JP5156575B2 - 薬剤容器用積層体および薬剤容器 - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤が充填される薬剤容器を作製するための薬剤容器用積層体および薬剤容器に関する。
医療用の薬剤の中には、酸素や近紫外光によって変性、劣化するものがあるため、薬剤容器の外側を、ガスバリア機能および遮光機能等の遮蔽機能を有するアルミニウム箔等の遮蔽シートで被覆することがある。
しかしながら、遮蔽シートで被覆すると、内部の視認性が失われるため、薬剤容器中の薬剤量や混合状態を確認することが困難になった。
その対策としては、アルミニウム箔を樹脂製容器の外側に剥離可能に熱ラミネートして、薬剤を患者に投与する際に人の手でアルミニウム箔を剥離できるようにする方法が知られている。
しかしながら、アルミニウム箔を樹脂製容器の外側に剥離可能に熱ラミネートする方法では、熱ラミネートの温度および圧力の条件幅が狭く、加熱ロールの温度や圧力のばらつきによって剥離強度にばらつきが生じることがあった。そのため、熱ラミネートによって得た薬剤容器においては、遮蔽機能が必要な薬剤保管時または運搬時にアルミニウム箔が剥離したり、人の手によるアルミニウム箔の剥離が困難になったりすることがあった。
そこで、特許文献1では、アルミニウム箔を樹脂製の容器の周縁部のみに剥離可能にヒートシールする方法が提案されている。
しかしながら、アルミニウム箔を容器の周縁部のみにヒートシールすることは容易ではなかった。
特開2005−211481号公報
本発明は、保管時および運搬時には充分な接着力で接着されていると共に人の手で剥離させる際には容易に剥離する遮蔽シートを有し、しかも容易に製造できる薬剤容器用積層体および薬剤容器を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1] アルミニウム層を備える遮蔽シートと、外層、中間層および内層を備える層間剥離性シートとを有し、遮蔽シートのアルミニウム層と層間剥離性シートの外層とが接着している薬剤容器用積層体であって、
層間剥離性シートの外層は厚みが10μm以上で接着性ポリオレフィンからなり、中間層は厚みが10μm以上でポリプロピレンを70質量%以上含有し、内層は厚みが30〜280μmで環状オレフィン重合体を50質量%以上含有することを特徴とする薬剤容器用積層体。
[2] [1]に記載の薬剤容器用積層体が成形された袋体であり、前記層間剥離性シートの内層が内側に配置されていることを特徴とする薬剤容器。
本発明の薬剤容器用積層体および薬剤容器は、保管時および運搬時には充分な接着力で接着されていると共に人の手で剥離させる際には容易に剥離する遮蔽シートを有し、しかも容易に製造できる。
<薬剤容器用積層体>
本発明の薬剤容器用積層体の一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例の薬剤容器用積層体を示す。この薬剤容器用積層体10は、アルミニウム層11aおよび合成樹脂フィルム層11bを備える遮蔽シート11と、外層12a、中間層12bおよび内層12cを備える層間剥離性シート12とを有し、遮蔽シート11のアルミニウム層11aと層間剥離性シート12の外層12aとが接着している。
この薬剤容器用積層体10は、中間層12bと内層12cとの界面で剥離するようになっている。
遮蔽シート11を構成するアルミニウム層11aとしては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着層などが挙げられる。アルミニウム層11aがアルミニウム箔である場合には、合成樹脂フィルム層11bにアルミニウム箔を貼り合せることにより、遮蔽シート11を得ることができる。アルミニウム層11aがアルミニウム蒸着層である場合には、合成樹脂フィルム層11bにアルミニウムを蒸着することにより、遮蔽シート11を得ることができる。
アルミニウム層11aの厚みは8〜20μmであることが好ましい。アルミニウム層11aが8μm以上であれば、遮蔽機能がより向上し、20μm以下であれば、薬剤容器用積層体10の柔軟性を高くできる。
合成樹脂フィルム層11bを構成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、アクリル系樹脂などが挙げられる。
合成樹脂フィルム層11bの厚みは20〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。合成樹脂フィルム層11bが20μm以上であれば、充分な剛性を有するため、アルミニウム層11aを積層または蒸着しやすく、100μm以下であれば、ハンドリング性が向上する。
