(第1実施形態)
以下、本発明に係る印刷システム及び印刷システムの制御プログラムを具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、第1実施形態における印刷システム1の構成に関する説明図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る印刷システム1は、パーソナルコンピュータ10と、プリンタ30と、を含んで構成されている。パーソナルコンピュータ10と、プリンタ30とは、ローカルエリアネットワークNを介して、相互に接続されている。従って、当該印刷システム1においては、パーソナルコンピュータ10とプリンタ30は、相互にデータの送受信を実行し得る。
尚、第1実施形態に係る印刷システム1は、図1に示すように、一のパーソナルコンピュータ10と、一のプリンタ30と、をローカルエリアネットワークNで接続して構成しているが、この態様に限定するものではない。即ち、複数台のパーソナルコンピュータ10、複数台のプリンタ30を接続し、印刷システム1を構成することも可能である。更に、当該印刷システム1において、パーソナルコンピュータ10とプリンタ30とを、USBケーブル等により接続するように構成することも可能である。
次に、印刷システム1を構成するパーソナルコンピュータ10の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図2は、主としてパーソナルコンピュータ10の制御系を示すブロック図である。
パーソナルコンピュータ10は、ディスプレイ15、操作部18を備えている(図1参照)。ディスプレイ15は、各種情報に基づいて画像が表示される表示装置である。このディスプレイ15としては、CRTディスプレイや液晶ディスプレイを用いることができる。そして、操作部18は、ユーザによる各種の操作に用いられる。操作部18としては、例えば、キーボードやマウスが用いられる。
図2に示すように、パーソナルコンピュータ10は、制御部11を備えている。制御部11は、パーソナルコンピュータ10に関する制御の中枢を担う。そして、当該制御部11は、CPU12、ROM13、RAM14、ステータスデータベース21を備えている。CPU12は、ROM13、RAM14に記憶されたデータテーブルや各種制御プログラム等に従って、各周辺装置を制御する中央演算処理装置である。
そして、ROM13は、各種制御プログラムやデータテーブル等が格納された書換不能なメモリである。具体的には、ROM13は、後述する音声読み上げ処理プログラム(図6参照)、音声再生処理プログラム(図8参照)やステータス報知処理プログラム(図11等参照)を格納している。これらの制御プログラムの詳細については、後に詳細に説明する。
RAM14は、各種データを記憶するための書換可能なメモリである。このRAM14には、各種制御プログラムを実行した際に、CPU12による演算結果等が一時的に格納される。
ステータスデータベース21は、後述するステータスコードに対応するメッセージ文字情報を格納したデータベースである。図12に示すように、当該メッセージ文字情報は、夫々、ステータスコードが示すプリンタ30の状態を示すメッセージに関する文字情報である。そして、当該メッセージ文字情報は、表示用ステータステキストと、メイン音声用ステータステキストと、サブ音声用ステータステキストと、を含んでいる。表示用ステータステキストは、ステータスコードに対応するプリンタ30の状態を後述するステータスウィンドウ80に表示する際に表示する際に用いられる。メイン音声用ステータステキストは、ステータスコードに対応するプリンタ30の状態を、音声により出力する際に用いられる。そして、サブ音声用ステータステキストは、メイン音声用ステータステキストと同様に、ステータスコードに対応するプリンタ30の状態を音声により出力する際に用いられる。この点、図12に示すように、当該サブ音声用ステータステキストは、表示用ステータステキスト、メイン音声用ステータステキストにおける表現と異なる態様で、プリンタ30の状態を示し得る(例えば、ステータスコード「40021」等)。
そして、制御部11には、表示制御回路16、通信制御回路17、操作部18、音声制御回路19等が接続されている。表示制御回路16は、ディスプレイ15に接続されている。表示制御回路16は、制御部11からの信号に基づいて、ディスプレイ15の表示制御に用いられる。従って、パーソナルコンピュータ10は、オペレーティングシステム等の制御プログラムに従い、当該表示制御回路16を介して、ウィンドウ情報に基づくウィンドウをディスプレイ15に表示することができる。
通信制御回路17は、ローカルエリアネットワークNを介したプリンタ30との間のデータ通信に関する制御に用いられる。従って、パーソナルコンピュータ10は、通信制御回路17を介して、印刷データや印刷実行信号等の各種データや信号をプリンタ30に対して送信することができる。又、パーソナルコンピュータ10は、通信制御回路17を介して、プリンタ30から送信されるステータス情報(図5参照)等を受信し得る。このステータス情報の詳細については後述する。
そして、操作部18は、上述したように、ユーザによる各種操作に用いられる。上述したように、操作部18は制御部11に接続されているので、制御部11は、操作部18からの操作信号を受信し得る。そして、パーソナルコンピュータ10は、当該操作信号に基づいて、ユーザにより行われた操作に応じた制御を実現し得る。
音声制御回路19は、公知の音声合成エンジンを含んで構成されている。音声合成エンジンは、例えば、入力された文字情報を認識し、その認識結果に基づいて、音声合成を行うことにより、入力された文字情報に対応する音声出力を行う内部ドライバである。そして、当該音声制御回路19は、スピーカ20とも接続されている。従って、パーソナルコンピュータ10は、ROM13に格納されている制御プログラムに従って、当該音声制御回路19を介して、スピーカ20からの音声出力の態様を制御し得る。即ち、当該パーソナルコンピュータ10は、後述する音声読み上げ処理プログラム、音声再生処理プログラムに従って、音声出力することができる。
次に、第1実施形態に係る印刷システム1を構成するプリンタ30の基本的構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図3は、主としてプリンタの制御系を示すブロック図である。
図3に示すように、プリンタ30は、印刷制御部31を有している。印刷制御部31は、プリンタ30全体に関する制御の中枢を担う。当該印刷制御部31は、CPU、ROM、RAM等により構成される。そして、印刷制御部31は、印刷制御部31のCPUにより、後述するプリンタ制御処理プログラム(図4参照)を実行することにより、印刷データの印刷等の各種制御を行う。プリンタ制御処理プログラムは、印刷制御部31のROMに格納されている。尚、後述するように、プリンタ制御処理プログラムを実行することで、印刷制御部31は、ステータス情報をパーソナルコンピュータ10に送信し得る。図5に示すように、当該ステータス情報は、プリンタ30の状態(例えば、「紙詰まり」等)を示すステータスコードを含む。
そして、プリンタ30は、印刷機構部32を有している。当該印刷機構部32は、搬送機構や印刷ヘッドを含んで構成されている。前記搬送機構は、記録用紙を所定の搬送経路に沿って搬送する。印刷ヘッドは、所謂インクジェットヘッドである。当該印刷ヘッドは、インクカートリッジから供給されたインクを選択的に吐出することによって、記録用紙上に印刷データに基づく印刷を施す。印刷ヘッド及び搬送機構の具体的構成は、既に公知であるため、その説明を省略する。
そして、プリンタ30は、「Black」「Magenta」「Cyan」「Yellow」の4色のインクを用いて、記録用紙に対する印刷を行う。これら4色のインクは、夫々、インクカートリッジに充填されている。つまり、印刷機構部32は、4つのインクカートリッジを有している。当該インクカートリッジは、各色単位で交換可能に構成されている。
更に、印刷機構部32は、インク残量検出部33を有している。インク残量検出部33は、各インクカートリッジに充填されているインクの残量を検出する。そして、当該インク残量検出部33は、印刷制御部31に接続されている。従って、印刷制御部31は、インク残量検出部33の検出結果に基づいて、各色のインク残量を取得し得る。尚、インク残量検出部33によるインク残量の検出方式については、既に公知であるため、その説明は省略する。
そして、印刷機構部32には、用紙カセットが配設されている。この用紙カセットには、所定サイズ(例えば、「A3」「A4」「B4」「B5」等)の記録用紙が積層状態で収納されている。当該プリンタ30において、印刷に際し、記録用紙は、搬送機構によって用紙カセットから搬送される。
更に、印刷機構部32は、用紙残量検出部34を有している。用紙残量検出部34は、用紙カセット内に収納されている記録用紙の残量を検出する。そして、当該用紙残量検出部34は、印刷制御部31に接続されている。従って、印刷制御部31は、用紙残量検出部34の検出結果に基づいて、用紙カセット内に収納されている記録用紙の残量を取得し得る。尚、用紙残量検出部34による用紙残量の検出方式については、既に公知であるため、その説明を省略する。
