JP5153762B2 - 広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法 - Google Patents

広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法に関する。詳細には、反射帯域巾が300nm以上である広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法に関する。
円偏光分離機能を有するコレステリック液晶は、液晶の螺旋の回転方向と円偏光方向とが一致し、波長が液晶の螺旋ピッチであるような円偏光の光だけを反射する選択反射特性を有する。この選択反射特性により、コレステリック液晶は輝度向上フィルムやカラーフィルターに利用されている。
しかし、コレステリック液晶の選択反射特性は特定の波長帯域のみに限定され、可視光線全域のカバーを行うのは困難である。
コレステリック液晶の選択反射波長領域巾△λは、
△λ=2λ・(ne−no)/(ne+no)
no:コレステリック液晶分子の正常光に対する屈折率
ne:コレステリック液晶分子の異常光に対する屈折率
λ:選択反射の中心波長
で表され、コレステリック液晶そのものの分子構造に依存する。
上記式より、ne−noを大きくすれば選択反射波長領域巾△λは広げられるが、ne−noは通常0.3以下である。この値を大きくすると液晶としての他の機能(配向特性、液晶温度など)が不十分となり実用が困難となる。したがって、現実には、選択反射波長領域巾△λは最も大きくても150nm程度となる。コレステリック液晶として実用可能なものの多くは、現状、30〜100nm程度である。
また、選択反射中心波長λは、
λ=(ne+no)P/2
P:コレステリック液晶一回転ねじれに要する螺旋ピッチ長
で表され、ピッチ一定であれば液晶分子の平均屈折率とピッチ長に依存する。
そこで、可視光全域をカバーするために、異なる選択反射中心波長を有する複数層を積層する方法(例えば、特許文献1、2参照)や、特殊な条件下で紫外線重合することによってピッチ長を厚み方向で連続変化させて選択反射中心波長そのものの存在分布を形成する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
しかし、異なる選択反射中心波長を有する複数層を積層する方法では、工程数が多くなるという問題や、歩留まりが悪化するという問題が生じる。
他方、特殊な条件下で紫外線重合することによってピッチ長を厚み方向で連続変化させて選択反射中心波長そのものの存在分布を形成する方法は、コレステリック液晶組成物を紫外線露光で硬化させる際に、露光面側と出射面側の露光強度に差を付け、重合速度に差を付けることで、反応速度の異なる液晶組成物の組成比変化を厚み方向で設けるというものである。しかし、この方法では、長時間の紫外線照射を必要としたり、半硬化の状態で広帯域化した後に高強度の紫外線照射を行う本硬化工程を必要としたり、紫外線照射による硬化時における加熱をさらに必要とするなど、製造工程が複雑化するという問題が生じる。また、紫外線照射により、得られるフィルムに黄変が起こり、外観が悪くなるという問題が生じる。
特開2004−212909号公報 特開2004−258405号公報 特許第4133839号公報
本発明の目的は、反射帯域巾が300nm以上である広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法であって、簡略化された工程からなるとともに、黄変のない良好な外観を有する広帯域コレステリック液晶フィルムを製造できる、広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明の製造方法は、
反射帯域巾が300nm以上である広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法であって、
重合性メソゲン化合物(a)、重合性カイラル剤(b)、および熱重合開始剤(c)を含む液晶組成物を配向基材上に塗布する工程と、該液晶組成物の熱重合による広帯域化工程とを含み、
該熱重合を、加熱温度が70〜150℃において、酸素濃度5体積%以下の酸素を含有する不活性ガス雰囲気下で行う。
好ましい実施形態においては、上記広帯域コレステリック液晶フィルムのピッチ長が、上記配向基材側から連続的に小さくなるように変化している。
本発明によれば、反射帯域巾が300nm以上である広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法であって、簡略化された工程からなるとともに、黄変のない良好な外観を有する広帯域コレステリック液晶フィルムを製造できる、広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法は、広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法である。
