JP5145192B2 - 車体構造 - Google Patents
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Description
ついで、このコンポーネントをフロアコンポーネントやサイドパネルコンポーネントに組み付けて車体を組み立てる(例えば、特許文献1参照。)。
よって、サイドパネルコンポーネントの後工程で、サイドパネルコンポーネントにダッシュボードコンポーネントを組み付ける際に、ダッシュボードコンポーネントを、既に組み付けられたサイドシルの内部に設けることは難しい。
このため、ダッシュボードコンポーネントおよびサイドシルを結合する部位を十分に確保することが難しく、接合部の剛性を確保する工夫が必要とされていた。
そして、サイドシルインナおよびサイドシルアウタに下サイドパネル部を被せて、これらの部材で補強部材の後端部全周を拘束した。
よって、ダッシュボードとサイドシルとの結合部の剛性を高めることができる。
これにより、フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を補強部材を経てサイドシルに効率よく伝えることができる。
よって、フロントサイドフレームの後端部を補強部材を介してサイドシルに連結することができる。
これにより、フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を補強部材でサイドシルに一層効率よく伝えることができる。
車体構造10は、車体前後方向に延出された左右のフロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)11と、左右のフロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられたダッシュボード13と、ダッシュボード13に設けられたボード補強部材(補強部材)14と、ダッシュボード13の下端部13aから車体後方に向けて張り出されたフロントフロア15と、フロントフロア15の左右の側部15aにそれぞれ設けられた左右のサイドシル17(右サイドシル17のみを図示する)と、左右のサイドシル17の前端部17aにそれぞれ設けられた左右のピラーサポート18(右ピラーサポート18のみを図示する)とを備えている。
左右のフロントサイドフレーム11のそれぞれの後端部11aにダッシュボード13が設けられている。
ダッシュボード13は、エンジンルーム21の後部と車室22の前部とを仕切る略矩形状のパネル部材である。
このダッシュボード13は、車室22の前部を仕切るボード本体24と、ボード本体24の左右の側部に設けられた左右のアーチ部(アーチ部)25とを備えている。
なお、左右のアーチ部25は左右対称の部材であり、以下右アーチ部25について説明して左アーチ部25の説明は省略する。
なお、左右の下サイドパネル部28は左右対称の部材であり、以下右下サイドパネル部28について説明して左下サイドパネル部28の説明は省略する。
前ボードパネル31は、車体幅方向に延出され、断面形状が車体前方に向けて略U字状に折り曲げられた部位である(図3参照)。
また、前ボードパネル31の左右の端部31aから左右のアーチ部25がそれぞれ車体後方に向けて車体外側に徐々に広がるように張り出されている。
なお、右下サイドパネル部28については、図4〜図5で詳しく説明する。
この右アーチ部25は、外縁25bが湾曲状に形成されることで右ホイールアーチの後部(一部)が形成されている。
よって、ダッシュボード13にボード補強部材14が強固に取り付けられ、ボード補強部材14の剛性が高められる。
ボード補強部材14は、一例として、ダッシュボード13に沿うように管状のチューブで形成されている。
すなわち、中央補強チューブ部35は、前ボードパネル31および後ボードパネル32間に挟持され、前ボードパネル31を介して右フロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられている。
これにより、荷重Fを中央補強チューブ部35を経て左右のトンネル補強チューブ部36、左右の下補強チューブ部37および左右の上補強チューブ部38に効率よく分散することができる。
右下補強チューブ部37は、補強部材の後端部としての後端部37aが右アーチ部25の下部25aから車体後方に向けて延出されている。
右上補強チューブ部38は、上部38aが右アーチ部25の上部(ダッシュボード13の右端部)25cから車体後方に向けて上り勾配に延出され(立ち上げられ)ている。
