JP5148523B2 - メカニカルシール装置用SiC系焼結体リング、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リングの製造方法、並びにメカニカルシール装置及び軽水炉プラント - Google Patents

メカニカルシール装置用SiC系焼結体リング、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リングの製造方法、並びにメカニカルシール装置及び軽水炉プラント Download PDF

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Description

本発明は、ポンプなど液体を用いる回転機器での液体軸封装置として用いられるメカニカルシール装置と、その摺動部材料として用いる炭化ケイ素(SiC)系焼結体リング並びにその製造方法及びそのメカニカルシール装置を用いた軽水炉プラントに関するものである。
一般に、ポンプなどの液体を用いる回転機器の、液体軸封装置として用いられるメカニカルシール装置は、前記回転機器内に密封された液体の、外部、すなわち駆動系への流出を抑制あるいは防止するために用いられるものであって、軸方向に移動する回転リングと固定されたシートリングとが互いに接触して摺動し、この摺動によって前記液体の漏洩を防止するものである。また、摺動面同士の接触の低減などを考慮し、振動を緩衝する機構を有している。
したがって、上記のような回転リング及びシートリング(以下合わせてリングと呼ぶ)用部材としては、カーボン材、超硬合金、SiC系セラミックス、アルミナ系セラミックスが主として用いられている。近年、高硬質で高耐食性を有し、摺動時の摩擦係数が小さく、かつ平滑性も優れたSiC系セラミックスを用いる場合が多い。しかしながら、これらのSiC系セラミックスは、高硬質ではあるが本質的に脆い性質を有しており、クラックや欠けが問題となる。
このような問題を回避するために、特許文献1には、反応焼結によりSiC内に残留シリコンの粒径を微細に分散制御することにより、強度や靭性を向上させる技術が開示されている。また、特許文献2には、SiC内にフラーレン類を添加することで強度を向上させる技術が開示されている。さらに、特許文献3には、SiC内の気孔やその形状を制御して多孔質にすることで強度特性を向上させる技術が開示されている。さらに、特許文献4では、SiCマトリックス中にSiCナノワイヤを含有させることによって強度向上を図ることが開示されている。
特開2007−22914号公報 特開2006−298686号公報 特開2006−36624号公報 特開2005−112702号公報
一方、上記リング用部材にSiC系焼結体を用いたメカニカルシール装置においては、長時間使用すると液体密封機能が低下(液体漏れ量が増大)することがある。このように液体漏れ量が増大する場合、リングの劣化はクラックや欠けとは異なり、摺動面の著しい損耗、凹凸の増大、リークパスの発生が認められる場合が多い。このようなリングの摺動面の損傷は、硬質のSiC粒子の脱落に起因することが考えられる。従って、SiC系焼結体をリングに用いる場合、SiC粒子の脱落を低減することが、メカニカルシールを長期間信頼性高く使用することにつながると言える。
従来、回転リングやシートリング材料の選定は経験による所が大きく、また、衝撃荷重や静的荷重を考慮して曲げ強度や破壊靭性値をもとに選定される場合が多い。すなわち、メカニカルシール装置用SiC系焼結体は、強度や破壊靭性をもとに運転条件を考慮して選定される場合が多く、回転リングやシートリングの損傷メカニズムに基づいた材料選定はあまり行われていなかった。このように、メカニカルシール装置運転時における回転リングやシートリングの挙動については十分な検討がなされていないため、液体密封機能の低下抑制は対処療法的な対策しか取られておらず、理論的な解析と対応策が望まれていた。
本発明は、上記問題に鑑み、摺動特性、強度や破壊靭性などの機械的特性に優れ、脆化を抑制してSiC粒子の脱落などを防止するとともに、液体密封機能の低下を抑制してなる、ポンプなど液体を用いる回転機器での液体軸封装置として用いられるメカニカルシール装置、並びにこのメカニカルシール装置に用いるSiC系焼結体リング及びその製造方法を提供することを目的とする。なお、ここでいう“リング”とは、回転リング及びシートリングの双方を含むものである。
上記課題を解決すべく、本願発明者らは、SiC系焼結体リングを用いたメカニカルシール装置の挙動についてさらに検討を重ねた結果、焼結後のSiC系焼結体リングの結晶性や比抵抗が重要であることを見出すとともに、その結晶状態を得るための原料SiC粉末制御などの条件を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングは、平均結晶粒径が5μm以下、気孔率が5.0%以下、平均気孔径が2.0μm以下であって、比抵抗が室温で1Ω・cm以下であることを特徴とする。
