JP2006292910A - 楕円偏光板の製造方法および楕円偏光板を用いた画像表示装置 - Google Patents

楕円偏光板の製造方法および楕円偏光板を用いた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 斜め方向についても優れた特性を有する、広帯域かつ広視野角の楕円偏光板を、非常に高い製造効率で製造し得る方法およびそのような方法で得られた楕円偏光板、ならびに該楕円偏光板を用いた画像表示装置を提供する。
【解決手段】 本発明の楕円偏光板の製造方法は、透明保護フィルムの表面に光配向処理を施す工程と、該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、該液晶材料を該透明保護フィルムの配向方向に応じて配向させて、第1の複屈折層を形成する工程と、該第1の複屈折層の表面に光配向処理を施す工程と、該第1の複屈折層の該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、該液晶材料を該第1の複屈折層の配向方向に応じて配向させて、第2の複屈折層を形成する工程と、該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面と反対側の表面に偏光子を積層する工程とを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、楕円偏光板の製造方法および楕円偏光板を用いた画像表示装置に関する。より詳細には、本発明は、斜め方向についても優れた特性を有する、広帯域かつ広視野角の楕円偏光板を、非常に高い製造効率で製造し得る方法およびそのような方法で得られた楕円偏光板、ならびに該楕円偏光板を用いた画像表示装置に関する。
液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の各種画像表示装置には、一般に、光学的な補償を行うために、偏光フィルムと位相差板とを組み合わせた様々な光学フィルムが使用されている。
上記光学フィルムの一種である円偏光板は、通常、偏光フィルムとλ/4板とを組み合わせることによって製造できる。しかし、λ/4板は、波長が短波長側になるに従って位相差値が大きくなる特性、いわゆる「正の波長分散特性」を示し、また、その波長分散特性が大きいものが一般的である。このために、広い波長範囲にわたって、所望の光学特性(例えば、λ/4板としての機能)を発揮できないという問題がある。このような問題を回避するために、近年、波長が長波長側になるに従って位相差値が大きくなる波長分散特性、いわゆる「逆分散特性」を示す位相差板として、例えば、ノルボルネン系フィルムおよび変性ポリカーボネート系フィルムが提案されている。しかし、これらのフィルムにはコストの面で問題がある。
そこで、現在では、正の波長分散特性を有するλ/4板について、例えば、長波長側になるに従って位相差値が大きくなる位相差板や、λ/2板を組み合わせることによって、上記λ/4板の波長分散特性を補正する方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
このように、偏光フィルムとλ/4板とλ/2板とを組み合わせる場合、それぞれの光軸、すなわち偏光フィルムの吸収軸と各位相差板の遅相軸との角度を調整する必要がある。しかし、偏光フィルムも、延伸フィルムからなる位相差板も、その光軸が一般に延伸方向に依存するので、吸収軸と遅相軸とが所望の角度となるようこれらを積層するには、それぞれのフィルムを光軸の方向に応じて切り抜いてから積層する必要がある。具体的に説明すると、通常、偏光フィルムの吸収軸は延伸方向と平行であり、位相差板の遅相軸もまた延伸方向と平行となる。このため、偏光フィルムと位相差板とを、例えば、吸収軸と遅相軸との角度が45°となるように積層するには、いずれか一方のフィルムを長手方向(延伸方向)に対して45°の方向に切り出す必要がある。このようにフィルムを切り出した上で貼り付けを行う場合には、例えば、切り出した各フィルムにおいて光軸の角度にばらつきが生じるおそれがあり、結果として製品間に品質のばらつきが生じるという問題がある。また、コストや時間がかかるという問題もある。さらに、切り抜きによって廃棄物が増加し、大型フィルムの製造が困難であるとの問題もある。
このような問題に対しては、例えば、偏光フィルムや位相差板を斜め方向に延伸する等、延伸方向を調節する方法も報告されているが(例えば、特許文献2参照)、調節が困難であるとの問題がある。
さらに、偏光フィルムの吸収軸と各位相差板の遅相軸との角度は製品ごとに調整されているのが現状であり、包括的な最適化の手段は見出されていない。
特許第3174367号 特開2003−195037号
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、斜め方向についても優れた特性を有する、広帯域かつ広視野角の楕円偏光板を、非常に高い製造効率で製造し得る方法およびそのような方法で得られた楕円偏光板、ならびに該楕円偏光板を用いた画像表示装置を提供することにある。
本発明者らは、λ/4板およびλ/2板の作製方法、および、偏光子の吸収軸とλ/4板およびλ/2板の遅相軸との関係について鋭意検討した。その結果、λ/4板およびλ/2板の双方について、光配向処理されたフィルム表面への液晶材料の塗工という手段によって作製すれば、斜め方向についても優れた特性を有する、広帯域かつ広視野角の楕円偏光板を、非常に高い製造効率で製造できることを見出した。また、吸収軸と遅相軸がなす角度が特定の関係を有するときにきわめて優れた広帯域かつ広視野角特性が得られること、さらに、偏光子の吸収軸に対して特定の角度を有する遅相軸を得る手段として光配向処理がきわめて有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の楕円偏光板の製造方法は、透明保護フィルムの表面に光配向処理を施す工程と、該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、該液晶材料を該透明保護フィルムの配向方向に応じて配向させて、第1の複屈折層を形成する工程と、該第1の複屈折層の表面に光配向処理を施す工程と、該第1の複屈折層の該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、該液晶材料を該第1の複屈折層の配向方向に応じて配向させて、第2の複屈折層を形成する工程と、該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面と反対側の表面に偏光子を積層する工程とを含む。
好ましい実施形態においては、上記偏光子の吸収軸と上記透明保護フィルムの配向方向とのなす角度をα、上記偏光子の吸収軸と上記第2の複屈折層の遅相軸のなす角度をβとしたとき、角度αおよびβが下記式(1)の関係を有する:
2α+40°<β<2α+50° ・・・(1)。
好ましい実施形態においては、上記偏光子、および、上記第1の複屈折層と上記第2の複屈折層が形成された上記透明保護フィルムが共に長尺フィルムであり、上記偏光子の積層工程において、該偏光子および該透明保護フィルムの長辺同士が連続的に貼り合わせられる。
好ましい実施形態においては、上記透明保護フィルムの表面における光配向処理の方向が、上記偏光子の吸収軸に対して、+8°〜+38°または−8°〜−38°である。
好ましい実施形態においては、上記透明保護フィルムの表面における光配向処理が、該透明保護フィルムの表面に光配向膜を形成する工程と、該光配向膜に光を照射する工程とを含む。
好ましい実施形態においては、上記第1の複屈折層の表面における光配向処理が、該第1の複屈折層の表面に光配向膜を形成する工程と、該光配向膜に光を照射する工程とを含む。
好ましい実施形態においては、上記光配向膜が、シンナメート基、カルコン基、アゾベンゼン基、スチルベン基、α−ヒドラゾノ−β−ケトエステル基、ベンジリデンフタルイミジン基、レチノイル基、クマリン基、スチリルピリジン基およびアントラセン基から選択される少なくとも一種の光反応性官能基を有する配向剤を含有する組成物から形成される。
好ましい実施形態においては、上記光が、所定の波長で偏光分離機能を有するワイヤーグリッド偏光子によって生成された偏光である。
好ましい実施形態においては、上記液晶材料が、液晶モノマーおよび液晶ポリマーの少なくとも一方を含む。
好ましい実施形態においては、上記第1の複屈折層がλ/2板である。
好ましい実施形態においては、上記第2の複屈折層がλ/4板である。
本発明の別の局面によれば、楕円偏光板が提供される。この楕円偏光板は、上記製造方法により製造される。
本発明の別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記楕円偏光板を含む。
本発明によれば、上記透明保護フィルムの表面における光配向処理において第1の複屈折層の遅相軸を任意の方向に設定でき、且つ、上記第1の複屈折層の表面における光配向処理において第2の複屈折層の遅相軸を任意の方向に設定できるので、長手方向に延伸された(すなわち、長手方向に吸収軸を有する)長尺の偏光フィルム(偏光子)を使用することができる。つまり、長手方向に対して所定の角度をなすよう配向処理がなされた第1の複屈折層と第2の複屈折層が形成された長尺の透明保護フィルムと、長尺の偏光フィルム(偏光子)とを、それぞれの長手方向を揃えて(いわゆるロールtoロールで)連続的に貼りあわせることができる。したがって、非常に優れた製造効率で楕円偏光板が得られる。さらに、この方法によれば、フィルムを長手方向(延伸方向)に対して斜めに切り出して積層する必要がない。その結果、切り出した各フィルムにおいて光軸の角度にばらつきが生じることがなく、結果として製品間で品質のばらつきがない楕円偏光板が得られる。さらに、切り抜きによる廃棄物も生じないので、低コストで楕円偏光板が得られる。加えて、大型偏光板の製造も容易になる。
本発明によれば、上記透明保護フィルムの表面における配向処理および上記第1の複屈折層の表面における配向処理として、光配向処理を用いることにより、静電気、塵、埃などの影響をきわめて良好に排除できる。その結果、クリーンな環境下において、きわめて優れた品質安定性と光学特性を有する楕円偏光板が得られる。このような効果は、配向処理としてラビング処理を用いる場合に比べて、顕著に優れている。ラビング処理は、フィルム表面をこすった後にできる屑の影響によって、得られる楕円偏光板の光学特性を低下させる場合があるが、ラビング処理を行わずに済む本発明の光配向処理によれば、そのような悪影響を排除できるとともに、クリーンな製造環境を提供できるからである。