層間剥離性シート12を構成する外層12aは、接着性ポリオレフィンを含有する。ここで、接着性ポリオレフィンとは、極性基を有するポリオレフィンのことである。
接着性ポリオレフィンとしては、例えば、極性基を有するポリプロピレン、極性基を有するポリエチレンなどが挙げられる。極性基としては、カルボニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン基、無水カルボン酸基、アミノ基等が挙げられる。
外層12aの厚みは10μm以上であり、20〜80μmであることが好ましい。外層12aの厚みが10μm以上であることにより、外層12aの強度を確保できる。また、外層12aの厚みが80μm以下であれば、薬剤容器用積層体10の柔軟性を確保できる。
中間層12bはポリプロピレンを含有する。ポリプロピレンとしては、例えば、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンなどが挙げられる。
中間層12bにおけるポリプロピレン含有率は70質量%以上であり、75質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。ポリプロピレンの含有率が70質量%未満であると、内層12cとの接着力が高くなりすぎることがある。
中間層12bは、ポリプロピレンの他に、熱可塑性エラストマーを30質量%未満の範囲で含有してもよい。中間層12bが熱可塑性エラストマー含有率30質量%未満の範囲で含有すれば、中間層12bを容易に形成でき、柔軟性が高くなる上に、内層12cとの接着力を容易に調整できる。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合体(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、SEBS)、スチレンーエチレンープロピレンースチレンブロック共重合体(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、SEPS)、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物(HSBR)、結晶ポリオレフィン−エチレン−ブチレン−結晶ポリオレフィンブロック共重合体(ビニル結合(1,2−ビニルおよび3,4−ビニル)の含有率が25質量%以下のポリブタジエンを水素添加したエチレン重合体に類似の構造を示す結晶性のブロックと、ビニル結合が25〜28質量%のポリブタジエンを水素添加したゴム状のエチレン−ブテン共重合体ブロックと類似の構造を示す非晶性ブロックからなるもの、CEBC)、スチレン−エチレン−ブチレン−結晶ポリオレフィンブロック共重合体(SEBC)等が挙げられる。
これらの中でも、ポリプロピレンとの相溶性に優れることから、SEBS、HSBR、CEBCが好ましい。
中間層12bの厚みは10μm以上であり、20〜100μmであることが好ましい。中間層12bの厚みが10μm以上であることにより、中間層12bの強度を確保できる。また、中間層12bの厚みが100μm以下であれば、薬剤容器用積層体10の柔軟性を確保できる。
内層12cは環状オレフィン重合体を含有する。環状オレフィン重合体は、環状構造を有するオレフィンの単独重合体または共重合体である。共重合体としては、例えば、α−オレフィンと二重結合を有する脂環式化合物(環状オレフィン)との共重合体が挙げられる。前記α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン等が挙げられ、前記脂環式化合物としては、シクロヘキセン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等が挙げられる。具体的には、エチレン−ノルボルネン共重合体等が挙げられる。
環状オレフィン重合体の市販品として、ティコナ社製トーパス、日本ゼオン社製ゼオノア、JSR社製アートン等が挙げられる。
内層12cには、環状オレフィン重合体の他に、ポリオレフィンを含有してもよい。内層12cに含まれるポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。
内層12cにおける環状オレフィン重合体の含有率は50質量%以上であり、60〜95質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましく、80〜90質量%であることが特に好ましい。
