使用でき、このような材料としては、例えば金属酸化物が挙げられる。特に限定はされないが、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、酸化スズと酸化インジウムの混合体(以下、「ITO」と略記する。)、酸化亜鉛などが好適に用いることができる。また、分散させるなどの処理により可視光が透過すれば、不透明な導電性材料を用いることもできる。このような材料としては炭素材料や金属が挙げられる。炭素材料としては、特に限定はされないが、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブやフラーレンなどが挙げられる。また、金属としては、特に限定はされないが、例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、およびそれらの合金などが挙げられる。したがって、透明導電膜3としては、上記の導電性材料のうち少なくとも1種類以上からなるものを、透明基体2の表面に設けて形成することができる。あるいは透明基体2を構成する材料の中へ上記導電性材料を組み込んで、透明基体と透明導電膜を一体化して電極基体1とすることも可能である。
透明基体2上に透明導電膜3を形成する方法として、金属酸化物を形成する場合は、ゾルゲル法や、スパッタやCVDなどの気相法、分散ペーストのコーティングなどがある。また、不透明な導電性材料を使用する場合は、粉体などを、透明なバインダーなどとともに固着させる方法が挙げられる。
透明基体と透明導電膜を一体化させるには、透明基体の成型時に導電性のフィラーとして上記導電膜材料を混合させるなどがある。
透明導電膜3の厚さは、用いる材料により導電性が異なるため特には限定されないが、一般的に使用されるFTO被膜付ガラスでは、0.01μm〜5μmであり、好ましくは0.1μm〜1μmである。また、必要とされる導電性は、使用する電極の面積により異なり、大面積電極ほど低抵抗であることが求められるが、一般的に100Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、より好ましくは5Ω/□以下である。100Ω/□を超えると太陽電池の内部抵抗が上がり、好ましくない。
透明基体及び透明導電膜から構成される電極基体1、又は透明基体と透明導電膜とを一体化した電極基体1の厚さは、上記のように太陽電池の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、一般的に1μm〜1cm程度である。
[多孔質金属酸化物半導体]
多孔質金属酸化物半導体4としては、特に限定はされないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどが挙げられ、特に二酸化チタン、さらにはアナターゼ型二酸化チタンが好適である。また、電気抵抗値を下げるため、金属酸化物の粒界は少ないことが望ましい。また、増感色素をより多く吸着させるために、当該半導体層は多孔質になっていることが望ましく、具体的には比表面積が10〜200m/gであることが望ましい。また、増感色素の吸光量を増加させるため、使用する酸化物の粒径に幅を持たせて光を散乱させることが望ましい。
このような多孔質金属酸化物半導体は、特に限定されず既知の方法で透明導電膜3上に設けることができる。例えば、ゾルゲル法や、分散体ペーストの塗布、また、電析や電着させる方法がある。さらに、多孔質金属酸化物半導体に対し、半導体粒子同士の電子的接触の強化及び支持体との密着性の向上のために、さらに高温処理をしてもよい。
このような半導体層の厚さは、用いる酸化物およびその性状により最適値が異なるため特には限定されないが、0.1μm〜50μm、好ましくは5〜30μmである。
[増感色素]
増感色素層5としては、太陽光により励起されて前記金属酸化物半導体層4に電子注入できるものであればよく、一般的に色素増感太陽電池に用いられている色素を用いることができるが、変換効率を向上させるためには、その吸収スペクトルが太陽光スペクトルと広波長域で重なっていて、耐光性が高いことが望ましい。特に限定はされないが、ルテニウム錯体、特にルテニウムポリピリジン系錯体が望ましく、さらに望ましいのは、Ru(L)2(X)2で表されるルテニウム錯体が望ましい。ここでLは4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン、もしくはその4級アンモニウム塩、およびカルボキシル基が導入されたポリピリジン系配位子であり、また、XはSCN、Cl、CNである。例えばビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体などが挙げられる。
他の色素としては、ルテニウム以外の金属錯体色素、例えば鉄錯体、銅錯体などが挙げられる。さらに、シアン系色素、ポルフィリン系色素、ポリエン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、スクアリン酸系色素、スチリル系色素、エオシン系色素などの有機色素が挙げられる。これらの色素には、該金属酸化物半導体層への電子注入効率を向上させるため、該金属酸化物半導体層との結合基を有していることが望ましい。該結合基としては、特に限定はされないが、カルボキシル基、スルホン酸基などが望ましい。
多孔質金属酸化物半導体4へ増感色素を吸着させる方法は、特には限定されるものではなく、例としては、室温条件、大気圧下において、色素を溶解させた溶液中に多孔質金属酸化物半導体4を形成させた電極基体1を浸漬する方法が挙げられる。浸漬時間は、使用する半導体、色素、溶媒の種類、色素の濃度により、半導体層に均一に色素の単分子膜が形成されるよう、適宜調整することが望ましい。なお、吸着を効果的に行なうには加熱下での浸漬を行なえばよい。