このフロントフロア15は、車体幅方向中央にフロアトンネル43が形成されている。フロアトンネル43が上方に***した状態で車体後方に向けて延出されることで、フロアトンネル43内にプロペラシャフト(図示しない)を収容する空間が形成されている。
右サイドシル17は、ダッシュボード13の車体後方に設けられた部材である。
この右サイドシル17は、フロントフロア15の右側部15aに設けられたサイドシルインナ45と、サイドシルインナ45に溶接で一体に接合されたサイドシルアウタ46とを備えている。
サイドシルアウタ46は、サイドシルインナ45の前端部45aに対して車体後方に所定間隔L2離れた位置に前端部46aが位置している。
サイドシルインナ45に備えた上下のフランジ45bおよびサイドシルアウタ46備えた上下のフランジ46bを溶接で接合することで、右サイドシル17が閉断面に形成されている。
この右ピラーサポート18は、サイドシルアウタ46の前端部46aに突き合わされた前サイドシルアウタ(サイドシルアウタ)51と、前サイドシルアウタ51から上方に立設されたピラー支え部52と、サイドシルインナ45の前端部45aに突き合わされた前下サイドシルインナ(サイドシルインナ)53と、を備えている。
この前サイドシルアウタ51は、サイドシルアウタ46と同様に、外形が断面略コ字状に形成され、内部空間51aに複数の補強リブ54(図7参照)が設けられている。
この前下サイドシルインナ53は、サイドシルインナ45の下部と同様に、外形が略L字状に形成され、内部空間53aに複数の補強リブ56(図7も参照)が設けられている。
さらに、図7に示すように、前サイドシルアウタ51の補強リブ54に右下補強チューブ部37の後端部37aが溶接で接合されている。
右下サイドパネル部28は、傾斜状に形成された上パネル71と、上パネル71の外側部に設けられた前上サイドシルインナ(サイドシルインナ)72とを有している。
上パネル71は、前端部71aが右アーチ部25に溶接で接合され、内側部71bが後ボードパネル32の右下側部32aに溶接で接合され、後端部71cがフロントフロア15の前右端部15bに溶接で接合されている。
右アーチ部25の下部25aに凹部が形成され、この凹部に右下補強チューブ部37が配置されて凹部に溶接部75で溶接されている。
下部25aの凹部に上パネル71の前端部71aが重ねられ、前端部71aの凹部に右下補強チューブ部37が配置されている。
よって、右下補強チューブ部37が右アーチ部25の下部25aおよび上パネル71の前端部71aで挟持されている。
これにより、右アーチ部25の下部25aおよび上パネル71の前端部71aに右下補強チューブ部37が強固に取り付けられ、右下補強チューブ部37の剛性が高められる。
なお、上パネル71の内側部71bは、後ボードパネル32の右下側部32aに溶接部77で溶接されている。
前下サイドシルインナ53の下フランジ53bおよび前サイドシルアウタ51の下フランジ51cが溶接で接合されている。
また、前サイドシルアウタ51の上フランジ51cおよび右下サイドパネル部28(前上サイドシルインナ72)の上フランジ72dが溶接で接合されている。
さらに、前上サイドシルインナ72の下辺72eおよび前下サイドシルインナ53の上端部53cが溶接で接合されることで、前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51の上部51bに前上サイドシルインナ72が被せられている。
具体的には、前下サイドシルインナ53の補強リブ56に右下補強チューブ部37の後端部37a外周が溶接部78,78で溶接されている。
この状態で、前上サイドシルインナ72(補強リブ57)が右下補強チューブ部37の後端部37a外周に当接されている。
補強リブ57は、前上サイドシルインナ72の内部空間72cに複数個設けられている。
すなわち、右下補強チューブ部37の後端部37aが、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72で全周が拘束されている。
前右サイドシル50の内部に後端部37aの全周が拘束されることで、前右サイドシル50に後端部37aが強固に連結されている(設けられている)。
よって、右下補強チューブ部37の後端部37aと前右サイドシル50(すなわち、各サイドシル部材53,51,72)との結合部の剛性を高めることができる。
よって、右フロントサイドフレーム11の後端部11aをボード補強部材14(具体的には、中央補強チューブ部35、右下補強チューブ部37)を介して前右サイドシル50に連結することができる。
