JP5142760B2 - インクジェット記録材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録材料及びその製造方法に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、紙等の支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等のバインダーとを含む多孔質のインク受容層を設けてなるインクジェット記録材料が知られている。
近年、インクジェット記録材料にジルコニウム化合物やアルミニウム化合物を用いる技術が検討されている。例えば、耐水性を向上し、高湿環境下でのにじみやブロンジングの発生を抑制するために、支持体から離れたインク受容層に水溶性ジルコニウム化合物を含有させ、支持体に近い部分に水溶性アルミニウム化合物をより多く分布させるインクジェット記録材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、インク受容層中のバインダーとして、様々なけん化度のポリビニルアルコールを用いる技術が知られている(例えば、特許文献2及び3参照)。
特開2006−110771号公報 特開2003−11498号公報 特開2000−280600号公報
しかしながら、インクジェット記録においては、特に、水性染料インクを用いて画像の記録を行った場合、経時により、記録画像の色相が変化する場合がある。また、特に、記録画像の乾燥が十分でない場合、この記録画像の一部に別の記録材料等の物体を重ねた際に、重なっている部分と重なっていない部分とで記録画像の色相が異なる場合がある(即ち、重ね跡を生ずる場合がある)ことが明らかとなった。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、ブロンジングが抑制され、色相変化や重ね跡の発生が抑制されたインクジェット記録材料及びその製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、上層(支持体から離れた層)に水溶性ジルコニウム化合物を含有し、かつ、下層(支持体に近い側の層)に前記上層よりも水溶性アルミニウム化合物を多く含む系では、けん化度の高いポリビニルアルコールを用いることで色相の変化や重ね跡の発生を抑制できるとの知見を得、これらの知見に基づき本発明を完成した。
即ち、前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 耐水性支持体上に少なくとも2層のインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記インク受容層のうち第1の層が、顔料、水溶性ジルコニウム化合物、及びバインダーを含み、前記インク受容層のうち前記第1の層より前記耐水性支持体に近い側の第2の層が、顔料及びバインダーを含み、かつ、前記第1の層よりも水溶性アルミニウム化合物を多く含み、前記インク受容層全層を形成するために用いられるバインダーの総量のうち80質量%以上が、けん化度95%以上のポリビニルアルコールであることを特徴とするインクジェット記録材料である。
<2> 前記第1の層中のバインダーが重合度2000以下のポリビニルアルコールであり、前記第2の層中のバインダーが重合度2000以上のポリビニルアルコールであることを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録材料である。
<3> 前記第1の層中のバインダーが重合度1900以下のポリビニルアルコールであり、前記第2の層中のバインダーが重合度3000以上のポリビニルアルコールであることを特徴とする<1>又は<2>に記載のインクジェット記録材料である。
> 耐水性支持体上に、少なくとも、バインダー、顔料、及び水溶性ジルコニウム化合物を含む塗布液Aと、顔料及びバインダーを含み、かつ、前記塗布液Aよりも水溶性アルミニウム化合物を多く含む塗布液Bと、を該耐水性支持体側からみて塗布液B、塗布液Aの順となるように塗布してインク受容層を形成する工程を含み、前記インク受容層を形成するために用いられるバインダーの総量のうち80質量%以上が、けん化度95%以上のポリビニルアルコールであることを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法である。
<5> 前記塗布液A中のバインダーが重合度2000以下のポリビニルアルコールであり、前記塗布液B中のバインダーが重合度2000以上のポリビニルアルコールである<4>に記載のインクジェット記録材料の製造方法である。
<6> 前記塗布液A中のバインダーが重合度1900以下のポリビニルアルコールであり、前記塗布液B中のバインダーが重合度3000以上のポリビニルアルコールである<4>又は<5>に記載のインクジェット記録材料の製造方法である。
本発明によれば、ブロンジングが抑制され、色相変化や重ね跡の発生が抑制されたインクジェット記録材料を提供することができる。
≪インクジェット記録材料≫
本発明のインクジェット記録材料は、耐水性支持体上に少なくとも2層のインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記インク受容層のうち第1の層が、顔料、水溶性ジルコニウム化合物、及びバインダーを含み、前記インク受容層のうち前記第1の層より前記耐水性支持体に近い側の第2の層が、顔料及びバインダーを含み、かつ、前記第1の層よりも水溶性アルミニウム化合物を多く含み、前記インク受容層全層を形成するために用いられるバインダーの総量のうち80質量%以上が、けん化度95%以上のポリビニルアルコールであることを特徴とする。