内層12cにおける環状オレフィン系重合体の含有率が60質量%以上であれば、中間層12bに対する剥離性がより高くなり、95質量%以下であれば、薬剤容器用積層体10の柔軟性を確保できる。
内層12cの厚みは30〜280μmであり、30〜50μmであることが好ましい。内層12cの厚みが30μm以上であることにより、内層12c形成時のピンホール発生を防止でき、280μm以下であることにより、薬剤容器用積層体10の柔軟性を確保できる。
また、内層12cは、2層とすることができる。その場合、中間層12b側の層(内外層)は上記した組成であるが、もう一方の層(内内層)は、該内外層よりも環状オレフィン重合体の含有率を低くすることが好ましい。具体的には、環状オレフィン重合体の含有率は50質量%未満が好ましく、40質量%未満であればより好ましい。
薬剤容器用積層体10の全体の厚さは50〜300μmであることが好ましく、100〜200μmであることがより好ましい。薬剤容器用積層体10の全体の厚さが50μm以上であれば、充分な強度が得られ、300μm以下であれば、充分な柔軟性が得られ、また、薬剤容器用として好適に使用できる。
上記薬剤容器用積層体10において、アルミニウム層11aと外層12aとの剥離強度は7.8N/15mm以上であることが好ましい。アルミニウム層11aと外層12aとの剥離強度が7.8N/15mm以上であれば、薬剤容器用積層体10を用いた薬剤容器の保管時および運搬時に遮蔽シート11が剥離することを確実に防止できる。
外層12aと中間層12bの剥離強度は7.8N/15mm以上であることが好ましい。外層12aと中間層12bの剥離強度が7.8N/15mm以上であれば、薬剤容器用積層体10を用いた薬剤容器の保管時および運搬時に外層12aと中間層12bが剥離することを確実に防止できる。
中間層12bと内層12cとの剥離強度は2.0〜5.9N/15mm以上であることが好ましい。中間層12bと内層12cとの剥離強度が2.0N/15mm以上であれば、人の手で剥離させないときには中間層12bと内層12cとが層間剥離しにくく、5.9N/15mm以下であれば、人の手で剥離させるときには中間層12bと内層12cとを容易に層間剥離させることができる。
ここで、剥離強度は、引張試験機を用い、23℃、引張速度200mm/分の条件下、180°剥離試験により測定した値である。
この薬剤容器用積層体10は、例えば、遮蔽シート11と層間剥離性シート12とを、アルミニウム層11aと外層12aとが接するように重ね合わせ、ヒートシールもしくは熱ラミネートすることにより製造できる。
また、遮蔽シート11はアルミニウム層11aと合成樹脂フィルム層11bとを接着剤等により接着することにより得られ、層間剥離性シート12は、多層インフレーション成形、多層共押出成形等、通常の多層成形法により得られる。
上記薬剤容器用積層体10の中間層12bと内層12cとは接着はするものの、各層の主成分が異なるため、強い接着力では接着しない。そのため、中間層12bと内層12cとは、人の手で容易に剥離できる程度の弱い接着力で接着している。
また、中間層12bには、接着性ポリオレフィンを主成分とする外層12aを介して遮蔽シート11が強固に接着している。したがって、薬剤容器用積層体10は、遮蔽機能を必要とする保管時および運搬時には充分な接着力で遮蔽シート11が接着されているが、人の手で剥離させる際には遮蔽シート11を内層12cから容易に剥離させることができる。
また、遮蔽シート11は、接着性ポリオレフィンを含む外層12aによって中間層12bに通常のヒートシールまたは熱ラミネートで接着させることができ、いずれの層もポリオレフィン系の樹脂からなる層間剥離性シート12は通常の多層成形法により得られる。したがって、薬剤容器用積層体10は容易に製造できる。
また、環状オレフィン重合体を主成分とする内層12cは薬剤の吸着を抑制できる。
<薬剤容器>
本発明の薬剤容器の一実施形態例について説明する。
図2および図3に本実施形態例の薬剤容器を示す。この薬剤容器1は、内層12cが内側に配置された薬剤容器用積層体10の筒状体の両方の開口端10a,10bをヒートシールした袋体である。この薬剤容器1の内部には、医療用の薬剤が充填されている。
また、薬剤容器1の一端10b側には、薬剤を外部に導出させるための樹脂製の口部材20が取り付けられている。
上記薬剤容器1の製造方法の一例について説明する。なお、薬剤容器1の製造方法は、下記の製造例に限定されるものではない。