前記SiC系焼結体リングは、β―SiC相を80%以上の割合で含むことが好ましい。
前記SiC系焼結体リングは、さらにAl、Y、Mg、Be、La、Nb、Sn、Gd、Tb、Dy、Ho、Erからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分を含有しており、前記成分の含有量は、前記成分を酸化物に換算した際の質量を基準として1質量%以上5質量%以下であり、さらにBの含有量が0.1質量%未満であることが好ましい。
また、本発明のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングの製造方法は、
SiC純度が97%以上であるとともに3C結晶を92%以上含有するSiC原料粉末を、造粒・成形した後で、加圧焼結法による圧力環境下で焼結することを特徴とする。
さらに、前記SiC原料粉末に対して、Al23、Y23、MgO、Be、La23、Nb23、Sn22、Gd2、Tb47、Dy23、Ho23、Er23の群から選ばれる少なくとも一種の酸化物粉末を、1質量%以上5質量%以下となるように添加することが好ましい。
前記加圧焼結法は、不活性雰囲気下、焼結温度が1900℃以上2100℃以下で、加圧力が20MPa以上の条件で焼結することが好ましい。
本発明のメカニカルシール装置は、本発明のメカニカルシール装置用回転リング及びシートリングの一方をSiC系焼結体で構成し他方をカーボン系材料で構成する、または回転リングとシートリングがいずれもSiC系焼結体であることを特徴とする。
本発明の軽水炉プラントは、本発明のメカニカルシール装置を、循環水用ポンプの摺動部のメカニカルシール装置として用いることを特徴とする。
なお、本発明における“SiC系”とは、Si及びC以外に、焼結に際して使用する助剤や、製造過程に起因して取り込まれる不可避的な元素などを含むことを意味し、意図的に他の元素を含有させるものではないことを意味している。
本発明のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングによれば、SiC系焼結体リングは、平均結晶粒径が5μm以下、気孔率が5.0%以下、平均気孔径が2.0μm以下であって、室温での比抵抗を1Ω・cm以下としたので、SiC粒子の脱落などが防止され、また液体密封機能の低下を抑制されたメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングを得ることができる。
本発明のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングの製造方法によれば、SiC純度が97%以上であるとともに3C結晶を92%以上含有するSiC原料粉末を、造粒・成形した後で、加圧焼結法による圧力環境下で焼結したので、SiC粒子の脱落などが防止され、また液体密封機能の低下を抑制されたメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングを製造することができる。
本発明のメカニカルシール装置によれば、本発明のメカニカルシール装置用SiC系焼結体の回転リングやシートリング、カーボン系シートリングを含んでいるので、このメカニカルシール装置を運転させた場合においても、SiC系焼結体リングからのSiC粒子の脱落による摩耗損傷や、液体密封機能の低下を効果的に抑制できる。
本発明の軽水炉プラントは、本発明のメカニカルシール装置を、循環水用ポンプの摺動部のメカニカルシール装置として用いるので、信頼性の高いプラントを得ることができる。
本発明のメカニカルシール装置の一例を示す構成図である。 上記メカニカルシール装置におけるリングを雰囲気制御加圧焼結法を用いて製造する場合のフローである。 リングに使用するメカニカルシール装置用SiC系焼結体の作用を調べるための試験方法を記載した図である。 実施例1のメカニカルシール装置用SiC系焼結体であって、(A)はメカニカルシール装置におけるリングの断面組織の一例を示した顕微鏡写真、(B)は、摺動摩耗試験前の摺動面の状態を示す顕微鏡写真、(C)は、摺動摩耗試験後の摺動面の状態を示す顕微鏡写真である。 実施例2のメカニカルシール装置用SiC系焼結体であって、メカニカルシール装置におけるリングの断面組織の一例を示した顕微鏡写真である。 比較例1のメカニカルシール装置用SiC系焼結体であって、(A)はメカニカルシール装置におけるリングの断面組織の一例を示した顕微鏡写真、(B)は、摺動摩耗試験前の摺動面の状態を示す顕微鏡写真、(C)は、摺動摩耗試験後の摺動面の状態を示す顕微鏡写真である。 比較例2のメカニカルシール装置用SiC系焼結体であって、メカニカルシール装置におけるリングの断面組織の一例を示した顕微鏡写真である。 比抵抗と摩耗体積の関係を示すグラフである。