インクジェット記録材料を上記本発明の構成とすることにより、ブロンジングが抑制され、色相変化や重ね跡の発生が抑制される。さらに、高湿環境下におけるにじみが抑制され、耐水性が向上する。
本発明においては、前記第1の層及び前記第2の層を含むインク受容層全層(以下、単に「インク受容層全層」や「インク受容層全体」ともいう)を形成するために用いられるバインダーの総量のうち80質量%以上が、けん化度95%以上のポリビニルアルコールである必要がある。
インク受容層全層を形成するために用いられるバインダーの総量のうち、けん化度95%以上のポリビニルアルコールが80質量%未満である場合、色相変化及び重ね跡が悪化する。
けん化度95%以上のポリビニルアルコールの比率は、インク受容層全層を形成するために用いられるバインダーの総量のうち、好ましくは85質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である
次に、色相変化を更に抑制し、かつインク受容層の膜割れをより効果的に抑制する観点から、インク受容層中のバインダーの好ましい形態について説明する。
第1の層中のバインダーは、重合度2000以下(より好ましくは、1900以下、特に好ましくは1800以下)のポリビニルアルコールであることが好ましい。
第2の層中のバインダーは、重合度2000以上(より好ましくは、3000以上、特に好ましくは4000以上)のポリビニルアルコールであることが好ましい。
上述の形態の中でも、バインダーの好ましい組み合わせとしては、
第1の層中のバインダーが重合度2000以下のポリビニルアルコールであり、かつ、第2の層中のバインダーが重合度2000以上のポリビニルアルコールである組み合わせが好ましく、
第1の層中のバインダーが重合度1900以下のポリビニルアルコールであり、かつ、第2の層中のバインダーが重合度3000以上のポリビニルアルコールである組み合わせがより好ましく、
第1の層中のバインダーが1800以下のポリビニルアルコールであり、かつ、第2の層中のバインダーが重合度4000以上のポリビニルアルコールである組み合わせが特に好ましい。
<インク受容層>
本発明のインクジェット記録材料は、耐水性支持体上に少なくとも2層のインク受容層を有する。
前記少なくとも2層のインク受容層は、顔料、水溶性ジルコニウム化合物、及びバインダーを含む第1の層と、顔料及びバインダーを含み、かつ、前記第1の層よりも水溶性アルミニウム化合物を多く含む第2の層と、を少なくとも含む。
本発明のインクジェット記録材料は、必要に応じ、前記第1の層及び第2の層以外に、最上層(例えば、コロイダルシリカ層等)、中間層、下引き層等の他の層を含んでいてもよい。
(第1の層)
前記第1の層は、顔料、水溶性ジルコニウム化合物、及びバインダーを含むが、必要に応じ、その他の成分を含んでいてもよい。
また、前記第1の層は、発色性等の観点からは、支持体から離れた層であることが好ましく、支持体から最も離れた最表面層であることがより好ましい。
また、前記第1の層は、単層構成であっても2層以上の構成であってもよい。
ここで、水溶性ジルコニウム化合物を含有する第1の層を形成する方法については特に限定はないが、例えば、水溶性ジルコニウム化合物を含有する塗布液(例えば、後述の塗布液A)を用いて第1の層を形成する方法、水溶性ジルコニウム化合物を含有する水溶液を第1の層に対し、上(支持体から離れた側)から塗布する方法、これら2つの方法を組み合わせた方法、等が挙げられる。
また、第1の層は、水溶性アルミニウム化合物を含んでもよいし、含まなくてもよいが、含む場合には、第1の層中の水溶性アルミニウム化合物の量は、第2の層中の水溶性アルミニウム化合物の量より少ないことが必要である。第1の層中の水溶性アルミニウム化合物の量が、第2の層中の水溶性アルミニウム化合物の量以上である場合、ブロンジングが悪化する。
具体的には、質量比〔第1の層中の水溶性アルミニウム化合物の質量/第2の層中の水溶性アルミニウム化合物の質量〕が、0以上1.0未満であることが必要である。前記質量比は、0以上0.5未満が好ましく、0以上0.3未満がより好ましく、0(即ち、第1の層が水溶性アルミニウム化合物を含まない形態)が最も好ましい。
第1の層における水溶性ジルコニウム化合物の含有量は特に限定はないが、顔料に対して0.5〜15質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましく、特に4〜10質量%の範囲が好ましい。
第1の層の層厚としては特に限定はないが、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、薄い方が好ましい。具体的には、第1の層の乾燥塗布量としては、8g/m以下が好ましく、1〜7g/mの範囲がより好ましい。
(第2の層)
前記第2の層は、前記第1の層に対し耐水性支持体に近い側に位置する層である。
前記第2の層は、顔料及びバインダーを含み、前記第1の層よりも水溶性アルミニウム化合物を多く含むが、必要に応じ、その他の成分を含んでいてもよい。
また、前記第2の層は、単層構成であっても2層以上の構成であってもよい。
また、第2の層は、水溶性ジルコニウム化合物を含んでもよいし、含まなくてもよい。
第2の層における水溶性アルミニウム化合物の含有量は特に限定はないが、第2の層中の顔料に対して0.5〜15質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