本発明の製造方法で得られる広帯域コレステリック液晶フィルムは、反射帯域巾が300nm以上であり、非常に広い帯域の反射帯域巾を有する。本発明の製造方法で得られる広帯域コレステリック液晶フィルムの反射帯域巾は、好ましくは350nm以上、より好ましくは400〜800nmである。
本発明の製造方法は、重合性メソゲン化合物(a)、重合性カイラル剤(b)、および熱重合開始剤(c)を含む液晶組成物を配向基材上に塗布する工程と、該液晶混合物の熱重合による広帯域化工程とを含む。
重合性メソゲン化合物(a)としては、任意の適切な重合性メソゲン化合物が採用され得る。例えば、特表2002−533742(WO00/37585)、EP358208(US5211877)、EP66137(US4388453)、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、DE4408171、およびGB2280445等に記載の重合性メソゲン化合物が使用できる。このような重合性メソゲン化合物の具体例としては、例えば、BASF社の商品名LC242、Merck社の商品名E7、Wacker−Chem社の商品名LC−Sillicon−CC3767が挙げられる。
重合性メソゲン化合物(a)としては、例えば、特開2003−287623号公報の段落0035〜0047に記載の液晶モノマーを好適に用いることができる。重合性メソゲン化合物(a)は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記液晶組成物中における重合性メソゲン化合物(a)の含有割合は、好ましくは75〜98重量%であり、より好ましくは80〜98.5重量%であり、さらに好ましくは85〜98重量%である。上記液晶組成物中における重合性メソゲン化合物(a)の含有割合が75重量%未満である場合には、組成物が液晶状態を十分に呈さず、結果として、コレステリック配向が十分に形成されない場合がある。上記液晶組成物中における重合性メソゲン化合物(a)の含有割合が98重量%を超える場合には、重合性カイラル剤(b)の含有量が少なくなってしまい、ねじれが十分に付与されなくなるので、コレステリック配向が十分に形成されない場合がある。
重合性カイラル剤(b)としては、液晶材料を所望のコレステリック構造に配向し得る任意の適切な材料が採用され得る。例えば、このようなカイラル剤のねじり力は、好ましくは1×10−6nm−1・(wt%)−1以上であり、さらに好ましくは1×10−5nm−1・(wt%)−1〜1×10−2nm−1・(wt%)−1であり、最も好ましくは1×10−4nm−1・(wt%)−1〜1×10−3nm−1・(wt%)−1である。このようなねじり力を有する重合性カイラル剤を用いることにより、コレステリック配向固化層のらせんピッチを所望の範囲に制御することができ、その結果、選択反射の波長域を所望の範囲に制御することができる。
重合性カイラル剤(b)としては、例えば、特開2003−287623号公報の段落0048〜0056に記載のカイラル剤を好適に用いることができる。重合性カイラル剤(b)は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記液晶組成物中における重合性カイラル剤(b)の含有割合は、好ましくは1〜20重量%であり、より好ましくは1.5〜15重量%であり、さらに好ましくは2〜10重量%である。上記液晶組成物中における重合性カイラル剤(b)の含有割合が1重量%未満である場合には、ねじれが十分に付与されなくなるので、コレステリック配向が十分に形成されない場合がある。上記液晶組成物中における重合性カイラル剤(b)の含有割合が20重量%を超える場合には、液晶状態を呈する温度範囲が非常に狭くなる。
熱重合開始剤(c)としては、任意の適切な熱重合開始剤が採用され得る。例えば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジサクシニックアシッドパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルマレイン酸ヘミパーエステル等のパーオキシエステル;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;などの有機過酸化物が挙げられる。
上記液晶組成物中における熱重合開始剤(c)の含有割合は、重合性メソゲン化合物(a)および重合性カイラル剤(b)の合計100重量部に対して、好ましくは0.2〜4重量部であり、より好ましくは0.3〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜3.5重量部、特に好ましくは0.5〜3重量部である。重合性メソゲン化合物(a)および重合性カイラル剤(b)の合計100重量部に対して熱重合開始剤(c)の含有割合が0.2重量部未満である場合には、加熱時のラジカルの発生量が不十分なため、硬化が進行しないおそれがある。重合性メソゲン化合物(a)および重合性カイラル剤(b)の合計100重量部に対して熱重合開始剤(c)の含有割合が4重量部を超える場合には、液晶状態を呈する温度範囲が狭くなり、白濁しやすいうえに、ラジカル発生量が増大するために硬化速度が速くなり、広帯域化に必要なモノマーの拡散が不十分になるおそれがある。
