JP5154808B2 - 有機顔料ナノ粒子分散物およびその製造方法 - Google Patents

有機顔料ナノ粒子分散物およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、有機顔料ナノ粒子分散物およびその製造方法に関し、更に詳しくいえば、本発明は、分散助剤が少量で且つ水性溶媒に有機ナノ顔料を高濃度に分散させたときの、分散性及び分散安定性に優れ、さらに塩濃度が高くても凝集しにくい有機顔料ナノ粒子分散物、並びにその製造方法に関する。
近年、粒子を小サイズ化する取り組みが進められている。特に、粉砕法、析出法などでは製造することが困難なナノメートルサイズ(例えば、10〜100nmの範囲)にまで小サイズ化する研究が進められている。
このようなナノメートルサイズの微粒子の大きさは、より大きなバルク粒子や、より小さな分子や原子の中間に位置し、従来にないサイズ領域であり、予想できなかった新たな特性を引き出しうることが指摘されている。このようなナノ粒子の持つ可能性はさまざまな分野で期待され、生化学、新規材料、電子素子、発光表示素子、印刷、医療などの広い分野で研究が盛んになりつつある。
特に、有機化合物からなる有機ナノ粒子は有機化合物自体が多様性を有するため、機能性材料としてのポテンシャルは高い。例えば、ポリイミドは耐熱性、耐溶剤性、機械的特性など、化学的および機械的に安定な材料であることと、電気絶縁性が優れているなどのことから多くの分野で利用されている。そしてポリイミドを微粒子化して、ポリイミドの有する特性と形状とを組み合わせて、さらに広い分野で利用されるようになってきている。例えば、微粒子化したポリイミドを画像形成用の粉末トナーの添加剤とすることなどが提案されている(例えば特許文献1を参照。)。
また、有機ナノ粒子のなかでも有機顔料についてみてみると、例えば、塗料、印刷インク、電子写真用トナー、インクジェットインク、カラーフィルタなどを用途として挙げることができる。今や生活上欠かすことができない重要な位置を占めている。なかでも高性能が要求され、実用上、特に重要なもととして、インクジェットインク用顔料およびカラーフィルタ用顔料が挙げられる。
インクジェット用インクの色材については、従来染料が用いられてきたが、耐水性や耐光性の面で問題があり、それを改良するために顔料が用いられるようになってきている。顔料インクにより得られた画像は、染料のインクによる画像に比べて、耐水性や耐光性に優れるという利点がある。しかし紙表面の空隙に染み込むことが可能なナノメートルサイズにすることが難しく、紙への密着性に劣る。
またデジタルカメラの高画素化に伴い、CCDセンサーなどの光学素子や表示素子に用いるカラーフィルタの薄層化が望まれている。カラーフィルタには有機顔料が用いられているが、フィルタの厚さは有機顔料の粒子径に大きく依存するため、ナノメートルサイズの安定な微粒子の製造が望まれている。
有機粒子の製造方法に関しては、気相法(不活性ガス雰囲気下で試料を昇華させ、粒子を基板上に回収する方法)、液相法(例えば、良溶媒に溶解した試料を撹拌条件や温度を制御した貧溶媒に注入することにより、微粒子を得る再沈法)などが研究されている。またこれらの方法により、所望のサイズで製造する例が報告されている。中でも液相法は、簡易性および生産性に優れた有機粒子の製造法として注目されている(例えば特許文献2〜4などを参照。)。
前記液相法におけるナノ粒子の調製においては、ナノ粒子の凝集を防ぐために、低分子界面活性剤や中性の水溶性ノニオン系高分子化合物を使用している。そのため高濃度でナノ粒子を分散できても、使用する分散助剤の量が多く必要であるという欠点があり、インクジェットのように粘度が低く高分子化合物含有率の極端に低い場合に、それらの技術をそのまま適用することは困難である。さらに水性のナノ粒子を調製した後に溶剤系に相転換させる要求のためには、顔料を高濃度に含有する水性スラリーや水性ペーストを作成し、樹脂又は樹脂溶液を添加し、混合攪拌し、顔料の周囲の水分を樹脂又は樹脂溶液で置換するフラッシング法が知られている。しかしこの方法では一度水性粒子が強く凝集した形を経るので、樹脂での被覆の効率が悪くなり再分散が困難になるという問題がある。さらにノニオン系高分子化合物が使用されていると、塩濃度の影響を受けやすく、塩析によって水性ペーストを作成した場合、粒子間で強い二次凝集を起こしてしまう。また低分子のアニオン系又はカチオン系界面活性剤も分散剤として使用できるが、低分子であることによる分散安定性不足が問題である。そこでカチオン系高分子化合物で水性粒子を凝集させずにイオン性液体に相転換させる手法も試みられているが、低濃度の無機粒子に限られており、有機顔料に関する言及はなされていない(例えば非特許文献1を参照。)。
特開平11−237760号公報 特開平6−79168号公報 特開2004−91560号公報 特開2003−113341号公報 「small」,2006,Vol.2,No.7,p.879-883
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は分散助剤が少量で且つ水性溶媒に有機ナノ顔料を高濃度に分散させたときの、分散性及び分散安定性に優れ、さらに塩濃度が高くても凝集しにくい有機顔料ナノ粒子分散物、並びにその製造方法を提供することである。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定のカチオン系高分子化合物を分散助剤として使用することにより、少量で且つ水性溶媒に有機ナノ顔料を高濃度に分散させたときの、分散性及び分散安定性に優れ、さらに塩濃度が高くても凝集しにくい有機顔料分散組成物を得られることを見出した。本発明はこのような知見に基づきなされるに至ったものである。