本例の薬剤容器1の製造方法は、まず、接着性ポリオレフィンを含有する外層形成用樹脂と、ポリプロピレンを含有する中間層形成用樹脂と、環状オレフィン重合体を含有する内層形成用樹脂とを、各々、押出機で溶融し、下向きの多層サーキュラーダイから吐出させて、多層の筒状溶融樹脂を得る。多層サーキュラーダイは、内側から、内層形成用樹脂を吐出するダイ、中間層形成用樹脂を吐出するダイ、外層形成用樹脂を吐出するダイの順に同心円状に配置されている。
次いで、筒状溶融樹脂の内側に空気を送り込んで、筒状溶融樹脂を膨張させた後、一対のロールで挟持して、扁平化すると共に冷却して、層間剥離性シート12の筒状体を扁平化する。以下、層間剥離性シート12の筒状体を扁平化したものを扁平化シートという。
次いで、アルミニウム層11aおよび合成樹脂フィルム層11bを備える遮蔽シート11を、得られた扁平化シートの両側に供給し、外層12aと遮蔽シート11のアルミニウム層11aとを重ね合わせる。次いで、遮蔽シート11と扁平化シートとを重ね合わせたものを、加熱ロールにより挟持し、ヒートシールまたは熱ラミネートして、薬剤容器用積層体の筒状体を得る。
次いで、得られた薬剤容器用積層体10の筒状体の開口端10a,10bの、口部材20が設けられる部分以外の部分を、加熱バーを用いてヒートシールして、対向する内層12c,12c同士を接着し、また、口部材20が設けられる部分から薬剤を充填する。
そして、樹脂製の口部材20を、薬剤容器用積層体10の筒状体の開口端10bにヒートシールによって取り付けて、薬剤容器1を得る。
上記製造方法において、扁平化シートと遮蔽シート11とをヒートシールまたは熱ラミネートする際の加熱ロールの温度は140〜200℃であることが好ましい。加熱ロールの温度が140℃以上であれば、扁平化シートと遮蔽シート11とを充分な接着力で接着でき、200℃以下であれば、過剰な加熱による薬剤容器用積層体の劣化を防止できる。
また、扁平化シートおよび遮蔽シート11の搬送速度は0.5〜10m/分であることが好ましい。扁平化シートおよび遮蔽シート11の搬送速度が0.5m/分以上であれば、生産性を高くでき、10m/分以下であれば、扁平化シートと遮蔽シート11とを充分な接着力で接着できる。
薬剤容器用積層体10の筒状体の開口端10a,10bをヒートシールする際のヒートシール温度は150〜170℃が好ましい。ヒートシール温度が150℃以上であれば、充分な接着性を得ることができ、170℃以下であれば、熱劣化、歪み等を防止できる。
ヒートシール時間は1〜5秒であることが好ましい。ヒートシール時間が1秒以上であれば充分な接着性を得ることができ、5秒以下であれば、熱劣化、歪み等を防止できる。
ヒートシールの圧力は4.9〜29.4N/cmが好ましく、9.8〜14.7N/cmがより好ましい。ヒートシールの圧力が4.9N/cm以上であれば、充分な接着性を得ることができ、29.4N/cm以下であれば、ヒートシールを簡便にできる。
上記条件のヒートシールによって、接着した内層12c,12c同士の剥離強度を14.7N/15mm以上にすることが好ましく、19.6N/15mm以上にすることがより好ましい。剥離強度が14.7N/15mm以上であれば、薬剤容器1として充分な接着性を有する。
口部材20を取り付ける際のヒートシールも上記と同様の条件で行うことが好ましい。
上記薬剤容器用積層体10を用いた薬剤容器1では、遮蔽機能が必要な薬剤保管時または運搬時に遮蔽シート11が剥離しにくく、酸素や光による薬剤の変質を防止できる。
また、患者に薬剤を投与する際には人の手によって、内層12cと、内層12c以外の、遮蔽シート11を含む積層部分とを容易に層間剥離させることできる。したがって、内部の視認性を確保することができる。
このような薬剤容器1は輸液バッグとして好適に利用できる。
なお、本発明の薬剤容器は、上記実施形態例に限定されず、例えば、薬剤を収容する室を複数有する複室薬剤容器であってもよい。薬剤容器が複室薬剤容器である場合には、遮蔽シートが、一部の室のみを遮蔽しても構わない。
複室薬剤容器は、複室に分割するヒートシールを行うことで製造される。複室に分割するためのシール部の接着力は、薬剤容器用積層体10の筒状体の開口端のシールの接着力より弱くなるように、ヒートシールすることが好ましい。このように複室に分割するためのシール部の接着力を弱くすれば、複室薬剤容器を圧迫することによって、室同士の間のシールを解き、各室に保存されていた薬剤同士を混合させることができる。
