JP5157501B2 - 冷凍機 - Google Patents
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Description
ターボ冷凍機等が備えるターボ圧縮機は、一般的に回転軸に取付けられるインペラを軸周りに回転させて冷媒の圧縮を行う圧縮機構を備えている。従来、このような圧縮機構の回転軸を軸周りに回転自在に支持する軸受として、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の軸受が知られている。
また、特許文献2には、圧縮段(圧縮機構)を2つ備え、これらの圧縮機構にて冷媒を順次圧縮するターボ圧縮機が開示されている。このターボ圧縮機は、2つのインペラが同一の回転軸に互いの背面側が対向する向きに固定されており、当該回転軸を2つのインペラの間においてジャーナル軸受によって支持することで、当該回転軸にかかるオーバーハング荷重を低減させる構成となっている。
しかしながら、それらケーシング同士を組み合わせるためのケーシングのインロー部の不可避的な隙間による集積誤差に起因する偏芯により、回転軸の芯がずれてしまい、当該回転軸を支える軸受において回転軸の傾きに対する許容量を超えてしまう場合がある。特に、特許文献1に開示されている背面合せのアンギュラ玉軸受では、支持剛性が高いものの、傾きに対する許容量が小さいため問題となる。また、多数のケーシングの組合せにより軸受間距離が長くなってしまった場合、ギア反力等による撓みが発生しやすくなり回転軸が傾くため問題となる。
したがって、軸受には、当該傾きによる負荷が常態で作用することになり、当該作用による疲労及び損傷を受けて短寿命となってしまう懸念がある。
このような構成を採用することによって、本発明では、第1インペラと第2インペラとの間において回転軸を支持することによってオーバーハング荷重を低減させると共に、アンギュラ玉軸受によってラジアル方向のみならずスラスト方向の荷重も受けることができ、さらに、正面組合せのアンギュラ玉軸受を採用することで、回転軸の傾きに対する許容量を大きくすることができる。
このような構成を採用することによって、本発明では、多数の構造体の組合せによって回転軸が異なる構造体に支持される場合に、回転軸に発生しやすい偏芯による傾きに対応することができる。
このような構成を採用することによって、本発明では、正面組合せの場合にその間において上方から潤滑剤を供給すると、アンギュラ玉軸受の肩おとし外輪及び内輪の組合せ構造により、軸方向において内側から外側に向うにつれて潤滑剤の流路が下方に勾配するように形成されるため、当該正面組合せのアンギュラ玉軸受に対する潤滑剤供給を円滑に且つ一箇所から行うことができる。
このような構成を採用することによって、本発明では、軸受の損傷防止、長寿命化を図ることができるターボ圧縮機を備える冷凍機が得られる。
したがって、本発明では、回転軸の傾きに対してロバスト性が向上し、軸受の損傷防止、高寿命化を図ることができるターボ圧縮機を備えた冷凍機を提供することができる効果がある。
図1は、本実施形態におけるターボ冷凍機(冷凍機)S1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態におけるターボ冷凍機S1は、例えば空調用の冷却水を生成するためにビルや工場に設置されるものであり、図1に示すように、凝縮器1と、エコノマイザ2と、蒸発器3と、ターボ圧縮機4とを備えている。
冷媒液X2は、配管R2を介してエコノマイザ2に供給される際に膨張弁5によって減圧され、減圧された状態にてエコノマイザ2において一時的に貯留された後、配管R3を介して蒸発器3に供給される際に膨張弁6によってさらに減圧され、さらに減圧された状態にて蒸発器3に供給される。
蒸発器3に供給された冷媒液X2は、蒸発器3によって蒸発されて冷媒ガスX4とされ、配管R5を介してターボ圧縮機4に供給される。
ターボ圧縮機4に供給された冷媒ガスX4は、ターボ圧縮機4によって圧縮されて圧縮冷媒ガスX1とされ、再び配管R1を介して凝縮器1に供給される。