〔1〕有機顔料粒子と4級アンモニウム部位を有する高分子化合物の少なくとも1種とを含有する有機顔料ナノ粒子分散物であって、
有機顔料が、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、及びキノフタロン顔料から選ばれる少なくとも一種であり、
前記4級アンモニウム部位を有する高分子化合物が、下記一般式(1)で表されるカチオン性繰り返し単位のみからなる、あるいは0.1〜0.7質量%の共重合成分を含む有機顔料ナノ粒子分散物。
Figure 0005154808
(式中、R 1 〜R 3 は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R 1 、R 2 、R 3 の任意の2つは互いに連結していてもよく、さらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含む4〜6員の複素環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又は有機もしくは無機アニオンを表す。nは1〜5の自然数を表す。Aは水素原子またはアルキル基を表す。Lは単結合または2価の連結基、あるいはさらにR 1 、R 2 、R 3 の任意の2つとも結合した4価の連結基を表す。このとき、Lをなす2価の連結基はアリール基またはアラルキル基を含む連結基である。また、Lをなす4価の連結基は、一般式(1)中のアンモニウム塩部位と複素環基を形成する。)
〔2〕前記4級アンモニウム部位を有する高分子化合物が、下記一般式(2)で表されるカチオン性繰り返し単位を有する高分子化合物であることを特徴とする〔1〕に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
Figure 0005154808
(式中、R 1 〜R 3 は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R 1 、R 2 、R 3 の任意の2つは互いに連結していてもよく、さらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含む4〜6員の複素環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又は有機もしくは無機アニオンを表す。nは1〜5の自然数を表す。)
〔3〕前記、R 〜R がなす複素環が、イミダゾリウム環、ピリジニウム環、オキサゾリウム環、チアゾリウム環、イミダゾリニウム環、オキサゾリニウム環、またはチアゾリニウム環である〔1〕または〔2〕に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
〔4〕有機顔料が、平均粒径が10〜100nmの範囲のナノ粒子であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
〔5〕有機顔料が解離性基を有することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
〔6〕有機顔料に対して10質量%以上1000質量%で高分子化合物を含有する〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
〔7〕共重合成分が、ビニルピロリドン、スチレン、ナフタレン、スチリルメチルクロリド、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アクリルアミド、およびビニルアミドら選ばれる化合物に由来する成分である〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
〔8〕高分子化合物の分子量が、数平均分子量で1,000以上200,000以下である〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
〔9〕有機顔料と4級アンモニウム部位を有する高分子化合物とをアルカリ性の極性有機溶媒に溶解させた溶液を、有機顔料不溶性溶媒に投じて有機顔料ナノ粒子を晶析させる有機顔料ナノ粒子分散物の製造方法であって、
有機顔料が、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、及びキノフタロン顔料から選ばれる少なくとも一種であり、
前記4級アンモニウム部位を有する高分子化合物が、下記一般式(1)で表されるカチオン性繰り返し単位を有する高分子化合物であることを特徴とする有機顔料ナノ粒子分散物の製造方法。
Figure 0005154808
(式中、R 1 〜R 3 は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R 1 、R 2 、R 3 の任意の2つは互いに連結していてもよく、さらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含む4〜6員の複素環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又は有機もしくは無機アニオンを表す。nは1〜5の自然数を表す。Aは水素原子またはアルキル基を表す。Lは単結合または2価の連結基、あるいはさらにR 1 、R 2 、R 3 の任意の2つとも結合した4価の連結基を表す。このとき、Lをなす2価の連結基はアリール基またはアラルキル基を含む連結基である。また、Lをなす4価の連結基は、一般式(1)中のアンモニウム塩部位と複素環基を形成する。)