そして、プリンタ30は、通信制御回路35を有している。当該通信制御回路35は、ローカルエリアネットワークNと接続されている。この通信制御回路35は、ローカルエリアネットワークNを介した、プリンタ30とパーソナルコンピュータ10との間におけるデータの送受信に関する制御に用いられる。つまり、通信制御回路35は、パーソナルコンピュータ10から送信された印刷データや各種信号を受信する際に用いられる。又、通信制御回路35は、ステータス情報(図5参照)等をパーソナルコンピュータ10へ送信する際に用いられる。
次に、第1実施形態に係るプリンタ30で実行されるプリンタ制御処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図4は、プリンタ制御処理プログラムのフローチャートである。
このプリンタ制御処理プログラムは、印刷システム1を構成するプリンタ30全体の制御を行うための制御プログラムである。そして、当該プリンタ制御処理プログラムは、印刷制御部31により実行される。
プリンタ30に電源が投入されると、印刷制御部31は、先ず、初期化処理を実行する(S1)。この初期化処理(S1)では、印刷制御部31は、各種記憶領域(例えば、印刷バッファ等)の初期化等を実行する。初期化処理を終了すると、印刷制御部31は、S2に処理を移行する。
S2に移行すると、印刷制御部31は、制御信号受信処理を実行する。この制御信号受信処理(S2)では、印刷制御部31は、パーソナルコンピュータ10から送信された制御信号(例えば、印刷実行信号やステータス要求信号等)を受信する。印刷実行信号は、パーソナルコンピュータ10から送信された印刷データの印刷実行を意味する信号である。当該印刷実行信号は、当該印刷データと共に、パーソナルコンピュータ10から送信される。そして、ステータス要求信号は、当該プリンタ30の状態を示すステータス情報の送信を要求する信号である。制御信号受信処理(S2)は、何らかの制御信号を受信するまで実行される。制御信号受信処理(S2)を終了すると、印刷制御部31は、S3に処理を移行する。尚、この制御信号受信処理(S2)で受信される信号には、プリンタ30における制御信号も含まれる。
S3では、印刷制御部31は、制御信号受信処理(S2)でステータス要求信号を受信したか否かを判断する。具体的には、印刷制御部31は、通信制御回路35を介して、パーソナルコンピュータ10からステータス要求信号を受信したか否かを判断する。ステータス要求信号を受信している場合(S3:YES)、印刷制御部31は、ステータス情報送信処理(S4)に移行する。一方、ステータス要求信号を受信していない場合(S3:NO)、印刷制御部31は、その他の処理(S5)に移行する。
S4においては、印刷制御部31は、ステータス情報送信処理を実行する。このステータス情報送信処理(S4)では、印刷制御部31は、当該プリンタ30の状態を示すステータス情報を生成する。そして、印刷制御部31は、生成したステータス情報を、ステータス情報を要求したパーソナルコンピュータ10に対して送信する。ステータス情報を送信した後、印刷制御部31は、S6に処理を移行する。
ここで、ステータス情報送信処理(S4)で生成されるステータス情報について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図5は、ステータス情報の内容に関する説明図である。
図5に示すように、第1実施形態に係るステータス情報は、プリンタ機種情報と、ステータスコードと、インク残量情報と、用紙残量情報と、供給元情報により構成される。プリンタ機種情報は、当該プリンタ30の製造メーカや機種等を示す情報である。例えば、「B社製プリンタ Aタイプ」を示す情報がプリンタ機種情報となる。尚、このプリンタ機種情報は、プリンタ30固有の情報であるので、印刷制御部31のROMに格納されている。
そして、ステータスコードは、当該プリンタ30の状態を5桁の数字で示すコード情報である。具体的には、ステータスコードは、「印刷可能な状態」「印刷可能であるが、インク残量が乏しい状態」等、プリンタ30の状態を示す。更に、ステータスコードは、プリンタ30が印刷不能な状態である場合に、その原因(例えば、「紙詰まり」等)を示す(図12参照)。これらステータスコードは、印刷制御部31が印刷機構部32(例えば、搬送機構等)の状態を確認することで生成される(S4)。尚、これらのステータスコードについては、既に公知であるため、その説明を省略する。
インク残量情報は、当該プリンタ30に配設されている4つのインクカートリッジのインク残量を示す情報である。従って、当該インク残量情報は、「Black」「Magenta」「Cyan」「Yellow」の4色のインク残量を示す情報により構成される。そして、当該インク残量情報は、印刷制御部31により、インク残量検出部33の検出結果に基づき生成される。
そして、用紙残量情報は、当該プリンタ30の用紙カセットに収納されている記録用紙のサイズ及び残量を示す情報である。当該用紙残量情報は、印刷制御部31により、用紙残量検出部34の検出結果等に基づき生成される。尚、記録用紙のサイズは、用紙カセットにおける用紙サイズの設定に基づいて判別される。
そして、供給元情報は、当該プリンタ30における消耗品(インクや記録用紙)の供給元メーカに関する情報である。当該供給元情報には、当該供給元メーカのホームページのアドレスが含まれている。当該供給元情報は、後述する供給元リンクボタン85をステータスウィンドウ80に表示する際に参照される。
ステータス情報送信処理(S4)では、印刷制御部31は、上述したように、印刷機構部32等の状態を検出し、検出結果に応じたステータス情報を生成する。そして、印刷制御部31は、ステータス要求信号を送信したパーソナルコンピュータ10に対して、生成したステータス情報を送信する。ステータス情報を送信した後、印刷制御部31は、S6に処理を移行する。
一方、S5においては、印刷制御部31は、その他の処理を実行する。当該その他の処理(S5)では、印刷制御部31は、制御信号受信処理(S2)で受信した制御信号に応じた処理を実行する。例えば、制御信号受信処理(S2)で印刷実行信号を受信した場合、印刷制御部31は、印刷データに基づいて、記録用紙に印刷を施す。その他の処理(S5)を終了すると、印刷制御部31は、S6に処理を移行する。
S6では、印刷制御部31は、プログラム終了信号を受信したか否かを判断する。プログラム終了信号を受信した場合(S6:YES)、印刷制御部31は、所定の終了処理を実行し、プリンタ制御処理プログラムを終了する。一方、プログラム終了信号を受信していない場合は(S6:NO)、印刷制御部31は、S2に処理を戻す。この場合、印刷制御部31は、新たな制御信号を受信するまで処理を待機し、新たに受信した制御信号に応じた処理を実行する(S3〜S5)。
次に、パーソナルコンピュータ10で実行される音声読み上げ処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図6は、第1実施形態に係る音声読み上げ処理プログラムのフローチャートである。尚、以下の説明において、パーソナルコンピュータ10には、電源が投入されており、オペレーションシステムによる制御がなされているものとする。又、当該音声読み上げ処理プログラムを実行している制御部11は、本発明における第二音声化手段に相当する。
操作部18を用いたユーザの操作に基づいて、音声読み上げ処理プログラムの実行が開始されると、CPU12は、先ず、読み上げ対象監視処理を実行する(S11)。この読み上げ対象監視処理(S11)では、CPU12は、音声読み上げの対象となるウィンドウ及びコントロールが変更されたか否かを監視する。
ここで、音声読み上げの対象となるウィンドウ及びコントロールについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図7は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイ15の表示画面の一例を示す説明図である。
ここで、パーソナルコンピュータ10には、ウィンドウシステムが採用されたオペレーティングシステムが搭載されている。そして、当該オペレーティングシステムには、ウィンドウマネージャが含まれている。ウィンドウマネージャは、ウィンドウシステムを管理するプログラムである。具体的には、ウィンドウマネージャを実行することで、パーソナルコンピュータ10は、ディスプレイ15上に表示されるウィンドウの挙動、大きさ、デザインの変更等を行う。尚、ウィンドウとは、ディスプレイ15上で、アプリケーションプログラム等に対して与えられる矩形状の表示領域である。各ウィンドウの表示内容は、夫々のウィンドウ情報に基づいて表示される。例えば、図7に示す文書作成プログラムに係るウィンドウの表示内容は、ウィンドウ情報に含まれるテキスト情報(つまり、「平成〇〇年県立〇〇高校同窓会のご案内〜」からなるテキスト情報)に基づいて表示される。これにより、当該パーソナルコンピュータ10は、図7に示すように、ユーザの操作に基づいて、ディスプレイ15に複数のウィンドウを表示することができる。
