JP5143409B2 - 無線通信端末および無線通信端末におけるハンドオフ方法 - Google Patents
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Description
こうした背景から、現在の周波数帯(旧800MHz帯)、新たな周波数(新800MHz帯)、及び高周波の周波数帯(2GHz帯)での通信が可能なマルチバンド対応の無線通信端末が開発されている。
そして無線通信端末は、いずれかのチャネルを用いて基地局と通信を行うことになる。以下、基地局1つに対して1つのパイロット符号が対応付けられている(つまり基地局1つに対してそれぞれチャネルが1つだけ割り当てられている)例を用いて簡単に説明を行う。
通信を行う基地局(通信チャネル)を切替える機能はハンドオフ(或いはハンドオーバ)と呼ばれ、ハンドオフにはソフトハンドオフとハードハンドオフの2種類が存在する(例えば、特許文献1参照)。
ハードハンドオフは、第1の基地局から第2の基地局へ通信を移行する際に、第2の基地局に通信を切替える直前まで第1の基地局との通信を維持してから、周波数帯の切替えを行う。このため、使用中チャネルを一時的に放してしまうこととなり、周波数帯の切替え時に通信の瞬断が生じてしまう。
また、DAHHOでは、携帯端末の情報を参照せず、第1の基地局が一方的に第2の基地局を指定するため、携帯端末が第1の基地局の指定した第2の基地局を捕捉できる保証はなく、ハンドオフに失敗する可能性が比較的高い。
MAHHOは、無線通信端末1から報告されるパイロット信号強度測定結果であるPPSMM(Periodic Pilot Strength Measurement Message)を監視し、自局のエネルギー強度が一定以下になったことを契機にハンドオフを開始することから、PPSMMベースドと呼ぶ。
報告は、先のPPMROで指定された間隔(0.8〜10.08秒、通常は2〜4秒程度)で定期的に送出されるが、PPMROで閾値が指定された場合に限り、閾値を満たさない間はトラフィックの混雑を避ける目的で無線通信端末1は報告を免除される。
ここで、重要なパラメータの一つにサーチタイプがあり、これは、「0=サーチ停止」、「1=シングルサーチ開始」、「3=定規的サーチ開始」の3段階のうちいずれかを示す。「0=サーチ停止」は、無線通信端末1に各種パラメータの情報だけを渡し、実際のサーチは行わずに止めておくときに使用できる。「1=シングルサーチ開始」は、無線通信端末1に1回だけサーチを行わせ、結果を報告させるときに使用できる。「3=定期的サーチ開始」は、移動局に定期的にサーチを行わせ、結果を定期的に報告させるときに使用できる。
ここでは、CFSRQMと違い、サーチタイプ以外のパラメータを一切搬送しないため、トラフィックに与える影響は軽微である。ハンドオフ候補システムの周波数システムの周波数やパイロットリストなどのパラメータが固定的であり減多に変更されない状態であるなら、網はサーチタイプの変更だけを行わせたいときに限り、トラフィックに悪影響を与えないようCFSCNMを使用することができる。
この時点でハンドオフできるくらいの強度を持った候補周波数の基地局が報告されれば、基地局2(基地局A)は無線通信端末1に対してハンドオフを行うよう要求することができるが、ハンドオフ条件が満たされない場合には、基地局2(基地局A)は引き続きCFSRQMを送出し、サーチタイプを「3=定期的サーチ開始」と指定する(ST107)。続いて、無線通信端末1が基地局2(基地局A)に対してハンドオフ候補サーチ応答メッセージ(CFSRSM:Candidate Frequency Search Response Message)を送出してCFSRQMを受理したことを伝える(ST108)。
ハンドオフを満たす基地局が報告されたことを受け、基地局2(基地局A)は無線通信端末1に対してハンドオフ要求メッセージ(UHDM:Universal Hand Off Direction Message)を送出し、候補周波数の基地局2(基地局B)へのハンドオフ要求を行う(ST110)。
無線通信端末1は指定されたとおりハンドオフを実施し、新しい基地局2(基地局B)に対してハンドオフ完了メッセージ(EHOCM:Extended Hand Off Completion Message)を送出して、MAHHO動作が完了する(ST111)。