〔10〕前記4級アンモニウム部位を有する高分子化合物が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする〔9〕記載の有機顔料ナノ粒子分散物の製造方法。
Figure 0005154808
(式中、R 1 〜R 3 は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R 1 、R 2 、R 3 の任意の2つは互いに連結していてもよく、さらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含む4〜6員の複素環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又は有機もしくは無機アニオンを表す。nは1〜5の自然数を表す。)
〔11〕有機顔料不溶性溶媒の組成について少なくともその90質量%が水であることを特徴とする〔9〕又は〔10〕に記載の有機顔料ナノ粒子分散物の製造方法。
本発明の有機顔料ナノ粒子分散物は、少量で且つ水性溶媒に有機ナノ顔料を高濃度に分散させたときの、分散性及び分散安定性に優れ、さらに塩濃度が高くても凝集しにくい。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機顔料ナノ粒子分散物を得る方法としては、4級アンモニウム部位を有する高分子化合物を分散助剤として用いて顔料を分散させること以外は特に制限はないが、好ましくは、有機顔料と前記高分子化合物とが溶解した溶液と、有機顔料不溶性媒体とを混合、晶析すること、有機顔料不溶性媒体の少なくとも90質量%を水とすることなど、適宜選択することにより達成することができる。
以下に、有機顔料と4級アンモニウム部位を有する高分子化合物とをアルカリ性の極性有機溶媒に溶解させた溶液を、有機顔料不溶性溶媒に投じて有機顔料ナノ粒子を晶析させて、本発明の有機顔料ナノ粒子分散物を製造する方法について説明する。
本発明においては、好ましくは、反応容器内で、アルカリ性非プロトン性極性溶媒に顔料と高分子化合物を溶解し、顔料粒子を顔料不溶性媒体内で晶析して、顔料分散液を得る。溶解された顔料の溶液を顔料不溶性媒体に加える時の温度は、特に制限をされないが、好ましくは0℃〜80℃、より好ましくは0℃〜60℃の範囲が挙げられる。0℃未満では、親水媒体中の水が氷結する可能性があるし、80℃を超えると顔料粒子の成長が著しく速くなり、所望の粒径が得られない。
本発明に係る顔料について説明する。本発明で用いられる顔料は、色を有する有機顔料を指し、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料から選ばれる有機顔料が挙げられる。
本発明に用いられる顔料は、解離性基を有していることが好ましい。前記顔料は、解離性基を顔料母核内に有していてもよく、あるいは置換基として有していてもよい。
解離性基としては、具体的には−NH−、−NHCO−、−SO3H、−PO3H及び−COOHからなる群から選ばれた少なくとも一種の基を有することが好ましく、より好ましくは、−NH−、−NHCO−又は−COOHであり、さらに好ましくは−NH−又は−NHCO−である。
具体的な有機顔料を以下に例示する。マゼンタ又はレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド254等が挙げられる。
オレンジ又はイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーン又はシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの顔料を溶解する溶媒としてはアルカリ性の高極性有機溶媒が挙げられ、好ましくはアルカリ性非プロトン性極性溶媒が挙げられる。アルカリ性非プロトン性極性溶媒とは、アルカリ性物質(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド)を含有した非プロトン性極性溶媒のことをいう。非プロトン性極性溶媒としては、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、アセトニトリル等が挙げられる。好ましくは、アミド類、スルホキシド類である。
本発明では、分散助剤として4級アンモニウム部位を有する高分子化合物を用いる。該高分子化合物は、有機顔料ナノ粒子に絡みついて複数の吸着点で顔料粒子に吸着しており、そのため、ある部位で顔料粒子から外れても他の吸着点で吸着しているので該高分子化合物が顔料粒子に安定して吸着し、分散性および分散安定性に優れると考えられる。4級アンモニウム部位を有する高分子化合物としては、ポリ(メタクリルオキシアルキルアンモニウム塩)、ポリ(メタクリルオキシアリールアンモニウム塩)、ポリ(アクリルオキシアルキルアンモニウム塩)、ポリ(アクリルオキシアリールアンモニウム塩)、ポリ(ジアリルアンモニウム塩)などが挙げられるが、本発明に用いられる4級アンモニウム部位を有する高分子化合物としては、下記一般式(1)で表されるカチオン性繰り返し単位を有する高分子化合物であることが好ましい。
Figure 0005154808