本発明によれば、(1)透明保護フィルムの表面に光配向処理を施す工程と、(2)該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、(3)該液晶材料を該透明保護フィルムの配向方向に応じて配向させて、第1の複屈折層を形成する工程と、(4)該第1の複屈折層の表面に光配向処理を施す工程と、(5)該第1の複屈折層の該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、(6)該液晶材料を該第1の複屈折層の配向方向に応じて配向させて、第2の複屈折層を形成する工程とを、1ラインで全て行うことができるので、非常に優れた製造効率で楕円偏光板が得られる。
本発明によれば、透明保護フィルムと第1の複屈折層と第2の複屈折層とを、接着剤を用いることなしにこの順に積層でき、且つ、光配向膜の厚みが非常に薄いので、超薄型の楕円偏光板が得られる。
本発明によれば、偏光子の吸収軸と第1の複屈折層(λ/2板)の遅相軸とがなす角度α、および偏光子の吸収軸と第2の複屈折層(λ/4板)の遅相軸とがなす角度βを、2α+40°<β<2α+50°という関係で最適化した場合、広帯域かつ広視野角の画像表示装置を好ましく得ることができる。しかも、この関係は包括的であるので、製品ごとに試行錯誤して積層方向を検討する必要がない。すなわち、偏光子とλ/2板とλ/4板のほとんどの組み合わせにおいて、この関係を用いることにより、非常に優れた円偏光特性が実現され得る。その結果、円偏光特性の最適化をきわめて一般的かつ容易に行うことができる。
A.楕円偏光板
A−1.楕円偏光板の全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態による楕円偏光板の概略断面図である。この楕円偏光板10は、偏光子11と第1の複屈折層12と第2の複屈折層13とが積層されてなる。必要に応じて、偏光子11と第1の複屈折層12との間に第1の保護層14が設けられ、偏光子11の第1の保護層14の反対側に第2の保護層15が設けられる。
上記第1の複屈折層12は、いわゆるλ/2板として機能し得る。本明細書において、λ/2板とは、ある特定の振動方向を有する直線偏光を、当該直線偏光の振動方向とは直交する振動方向を有する直線偏光に変換したり、右円偏光を左円偏光に(または、左円偏光を右円偏光に)変換したりする機能を有するものをいう。上記第2の複屈折層13は、いわゆるλ/4板として機能し得る。本明細書において、λ/4板とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有するものをいう。
図2は、本発明の好ましい実施形態による楕円偏光板を構成する各層の光軸を説明する分解斜視図である(なお、図2においては、見易くするために第2の保護層15を省略している)。上記第1の複屈折層12は、その遅相軸Bが偏光子11の吸収軸Aに対して所定の角度αを規定するようにして積層されている。また、上記第2の複屈折層13は、その遅相軸Cが偏光子11の吸収軸Aに対して所定の角度βを規定するようにして積層されている。なお、遅相軸とは、面内の屈折率が最大になる方向をいう。
本発明においては、上記角度αと上記角度βは、好ましくは、下記式(1)の関係を有する:
2α+40°<β<2α+50° ・・・(1)。
角度αと角度βとの関係は、さらに好ましくは2α+42°<β<2α+48°であり、とりわけ好ましくは2α+43°<β<2α+47°であり、最も好ましくはβ=2α+45°である。角度αと角度βがこのような関係を有することにより、非常に優れた円偏光特性を有する偏光板が得られ得る。しかも、この関係は包括的であるので、製品ごとに試行錯誤して積層方向を検討する必要がない。すなわち、偏光子とλ/2板とλ/4板のほとんどの組み合わせにおいて、この関係を用いることにより、非常に優れた円偏光特性が実現され得る。
上記角度αは、好ましくは+8°〜+38°または−8°〜−38°であり、さらに好ましくは+13°〜+33°または−13°〜−33°であり、特に好ましくは+19°〜+29°または−19°〜−29°であり、とりわけ好ましくは+21°〜+27°または−21°〜−27°であり、最も好ましくは+23°〜+24°または−23°〜−24°である。したがって、最も好ましい実施形態(β=2α+45°)においては、角度βは、好ましくは+61°〜+121°または−31°〜+29°であり、さらに好ましくは+71°〜+111°または−21°〜+19°であり、特に好ましくは+83°〜+103°または−13°〜+7°であり、とりわけ好ましくは+87°〜+99°または−9°〜+3°であり、最も好ましくは+91°〜+93°または−3°〜−1°である。楕円偏光板の製造手順(後述)を考慮すると、角度βが偏光子の吸収軸と実質的に平行または直交することがきわめて好ましい。なお、本明細書において、「実質的に平行」とは、0°±3.0°である場合を包含し、好ましくは0°±1.0°であり、さらに好ましくは0°±0.5°である。「実質的に直交」とは、90°±3.0°である場合を包含し、好ましくは90°±1.0°であり、さらに好ましくは90°±0.5°である。
本発明の楕円偏光板の全体厚みは、好ましくは90〜130μmであり、さらに好ましくは100〜120μmであり、最も好ましくは105〜115μmである。本発明の楕円偏光板の製造方法(後述)によれば、接着剤を用いることなく第1の複屈折層および第2の複屈折層をともに積層することができ、かつ、光配向膜の厚みが非常に薄いので、従来の楕円偏光板に比べて、全体厚みが2分の1程度にまで薄くすることができる。結果として、本発明の楕円偏光板は、液晶表示装置の薄型化に大きく貢献し得る。以下、本発明の楕円偏光板を構成する各層の詳細について説明する。
A−2.第1の複屈折層
上記のように、第1の複屈折層12は、いわゆるλ/2板として機能し得る。第1の複屈折層がλ/2板として機能することにより、λ/4板として機能する第2の複屈折層の波長分散特性(特に、位相差がλ/4を外れる波長範囲)について、位相差が適切に調節され得る。このような第1の複屈折層の面内位相差(Δnd)は、波長590nmにおいて、好ましくは180〜300nmであり、さらに好ましくは210〜280nmであり、最も好ましくは230〜240nmである。なお、面内位相差(Δnd)は、式Δnd=(nx−ny)×dから求められる。ここで、nxおよびnyは上記の通りであり、dは第1の複屈折層の厚さである。さらに、上記第1の複屈折層12は、nx>ny=nzの屈折率分布を有することが好ましい。本明細書において、「ny=nz」は、nyとnzが厳密に等しい場合のみならず、nyとnzが実質的に等しい場合も包含する。
上記第1の複屈折層の厚みは、λ/2板として最も適切に機能し得るように設定され得る。言い換えれば、厚みは、所望の面内位相差が得られるように設定され得る。具体的には、厚みは、好ましくは0.5〜5μmであり、さらに好ましくは1〜4μmであり、最も好ましくは1.5〜3μmである。
上記第1の複屈折層を形成する材料としては、上記のような特性が得られる限りにおいて任意の適切な材料が採用され得る。液晶材料が好ましく、液晶相がネマチック相である液晶材料(ネマチック液晶)がさらに好ましい。液晶材料を用いることにより、得られる複屈折層のnxとnyとの差を非液晶材料に比べて格段に大きくすることができる。その結果、所望の面内位相差を得るための複屈折層の厚みを格段に小さくすることができる。このような液晶材料としては、例えば、液晶ポリマーや液晶モノマーが使用可能である。液晶材料の液晶性の発現機構は、リオトロピックでもサーモトロピックでもどちらでもよい。また、液晶の配向状態は、ホモジニアス配向であることが好ましい。液晶ポリマーおよび液晶モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
上記液晶材料が液晶モノマーである場合、例えば、重合性モノマーおよび架橋性モノマーであることが好ましい。これは、後述するように、液晶性モノマーを重合または架橋させることによって、液晶モノマーの配向状態を固定できるためである。液晶モノマーを配向させた後に、例えば、液晶モノマー同士を重合または架橋させれば、それによって上記配向状態を固定することができる。ここで、重合によりポリマーが形成され、架橋により3次元網目構造が形成されることとなるが、これらは非液晶性である。したがって、形成された第1の複屈折層は、例えば、液晶性化合物に特有の温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への転移が起きることはない。その結果、第1の複屈折層は、温度変化に影響されない、極めて安定性に優れた複屈折層となる。
上記液晶モノマーとしては、任意の適切な液晶モノマーが採用され得る。例えば、特表2002−533742(WO00/37585)、EP358208(US5211877)、EP66137(US4388453)、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、DE4408171、およびGB2280445等に記載の重合性メソゲン化合物等が使用できる。このような重合性メソゲン化合物の具体例としては、例えば、BASF社の商品名LC242、Merck社の商品名E7、Wacker−Chem社の商品名LC−Sillicon−CC3767が挙げられる。
上記液晶モノマーとしては、例えば、ネマチック性液晶モノマーが好ましく、具体的には、下記式(1)で表されるモノマーが挙げられる。これらの液晶モノマーは、単独で、または2つ以上を組み合わせて用いられ得る。
Figure 2006292910
上記式(1)において、A1およびA2は、それぞれ重合性基を表し、同一でも異なっていてもよい。また、A1およびA2はいずれか一方が水素であってもよい。Xは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−C=N−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−、−O−CO−NR−、−NR−CO−O−、−CH2−O−または−NR−CO−NRを表し、Rは、HまたはC1〜C4アルキルを表し、Mはメソゲン基を表す。
上記式(1)において、Xは同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
上記式(1)のモノマーの中でも、A2は、それぞれ、A1に対してオルト位に配置されていることが好ましい。
さらに、上記A1およびA2は、それぞれ独立して、下記式