以下、本発明の詳細、その他の特徴及び利点について説明する。なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「メカニカルシール装置用SiC系焼結体リング」
図1は、本発明のメカニカルシール装置の一例を示す構成図である。なお、図1では、メカニカルシール装置が回転機器に対して取り付けられた状態を示している。
図1に示すように、メカニカル装置10は、本体11と、この本体11の内部に設けられた回転リング12と、シートリング13とを具えている。回転リング12は、SiC系焼結体から構成され、本発明のSiC系焼結体回転リングを構成している。シートリング13は、平滑性に優れ、摺動特性に優れたカーボン系のシートリングを構成している。また、本体11の右下端部及び回転リング12の右端部が回転機器20と接触している。回転リング12は、回転機器20の回転と同期して回転するように構成されている。なお、回転リング12とシートリング13の材質を逆とする、または回転リング12とシートリング13ともSiC系焼結体から構成することも可能であるが、本例においては、回転リング12がSiC系焼結体から構成されシートリング13がカーボン系であるものとして以下の説明を行う。
なお、本体11と回転リング12及びシートリング13とで形成された空間内には所定の液体が保持されており、それらの摺動面Sによって外部、すなわちその他の駆動系に漏洩しないようにして密封されている。なお、回転リング12は軸方向、すなわち紙面水平方向に移動可能に構成されており、シートリング13は固定されている。但し、これらの構成は、本発明に必須の構成要件ではなく、目的に応じて適宜に変更することができる。
回転リング12を構成するSiC系焼結体リングは、平均結晶粒径が5μm以下、気孔率が5.0%以下、平均気孔径が2.0μm以下であることが必要である。これによって、特に理由は明確でないが、メカニカルシール装置10を運転させた場合においても、すなわち回転リング12及びシートリング13を摺動させた場合においても、回転リング12からのSiC粒子の脱落がなく、脱落したSiC粒子による摩耗損傷を効果的に抑制できる。
なお、上述した目的を達成できる範囲内での、平均結晶粒径の下限値、気孔率の下限値及び平均気孔径の下限値には特に限定は無く、一般的には平均結晶粒径と気孔径は小さいほど、気孔率は低いほど耐摩耗特性は向上する。ただし、平均結晶粒径や気孔径を小さくしようとしてSiC原料粉末の粒径を必要以上に細かくすると、焼結体密度が上がらず気孔率が上述の範囲を超えてしまう場合があり、さらにSiC原料粉末を焼結により緻密化するためにはある程度の粒成長が必要であるから、これら各値の下限値はSiC原料粉末の平均粒子径により決定される。例えば、SiC原料粉末の平均粒子径が0.2μm程度の場合においては、平均結晶粒径の下限値、気孔率の下限値及び平均気孔径の下限値は、それぞれ1.0μm、1.0%及び0.5μmが一つの目安となる。なお、過度の粒成長は強度や靭性の低下を引き起こすので好ましくないことは、通常の焼結体と同様である。
なお、上記平均結晶粒径、気孔率及び平均気孔径は汎用の方法、例えば気孔率であればアルキメデス法、平均結晶粒径や気孔径はSEM写真の画像解析によって測定が可能であり、以下に説明する実施例の場合も、同様の測定法により測定したものである。
さらに、回転リング12の比抵抗を1Ω・cm以下とすることにより、導電性を有するカーボンや超硬合金などのシートリング13との電位差が無視できる程度に小さくなるため、電気的な腐食が生じ難くなり、よって摩耗を抑制することができる。
また、回転リング12は、β―SiC相を80%以上の割合で含むことが好ましい。SiC結晶形において3Cで示されるβ―SiC相は、その結晶構造が立方晶系であり、強度、硬度及び熱伝導特性などの諸物性に異方性が少ないので、回転リング12の摺動特性を向上させることができる。また、結晶形は板、柱状であり、焼結体中の結晶粒子は相互に複雑に絡み合う形となっている。この摺動特性の向上および結晶粒子の形状により、回転リング12からのSiC粒子の脱落をより効果的に抑制することができるようになる。なお、回転リング12におけるβ−SiC相の割合は高いほど好ましく、理想的には全体がβ―SiC相から構成されていることが好ましい。
一方、従来回転リング12に用いられてきたSiCの結晶形は4H、6Hなどのα−SiC相と呼ばれるものであり、その結晶構造が六方晶系であること、強度や硬度などの諸物性に異方性を有すること、さらに等軸的な粒子形状をしていることから、回転リング12からSiC粒子が脱落し易いと考えられる。また、α−SiC相はβ相と比較してバンドギャップが広く、電子移動度が小さいので、電気抵抗が高くなり易く、結果として、導電性を有するカーボンや超硬合金などのシートリング13との電位差が大きくなり、電気的な腐食が進み易くなると思われる。