(式中、R1〜R3は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R1、R2、R3の任意の2つは互いに連結していてもよく、さらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含む複素環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又は有機もしくは無機アニオンを表す。nは1〜5の自然数を表す。Aは水素原子またはアルキル基を表す。Lは単結合または2価の連結基、あるいはさらにR1、R2、R3の任意の2つとも結合した4価の連結基を表す。
一般式(1)中、R1〜R3が表すアルキル基は、置換又は無置換の、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。R1〜R3が表すアラルキル基は、置換又は無置換のアラルキル基であり、好ましくは炭素数7〜10のアラルキル基である。R1〜R3が表すアリール基は、置換又は無置換のアリール基であり、好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。アラルキル基又はアリール基はそれぞれ単環でも縮環していてもよい。
アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ターシャリーオクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基が好ましい。特に好ましくは、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基である。
アラルキル基としては、具体的には、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−ブトキシベンジル基、4−メトキシベンジルメトキシフェニル基、4−ヒドロキシベンジル基が好ましい。特に好ましくは、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−ブトキシベンジル基である。
アリール基としては、具体的には、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基が好ましい。特に好ましくは、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ブトキシフェニル基である。
1、R2、R3の任意の2つが互いに連結して4級アンモニウム部位を有する含窒素複素環を形成する場合、該複素環は4〜6員環であることが好ましい。また、該複素環はさらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含んでもよい。該複素環としては、イミダゾリウム、ピリジニウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、イミダゾリニウム、オキサゾリニウム、チアゾリニウムなどが挙げられる。より好ましくは、イミダゾリウム、ピリジニウム、オキサゾリウム、チアゾリウムが挙げられる。
一般式(1)中、Xは1価でも多価でもよく、このXが表すハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。Xが表す有機アニオンの具体例としては、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオン、アルコシキシド、ベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン、アントラセンジスルホン酸アニオンなどが挙げられる。Xが表す無機アニオンの具体例としては、4フッ化臭素アニオン、6フッ化リンアニオン、ヒドロキシドなどが挙げられる。特に好ましくは、nが1〜2の自然数である条件を満たす有機または無機アニオンである。
一般式(1)中、Aが表すアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基が好ましい。特に好ましくは、メチル基、エチル基である。
一般式(1)中、Lは単結合または2価の連結基、あるいはさらにR1、R2、R3の任意の2つとも結合した4価の連結基を表す。Lが表す2価の連結基は、アリール基、アラルキル基を含む連結基である。Lが表す2価の連結基に含まれるアリール基、アラルキル基は単環でも縮環していてもよい。Lが表すR1、R2、R3の任意の2つとも結合した4価の連結基は、一般式(1)中のアンモニウム塩部位と複素環基を形成する。
Lが表す2価の連結基の具体例としては、アリール基として、フェニレン、ナフチレン等が挙げられ、アラルキル基として、フェニルメチレン、ナフチルメチレン等が挙げられる。Lが表すR1、R2、R3の任意の2つとも結合した4価の連結基が、一般式(1)中のアンモニウム塩部位と形成する複素環としては、イミダゾリウム、ピリジニウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、イミダゾリニウム、オキサゾリニウム、チアゾリニウムなどが挙げられる。より好ましくは、イミダゾリウム、ピリジニウム、オキサゾリウム、チアゾリウムが挙げられる。