複室に分割するためのヒートシールの温度は120〜140℃であることが好ましい。ヒートシール温度が120℃以上であれば、各室に薬剤を充填しても各室間のシールが解かれない程度の接着力を得ることができ、140℃以下であれば、複室薬剤容器を圧迫した際にシールが解かれる程度にヒートシールの接着力を弱めにできる。
ヒートシール時間は1〜5秒であることが好ましい。ヒートシール時間が1秒以上であれば、各室に薬剤を充填しても各室間のシールが解かれない程度の接着力を得ることができ、5秒以下であれば、複室薬剤容器を圧迫した際にシールが解かれる程度にヒートシールの接着力を弱めにできる。
ヒートシール圧力は4.9〜29.4N/cmであることが好ましく、9.8〜14.7N/cmであることより好ましい。ヒートシール圧力が4.9N/cm以上であれば、充分な接着性が得られ、29.4N/cm以下であれば、良好な外観が得られる。
上記条件ヒートシールによって、複室に分割するシール部分の剥離強度を2.9〜14.7N/15mmにすることが好ましく、4.9〜9.8N/15mmにすることがより好ましい。複室に分割するための剥離強度が2.9N/15mm以上であれば、各室に薬剤を充填しても各室間のシールが解かれない程度の接着力を得ることができ、14.7N/15mm以下であれば、複室薬剤容器を圧迫した際にシールが解かれる程度にヒートシールの接着力を弱めにできる。
また本発明は、内層12cの中間層12bと反対側の面に、例えば、機能層(例えば、ポリアクリロニトリル、ポリグリコール酸、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性エラストマー、およびこれらのブレンド樹脂の層)が1層以上積層されていても構わない。
また、本発明の薬剤容器は、2枚の薬剤容器用積層体を、内層同士が接するように重ね合わせ、四方をヒートシールすることによって得たものでもよいし、1枚の矩形状の薬剤容器用積層体を、長手方向の中央を折り返し部分にすると共に内層を内側にして折り畳み、折り返し部分以外の三方をヒートシールすることによって得たものでもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をより具体的に説明する。
なお、以下の例における剥離強度は下記の測定方法により測定された値である。
[剥離強度]
引張試験機(島津製作所製オートグラフ)を用い、23℃、引張速度200mm/分の条件下、180°剥離試験により剥離強度を測定した。
アルミニウム層に、接着性ポリオレフィンの樹脂層(実施例1)またはポリプロピレンの層(比較例1)をヒートシールした後の剥離強度を測定した。なお、本試験は、層間剥離性シートの外層と遮蔽シートのアルミニウム層との剥離強度を簡易的に測定した試験である。
(実施例1)
アルミニウム層および合成樹脂フィルム層を備える遮蔽シート(パナック社製アルペット)のアルミニウム層に、接着性ポリオレフィンである極性基含有ポリプロピレン(三菱化学社製モディックP604V)の厚さ50μmのフィルムを重ね合わせ、180℃の加熱ロールに挟持して、ラミネートした。
そして、アルミニウム層と極性基含有ポリプロピレンのフィルムとの剥離強度を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様の遮蔽シートのアルミニウム層に、ポリプロピレン(住友化学社製エクセレン3725)の厚さ50μmのフィルムを重ね合わせ、180℃の加熱ロールに挟持して、ラミネートした。
そして、アルミニウム層とポリプロピレンのフィルムとの剥離強度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005156575
表1に示されるように、接着性ポリオレフィンのフィルムとアルミニウム層との剥離強度は強かったのに対し、ポリプロピレンのフィルムとアルミニウム層との剥離強度は弱かった。
ポリプロピレン(PP)含有層と環状オレフィン重合体(COP)含有層との剥離強度を測定した。なお、本試験は、層間剥離性シートの中間層と内層との剥離強度を簡易的に測定した試験である。
(実施例2)
ポリプロピレン(住友化学社製エクセレン3725)100質量部と、環状オレフィン重合体(日本ゼオン社製ゼオノア1020R)100質量部を、各々、押出機により200〜230℃で溶融し、下向きの多層サーキュラーダイから吐出させて、多層の筒状溶融樹脂を得た。そのとき、環状オレフィン重合体の層が内側になるように配置した。
次いで、筒状溶融樹脂の内側に空気を送り込んで、筒状溶融樹脂を膨張させた後、一対のロールで挟持して、扁平化すると共に冷却して、ポリプロピレン含有層と環状オレフィン重合体含有層とからなる扁平化シートを得た。