増感色素を溶解するために用いる溶媒の例としては、エタノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどの窒素化合物、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。溶液中の色素濃度は、使用する色素及び溶媒の種類により適宜調整することが望ましい。例えば、5×10-5mol/L以上の濃度が望ましい。
[電解質層]
電解質層7は、支持電解質、酸化された増感色素を還元することのできる酸化還元対、およびそれらを溶解させる溶媒からなる。この溶媒としては、特に限定はされないが、非水性有機溶媒、常温溶融塩、水やプロトン性有機溶媒などから任意に選択でき、例えばアセトニトリルやジメチルホルムアミド、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルイミド、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、炭酸プロピレン、γ-ブチルラクトンなどが挙げられ、中でもメトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、炭酸プロピレン、γ-ブチルラクトンなどを好適に用いることができる。また、溶媒をゲル化して用いることもできる。
支持電解質として、リチウム塩やイミダゾリウム塩、4級アンモニウム塩などが挙げられる。
酸化還元対としては、一般的に電池や太陽電池などにおいて使用することのできるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ハロゲン二原子分子とハロゲン化物塩との組み合わせ、チオシアン酸アニオンとチオシアン酸二分子の組み合わせ、ポリピリジルコバルト錯体や、ハイドロキノンなどの有機レドックスなどが挙げられる。この中では、特にヨウ素分子とヨウ化物との組み合わせが好適である。
支持電解質、酸化還元対などは、其々用いる溶媒、半導体電極および色素などにより最適な濃度が異なるため、特には限定されないが、1mmol/L〜5mol/L程度である。
電解質層にはさらに添加剤として、t−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、水などを添加することができる。
[対極−基体]
対極8は、基体9上に、酸化還元対を還元するための触媒活性層10が備えられている。該基体9は、対極の支持体兼集電体として用いられるため、少なくとも触媒活性層10を形成させる表面部分は導電性を有している。
このような基体9の材質としては、例えば導電性を有する金属や金属酸化物、炭素材料などが用いられる。金属としては、電解質に対して耐久性が高いものが好ましく、また、安価であるものが望ましい。酸化還元対としてヨウ素を用いる場合は、例えばニッケル、チタン、ステンレスや耐食性合金などが挙げられる。炭素材料としては、特に限定はされないが、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブ、フラーレンなどが挙げられる。また、FTO、ITO、酸化インジウム、酸化亜鉛などの金属酸化物は、透明または半透明であるため増感色素層への入射光量を増加させることができ、好適に用いることができる。
また、少なくとも該基体9の表面が導電性を有するように処理すれば、例えばガラスやプラスチックなどの絶縁体を用いても構わない。このような絶縁体に導電性を保持させる処理方法としては、上記の導電性材料にて、該絶縁性材料表面の一部もしくは全面を被覆する方法、例えば金属を用いる場合、メッキや電析などの溶液法、また、スパッタ法や真空蒸着等の気相法が挙げられ、金属酸化物を用いる場合はゾルゲル法などを用いることができる。また、上記導電性材料の粉末などを一種もしくは複数用いて、絶縁性材料と混和させるなどの方法が挙げられる。特に、FTOもしくはITO被膜付ガラス電極や、上記金属板などが好適に使用できる。
また、該基体9の形状は、対極として用いる色素増感太陽電池の形状に応じて変更することができるため特には限定されず、板状としてもフィルム状で湾曲できるものでも構わない。さらに、該基体9は透明でも不透明でも構わないが、増感色素層への入射光量を増加させることができるため、また、場合によっては意匠性が向上できるため透明または半透明であることが望ましい。基体9として一般的には、FTO被膜付ガラスやITO膜付PENフィルムが用いられているが、用いる材料により導電性が異なるため、基体9の厚さについて特には限定されない。例えば、FTO被膜付ガラスでは、0.01μm〜5μmであり、好ましくは0.1μm〜1μmである。また、必要とされる導電性は、使用する電極の面積により異なり、広い電極ほど低抵抗であることが求められるが、一般的に100Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、より好ましくは5Ω/□以下である。100Ω/□を超えると太陽電池の内部抵抗が上がり、十分に電流が流れないため好ましくない。
基体9の厚さは、上記のように太陽電池の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、一般的に1μm〜1cm程度である。
[対極−触媒活性層]
本発明における触媒活性層10は、電解質中の酸化還元対の酸化体を還元体に還元する還元反応の触媒として機能するものであり、特には限定されず公知の材料が使用できる。具体的には、白金、およびその合金、また、導電性高分子が挙げられる。導電性高分子としては、1種以上のホモポリマー、1種以上のコポリマー、又はそれらの混合体であってよい。前記導電性高分子を形成するモノマーとして、アニリン、チオフェン、ピロール、およびそれらの誘導体を用いることができ、特にポリアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が好適に利用することができる。