また、回転リング12は、さらにAl、Y、Mg、Be、La、Nb、Sn、Gd、Tb、Dy、Ho、Erの群から選ばれる少なくとも一種を含有しており、その含有量は前記成分を酸化物に換算した際の質量を基準として、SiCに対して1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
後述のとおり、これら成分の酸化物は、焼結中の緻密化過程において、SiCが3C結晶(β−SiC相:立方晶系)から4H、6H結晶(α−SiC相:六方晶系)へ転移することを抑止する作用を有している。また、これら成分の添加量を調整することにより、回転リング12の電気抵抗を調節することができる。
なお、これら成分の一部はSiCと固溶しており、一部は酸化物として主にSiCの結晶粒界に極めて表面に薄く存在している。
一方、回転リング12にB(ホウ素)が含有すると、電気抵抗値が大幅に増加するため、Bは極力含有させないことが好ましい。具体的には、Bの含有量がゼロであることが理想的であるが、Bの含有量が0.1質量%を越えると電気抵抗値の増加が大きくなるため、Bの含有量は0.1質量%未満であることが好ましい。
「リングの製造方法」
次に、本発明におけるリングの製造方法について説明する。以下の説明においても、代表例として回転リング12を用いて説明する。
図2は、回転リング12を製造する場合の一実施形態を示したフローである。
第一の原料K1は、SiO系材料とカーボン源を原料とし、還元法によりSiCを形成する「シリカ還元法」により合成されたSiC原料粉末であり、原料粉末中に占めるSiC純度は97%以上であり、SiC自体は3C結晶が92%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上を有している。その平均粒子径は0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。
第二の原料K2は、プラズマCVD法(気相成長法)により合成されたSiC原料粉末であり、第三の原料K3はプレカーサー法(液相法)により合成されたSiC原料粉末である。
第二および第三のSiC原料粉末とも、原料粉末中に占めるSiC純度が99%以上であり、その一次粒子径は0.07μm以下、好ましくは0.05μm以下、より好ましくは0.03μm以下である。また、SiC自体は3C結晶を99%以上有している。
なお、第一から第三のSiC原料粉末中のSiCにおける3C結晶成分の含量が上記値以下になると、焼結後のSiC焼結体におけるβ−SiC相の含有割合を80%以上に維持することが難しくなる。
また、第一から第三のSiC原料粉末中のSiCにおいては、理想的なSiC純度は100%であり、理想的な3C結晶の割合も100%である。しかしながら、実際には、原料粉末の製造方法等に起因して、純度を100%にすることは困難であり、同様に3C結晶の割合を100%とすることも困難である。従って、目的とする回転リング12を製造するに際しては、原料粉末中に占めるSiC純度は、最低でも97%以上、3C結晶の割合は最低でも92%以上とする。また、高純度・高3C化率が可能なプラズマCVD法およびプレカーサー法により得られる第二および第三のSiC原料粉末においては、SiC純度は99%以上、3C結晶の割合も99%以上とすることが好ましい。
第一、第二および第三の原料の混合比率は任意であって、いずれか1種類を選択してもよいし、2ないし3種類を一定の割合で混合してもよい。なお、第二・第三の原料の粒径は第一の原料に比べて小さいから、この点を考慮して選択しても良い。
酸化物K4は、焼結中の緻密化過程において、SiCが3C結晶(β−SiC相:立方晶系)の4H、6H結晶(α−SiC相:六方晶系)へ転移することを抑止するため、並びに回転リング12の比抵抗を調節するために添加する。具体的には、さらにAl23、Y23、MgO、Be、La23、Nb23、Sn22、Gd2、Tb47、Dy23、Ho23、Er23の群から選ばれる少なくとも一種の酸化物粉末を、SiC原料粉末に対して1質量%以上5質量%以下添加することが好ましい。特に、Al及びYは好適に用いられる。
次いで、混合・分散工程K5で、これらのSiC原料粉末および酸化物とを、分散剤と溶媒とともにボールミルなどの混合容器で混合し、スラリーを得る。次いで、造粒工程K6で、スプレードライ法などにより焼結用SiC系粉末として造粒する。次いで、成形工程K7により、この造粒したSiC系粉末を、金型成形法などを用いて成形体とする。なお、成形体は焼結後の加工が容易となることを考慮した形状、例えば円板状やリング状としておくことが好ましい。