Z−X−(Sp)n ・・・(2)
で表されることが好ましく、A1およびA2は同じ基であることが好ましい。
上記式(2)において、Zは架橋性基を表し、Xは上記式(1)で定義した通りであり、Spは、1〜30個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の置換または非置換のアルキル基からなるスペーサーを表し、nは、0または1を表す。上記Spにおける炭素鎖は、例えば、エーテル官能基中の酸素、チオエーテル官能基中の硫黄、非隣接イミノ基またはC1〜C4のアルキルイミノ基等により割り込まれていてもよい。
上記式(2)において、Zは、下記式で表される原子団のいずれかであることが好ましい。下記式において、Rとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル等の基が挙げられる。
Figure 2006292910
また、上記式(2)において、Spは、下記式で表される原子団のいずれかであることが好ましく、下記式において、mは1〜3、pは1〜12であることが好ましい。
Figure 2006292910
上記式(1)において、Mは、下記式(3)で表されることが好ましい。下記式(3)において、Xは、上記式(1)において定義したのと同様である。Qは、例えば、置換または非置換の直鎖もしくは分枝鎖アルキレンもしくは芳香族炭化水素原子団を表す。Qは、例えば、置換または非置換の直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキレン等であり得る。
Figure 2006292910
上記Qが芳香族炭化水素原子団である場合、例えば、下記式に表されるような原子団や、それらの置換類似体が好ましい。
Figure 2006292910
上記式で表される芳香族炭化水素原子団の置換類似体としては、例えば、芳香族環1個につき1〜4個の置換基を有してもよく、また、芳香族環または基1個につき、1または2個の置換基を有してもよい。上記置換基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。上記置換基としては、例えば、C1〜C4アルキル、ニトロ、F、Cl、Br、I等のハロゲン、フェニル、C1〜C4アルコキシ等が挙げられる。
上記液晶モノマーの具体例としては、例えば、下記式(4)〜(19)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 2006292910
上記液晶モノマーが液晶性を示す温度範囲は、その種類に応じて異なる。具体的には、当該温度範囲は、好ましくは40〜120℃であり、さらに好ましくは50〜100℃であり、最も好ましくは60〜90℃である。
A−3.第2の複屈折層
上記のように、第2の複屈折層13は、いわゆるλ/4板として機能し得る。本発明によれば、λ/4板として機能する第2の複屈折層の波長分散特性を、上記λ/2板として機能する第1の複屈折層の光学特性によって補正することによって、広い波長範囲での円偏光機能を発揮することができる。このような第2の複屈折層の面内位相差(Δnd)は、波長550nmにおいて、好ましくは90〜180nmであり、さらに好ましくは90〜150nmであり、最も好ましくは105〜135nmである。第2の複屈折層のNz係数(=(nx−nz)/(nx−ny))は、好ましくは1.0〜2.2であり、さらに好ましくは1.2〜2.0であり、最も好ましくは1.4〜1.8である。さらに、上記第2の複屈折層13は、nx>ny>nzの屈折率分布を有することが好ましい。
上記第2の複屈折層の厚みは、λ/4板として最も適切に機能し得るように設定され得る。言い換えれば、厚みは、所望の面内位相差が得られるように設定され得る。具体的には、厚みは、好ましくは0.5〜3μmであり、さらに好ましくは0.7〜2.5μmであり、最も好ましくは1.0〜2.2μmである。
上記第2の複屈折層を形成する材料としては、上記のような特性が得られる限りにおいて任意の適切な材料が採用され得る。液晶材料が好ましく、液晶相がネマチック相である液晶材料(ネマチック液晶)がさらに好ましい。液晶材料を用いることにより、得られる複屈折層のnxとnyとの差を非液晶材料に比べて格段に大きくすることができる。その結果、所望の面内位相差を得るための複屈折層の厚みを格段に小さくすることができる。このような液晶材料としては、例えば、液晶ポリマーや液晶モノマーが使用可能である。液晶材料の液晶性の発現機構は、リオトロピックでもサーモトロピックでもどちらでもよい。また、液晶の配向状態は、ホモジニアス配向であることが好ましい。液晶ポリマーおよび液晶モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
液晶モノマーの好ましい具体例については、A−2項で説明したものと同様である。
A−4.偏光子
上記偏光子11としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗しても良い。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
A−5.保護層
上記第1の保護層14および第2の保護層15は、偏光板の保護フィルムとして使用できる任意の適切な透明保護フィルムからなる。このようなフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。上記ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。TAC、ポリイミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ガラス質系ポリマーが好ましい。
上記保護層は、透明で、色付きが無いことが好ましい。具体的には、厚み方向の位相差値が、好ましくは−90nm〜+90nmであり、さらに好ましくは−80nm〜+80nmであり、最も好ましくは−70nm〜+70nmである。
上記保護層の厚みとしては、上記の好ましい厚み方向の位相差が得られる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。具体的には、保護層の厚みは、好ましくは5mm以下であり、さらに好ましくは1mm以下であり、特に好ましくは1〜500μmであり、最も好ましくは5〜150μmである。
第2の保護層の偏光子と反対側の表面(すなわち、偏光板の最外部)には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等が施され得る。
B.楕円偏光板の製造方法
本発明の1つの実施形態における楕円偏光板の製造方法は、透明保護フィルム(最終的に保護層14となる)の表面に光配向処理を施す工程と、該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、該液晶材料を該透明保護フィルムの配向方向に応じて配向させて、第1の複屈折層を形成する工程と、該第1の複屈折層の表面に光配向処理を施す工程と、該第1の複屈折層の該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、該液晶材料を該第1の複屈折層の配向方向に応じて配向させて、第2の複屈折層を形成する工程と、該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面と反対側の表面に偏光子を積層する工程とを含む。ここで、上記のように、偏光子の吸収軸と透明保護フィルムの配向方向(すなわち、第1の複屈折層の遅相軸)とのなす角度をα、当該偏光子の吸収軸と該第2の複屈折層の遅相軸のなす角度をβとしたとき、角度αおよびβは、好ましくは下記式(1)の関係を有する:
2α+40°<β<2α+50° ・・・(1)。
このような製造方法によれば、例えば、図1および図2に示すような楕円偏光板が得られる。
上記の各工程の順序および/または配向処理が施されるフィルムは、目的とする楕円偏光板の積層構造に応じて適宜変更され得る。例えば、偏光子の積層工程は、いずれの複屈折層の形成工程または積層工程の後に行ってもよい。以下、各工程の詳細について説明する。
B−1.透明保護フィルムの光配向処理
透明保護フィルム(最終的に保護層14となる)の表面に光配向処理を施し、当該表面に所定の液晶材料を含む塗工液を塗工することにより、図2に示すように、偏光子11の吸収軸に対して角度αをなすような遅相軸を有する第1の複屈折層12を形成することができる(第1の複屈折層の形成工程は後述する)。配向処理として光配向処理を採用することにより、静電気、塵、埃などの影響をきわめて良好に排除できる。その結果、クリーンな環境下において、きわめて優れた品質安定性と光学特性を有する楕円偏光板が得られる。言い換えれば、光配向処理によれば、従来のラビング処理による配向処理において大きな問題であったこすった後の屑に起因する光学特性の低下を回避できるとともに、クリーンな製造環境を提供できる。
上記光配向処理は、上記透明保護フィルムの表面に光配向膜を形成する工程と、該光配向膜に偏光を照射する工程とを含む。光配向膜は、配向剤を含む組成物(以下、配向膜形成組成物という)を透明保護フィルムの表面に塗工し、乾燥することにより形成される。配向膜形成組成物に含まれる配向剤としては、光反応性官能基を有する任意の適切な化合物が採用され得る。例えば、光異性化反応、光開閉環反応、光二量化反応、光分解反応、光フリース転移反応などの光化学反応を生じる光反応性官能基を有する化合物が用いられ得る。好ましくは、光異性化反応および/または光二量化反応を生じる光反応性官能基を有する化合物である。表面均一性の高い複屈折層が得られ得るからである。なお、配向剤は、配向膜を形成するに十分な分子量を有するポリマーである。光反応性官能基は、ポリマー分子の主鎖に存在してもよく、側鎖に存在してもよく、末端に存在してもよい。
光異性化反応を生じる光反応性官能基の具体例としては、アゾベンゼン基、スチルベン基、α−ヒドラゾノ−β−ケトエステル基、シンナメート基、ベンジリデンフタルイミジン基、レチノイン酸が挙げられる。光二量化反応を生じる光反応性官能基の具体例としては、シンナメート基、ベンジリデンフタルイミジン基、カルコン基、クマリン基、スチリルピリジン基、アントラセン基が挙げられる。これらの官能基は、配向剤分子中に2種以上が組み合わされて含まれていてもよい。
上記光反応性官能基を有する化合物の具体例としては、HUNTSMAN社製の商品名「Staralignシリーズ(2100、2110)」、Chem.Mater.201,13,p.695の表1に記載のクマリン基を有する化合物、JSR TECHNICAL REVIEW No.106(1999)の図1に記載のポリイミド、JSR TECHNICAL REVIEW No.107(2000)の図2に記載のカルコン基を有する化合物が挙げられる。