第2の層の層厚としては特に限定はないが、インクの吸収速度及び吸収容量を確保する観点からは、厚い方が好ましい。具体的には、第2の層の乾燥塗布量としては、12g/m以上が好ましく、15g/m以上がより好ましい。
(水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物の分布)
次に、本発明におけるインク受容層全体の層厚方向についての水溶性アルミニウム化合物の好ましい分布、及び、本発明におけるインク受容層全体の層厚方向についての水溶性ジルコニウム化合物の好ましい分布について説明する。
水溶性ジルコニウム化合物は、発色性、ブロンジング抑制等の観点等からは、本発明におけるインク受容層全体において、支持体から離れた部分(より好ましくは、インク受容層全体の表面近傍)により多く分布することが好ましい。
一方、水溶性アルミニウム化合物は、本発明におけるインク受容層全体において、支持体に近い部分により多く分布することが好ましい。
なお、本発明において、インク受容層全体の層厚方向についての水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物の分布は、例えば、ミクロトームなどにより作製したインク受容層の断面試料について、EMPA(Electron Probe Micro Analyser)などにより、インク受容層の厚さ方向にアルミニウム元素またはジルコニウム元素の測定を行うことにより確認できる。
以下、本発明のインク受容層に含まれる各成分について説明する。
(顔料)
本発明におけるインク受容層(少なくとも第1の層及び第2の層、必要に応じその他の層)は、顔料を含有する。
顔料としては特に限定はないが、微粒子シリカが好適である。ここで、微粒子シリカとしては、合成シリカである気相法シリカ、湿式法シリカの少なくとも1種が挙げられる。
前記気相法シリカは、乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており入手することができる。
前記気相法シリカの平均一次粒子径は、5〜50nmが好ましい。より高い光沢を得るためには、平均一次粒子径5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m/gの気相法シリカが好ましい。前記BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
上記のようにして気相法シリカは、数nm〜数十nmの一次粒子が網目構造あるいは鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在する。この凝集粒子(二次粒子)の平均粒径が500nm以下になるまで分散されることが好ましく、より好ましくは300nm以下になるまで分散される。下限の粒子径は50nm程度である。ここで、凝集粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
前記湿式法シリカは、製造方法によって更に沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造される。製造過程で粒子成長したシリカ粒子は、凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
前記ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造される。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
前記ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
前記湿式法シリカとしては、沈降法シリカあるいはゲル法シリカが挙げられる。前記湿式法シリカの平均粒径(平均二次粒子径)は、通常1μm以上である。本発明においては、これらの湿式法シリカを、平均粒径が500nm以下になるまで粉砕することが好ましい。より好ましくは、平均粒径が300nm以下になるまで粉砕する。下限の粒子径は50nm程度である。粉砕された湿式法シリカの粒子径は、前述したように透過型電子顕微鏡あるいはレーザー散乱式の粒度分布計で求めることができる。
前記湿式法シリカの粉砕工程は、分散媒にシリカ微粒子を添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液中のシリカを粉砕する二次分散工程とからなることが好ましい。一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。湿式法シリカの粉砕方法としては、分散媒中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルが好ましく用いられる。
前記湿式法シリカは、平均粒子径(平均二次粒子径)が5μm以上のものが好ましい。比較的大きな粒子径のシリカを粉砕することによって、より高濃度での分散が可能となる。本発明に用いられる湿式法シリカの平均粒子径の上限は特に制限されないが、通常湿式法シリカの平均粒子径は200μm以下である。
また、前記湿式法シリカとしては、沈降法シリカが好ましい。前述したように、沈降法シリカは、その二次粒子が緩やかな凝集粒子であるので、粉砕するのに好適である。
本発明において、微粒子シリカ等の顔料は、カチオン性ポリマーを添加してカチオン化することが好ましい。上述した分散あるいは粉砕工程で、カチオン性ポリマーを含有させておくことがより好ましい。カチオン性ポリマーについては後述する。