そして、図7に示すように、ディスプレイ15には、アクティブウィンドウ50と、非アクティブウィンドウ55が表示される。アクティブウィンドウ50とは、複数枚のウィンドウが開いているときに、現在使用されているウィンドウをいう。図7の場合、印刷ウィンドウがアクティブウィンドウ50に該当する。アクティブウィンドウ50では、ユーザによる指示入力が可能であり、通常、マウスのポインタやカーソル等が表示されている。そして、非アクティブウィンドウ55とは、ウィンドウシステムにおいて、現在作業中ではないウィンドウをいう。図7では、文書作成プログラムに係るウィンドウが非アクティブウィンドウ55に該当する。アクティブウィンドウ50と、非アクティブウィンドウ55は、操作部18を用いたユーザの操作に基づいて、ウィンドウマネージャにより変更される。
そして、ウィンドウには、コントロール60が含まれ得る。このコントロール60とは、グラフィカルユーザインタフェース上の一構成要素(ウィジェット)であり、ラジオボタン等のボタン、テキストボックス、ドロップダウンリスト等が夫々一のコントロール60に該当する。図7に示す印刷ウィンドウには、印刷範囲の選択に用いられるラジオボタン等の複数のコントロール60が含まれている。
又、第1実施形態においては、現在選択され、入力可能な状態にあるコントロール60を、フォーカスコントロール65という。フォーカスコントロール65であるか否かは、操作部18を用いたユーザの操作に基づいて、オペレーティングシステムにより変更される。
つまり、読み上げ対象監視処理(S11)では、CPU12は、操作部18からの操作信号に基づいて、アクティブウィンドウ50の変更又はフォーカスコントロール65の変更の有無を監視する。CPU12は、操作部18からの操作信号に基づいて、ウィンドウ又はコントロール60に対するユーザの操作を検知すると、読み上げ対象監視処理を終了し、S12に処理を移行する。
S12に移行すると、CPU12は、ユーザの操作により、アクティブウィンドウ50が変更されたか否かを判断する。具体的には、CPU12は、操作部18からの操作信号に基づいて、アプリケーションプログラムの起動又は別のウィンドウについての選択操作がなされたか否かを判断する。アクティブウィンドウ50が変更された場合(S12:YES)、CPU12は、S13に処理を移行する。一方、アクティブウィンドウが変更されていない場合(S12:NO)、CPU12は、S14に処理を移行する。
S13においては、CPU12は、アクティブウィンドウ読み上げ処理を実行する。アクティブウィンドウ読み上げ処理(S13)では、CPU12は、先ず、アクティブウィンドウ50に係るウィンドウ情報に含まれる全てのテキスト情報を取得する。そして、CPU12は、取得したテキスト情報から発音記号と韻律情報を含む記号化言語表現(symbolic linguistic representation)を出力する。その後、CPU12は、当該記号化言語表現に基づいて、当該テキスト情報に従った音声データを出力する。アクティブウィンドウ50に係るウィンドウ情報に含まれる全てのテキスト情報を読み上げると、CPU12は、アクティブウィンドウ読み上げ処理を終了する。アクティブウィンドウ読み上げ処理を終了した後、CPU12は、S16に処理を移行する。
尚、アクティブウィンドウ読み上げ処理(S13)において、アクティブウィンドウ50に含まれる全てのテキスト情報の音声出力を開始する時点で、CPU12は、RAM14に「読み上げ実行フラグ」を格納する。そして、アクティブウィンドウ50に含まれる全てのテキスト情報の音声出力を終了した時点で、CPU12は、RAM14から「読み上げ実行フラグ」を消去する。即ち、「読み上げ実行フラグ」は、音声読み上げ処理プログラムに基づく音声出力が行われているか否かを示す。
S12の判断処理結果に基づいて移行するS14においては、CPU12は、フォーカスコントロール65が変更されたか否かを判断する。具体的は、CPU12は、操作部18からの操作信号に基づいて、新たに別のコントロール60がフォーカスコントロール65として選択されたか否かを判断する。フォーカスコントロール65が変更された場合(S14:YES)、CPU12は、S15に処理を移行する。一方、フォーカスコントロール65が変更されていない場合(S12:NO)、CPU12は、S16に処理を移行する。
S15では、CPU12は、フォーカスコントロール読み上げ処理を実行する。フォーカスコントロール読み上げ処理(S15)では、CPU12は、先ず、フォーカスコントロール65が含まれるウィンドウ情報を特定する。そして、CPU12は、当該ウィンドウ情報に含まれるフォーカスコントロール65に対応するテキスト情報を取得する。その後、CPU12は、取得したフォーカスコントロール65に係るテキスト情報を、記号化言語表現に変換して音声データとして出力する。例えば、図7に示す場合には、印刷範囲における「すべて」の語が音声出力される。フォーカスコントロール65に対応するテキスト情報を読み上げると、CPU12は、フォーカスコントロール読み上げ処理を終了する。フォーカスコントロール読み上げ処理(S15)を終了すると、CPU12は、S16に処理を移行する。
尚、フォーカスコントロール読み上げ処理(S15)において、フォーカスコントロール65に対応するテキスト情報の音声出力を開始する時点で、CPU12は、RAM14に「読み上げ実行フラグ」を格納する。そして、フォーカスコントロール65に対応するテキスト情報の音声出力を終了した時点で、CPU12は、RAM14から「読み上げ実行フラグ」を消去する。即ち、「読み上げ実行フラグ」は、音声読み上げ処理プログラムに基づく音声出力が行われているか否かを示す。
S16に移行すると、CPU12は、プログラム終了信号を受信したか否かを判断する。プログラム終了信号を受信した場合(S16:YES)、CPU12は、所定の終了処理を実行し、音声読み上げ処理プログラムを終了する。一方、プログラム終了信号を受信していない場合は(S16:NO)、CPU12は、S11に処理を戻す。この場合、CPU12は、再度、読み上げ対象監視処理(S11)を実行する。
従って、パーソナルコンピュータ10においては、音声読み上げ処理プログラムが終了されるまで、ユーザの操作等に応じて、アクティブウィンドウ50、フォーカスコントロール65の内容が読み上げられる。
次に、パーソナルコンピュータ10で実行される音声再生処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図8は、第1実施形態に係る音声再生処理プログラムのフローチャートである。尚、当該音声再生処理プログラムを実行している制御部11は、本発明における第一音声化手段に相当する。
音声再生処理プログラムの実行を開始すると、CPU12は、先ず、初期化処理を実行する(S21)。この初期化処理(S21)では、CPU12は、音声制御回路19、スピーカ20等の初期化を行う。初期化処理(S21)を終了すると、CPU12は、S22に処理を移行する。
S22に移行すると、CPU12は、制御コマンド受信処理を実行する。この制御コマンド受信処理(S22)においては、CPU12は、音声制御回路19に対する制御コマンドの入力を受け付ける。CPU12は、音声制御回路19に対する制御コマンドの入力を検出するまで、制御コマンド受信処理を実行する。音声制御回路19に対する制御コマンドの入力があった場合、制御コマンド受信処理を終了し、CPU12は、S23に処理を移行する。
S23では、CPU12は、制御コマンド受信処理(S22)において、音声制御回路19に対する音声再生開始コマンドの入力があったか否かを判断する。音声再生開始コマンドは、音声合成エンジンによる音声出力の対象となる文字情報に基づく音声出力の開始を指示する制御コマンドである。この音声再生開始コマンドは、後述する音声再生開始コマンド送信処理(S43等)により、上記文字情報(例えば、メイン音声用ステータステキスト情報等)と共に、音声制御回路19に入力される。音声再生開始コマンドの入力があった場合(S23:YES)、CPU12は、音声再生処理(S25)に移行する。一方、音声再生開始コマンドの入力ではない場合(S23:NO)、CPU12は、S24に処理を移行する。
S24においては、CPU12は、制御コマンド受信処理(S22)において、音声制御回路19に対する音声再生停止コマンドの入力があったか否かを判断する。音声再生停止コマンドは、音声再生開始コマンドに基づき実行されている上記文字情報に基づく音声出力の停止を指示する制御コマンドである。この音声再生停止コマンドは、後述する音声再生停止コマンド送信処理(S46)により、音声制御回路19に入力される。音声再生停止コマンドの入力があった場合(S24:YES)、CPU12は、音声再生停止処理(S26)に移行する。一方、音声再生停止コマンドの入力ではない場合(S24:NO)、CPU12は、その他の処理(S27)に移行する。
