JP5156153B2 - 配設体支持具 - Google Patents

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Description

本発明は、H形鋼、L形鋼、リップみぞ形鋼等の造営材に、ケーブル、配管材、照明器具等の配設体を支持させるための配設体支持具に関するものである。
ケーブル、配管材、照明器具等の配設体は支持具を使用して、形鋼等の造営材に取付けられ保持されている。この種の支持具として、例えば、実公昭49−45272号公報に記載の配線器具取付金具が開示されている。図11(a)は前記公報に記載の軽量形鋼用の配線器具の取付金具を示し、取付金具71の固定鈑72は鈑面73の両側縁を直角に折曲し側板74を形成して全体が溝形状をなすものであり、両側板74にはそれぞれの両端部から中心方向に向けて、図11(b)に示す造営材であるリップみぞ形鋼55の上下に折曲形成された一対のフランジ58に嵌合する嵌合溝75が設けられている。前記側板74において嵌合溝75を形成する外縁側は締付けネジ76とでリップみぞ形鋼55のフランジ58を挟持する緊定片74aとなっている。
この取付金具71は両側板74の嵌合溝75をリップみぞ形鋼55の一対の上下フランジ58,58に嵌合し、適宜の固定位置を定めた後、鈑面73に設けた一対のネジ孔73a,73aそれぞれに締付けネジ76を挿通し、これを締付けることにより図11(b)に示すようにリップみぞ形鋼55に固定される。即ち、取付金具71は締付けネジ76を締付けることにより上下一対のフランジ58,58それぞれを取付金具71の側板74の緊定片74aにおける嵌合溝75側の端面と締付けネジ76の先端とで挟持し、これによりリップみぞ形鋼55に固定される。また、配設体である電線管62は取付金具71の鈑面73に設けられた取付孔73bに電線管62を支持するクリップ金具77を固定支持せしめることにより取付金具71に保持される。
実公昭49−45272号公報
しかし、特許文献1に記載の取付金具71は、リップみぞ形鋼55の上下一対のフランジ58,58に跨って側板74の緊定片74aが各フランジ58の裏面に当接し、緊定片74aの端面と締付けネジ76とで両フランジ58を挟持することによりリップみぞ形鋼55に固定される構造となっている。このため、リップみぞ形鋼55の大きさが異なると、その幅や一対のフランジ58,58の突出長さ及び間隔も異なるから、取付金具71は大きさの異なるリップみぞ形鋼毎に各種用意する必要があった。
また、造営材である形鋼は多種類が製造されており、上記リップみぞ形鋼55以外にも、H形鋼、L形鋼、I形鋼等多くの形鋼が造営材に使用されている。ところが、前記公報に記載の取付金具71は、両側板74にそれぞれの両端部から中心方向に向けた嵌合溝75が形成されている構造上、他のH形鋼、L形鋼、I形鋼等に取付けることはできなかった。このため、これらの形鋼に配設体を支持せしめる場合は、別途に取付金具を必要とした。
このように、従来の取付金具は、一種類で、大きさの異なる形鋼や、リップみぞ形鋼、H形鋼、L形鋼、I形鋼等各種の形鋼に対応して取付固定することはできなかった。その結果、支持具は多種類用意しなければならないから不経済であるとともに、支持具の管理、保管、運搬等が煩わしく不便なものとなっていた。
そこで、本発明は、一種類で各種の形鋼等の造営材に対応して取付けることができる配設体支持具の提供を課題とするものである。
請求項1の配設体支持具は、配設体を造営材に支持させるためのものであって、前記配設体を支持する支持部材と、前記支持部材とで前記造営材を挟持する1個の挟持部材と、前記支持部材及び前記挟持部材を貫通してこれらを連結する連結具とを備えている。そして、前記連結具は、前記支持部材においてその中心から所定距離離間した位置を貫通し、前記挟持部材は、一端側に前記造営材に圧接される圧接部を有するとともに、前記支持部材に対する配置が前記連結具を軸として反転自在に設けられ、前記いずれの配置においても前記圧接部と前記支持部材とで前記造営材を挟持可能に設けられ、前記支持部材は、対向する一対の内向きのフランジを備えた形鋼からなる前記造営材の該一対のフランジに跨って当接する長さに形成されている。
そして、支持具は、前記挟持部材の圧接部が前記支持部材の中央側に向けて配置されたときは、外向きのフランジを備えた形鋼からなる造営材に固定可能であり、前記挟持部材が反転されてその圧接部が前記支持部材の端部側に向けて配置されたときは、前記内向きのフランジを備えた形鋼からなる造営材に固定可能となっている。ここで、外向きのフランジを備えた形鋼とは、フランジが形鋼の中央部或いは基部から外方に向けて形成された、例えば、L形鋼、H形鋼などの形鋼をいう。また、内向きのフランジを備えた形鋼とは、一対のフランジが内側に向けて折曲形成された、例えば、リップみぞ形鋼などの形鋼をいう。
ここで、前記造営材は、C形のリップみぞ形鋼、H形鋼、L形鋼、I形鋼等各種の形鋼が該当し、他に、配設体が支持される吊りボルト等も該当する。
前記挟持部材は、具体的には、両側に側板を有する細長の溝板等で形成でき、一端側に前記造営材に圧接される圧接部を有している。そして、前記挟持部材は、連結具を緩めまたは取り外して支持部材に対する配置を、連結具を軸として反転できるようになっている。つまり、挟持部材における造営材と係合してこれを圧接する側を連結具の軸に直交する方向に180度反転することができるようになっている。
前記連結具は、一般にはボルト及びナットで形成されている。そして、支持部材においては、その中心から所定距離離間した偏心位置にボルトの貫通孔が設けられている。また、挟持部材においては、長手方向のほぼ中央にボルトの貫通孔が設けられている。