以上、本発明における顔料について説明したが、顔料の中でも、インク吸収性及び発色性の観点から、気相法シリカがより好ましい。
また、顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
各インク受容層における顔料の総含有量としては特に限定はないが、インク受容層を構成する全固形分に対し60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。上限は95質量%程度である。
(バインダー)
本発明におけるインク受容層(少なくとも第1の層及び第2の層、必要に応じその他の層)は、バインダーを含有する。
前記バインダーとしては特に限定はないが、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーを用いることが好ましい。
前記親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロースやそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度は500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
また、バインダーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
各インク受容層におけるバインダー(B;例えば、前記親水性バインダー)と顔料(P;例えば、前記微粒子シリカ)の質量比(B/P)は、5〜30質量%の範囲が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
本発明において、支持体から離れた第1の層から支持体に近い第2の層にスムーズにインクを通過させるためには、上記質量比(B/P)の関係を、第2の層に比べて第1の層の方を小さくすることが好ましい。
(水溶性ジルコニウム化合物)
本発明におけるインク受容層(少なくとも第1の層、必要に応じその他の層)は、水溶性ジルコニウム化合物を含有する。
本発明に用いられる水溶性ジルコニウム化合物は、無機塩や有機酸の単塩および複塩、金属錯体などのいずれであっても良い。
水溶性ジルコニウム化合物としては、例えば、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムなどが挙げられる。
これらの水溶性ジルコニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、酢酸ジルコニウム(酢酸ジルコニル)、オキシ塩化ジルコニウムは特に好ましい。
これらのものは、第一稀元素化学工業(株)からジルコゾールZA−20、同ZA−30、同ZC−2等として市販されている。また、日本軽金属(株)等からも市販されている。
水溶性ジルコニウム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(水溶性アルミニウム化合物)
本発明におけるインク受容層(少なくとも第2の層、必要に応じその他の層)は、水溶性アルミニウム化合物を含有する。
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物は、無機塩や有機酸の単塩および複塩、金属錯体などのいずれであっても良い。
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物は、例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n ・・・ 式1
[Al(OH)AlCl ・・・ 式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n ・・・ 式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、大明化学工業(株)よりアルファインの名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
水溶性アルミニウム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(その他の成分)
本発明におけるインク受容層は、必要に応じ、上記以外のその他の成分を含有してもよい。
〜カチオン性ポリマー〜
本発明のインク受容層は、前述の通り、微粒子シリカ等の顔料をカチオン化する目的や、その他の目的で、カチオン性ポリマーを含有してもよい。
前記カチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号、WO99/64248号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの重量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、特に好ましくは2千〜3万程度である。
本発明において、カチオン性ポリマーの使用量は微粒子シリカ等の顔料に対して1〜10質重%の範囲が好ましい。
〜硬膜剤〜
本発明において、インク受容層には、バインダーとともに硬膜剤を含有することが好ましい。
硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。
各インク受容層中における硬膜剤の含有量は、バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。
〜その他〜
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