音声再生処理(S25)に移行すると、CPU12は、音声再生開始コマンドとともに入力された文字情報(例えば、メイン音声用ステータステキスト情報)を、音声合成エンジンに入力し、当該文字情報に基づく音声を、スピーカ20から出力する。文字情報に基づく音声出力を開始すると、CPU12は、S28に処理を移行する。従って、メイン音声用ステータステキスト情報が入力された場合、当該印刷システム1は、音声再生処理プログラムに基づいて、メイン音声用ステータステキスト情報に従った音声を出力する。この結果、当該印刷システム1は、メイン音声用ステータステキスト情報に基づく表現により、ユーザに対して、プリンタ30の状態を報知し得る。
そして、音声再生停止処理(S26)では、CPU12は、音声再生処理プログラムに基づいて、現在実行されている音声出力を停止する。例えば、メイン音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力の実行中に、音声再生停止処理(S26)を実行すると、印刷システム1は、その音声出力の途中であっても、メイン音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力を停止する。実行中の音声出力を停止した後、CPU12は、S28に処理を移行する。
S27においては、CPU12は、その他の処理を実行する。具体的に、その他の処理(S27)では、CPU12は、制御コマンド受信処理(S22)で入力された制御コマンド(音声再生開始コマンド、音声再生停止コマンドを除く)に応じた処理を実行する。例えば、複数種類の音声合成エンジンを有する場合、当該その他の処理(S27)において、CPU12は、入力された制御コマンドに応じて、一の音声合成エンジンを選択する処理を実行する。その他の処理(S27)を終了すると、CPU12は、S28に処理を移行する。
S28では、CPU12は、プログラム終了信号を受信したか否かを判断する。プログラム終了信号を受信した場合(S28:YES)、CPU12は、所定の終了処理を実行し、音声再生処理プログラムを終了する。一方、プログラム終了信号を受信していない場合は(S28:NO)、CPU12は、S22に処理を戻す。この場合、CPU12は、再度、制御コマンド受信処理(S22)を実行する。
従って、パーソナルコンピュータ10においては、音声再生処理プログラムが終了されるまで、制御コマンドに応じて、メイン音声用ステータステキスト等の文字情報に基づく音声出力が行われる。
続いて、パーソナルコンピュータ10のディスプレイ15に表示されるステータスウィンドウ80について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図9は、ステータスウィンドウ80に係るステータスウィンドウ情報の説明図である。図10は、ステータスウィンドウ80の一表示例を示す説明図である。
ステータスウィンドウ80は、ステータスウィンドウ情報(図9参照)に基づいて、ディスプレイ15上に一のウィンドウとして表示される。図10に示すように、ステータスウィンドウ80は、プリンタ機種名テキスト81と、ステータステキスト82と、インク残量グラフ画像83、用紙残量グラフ画像84、供給元リンクボタン85を含んでいる。そして、当該ステータスウィンドウ情報は、印刷システム1を構成するプリンタ30から取得したステータス情報に基づいて生成される。図9に示すように、ステータスウィンドウ情報は、プリンタ機種情報、表示用ステータステキスト情報、インク残量ステータス画像情報、用紙残量ステータス画像情報、供給元情報を含んで構成されている。
プリンタ機種名テキスト81は、プリンタ30の機種名等(例えば、プリンタ30の製造メーカや機種等)の情報をテキスト表示したものである。図5に示すように、当該プリンタ機種情報は、ステータス情報に含まれており、プリンタ30から送信される(S4)。ステータス情報を取得すると、当該プリンタ機種情報は、ステータスウィンドウ情報に文字情報として追加される(図9参照)。そして、当該プリンタ機種名テキスト81は、ステータスウィンドウ情報に追加されたプリンタ機種情報に基づいて表示される(図10参照)。例えば、「B社製プリンタ Aタイプ」のプリンタ30から、ステータス情報が送信されると、ステータスウィンドウ80には、「B社製プリンタ Aタイプ」の文字表示がプリンタ機種名テキスト81として表示される。
ステータステキスト82は、プリンタ30の状態を示す情報をテキスト表示したものである。ここで、ステータス情報には、ステータスコードが含まれている(図5参照)。ステータス情報を取得すると、ステータスコードに対応する表示用ステータステキスト情報がステータスウィンドウ情報に追加される(S35、図9参照)。そして、当該ステータステキスト82は、ステータスウィンドウ情報に文字情報として含まれる表示用ステータステキスト情報に基づいて表示される。例えば、プリンタ30が印刷可能な状態である場合に、プリンタ30からステータス情報(ステータスコード)が送信されると、ステータスウィンドウ80には、「印刷できます」の文字表示がステータステキスト82として表示される(図13参照)。
インク残量グラフ画像83は、プリンタ30に配設されたインクタンクのインク残量を示す情報を画像表示したものである。当該インク残量グラフ画像83は、4色のインクの残量を柱状グラフにより示している。ここで、インク残量情報は、プリンタ30から送信されるステータス情報に含まれる(図5参照)。ステータス情報を取得すると、インク残量情報に基づくインク残量ステータス画像情報がステータスウィンドウ情報に追加される(図9参照)。当該インク残量グラフ画像83は、インク残量ステータス画像情報に基づいて表示される(図10参照)。尚、インク残量グラフ画像83は、例えば、インク残量用のグラフパターン画像とインク残量情報に基づくインク残量に基づいて作成される。このインク残量用のグラフパターン画像は、例えば、ステータス報知処理プログラムと共にROM13に記憶されている。そして、作成されたインク残量グラフ画像83が、ステータスウィンドウ80内に表示される。
そして、用紙残量グラフ画像84は、プリンタ30の用紙カセット内に収納されている記録用紙の残量を示す情報を画像表示したものである。当該用紙残量グラフ画像84は、用紙カセット内に収納された記録用紙の残量を段階的にグラフ化した画像により示している。ここで、用紙残量情報は、プリンタ30から送信されるステータス情報に含まれる(図5参照)。ステータス情報を取得すると、用紙残量情報に基づく用紙残量ステータス画像情報がステータスウィンドウ情報に追加される(図9参照)。当該用紙残量グラフ画像84は、用紙残量ステータス画像情報に基づいて表示される(図10参照)。尚、用紙残量グラフ画像84は、例えば、用紙残量用のグラフパターン画像と用紙残量情報に基づく用紙残量に基づいて作成される。この用紙残量用のグラフパターン画像は、ステータス報知処理プログラムと共にROM13に記憶されている。そして、作成された用紙残量グラフ画像84が、ステータスウィンドウ80内に表示される。
そして、供給元リンクボタン85は、当該プリンタ30の消耗品(例えば、インクカートリッジや記録用紙)に関し、メーカ純正品を供給するメーカのインターネットサイトへのリンクが貼られているボタンである。従って、当該供給元リンクボタン85に対する操作が行われると、パーソナルコンピュータ10は、インターネットブラウザを起動し、当該メーカのインターネットサイトを表示する。ここで、供給元情報は、プリンタ30から送信されるステータス情報に含まれる(図5参照)。ステータス情報を取得すると、供給元情報がステータスウィンドウ情報に追加される(図9参照)。当該供給元リンクボタン85は供給元情報に基づいて表示される(図10参照)。
次に、パーソナルコンピュータ10で実行されるステータス報知処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図11は、ステータス報知処理プログラムのフローチャートである。尚、以下の説明において、ディスプレイ15には、上述したステータスウィンドウ80が表示されているものとする。そして、第1実施形態に係るステータスウィンドウ80の表示は、ユーザの表示指示操作や、プリンタ30におけるエラー(例えば、「紙詰まり」等)の発生に連動して行われる。
ステータス報知処理プログラムの実行が開始されると、CPU12は、先ず、「音声出力設定」に関する変更操作が実行されたか否かを判断する(S31)。具体的には、CPU12は、操作部18からの操作信号に基づいて、ユーザによる「音声出力設定」に関する変更操作が行われたか否かを判断する。変更操作が行われた場合(S31:YES)、CPU12は、S32に処理を移行する。一方、変更操作が行われていない場合(S31:NO)、CPU12は、S33に処理を移行する。
S32に移行すると、CPU12は、音声出力設定変更処理を実行する。この音声出力設定変更処理(S32)においては、CPU12は、音声再生処理プログラム(図8参照)に基づく音声出力の有無に関するユーザの設定を受け付ける。即ち、この音声出力設定変更処理(S32)では、ユーザは、「音声出力設定:ON」と、「音声出力設定:OFF」の何れかを任意に設定し得る。ユーザの選択操作に基づいて、CPU12は、選択された設定(「音声出力設定:ON」、「音声出力設定:OFF」の何れか)に関する情報をRAM14に格納する。その後、CPU12は、音声出力設定変更処理(S32)を終了し、S33に処理を移行する。