この構成により、支持具をH形鋼、L形鋼等の造営材に取付固定する場合は、挟持部材における造営材への圧接部を、偏心位置に連結具の貫通孔を有する支持部材の中央側に位置するよう配置することによって、支持部材と造営材との当接面積を大きくして支持具を安定して造営材に固定することができる。
一方、支持具をリップみぞ形鋼の造営材に取付固定する場合は、上記配置の挟持部材を連結具を軸として反転して180度向きを変換することにより、挟持部材における造営材への圧接部が、支持部材の端部側に位置するよう配置され、リップみぞ形鋼の両フランジ間の開口が狭い場合でも、挟持部材を前記両フランジ間の開口から内部に挿入できるとともに、支持部材をリップみぞ形鋼の両フランジに跨って当接させた状態で、一方のフランジのみを挟持して支持具を安定して造営材に固定することができる。
即ち、請求項1の支持具は、一種類で、H形鋼、L形鋼等の造営材の他、リップみぞ形鋼等の造営材にも安定して固定することができ、また、大きさの異なる形鋼にも対応して固定することができる。
ここで、形鋼のフランジの板厚は各種異なるため、それに対応して挟持するには、支持部材と挟持部材との挟持間隔を可変する必要がある。そのためには、例えば、請求項2に記載のように、挟持部材を支持部材に対して連結具の軸を支点に傾斜させる手段を採用することができる。或いは、後述するように、支持部材上に載置される、挟持部材の圧接部と反対側の被載置部において、支持部材と対向する端辺を傾斜させるとともに、挟持部材における連結具の貫通孔を長孔に形成することにより、挟持部材の被載置部の端辺を傾斜方向に沿って移動させて支持部材から任意の高さに嵩上げし、それにより、挟持間隔を可変することもできる。この場合は、挟持部材は支持部材と平行する状態で形鋼のフランジを挟持するので極く安定した強固な挟持状態を得ることができる。また、形鋼のフランジの板厚の相違に対応して、挟持部材の被載置部と支持部材との間にスペーサを介在させて挟持間隔を可変することもできる。
なお、連結具は支持部材の中心から所定距離離間した位置を貫通するとしたのは、連結具が支持部材の中心を貫通するとすれば、その対称性により、造営材の種類に応じて挟持部材を連結具を軸に反転する必要はなくなるのであるが、L形鋼、H形鋼等のフランジ端部からの支持部材の張出量が大きくなったり、支持部材をリップみぞ形鋼の一対のフランジに跨って当接させることができなくなるなどの不具合を生ずるので、連結具は少なくとも上記不具合を生じない程度に支持部材の中心から離間した位置を貫通することが必要だからである。
また、挟持部材は、その一端側に圧接部を有するとしたのは、仮に、挟持部材において、連結具の軸を挟んでその両側の端部ともに圧接部を設けていずれも形鋼のフランジに圧接可能とすると、挟持部材の一端側を挟持したときに、他端側は形鋼のフランジの板厚の段差分だけ支持部材から浮き上がるため、安定した強固な挟持が得られなくなる。そこで、挟持部材の他端側には前記段差分を嵩上げするための部分を形成してできる限りその段差をなくしまたは小さくして安定した強固な挟持状態を形成する趣旨である。
請求項2の配設体支持具は、連結具が、挟持部材の圧接部が前記支持部材の中央側に向けて配置されたとき、該圧接部は前記支持部材の中央を前記連結具と反対側に越え、かつ、前記挟持部材が反転されてその圧接部が前記支持部材の端部側に向けて配置されたとき、該圧接部は前記支持部材の端部から外方に飛び出ない位置に設けられている。
ここで、圧接部は前記支持部材の中央を前記連結具と反対側に越えるとは、即ち、支持部材の中央を挟んだ一方に連結具が配置され、他方に圧接部が配置される位置関係を意味する。また、圧接部は前記支持部材の端部から外方に飛び出ないとしたのは、仮に、圧接部が飛び出した場合は、支持部材と挟持部材の圧接部とが位置ずれし、挟持が不安定または不能となるのでそれを避けるためである。
請求項3の配設体支持具は、挟持部材が、圧接部を有する側に、造営材との干渉を回避する干渉回避空間が形成され、連結具の軸を支点に支持部材に対して傾斜させることにより支持部材との挟持間隔が可変に設けられている。
H形鋼、L形鋼等各種形鋼のフランジは、形鋼のサイズにより板厚も各種異なるので、請求項4の支持具は、特に、挟持部材が連結具の軸を支点に支持部材に対して相対的に傾斜して支持部材との挟持間隔を可変できるようにして、各種サイズの形鋼に対応して固定できるようにしたものである。ここで、挟持部材の圧接部が一端側に設けられているので、挟持間隔を広げるべく支持部材に対して挟持部材を傾斜させると、挟持部材における圧接部を有する側の端部が、形鋼のフランジの先端角部等と干渉し、所定角度に傾斜させることができないことがあるので、その干渉を回避すべく干渉回避空間を形成している。
請求項4の配設体支持具は、挟持部材が、前記支持部材との対向側において前記造営材に圧接されない箇所に、前記造営材の厚さに対応して前記圧接部における前記支持部材との挟持間隔を確保すべく、該支持部材との対向側に延出する嵩上げ部が形成されている。
請求項5の配設体支持具は、支持部材及び挟持部材の互いに対向する位置に、造営材であるボルト体を側方から保持する保持凹部が形成されている。造営材としてのボルト体は、具体的には、通常、天井等から垂設される吊りボルト等が挙げられる。
請求項1の発明は、挟持部材が、その一端側に造営材に圧接される圧接部を有するとともに、支持部材に対する配置が連結具を軸として反転自在に設けられているから、挟持部材の圧接部が前記支持部材の中央側または端部側に向けて配置されることにより、一種類で、H形鋼、L形鋼等の他、リップみぞ形鋼等、各種造営材に安定して強固に固定することができ、配設体を安定して支持させることができる。そして、それにより、支持具のコストを低減でき、その管理、保管、運搬等に係る手間を削減できる。