本発明の製造方法においては、熱重合によってコレステリック液晶を発現させるので、紫外線照射による重合を行う必要がない。したがって、上記液晶組成物は、光重合開始剤を含まない。
上記液晶組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。添加剤としては、例えば、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。より具体的には、上記老化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物が挙げられる。上記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類やアルコール類が挙げられる。上記界面活性剤は、例えば、光学補償層の表面を平滑にするために添加され、例えば、シリコーン系、アクリル系、フッ素系の界面活性剤が挙げられる。
本発明の製造方法において、上記液晶組成物は、そのまま配向基材上に塗布しても良いし、溶媒に溶解または分散させて配向基材上に塗布しても良い。このような溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル系溶媒、あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記配向基材としては、液晶を配向させることができる任意の適切な基材が採用され得る。代表的には、各種プラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックとしては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレフィン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。これらのプラスチックを延伸したものも挙げられる。また、アルミ、銅、鉄等の金属製基板、セラミック製基板、ガラス製基板等の表面に、上記のようなプラスチックフィルムやシートを配置したものも挙げられる。また、上記基材あるいは上記プラスチックフィルムまたはシートの表面にSiO斜方蒸着膜を形成したものも挙げられる。配向基材の厚みは、好ましくは5μm〜500μmであり、さらに好ましくは10μm〜200μmであり、最も好ましくは15μm〜150μmである。このような厚みであれば、基材として十分な強度を有するので、例えば、製造時に破断する等の問題の発生を防止できる。
本発明の製造方法において、配向基材上への上記液晶組成物の塗布は、任意の適切な塗布方法を採用し得る。例えば、キャスト法などが挙げられる。
上記液晶組成物の塗布厚みは、得られる広帯域コレステリック液晶フィルムの厚みとして、好ましくは3〜20μm、より好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは3〜10μm、特に好ましくは4〜10μmである。上記厚みが3μmより薄いと、得られる広帯域コレステリック液晶フィルムにおいて反射帯域巾を300nm以上とするだけの螺旋ピッチが形成できないおそれがある。上記厚みが20μmより厚いと、配向規制力が十分に作用できずに配向不良が生じるおそれがある。
本発明の製造方法においては、上記液晶組成物の熱重合による広帯域化工程を含む。
上記熱重合における加熱温度は70〜150℃であり、好ましくは80〜140℃、より好ましくは80〜130℃である。上記熱重合における加熱温度が70℃より低いと、熱重合開始剤によるラジカルの発生が少なく、硬化が進行しないおそれがある。上記熱重合における加熱温度が150℃より高いと、液晶が等方相に相転移してしまい、選択反射を発現しないおそれがある。
上記熱重合の加熱時間は、好ましくは2分以上、より好ましくは2〜30分、さらに好ましくは2〜20分である。上記熱重合における加熱時間が2分より短いと、熱重合開始剤からのラジカル発生量が不十分になるおそれがある。また、上記熱重合における加熱時間が長すぎると、製造工程が長くなり、ロールツーロールに適さないおそれがある。
上記熱重合は、酸素濃度5体積%以下の酸素を含有する不活性ガス雰囲気下で行う。この酸素濃度は、好ましくは4体積%以下、より好ましくは3体積%以下、さらに好ましくは2.5体積%以下、特に好ましくは2体積%以下である。この酸素濃度の下限は、好ましくは0体積%を超えた値である。上記酸素濃度が5体積%を超えると、熱重合開始剤から発生したラジカルが酸素に捕捉され、硬化が進行しないおそれがある。他方、上記酸素濃度が0体積%の場合、空気面での酸素阻害がないため、基材面との反応速度差がつきにくく、広帯域化が起こらないおそれがある。
上記不活性ガスとしては、任意の適切な不活性ガスを採用し得る。例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン等が挙げられる。これらの中でも、窒素が最も汎用性が高いので好ましい。