このため、上記した送信停止時にデータを送信中であれば、データは破壊され、送信再開時に再度データを送りなおす必要が出て来る。また、データ受信時に周波数を切替えてしまえば、その時に受信中のデータも破壊され、再送要求を送信して再度データを取得する必要があり、したがって、スループットの低下を来たすことになる。
この通信部11は、複数の周波数帯での無線信号の送受信が可能であり、具体的には、現行の周波数帯(旧800MHz帯)、新たな周波数帯(新800MHz帯)、および高周波の周波数帯(2GHz帯)を用いた無線信号の送受信が可能である。
また、ここで説明したバンドクラスおよび優先度はあくまで一例であって、通信事業者のインフラ配備状況に大きく左右される。
また、制御部12は、通信部11によって上記の複数の周波数のうちいずれを用いて無線信号の送受信を行うかを制御し、基地局2からのハンドオフ要求に応じて、通信部11にハンドオフを実行させる。ハンドオフとは、現在通信中の基地局2から別の基地局に通信対象を切替える、すなわちチャネル間移行を行う処理である。
このため、制御部12は、ハンドオフ処理部120と、メッセージ交換部121と、パラメータ記憶部122と、サーチ制御部123と、パイロット信号強度測定部124と、周波数設定部125と、送受信データ量取得部126と、送受信レート予測演算部127と、送受信完了時間予測演算部128と、タイマ129と、比較演算部130とにより構成される。
なお、送受信レートは、パイロット信号強度測定部124により測定されるハンドオフ候補周波数の信号強度から推定されることは周知の技術である。
なお、比較演算部130は、ここでは、主に、サーチタイプ=3の一定周期でのサーチ処理を対象とするため、次に到来するサーチ周期までの間に今回のサーチを遅延させても現在送受信中のパケットの送受信が完了できるか否かを判定する。
また、ハンドオフ処理部120は、上記した送受信データ量取得部126、送受信レート予測演算部127、送受信完了時間予測演算部128、タイマ129、比較演算部130のそれぞれを制御してハンドオフ処理を実行する。具体的には、通信部11が通信中の基地局2からハンドオフ候補周波数のサーチ要求を受信し、現在使用中の周波数からハンドオフ候補周波数に切替えて捕捉動作を行うときに、連続した送信パケット列、あるいは受信パケット列の、送信中パケットの送信、あるいは受信中パケットの受信が完了したことを契機に、ハンドオフ候補周波数のサーチを実行する。
なお、上記した記憶部13は、例えば不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
また、音声処理部14は、制御部12から供給される音声データに復号化、デジタル−アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してSP15に出力する。
以下、図4〜図6を参照しながら、図3に示した本発明の実施の形態に係わる無線通信端末の動作について詳細に説明する。すなわち、サーチ要求(CFSRQM)を受信したときの条件に応じ、図3に示した捕捉処理動作(CFS)を行うまでの処理を変化させたパケット間サーチ処理の例を図4にて説明する。
図4のフローチャートにおいて、無線通信端末1は、データ通信中(パケット列の伝送中)に基地局2から、ハンドオフ候補周波数サーチを定期的に実行する必要があるサーチタイプ=3のCFSRQMを受信したとする。このとき、無線通信端末1は、ハンドオフ候補周波数のサーチを実行するが、その時に以下の手順でサーチのスケジューリングを行う。
ここで、規定時間範囲内に含まれると判定された場合には(ST403“Yes”)、ハンドオフ処理部120は、連続するパケット列の送信終了待ちとし、すべてのパケットの送信を完了してからサーチ処理を実行するようにサーチ制御部123を制御する(ST404)。一方、全てのパケットの送信終了後にサーチ処理を実行した場合に規定時間内に収まらないと判定された場合に(ST403“No”)、ハンドオフ処理部120は、データ転送単位であるパケットの送信終了待ちとし、送信中のパケットと連続する次の送信パケットとの合間にてデータの送信を中断してサーチ処理を行うようにサーチ制御部123を制御し(ST405)、更に、当該パケットの境界で、直後のパケット以降のパケットの一時送信を停止する制御を行う(ST406)。