1、R2、R3の任意の2つが互いに連結したもの、さらにそれらで形成される酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含む複素環の具体例も含めて、以下に前記一般式(1)で表されるカチオン性繰り返し単位を有する高分子化合物の例を示す。例えば、ポリビニルイミダゾリニウム塩類、ポリビニルベンズイミダゾリニウム塩類、ポリビニルピリジニウム塩類、ポリスチリルメチレンイミダゾリウム塩類、ポリスチリルメチレンイミダゾリニウム塩類、ポリスチリルメチレンピリジニウム塩類、ポリスチリルメチレンオキサゾリウム塩類、ポリスチリルメチレンオキサゾリニウム塩類、ポリスチリルメチレンチアゾリウム塩類、ポリスチリルメチレンチアゾリウム塩類、ポリスチリルメチレンアンモニウム塩類、ポリナフチルメチレンイミダゾリウム塩類、ポリナフチルメチレンイミダゾリニウム塩類、ポリナフチルメチレンピリジニウム塩類、ポリナフチルメチレンオキサゾリウム塩類、ポリナフチルメチレンオキサゾリニウム塩類、ポリナフチルメチレンチアゾリウム塩類、ポリナフチルメチレンチアゾリウム塩類、ポリナフチルメチレンアンモニウム塩類が挙げられる。
これらの中で、特に好ましい例としては、ポリスチリルメチレンイミダゾリウム塩類、ポリスチリルメチレンイミダゾリニウム塩類、ポリスチリルメチレンピリジニウム塩類、ポリスチリルメチレンオキサゾリウム塩類、ポリスチリルメチレンオキサゾリニウム塩類、ポリスチリルメチレンチアゾリウム塩類、ポリスチリルメチレンチアゾリウム塩類、ポリスチリルメチレンアンモニウム塩類が挙げられる。
本発明に用いられる4級アンモニウム部位を有する高分子化合物は、下記一般式(2)で表されるカチオン性繰り返し単位を有する高分子化合物であることが更に好ましい。
Figure 0005154808
一般式(2)中、R1〜R3、X及びnは前記一般式(1)におけるR1〜R3、X及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、本発明に用いられる4級アンモニウム部位を有する高分子化合物は、前記一般式(1)で表されるカチオン性繰り返し単位とその他の繰り返し単位とからなるランダム共重合体であってもよい。重合比は、前者4級アンモニウム部位を有する高分子化合物に対して、0.1〜0.7質量%の繰り返し単位を共重合させることが好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。
共重合成分としては例えば、ビニルピロリドン、スチレン、ナフタレン、スチリルメチルクロリド、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アクリルアミド、ビニルアミドなどが挙げられる。特に好ましくはビニルピロリドン、スチレン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アクリルアミド、ビニルアミドなどが挙げられる。共重合の方法としては、ブロック共重合であっても良いが、ランダム共重合であることが、分散性や分散安定性、合成コストの観点で好ましい。
以下に本発明で用いられる4級アンモニウム部位を有する高分子化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。以下の具体例では、本発明に用いられる高分子化合物は、例示された繰り返し単位が重合したものである。
Figure 0005154808
Figure 0005154808
前記の4級アンモニウム部位を有する高分子化合物は、「small」,2006,Vol.2,No.7,p.879-883を参考にしてラジカル重合法により製造することができる。
本発明に用いられる4級アンモニウム部位を有する高分子化合物の分子量は、数平均分子量で1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上40,000以下がより好ましい。1,000未満では顔料粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくなり、200,000を超えると粘度上昇、溶解不良等の問題が発生し易くなる。なお、本発明における高分子とは数平均分子量で1000以上のものを指す。
本発明の有機顔料ナノ粒子分散物における4級アンモニウム部位を有する高分子化合物の含有量は、顔料に対して10質量%以上1000質量%以下が好ましい。更には、50質量%以上200質量%以下がより好ましい。10質量%未満では顔料粒子の成長及び凝集を抑制する効果が少なくなり、1000質量%を超えると粘度上昇、溶解不良等の問題が発生し易くなる。
本発明では、好ましくは、反応容器内で、アルカリ性極性溶媒に顔料と高分子化合物を溶解した後に、当該溶液を有機顔料不溶性溶媒に投じて有機顔料ナノ粒子を晶析させて顔料ナノ粒子分散物を得る。ここで、有機顔料不溶性溶媒が、少なくとも90質量%の水からなる水性媒体であることが好ましい。この水性媒体中には、水に溶解する水溶性有機溶媒を加えても良い。水溶性の有機溶媒の具体的例としては、水溶性アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、水溶性多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、水溶性ケトン類(アセトンなど)が挙げられる。
本発明において、ナノ粒子とは、平均粒径が1nm以上1000nm未満のものを指し、本発明の有機顔料ナノ粒子分散物における有機顔料ナノ粒子の平均粒径は、10〜100nmが好ましく、10〜40nmがより好ましい。
本発明の有機顔料ナノ粒子分散物の濃度は、好ましくは0.5〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%である。