また、本発明のインク受容層の形成に用いられる塗布液(例えば、後述する塗布液A及び塗布液B、等)のpHは、3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジドおよびその誘導体を含有させることによって印字後の保存性を著しく改良することができる。
前記カルボヒドラジド誘導体は、同一分子中に同構造を一つまたは二つ以上有する化合物であっても、あるいは同構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
前記チオエーテル化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等がある。これらの中でも特に親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましい。
なおこれらの化合物は既知の合成法や、特開2002−321447号公報、同2003−48372号公報に記載の合成法などを参考に合成できる。また、一部の化合物については、市販の化成品をそのまま使用することができる。
<耐水性支持体>
本発明における耐水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、基紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙、等の耐水性支持体が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
以下、本発明における耐水性支持体として好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙について説明する。
前記ポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは、例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。樹脂被覆層の厚みとしては、5〜50μmが適当である。
本発明に用いられる耐水性支持体のインク受容層が塗設される側には、下引き層を設けることが好ましい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有することが好ましい。支持体に下引き層を設けることによって、インク受容層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
本発明のインクジェット記録材料のインク吸収性を有する側と支持体に対して反対側には、カール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるために種々の種類のバック層を設けてもよい。
≪インクジェット記録材料の製造方法≫
前述の本発明のインクジェット記録材料を製造する方法としては特に限定はないが、例えば、下記本発明のインクジェット記録材料の製造方法が挙げられる。
即ち、本発明のインクジェット記録材料の製造方法は、耐水性支持体上に、少なくとも、バインダー、顔料、及び水溶性ジルコニウム化合物を含む塗布液Aと、顔料及びバインダーを含み、かつ、前記塗布液Aよりも水溶性アルミニウム化合物を多く含む塗布液Bと、を該耐水性支持体側からみて塗布液B、塗布液Aの順となるように塗布してインク受容層を形成する工程を含み、前記インク受容層を形成するために用いられるバインダーの総量のうち80質量%以上が、けん化度95%以上のポリビニルアルコールであることを特徴とする。
前記塗布液Aに含まれるバインダー、顔料、水溶性ジルコニウム化合物、及び必要に応じて用いられる他の成分については、前述の第1の層中の成分を用いることができる。
また、前記塗布液Bに含まれるバインダー、水溶性アルミニウム化合物、及び必要に応じて用いられる他の成分については前述の第2の層中の成分を用いることができる。塗布液中に含まれることがあるその他の成分については、インク受容層中のその他の成分を用いることができる。
また、全塗布液中のバインダーの組成については、前記全インク受容層全層中のバインダーの組成と同様であり、好ましい範囲も同様である。
耐水性支持体、水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物の分布、等についても、前述のインクジェット記録材料の説明で述べたとおりである。
前記製造方法において、塗布液A及び塗布液B(及び必要に応じて用いられる他の塗布液)を塗布する方法としては、耐水性支持体側からみて塗布液B、塗布液Aの順となるような配置となる塗布方法であれば特に限定はない。
例えば、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)であっても、多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)であってもよい。または、例えば、特開2005−14593号公報段落番号0016〜0037に記載されている「Wet−On−Wet法」であってもよい。
中でも、多層同時重層塗布方法が好ましく用いられる。
前記塗布液Aの乾燥塗布量としては、水溶性ジルコニウム化合物をインク受容層表面近傍に高い密度で効率よく含有させる観点からは、8g/m以下が好ましく、1〜7g/mの範囲がより好ましい。
前記塗布液Bの乾燥塗布量としては、インクの吸収速度及び吸収容量を確保する観点からは、12g/m以上が好ましく、15g/m以上がより好ましい。
(塗布液の調製)
次に、インク受容層を形成するための塗布液(例えば、塗布液A、塗布液B)の調製方法の例について説明する。