触媒活性層10の形成方法としては、構成する材料により最適な方法が異なるため特には限定されず、公知の方法で形成することができる。例えば、白金、およびその合金を用いて触媒活性層を形成する場合は、スパッタリングやイオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着などの気相法や、塩化白金酸などの白金原料を溶解させた溶液中で電解めっきする方法、また、白金原料を含む溶液を電極基体に塗布後、電極基体ごと加熱還元することで形成する方法などが挙げられる。
また、導電性高分子を用いて触媒活性層を形成する場合は、導電性高分子を溶解させた溶液もしくは導電性高分子粒子の分散溶液から成膜する方法や、導電性高分子を構成するモノマーを含む溶液中で、基体9を作用電極として電解することで、該基体9の表面に酸化重合させて成膜する方法などが挙げられる。
[スペーサー]
また、本発明における色素増感太陽電池には、必要に応じて前記対極と前記半導体電極間の一部には両電極間の間隔を規定するスペーサー11を設けることができる。このようなスペーサー11の材料としては、少なくとも非導電性の材料であって、ガラスや、プラスチック等を挙げることができる。前記両電極間はスペーサーにより任意に調整が可能であるため、その形状・大きさは特には限定されず、シート状、球状、繊維状、棒状など任意の形状のものが使用可能である。このとき、両電極の間隔は好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であるため、前記スペーサー11の厚みもしくは径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。
[シール材]
本発明におけるシール材は、色素増感太陽電池セルの周縁や、前記セルを複数並設してなる太陽電池モジュールの各セル間を隔てる部分において、半導体電極と対極の両電極間を、規定された間隔を隔てて接着および封止するために使用される。
絶縁性材料16としては、セル内部を密封し外部とを隔絶して、素子の性能に影響を与えるおそれがある成分、例えば、水分、酸素、一酸化炭素などの活性ガスなどの透過を阻止することが可能な材料であれば特に制限されるものではなく、接着・封止する電極材料およびスペーサー材料、電解質材料に応じて適宜その組成を公知の材料から選択することができる。さらに、接着強度と耐湿性や、耐熱・耐寒性、熱衝撃耐性が高く、さらには、電解質成分に対する耐久性が高いことが望ましい。また、日射時の加熱による電極の熱膨張収縮に対応するために、またフレキシブル性が求められる場合には、十分な可塑性も有することが望ましい。
上記の材料としては、具体的には、ポリイソブチレン系樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド等の硬化性樹脂や、ポリスチレン系などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは単体で用いても、2種あるいはそれ以上の混合物として用いてもよい。あるいは、単独では硬化しない材料であっても、各種硬化剤や架橋剤などを添加することで硬化させても構わない。さらに、これらを変成させたり、フィラーを加えるなどして、種々の改良を加えたものであっても良い。上記の樹脂の中でもポリイソブチレン系樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂等が望ましい。
これらの硬化性樹脂の硬化方法についても、熱硬化型、光硬化型、電子線硬化型などの種々の硬化法の適用が可能である。また、シール部分やその構成材料に応じて、同一の樹脂を用いても、別々の樹脂を用いても構わない。
上記のシール材を用いてセルを封止する方法は特に限定されるものではなく、各種の公知の方法を適用することができる。例えば、シール材を電極基板に、印刷や吹きつけ、ディスペンサーなどの公知の塗布、担持、注入方法を用いて所望の形状に形成する方法が挙げられる。このとき、電極へのシール材の塗布は1対の基板のうちのどちらか片方のみでも、また両方に行っても良い。その後、任意の方法で半導体電極-対極間隔を調整して張り合わせ、しかる後にシール材を固化させて封止を行なう。なお、シール材に、スペーサー材料を添加しても構わない。また、シール材と被接着体との接着力を向上させるため、被接着面に対してプライマー処理を行なうことが望ましい。このようなプライマーとしては、シランカップリング剤などの公知の材料を使用することができる。
このとき、シール材の形成、両電極の張り合わせや電解質の注入などの工程上の順序は、作製するセルの形状や各種材料により適宜変更するため、特には限定されない。
シール材の幅は、封止する電解質成分や電極材料によりその最適値が異なるため、特に制限はされないが、1mm以上であることが望ましく、さらには3mm以上であることが望ましい。
[補助電極]
補助電極13は、半導体電極6もしくは対極8の電気抵抗を低下させるために設置するものであり、そのため、両電極の集電体と接している必要がある。
補助電極13の材質としては、電極の電気抵抗を下げることができるように、半導体電極の透明導電膜や対極の集電体材料よりも電気抵抗が小さい材料であれば、特には限定されず、公知の材料が使用できる。具体的には、金属材料、特にアルミニウムやニッケル、スズ、亜鉛、鉄、コバルト、チタン、タングステン、モリブデン、クロム、ニオブ、タンタル、マンガン、およびそれらの合金が望ましく、さらには銀や金、銅などが特に望ましい。補助電極の比抵抗は、少なくとも1×10-4Ω・cm以下、望ましくは1×10-5Ω・cm以下であることが望ましい。