S33に移行すると、CPU12は、ステータス情報取得処理を実行する。このステータス情報取得処理(S33)では、CPU12は、先ず、ステータス要求信号をプリンタ30に対して送信する。上述したように、当該ステータス要求信号を受信すると、プリンタ30は、当該プリンタ30の現在の状況を示すステータス情報(図5参照)を当該パーソナルコンピュータ10に対して送信する(S4)。プリンタ30からのステータス情報を受信すると、CPU12は、当該ステータス情報をRAM14に格納する。その後、CPU12は、ステータス情報取得処理(S33)を終了し、S34に処理を移行する。
S34に移行すると、CPU12は、プリンタ30のステータスが変化したか否かを判断する。具体的には、CPU12は、RAM14に格納されたステータス情報を参照し、S34の判断処理を実行する。この場合、新たなステータス情報を取得してRAM14に記憶する際には、前回取得してRAM14に記憶されているステータス情報をすぐには削除せずに、ステータスの変化を判断してから、前回のステータス情報を削除すればよい。プリンタ30のステータスが変化した場合(S34:YES)、CPU12は、S35に処理を移行する。一方、プリンタ30のステータスが変化していない場合(S34:NO)、CPU12は、S38に処理を移行する。
S35に移行すると、CPU12は、ステータス表示処理を実行する。このステータス表示処理(S35)では、CPU12は、先ず、S33において取得され、RAM14に格納されているステータス情報を参照する。そして、CPU12は、ステータスウィンドウ情報に含まれている各種情報を、新たに取得したステータス情報に基づく内容に更新する。例えば、インク残量情報、用紙残量情報が変化している場合、CPU12は、最新のインク残量情報に基づくインク残量ステータス画像情報、最新の用紙残量情報に基づく用紙残量ステータス画像情報に更新する。又、ステータスコードが変化している場合、CPU12は、ステータスデータベース21を参照し、最新のステータスコードに対応する表示用ステータステキスト情報に更新する(図12参照)。その後、CPU12は、更新されたステータスウィンドウ情報に基づいて、ステータスウィンドウ80をディスプレイ15に表示する(図13参照)。これにより、ステータスウィンドウ80には、最新のプリンタ30の状態が表示される。ステータス表示処理(S35)を終了すると、CPU12は、S36に処理を移行する。なお、ステータスウィンドウ情報に含まれる各種情報をステータスウィンドウ80内のどの位置に表示するかは、予め、ステータス報知処理プログラムにおいて規定されている。また、S35の処理において、ステータスウィンドウ80の表示が更新されたとしても、ユーザが他のプログラムを起動し、ディスプレイ15に表示させて作業を行っている場合には、ステータスウィンドウ80は非アクティブウィンドウ55である。つまり、必ずしもS35の処理後にステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50になっているとは限らない。
S36においては、CPU12は、RAM14を参照し、「音声出力設定:ON」が設定されているか否かを判断する。「音声出力設定:ON」が設定されている場合(S36:YES)、CPU12は、音声出力制御処理(S37)に移行する。一方、「音声出力設定:OFF」が設定されている場合(S36:NO)、CPU12は、S38に処理を移行する。この場合、印刷システム1は、音声再生処理プログラムに基づく音声により、プリンタ30の状態を報知することはない。
S37に移行すると、CPU12は、音声出力制御処理を実行する。この音声出力制御処理(S37)では、後述する音声出力制御処理プログラムに基づく処理が行われる。具体的には、CPU12は、パーソナルコンピュータ10の音声出力の状況に応じて、音声再生処理プログラム(図8参照)に基づく音声出力を制御する。この点、音声出力制御処理プログラムについては、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。従って、音声出力制御処理(S37)に関する詳細な説明は省略する。音声出力制御処理(S37)を終了すると、CPU12は、S38に処理を移行する。
S38では、CPU12は、プログラム終了信号を受信したか否かを判断する。プログラム終了信号を受信した場合(S38:YES)、CPU12は、所定の終了処理を実行し、ステータス報知処理プログラムを終了する。一方、プログラム終了信号を受信していない場合は(S38:NO)、CPU12は、S33に処理を戻す。この場合、CPU12は、再度、プリンタ30からステータス情報を取得する(S33)。従って、当該パーソナルコンピュータ10は、プリンタ30の状態が変化したことを条件に、ステータスウィンドウ80の表示更新、音声出力を実行する(S35〜S37)。これにより、ユーザは、ステータスウィンドウ80の表示及び音声出力により、最新のプリンタ30の状態を把握し得る。
続いて、S37で実行される音声出力制御処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図14は、音声出力制御処理プログラムのフローチャートである。音声出力制御処理プログラムの実行が開始されると、CPU12は、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された直後であるか否かを判断する(S41)。
ここで、上述したように、音声読み上げ処理プログラム(図6参照)によれば、アクティブウィンドウ50が変更されると(S12:YES)、CPU12は、変更されたアクティブウィンドウ50に係るウィンドウ情報に含まれる文字情報を音声出力する。つまり、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された直後である場合とは、音声読み上げ処理プログラムにより、ステータスウィンドウ情報に含まれる文字情報の音声出力が開始された直後を指す。
即ち、このS41では、CPU12は、音声読み上げ処理プログラムによって、ステータスウィンドウ情報に基づく音声出力が開始された直後であるか否かを判断する。ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された直後である場合(S41:YES)、CPU12は、そのまま音声出力制御処理プログラムを終了する。一方、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された直後ではない場合(S41:NO)、CPU12は、S42に処理を移行する。
尚、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された直後である場合(S41:YES)、ステータスウィンドウ80に示された内容は、音声再生処理プログラム(図8参照)によって音声化されることはない。しかしながら、ステータスウィンドウ80に示された内容は、音声読み上げ処理プログラム(図6参照)により音声化される。従って、ユーザは、音声読み上げ処理プログラムに基づく音声出力により、プリンタ30の状態を把握し得る。一方、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更されていない場合は、ステータスウィンドウ80の内容に変更があったとしても、音声読み上げ処理プログラムに基づく音声出力は行われない。
そのため、S42に移行すると、CPU12は、は音声用ステータステキスト取得処理を実行する。この音声用ステータステキスト取得処理(S42)では、CPU12は、先ず、RAM14に格納されているステータスコードを参照する。そして、CPU12は、当該ステータスコードに対応する音声用ステータステキスト情報(例えば、メイン音声用ステータステキスト)をステータスデータベース21から取得する。取得した音声用ステータステキスト情報をRAM14に格納した後、CPU12は、音声用ステータステキスト取得処理を終了する。音声用ステータステキスト取得処理を終了すると、CPU12は、S43に処理を移行する。
例えば、ステータスコード「41000」がRAM14に格納されている場合、CPU12は、ステータスデータベース21から、「記録紙がありません。記録紙をセットしてください」から成るメイン音声用ステータステキスト情報を取得する。尚、このとき、「記録紙をセットしてください」からなるサブ音声用ステータステキスト情報を取得するように構成することも可能である。
S43に移行すると、CPU12は、音声再生開始コマンド送信処理を実行する。具体的には、音声再生開始コマンド送信処理(S43)においては、CPU12は、取得した音声用ステータステキスト情報と共に、音声再生開始コマンドを音声制御回路19に入力する。音声用ステータステキスト情報、音声再生開始コマンドを音声制御回路19に入力した後、CPU12は、音声再生開始コマンド送信処理を終了し、S44に処理を移行する。