請求項2の発明は、連結具が、挟持部材の圧接部が支持部材の中央側に向けて配置されたとき、該圧接部は前記支持部材の中央を前記連結具と反対側に越え、かつ、前記挟持部材の圧接部が前記支持部材の端部側に向けて配置されたとき、該圧接部は前記支持部材の端部から外方に飛び出ない位置に設けられているので、支持部材と挟持部材の圧接部とで造営材をバランスよく確実に安定して挟持できる
請求項3の発明は、挟持部材が連結具の軸を支点に傾斜して支持部材との挟持間隔を可変できるから、特に、挟持部分の板厚等のサイズが異なる場合にも対応して固定することができ、適用範囲が更に広がる。
請求項4の発明は、挟持部材における造営材に圧接されない箇所に、支持部材との対向側に延出する嵩上げ部が形成されているので、挟持部材は造営材の厚さに対応して前記圧接部における前記支持部材との挟持間隔を確保し、支持部材と平行する状態で形鋼のフランジ等を挟持することができる。その結果、極く安定した強固な挟持状態を得ることができる。
請求項5の発明は、支持部材及び挟持部材に、造営材であるボルト体を保持する保持凹部が形成されているから、支持具を使用して造営材である吊りボルト等にケーブル、配管材等各種配設体を支持させることができる。
以下、本発明の実施形態の配設体支持具を図面に基づいて説明する。ここで、図1は前記配設体支持具を示し、図2はその構成部材の支持部材を示し、図3は同じく挟持部材を示す。
図1乃至図3において、支持具1は造営材である各種形鋼に配設体である配管材を支持させるために形鋼のフランジに固定されるものである。支持具1は、配管材を支持する支持部材11と、この支持部材11とで形鋼のフランジを挟持する挟持部材31とを備え、両者はこれらを貫通する連結具としての連結ボルト41及び六角ナット42を使用して連結されている。以下、各構成部材について詳細に説明する。
まず、前記支持部材11は、図2に示すように、一定高さの平面視略小判形状の細長の箱状体に形成され、合成樹脂体で一体に形成されている。支持部材11の外周は一定厚さの周壁12で覆われ、上面は開口部13を有し、下面である底面には底板部14が形成されている。支持部材11の内部には、幅方向の中央部に一定間隔で離間する一対の立設壁15が長手方向に開口部13まで一体に立設されている。この立設壁15において長手方向の中心から所定距離離間した位置には、連結ボルト41が貫通する貫通孔16が形成され、その上部には座部17が形成されていて、連結ボルト41のねじ部先端を上向きにして底面側から貫通孔16内に挿入された連結ボルト41の頭部が座部17の下面に当接して収容されるようになっている。また、立設壁15における貫通孔16側の端部近傍には立設壁15に直交して載置壁18が立設されており、この載置壁18の上端には後述する挟持部材31の側板部33の被載置部39が当接し載置されるようになっている。そして、底板部14において後述する角孔22の周縁には所定高さのリブ14aが立設されている。更に、周壁12における貫通孔16寄りの位置の上端面には一対の四角板状の回動規制壁19,19が対向して立設されており、挟持部材31が連結ボルト41を軸として水平方向に回動するのを防止してこれを回動規制壁19間の一定位置に保持している。また、周壁12及び立設壁15における長手方向の中央位置には円弧状に切欠され、後述する造営材である吊りボルト60の外径に対応した曲率半径を有する保持凹部20が形成されており、吊りボルト60が保持凹部20に収容、保持されるようになっている。
更に、支持部材11の底板部14の裏面には、図2(d)に示すように、幅方向の中間位置に長手方向に沿って裏面側に開口する溝孔21が形成されており、この溝孔21は配管材61等を保持する図示しないサドルを固定するためのビスのねじ径より小さい幅に形成され、ここにビスを螺刻により挿入できるようになっている。なお、前記一対の立設壁15は前記溝孔21を形成するための周壁ともなっている。また、底板部14には溝孔21を挟んだ両側方に長手方向に間隔をおいて内外に貫通する計8個の矩形状の角孔22が設けられている。この角孔22は図示しない結束バンド等が挿通され、結束バンド等により配管材61が支持部材11の底板部14に保持されるようになっている。加えて、底板部14において各角孔22の中間位置には円弧面状に僅かに凹設された位置ずれ防止凹部23が形成されており、支持部材11に取付けられた配管材61が位置ずれすることなく一定位置に保持されるようになっている。
次に、前記挟持部材31は、鋼製で、図3に示すように、断面略コ字状をなす細長矩形状の溝板で形成され、平面板状の中央板部32の両側端部から直角下方に側板部33が折曲形成されている。挟持部材31の中央板部32は、幅が支持部材11の一対の回動規制壁19の内側間隔と略同一の大きさに形成されている。挟持部材31の中央板部32の略中心位置には連結ボルト41が貫通する貫通孔34が形成されているとともに、その周辺部に、連結具の六角ナット42の側面と当接する矩形状の回り止め突起35が一体に設けられている。一対の側板部33は長手方向の中央即ち貫通孔16の位置から一方側が下方への突出長さを短く形成され、これによりこの部分に挟持の際に形鋼のフランジの先端角部との干渉を回避する干渉回避空間36が形成されている。更に、挟持部材31の長手方向の一端側である前記干渉回避空間36側の先端部には垂直下方に突出して形鋼のフランジの表面に圧接される圧接部37が形成されている。また、側板部33の干渉回避空間36における前記圧接部37から中央寄りに離間した位置であって支持部材11の保持凹部20と対向する位置には、吊りボルト60の外径に対応した曲率半径を有し、支持部材11の保持凹部20とで吊りボルト60を保持、挟持する保持凹部38が形成されている。側板部33における他端側である前記干渉回避空間36と反対側の部分は所定の高さを有し、その下端部は支持部材11の載置壁18の上端部と当接し載置される被載置部39となっている。なお、この被載置部39は請求項の嵩上げ部を形成する。