なお、冷媒液X2がエコノマイザ2に貯留されている際に発生した冷媒の気相成分X3は、配管R4を介してターボ圧縮機4に供給され、冷媒ガスX4と共に圧縮されて圧縮冷媒ガスX1として配管R1を介して凝縮器1に供給される。
そして、このようなターボ冷凍機S1では、蒸発器3にて冷媒液X2を蒸発される際に、冷却対象物から気化熱を奪うことによって、冷却対象物の冷却あるいは冷凍を行う。
図2は、ターボ圧縮機4の水平断面図である。
図3は、ターボ圧縮機4の垂直断面図である。
図4は、ターボ圧縮機4が備える圧縮機ユニット20を拡大した垂直断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態におけるターボ圧縮機4は、モータユニット10と、圧縮機ユニット20と、ギアユニット30とを備えている。
なお、モータ12の出力軸11は、モータハウジング13に固定される第1軸受14と第2軸受15とによって回転可能に支持されている。
また、モータハウジング13は、ターボ圧縮機4を支持する脚部13aを備えている。そして、脚部13aの内部は、中空とされており、ターボ圧縮機4の摺動部位に供給される潤滑油が回収されると共に貯留される油タンク40として用いられる。
なお、第1ディフューザ21b、第1スクロール室21c及び吸入口21dの一部は、第1インペラ21aを囲う第1ハウジング21eによって形成されている。
各インレットガイドベーン21gは、第1ハウジング21eに固定された駆動機構21hによって冷媒ガスX4の流れ方向からの見かけ上の面積が変更可能なように回転可能とされている。
なお、第2ディフューザ22b、第2スクロール室22c及び導入スクロール室22dの一部は、第2インペラ22aを囲う第2ハウジング22eによって形成されている。
なお、ここで第2ハウジング22eとは、多数のケーシング(構造体)の組合せの総称のことをいう。したがって、より厳密には、第3軸受24が固定される部位と第4軸受25が固定される部位とは、各々異なるケーシングに固定されることとなる。
このギアユニット30は、モータ12の出力軸11に固定される大径歯車31と、回転軸23に固定されると共に大径歯車31と噛み合う小径歯車32とによって構成されており、出力軸11の回転数に対して回転軸23の回転数が増加するようにモータ12の出力軸11の回転動力を回転軸23に伝達する。
なお、第3軸受24が配置される空間50とギアユニット30が収納される空間60とは、第2ハウジング22eに形成された貫通孔80によって接続されており、さらに空間60と油タンク40とは接続されている。このため、空間50,60に供給されて摺動部位から流れ落ちた潤滑油は、油タンク40に回収される。
図5は、図4における第3軸受24の要部拡大概略図である。
第3軸受24は、第1インペラ21aと第2インペラ22aとの間において、回転軸23を軸周りに回転自在に支持する正面合わせのアンギュラ玉軸受100A及びアンギュラ玉軸受100Bを有する構成となっている。また、第3軸受24は、正面合わせのアンギュラ玉軸受100A及びアンギュラ玉軸受100Bの間からその両者に潤滑油を供給する流路を形成する間座101を有している。間座101は、アンギュラ玉軸受100A及びアンギュラ玉軸受100Bの間において取付けられる構成となっている。
第3軸受24の内輪は、その厚さ方向(スラスト方向)において、回転軸スリーブ23Aと、回転軸スリーブ23Aに取付けられるロックナット23Bとによって固定される。
一方、第3軸受24の外輪は、その厚さ方向(スラスト方向)において、第2圧縮段隔壁22e2と、第2圧縮段隔壁22e2及び第2ラビリンスシール22e1との間に固定された軸押さえ部材22e3とによって固定される。
第1圧縮段21の内部に流入した冷媒ガスX4は、第1インペラ21aにスラスト方向から流入し、第1インペラ21aによって速度エネルギを付与されてラジアル方向に排出される。