特に好ましい配向剤は、シンナメート基、カルコン基およびアゾベンゼン基から選択される少なくとも一種の光反応性官能基を有する化合物である。光化学反応の効率に優れ、液晶材料を均一に配向させることができるので、結果として、光学的均一性に優れ、かつ透明性の高い複屈折層が得られるからである。特に、4−カルコン基は、光分解反応による劣化が生じにくい長波長の紫外光に対して良好な反応性を有し、耐熱性に優れる。シンナメート基は、光反応性が高く、また、得られる配向膜の透明性に優れる。
上記配向膜形成組成物は、溶媒と、目的に応じて任意の適切な添加剤とをさらに含む。溶媒としては、配向剤を溶解または微分散し得る任意の適切な溶媒が採用され得る。添加剤の具体例としては、光反応開始剤、貯蔵安定剤、分散剤、分散安定剤が挙げられる。配向膜形成組成物中の配向剤濃度(固形分濃度)は、目的、配向剤の種類、所望とされる配向膜の厚み等に応じて適宜設定され得る。組成物中の全固形分濃度は、代表的には1〜5重量%である。
上記配向膜形成組成物を透明保護フィルムの表面に塗工および乾燥して、光配向膜を形成する。塗工方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等が挙げられる。配向膜形成組成物の塗工量は、配向膜形成組成物の濃度や目的とする光配向膜の厚み等に応じて適宜設定され得る。
乾燥の方法としては任意の適切な方法(例えば、自然乾燥、加熱乾燥、風乾)が採用され得る。乾燥温度は、配向剤の種類、溶媒の種類、目的とする光配向膜の特性等に応じて変化し得る。乾燥温度は、好ましくは40〜200℃、さらに好ましくは60〜160℃、最も好ましくは80〜120℃である。乾燥時間は、好ましくは0.5〜30分、さらに好ましくは1〜15分、最も好ましくは1〜4分である。乾燥は、一定温度で行ってもよく、温度を連続的または段階的に変化させながら行ってもよい。このようにして得られる光配向膜の厚みは、好ましくは10nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1.5μm、最も好ましくは300nm〜1μmである。光配向膜の厚みがこのような範囲であれば、光配向処理において膜形状を十分に維持し得る強度を有し、かつ、得られる楕円偏光板の光学特性に実質的な影響を与えない。
次に、得られた光配向膜に光を照射して、光配向膜を配向させる。光照射の方法としては、配向剤の光化学反応の種類、得られる複屈折層の遅相軸に所望される方向等に応じて任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、所定の光源から所望でない波長の光をカットし、かつ、当該光源からの光を偏光に変換して照射する方法が採用される。
光照射に用いられる光源の具体例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、誘電体エキシマ放電ランプ、フラッシュUVランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、メタルハライドランプが挙げられる。照射される光の波長は、配向剤の光反応性官能基が光学吸収を有する波長領域に応じて、任意の適切な波長が採用され得る。照射される光の波長は、好ましくは210〜380nm、さらに好ましくは230〜380nm、最も好ましくは250〜380nmである。このような範囲に波長を有する光を照射することにより、光配向膜における所望でない光分解反応を抑制することができる。その結果、均一なホモジニアス配向を有する複屈折層を得ることができる。このような波長を有する光は、上記光源からの光を所定のフィルター等に通して、所望でない波長(代表的には100〜200nm)の光をカットすることにより得られる。
光の照射量は、波長310nmにおける測定値が好ましくは5〜500mJ/cm、さらに好ましくは7〜400mJ/cm、最も好ましくは10〜300mJ/cmである。このような範囲の照射量を採用することにより、均一なホモジニアス配向を有する複屈折層を得ることができる。
光照射時の温度は、好ましくは15〜90℃、さらに好ましくは15〜60℃である。このような温度範囲であれば、均一性の高い複屈折層を得ることができる。照射時の温度を一定に保持する手段としては、任意の適切な加熱手段および/または温度制御手段が採用され得る。具体例としては、熱風または冷風が循環する空気循環式恒温オーブン、マイクロ波または遠赤外線などを利用したヒーター、温度調節用に加熱されたロール、ヒートパイプロール、金属ベルトが挙げられる。
好ましくは、照射光は偏光である。所定の偏光方向を有する偏光を照射することにより、当該偏光方向に対応した方向に光配向膜を配向させることができる。したがって、偏光方向を制御することにより、所望の方向に光配向膜を配向させることができる。その結果、所望の方向に遅相軸を有する複屈折層を得ることができる。
偏光を生成する手段としては、任意の適切な偏光板が採用され得る。好ましくは、ワイヤーグリッド偏光子である。所望でない波長をカットするフィルター機能(すなわち、所定波長での偏光分離機能)を有し、かつ、耐熱性に優れるので照射時に劣化することが少ないからである。図3は、本発明に用いられるワイヤーグリッド偏光子を説明するための模式図である。図3に示すように、ワイヤーグリッド偏光子は、ワイヤーが格子状に配列されて構成されている。ワイヤーは金属(例えば、タングステン)製である。ワイヤーの直径dは、目的に応じて適宜設定され得る。ワイヤーの間隔pは、カットしたい波長に応じて適宜設定され得る。本発明においては、ワイヤーの間隔pはUV波長よりも短く、具体的には100〜200nmである。このようなワイヤー間隔を採用することにより、波長210〜380nmで偏光分離機能が付与される。ここで、例えば「210〜380nmで偏光分離機能を有する」とは、210〜380nmの波長を有する光のみを実質的に透過し、それ以外の波長を有する光を実質的に吸収することをいう。図3に示すように、ワイヤーグリッド偏光子に光を通すと、所定の波長であって、かつ、格子に垂直な方向の成分のみが透過する。この現象は、理論的には未だ説明されていない。
ここで、所定の偏光方向を有する偏光を照射することにより、当該偏光方向に対応した方向に光配向膜を配向させることができるメカニズムについて説明する。図4は、偏光照射により光配向膜が配向するメカニズムを説明する模式図である。一例として、光反応性官能基がシンナメート基であり、光化学反応が光二量化反応である場合を説明する。図4(a)に示すように、光照射前においては、光配向膜中の配向剤分子は統計的にランダムな方向に存在している。図4(b)に示すように、二量化反応においては、それぞれの分子のシンナメート基の二重結合が開裂してラジカルを形成し、当該ラジカル同士が反応して四員環を形成することにより、図4(c)に示すように二量体が形成される。ここで、2つの分子が二量体を形成するためには、2つの分子が模式的には図4(a)および(b)に示すような状態で(すなわち、実質的に並列に)並んでいる必要がある。そうでなければ、分子の立体障害により二量体が形成されないからである。さらに、理論的には明らかではないが、二量体が形成される確率は、偏光方向に分子鎖が並んでいる場合が最も大きくなる(図4(c)参照)。その結果、配向膜全体として、偏光方向に配向軸(遅相軸)が生じる。
上記光配向処理の配向方向は、透明保護フィルムと偏光子を積層した場合に偏光子の吸収軸と所定の角度をなすような方向である。この配向方向は、後述するように、形成される第1の複屈折層12の遅相軸の方向と実質的に同一である。したがって、上記所定の角度は、好ましくは+8°〜+38°または−8°〜−38°であり、さらに好ましくは+13°〜+33°または−13°〜−33°であり、特に好ましくは+19°〜+29°または−19°〜−29°であり、とりわけ好ましくは+21°〜+27°または−21°〜−27°であり、最も好ましくは+23°〜+24°または−23°〜−24°である。実質的には、当該配向方向は、例えばワイヤーグリッド偏光子を通過した光の偏光方向(すなわち、格子方向に対して垂直な方向)が上記の角度となるように、ワイヤーグリッド偏光子の格子方向が透明保護フィルムの長手方向(ロール搬送方向)に対して所定の角度を規定するように配置することにより制御され得る。
B−2.第1の複屈折層を形成する液晶材料の塗工工程
次に、上記光配向処理を施した透明保護フィルム表面に上記A−2項で説明したような液晶材料を含有する塗工液を塗工し、次いで当該液晶材料を配向させて第1の複屈折層を形成する。具体的には、液晶材料を適切な溶媒に溶解または分散した塗工液を調製し、この塗工液を、上記配向処理を施した透明保護フィルム表面に塗工すればよい。液晶材料の配向工程は後述のB−3項で説明する。
上記溶媒としては、上記液晶材料を溶解または分散し得る任意の適切な溶媒が採用され得る。使用される溶媒の種類は、液晶材料の種類等に応じて適宜選択され得る。溶媒の具体例としては、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル系溶媒、あるいは二硫化炭素、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ等が挙げられる。好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、MEK、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸エチルセロソルブである。これらの溶媒は、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いられ得る。
上記塗工液における液晶材料の含有量は、液晶材料の種類や目的とする層の厚み等に応じて適宜設定され得る。具体的には、液晶材料の含有量は、好ましくは5〜50重量%であり、さらに好ましくは10〜40重量%であり、最も好ましくは15〜30重量%である。