前記連結ボルト41は、 後述するように、挟持部材31の圧接部37が支持部材11の中央側に向けて配置されたときは、圧接部37は支持部材11の中央を連結ボルト41と反対側に越え、かつ、挟持部材31が反転されてその圧接部37が支持部材11の端部側に向けて配置されたときは、圧接部37は支持部材11の端部から外方に飛び出ない、そういう位置に設けられている。
ここで、図3(b)に示すように、側板部33における他端側である前記干渉回避空間36と反対側の部分の高さh2は、側板部33における一端側である干渉回避空間36側の圧接部37での高さh1より形鋼のフランジの平均的な板厚と略同一の長さだけ大きく形成されている。側板部33の被載置部39側の高さh2を側板部33の圧接部37における高さh1より大きくしたのは、支持部材11の上面を基準として形鋼のフランジの板厚分だけ嵩上げすべく側板部33の被載置部39の高さh2を大きくすることにより、支持部材11と挟持部材31とが平行する状態で形鋼のフランジを挟持させて、最も安定した連結状態を得ることができ、安定した強固な挟持状態が得られるからである。但し、形鋼のフランジは一定ではないので、後述するように、必要に応じて各種板厚のフランジに対応すべく、支持部材11に対して挟持部材31を傾斜させて挟持することも可能な構成となっている。なお、本実施形態では、形鋼のフランジの平均的な板厚として、図4に示すL形鋼のフランジを例示して説明する。したがって、図4では、支持具1によりL形鋼のフランジを挟持した状態において、挟持部材31の上面と支持部材11の上面とは略平行状態となる。
〈L形鋼への支持〉
次に、上記のように構成された支持具1を使用してまず造営材がL形鋼である場合に配設体の配管材61を支持する方法を図4に基づいて説明する。
予め、支持具1の挟持部材31は、支持部材11上に圧接部37が支持部材11の長手方向の中央側に位置する向きに配置しておく。そして、図示しないが、支持部材11の底板部14の角孔22に結束バンド等を挿通して配管材61を結束することにより支持部材11に配管材61を固定する。或いは、配管材61を固定するための公知のサドルの両端のフランジを支持部材11の底板部14に当接し、サドルのフランジに設けられた挿通孔にビスを挿通し、支持部材11の底板部14の溝孔21にこのビスを螺入する。ここで、支持部材11の底板部14の溝孔21の幅はビスの外径より小さく形成されているので、ビスは支持部材11の溝孔21の合成樹脂製の周壁12を螺刻しながら溝孔21内に進入し、サドルは支持部材11の底板部14に固定される。これらの固定手段により、配管材61は支持部材11の底板部14にその長手方向と直交する方向に固定される。なお、配管材61は支持具1をL形鋼51のフランジ52に固定した後、支持部材11に保持させてもよい。
次に、支持部材11に配管材61が固定された支持具1をL形鋼51のフランジ52に係合させる。ここで、支持具1は、挟持部材31の被載置部39が支持部材11の載置壁18の上端に当接した状態においては、前述のように、支持部材11の上面と挟持部材31の中央板部32の上面とは略平行し、側板部33の圧接部37での高さh1と側板部33の被載置部39での高さh2との高低差は、L形鋼51のフランジ52の板厚分と略同一となっている。したがって、L形鋼51のフランジ52に係合させる際、挟持部材31の圧接部37と支持部材11の上面との挿入間隔を僅かに拡げて支持具1全体を前方に押し込むだけでL形鋼51のフランジ52に係合させることができる。なお、係合において、支持具1は、L形鋼51のフランジ52の先端が支持部材11の回動規制壁19に当接するまで押し込まれ、この状態においては、支持部材11の上面がL形鋼51のフランジ52の下面全体と当接する。支持具1をL形鋼51のフランジ52に係合させたら、支持部材11の下方から連結ボルト41の締付けを行なう。このとき、挟持部材31の中央板部32の上面には回り止め突起35が設けられ、六角ナット42の側面がこの回り止め突起35と当接して連結ボルト41とともに回転するのが防止されるので、六角ナット42を別途に保持する必要はない。連結ボルト41の締付けにより、L形鋼51のフランジ52は支持部材11の上面と挟持部材31の圧接部37とで挟持され、支持具1は支持部材11の上面と挟持部材31の上面とが略平行する状態でL形鋼51のフランジ52に固定される。これにより、配管材61は支持具1を介してL形鋼51のフランジ52にL形鋼51と平行して支持される。