即ち、顔料である気相法シリカ微粒子と、分散剤と、を水中に添加して(例えば、水中のシリカ微粒子は10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で例えば20分間(好ましくは10〜30分間)かけて分散させた後、架橋剤(例えば、ほう酸)、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(例えば、上記気相法シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)、及び、カチオン性エマルションを加え、更に、前記水溶性多価金属化合物(例えば、水溶性ジルコニウム化合物や水溶性アルミニウム化合物)を加えて、上記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。
なお、水溶性多価金属化合物は、塗布直前にインライン混合により加えてもよい。
また、上記の分散には、液液衝突型分散機(例えば、スギノマシン社製アルティマイザー)を用いることもできる。
得られた塗布液は均一なゾル状態であり、これを下記塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させることにより、三次元網目構造を有する多孔質性のインク受容層を形成することができる。
また、上記気相法シリカと分散剤とからなる水分散物の調製は、気相法シリカ水分散液をあらかじめ調製し、該水分散液を分散剤水溶液に添加してもよいし、分散剤水溶液を気相法シリカ水分散液に添加してよいし、同時に混合してもよい。また、気相法シリカ水分散液ではなく、粉体の気相法シリカを用いて上記のように分散剤水溶液に添加してもよい。
上記の気相法シリカと分散剤とを混合した後、該混合液を分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径50〜300nmの水分散液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的におこなうという点から、撹拌型分散機、コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましい。
また、各工程における溶媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
また、上記分散剤としてはカオチン性のポリマーを用いることができる。カオチン性のポリマーとしては、特開2006−321176号公報0138〜0148に記載されている媒染剤の例などが挙げられる。また、分散剤としてシランカップリング剤を用いることも好ましい。
上記分散剤の微粒子に対する添加量は、0.1%〜30%が好ましく、1%〜10%が更に好ましい。
(冷却工程、乾燥工程、等)
本発明のインクジェット記録材料の製造方法においては、前記塗布液A及び前記塗布液Bの塗布後に、冷却工程及び/又は乾燥工程等の他の工程を設けてもよい。
冷却工程及び乾燥工程の一形態としては、例えば、以下のような形態が挙げられる。
即ち、塗布形成された塗布膜を、前記塗布時の塗布液の温度に対し5℃以上低下するように冷却する工程(以下、「冷却工程」ともいう)と、冷却された塗布層を乾燥してインク受容層を形成する工程(以下、「乾燥工程」ともいう)と、を有する形態である。
前記一形態において、冷却工程で塗布層を冷却する方法としては、塗布層が形成された支持体を、0〜10℃に保たれた冷却ゾーンで、5〜30秒冷却させる方法が好適である。前記冷却ゾーンの温度としては、0〜5℃がより好ましい。
ここで、塗布層の温度は、膜面の温度を測定することにより測定する。
また、支持体上にインク受容層を形成した後、該インク受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透明性および塗膜強度を向上させてもよい。
前記カレンダー処理としては、空隙率の観点より以下の条件が好適である。
即ち、カレンダー処理をおこなう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」及び「%」は、特に断わりのない限り「質量部」及び「質量%」を表す。
〔実施例1〕
<耐水性支持体の作製>
アカシアからなるLBKP50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
ついで前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン性でんぷん(日本NSC製 CATO 304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光化学社製、ポリアクロンST−13)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製 サイズパインK)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製:アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール((株)クラレ製:KL−118)を1g/m塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は166g/mで抄造し、厚さ160μmの原紙(基紙)を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ25μmとなるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した(以下、この熱可塑性樹脂層面を「ウラ面」と称する。)。この裏面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/mとなるように塗布した。