上記塗工液は、必要に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。添加剤の具体例としては、重合開始剤や架橋剤が挙げられる。これらは、液晶材料として液晶モノマーを用いる場合に特に好適に用いられる。上記重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。上記架橋剤の具体例としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート架橋剤等が挙げられる。これらは、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いられ得る。他の添加剤の具体例としては、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。これらもまた、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いられ得る。上記老化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物が挙げられる。上記前記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類やアルコール類が挙げられる。上記界面活性剤は、例えば、光学フィルムの表面を平滑にするために用いられ、具体例としては、シリコーン系、アクリル系、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。
前記塗工液の塗工量は、塗工液の濃度や目的とする層の厚み等に応じて適宜設定され得る。例えば、塗工液の液晶材料濃度が20重量%である場合、塗工量は、透明保護フィルムの面積(100cm2)あたり好ましくは0.03〜0.17mlであり、さらに好ましくは0.05〜0.15mlであり、最も好ましくは0.08〜0.12mlである。
塗工方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等が挙げられる。
B−3.第1の複屈折層を形成する液晶材料の配向工程
次いで、上記透明保護フィルム表面の配向方向に応じて、第1の複屈折層を形成する液晶材料を配向させる。当該液晶材料の配向は、使用した液晶材料の種類に応じて、液晶相を示す温度で処理することにより行われる。このような温度処理を行うことにより、液晶材料が液晶状態をとり、上記透明保護フィルム表面の配向方向に応じて当該液晶材料が配向する。これによって、塗工により形成された層に複屈折が生じ、第1の複屈折層が形成される。
上記のように処理温度は、液晶材料の種類に応じて適宜決定され得る。具体的には、処理温度は、好ましくは40〜120℃であり、さらに好ましくは50〜100℃であり、最も好ましくは60〜90℃である。また、処理時間は、好ましくは30秒以上であり、さらに好ましくは1分以上であり、特に好ましくは2分以上、最も好ましくは4分以上である。処理時間が30秒未満である場合には、液晶材料が十分に液晶状態をとらない場合がある。一方、処理時間は、好ましくは10分以下であり、さらに好ましくは8分以下であり、最も好ましくは7分以下である。処理時間が10分を超えると、添加剤が昇華するおそれがある。
また、液晶材料として上記A−2項に記載のような液晶モノマーを用いる場合には、上記塗工により形成された層に、さらに重合処理または架橋処理を施すことが好ましい。重合処理を行うことにより、上記液晶モノマーが重合し、液晶モノマーがポリマー分子の繰り返し単位として固定される。また、架橋処理を行うことにより、上記液晶モノマーが3次元の網目構造を形成し、液晶モノマーが架橋構造の一部として固定される。結果として、液晶材料の配向状態が固定される。なお、液晶モノマーが重合または架橋して形成されるポリマーまたは3次元網目構造は「非液晶性」であり、したがって、形成された第1の複屈折層は、例えば、液晶分子に特有の温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への転移が起きることはない。
上記重合処理または架橋処理の具体的手順は、使用する重合開始剤や架橋剤の種類によって適宜選択され得る。例えば、光重合開始剤または光架橋剤を使用する場合には光照射を行えばよく、紫外線重合開始剤または紫外線架橋剤を使用する場合には紫外線照射を行えばよい。光または紫外線の照射時間、照射強度、合計の照射量等は、液晶材料の種類、透明保護フィルムの種類および光配向処理の種類、第1の複屈折層に所望される特性等に応じて適宜設定され得る。なお、光および紫外線は、非偏光であることが好ましい。透明保護フィルム上に残存する光配向膜の配向方向に影響を与えないようにするためである。
上記のような光配向処理を行うことにより、上記透明保護フィルムの配向方向に応じて液晶材料が配向するので、形成された第1の複屈折層の遅相軸は、上記透明保護フィルムの配向方向と実質的に同一となる。したがって、第1の複屈折層の遅相軸の方向は、透明保護フィルムの長手方向に対して、好ましくは+8°〜+38°または−8°〜−38°、さらに好ましくは+13°〜+33°または−13°〜−33°、特に好ましくは+19°〜+29°または−19°〜−29°、とりわけ好ましくは+21°〜+27°または−21°〜−27°、最も好ましくは+23°〜+24°または−23°〜−24°となる。
B−4.第1の複屈折層の光配向処理
上記で得られた第1の複屈折層の表面に光配向処理を施し、当該表面に所定の液晶材料を含む塗工液を塗工することにより、図2に示すように、偏光子11の吸収軸に対して角度βをなすような遅相軸を有する第2の複屈折層13を形成することができる(第2の複屈折層の形成工程は後述する)。配向処理として光配向処理を採用することにより、静電気、塵、埃などの影響をきわめて良好に排除できる。その結果、クリーンな環境下において、きわめて優れた品質安定性と光学特性を有する楕円偏光板が得られる。言い換えれば、光配向処理によれば、従来のラビング処理による配向処理において大きな問題であったこすった後の屑に起因する光学特性の低下を回避できるとともに、クリーンな製造環境を提供できる。
上記光配向処理は、上記第1の複屈折層の表面に光配向膜を形成する工程と、該光配向膜に偏光を照射する工程とを含む。光配向膜は、配向剤を含む組成物(以下、配向膜形成組成物という)を第1の複屈折層の表面に塗工し、乾燥することにより形成される。配向膜形成組成物に含まれる配向剤としては、上記透明保護フィルムの光配向処理で用いうる配向剤と同様のものを好ましく採用することができる。また、配向膜形成組成物に含まれる配向剤以外のもの(溶媒や添加剤など)も、上記透明保護フィルムの光配向処理で用いうる配向膜形成組成物に含まれる配向剤以外のものと同様のものを好ましく採用することができる。配向膜形成組成物中の配向剤の濃度も、上記透明保護フィルムの光配向処理で用いうる配向膜形成組成物中の配向剤の濃度と同様である。
上記配向膜形成組成物を第1の複屈折層の表面に塗工および乾燥して、光配向膜を形成する。塗工方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等が挙げられる。配向膜形成組成物の塗工量は、配向膜形成組成物の濃度や目的とする光配向膜の厚み等に応じて適宜設定され得る。
乾燥の方法としては任意の適切な方法(例えば、自然乾燥、加熱乾燥、風乾)が採用され得る。乾燥温度は、配向剤の種類、溶媒の種類、目的とする光配向膜の特性等に応じて変化し得る。乾燥温度は、好ましくは40〜200℃、さらに好ましくは60〜160℃、最も好ましくは80〜120℃である。乾燥時間は、好ましくは0.5〜30分、さらに好ましくは1〜15分、最も好ましくは1〜4分である。乾燥は、一定温度で行ってもよく、温度を連続的または段階的に変化させながら行ってもよい。このようにして得られる光配向膜の厚みは、好ましくは10nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1.5μm、最も好ましくは300nm〜1μmである。光配向膜の厚みがこのような範囲であれば、光配向処理において膜形状を十分に維持し得る強度を有し、かつ、得られる楕円偏光板の光学特性に実質的な影響を与えない。
次に、得られた光配向膜に光を照射して、光配向膜を配向させる。光照射の方法としては、配向剤の光化学反応の種類、得られる複屈折層の遅相軸に所望される方向等に応じて任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、所定の光源から所望でない波長の光をカットし、かつ、当該光源からの光を偏光に変換して照射する方法が採用される。
光照射に用いられる光源の具体例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、誘電体エキシマ放電ランプ、フラッシュUVランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、メタルハライドランプが挙げられる。照射される光の波長は、配向剤の光反応性官能基が光学吸収を有する波長領域に応じて、任意の適切な波長が採用され得る。照射される光の波長は、好ましくは210〜380nm、さらに好ましくは230〜380nm、最も好ましくは250〜380nmである。このような範囲に波長を有する光を照射することにより、光配向膜における所望でない光分解反応を抑制することができる。その結果、均一なホモジニアス配向を有する複屈折層を得ることができる。このような波長を有する光は、上記光源からの光を所定のフィルター等に通して、所望でない波長(代表的には100〜200nm)の光をカットすることにより得られる。
光の照射量は、波長310nmにおける測定値が好ましくは5〜500mJ/cm、さらに好ましくは7〜400mJ/cm、最も好ましくは10〜300mJ/cmである。このような範囲の照射量を採用することにより、均一なホモジニアス配向を有する複屈折層を得ることができる。
光照射時の温度は、好ましくは15〜90℃、さらに好ましくは15〜60℃である。このような温度範囲であれば、均一性の高い複屈折層を得ることができる。照射時の温度を一定に保持する手段としては、任意の適切な加熱手段および/または温度制御手段が採用され得る。具体例としては、熱風または冷風が循環する空気循環式恒温オーブン、マイクロ波または遠赤外線などを利用したヒーター、温度調節用に加熱されたロール、ヒートパイプロール、金属ベルトが挙げられる。
好ましくは、照射光は偏光である。所定の偏光方向を有する偏光を照射することにより、当該偏光方向に対応した方向に光配向膜を配向させることができる。したがって、偏光方向を制御することにより、所望の方向に光配向膜を配向させることができる。その結果、所望の方向に遅相軸を有する複屈折層を得ることができる。
偏光を生成する手段としては、任意の適切な偏光板が採用され得る。好ましくは、図3に示すような、透明保護フィルムの光配向処理で用いうるものとして説明したワイヤーグリッド偏光子である。所望でない波長をカットするフィルター機能(すなわち、所定波長での偏光分離機能)を有し、かつ、耐熱性に優れるので照射時に劣化することが少ないからである。