ここで、上記は、支持具1の挟持部材31を、その圧接部37が支持部材11の長手方向の中央側に位置する向きとなるよう支持部材11上に配置したが、仮に、支持具1の挟持部材31を、その圧接部37が上記と逆方向である支持部材11の長手方向の端部側に位置する向きとなるよう支持部材11上に配置した場合は、図5に示す状態となる。図5の配置状態においては、支持具1をL形鋼51のフランジ52に固定したとき、支持部材11はL形鋼51のフランジ52の右端から図5の右方向に大きく張り出した状態となる。このため、L形鋼51のフランジ52の下面と支持部材11の上面との当接面積は図4の場合と比較して著しく小さくなる。また、支持具1及び配管材61全体の重心とL形鋼51の重心との間隔を比較すると、図4の場合の両重心の間隔L1は図5の場合の両重心の間隔L2より相当小さい。このため、図5の場合、配管材61の荷重が大きいと、L形鋼51の重心を軸とする時計方向の大きなモーメントが生ずることとなり、L形鋼51は時計方向に傾斜するおそれがある。更に、図5の場合、支持部材11は、L形鋼51のフランジ52から図5の右方向に大きく張り出しているので、その分、支持部材11の張出部分は他の物と接触し易くなり、破損したり、L形鋼51のフランジ52から外れるおそれもあり、また、人と接触するおそれもあって危険である。
以上、参考として示した図5の配置状態との比較から分かるように、支持具1は、図4に示すような、挟持部材31の圧接部37が支持部材11の長手方向の中央側に位置する向きとなるよう配置することが必要であり、それにより、L形鋼51のフランジ52に対して安定した固定状態を得ることができるとともに、L形鋼51の傾斜を防止することができ、また、支持部材11の張出部分の物、人との接触を小さくすることができる。
〈H形鋼への支持〉
次に、支持具1を使用して造営材がH形鋼である場合に配設体の配管材61を支持する方法を図6に基づいて説明する。ここで、H形鋼のフランジの板厚は、前記L形鋼51のフランジ52と比較して大きいものとなっている。
予め、支持具1の挟持部材31は、支持部材11上に圧接部37が支持部材11の長手方向の中央側に位置する向きに配置しておく。そして、図4の場合と同様にして、支持部材11の底板部14に配管材61を固定しておく。但し、配管材61は支持具1をH形鋼53に固定した後、支持部材11に固定してもよい。
次に、支持具1をH形鋼53のフランジ54に係合させる。ここで、H形鋼53のフランジ54の板厚は、前記L形鋼51のフランジ52と比較して大きいから、図4に示した支持部材11の上面と挟持部材31の上面とが略平行状態にあっては、支持部材11と挟持部材31との間にH形鋼53のフランジ54を挿入することができない。そこで、連結ボルト41を緩めて、挟持部材31をその被載置部39が支持部材11の載置壁18の上端に載置された状態で反対側の圧接部37を持ち上げ、被載置部39の角部と支持部材11の載置壁18の上端との当接箇所を支点として所定角度傾斜させる。これにより、支持部材11と挟持部材31との挿入間隔が拡大したら、支持具1をH形鋼53のフランジ54に向けて押し込んで係合させる。このとき、挟持部材31の側板部33の圧接部37側には干渉回避空間36が形成されているので、フランジ54の先端角部が挟持部材31の側板部33の下辺部と当接して干渉することにより支持具1内への挿入が妨げられることはなく、H形鋼53のフランジ54は支持部材11の回動規制壁19と当接するまで挿入される。その後、支持部材11の下方から連結ボルト41の締付けを行なう。これにより、支持具1は、挟持部材31が所定角度傾斜した状態で、支持部材11の上面と挟持部材31の圧接部37とでH形鋼53のフランジ54を挟持し、H形鋼53に固定される。
ここで、支持具1の挟持部材31は、圧接部37が支持部材11の長手方向の中央側に位置する向きとなるよう支持部材11上に配置されているが、仮に、その圧接部37が上記と逆方向である、支持部材11の長手方向の端部側に位置する向きとなるよう支持部材11上に配置すると、H形鋼53のフランジ54に固定したとき、支持部材11は、図5の場合と同様に、H形鋼53のフランジ54から図6の右方向に大きく張り出した状態となる。このため、H形鋼53のフランジ54の下面と支持部材11の上面との当接面積は著しく小さくなり、また、支持具1及び配管材61全体の重心とH形鋼53の重心との間隔は圧接部37を支持部材11の長手方向の中央側に配置した図6の場合と比較して相当大きいので、H形鋼53の重心を軸とする時計方向に大きなモーメントが生じ、H形鋼53は時計方向に傾斜するおそれがある。更に、支持部材11がH形鋼53のフランジ54から図6の右方向に大きく張り出すことにより、この張出部分が人や他の物と接触したりするおそれもある。したがって、H形鋼53のフランジ54に固定する場合は、図4に示すL形鋼51への固定の場合と同様に、支持具1は、挟持部材31の圧接部37が支持部材11の長手方向の中央側に位置する向きとなるよう配置することが必要である。
ところで、H形鋼53のフランジ54の板厚が大きいため、挟持部材31は支持部材11に対して傾斜した状態で挟持することになるが、このとき、傾斜角度が大き過ぎると、連結ボルト41の軸に対しても大きく傾斜するため、六角ナット42の下面はいずれか1箇所に点接触の形で挟持部材31の中央板部32の上面を押圧することになる。その結果、六角ナット42の下面と挟持部材31の中央板部32の上面との当接状態が不安定となり、H形鋼53のフランジ54の挟持状態も安定性を欠いたものとなる。そこで、挟持部材31の側板部33は被載置部39における高さh2を大きく設定して嵩上げし、挟持状態において、挟持部材31の傾斜角度が過度に大きくならないようにすべきである。
なお、挟持部材31を支持部材11に対して傾斜した状態で挟持する例として、このH形鋼53の他、フランジの板厚が形鋼の中央側から外側に向かうに従って小さく形成されてフランジ面が傾斜面となっているI形鋼などを挙げることもできる。
〈リップみぞ形鋼への支持〉
次に、支持具1を使用して造営材がリップみぞ形鋼である場合に配設体の配管材61を支持する方法を図7に基づいて説明する。なお、一般には、リップみぞ形鋼は前記L形鋼51、H形鋼53と比較してフランジの板厚は薄い。