更に、熱可塑性樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、東京インキ(株)製の群青を0.3%の含有量に調整し、更に(株)日本化学工業所製の蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」を0.08%の含有量となるように調整したMFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて、厚み25μmとなるように押出し、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、耐水性支持体を作製した。この耐水性支持体を幅1.5m、巻き長3000mに揃えて長尺ロール体とした。
以上により耐水性支持体を得た。
<インク受容層用塗布液A1の調製>
下記組成の(1)気相法シリカ微粒子と、(2)イオン交換水と、(3)「シャロールDC−902P」と、(4)「ZA−30」と、を混合し、超音波分散機((株)エスエムテー製)を用いて分散させた後、分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後、分散液に下記(5)ホウ酸と、(6)ポリビニルアルコール溶解液と、を30℃で加え、インク受容層用塗布液A1(塗布液A)を調製した。
〜インク受容層用塗布液A1の組成〜
(1)気相法シリカ微粒子(顔料)(AEROSIL300SV、日本アエロジル(株)製) ・・・ 10.0部
(2)イオン交換水 ・・・ 62.8部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%水溶液)(分散剤、第一工業製薬(株)製) ・・・ 0.87部
(4)「ZA−30」(酢酸ジルコニル、第一稀元素化学工業(株)製;水溶性ジルコニウム化合物) ・・・ 0.54部
(5)ホウ酸(架橋剤) ・・・ 0.44部
(6)ポリビニルアルコール(バインダー)溶解液 ・・・ 34.9部
上記ポリビニルアルコール溶解液の組成は以下の通りである。
〜〜ポリビニルアルコール溶解液の組成〜〜
・(株)クラレ製「PVA117」(けん化度99%、重合度1700)
・・・ 2.43部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤)(「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6部、花王(株)製) ・・・ 0.03部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチセノール20P、協和発酵ケミカル(株)) ・・・ 0.74部
・イオン交換水 ・・・ 31.0部
<インク受容層用塗布液B1の調製>
下記組成の(1)気相法シリカ微粒子と、(2)イオン交換水と、(3)「シャロールDC−902P」と、を混合し、超音波分散機((株)エスエムテー製)を用いて分散させた後、分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後、分散液に下記(4)ホウ酸と、(5)ポリビニルアルコール溶解液と、(6)水溶性ポリ塩化アルミニウムと、を30℃で加え、インク受容層用塗布液B1(塗布液B)を調製した。
〜インク受容層用塗布液B1の組成〜
(1)気相法シリカ微粒子(顔料)(AEROSIL300SV、日本アエロジル(株)製) ・・・ 10.0部
(2)イオン交換水 ・・・ 62.8部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%水溶液)(分散剤、第一工業製薬(株)製) ・・・ 0.87部
(4)ホウ酸(架橋剤) ・・・ 0.44部
(5)ポリビニルアルコール(バインダー)溶解液 ・・・ 34.9部
(6)水溶性ポリ塩化アルミニウム(アルファイン83、大明化学工業(株)製;水溶性アルミニウム化合物)
・・・ 1.4部
上記ポリビニルアルコール溶解液の組成は以下の通りである。
〜〜ポリビニルアルコール溶解液の組成〜〜
・(株)クラレ製「PVA117」(けん化度99%、重合度1700)
・・・ 2.43部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤)(「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6部、花王(株)製) ・・・ 0.03部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチセノール20P、協和発酵ケミカル(株)) ・・・ 0.74部
・イオン交換水 ・・・ 31.0部
<インクジェット記録用シートの作製>
前記耐水性支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、該オモテ面に、インク受容層用塗布液A1を上層(耐水性支持体から遠い側の層;第1の層)として乾燥塗布量が7g/mとなるように、インク受容層用塗布液B1を下層(耐水性支持体に近い側の層;第2の層)として乾燥塗布量が20g/mとなるように、スライドビードコーターで同時重層塗布した。
得られた塗布膜を5℃で1分間冷却し、冷却後40℃で乾燥を行い、インク受容層を得た。