本発明の製造方法で得られる広帯域コレステリック液晶フィルムは、好ましくは、そのピッチ長が、配向基材側から連続的に小さくなるように変化している。このピッチ長は、配向基材側とその反対側との差が、好ましくは少なくとも250nmであり、より好ましくは少なくとも300nmである。なお、ピッチ長は、広帯域コレステリック液晶フィルムの断面TEM像から読み取ることができる。
本発明の製造方法で得られる広帯域コレステリック液晶フィルムは、上記のように、好ましくは、ピッチ長が一方の側から連続的に狭くなるように変化しているグランジャン構造を有する。長ピッチ長側には連続的または不連続的に、赤外領域の反射を示すピッチ長の螺旋構造または螺旋がほぼ解消された層を有することが好ましい。本発明の製造方法で得られる広帯域コレステリック液晶フィルムにおいて、長ピッチ長の螺旋構造または螺旋がほぼ解消された層は、正面からの入射光に対して光学的に50〜450nmの位相差値を有する位相差層であることが好ましい。このように、本発明の製造方法で得られる広帯域コレステリック液晶フィルムは、好ましくは、グランジャン構造を有し、コレステリック液晶として可視領域(380〜780nm)において選択反射を示す部分を有するとともに、選択反射を示す部分とは全く異なるピッチの層を長ピッチ長側に有している。この層は光学的な特性として位相差層となり得る。その位相差値は、好ましくは、50〜450nmの間で制御可能である。たとえば、この位相差値が100〜160nmとなるときは、コレステリック液晶フィルムを通過する可視光域の光は直線偏光を示し得る。一方、位相差値が200〜400nmとなるときは、コレステリック液晶を透過した円偏光の状態とは逆の回転の円偏光の状態に変換し得る。これにより、広帯域コレステリック液晶フィルムの有する位相差層の位相差値によって、透過光の偏光状態を自由にコントロールすることが可能である。したがって、本発明の製造方法で得られる広帯域コレステリック液晶フィルムは、使用する液晶ディスプレイのモードに合わせた偏光板として使用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における評価方法は下記の通りである。また、特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
<反射スペクトルの測定>
得られたコレステリック液晶フィルムをガラスに転写して測定用サンプルとし、日立ハイテク社製のU−4100を用いて測定した。
<黄変の評価>
日立ハイテク社製のU−4100を用い、YI値を測定した。YI値が1以下の場合を黄変なしと判断した。
<窒素ガス中の酸素濃度の調整>
金属製の密閉可能な容器の開口部から、酸素濃度計のセンサー部を差込み、窒素ガスを封入しながら容器内の酸素濃度を測定した。所望の酸素濃度まで低下したところで、センサーを抜き、窒素ガスの封入をやめ、開口部を閉じた。
〔実施例1〕
重合性メソゲン化合物(a)としてLC242(BASF社製)97.5重量部、重合性カイラル剤(b)としてLC756(BASF社製)2.5重量部、および熱重合開始剤(c)としてV−65(和光純薬工業社製)1.0重量部からなる混合物のシクロペンタノン溶液(30重量%固体含有量)を調製した。
上記溶液を延伸ポリエチレンテレフタレート基材にキャストし、酸素濃度0.2体積%の酸素を含有する窒素ガス雰囲気下で、100℃で10分間、熱重合を行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(1)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕
窒素ガス中の酸素濃度を0.5体積%とした以外は、実施例1と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(2)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例3〕
窒素ガス中の酸素濃度を1.0体積%とした以外は、実施例1と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(3)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例4〕
窒素ガス中の酸素濃度を0体積%とした以外は、実施例1と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(4)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例5〕
窒素ガス中の酸素濃度を3.0体積%とした以外は、実施例1と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(5)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例6〕
重合温度を80℃とした以外は、実施例3と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(6)を得た。
結果を表2に示した。
〔実施例7〕
重合温度を120℃とした以外は、実施例3と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(7)を得た。