リップみぞ形鋼55は、図7に示すように、平面板状の中央板部56の両側端部から直角方向に側板部57が折曲形成され、更に、両側板部57から内部側に向けてそれぞれ直角方向にフランジ58が折曲形成され、上下一対のフランジ58,58間には挿入開口59が形成されている。支持具1は上下一対のフランジ58,58のうちのいずれか一方、本実施形態では下側のフランジ58のみを挟持することにより、リップみぞ形鋼55の裏面側即ち中央板部56と対向するフランジ形成側に上下のフランジ58,58に跨って支持部材11が当接し固定される。
リップみぞ形鋼55に支持具1を固定するには、L形鋼51及びH形鋼53の場合とは逆に、予め、支持具1の挟持部材31は、支持部材11上において圧接部37が支持部材11の長手方向の端部側に位置する向きに配置しておく。支持具1の取付け前に、挟持部材31の圧接部37が支持部材11の長手方向の中央側に位置する向きに配置されているときは、連結ボルト41を緩め或いは取り外して挟持部材31を連結ボルト41の軸を中心に180度回動して反転した後連結ボルト41を締付けることにより、簡単に挟持部材31を、圧接部37が支持部材11の長手方向の端部側に位置する向きに配置変換することができる。配管材61は支持部材11の底板部14に予め固定しておくが、支持具1をリップみぞ形鋼55に固定した後、支持部材11に固定してもよい。
次に、挟持部材31をリップみぞ形鋼55の下側のフランジ58に係合させる。それには、支持部材11の上面と挟持部材31の圧接部37との間隔を拡げ、挟持部材31の圧接部37側を挿入開口59から形鋼内に挿入する。このとき、挟持部材31は高さが低く、嵩張らないので、挿入開口59が狭い場合でも形鋼内に挿入することができる。挟持部材31を形鋼内に挿入した状態では、挟持部材31の圧接部37が支持部材11の長手方向の端部側に位置する向きに配置されているから、支持部材11は、図7に示すように、下側のフランジ58全体に当接するとともに、上側のフランジ58全体にも当接する。
このようにして挟持部材31を形鋼内に挿入したら、支持部材11の右側から連結ボルト41の締付けを行ない、挟持部材31の圧接部37と支持部材11の上面とでフランジ58を挟持させる。連結ボルト41の締付けに伴い、挟持部材31は傾斜した状態で支持部材11側に移動し、挟持部材31の中央板部32の下面が支持部材11の座部17に当接し、または挟持部材31の側板部33の被載置部39の下辺部が支持部材11のリブ14aの上端に当接して、支持部材11側への移動が停止する。このとき、挟持部材31の側板部33の圧接部37側には干渉回避空間36が形成されているので、下側のフランジ58の先端角部が挟持部材31の側板部33の下辺部と当接し干渉するのが防止される。また、支持部材11における上側のフランジ58と対向する上面はそのフランジ58に強く当接する。以上により、支持具1はリップみぞ形鋼55に安定して固定される。
ここで、上記は、支持具1の挟持部材31を、その圧接部37が支持部材11の長手方向の端部側に位置する向きとなるよう支持部材11上に配置したが、仮に、支持具1の挟持部材31を、その圧接部37が上記と逆方向である支持部材11の長手方向の中央側に位置する向きとなるよう支持部材11上に配置した場合は、図8に示す状態となる。図8の配置状態においては、支持具1をリップみぞ形鋼55の下側のフランジ58に固定したとき、支持部材11は下側のフランジ58から図8の下方に大きく張り出した状態となる。そして、支持部材11の上面はリップみぞ形鋼55の上側のフランジ58の外面とは当接しないこととなる。その結果、リップみぞ形鋼55への支持具1の固定は大変不安定な状態となり、または固定不能となる。そして、図8の下方に大きく張り出している分、その張出部分が他の物と接触し易くなり、支持具1が破損したり、リップみぞ形鋼55のフランジ58から脱落するおそれがあり、人と接触するおそれもあって危険である。
以上のように、参考として示した図8の配置では、明らかにリップみぞ形鋼55に対して支持具1をバランスよく安定した状態で強固に固定することはできないから、支持具1は、図7に示すような、挟持部材31の圧接部37が支持部材11の長手方向の端部側に位置する向きとなるよう配置することが必要であり、挟持部材31を前述のL形鋼51及びH形鋼53のフランジに固定する場合とは逆方向に配置する必要がある。
〈吊りボルトへの支持〉
次に、本実施形態の支持具1は、造営材が吊りボルトである場合にも取付け固定することができる。ここで、吊りボルトは建物の二重天井等に垂設されるもので、請求項のボルト体に相当する。
支持具1を吊りボルト60に固定するには、対向位置に形成された支持部材11の保持凹部20と挟持部材31の側板部33の保持凹部38とを垂設された吊りボルト60の両側方から吊りボルト60の外面にあてがうようにして係合させた後、連結ボルト41を締付ける。これにより、支持具1は、図9に示すように、連結ボルト41を締付けるだけの操作で簡単に吊りボルト60の任意の高さに固定することができる。配管材61は吊りボルト60と平行する状態で支持具1に支持される。
〈支持具の作用〉
次に、本実施形態の支持具1の作用を説明する。
支持具1が固定される形鋼は、大きく分けて、外向きのフランジを備えた形鋼、即ち、フランジが形鋼の中央部或いは基部から外方に向けて形成されたL形鋼51、H形鋼53などの形鋼と、内向きのフランジを備えた形鋼、即ち、一対のフランジが内側に向けて折曲形成されたリップみぞ形鋼55などの形鋼が存在する。