上記光配向処理の配向方向は、透明保護フィルムと偏光子を積層した場合に偏光子の吸収軸と所定の角度をなすような方向である。この配向方向は、後述するように、形成される第2の複屈折層13の遅相軸の方向と実質的に同一である。したがって、上記所定の角度は、好ましくは+61°〜+121°または−31°〜+29°であり、さらに好ましくは+71°〜+111°または−21°〜+19°であり、特に好ましくは+83°〜+103°または−13°〜+7°であり、とりわけ好ましくは+87°〜+99°または−9°〜+3°であり、最も好ましくは+91°〜+93°または−3°〜−1°である。実質的には、当該配向方向は、例えばワイヤーグリッド偏光子を通過した光の偏光方向(すなわち、格子方向に対して垂直な方向)が上記の角度となるように、ワイヤーグリッド偏光子の格子方向が透明保護フィルムの長手方向(ロール搬送方向)に対して所定の角度を規定するように配置することにより制御され得る。
B−5.第2の複屈折層を形成する液晶材料の塗工工程
次に、上記光配向処理を施した第1の複屈折層の表面に上記A−2項で説明したような液晶材料を含有する塗工液を塗工し、次いで当該液晶材料を配向させて第2の複屈折層を形成する。具体的には、液晶材料を適切な溶媒に溶解または分散した塗工液を調製し、この塗工液を、上記配向処理を施した第1の複屈折層の表面に塗工すればよい。液晶材料の配向工程は後述のB−6項で説明する。
上記溶媒としては、上記液晶材料を溶解または分散し得る任意の適切な溶媒が採用され得る。使用される溶媒の種類は、液晶材料の種類等に応じて適宜選択され得る。溶媒の具体例としては、上記B−2項で説明したものが挙げられる。
上記塗工液における液晶材料の含有量は、液晶材料の種類や目的とする層の厚み等に応じて適宜設定され得る。具体的には、液晶材料の含有量は、好ましくは5〜50重量%であり、さらに好ましくは10〜40重量%であり、最も好ましくは15〜30重量%である。
上記塗工液は、必要に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。添加剤の具体例としては、上記B−2項で説明したものが挙げられる。
前記塗工液の塗工量は、塗工液の濃度や目的とする層の厚み等に応じて適宜設定され得る。例えば、塗工液の液晶材料濃度が20重量%である場合、塗工量は、第1の複屈折層の面積(100cm2)あたり好ましくは0.03〜0.17mlであり、さらに好ましくは0.05〜0.15mlであり、最も好ましくは0.08〜0.12mlである。
塗工方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等が挙げられる。
B−6.第2の複屈折層を形成する液晶材料の配向工程
次いで、上記第1の複屈折層の表面の配向方向に応じて、第2の複屈折層を形成する液晶材料を配向させる。当該液晶材料の配向は、使用した液晶材料の種類に応じて、液晶相を示す温度で処理することにより行われる。このような温度処理を行うことにより、液晶材料が液晶状態をとり、上記透明保護フィルム表面の配向方向に応じて当該液晶材料が配向する。これによって、塗工により形成された層に複屈折が生じ、第2の複屈折層が形成される。
上記のように処理温度は、液晶材料の種類に応じて適宜決定され得る。具体的には、処理温度は、好ましくは40〜120℃であり、さらに好ましくは50〜100℃であり、最も好ましくは60〜90℃である。また、処理時間は、好ましくは30秒以上であり、さらに好ましくは1分以上であり、特に好ましくは2分以上、最も好ましくは4分以上である。処理時間が30秒未満である場合には、液晶材料が十分に液晶状態をとらない場合がある。一方、処理時間は、好ましくは10分以下であり、さらに好ましくは8分以下であり、最も好ましくは7分以下である。処理時間が10分を超えると、添加剤が昇華するおそれがある。
また、液晶材料として上記A−2項に記載のような液晶モノマーを用いる場合には、上記塗工により形成された層に、さらに重合処理または架橋処理を施すことが好ましい。重合処理を行うことにより、上記液晶モノマーが重合し、液晶モノマーがポリマー分子の繰り返し単位として固定される。また、架橋処理を行うことにより、上記液晶モノマーが3次元の網目構造を形成し、液晶モノマーが架橋構造の一部として固定される。結果として、液晶材料の配向状態が固定される。なお、液晶モノマーが重合または架橋して形成されるポリマーまたは3次元網目構造は「非液晶性」であり、したがって、形成された第1の複屈折層は、例えば、液晶分子に特有の温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への転移が起きることはない。
上記重合処理または架橋処理の具体的手順は、使用する重合開始剤や架橋剤の種類によって適宜選択され得る。例えば、光重合開始剤または光架橋剤を使用する場合には光照射を行えばよく、紫外線重合開始剤または紫外線架橋剤を使用する場合には紫外線照射を行えばよい。光または紫外線の照射時間、照射強度、合計の照射量等は、液晶材料の種類、第1の複屈折層の種類および光配向処理の種類、第2の複屈折層に所望される特性等に応じて適宜設定され得る。なお、光および紫外線は、非偏光であることが好ましい。第1の複屈折層上に残存する光配向膜の配向方向に影響を与えないようにするためである。
上記のような光配向処理を行うことにより、上記第1の複屈折層の配向方向に応じて液晶材料が配向するので、形成された第2の複屈折層の遅相軸は、上記第1の複屈折層の配向方向と実質的に同一となる。したがって、第2の複屈折層の遅相軸の方向は、透明保護フィルムの長手方向に対して、好ましくは+61°〜+121°または−31°〜+29°であり、さらに好ましくは+71°〜+111°または−21°〜+19°であり、特に好ましくは+83°〜+103°または−13°〜+7°であり、とりわけ好ましくは+87°〜+99°または−9°〜+3°であり、最も好ましくは+91°〜+93°または−3°〜−1°である。
B−7.偏光子の積層工程
さらに、偏光子を、上記透明保護フィルムの光配向処理を施した表面とは反対側の表面上に積層する。上記のように、偏光子の積層は、本発明の製造方法における任意の適切な時点で行われ得る。例えば、偏光子を予め透明保護フィルムに積層しておいてもよく、第1の複屈折層を形成した後に積層してもよく、第2の複屈折層を形成した後に積層してもよい。
上記透明保護フィルムと偏光子との積層方法としては、任意の適切な積層方法(例えば、接着)が採用され得る。接着は、任意の適切な接着剤または粘着剤を用いて行われ得る。接着剤または粘着剤の種類は、被着体(すなわち、透明保護フィルムおよび偏光子)の種類に応じて適宜選択され得る。接着剤の具体例としては、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤、イソシアネート系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられる。粘着剤の具体例としては、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、イソシアネート系、ゴム系等の粘着剤が挙げられる。
上記接着剤または粘着剤の厚みは、特に制限されないが、好ましくは10〜200nmであり、さらに好ましくは30〜180nmであり、最も好ましくは50〜150nmである。
本発明の製造方法によれば、上記透明保護フィルムの光配向処理において第1の複屈折層の遅相軸を設定でき、上記第1の複屈折層の光配向処理において第2の複屈折層の遅相軸を設定できるので、長手方向に延伸された(すなわち、長手方向に吸収軸を有する)長尺の偏光フィルム(偏光子)を使用することができる。つまり、長手方向に対して所定の角度をなすよう光配向処理がなされた第1の複屈折層と第2の複屈折層が形成された長尺の透明保護フィルムと、長尺の偏光フィルム(偏光子)とを、それぞれの長手方向を揃えて連続的に貼りあわせることができる。したがって、非常に優れた製造効率で楕円偏光板が得られる。さらに、この方法によれば、フィルムを長手方向(延伸方向)に対して斜めに切り出して積層する必要がない。その結果、切り出した各フィルムにおいて光軸の角度にばらつきが生じることがなく、結果として製品間で品質のばらつきがない楕円偏光板が得られる。さらに、切り抜きによる廃棄物も生じないので、低コストで楕円偏光板が得られる。加えて、大型偏光板の製造も容易になる。なお、偏光子の吸収軸の方向は、長尺フィルムの長手方向と実質的に平行である。
B−8.具体的な製造手順
図5〜図9を参照して、本発明の製造方法の具体的手順の一例について説明する。なお、図5〜図9において、符号111、111’、112、113、114、115および116は、各層を形成するフィルムおよび/または積層体を捲回するロールである。
まず、偏光子の原料となる長尺のポリマーフィルムを準備し、上記A−4項に記載のようにして染色、延伸等を行う。延伸は、長尺のポリマーフィルムについて、その長手方向に連続的に行う。これによって、図5の斜視図に示すように、長手方向(延伸方向:矢印A方向)に吸収軸を有する長尺の偏光子11が得られる。
一方、図6の模式図に示すように、長尺の透明保護フィルム(最終的には第1の保護層となる)14を準備し、その一方の表面に配向膜形成組成物を塗工しおよび乾燥して、配向膜14’を形成する。当該配向膜に光を照射して、配向膜を配向させる。このとき、配向方向は、図7(a)に示すように、透明保護フィルム14の長手方向とは異なる方向、例えば、+23°〜+24°または−23°〜−24°の方向とする。さらに、図6に示すように、光配向処理を施した(光配向膜14’を所定方向に配向させた)透明保護フィルム14上に、上記B−2およびB−3項に記載のようにして第1の複屈折層12を形成する。この第1の複屈折層12は、配向膜の配向方向に沿って液晶材料が配向するため、その遅相軸方向は、図7(b)に示すように光配向処理の方向と実質的に同一方向(矢印B方向)となる。なお、図6に示すように、光照射部のワイヤーグリッド偏光子を回転可能に支持し、目的に応じて透明保護フィルムの長手方向(搬送方向)に対して所定の角度を有するように固定して光照射を行うことにより、光配向処理の配向方向を制御することができる。なお、光配向膜14’は透明保護フィルム14上に残存するが、非常に薄く、かつ、その光学特性がニュートラルであるので、楕円偏光板全体の光学特性には実質的に影響を与えない。