ここで、前右サイドシル50は右サイドシル17に同軸上に設けられている。
よって、前右サイドシル50まで伝えられた荷重を右サイドシル17に前端部17aから効率よく伝えることができる。
図9(a),(b)は本発明に係る車体構造に荷重が作用した例を説明する図である。
(a)において、右フロントサイドフレーム11に車体前方から荷重F1が作用する。
図3に示すように、ボード補強部材14の中央補強チューブ部35が前ボードパネル31を介して右フロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられている。
よって、右フロントサイドフレーム11に作用した荷重F1が中央補強チューブ部35に直接(効率よく)伝えられる。
さらに、荷重F1の残りの荷重が、右下補強チューブ部37に荷重F4として分散される。
ここで、図7に示すように、右下補強チューブ部37の後端部37aが前右サイドシル50(すなわち、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72)で強固に挟持されている。
したがって、右下補強チューブ部37に伝えられた荷重F4を前右サイドシル50を経て右サイドシル17に効率よく伝え、伝えられた荷重F4を右サイドシル17で支えることができる。
図10(a),(b)は本発明に係る車体構造の前ボードパネルにボード補強部材を結合する例を説明する図である。
(a)において、前ボードパネル31および左右のアーチ部25にボード補強部材14を車体後方側から配置する。
これにより、前ボードパネル31および左右のアーチ部25にボード補強部材14を結合する。
(a)において、前ボードパネル31に後ボードパネル32を車体後方側から矢印Aの如く被せて、前ボードパネル31に後ボードパネル32を溶接で接合する。
これにより、前ボードパネル31および後ボードパネル32間にボード補強部材14(具体的には、中央補強チューブ部35)が挟持される。
フロントフロア15の左右の側部15aに左右のサイドシルインナ45(右サイドシルインナ45のみ図示する)が接合されている。
(a)において、前下サイドシルインナ53を矢印Bの如くサイドシルインナ45の前端部45aに溶接で接合する。
(a)において、サイドシルインナ45にサイドシルアウタ46を溶接で接合するとともに、サイドシルアウタ46および前下サイドシルインナ53に前サイドシルアウタ51を溶接で接合する。
(a)において、ダッシュボード13の右下サイドパネル部28(具体的には、前上サイドシルインナ72)を前下サイドシルインナ53および前サイドシルアウタ51の上部51bに被せる。
よって、右下補強チューブ部37の後端部37a全周を、前下サイドシルインナ53、前サイドシルアウタ51および前上サイドシルインナ72(すなわち、前右サイドシル50)で拘束できる。
Claims (2)
- フロントサイドフレームの後端部にダッシュボードが設けられ、前記ダッシュボードで車室の前部を仕切り、前記ダッシュボードの車体後方にサイドシルが設けられた車体構造において、
前記ダッシュボードは、
車室の前部を仕切るボード本体と、
前記ボード本体の側部に設けられて、ホイールアーチの一部を有するアーチ部と、を備え、
前記ボード本体は、
車室の前部を仕切る中央パネル部と、
前記中央パネル部の側部で、かつ前記アーチ部の下部に設けられた下サイドパネル部と、を有し、
前記ダッシュボードに補強部材が設けられ、
前記補強部材の後端部は、
前記サイドシルを形成するサイドシルインナおよびサイドシルアウタの内部に設けられるとともに、前記サイドシルインナおよび前記サイドシルアウタに前記下サイドパネル部を被せることで、前記サイドシルインナ、前記サイドシルアウタおよび前記下サイドパネル部で全周が拘束され、
前記フロントサイドフレームに車体前方から作用した荷重を前記補強部材を経て前記サイドシルに伝えることを特徴とする車体構造。 - 前記中央パネル部は、
車体前方側の前ボードパネルと、
前記前ボードパネルの後方に設けられた後ボードパネルと、を有し、
前記前ボードパネルおよび前記後ボードパネル間に前記補強部材が挟持され、
前記補強部材が前記前ボードパネルを介して前記フロントサイドフレームの後端部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の車体構造。
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