第1インペラ21aから排出された冷媒ガスX4は、第1ディフューザ21bによって速度エネルギを圧力エネルギに変換されることで圧縮される。第1ディフューザ21bから排出された冷媒ガスX4は、第1スクロール室21cを介して第1圧縮段21の外部に導出される。
そして、第1圧縮段21の外部に導出された冷媒ガスX4は、外部配管を介して第2圧縮段22に供給される。
第2インペラ22aから排出された冷媒ガスX4は、第2ディフューザ22bによって速度エネルギを圧力エネルギに変換されることでさらに圧縮されて圧縮冷媒ガスX1とされる。
第2ディフューザ22bから排出された圧縮冷媒ガスX1は、第2スクロール室22cを介して第2圧縮段22の外部に導出される。
そして、第2圧縮段22の外部に導出された圧縮冷媒ガスX1は、流路R1を介して凝縮器1に供給される。
第3軸受24は、図5に示すように、アンギュラ玉軸受100A及びアンギュラ玉軸受100Bで構成されているため、ラジアル荷重だけでなくスラスト荷重も受けることができる。また、第3軸受24は、第1インペラ21a及び第2インペラ22aの間において回転軸23を支持する構成であるため、第2インペラ22a手前側(図2において第2インペラ22a左側)で回転軸23を支持する構成と比べて、オーバーハング量を低減することができ、回転軸23にかかるオーバーハング荷重を低減することができる。
正面組合せの場合にその間においてその上方から潤滑油を供給すると、アンギュラ玉軸受100A及びアンギュラ玉軸受100Bの肩おとし外輪及び内輪の組合せ構造により、軸方向において内側から外側に向うにつれて潤滑油の流路R(図5参照)が下方に勾配するように形成されるため、当該構成上の高低差を利用して該正面組合せのアンギュラ玉軸受100A及びアンギュラ玉軸受100Bに対する潤滑油供給を円滑に且つ一箇所から容易に行うことができる。また、上方において潤滑油の供給を受け、上記作用により転動体、転動体と外輪との間及び転動体と内輪との間において円滑に潤滑油が供給された状態で、それらが回転駆動することによって、アンギュラ玉軸受100A及びアンギュラ玉軸受100Bの周全体に亘って潤滑油が容易に供給されることとなる。
なお、供給された潤滑油は、アンギュラ玉軸受100A及びアンギュラ玉軸受100Bの軸方向における外側、または、排出孔70bを介して空間50に排出され、図3に示す、貫通孔80、空間60を経て油タンク40に再び回収されることとなる。
したがって、本発明では、回転軸23の傾きに対してロバスト性が向上し、第3軸受24の損傷防止、高寿命化を図ることができるターボ圧縮機4を提供することができる効果がある。
Claims (1)
- 圧縮された冷媒を冷却液化する凝縮器と、液化された前記冷媒を蒸発させて冷却対象物から気化熱を奪うことによって前記冷却対象物を冷却する蒸発器と、前記蒸発器にて蒸発された前記冷媒を圧縮して前記凝縮器に供給するターボ圧縮機とを備える冷凍機であって、
前記ターボ圧縮機は、
軸周りに回転自在に支持された回転軸に、前記軸方向において互いに所定の距離で離間すると共に互いの背面側が対向する向きに固定された第1インペラ及び第2インペラと、
前記第1インペラと前記第2インペラとの間において、前記回転軸を前記軸周りに回転自在に支持する正面組合せのアンギュラ玉軸受と、
前記正面組合せのアンギュラ玉軸受に、前記正面組合せの間において上方から潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置と、
前記正面組合せのアンギュラ玉軸受の間からその両者に前記潤滑剤を供給する流路を有する間座と、を有し、
前記流路は、前記正面組合せのアンギュラ玉軸受の肩おとし外輪及び内輪の組み合せ構造により、軸方向において内側から外側に向かうにつれて下方に勾配するように形成された流路に連通して設けられており、
前記回転軸の一端側が、第1構造体に前記正面組合せのアンギュラ玉軸受を介して支持され、
前記回転軸の他端側が、前記第1構造体とは異なる第2構造体に支持されることを特徴とする冷凍機。
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