また、日射時の加熱による電極の熱膨張収縮に対応するために、またフレキシブル性が求められる場合には十分な可塑性も有することが望ましい。具体的には、太陽電池特性に影響が出ない程度範囲であれば、バインダーや樹脂材料を添加しても構わない。また、集電体との接触抵抗が低くなるよう、密着していることが望ましく、この場合もバインダーや樹脂材料を添加しても構わない。また、電気抵抗が増加しない限り、基板もしくは集電体などとの界面をプライマー処理した上で、該補助電極13を形成しても構わない。
また、該補助電極13の形状および厚さは、色素増感太陽電池の形状や、最大発電電流値などに応じて変更することができるため特には限定されず、膜状でも板状でも、またその断面も角状や凸状でも構わない。また、電極の電導度が向上するよう、線状に連続して形成されていることが望ましく、直線でも曲線でも構わない。このとき、補助電極13は、各色素増感太陽電池セルおよびモジュールの形状に応じて一箇所でも複数個所形成されても構わず、例えば格子状でも、平行ストライプ状や網目状、また櫛状に配しても構わない。また、素子構造に応じて点状や点線状のように不連続としても構わない。ただし、線形が過度に細い場合や、電極面積に対して補助電極が疎らにしか設けない場合は、期待される電気抵抗の低減は望めない。一方、特に本発明の電極を半導体電極に使用する場合、補助電極部分は日光を遮蔽して入射光量を減少させてしまうため、補助電極を設ける面積が過度に大きい場合には太陽電池の光電変換効率が減少してしまうため、開口率は80%以上、特に90%以上であることが望ましい。また、入射光側である半導体電極として使用する場合、多孔質金属酸化物半導体層に重ならないようにすることが望ましい。したがって、補助電極の幅は、0.5μm〜5mm、特に10μm〜1mmであることが望ましい。
厚さについては、電気抵抗が下がるようなるべく厚いことが望ましいが、半導体電極と対極の間隔が過度に広がると光電変換効率が低下したり、また、重量が過度に重くなるなど、他の特徴や形状に影響を及ぼすため、用いる色素増感太陽電池に応じて適宜調整することが望ましい。したがって、特に限定はされないが、補助電極の厚みは、20nm以上、特に5μm以上であることが望ましく、一方、1cm以下、特に1mm以下であることが望ましい。特に、透明導電膜、もしくは対極の集電体上に形成して、補助電極の厚みにより直接両電極間隔が左右される場合は、100μm以下、特に50μm以下であることが望ましい。
補助電極13の形成方法としては、形状に応じて最適な形成方法が異なるため、特には限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、金属ペースト材料を、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布などにより担持後、電極ごと加熱処理する方法や、スパッタリングやイオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着などの気相法、また、前駆体となる金属元素を含有する錯体や塩類を溶解させた溶液中で電解めっきする方法、などが挙げられる。
補助電極13を形成する場所は、上記のように電極の集電体と接していれば、色素増感太陽電池の形状に応じて適宜変更できるため、特には限定されない。具体的には、半導体電極の場合、透明導電膜3上に形成させることができる。このとき、補助電極13には被覆層14が形成されるが、さらに該被覆層上に多孔質金属酸化物半導体層を形成しても構わない。また、該補助電極および被覆層上に、シール部を形成することでセル間を分割し、色素増感太陽電池モジュールとしても構わない。さらに、透明基体2と透明導電膜3との間に形成する方法は、該被覆層を形成した補助電極と電解質との接触確率を減少できるため、好適に利用できる。
[被覆層]
本発明における被覆層14は、上記補助電極を電解質から電気的に絶縁するとともに、電解質成分、特に酸化還元対であり絶縁性材料の劣化を促進させるアニオン、その中でも、IやI などのヨウ化物アニオンから、補助電極の腐食を防ぐために使用される。したがって、被覆層は物理的に電解質と補助電極を隔離するものであるので、顕著なピンホールがなく、より緻密であることが望ましい。
本発明の被覆層14を構成する材料としては、導電性高分子15と絶縁性材料16を含んでおり、前記の絶縁性に関しては、主として絶縁性材料16が担うものである。また、絶縁性材料16は、第一に物理的に電解質成分を遮蔽する材料である。
被覆層14を構成する材料(以降「被覆材」と称する。)の形成方法としては、特には限定されず公知の方法を採ることができる。例えば、予め用意した導電性高分子15と絶縁性材料16を混合後、塗布や印刷など公知の方法により、補助電極13の表面を被覆する。また、別の方法として、絶縁性材料15を予め補助電極13の表面に形成させた後、導電性高分子15を添加する方法が挙げられる。このとき、導電性高分子との混合方法に合わせて、絶縁性材料16の硬化・溶融などの処理の有無、および導電性高分子の混合と絶縁性材料の処理との順序などは適宜選択することができる。
また、本発明の被覆層14の形成方法として、予め導電性高分子を重合させた上で、絶縁性材料と混合させる手法だけではなく、導電性高分子の重合を被覆層内部にて行なう方法を採ることもできる。
上記被覆材の補助電極13表面への形成方法としては、特には制限されず公知の方法にて形成できる。具体的には、ブレードコート法、バーコート法やスプレーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法の塗布法や、ディスペンサーによる形成法などが挙げられる。