このうち、L形鋼51及びH形鋼53からなる造営材に対しては、挟持部材31を、その圧接部37が支持部材11の長手方向の中央側に位置するよう配置することによって、最適な固定状態を得ることができ、支持部材11と造営材との当接面積を大きくして支持具1を安定して造営材に固定することができる。
一方、支持具1は、リップみぞ形鋼55からなる造営材に対しては、挟持部材31を、その圧接部37が支持部材11の長手方向の端部側に位置するよう配置することによって、最適な固定状態を得ることができる。即ち、支持部材11をリップみぞ形鋼55の両フランジに跨って当接させた状態で、一方のフランジを挟持して支持具1を安定して造営材に固定することができる。また、リップみぞ形鋼55は一対のフランジ長さが大小存在するから、フランジが長くリップみぞ形鋼55の挿入開口59が狭い場合もあるが、挟持部材31は一般にその高さ方向に嵩張らないので、挟持部材31を狭い挿入開口59から内部に円滑に挿入することができる。
そして、支持部材11に対する挟持部材31の配置は、連結ボルト41を緩め、または取り外して挟持部材31を、連結ボルト41を軸に180度反転することにより簡単に変換できるから、挟持部材31の配置を変換して支持具1をL形鋼51、H形鋼53、リップみぞ形鋼55のいずれにも簡単に固定することができる。
加えて、連結ボルト41は、挟持部材31の圧接部37が支持部材11の中央側に向けて配置されたときは、圧接部37は支持部材11の中央を連結ボルト41と反対側に越え、かつ、挟持部材31が反転されてその圧接部37が支持部材11の端部側に向けて配置されたときは、圧接部37は支持部材11の端部から外方に飛び出ない位置に設けられているので、支持部材11と挟持部材31の圧接部37とで造営材をバランスよく確実に安定して挟持することができる。
また、挟持部材31の側板部33に造営材との干渉を回避する干渉回避空間36が形成されているので、挟持部材31を連結ボルト41の軸を支点に支持部材11に対して傾斜させて支持部材11との挟持間隔を変化させることができる。したがって、各種板厚のフランジに対応して支持具1を固定することもできる。
更に、支持部材11及び挟持部材31の互いに対向する位置に、吊りボルト60を側方から保持する保持凹部が形成されているので、支持具1を吊りボルト60からなる造営材にも固定することができる。
以上のように、支持具1は、一種類で、L形鋼51、H形鋼53、リップみぞ形鋼55、吊りボルト60等各種造営材に対して安定して強固に固定することができ、また、フランジの板厚の異なる形鋼に対しても同様に安定して固定することができる。
なお、支持部材11の連結ボルト41の貫通孔16の位置について付説すれば、支持部材11の貫通孔16は、長手方向の中心から所定距離離間した偏心位置に設けられているが、仮に、長手方向の中心に設けられているとすれば、支持部材11は貫通孔16を中心に左右対称形となるので、形鋼の種類に応じて連結ボルトを緩めるなどして支持部材11に対する挟持部材31の配置を反転する必要はなくなり、単に支持具1全体を反転して造営材に取付ければよいことになる。しかし、その場合は、形鋼のフランジからの支持部材11の張出長さは半減するものの、依然として支持部材11は相当長さが張り出し、また、リップみぞ形鋼55の上下フランジに跨って支持部材11を固定することはできない。このため、支持部材11の貫通孔16及び挟持部材31の貫通孔34を長手方向の中心に設けた支持具1では各種形鋼のフランジに安定して適確に固定することはできない。したがって、形鋼に固定される支持具1は、少なくとも、支持部材11の貫通孔16及び挟持部材31の貫通孔34は長手方向の中心から所定距離離間した偏心位置に設けられていなければ、使用困難または使用不能となる。
〈その他〉
ところで、上記実施形態における支持具1は、厚い板厚のH形鋼53等のフランジに固定する場合は、支持部材11と挟持部材31との挟持間隔を可変すべく、挟持部材31を支持部材11に対して連結具の軸を支点に傾斜させて挟持間隔を拡げ挟持しているが、図10に示す手段により挟持間隔を可変することもできる。即ち、図10において、挟持部材31の被載置部39は、支持部材11と対向する下辺が所定角度で傾斜している。この被載置部39の傾斜した下辺は直線状に形成されていてもよいし、鋸歯状に形成されていてもよい。また、挟持部材31の貫通孔43は挟持部材31の長手方向に長くした長孔40で形成されており、支持部材11に対して挟持部材31を長手方向に所定距離移動できるようになっている。なお、この長孔40において六角ナット42の下面側には平座金43が取付けられている。
この構成により挟持間隔を変えるには、挟持部材31を長手方向に水平移動させるとともに、被載置部39の下辺を支持部材11の載置壁18上に当接した状態で高さ方向にも移動させて、挟持部材31の被載置部39の傾斜した下辺を支持部材11の載置壁18の上端に当接させつつ傾斜方向に沿って移動させることにより、形鋼のフランジの板厚に応じた位置に到達したら、連結ボルト41を締付け固定する。これによる挟持部材31の被載置部39の嵩上げによって支持部材11から挟持部材31の圧接部37までの挟持間隔を任意の大きさに設定することができる。その結果、支持具1を板厚の異なるフランジに固定できるとともに、挟持部材31と支持部材11とが平行する状態で形鋼のフランジを挟持することもできるので、極く安定した挟持状態を得ることができる。
その他、形鋼のフランジの板厚の相違に対応して、挟持部材31の被載置部39と支持部材11の上面との間にスペーサを介在させたりして挟持間隔を可変することもできる。