次いで、脱脂工程K8で成形体の脱脂を行なった後、加圧焼結工程K9で焼結を行なう。加圧焼結法としては、ホットプレス、HIP、プラズマ焼結を用い、アルゴン、窒素などの不活性雰囲気中で行う。ここで、80%以上のβ−SiC相を残したままで気孔率を5.0%以下にするためには、適正な温度と圧力を加えた状態で焼結する必要がある。加圧焼結工程K10における焼結条件は、焼結温度が1900℃以上2100℃以下、加圧力が20MPa以上であればよい。さらに、焼結温度が1900℃以上2000℃以下、加圧力が25から40MPaとすればより好ましい。
このようにして得られたSiC焼結体は、3C結晶であるβ−SiC相の含有割合が高く、板、針状結晶となり、さらには平均結晶粒径及び気孔率が小さい。また、酸化物粉末の種類と添加量を適正にし、加圧焼結で気孔率を適正にすることで、所望する比抵抗を室温で1Ω・cm以下とすることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
初めに、耐摩耗特性の評価方法について説明する。
メカニカルシール装置用SiC系焼結体リングの耐摩耗特性は、湿式の摺動摩耗試験により評価した。摺動摩耗試験としては、水中での摺動摩耗量を測定することにより行った。その試験方法及び条件を、図3に示す。
本方法では、図3に示すように、回転軸21の回りにカーボンディスク22を所定の回転数で回転させ、このカーボンディスク22にメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングと同等のSiC系焼結体材料によるプレートPを所定の荷重で押し付け、一定距離摺動後の摩耗体積を測定し評価した。
試験条件としては、超純水中(溶存酸素濃度20ppb以下)、水温が40℃、水圧が3.5MPa、押し付け荷重を30Nとし、摺動速度が0.84m/s、摺動距離が50km(16h)とした。
「実施例1」
第1のSiC原料として、シリカ還元法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度97%、β−SiC割合92%)を96質量%、第2のSiC原料として、プラズマCVD法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度99.9%以上、β−SiC割合99%以上)を4質量%とした。これに酸化物粉末としてAlを、SiC原料に対して1質量%添加した。これらの原料粉末と溶媒としての純水に、分散剤およびバインダーを添加し、ボールミルで16時間混合した。得られたスラリーは、造粒装置を用いて顆粒とした。この顆粒をφ220の金型に投入し、面圧15MPaで成形した。得られた成形体を、窒素中・650℃で脱脂後、ホットプレスを用いて圧力25MPa、アルゴン雰囲気中、温度1900℃で加圧焼結を行い、焼結体を得た。
得られたSiC系焼結体材料は、平均結晶粒径が2.5μm、気孔率が3.5%、平均気孔径が1.0μm、室温での比抵抗が0.8Ω・cmであり、本願発明の要件である平均結晶粒径が5μm以下、気孔率が5.0%以下、平均気孔径が2.0μm以下、かつ比抵抗が1Ω・cm以下であることを満足している。さらに、β−SiC相の割合は80%であり、本願発明の第2の要件であるβ−SiC相を80%以上の割合で含むことについても満足している。
実施例1における摩耗体積は押し付け荷重30Nで0.004mmと非常に低く、またカーボンディスク22やプレートPの変形による偏摩耗も見られない。すなわち、湿式の耐摩耗特性に優れていることから、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リング材料として良好な特性を示している。
実施例1の断面組織(顕微鏡写真)を、図4(A)に示す。SiC焼結体は、微小な板、柱状の結晶粒子が相互に複雑に絡み合う形となっており、また気孔率は低く気孔径も小さいことがわかる。
実施例1における摺動摩耗試験前後の表面状態変化(顕微鏡写真)を、図4(B)および(C)に示す。(B)が試験前、(C)が試験後の表面状態である。本実施例では(C)に示す試験後も(B)に示す試験前と大きな変化は認められず、良好な表面状態であることがわかった。
「実施例2」
第1のSiC原料として、シリカ還元法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度97%、β−SiC割合95%)を94質量%、第2のSiC原料として、プレカーサー法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度99.9%以上、β−SiC割合99%以上)を6質量%とした。これに酸化物粉末としてAlとYの混合物(AlとYの質量比は7:3)を、SiC原料に対して3質量%添加した。これらの原料粉末と溶媒としての純水に、分散剤およびバインダーを添加し、ボールミルで16時間混合した。得られたスラリーは、造粒装置を用いて顆粒とした。この顆粒をφ220の金型に投入し、面圧15MPaで成形した。得られた成形体を、窒素中・650℃で脱脂後、ホットプレスを用いて圧力20MPa、アルゴン雰囲気中、温度2000℃で加圧焼結を行い、焼結体を得た。