補助電極13との接着力を向上させるため、被接着面に対してプライマー処理を行なうことができる。このようなプライマーとしては、シランカップリング剤などの公知の材料を使用することができる。また、補助電極13の表面のみを不動態化するなどの方法もある。
また、被覆層14は、単層であっても、2層以上の多層であっても構わない。
[被覆層-絶縁性材料]
本発明における被覆層を構成する絶縁性材料としては、電気的に補助電極と電解質を絶縁でき、電解質成分に対する高い耐性を有して、物理的に電解質と補助電極を遮蔽できれば、特には限定されず公知の材料を使用することができる。具体的には、樹脂材料や絶縁体セラミック材料、ガラスなどが挙げられる。
樹脂材料としては、ポリイソブチレン系樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド等の硬化性樹脂や、ポリスチレン系などの熱可塑性樹脂などがある。また、単独では硬化しない材料であっても、各種硬化剤や架橋剤などを添加することで硬化させても構わない。また、これらの硬化性材料の硬化方法についても、熱硬化型、光硬化型、電子線硬化型などの種々の硬化法の適用が可能である。また、補助電極形状やその構成材料に応じて、同一の樹脂を用いても、別々の樹脂を用いても構わない。
セラミック材料としては、金属酸化物や金属窒化物、金属炭化物などが挙げられる。金属酸化物としては、アルミナ、ムライト、ジルコニアなどが挙げられる。また、金属窒化物としては、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化アルミニウムなどが挙げられる。さらに、金属炭化物としては、炭化ケイ素、炭化チタンなどがあり、また、炭化ホウ素なども使用することができる。
これらは単体で用いても、2種あるいはそれ以上の混合物として用いてもよい。このような例として、酸化鉛を含む低融点ガラスなどが挙げられる。あるいは、これらを変成させたり、フィラーを加えるなどして、種々の改良を加えたものであっても良い。さらに、ケイ酸塩や金属アルコキシドなどの架橋剤を添加しても構わない。
上記の材料の中でもポリイソブチレン系樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、また、アルミナ、窒化ケイ素が望ましい。
[被覆層-導電性高分子]
一方、導電性高分子15は、絶縁性材料16の劣化を抑制することで、より長期間電解質成分と補助電極との接触を防ぐとともに、劣化や剥離などの進行による亀裂から、被覆層14中に電解質が浸透してきた場合に、電解質成分、特にヨウ素を吸蔵・保持することで、それ以上の電解質の浸入・拡散を抑制することで、電解質と補助電極との接触を防ぎ、長期的な耐久性を高めるために使用されるものである。
本発明の導電性高分子15は、絶縁性材料16の劣化を促進するアニオン性電解質成分と相互作用することで前記絶縁性材料16の劣化を抑制できるように、導電性高分子鎖がカチオン性となっていることが望ましい。したがって、導電性高分子を構成するモノマーを、酸化重合することにより形成された高分子であることが望ましい。また、より多くのアニオン性電解質をドーパントとして吸蔵できるように、酸化重合された導電性高分子であって、かつアニオン性ドーパントが脱離した状態であることが望ましい。
また、導電性高分子15は、電解液成分から絶縁性材料16をより効果的に保護できるよう、被覆層14内部において、電解質に近づくほど、導電性高分子の分布割合が増加するように分布させることが望ましい。さらに、電解質成分が被覆層14の内部を浸透して補助電極と接触することがないよう、被覆層内部において、電解質から遠い導電性高分子ほどより緻密に重合されていることが望ましい。
本発明における導電性高分子としては、特には限定されず、公知の導電性高分子を使用することができる。また、その組成は1種以上のホモポリマー、1種以上のコポリマー、又はそれらの混合体であってよい。
このような導電性高分子を形成するモノマーとして、例えば下記一般式(1)又は(2)で表される芳香族アミン化合物、下記一般式(3)で表されるチオフェン化合物、及び下記一般式(4)で表されるピロール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーが挙げられる。
Figure 0005158841
Figure 0005158841
(式(1)又は(2)中、R1及びR6はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R2〜R5及びR7〜R10はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数6〜12のアラルキル基(例えばベンジル基)、シアノ基、チオシアノ基、ハロゲン基、またはニトロ基を示し、式(1)中、R2とR3、又はR4とR5はそれぞれ連結して環を形成していてもよく、式(2)中、R8とR9、又はR9とR10はそれぞれ連結して環を形成していてもよい。)
Figure 0005158841
(式(3)中、R11、R12はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、シアノ基、チオシアノ基、ハロゲン基、又はニトロ基を示し、R11とR12は連結して環を形成していてもよい。)
Figure 0005158841
(式(4)中、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、シアノ基、チオシアノ基、ハロゲン基、ニトロ基、又はアミノ基を示し、R13とR14は連結して環を形成していてもよい。)