ここで、ハンドオフ処理部120は、現在送信中の連続したパケットの残り受信時間を計算し(ST408)、当該計算の結果得られる受信時間がハンドオフ候補周波数サーチの規定時間範囲に含まれるか否かを判定する(ST409)。具体的には、残り受信時間の計算は、受信完了したパケットから受信するデータのヘッダ部分となる情報を探し出し、受信するデータの総量を抽出したり、そもそも操作部18にて受信を開始指示された段階で、受信すべきデータの情報を予めサーバから取得して記憶部13に記憶しておき、これを参照する等して現在受信中のデータの総量を取得し、現在の受信状況から予測される受信レートから残り受信時間を演算することにより受信完了時間を予測することができる。そして、比較演算部130がタイマ129により監視される先に述べたサーチ周期に基づいた規定時間と比較することで、現在受信中の連続したパケットの残り受信時間がハンドオフ候補周波数サーチの規定時間範囲に含まれるか否かを判定することができる。
次に、ステップS412では、図3として上記したハンドオフ候補周波数のサーチを行い、元の周波数に復帰した時点でサーチ結果の報告(CFSRPM)を行い(ST412)、さらに受信を再開し、一時停止中の送信パケットがあった場合(ST413“Yes”)、ハンドオフ処理部120は、通信部11を制御して送受信を再開する(ST414)。
<例1>
図5には、図4を用いて説明したように、サーチタイプ3が指定されたサーチ要求を受信した段階での送信データの残量が、サーチ規定時間内に終了し、受信はサーチ規定時間内に完了しない場合の送信受信のパケットとサーチ処理のスケジューリングとの関係が示される。まず、サーチ要求を受信した段階で、送信が規定時間内に完了すると判断されると送信データのデータ送信完了を待つ(a)。データ送信が完了した段階では、未だ受信データのパケット受信中であり、その受信完了は、(b)に示すように規定時間内には完了しないため、送信が完了した段階での受信中パケットの受信完了までサーチ処理をさらに待ち、受信中のパケットの受信が完了した段階で受信を一旦停止してサーチ処理を実行し、サーチ処理が完了した段階で停止していた受信データの受信を再開する(c)。
一方、図6には、送信がサーチ規定時間内に終了せず(a)、さらに受信もサーチ規定時間内に終了しない場合(b)におけるパケットとサーチ処理のスケジューリングとの関係を示す。
サーチ要求を受信した段階で、送信が規定時間内に完了しないと判断されると、サーチ規定時間に余裕を持たせたうえで送信中パケットの送信完了を待つ(c)。パケット送信完了した段階では、未だ受信データのパケットを受信中であり、この受信完了までサーチ処理をさらに待ち、受信中のパケットの受信が完了した段階で受信を一旦停止してサーチ処理を実行し、サーチ処理が完了した段階で停止していた受信データの受信を再開する(d)。
なお、図5、図6ともに、ハッチングが付されたCFSで示されるブロックがサーチ処理実行タイミングを示す。
まず、サーチ要求を受信するとサーチ規定時間内に余裕を持たせつつ、ハンドオフ処理部120は、受信(送信)レート予測演算部127により生成される受信(送信)レートを監視し、例えば、サーチ要求受信時の受信(送信)レートや予め定義された閾値と比較し、これらの値よりも低下した段階まで捕捉処理は行わず、このようなレートの低下が発生すると、受信中(送信中)のパケットの受信(送信)完了を待ち、受信(送信)完了するとサーチ処理を行い、その後、続くパケットの受信(送信)を再開する。なお、受信(送信)レートのチェックは、図4のステップST403、ST409にて行えばよい。
なお、図7中、ハッチングが付されたCFSで示されたブロックがサーチ処理実行タイミングを示す。ちなみに、規定時間からサーチ処理に要する時間を減算した時間内に受信(送信)レートが低くならない場合には、受信(送信)レートに関わらず規定時間内にサーチ処理が収まるようにサーチ処理を実行するものである。
Claims (9)
- 複数の基地局との間で無線通信を行う無線通信端末であって、
パケットの送受信を可能とする複数の周波数の中から一つを選択して無線通信を行う通信部と、
前記通信部が使用する周波数を切替えて前記無線通信を実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記通信部がデータを伝送処理中にハンドオフ候補周波数のサーチ処理を要求するサーチ要求を受信したとき、受信したサーチ要求に基づいてサーチ周期に到達するまでのサーチ規定時間を特定するとともに当該サーチ規定時間内に伝送中データの伝送が完了するかどうかを予測送受信レートに基づいて判定し、前記サーチ規定時間内に伝送完了する場合には、前記データの伝送完了後にサーチ処理を行い、前記サーチ規定時間内に前記データの伝送が完了しない場合には前記データの伝送を中断してサーチ処理を行う