得られたSiC系焼結体材料は、平均結晶粒径が3.0μm、気孔率は5%、平均気孔径は0.5μm、室温での比抵抗は0.98Ω・cmであり、いずれも本願発明の要件を満たしている。さらに、β−SiC相の比率は90%であり、これについても本発明の第2の要件を満たしている。
実施例2についても、摩耗体積は押し付け荷重30Nで0.005mmと非常に低く、またカーボンディスク22やプレートPの変形による偏摩耗も見られない。すなわち、湿式の耐摩耗特性に優れていることから、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リング材料として良好な特性を維持している。
実施例2の断面組織(顕微鏡写真)を、図5に示す。本実施例においても、SiC焼結体は微小な板、柱状の結晶粒子が相互に複雑に絡み合う形となっており、また気孔率は低く気孔径も小さいことがわかる。
「実施例3」
第1のSiC原料として、シリカ還元法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度97%、β−SiC割合95%)を92質量%、第2のSiC原料として、プラズマCVD法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度99.9%以上、β−SiC割合99%以上)を8質量%とした。これに酸化物粉末としてのYを、SiC原料に対して5質量%添加した。これらの原料粉末と溶媒としての純水に、分散剤およびバインダーを添加し、ボールミルで16時間混合した。得られたスラリーは、造粒装置を用いて顆粒とした。この顆粒をφ220の金型に投入し、面圧15MPaで成形した。得られた成形体を、窒素中・650℃で脱脂後、ホットプレスを用いて圧力30MPa、アルゴン雰囲気中、温度2100℃で加圧焼結を行い、焼結体を得た。
得られたSiC系焼結体材料は、平均結晶粒径が3.4μm、気孔率は4.6%、平均気孔径は1.8μm、室温での比抵抗0.4Ω・cmであり、いずれも本願発明の要件を満たしている。さらに、β−SiC相の比率は88%であり、これについても本発明の第2の要件を満たしている。
実施例3についても、摩耗体積は押し付け荷重30Nで0.003mmと非常に低く、またカーボンディスク22やプレートPの変形による偏摩耗も見られない。すなわち、湿式の耐摩耗特性に優れていることから、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リング材料として良好な特性を維持している。
「実施例4」
第1のSiC原料として、シリカ還元法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度97%、β−SiC割合95%)を90質量%、第2のSiC原料として、プラズマCVD法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度99.9%以上、β−SiC割合99%以上)を10質量%とした。これに酸化物粉末としてAlを、SiC原料に対して1質量%添加した。これらの原料粉末と溶媒としての純水に、分散剤およびバインダーを添加し、ボールミルで16時間混合した。得られたスラリーは、造粒装置を用いて顆粒とした。この顆粒をφ220の金型に投入し、面圧15MPaで成形した。得られた成形体を、窒素中・650℃で脱脂後、ホットプレスを用いて圧力40MPa、アルゴン雰囲気中、温度1900℃で加圧焼結を行い、焼結体を得た。
得られたSiC系焼結体材料は、平均結晶粒径が2.2μm、気孔率は2.0%、平均気孔径は0.9μm、室温での比抵抗は0.22Ω・cmであり、いずれも本願発明の要件を満たしている。さらに、β−SiC相の比率は92%であり、これについても本発明の第2の要件を満たしている。
実施例4についても、摩耗体積は押し付け荷重30Nで0.005mm3と非常に低く、またカーボンディスク22やプレートPの変形による偏摩耗も見られない。すなわち、湿式の耐摩耗特性に優れていることから、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リング材料として良好な特性を維持している。
「比較例1」
SiC原料として、α−SiC相:六方晶系を主とするもの(β−SiC割合は5質量%以下)を用いた。これに助剤としてのBCおよびCを、SiC原料に対してそれぞれ0.2質量%および1質量%添加した。これらの原料粉末と溶媒としての純水に、分散剤およびバインダーを添加し、ボールミルで16時間混合した。得られたスラリーは、造粒装置を用いて顆粒とした。この顆粒をφ200の金型に投入し、面圧20MPaで成形した。得られた成形体を、窒素中・600℃で脱脂後、常圧で、アルゴン雰囲気中、温度2200℃で焼結を行い、焼結体を得た。