この音声再生開始コマンド送信処理(S43)により、音声用ステータステキスト情報及び音声再生開始コマンドを音声制御回路19に入力すると、当該印刷システム1では、音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力が開始される(S25)。つまり、ステータスウィンドウ80に表示されているプリンタ30の状態を示す音声が出力される。これにより、ユーザは、音声再生処理プログラムに基づく音声により、プリンタ30の状態を把握し得る。
S44においては、CPU12は、音声再生処理プログラムに基づく音声出力が実行中であるか否かを判断する。音声再生処理プログラムに基づく音声出力が実行中である場合(S44:YES)、CPU12は、S45に処理を移行する。一方、音声再生処理プログラムに基づく音声出力が実行中でない場合(S44:NO)、CPU12は、音声出力制御処理プログラムを終了する。この「音声再生処理プログラムに基づく音声出力が実行中でない場合(S44:NO)」とは、「音声再生処理プログラムに基づく音声出力を完了している場合」を指す。
S45では、CPU12は、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更されたか否かを判断する。即ち、S44、S45の判断処理では、CPU12は、「音声再生処理プログラムに基づく音声出力が実行中(S44:YES)」に、「ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更されたか否か(S45)」を判断する。ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された場合(S45:YES)、CPU12は、S46に処理を移行する。一方、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更されていない場合(S45:NO)、CPU12は、音声出力制御処理プログラムを終了する。
S46においては、CPU12は、音声再生停止コマンド送信処理を実行する。この音声再生停止コマンド送信処理(S46)では、CPU12は、音声制御回路19に対して、音声再生停止コマンドを入力することで、音声再生開始コマンド送信処理(S43)により開始された音声出力を停止する。音声再生停止コマンドを音声制御回路19に入力した後、CPU12は、音声出力制御処理プログラムを終了する。
上述したように、音声読み上げ処理プログラム(図6参照)によれば、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更されると(S12:YES)、CPU12は、変更されたアクティブウィンドウ50に係るウィンドウ情報に含まれる文字情報を音声出力する。つまり、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された直後である場合とは、音声読み上げ処理プログラムにより、ステータスウィンドウ情報に含まれる文字情報の音声出力が開始される、もしくは開始されている状態である。
従って、このS46に移行する場合とは、音声再生処理プログラムによって、音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力がなされている途中で、音声読み上げ処理プログラムに基づく音声出力が開始される場合を意味する。この場合に、当該印刷システム1は、音声制御回路19に音声再生停止コマンドを入力し、音声再生処理プログラムに基づく音声出力を停止する。この結果、音声読み上げ処理プログラムに基づく音声出力は、音声再生処理プログラムの音声出力と重複することなく、スピーカ20から出力される。即ち、当該印刷システム1は、音声読み上げ処理プログラムに基づく音声出力と、音声再生処理プログラムの音声出力の重複により、出力内容の把握が困難になることを防止し得る。従って、ユーザは、音声読み上げ処理プログラムに基づく音声により、プリンタ30の状態を確実に把握することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、プリンタ30のステータス情報を取得すると(S4、S33)、当該ステータス情報に含まれるステータスコードに対応する音声用ステータステキスト情報をステータスデータベース21(図12参照)から取得する(S42)。そして、当該音声用ステータステキスト情報を音声制御回路19に入力することで(S43)、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、プリンタ30の状態を音声により報知し得る(S25)。これにより、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声用ステータステキスト情報に基づいて、プリンタ30の状態に応じた適切な内容を、音声によりユーザに報知し得る。この結果、ユーザは、音声によってプリンタ30の状態を的確に把握することができるので、プリンタ30の状態に応じた適切な措置をとり得る。
又、印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、ステータス情報を取得すると、当該ステータス情報に基づくステータスウィンドウ情報を生成する。そして、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、当該ステータスウィンドウ情報に基づいて、ステータスウィンドウ80をディスプレイ15に表示する。当該ステータスウィンドウ80には、ステータステキスト82が、ステータスコードに対応する表示用ステータステキスト情報に基づいて表示される。従って、印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声用ステータステキスト情報に基づく音声と、表示用ステータステキスト情報に基づく表示により、プリンタ30の状態をユーザに報知し得る。これにより、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、ユーザの視覚及び聴覚を介して、プリンタ30の状態を報知するので、より確実にプリンタ30の状態をユーザに報知し得る。
更に、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、操作部18によるユーザの操作に基づいて、ウィンドウ情報に含まれる文字情報を音声出力し得る(図6参照)。そして、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声読み上げ処理プログラムによる音声化が実行中である場合(S41:YES)、音声再生処理プログラムによる音声化を停止する(S46)。これにより、音声読み上げ処理プログラムによる音声と、音声再生処理プログラムによる音声が重複することを防止することができる。この結果、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声によって確実に、ユーザにプリンタ30の状態を報知し得る。
又、音声再生処理プログラムによる音声が出力されている状態で(S44:YES)、ユーザの操作に基づき音声読み上げ処理プログラムによる音声出力が開始された場合(S45:YES)、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声再生処理プログラムによる音声出力を停止する(S46)。この結果、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声再生処理プログラムによる音声と、音声読み上げ処理プログラムによる音声とが重複する期間を最小限にし得る。従って、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声の重複を防止することで、確実に、ユーザにプリンタ30の状態を音声によって報知し得る。
更に、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、前記音声再生プログラムによる音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力の有無を設定し得る(S31、S32、S36)。これにより、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、「ユーザ所望の使用態様に応じた設定を行うことができる」という利益をユーザに提供し得る。
又、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、ステータス情報として、ステータスコードを取得する(S4、S33)。図12に示すように、ステータスコードは、「紙詰まり」や「インク切れ」等、プリンタ30での印刷実行に関する障害が生じている状態を示す。そして、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、当該ステータスコードに対応する表示用ステータステキスト情報に基づく表示及び音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力等を行う。従って、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、プリンタ30に印刷実行に関する障害が生じていることを、迅速かつ正確に伝達することができる。