本発明の有機顔料ナノ粒子分散物は、インクジェット用インクやカラーフィルタなどに好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
C.I.ピグメントレッド254(56.25g)と高分子化合物A−1(56.25g、数平均分子量約20000)をジメチルスルホキシド(DMSO)(100mL)に添加し攪拌した。この溶液に28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(7.5mL)を添加し、顔料溶液Aを調製した。一方、濃塩酸(14mL)を添加した水(1L)を顔料不溶性溶媒Bとして調製した。
前記顔料不溶性溶媒Bを30℃で藤沢製薬工業社製GK−0222−10型ラモンドスターラー(商品名)により500rpmで攪拌しながら、該顔料不溶性溶媒Bに前記顔料溶液Aを日本精密科学社製NP−KX−500型大容量無脈流ポンプ(商品名)で流速10mL/minで注入して有機顔料ナノ粒子を晶析させ、ナノ顔料分散液Cを得た。
また、別途上述の顔料不溶性溶媒Bについて濃塩酸(14mL)を添加しない場合についても同様な操作を行い、分散液Dを調製した。
分散液Cについては、日本精密製作所社製超音波ホモジナイザーUSシリーズ(商品名)を用いて超音波照射を30分行い、堀場製作所社製LB−400(商品名)を用いて動的光散乱法により評価を行い、そのメジアン径を平均粒径とし、分散性の指標とした。分散液Cを一部取り出し分散安定性の指標として1ヶ月間室温放置した場合と、塩析への耐性の指標として分散液Cの0.5体積分の濃塩酸を添加した場合を目視にて観察した。分散液Dについては、そのまま動的光散乱法による評価を行った。
実施例2
高分子化合物A−1を高分子化合物A−3(数平均分子量約20000)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
実施例3
高分子化合物A−1を高分子化合物C−2(数平均分子量約20000)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
実施例4
高分子化合物A−1を高分子化合物C−5(数平均分子量約20000)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
比較例1
高分子化合物A−1をポリビニルピロリドン(PVP)(K−30、商品名、和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量約40000)に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
比較例2
ポリビニルピロリドンの使用量を112.5gとしたこと以外は、比較例1と同様の操作を行った。
比較例3
高分子化合物A−1を下記低分子分散剤に代えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。
Figure 0005154808
以下、評価結果を示す。
Figure 0005154808
表1の結果から明らかなように、分散助剤としてノニオン系高分子化合物であるポリビニルピロリドンを使用した比較例1及び2は塩濃度の影響を受けやすく、濃塩酸を顔料不溶性溶媒に添加していない分散液Dでは粒径が小さく凝集が起こらないが、濃塩酸を顔料不溶性溶媒に添加した分散液Cでは、顔料粒子間で二次凝集を起こしてしまっていた。また、比較例1と比較例2とを比べると、分散助剤の使用量を2倍にした比較例2では二次凝集がやや減少していた。これらのことから、分散助剤としてノニオン系高分子化合物を使用した場合には、二次凝集が起こりやすく、凝集を防ぐために大量の分散助剤を使用する必要があることが分かった。
また、分散助剤としてカチオン系低分子化合物を使用した比較例3では、分散安定性に劣り、分散液C及びDのいずれも顔料粒子の平均粒径を90nm程度よりも小さなものを得ることができなかった。
これらに対し、本発明の実施例1〜4はいずれも、分散液Cでは平均粒径が20〜100nm程度の顔料粒子を得ることができ、分散液Dでは平均粒径が20〜35nm程度の微細な顔料粒子を得ることができた。特に、分散助剤として前記一般式(2)で表されるカチオン系高分子化合物を用いた実施例3及び4では、分散液C及びDのいずれにおいても平均粒径22nmの微細な顔料粒子を得ることができた。

Claims (11)

  1. 有機顔料粒子と4級アンモニウム部位を有する高分子化合物少なくとも1種とを含有する有機顔料ナノ粒子分散物であって、
    有機顔料が、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、及びキノフタロン顔料から選ばれる少なくとも一種であり、
    前記4級アンモニウム部位を有する高分子化合物が、下記一般式(1)で表されるカチオン性繰り返し単位のみからなる、あるいは0.1〜0.7質量%の共重合成分を含む有機顔料ナノ粒子分散物。
    Figure 0005154808
    (式中、R1〜R3は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R1、R2、R3の任意の2つは互いに連結していてもよく、さらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含む4〜6員の複素環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又は有機もしくは無機アニオンを表す。nは1〜5の自然数を表す。Aは水素原子またはアルキル基を表す。Lは単結合または2価の連結基、あるいはさらにR1、R2、R3の任意の2つとも結合した4価の連結基を表す。このとき、Lをなす2価の連結基はアリール基またはアラルキル基を含む連結基である。また、Lをなす4価の連結基は、一般式(1)中のアンモニウム塩部位と複素環基を形成する。