得られたSiC系焼結体材料は、平均結晶粒径が6.0μm、気孔率が1.5%、平均気孔径が3.0μm、室温での比抵抗は2.2×10Ω・cmであり、気孔率と平均気孔径については本願発明の要件を満足しているが、平均結晶粒径と熱伝導率は本願発明の要件を満たしていない。また、β−SiC相の割合は約1%であり、これについても本願発明の第2の要件を満足していない。
比較例1では、摩耗体積が押し付け荷重30Nで0.03mm3と大きく、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リングとしての特性は不良であった。
比較例1の断面組織(顕微鏡写真)を、図6(A)に示す。SiCの結晶粒子は実施例に比べて大きく、また気孔径が大きいため気孔率も実施例に比べて高いことがわかる。
比較例1における摺動摩耗試験前後の表面状態変化(顕微鏡写真)を、図6(B)および(C)に示す。(B)が試験前、(C)が試験後の表面状態である。(C)に示す試験後の表面においてSiC粒子の脱落と線状の摩耗痕が見られた。すなわち本比較例では、カーボン部材との摺動に際してSiC粒子の脱落が発生しており、さらに脱落したSiC粒子による摩耗損傷が発生していると考えられる。
「比較例2」
SiC原料として、シリカ還元法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度97%、β−SiC割合95%)を用いた。これに助剤としてのAlを5質量%添加した。これらの原料粉末と溶媒としての純水に、分散剤およびバインダーを添加し、ボールミルで16時間混合した。得られたスラリーは、造粒装置を用いて顆粒とした。この顆粒をφ200の金型に投入し、面圧20MPaで成形した。得られた成形体を、窒素中・650℃で脱脂後、常圧で、アルゴン雰囲気中、温度2050℃で焼結を行い、焼結体を得た。
得られたSiC系焼結体材料は、平均結晶粒径が6.5μm、気孔率が8.3%、平均気孔径が4.5μm、室温での比抵抗は250Ω・cmであり、平均結晶粒径、気孔率、平均気孔径、電気抵抗について本願発明の要件を満たしていない。また、β−SiC相の比率が20%であり、これについても本願発明の第2の要件を満足していない。
比較例2においても、摩耗体積が押し付け荷重30Nで摩耗体積は0.01mm3と大きく、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リングとしての特性は不良である。これは、比較例1と同様の摺動摩耗が発生しているためと考えられる。
「比較例3」
SiC原料として、シリカ還元法により合成されたSiC原料粉末(SiC純度97%、β−SiC割合95%)を用いた。これに助剤としてのBCを、SiC原料に対して0.1質量%添加し、カーボン源としてフェノールを1%した。これらの原料粉末と溶媒としての純水に、分散剤およびバインダーを添加し、ボールミルで16時間混合した。得られたスラリーは、造粒装置を用いて顆粒とした。この顆粒をφ200の金型に投入し、面圧20MPaで成形した。得られた成形体を、窒素中・650℃で脱脂後、常圧で、アルゴン雰囲気中、温度2100℃で焼結を行い、焼結体を得た。
得られたSiC系焼結体材料は、平均結晶粒径が8.0μm、気孔率が6%、平均気孔径が3.0μm、室温での比抵抗128Ω・cmであり、平均結晶粒径、気孔率、平均気孔径、比抵抗のいずれについても本願発明の要件を満たしていない。また、β−SiC相の比率が69%であり、これについても本願発明の第2の要件を満足していない。
比較例3においても、摩耗体積は0.008mm3と大きく、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リングとしての特性は不良である。これは、比較例1と同様の摺動摩耗が発生しているためと考えられる。
比較例3の断面組織(顕微鏡写真)を、図7に示す。本比較例においても、SiCの結晶粒子は実施例に比べて大きく、また気孔径が大きいため気孔率も実施例に比べて高いことがわかる。
以上の結果をまとめて、表1に示す。
表1は、本願発明であるメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングにおける、SiC系焼結体中のβ相割合、SiC系焼結体の比抵抗、SiC粒子の平均粒子粒径、気孔率、気孔径と、摩耗体積およびメカニカルシールとしての評価を示したものである。