結果を表2に示した。
〔実施例8〕
重合温度を80℃とした以外は、実施例5と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(8)を得た。
結果を表2に示した。
〔実施例9〕
重合温度を120℃とした以外は、実施例5と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(9)を得た。
結果を表2に示した。
〔比較例1〕
窒素ガス中の酸素濃度を7.0体積%とした以外は、実施例1と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C1)を得た。
結果を表3に示した。
〔比較例2〕
窒素ガス中の酸素濃度を10体積%とした以外は、実施例1と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C2)を得た。
結果を表3に示した。
〔比較例3〕
窒素ガス中の酸素濃度を21体積%とした以外は、実施例1と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C3)を得た。
結果を表3に示した。
〔比較例4〕
重合温度を50℃とした以外は、実施例3と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C4)を得た。
結果を表3に示した。
〔比較例5〕
重合温度を160℃とした以外は、実施例3と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C5)を得た。
結果を表3に示した。
〔比較例6〕
重合温度を50℃とした以外は、実施例5と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C6)を得た。
結果を表3に示した。
〔比較例7〕
重合温度を160℃とした以外は、実施例5と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C7)を得た。
結果を表4に示した。
〔比較例8〕
重合温度を50℃とした以外は、実施例4と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C8)を得た。
結果を表4に示した。
〔比較例9〕
重合温度を160℃とした以外は、実施例4と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C9)を得た。
結果を表4に示した。
〔比較例10〕
窒素ガス中の酸素濃度を10体積%とし、重合温度を160℃とした以外は、実施例1と同様に行い、広帯域コレステリック液晶フィルム(C10)を得た。
結果を表4に示した。
〔比較例11〕
重合性メソゲン化合物(a)としてLC242(BASF社製)97.5重量部、重合性カイラル剤(b)としてLC756(BASF社製)2.5重量部、および光重合開始剤としてIRGACURE907(チバ・ジャパン社製)5.0重量部からなる混合物のシクロペンタノン溶液(30重量%固体含有量)を調製した。
上記溶液を延伸ポリエチレンテレフタレート基材にキャストし、100℃で2分間乾燥させて溶媒を除去した。その後、100℃に加熱しながら、配向基材側より、酸素濃度21体積%の酸素を含有する窒素ガス雰囲気下で、紫外線を6mW/cmで5分間照射し、広帯域コレステリック液晶フィルム(C6)を得た。
結果を表4に示した。
Figure 0005153762
Figure 0005153762
Figure 0005153762
Figure 0005153762
本発明の製造方法で得られる広帯域コレステリック液晶フィルムは、IRフィルター、バンドパスフィルター、UV反射膜、輝度向上フィルム、調光フィルム、位相差板、ノッチフィルターなどに好適に用いられる。

Claims (1)

  1. 反射帯域巾が300nm以上である広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法であって、
    重合性メソゲン化合物(a)、重合性カイラル剤(b)、および熱重合開始剤(c)を含む液晶組成物を配向基材上に塗布する工程と、該液晶組成物の熱重合による広帯域化工程とを含み、
    該熱重合を、加熱温度が70〜150℃において、酸素濃度が0体積%を超え5体積%以下の酸素を含有する不活性ガス雰囲気下で行い、
    該広帯域コレステリック液晶フィルムのピッチ長が、該配向基材側から連続的に小さくなるように変化している
    広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法。
JP2009293790A 2009-12-24 2009-12-25 広帯域コレステリック液晶フィルムの製造方法 Expired - Fee Related JP5153762B2 (ja)

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