続いて、図8の模式図に示すように、図6に従って得られた長尺の第1の複屈折層12(透明保護フィルム14上に光配向膜14’を介して形成)の表面に配向膜形成組成物を塗工しおよび乾燥して、配向膜12’を形成する。当該配向膜に光を照射して、配向膜を配向させる。このとき、配向方向は、図9(a)に示すように、第1の複屈折層12の長手方向とは異なる方向、例えば、+91°〜+93°の方向とする。さらに、図8に示すように、光配向処理を施した(光配向膜12’を所定方向に配向させた)第1の複屈折層12上に、上記B−5およびB−6項に記載のようにして第2の複屈折層13を形成する。この第2の複屈折層13は、配向膜の配向方向に沿って液晶材料が配向するため、その遅相軸方向は、図9(b)に示すように光配向処理の方向と実質的に同一方向(矢印C方向)となる。なお、図8に示すように、光照射部のワイヤーグリッド偏光子を回転可能に支持し、目的に応じて透明保護フィルムの長手方向(搬送方向)に対して所定の角度を有するように固定して光照射を行うことにより、光配向処理の配向方向を制御することができる。なお、光配向膜12’は第1の複屈折層12上に残存するが、非常に薄く、かつ、その光学特性がニュートラルであるので、楕円偏光板全体の光学特性には実質的に影響を与えない。
次いで、図10の模式図に示すように、透明保護フィルム(第2の保護層となる)15と、偏光子11と、透明保護フィルム(保護層となる)14、第1の複屈折層12、第2の複屈折層13の積層体121’とを、矢印方向に送り出し、それぞれの長手方向を揃えた状態で接着剤等(図示せず)によって貼り合わせる。なお、図10において、符号122は、フィルム同士を貼り合わせるためのガイドロールを示す。また、図10において、配向膜12’、14’は省略されている。
以上のようにして、本発明の楕円偏光板10が得られる。
B−9.楕円偏光板のその他の構成要素
本発明の楕円偏光板は、さらに他の光学層を備えていてもよい。このような他の光学層としては、目的や画像表示装置の種類に応じて任意の適切な光学層が採用され得る。具体例としては、複屈折層(位相差フィルム)、液晶フィルム、光散乱フィルム、回折フィルム等が挙げられる。
本発明の楕円偏光板は、少なくとも一方に最外層として粘着層をさらに有し得る。このように最外層として粘着層を有することにより、例えば、他の部材(例えば、液晶セル)との積層が容易になり、楕円偏光板の他の部材からの剥離を防止できる。上記粘着剤層の材料としては、任意の適切な材料が採用され得る。接着剤の具体例としては、上記B−7項に記載のものが挙げられる。好ましくは、吸湿性や耐熱性に優れる材料が用いられる。吸湿による発泡や剥離、熱膨張差等による光学特性の低下、液晶セルの反り等を防止できるからである。
実用的には、上記粘着剤層の表面は、楕円偏光板が実際に使用されるまでの間、任意の適切なセパレータによってカバーされ、汚染が防止され得る。セパレータは、例えば、任意の適切なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成され得る。
本発明の楕円偏光板における各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤による処理等によって、紫外線吸収能を付与したものであってもよい。
C.楕円偏光板の用途
本発明の楕円偏光板は、各種画像表示装置(例えば、液晶表示装置、自発光型表示装置)に好適に使用され得る。適用可能な画像表示装置の具体例としては、液晶表示装置、ELディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)が挙げられる。本発明の楕円偏光板を液晶表示装置に用いる場合には、例えば、視野角補償に有用である。本発明の楕円偏光板は、例えば、円偏光モードの液晶表示装置に用いられ、ホモジニアス配向型TN液晶表示装置、水平電極型(IPS)型液晶表示装置、垂直配向(VA)型液晶表示装置等に特に有用である。また、本発明の楕円偏光板をELディスプレイに用いる場合には、例えば、電極反射防止に有用である。
D.画像表示装置
本発明の画像表示装置の一例として、液晶表示装置について説明する。ここでは、液晶表示装置に用いられる液晶パネルについて説明する。液晶表示装置のその他の構成については、目的に応じて任意の適切な構成が採用され得る。図11は、本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。液晶パネル100は、液晶セル20と、液晶セル20の両側に配置された位相差板30、30’と、それぞれの位相差板の外側に配置された偏光板10、10’とを備える。位相差板30、30’としては、目的および液晶セルの配向モードに応じて任意の適切な位相差板が採用され得る。目的および液晶セルの配向モードによっては、位相差板30、30’の一方または両方が省略され得る。上記偏光板10は、上記A項およびB項で説明した本発明の楕円偏光板である。この偏光板(楕円偏光板)10は、複屈折層12および13が偏光子11と液晶セル20との間になるようにして配置されている。偏光板10’は、任意の適切な偏光板である。偏光板10、10’は、代表的には、その偏光子の吸収軸が直交するようにして配置されている。図11に示すように、本発明の液晶表示装置(液晶パネル)においては、本発明の楕円偏光板10は、視認側(上側)に配置されるのが好ましい。液晶セル20は、一対のガラス基板21、21’と、該基板間に配された表示媒体としての液晶層22とを有する。一方の基板(アクティブマトリクス基板)21’には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的にはTFT)と、このアクティブ素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線とが設けられている(いずれも図示せず)。他方のガラス基板(カラーフィルター基板)21には、カラーフィルター(図示せず)が設けられる。なお、カラーフィルターは、アクティブマトリクス基板21’に設けてもよい。基板21、21’の間隔(セルギャップ)は、スペーサー(図示せず)によって制御されている。基板21、21’の液晶層22と接する側には、例えばポリイミドからなる配向膜(図示せず)が設けられている。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における各特性の測定方法は以下の通りである。
(1)位相差の測定
試料フィルムの屈折率nx、nyおよびnzを、自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製,自動複屈折計KOBRA31PR)により計測し、面内位相差Δndおよび厚み方向位相差Rthを算出した。測定温度は23℃、測定波長は590nmであった。
(2)厚みの測定
第1の複屈折層、第2の複屈折層の厚みは大塚電子製MCPD2000を用いて、干渉膜厚測定法によって測定した。その他の各種フィルムの厚みは、ダイヤルゲージを用いて測定した。
(3)透過率の測定
実施例1で得られた同じ楕円偏光板同士を貼り合わせた。貼り合わせたサンプルの透過率を、商品名DOT−3(村上色彩社製)により測定した。なお、楕円偏光板の積層構造を下記に示す。
(4)コントラスト比の測定
同じ楕円偏光板同士を重ねてバックライトで照らし、白画像(偏光子の吸収軸が平行)および黒画像(偏光子の吸収軸が直交)を表示させ、ELDIM社製 商品名
「EZ Contrast160D」により、視認側の偏光子の吸収軸に対して45°−135°方向に、かつ、法線に対して−60°〜60°までスキャンさせた。そして、白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、斜め方向のコントラスト比「YW/YB」を算出した。
I.図1に示すような楕円偏光板の作製
I−a.透明保護フィルムの光配向処理
透明保護フィルムに光配向処理を施して配向基材(最終的には保護層となる)を作製した。具体的な手順は以下の通りである。TACフィルム(厚み40μm)の表面に、シンナメート基を有する配向剤を含む組成物(HUNTSMAN社製、商品名「Staralign2100」、全固形分濃度:2重量%)を、グラビアコーターを用いて塗工し、90℃±1℃の空気循環式恒温オーブン内で2分間乾燥して、厚み0.3μmの光配向膜を形成した。次いで、高圧水銀ランプを光源とし、ワイヤーグリッド偏光子(波長210〜380nmで偏光分離機能を有するもの)を備える紫外線照射装置を用いて、30℃の空気雰囲気下で、上記光配向膜の表面に100mJ/cm(波長310nmの値を測定)の照射量で偏光紫外光を照射した。照射の際、透過光の偏光ベクトルが、フィルムの長手方向と角度α(8°、−8°、13°、−13°、23°、−23°、33°、−33°、38°、−38°)となるように照射した。このようにして、配向基板(1)〜(10)を得た。保護層の厚み方向の位相差についても併せて下記表に示す。
Figure 2006292910
I−b.第1の複屈折層の作製
ネマチック液晶相を示す重合性液晶(BASF社製:商品名PaliocolorLC242)10gと、当該重合性液晶化合物に対する光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製:商品名イルガキュア907)3gとを、トルエン40gに溶解して、液晶塗工液を調製した。そして、上記のように作製した配向基材上に、当該液晶塗工液をバーコーターにより塗工した後、90℃で2分間加熱乾燥することによって液晶を配向させた。この液晶層に、メタルハライドランプを用いて1mJ/cm2の光を照射し、当該液晶層を硬化させることによって、第1の複屈折層(1)〜(5)を形成した。第1の複屈折層の厚みおよび位相差は、液晶塗工液の塗工量を変化させることにより調整した。下記表2に、形成した第1の複屈折層の厚みならびに面内位相差値(nm)を示す。
Figure 2006292910
I−c.第1の複屈折層の光配向処理
第1の複屈折層に光配向処理を施して配向基材を作製した。具体的な手順は以下の通りである。第1の複屈折層の表面に、シンナメート基を有する配向剤を含む組成物(HUNTSMAN社製、商品名「Staralign2100」、全固形分濃度:2重量%)を、グラビアコーターを用いて塗工し、90℃±1℃の空気循環式恒温オーブン内で2分間乾燥して、厚み0.3μmの光配向膜を形成した。次いで、高圧水銀ランプを光源とし、ワイヤーグリッド偏光子(波長210〜380nmで偏光分離機能を有するもの)を備える紫外線照射装置を用いて、30℃の空気雰囲気下で、上記光配向膜の表面に100mJ/cm(波長310nmの値を測定)の照射量で偏光紫外光を照射した。照射の際、透過光の偏光ベクトルが、フィルムの長手方向と角度β=90°となるように照射した。
I−d.第2の複屈折層の作製