また、図8に、本願発明のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングと同等のSiC系焼結体材料における、比抵抗と水中摺動摩耗量の関係を示す。図8に示すように、比抵抗が低くなるにつれて摩耗体積が減少しており、なかでも比抵抗が1Ω・cm以下になったところからは水中摺動摩耗体積が低下していることがわかる。このことから、比抵抗を1Ω・cm以下にすることが水中摺動摩耗体積の減少に有効に作用することがわかる。
以上から、本願発明の要件を満足している本願実施例1から4においては、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リングと同等のSiC系焼結体材料とカーボン部材との水中摺動摩耗に際して、SiC系焼結体材料からのSiC粒子の脱落がなく、よって脱落したSiC粒子による摩耗損傷をより効果的に抑制されていること、また比抵抗が規定の範囲内であり、熱変形による偏摩耗も発生していないことから、摩耗量が非常に低く、メカニカルシール装置用SiC系焼結体回転リングとして良好な特性を示すことがわかった。
一方、比較例1から3においては、SiC系焼結体材料とカーボン部材との水中摺動摩耗に際して、SiC系焼結体耐摩耗材料からのSiC粒子の脱落が発生し、脱落したSiC粒子による摩耗損傷が発生すること、また偏摩耗が発生していることから、摩耗量が大きく、耐摩耗材料としては使用に適さなかった。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
10 メカニカルシール装置
11 メカニカルシール装置の本体
12 回転リング
13 シートリング
20 回転機器
S (回転リングとシートリングとの)摺動面
L 液体
21 回転軸
22 カーボンディスク
P プレート(メカニカルシール装置用SiC系焼結体回転リングと同等のSiC系焼結体材料)

Claims (7)

  1. メカニカルシール装置用SiC系焼結体リングであって、
    前記SiC系焼結体リングは、平均結晶粒径が5μm以下、気孔率が5.0%以下、平均気孔径が2.0μm以下であって、比抵抗が室温で1Ω・cm以下であり、
    β―SiC相を80%以上の割合で含むとともに、Al、Y、La、Gd、Tb、Dy、Ho、Erからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分を含有しており、
    前記成分の含有量は、これら成分を酸化物に換算した際の質量を基準として1質量%以上5質量%以下であり、
    0.1質量%未満の含有量のBを含有することを特徴とする、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リング。
  2. 請求項に記載のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングの製造方法であって、
    SiC純度が97%以上であるとともに3C結晶を92%以上含有するSiC原料粉末に対して、Al 2 3 、Y 2 3 、La 2 3 、Gd 2 、Tb 4 7 、Dy 2 3 、Ho 2 3 、Er 2 3 の群から選ばれる少なくとも一種の酸化物粉末を、1質量%以上5質量%以下添加し、造粒・成形した後で、加圧焼結法による圧力環境下で焼結することを特徴とする、メカニカルシール装置用SiC系焼結体リングの製造方法。
  3. 前記加圧焼結法は、不活性雰囲気下、焼結温度が1900℃以上2100℃以下で、加圧力が20MPa以上の条件で焼結することを特徴とする、請求項に記載のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングの製造方法。
  4. 請求項に記載のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングをメカニカルシール装置用回転リングとして用いるとともに、
    当該メカニカルシール装置用回転リングとカーボン系シートリングとを含むことを特徴とする、メカニカルシール装置。
  5. 請求項に記載のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングをメカニカルシール装置用シートリングとして用いるとともに、
    当該メカニカルシール装置用シートリングとカーボン系回転リングとを含むことを特徴とする、メカニカルシール装置。
  6. 請求項に記載のメカニカルシール装置用SiC系焼結体リングを、メカニカルシール装置用シートリングと、メカニカルシール装置用回転リングのいずれにも使用することを特徴とする、メカニカルシール装置。
  7. 請求項4から6のいずれか1に記載のメカニカルシール装置を、循環水用ポンプの摺動部のメカニカルシール装置として用いることを特徴とする、軽水炉プラント。
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