次に、上記実施形態の支持部材11は、平面視略小判形状の細長の箱状体に形成されているが、この形状に限られるものではなく、平面視四角形状の箱状体、平面視円形状の箱状体、平面視楕円形状の箱状体などに形成することもでき、また、箱状体以外の形状とすることもできる。例えば、配設体が火災報知器、照明器具等の場合、支持部材11は平面視円形状の箱状体に形成されたものとすることができる。なお、これらの形状の場合も、連結具は、支持部材11の中心からいずれかの方向に所定距離離間した位置を貫通することは言うまでもない。
また、上記実施形態の挟持部材31は、鋼製で、断面略コ字状をなす細長矩形状の溝板で形成されているが、同様に、この溝板の形状に限られるものではなく、矩形板、円板、楕円板等の周囲に沿って側板が折曲形成されたものなどに形成してもよい。
更に、吊りボルト60に固定するための支持部材11の保持凹部20は、長手方向の中間位置に設けられているが、必ずしもこれに限定されるものではない。
なお、上記実施形態では、造営材の形鋼として、L形鋼、H形鋼、リップみぞ形鋼を挙げているが、本発明の支持具1は、他に、軽量H形鋼、CT形鋼、溝形鋼など各種形鋼に適用し得る。また、形鋼、吊りボルト以外の造営材にも適用し得る。
そして、上記実施形態では、配設体として配管材61を造営材に支持させているが、本発明の支持具1は、他に、ケーブル、照明器具、配線器具、安定器、火災報知器等の各種配設体を支持させることができる。
本発明の実施形態の配設体支持具を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は斜視図である。 図1の支持部材を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は裏面図、(e)は斜め下方から見た斜視図である。 図1の挟持部材を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。 図1の支持具をL形鋼に固定した状態を示す正面図である。 図4の挟持部材の配置を反転した支持具をL形鋼に固定した状態を説明する説明図である。 図1の支持具をH形鋼に固定した状態を示す正面図である。 図1の支持具をリップみぞ形鋼に固定した状態を示す正面図である。 図7の挟持部材の配置を反転した支持具をリップみぞ形鋼に固定した状態を説明する説明図である。 図1の支持具を吊りボルトに固定した状態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は斜視図である。 図1の変形例の支持具を示す正面図である。 従来の支持具を示し、(a)は斜視図、(b)は一部破断正面図である。
符号の説明
1 支持具
11 支持部材
20、38 保持凹部
31 挟持部材
36 干渉回避空間
37 圧接部
39 被載置部
41 連結ボルト
51 L形鋼
52、54、58 フランジ
53 H形鋼
55 リップみぞ形鋼
60 吊りボルト

Claims (5)

  1. 配設体を造営材に支持させるための配設体支持具であって、
    前記配設体を支持する支持部材と、
    前記支持部材とで前記造営材を挟持する1個の挟持部材と、
    前記支持部材及び前記挟持部材を貫通してこれらを連結する連結具と
    を備え、
    前記連結具は、前記支持部材においてその中心から所定距離離間した位置を貫通し、
    前記挟持部材は、一端側に前記造営材に圧接される圧接部を有するとともに、前記支持部材に対する配置が前記連結具を軸として反転自在に設けられ、前記いずれの配置においても前記圧接部と前記支持部材とで前記造営材を挟持可能に設けられ
    前記支持部材は、対向する一対の内向きのフランジを備えた形鋼からなる前記造営材の該一対のフランジに跨って当接する長さに形成され、
    前記挟持部材の圧接部が前記支持部材の中央側に向けて配置されたときは、外向きのフランジを備えた形鋼からなる造営材に固定可能であり、前記挟持部材が反転されてその圧接部が前記支持部材の端部側に向けて配置されたときは、前記内向きのフランジを備えた形鋼からなる造営材に固定可能であることを特徴とする配設体支持具。
  2. 前記連結具は、前記挟持部材の圧接部が前記支持部材の中央側に向けて配置されたとき、該圧接部は前記支持部材の中央を前記連結具と反対側に越え、かつ、前記挟持部材が反転されてその圧接部が前記支持部材の端部側に向けて配置されたとき、該圧接部は前記支持部材の端部から外方に飛び出ない位置に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の配設体支持具。
  3. 前記挟持部材は、前記圧接部を有する側に、前記造営材との干渉を回避する干渉回避空間が形成され、前記連結具の軸を支点に前記支持部材に対して傾斜することにより該支持部材との挟持間隔が可変に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配設体支持具。
  4. 前記挟持部材は、前記支持部材との対向側において前記造営材に圧接されない箇所に、前記造営材の厚さに対応して前記圧接部における前記支持部材との挟持間隔を確保すべく、該支持部材との対向側に延出する嵩上げ部が形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配設体支持具。
  5. 前記支持部材及び前記挟持部材の互いに対向する位置に、前記造営材であるボルト体を側方から保持する保持凹部が形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の配設体支持具。
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