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態とは異なる実施形態(第2実施形態)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。この第2実施形態においては、印刷システム1の基本的構成は同じである。又、プリンタ30におけるプリンタ制御処理プログラム(図4参照)、パーソナルコンピュータ10における音声読み上げ処理プログラム(図6参照)、音声再生処理プログラム(図8参照)も、同一内容の制御プログラムである。そして、第2実施形態におけるステータス報知処理プログラムは、その基本的な制御処理は同様である(図11参照)。従って、これらについての説明は省略する。
しかしながら、第2実施形態においては、音声出力制御処理(S37)の内容が第1実施形態と相違する。即ち、音声出力制御処理プログラムが、第1実施形態に係る音声出力制御処理プログラム(図14参照)と相違する。従って、第2実施形態においては、音声出力制御処理(S37)の内容について、詳細に説明する。
第2実施形態に係る印刷システム1のパーソナルコンピュータ10において、CPU12により実行される音声出力制御処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図15は、第2実施形態に係る音声出力制御処理プログラムのフローチャートである。
第2実施形態において、ステータス報知処理プログラムを実行し、音声出力制御処理(S37)に移行すると、CPU12は、第2実施形態に係る音声出力制御処理プログラムを実行する。第2実施形態に係る音声出力制御処理プログラムの実行を開始すると、CPU12は、先ず、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された直後であるか否かを判断する(S51)。このS51の判断処理は、第1実施形態におけるS41の判断処理と同様の処理である。従って、S51の判断処理に関する詳細な説明は省略する。ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された直後である場合(S51:YES)、CPU12は、S52に処理を移行する。一方、ステータスウィンドウ80がアクティブウィンドウ50に変更された直後ではない場合(S51:NO)、CPU12は、S53に処理を移行する。
S52に移行すると、CPU12は、「読み上げ実行フラグ」がRAM14に格納されているか否かを判断する。具体的には、CPU12は、RAM14を参照することで、「読み上げ実行フラグ」の有無を判断する。「読み上げ実行フラグ」がRAM14に存在する場合(S52:YES)、CPU12は、S52に処理を戻す。一方、「読み上げ実行フラグ」がRAM14に存在しない場合(S52:NO)、CPU12は、S53に処理を移行する。
上述したように、「読み上げ実行フラグ」は、音声読み上げ処理プログラムによる音声出力が実行されている場合にのみRAM14に格納される(S13、S15)。つまり、S52では、CPU12は、音声読み上げ処理プログラムによるステータスウィンドウ情報に基づく音声出力が終了するまで、その後の処理(S54、S55)を待機する。
S53に移行すると、CPU12は、音声用ステータステキスト取得処理を実行する。この音声用ステータステキスト取得処理(S53)では、CPU12は、先ず、RAM14に格納されているステータスコードを参照する。そして、CPU12は、当該ステータスコードに対応するメイン音声用ステータステキスト情報をステータスデータベース21から取得する。取得したメイン音声用ステータステキスト情報をRAM14に格納した後、CPU12は、音声用ステータステキスト取得処理(S53)を終了する。音声用ステータステキスト取得処理(S53)を終了すると、CPU12は、S55に処理を移行する。
音声読み上げ処理プログラムによるステータスウィンドウ情報に基づく音声出力の終了後に実行されるS54では、CPU12は、音声用ステータステキスト取得処理を実行する。この音声用ステータステキスト取得処理(S54)では、CPU12は、上述のS53と異なり、ステータスコードに対応するサブ音声用ステータステキスト情報をステータスデータベース21から取得する。取得したサブ音声用ステータステキスト情報をRAM14に格納した後、CPU12は、音声用ステータステキスト取得処理(S54)を終了する。音声用ステータステキスト取得処理(S54)を終了すると、CPU12は、S55に処理を移行する。
S55に移行すると、CPU12は、音声再生開始コマンド送信処理を実行する。具体的には、音声再生開始コマンド送信処理(S55)においては、CPU12は、取得した音声用ステータステキスト情報と共に、音声再生開始コマンドを音声制御回路19に入力する。即ち、S53から移行した場合、CPU12は、メイン音声用ステータステキスト情報と共に音声再生開始コマンドを音声制御回路19に入力する。一方、S54から移行した場合、CPU12は、サブ音声用ステータステキスト情報と共に音声再生開始コマンドを音声制御回路19に入力する。音声用ステータステキスト情報、音声再生開始コマンドを音声制御回路19に入力した後、CPU12は、音声再生開始コマンド送信処理を終了し、第2実施形態に係る音声出力制御処理プログラムを終了する。
従って、S53から移行した場合、メイン音声用ステータステキスト情報及び音声再生開始コマンドを音声制御回路19に入力すると(S43)、当該印刷システム1では、メイン音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力が開始される。つまり、ステータスウィンドウ80に表示されているプリンタ30の状態を示す音声が出力される。これにより、ユーザは、音声再生処理プログラムに基づく音声により、プリンタ30の状態を把握し得る。
そして、S54から移行した場合、サブ音声用ステータステキスト情報及び音声再生開始コマンドを音声制御回路19に入力すると(S43)、当該印刷システム1では、サブ音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力が開始される。つまり、サブ音声用ステータステキスト情報に基づく音声によって、ステータスウィンドウ80に表示されているプリンタ30の状態が報知される。
例えば、ステータスコード「41000」がRAM14に格納されている場合、ユーザは、「記録紙がありません。記録紙をセットしてください」という音声により、「記録用紙がなくなった」というプリンタ30の状態を把握し得る。
このとき、図12に示すように、表示用ステータステキスト情報、メイン音声用ステータステキスト情報、サブ音声用ステータステキスト情報は、同一のステータスコードに対応しているが、ステータスコードに対応するプリンタ30の状態の表現が相違し得る。従って、後に実行される音声再生処理プログラムによる音声表現は、先に実行される音声読み上げ処理プログラムによる音声表現と異なる表現となり得る。即ち、当該印刷システム1は、ステータスコードに係るプリンタ30の状態を異なる表現態様で2度報知するので、効果的且つ確実に、プリンタ30の状態をユーザに報知し得る。
上記例と同様に、ステータスコード「41000」がRAM14に格納されている場合、音声読み上げ処理プログラムによる音声により、「記録用紙がなくなった」というプリンタ30の状態を把握し、更に、「記録紙をセットしてください」という音声により、「記録用紙がなくなった」というプリンタ30の状態とその解消措置を把握し得る。
以上説明したように、第2実施形態に係る印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、プリンタ30のステータス情報を取得すると(S4、S33)、当該ステータス情報に含まれるステータスコードに対応する音声用ステータステキスト情報をステータスデータベース21(図12参照)から取得する(S53、S54)。そして、当該音声用ステータステキスト情報を音声制御回路19に入力することで(S55)、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、プリンタ30の状態を音声により報知し得る(S25)。これにより、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声用ステータステキスト情報に基づいて、プリンタ30の状態に応じた適切な内容を、音声によりユーザに報知し得る。この結果、ユーザは、音声によってプリンタ30の状態を的確に把握することができるので、プリンタ30の状態に応じた適切な措置をとり得る。