  2. 前記の4級アンモニウム部位を有する高分子化合物が、下記一般式(2)で表されるカチオン性繰り返し単位を有する高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
    Figure 0005154808
    (式中、R1〜R3は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R1、R2、R3の任意の2つは互いに連結していてもよく、さらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含む4〜6員の複素環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又は有機もしくは無機アニオンを表す。nは1〜5の自然数を表す。)
  3. 前記、R 〜R がなす複素環が、イミダゾリウム環、ピリジニウム環、オキサゾリウム環、チアゾリウム環、イミダゾリニウム環、オキサゾリニウム環、またはチアゾリニウム環である請求項1または2に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
  4. 前記有機顔料が、平均粒径が10〜100nmの範囲のナノ粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
  5. 前記有機顔料が解離性基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
  6. 有機顔料に対して10質量%以上1000質量%で高分子化合物を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
  7. 共重合成分が、ビニルピロリドン、スチレン、ナフタレン、スチリルメチルクロリド、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、アクリルアミド、およびビニルアミドから選ばれる化合物に由来する成分である請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
  8. 高分子化合物の分子量が、数平均分子量で1,000以上200,000以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機顔料ナノ粒子分散物。
  9. 有機顔料と4級アンモニウム部位を有する高分子化合物とをアルカリ性の極性有機溶媒に溶解させた溶液を、有機顔料不溶性溶媒に投じて有機顔料ナノ粒子を晶析させる有機顔料ナノ粒子分散物の製造方法であって、
    有機顔料が、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、及びキノフタロン顔料から選ばれる少なくとも一種であり、
    前記4級アンモニウム部位を有する高分子化合物が、下記一般式(1)で表されるカチオン性繰り返し単位を有する高分子化合物であることを特徴とする有機顔料ナノ粒子分散物の製造方法。
    Figure 0005154808
    (式中、R 1 〜R 3 は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R 1 、R 2 、R 3 の任意の2つは互いに連結していてもよく、さらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含む4〜6員の複素環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又は有機もしくは無機アニオンを表す。nは1〜5の自然数を表す。Aは水素原子またはアルキル基を表す。Lは単結合または2価の連結基、あるいはさらにR 1 、R 2 、R 3 の任意の2つとも結合した4価の連結基を表す。このとき、Lをなす2価の連結基はアリール基またはアラルキル基を含む連結基である。また、Lをなす4価の連結基は、一般式(1)中のアンモニウム塩部位と複素環基を形成する。
  10. 前記4級アンモニウム部位を有する高分子化合物が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項9記載の有機顔料ナノ粒子分散物の製造方法。
    Figure 0005154808
    (式中、R 1 〜R 3 は、それぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。R 1 、R 2 、R 3 の任意の2つは互いに連結していてもよく、さらに酸素原子、窒素原子、及び/又は硫黄原子を含む4〜6員の複素環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又は有機もしくは無機アニオンを表す。nは1〜5の自然数を表す。)
  11. 前記有機顔料不溶性溶媒の組成について少なくともその90質量%が水であることを特徴とする請求項又は10に記載の有機顔料ナノ粒子分散物の製造方法。
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