ネマチック液晶相を示す重合性液晶(BASF社製:商品名PaliocolorLC242)10gと、当該重合性液晶化合物に対する光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製:商品名イルガキュア907)3gとを、トルエン40gに溶解して、液晶塗工液を調製した。そして、上記のように光配向処理した第1の複屈折層上に、当該液晶塗工液をバーコーターにより塗工した後、90℃で2分間加熱乾燥することによって液晶を配向させた。この液晶層に、メタルハライドランプを用いて1mJ/cm2の光を照射し、当該液晶層を硬化させることによって、第2の複屈折層(a2)、(a3)、(a4)を形成した。第2の複屈折層の厚みおよび位相差は、液晶塗工液の塗工量を変化させることにより調整した。形成した第2の複屈折層の厚み(μm)、面内位相差値(nm)を表3に示す。
Figure 2006292910
I−e.楕円偏光板の作製
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて6倍に一軸延伸して偏光子を得た。下記表4に示すような組み合わせで、保護層、第1の複屈折層、および第2の複屈折層を用い、図5〜図10に示す製造手順によって積層し、図1に示すような楕円偏光板A01〜A18を得た。
Figure 2006292910
楕円偏光板A01を重ね合わせてコントラスト比を測定した。表4から明らかなように、この楕円偏光板は、β=2α+44°の関係を有していた。この楕円偏光板によれば、コントラスト10の角度が全方位において最小40度、最大50度、最大最小の差が10度であった。コントラスト10の角度が全方位において最小40度というのは実用上好ましいレベルであった。さらに、最大最小の差が10度と小さいので、視覚特性上バランスが良く、こちらも実用上非常に好ましいレベルであった。
楕円偏光板A11を重ね合わせてコントラスト比を測定した。表4から明らかなように、この楕円偏光板は、β=2α+64°の関係を有していた。この楕円偏光板によれば、コントラスト10の角度が全方位において最小30度、最大50度、最大最小の差が20度であった。この楕円偏光板によれば、コントラスト10の角度が全方位において最小30度であった。
楕円偏光板A13を重ね合わせてコントラスト比を測定した。表4から明らかなように、この楕円偏光板は、β=2α+24°の関係を有していた。この楕円偏光板によれば、コントラスト10の角度が全方位において最小30度、最大50度、最大最小の差が20度であった。この楕円偏光板によれば、コントラスト10の角度が全方位において最小30度であった。
実施例1から明らかなように、本発明の製造方法によれば、長手方向に対して所定の角度をなすよう配向処理がなされた第1の複屈折層と第2の複屈折層が形成された長尺の透明保護フィルムと、長尺の偏光子とを、その長辺を揃えてロールtoロールで連続的に貼り合わせることができるので、非常に高い製造効率で楕円偏光板を得ることができた。さらに、この方法によれば、フィルムを長手方向(延伸方向)に対して斜めに切り出して積層する必要がない。その結果、切り出した各フィルムにおいて光軸の角度にばらつきが生じることがなく、結果として製品間で品質のばらつきがない楕円偏光板が得られた。さらに、切り抜きによる廃棄物も生じないので、低コストで楕円偏光板を得ることができた。
また、本発明の製造方法によれば、ラビング処理を行わずに済むので、静電気、塵、埃などの影響をきわめて良好に排除でき、クリーンな環境下において、きわめて優れた品質安定性と光学特性を有する楕円偏光板が得られた。
本発明によれば、(1)透明保護フィルムの表面に光配向処理を施す工程と、(2)該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、(3)該液晶材料を該透明保護フィルムの配向方向に応じて配向させて、第1の複屈折層を形成する工程と、(4)該第1の複屈折層の表面に光配向処理を施す工程と、(5)該第1の複屈折層の該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、(6)該液晶材料を該第1の複屈折層の配向方向に応じて配向させて、第2の複屈折層を形成する工程とを、1ラインで全て行うことができるので、非常に優れた製造効率で楕円偏光板が得られた。
本発明によれば、透明保護フィルムと第1の複屈折層と第2の複屈折層とを、接着剤を用いることなしにこの順に積層でき、且つ、光配向膜の厚みが非常に薄いので、超薄型の楕円偏光板が得られた。
さらに、実施例2の結果と実施例3〜4の結果との比較から明らかなように、偏光子の吸収軸と第1の複屈折層の遅相軸とがなす角度α、および偏光子の吸収軸と第2の複屈折層の遅相軸とがなす角度βを、2α+40°<β<2α+50°のような関係で最適化することにより、コントラスト10の角度が全方位において最小40度とすることができ、実用上きわめて好ましいレベルを確保できた。特に、実施例2によれば、最大最小の差を10度と小さくすることができた。この値は、視覚特性上非常にバランスが良く、実用上非常に好ましいレベルであった。一方、角度αと角度βが上記の関係を満足しない実施例によれば、コントラスト10の角度が全方位において最小30度であった。
本発明の楕円偏光板は、各種画像表示装置(例えば、液晶表示装置、自発光型表示装置)に好適に使用され得る。
本発明の好ましい実施形態による楕円偏光板の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による楕円偏光板の分解斜視図である。 本発明に用いられるワイヤーグリッド偏光子を説明するための模式図である。 本発明の光配向処理における偏光照射により光配向膜が配向するメカニズムを説明する模式図である。 本発明の楕円偏光板の製造方法の一例における一つの工程の概略を示す斜視図である。 本発明の楕円偏光板の製造方法の一例における別の工程の概略を示す模式図である。 本発明の楕円偏光板の製造方法の一例におけるさらに別の工程の概略を示す斜視図である。 本発明の楕円偏光板の製造方法の一例におけるさらに別の工程の概略を示す模式図である。 本発明の楕円偏光板の製造方法の一例におけるさらに別の工程の概略を示す斜視図である。 本発明の楕円偏光板の製造方法の一例におけるさらに別の工程の概略を示す模式図である。 本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置に用いられる液晶パネルの概略断面図である。
符号の説明
10 楕円偏光板
11 偏光子
12 第1の複屈折層
12’ 光配向膜
13 第2の複屈折層
14 第1の保護層
14’ 光配向膜
15 第2の保護層
20 液晶セル
100 液晶パネル


Claims (13)

  1. 透明保護フィルムの表面に光配向処理を施す工程と、
    該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、
    該液晶材料を該透明保護フィルムの配向方向に応じて配向させて、第1の複屈折層を形成する工程と、
    該第1の複屈折層の表面に光配向処理を施す工程と、
    該第1の複屈折層の該光配向処理が施された表面に液晶材料を塗工する工程と、
    該液晶材料を該第1の複屈折層の配向方向に応じて配向させて、第2の複屈折層を形成する工程と、
    該透明保護フィルムの該光配向処理が施された表面と反対側の表面に偏光子を積層する工程とを含む、楕円偏光板の製造方法。
  2. 前記偏光子の吸収軸と前記透明保護フィルムの配向方向とのなす角度をα、前記偏光子の吸収軸と前記第2の複屈折層の遅相軸のなす角度をβとしたとき、角度αおよびβが下記式(1)の関係を有する、請求項1に記載の製造方法:
    2α+40°<β<2α+50° ・・・(1)。
  3. 前記偏光子、および、前記第1の複屈折層と前記第2の複屈折層が形成された前記透明保護フィルムが共に長尺フィルムであり、前記偏光子の積層工程において、該偏光子および該透明保護フィルムの長辺同士が連続的に貼り合わせられる、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記透明保護フィルムの表面における光配向処理の方向が、前記偏光子の吸収軸に対して、+8°〜+38°または−8°〜−38°である、請求項1から3までのいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記透明保護フィルムの表面における光配向処理が、該透明保護フィルムの表面に光配向膜を形成する工程と、該光配向膜に光を照射する工程とを含む、請求項1から4までのいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記第1の複屈折層の表面における光配向処理が、該第1の複屈折層の表面に光配向膜を形成する工程と、該光配向膜に光を照射する工程とを含む、請求項1から5までのいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記光配向膜が、シンナメート基、カルコン基、アゾベンゼン基、スチルベン基、α−ヒドラゾノ−β−ケトエステル基、ベンジリデンフタルイミジン基、レチノイル基、クマリン基、スチリルピリジン基およびアントラセン基から選択される少なくとも一種の光反応性官能基を有する配向剤を含有する組成物から形成される、請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 前記光が、所定の波長で偏光分離機能を有するワイヤーグリッド偏光子によって生成された偏光である、請求項5から7までのいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記液晶材料が、液晶モノマーおよび液晶ポリマーの少なくとも一方を含む、請求項1から8までのいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記第1の複屈折層がλ/2板である、請求項1から9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記第2の複屈折層がλ/4板である、請求項1から10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 請求項1から11までのいずれかに記載の製造方法により製造された、楕円偏光板。
  13. 請求項12に記載の楕円偏光板を含む、画像表示装置。


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