上記芳香族アミン化合物の例として、アニリン及びアニリン誘導体がある。さらに具体的にアニリン、アニシジン、フェネチジン、トルイジン、フェニレンジアミン、ヒドロキシアニリン、N−メチルアニリン、トリフルオロメタンアニリン、ニトロアニリン、シアノアニリン、及びハロゲン化アニリンなどが挙げられる。中でもアニシジン、トルイジン、フェニレンジアミン、アニリンが好ましく使用される。中でもアニリンが特に好ましく使用され、モノマーとして少なくともアニリンが重合して形成されたポリマーが挙げられ、とりわけモノマーとしてアニリンを単独で用いたポリアニリンがコストも安く好適に利用できる。
上記チオフェン化合物の例として、チオフェン及びチオフェン誘導体が挙げられ、さらに具体的にチオフェン、3−メチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、テトラデシルチオフェン、などのアルキルチオフェン類、イソチアナフテン、3−フェニルチオフェン、及び3,4−エチレンジオキシチオフェンなどがある。ホモポリマーとして用いる場合、3,4−エチレンジオキシチオフェンを好ましく使用することができる。
チオフェン化合物を1種又は2種以上用いて導電性高分子を形成してもよい。
上記ピロール化合物として、ピロール及びピロール誘導体が挙げられ、ピロール誘導体としては特に3位に炭素原子数1〜8のアルキル基を有するものが挙げられる。ピロール化合物の具体例として、ピロール、3−メチルピロール、3−ブチルピロール及び3−オクチルピロールなどがある。ピロール化合物を1種又は2種以上用いて導電性高分子を形成してもよい。
上記、芳香族アミン化合物、チオフェン化合物、ピロール化合物を1種又は2種以上用いて、1種以上のコポリマー、又はそれらの混合体であってよい。
導電性高分子15を形成する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、導電性高分子のモノマーを含有する溶液中に酸化剤を添加することで重合を進行させる方法(以降「化学重合法」と呼ぶ)により、粒子状の導電性高分子を簡便に得ることができる。このような化学重合法を用いた製造方法は、簡便で生産性が高いため好適に利用できる。この際、溶液洗浄もしくは、溶液抽出などの方法により、上記のようにドーパントを脱離させることが望ましい。その後、前記導電性高分子を絶縁性材料16と混合させて被覆層14を形成する被覆材を得る。
また、導電性高分子の他の望ましい形成方法として、一旦前記化学重合により得られた粒子状導電性高分子粉末を分取後、改めて溶媒に溶解させることにより、導電性高分子の可溶液を作製することができる。前記可溶液を用いて本発明の被覆層14を形成する方法として、例えば、前記可溶液を絶縁性材料16と混合してから溶媒を乾燥させる方法や、予め絶縁性材料16を補助電極上に設けたのち、硬化させる前に、前記導電性高分子可溶液を注入や塗布、含浸などにより該絶縁性材料16と混合させてから、硬化させる方法を採ることができる。
また、別途用意した導電性基板を電極として、該導電性基板表面に電気化学的な重合(以下、「電解重合法」という。)により導電性高分子層を形成させることができる。このような電解重合法は、室温大気雰囲気下において導電性高分子の重合を電気的に制御することが可能であるため、該導電性高分子層の厚みや緻密性を最適に調整できることから、好ましく使用できる。電解重合の方法は特には限定されず公知の方法で行なうことができる。
このような電解重合により得られた導電性高分子を用いて、本発明の被覆層を構成する材料を形成する方法として、生成した導電性高分子膜を導電性基板表面から剥離させ、力学的に粉砕して粉体としたのち、もしくはそのままの形状で補助電極上に配置してから、絶縁性材料16を注入設置するなどの方法を採ることができる。また、上記導電性基板として補助電極を使用し、電解重合を行なうことで、膜状の導電性高分子を補助電極上に直接形成させた後、該導電性高分子上に絶縁性材料16を形成する方法がある。
さらに、上記のように、本発明では、導電性高分子の重合を被覆層内部にて行なう方法を採ることもできる。このような方法としては、電解重合法を利用することができる。例えば、導電性高分子を構成するモノマーを含む溶液を、絶縁性材料16に塗布もしくは含浸などの方法により混合させた後、外部から電圧を印加することにより、絶縁性材料16と混合した前記モノマーをその場で酸化重合させ、最終的に溶媒を除去する方法などが挙げられる。このような場合、導電性高分子を形成させてから補助電極表面上に設けても構わないし、あるいは、予め前記モノマー成分を含有させた絶縁性材料16を補助電極上に設けてから電解重合させても構わない。後者の補助電極上に設けてから電解重合を行なう場合、外部からの給電を、補助電極を通して行なうこともできる。
絶縁性材料16が熱硬化樹脂など、その形成に加熱処理を伴う場合には、加熱工程が、電解重合の溶媒の除去と絶縁性材料16の硬化を兼ねても構わない。
また、被覆層内部にて導電性高分子を重合させる別の方法としては、化学重合法を利用することができる。導電性高分子のモノマーおよび重合触媒を含む溶液を絶縁性材料16に塗布もしくは含浸などの方法により混合させた後、加熱処理することで、前記絶縁性材料16と混合している前記モノマーを化学重合により重合を進行させ、最終的に溶媒を除去する方法が挙げられる。このとき、絶縁性材料16が熱硬化する必要があれば、前記導電性高分子を重合させる際の加熱処理や溶媒の除去と同時に絶縁性材料16を硬化させても構わない。