又、印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、ステータス情報を取得すると、当該ステータス情報に基づくステータスウィンドウ情報を生成する。そして、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、当該ステータスウィンドウ情報に基づいて、ステータスウィンドウ80をディスプレイ15に表示する。当該ステータスウィンドウ80には、ステータステキスト82が、ステータスコードに対応する表示用ステータステキスト情報に基づいて表示される。従って、印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声用ステータステキスト情報に基づく音声と、表示用ステータステキスト情報に基づく表示により、プリンタ30の状態をユーザに報知し得る。これにより、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、ユーザの視覚及び聴覚を介して、プリンタ30の状態を報知するので、より確実にプリンタ30の状態をユーザに報知し得る。
更に、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、操作部18によるユーザの操作に基づいて、音声読み上げ処理プログラムを作動させる。具体的には、ディスプレイ15に表示されているウィンドウをアクティブウィンドウ50にする操作を行うことにより、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声読み上げ処理プログラムを作動させる。これにより、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、ウィンドウ情報に含まれる文字情報(アクティブウィンドウ50に表示されている文字情報)を音声出力し得る(図6参照)。そして、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声読み上げ処理プログラムによる音声化が実行中である場合(S51:YES)、音声再生処理プログラムによる音声化を遅延させる(S52)。音声再生処理プログラムによる音声出力は、音声読み上げ処理プログラムによる音声出力が終了するまで遅延する。これにより、ユーザは、音声読み上げ処理プログラムによる音声を聞き逃したとしても、音声再生処理プログラムによる音声を聞き取ることができる。従って、当当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、印刷装置の状態を、より確実にユーザに報知し得る。又、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声読み上げ処理プログラムによる音声と、音声再生処理プログラムによる音声が重複することを防止することができる。この結果、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声によって確実に、ユーザにプリンタ30の状態を報知し得る。
そして、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声読み上げ処理プログラムによる音声化が完了した場合に(S52:NO)、ステータスデータベース21から、ステータスコードに対応するサブ音声用ステータステキスト情報を取得する(S54)。そして、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、サブ音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力を行う(S25、S55)。ここで、サブ音声用ステータステキスト情報に基づく音声は、音声読み上げ処理プログラムで音声出力された内容と異なる表現となる(図12参照)。従って、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声再生処理プログラムによる音声に基づく報知内容と、音声読み上げ処理プログラムによる音声に基づく報知内容を、効果的にユーザに伝達することができる。即ち、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、音声により、効果的かつ確実にプリンタ30の状態をユーザに報知しうる。
更に、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、前記音声再生プログラムによる音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力の有無を設定し得る(S31、S32、S36)。これにより、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、「ユーザ所望の使用態様に応じた設定を行うことができる」という利益をユーザに提供し得る。
又、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、ステータス情報として、ステータスコードを取得する(S4、S33)。図12に示すように、ステータスコードは、「紙詰まり」や「インク切れ」等、プリンタ30での印刷実行に関する障害が生じている状態を示す。そして、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、当該ステータスコードに対応する表示用ステータステキスト情報に基づく表示及び音声用ステータステキスト情報に基づく音声出力等を行う。従って、当該印刷システム1及び印刷システムの制御プログラムは、プリンタ30に印刷実行に関する障害が生じていることを、迅速かつ正確に伝達することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上述した第1実施形態及び第2実施形態においては、印刷システム1が一のステータスデータベース21を備えるように構成していたが、この態様に限定するものではない。つまり、印刷システム1が複数のステータスデータベース21を備えるように構成することも可能である。例えば、ステータスコードと表示用ステータステキスト情報を対応付けた第1ステータスデータベースと、ステータスコードと、メイン音声用ステータステキスト情報、サブ音声用ステータステキスト情報とを対応付けた第2ステータスデータベースの2種類を備えるように、印刷システム1を構成することも可能である。更に、上述した実施形態においては、パーソナルコンピュータ10がステータスデータベース21を備えるように構成していたが、プリンタ30がステータスデータベースを有するように構成することも可能である。
又、上記各実施形態においては、音声再生処理プログラムによる音声出力の態様(例えば、音量、音質、再生速度、モノラル・ステレオ等)と、音声読み上げ処理プログラムによる音声出力の態様については、特に言及していないが、両者の音質を相違させるように構成することも可能である。具体的には、音声再生処理プログラムによる音声出力を、「男声」による音声出力とし、音声読み上げ処理プログラムによる音声出力を、「女声」による音声出力とするように構成することも可能である。又、音声再生処理プログラムによる音声出力を、「小さな音量」で出力し、音声読み上げ処理プログラムによる音声出力を、「大きな音量」で出力することも可能である。更に、音声再生処理プログラムによる音声出力を、「モノラル」で音声出力し、音声読み上げ処理プログラムによる音声出力を、「ステレオ」で音声出力するように構成することも可能である。これらの態様によっても、ユーザは、出力された音声の音質の相違に基づいて、何れによる音声出力であるかを容易に把握し得る。
又、図12に示すように、上述した実施形態に係る印刷システムでは、程度の異なる同一の事象に関するステータスコードが取得され得る。例えば、インク残量が少なくなってきたことを示すステータスコード「10006」と、インク残量がないことを示すステータスコード「40038」がこれに相当する。このように障害の程度が異なる場合に、夫々を報知する音声の出力態様を変更するように構成してもよい。例えば、ステータスコード「10006」に基づく音声出力を、「男声」による出力とし、ステータスコード「40038」に基づく音声出力を、「女声」による出力とするように構成することも可能である。この点、ステータスコードに障害の重要度を示す情報を付加することで、容易に音声の出力態様を変更可能となる。又、上述した実施形態においては、印刷システム1と印刷システムの制御プログラムとして構成していたが、印刷情報処理装置(即ち、パーソナルコンピュータ10)及び印刷情報処理装置の制御プログラムとして構成することも可能である。
又、上述した実施形態において、S41、S45、S51の判断処理は、ステータスウィンドウ80がアクティブに変更されたか否かを判断していたが、この態様に限定するものではない。上述したように、S41、S45、S51の判断処理は、音声読み上げ処理プログラムによる音声化が開始される状態又は開始されている状態であるか否かを判断している。従って、S41、S45、S51の判断処理は、音声読み上げ処理プログラムによる音声化の状態を判断していれば、その具体的判断基準を適宜変更し得る。例えば、S41、S45、S51の判断処理の内容を、ステータスウィンドウ80内のコントロール60がフォーカスコントロール65になったか否かに関する判断に変更してもよい。又、S41、S45、S51の判断処理において、「ステータスウィンドウ80がアクティブか否か」「ステータスウィンドウ80内にフォーカスコントロール65があるか否か」の2つの条件を判断してもよい。