ことを特徴とする無線通信端末。 - 記憶部を備え、
前記制御部は、前記サーチ要求を受信したときのデータの伝送が、前記記憶部に記憶されているデータの送信である場合、前記記憶部に記憶されたデータの総量と前記通信部における現在の送信レートとから全送信データの送信に必要な時間を演算し、前記サーチ規定時間内に伝送完了するか判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記サーチ要求を受信したときのデータの伝送が、前記通信部によるデータの受信である場合、既に受信完了したデータから現在受信中のデータの総量に関する情報を取得し、前記受信中のデータの総量と前記通信部における現在の受信レートとから残り受信時間を演算し、前記サーチ規定時間内に伝送完了するか判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記サーチ要求を受信すると、前記サーチ要求が、定期的にサーチ処理を行った結果を報告するよう要求する定期的サーチ要求であるかどうかを判定し、前記定期的サーチ要求であった場合には、当該定期的サーチ要求にて指定される周期情報を抽出し、当該周期情報に基づいて前記サーチ規定時間を決定する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記サーチ要求を受信すると、前記サーチ要求が、定期的にサーチ処理を行った結果を報告するよう要求する定期的サーチ要求であるかどうかを判定し、前記定期的サーチ要求でなかった場合には、前記サーチ規定時間を特定することなく、サーチ要求を受信したときのデータの伝送を中断してサーチ処理を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信端末。 - 前記伝送中のデータは、複数の連続したパケットにて構成され、
前記制御部は、前記サーチ処理を行うためにデータの伝送を中断する際、伝送中のパケットの伝送が完了してから、続くパケットの伝送を停止するよう制御する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信端末。 - 複数の基地局との間で無線通信を行う無線通信端末において、現在通信中の周波数から他の周波数に通信チャネルを切り替えて無線通信を継続するハンドオフ方法であって、
ハンドオフ候補周波数のサーチ処理を要求するサーチ要求を受信するサーチ要求受信ステップと、
データを伝送中に前記サーチ要求受信ステップが生じると、受信したサーチ要求に基づいてサーチ周期に到達するまでのサーチ規定時間を特定する規定時間特定ステップと、
前記データの伝送完了後にサーチ処理を行う伝送完了後サーチステップと、
前記データの伝送を中断してサーチ処理を行う伝送中断サーチステップと、
前記規定時間特定ステップが生じると、特定したサーチ規定時間内に伝送中データの伝送が予測送受信レートに基づいて完了すると判定された場合には前記伝送完了後サーチステップを実行し、完了しないと判定された場合には前記伝送中断サーチステップを実行する完了判定ステップと、
を有することを特徴とするハンドオフ方法。 - 現在通信中の周波数から他の周波数に切替えて無線通信を継続する制御部を備え、
前記制御部は、
データを伝送処理中にハンドオフ候補周波数のサーチ処理を要求するサーチ要求を受信すると、サーチ周期に到達するまでのサーチ規定時間内に当該データの伝送が予測送受信レートに基づいて完了すると判定された場合には当該データの伝送完了後にサーチ処理を行う
ことを特徴とする無線通信端末。 - 無線通信端末が現在通信中の周波数から他の周波数に切り替えて無線通信を継続するハンドオフ方法であって、
データを伝送処理中にハンドオフ候補周波数のサーチ処理を要求するサーチ要求を受信すると、サーチ周期に到達するまでのサーチ規定時間内に当該データの伝送が予測送受信レートに基づいて完了すると判定された場合には当該データの伝送完了後にサーチ処理を行う
ことを特徴とするハンドオフ方法。
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