上記のような被覆層内部にて導電性高分子を重合させる方法は、導電性高分子15と絶縁性材料16が架橋反応する可能性があり、その結果導電性高分子に接する部分の絶縁性材料16の化学的安定性を向上できるため好適に利用できる。また、予め重合した導電性高分子15を絶縁性材料16と混合させる方法にてシール材を形成させる方法においても、導電性高分子15と絶縁性材料16を架橋させることが望ましい。このような方法としては、例えば、絶縁性材料16中に導電性高分子と反応可能な架橋剤を添加するなどの方法が挙げられる。
本発明の被覆層を設けた補助電極を有する電極が、色素増感太陽電池に使用される電解質成分、特に酸化還元対であるヨウ素に対して、性能の経時的低下を抑制して高い耐久性を有する理由としては、以下のように考察している。
すなわち、1)被覆層に含有される導電性高分子自体が、電解質成分、特に絶縁性材料16の劣化を促進させるアニオン成分、とりわけヨウ化物アニオンに対して高い耐久性を有すること、2)さらに、前記導電性高分子が、前記アニオン、とりわけヨウ化物アニオンをドーパントとしてその内部に吸蔵保持することが可能であるため、それ以上のアニオンの浸透・拡散を抑制し、補助電極との接触を遮断できること、3)同時に、ドーパントとして導電性高分子内部にてイオン対を形成するため、絶縁性材料16との化学反応を抑制して、絶縁性材料16のさらなる劣化を低減できること、などが挙げられる。
以上に説明したような色素増感太陽電池の各構成要素材料を準備した後、従来公知の方法で半導体電極と対極とを電解質を介して対向させるように組み上げ、色素増感太陽電池を完成させる。
以下、本発明を実施例に基づいて、より詳細に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
〔実施例〕
[補助電極の形成]
透明導電膜付きの透明基体としてFTOガラス(日本板ガラス製10cm×10cm)を用い、その表面に、50nmの厚さの酸化チタン薄膜層をスパッタリングにより形成させた。次いで、前記酸化チタン薄膜層表面にAgペーストをスクリーン印刷したのち、550度で加熱処理することで、幅500μm、厚さ20μmの銀配線を等間隔で6本ストライプ状に形成し、補助電極とした。
[多孔質金属酸化物半導体]
上記補助電極を形成させたFTOガラスを用い、等間隔に補助電極を形成した間に短冊状に、酸化チタンペースト(触媒化成工業株式会社製チタニアペースト PST-18NR)をスクリーン印刷し、100℃で1時間乾燥後、大気雰囲気下550℃で120分間焼成してそのまま室温となるまで放置し、幅1cmで10μmの厚さの多孔質酸化チタン半導体層を形成させた。さらに、前記多孔質酸化チタン半導体層の上に、酸化チタンペースト(触媒化成工業株式会社製チタニアペースト PST-400C)をスクリーン印刷で重ね塗りしたのち同様に焼成を行なって、15μm厚とした多孔質酸化チタン半導体層を完成させた。
[被覆層の形成]
5℃以下に氷冷した1wt%ピロール水溶液に、2.5倍等量の過硫酸アンモニウムを撹拌しながら滴下し、氷冷したまま20時間撹拌を続けることで、ピロールを重合させた。得られたポリピロールの黒色粉末を純水、メタノール、アセトンを順に用いて、ピロールおよび酸化剤残渣、ピロールオリゴマーを洗浄した。次いで、得られたポリピロール粉末を、5%アンモニア水溶液中で1時間撹拌することでドーパントの脱離処理を行なったのち、純水を用いて十分に洗浄を行なった。
絶縁性樹脂としてシリコーン樹脂ペーストを用い、シリコーン樹脂ペーストに上記脱ドープ処理を行なったポリピロールを5wt%添加して撹拌・混合させることで、被覆材を調製した。
上記多孔質金属酸化物層と補助電極を形成させた電極に対し、位置合わせを行なって補助電極に重ね合わせて、 調製した被覆材を同様にスクリーン印刷したのち、プレ乾燥工程として60℃で10分間加熱後、120℃30分加熱処理して被覆層を硬化させた。形成した被覆層は、補助電極から両端にそれぞれ片側1mmずつ余剰に被覆され、電極基体からの高さは40μmであった。
[増感色素の吸着]
増感色素として、一般にN3dyeと呼ばれるビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体を使用した。一旦150℃まで加熱した前記多孔質酸化チタン半導体電極を色素濃度0.5mmol/Lのエタノール溶液中に浸漬し、遮光下1晩静置した。その後エタノールにて余分な色素を洗浄してから風乾することで、太陽電池の半導体電極を完成させた。
[対極]
対極として、ソーダライムガラスを基板とし、チタンを30nm、該チタン層上に白金を270nmスパッタしたPtスパッタ膜付ガラス(ジオマテック社製 10cm角)を使用した。
[シール材の調製]
シール材として、シリコーン系樹脂シール剤(信越ポリマー株式会社製LHR−120S)を使用した。
[太陽電池セルの組み立て]
上記のように作製した半導体電極上に、予め前記シール材を両面に塗布した、50μm厚のフッ素樹脂製フィルムをセパレータとして載せたのち、プレ乾燥工程として60℃で10分間加熱してから、前記半導体電極と対向するように対極を貼り合わせた。続いて張り合わせた電極の外縁部に、環状に前記シール材を塗布してから、120℃30分加熱処理してシール材を硬化させた。ただし、シール材塗布後硬化前に、電解液を封入させるための封入口としてシール材の一部を2箇所除去させてある。シール材硬化後、前記封入口の一方から、電解質を毛管現象にて両電極間に含浸させるとともに、他方から減圧することで両電極間の気泡を除去しながら電解質を入れ、封入口を常温硬化性樹脂にて封入することで、太陽電池セルを組み上げた。電解質としては、溶媒をメトキシプロピオニトリル、還元剤としてヨウ化リチウム、酸化剤としてヨウ素、添加剤としてn−メチルベンズイミダゾール、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドを含む溶液を用いた。