そして、その扁平化シートの一部を切り出して試験片とし、ポリプロピレン含有層と環状オレフィン重合体含有層との剥離強度を測定した。測定結果を表2に示す。
(実施例3〜5、比較例2)
ポリプロピレン含有層を形成する樹脂、環状オレフィン重合体含有層を形成する樹脂を表2に示すようにして扁平化シートを得た。そして、その扁平化シートの一部を切り出して試験片とし、ポリプロピレン含有層と環状オレフィン重合体含有層との剥離強度を測定した。測定結果を表2に示す。
なお、表2中、「CEBC」は、JSR社製ダイナロン6200P、「SEBS」は JSR社製ダイナロン1322P、ポリエチレンは日本ポリエチレン社製カーネルKM262である。
Figure 0005156575
ポリプロピレン含有層のポリプロピレン含有率が70質量%以上であった実施例2〜5では、適度に低い接着力を有していた。
これに対し、ポリプロピレン含有層のポリプロピレン含有率が70質量%未満であった比較例2では、接着力が高くなっていた。したがって、ポリプロピレン含有層と環状オレフィン含有層とを人の手で剥離させるのは困難である。
(実施例6、比較例3〜5)
接着性ポリオレフィン(三菱化学社製モディックP604V)100質量部である外層形成用樹脂と、ポリプロピレン(エクセレン3725)70質量部およびCEBC(JSR社製ダイナロン6200P)30質量部を含有する中間層形成用樹脂と、環状オレフィン重合体(日本ゼオン社製ゼオノア1020R)70質量部およびポリエチレン(日本ポリエチレン社製カーネルKM262)30質量部を含有する内層形成用樹脂とを、各々、押出機で200〜230℃で溶融し、下向きの多層サーキュラーダイから吐出させて、多層の筒状溶融樹脂を得た。多層サーキュラーダイとしては、内側から、内層形成用樹脂を吐出するダイ、中間層形成用樹脂を吐出するダイ、外層形成用樹脂を吐出するダイの順に同心円状に配置されたものを用いた。
次いで、筒状溶融樹脂の内側に空気を送り込んで、筒状溶融樹脂を膨張させた後、一対のロールで挟持して、扁平化すると共に冷却して、扁平化シートを得た。その際、扁平化シートの外層、中間層および内層の厚みが表1に示す厚みになるように調整した。
次いで、アルミニウム層および合成樹脂フィルム層を備える遮蔽シート(パナック社製アルペット)を、得られた扁平シートの両側に供給し、扁平化シートの外層と遮蔽シートのアルミニウム層とを重ね合わせた。次いで、遮蔽シートと扁平化シートとを重ね合わせたものを、180℃の加熱ロールにより挟持し、ラミネートして、薬剤容器用積層体の筒状体を得た。
そして、その薬剤容器用積層体の筒状体の一部を切り出して試験片とし、アルミニウム層と外層、外層と中間層、中間層と内層の剥離強度を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 0005156575
外層および中間層の厚みが10μm以上で内層の厚みが30〜280μmの範囲にあった実施例6では、アルミニウム層と外層、外層と中間層とが強固に接着し、中間層と内層とが層間剥離可能な弱めの接着力を有していていた。
外層が10μm未満であった比較例3では、アルミニウム層と外層との剥離試験中に外層が破断した。
中間層が10μm未満であった比較例4では、中間層と内層との剥離試験中に中間層が破断した。
内層が30μm未満であった比較例5では、中間層と内層との剥離試験中に内層が破断した。
本発明の薬剤容器用積層体の一実施形態例を示す断面図である。 本発明の薬剤容器の一実施形態例を示す平面図である。 図2のA−A’断面図である。
符号の説明
10 薬剤容器用積層体
11 遮蔽シート
11a アルミニウム層
11b 合成樹脂フィルム層
12 層間剥離性シート
12a 外層
12b 中間層
12c 内層

Claims (2)

  1. アルミニウム層を備える遮蔽シートと、外層、中間層および内層を備える層間剥離性シートとを有し、遮蔽シートのアルミニウム層と層間剥離性シートの外層とが接着している薬剤容器用積層体であって、
    層間剥離性シートの外層は厚みが10μm以上で接着性ポリオレフィンからなり、中間層は厚みが10μm以上でポリプロピレンを70質量%以上含有し、内層は厚みが30〜280μmで環状オレフィン重合体を50質量%以上含有することを特徴とする薬剤容器用積層体。
  2. 請求項1に記載の薬剤容器用積層体が成形された袋体であり、前記層間剥離性シートの内層が内側に配置されていることを特徴とする薬剤容器。
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