[太陽電池セルの光電変換特性の測定]
上記の太陽電池セルについて、光量100mW/cm2の擬似太陽光を照射して開放電圧(以下、「Voc」と略記する。)、短絡電流密度(以下、「Jsc」と略記する。)、形状因子(以下、「FF」と略記する。)、および光電変換効率を評価したところ、以下の結果を得た。
「Voc」、「Jsc」、「FF」及び光電変換効率の各測定値については、より大きい値が太陽電池セルの性能として好ましいことを表す。
[実施例の測定結果]
開放電圧(Voc):0.71V
短絡電流密度(Jsc):9.8mA/cm2
形状因子(FF):0.71
光電変換効率:4.9%
[耐久性の確認]
上記電解質溶液100mlを入れたPTFE製容器中に、耐久性試験用に別途上記半導体電極と同様に作製した半導体電極を浸漬させ、暗中100℃で恒温保持試験を行ない、1000時間経過後に取り出した。脱水アセトニトリルで耐久性試験に用いた電解質溶液を洗浄・風乾したのちは、上記と同様に太陽電池セルを組み立てて光電変換特性を測定したところ、下記のように特に劣化は認められなかった。
[実施例の耐久性試験後の測定結果]
開放電圧(Voc):0.72V
短絡電流密度(Jsc):9.7mA/cm2
形状因子(FF):0.70
光電変換効率:4.9%
[比較例]
被覆材の作製において、導電性高分子であるポリピロール微粒子を添加すること以外は、実施例と同様に半導体電極を作製して太陽電池セルを組み立て、光電変換特性の初期評価を行なったところ、実施例と同等の性能が得られた。次いで、実施例と同様の条件で耐久性試験を実施した結果、その初期性能を維持できず、大幅な光電変換の低下が確認された。
[耐久性試験前の測定結果]
開放電圧(Voc):0.72V
短絡電流密度(Jsc):9.9mA/cm2
形状因子(FF):0.70
光電変換効率:5.0%
[耐久性試験後の測定結果]
開放電圧(Voc):0.70V
短絡電流密度(Jsc):1.5mA/cm2
形状因子(FF):0.22
光電変換効率:0.2%
以上の結果から、本発明の被覆層を備えた色素増感太陽電池用電極が、色素増感太陽電池に使用される電解質成分、特に酸化還元対であるヨウ素に対してより優れた耐性を有していること、ならびにそれを用いた色素増感太陽電池が、経時的低下が抑制され高い耐久性を有し、信頼性に優れていることが判る。
本発明は上記した実情に鑑み、電極の低抵抗化を図るための補助電極と、該補助電極上に被覆層とを設けた色素増感太陽電池用電極であって、前記被覆層が、絶縁性材料と導電性高分子を含んでなることにより、色素増感太陽電池に使用される電解質成分、特に酸化還元対であるヨウ素に対して優れた耐性を有し、その結果、信頼性の高い電極、ならびに該電極を用いた色素増感太陽電池セル、もしくは色素増感太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の色素増感太陽電池の構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の電極を半導体電極として用いた一例を示す断面模式図である。 本発明の被覆層の一例を示す断面の拡大模式図である。 本発明の被覆層の一例を示す断面の拡大模式図である。
符号の説明
1 電極基体
2 透明基体
3 透明導電膜
4 多孔質金属酸化物半導体層
5 増感色素層
6 半導体電極
7 電解質層
8 対極
9 電極基体
10 触媒活性層
11 スペーサー
12 シール材
13 補助電極
14 被覆層
15 導電性高分子
16 絶縁性材料

Claims (9)

  1. 光増感作用を有する色素を含む多孔質金属酸化物半導体電極と、
    該半導体電極に対向配置された対極との間に封入された酸化還元対となる化学種を含む電解質を有する色素増感太陽電池の、
    前記半導体電極及び/又は対極の低抵抗化のための補助電極が設けられた色素増感太陽電池用電極において、
    該補助電極上に、絶縁性材料と導電性高分子とを含む被覆層が複数の層状に形成されており、
    前記絶縁性材料が、導電性高分子よりも緻密に形成されてなることを特徴とする色素増感太陽電池用電極。
  2. 前記導電性高分子が、アニオンを吸蔵可能であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池用電極。
  3. 前記導電性高分子のドーパントが脱離されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感太陽電池用電極。
  4. 前記導電性高分子が、絶縁性材料と化学的に架橋していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電極。
  5. 前記導電性高分子が、被覆層内部にて導電性高分子モノマーを含有させ重合した導電性高分子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電極。
  6. 前記導電性高分子が、アニリン及びその誘導体、ピロール及びその誘導体、チオフェン及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電極。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電極を備えてなることを特徴とする色素増感太陽電池。
  8. アニオンが酸化還元対の構成成分であることを特徴とする請求項に記載の色素増感太陽電池。
  9. 酸化還元対がヨウ化物アニオンであることを特徴とする請求項7又は8に記載の色素増感太陽電池。
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