以上により、インクジェット記録用シートを得た。
<評価>
得られたインクジェット記録用シートについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(色相変化)
セイコーエプソン社製のプリンタA820を用い、上記で得られたインクジェット記録シートのインク受容層形成面側に、グレーべたのプリントを行った。その際、グレー濃度が約1.7になるように画像データの階調を調整した。
プリント直後(プリント後3分以内)およびプリントから24時間経過後に、それぞれグレー部の色相を測定し、プリント直後の色相と、プリント後24時間経過後の色相と、の差を色差(ΔE)とした。
ここで、色相の測定は、分光光度計(スペクトロリノ、グレタグマクベス社製)を用い、光源F8、視野角2度の条件でL*a*b*を測定することにより行った。
得られた色差(ΔE)から、以下の評価基準に従って色相変化を評価した。
〜評価基準〜
A ・・・ ΔE<2 : 色相変化がほとんど認識できない
B ・・・ 2≦ΔE<4 : 色相変化がわかるがあまり目立たない
C ・・・ 4≦ΔE<7 : 色相変化がかなり目立つ
D ・・・ 7≦ΔE : 色相変化が大きく問題となるレベル
(重ねムラ)
セイコーエプソン社製のプリンタA820を用い、上記で得られたインクジェット記録シートのインク受容層形成面側に、グレーべたのプリントを行った。その際、グレー濃度が約1.7になるように画像データの階調を調整した。
プリント直後(プリント後3分以内)にグレー部分の一部をガラス板でおおい、24時間放置した。24時間後、グレー部分のうちガラスでおおった部分の色相と、グレー部分のうちガラスで覆わなかった部分の色相と、をそれぞれ分光光度計で測定し、これらの色相同士の差を色差(ΔE)とした。色相の測定条件は、上記色相変化の評価と同様の条件とした。
得られた色差(ΔE)から、以下の評価基準に従って重ねムラ(重ね跡)を評価した。
〜評価基準〜
A ・・・ ΔE<5 : ムラがほとんど目立たない
B ・・・ 5≦ΔE<9 : ムラがわかるが、大きな問題にはならない
C ・・・ 9≦ΔE<13 : ムラがかなり目立つ
D ・・・ 13≦ΔE : ムラが大きく問題となるレベル
(高湿環境下におけるにじみ)
キヤノン社製のプリンタMP970を用い、23℃50%RH環境下で、上記で得られたインクジェット記録用シートのインク受容層形成面側に、マゼンタとブラックとを隣り合わせにした格子状のパターン(格子の一辺の長さ0.28mm)を3cmの四角形になるようにプリントした。上記プリント直後、インクジェット記録用シートを23℃90%RHの環境下に移動し、7日間放置した。7日後、23℃50%RH環境下で十分乾燥させた後、目視でにじみの程度を確認し、以下の評価基準に従って高湿環境下におけるにじみを評価した。
〜評価基準〜
A ・・・ にじみが認識できない
B ・・・ にじみがほとんど目立たない
C ・・・ ややにじんでいるが許容
D ・・・ にじみが大きく問題となるレベル
(耐水性)
キヤノン社製のプリンタMP970を用い、23℃50%RH環境下で、上記で得られたインクジェット記録用シートのインク受容層形成面側に、イエロー、マゼンタ、シアン、赤、緑、青、黒のべた画像を、それぞれ2cm四方の大きさでプリントした。プリント後23℃50%RHで24時間乾燥させたのちに、イオン交換水に10分間浸漬させた。その後、染料のにじみの程度を目視で確認し、以下の評価基準に従って耐水性を評価した。
〜評価基準〜
A ・・・ にじみが認識できない
B ・・・ にじみがほとんど目立たない
C ・・・ ややにじんでいるが許容
D ・・・ にじみが大きく問題となるレベル
(ブロンジング)
セイコーエプソン社のプリンタA820を用い、23℃70%RH環境下で、上記で得られたインクジェット記録用シートのインク受容層形成面側に、青およびシアンのべた画像をプリントした。目視にてブロンズ光沢の程度を確認し、下記の評価基準に従ってブロンジングを評価した。
〜評価基準〜
A ・・・ ブロンズ光沢が発生していない
B ・・・ ブロンズ光沢がわずかに発生しているが、目立たない
C ・・・ ブロンズ光沢がはっきりと確認できる
(膜割れ)
インクジェット記録用シートの作製の際、塗布乾燥時にインク受容層表面に発生する膜割れの発生程度を目視で確認し、以下の評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
A ・・・ 膜割れが発生していない
B ・・・ 膜割れがごくわずかに発生しているが殆ど認識できない
C ・・・ 膜割れの発生が確認できるが実用上許容範囲である
D ・・・ 膜割れの頻度が多く実用上許容範囲を超えている
E ・・・ 膜割れの頻度が非常に多く問題となるレベル
〔実施例2〕
実施例1において、インク受容層用塗布液A1(上層)中のPVA117、及びインク受容層用塗布液B1(下層)中のPVA117を、いずれも(株)クラレ製「PVA145」(けん化度99%、重合度4500)に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1において、インク受容層用塗布液B1(下層)中のPVA117を、「(株)クラレ製「PVA145」(けん化度99%、重合度4500)」に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔実施例4〕
実施例1において、インク受容層用塗布液A1(上層)中のPVA117及びインク受容層用塗布液B1(下層)中のPVA117を、いずれも、(株)日本酢ビポバール製「JM33」(けん化度95%、重合度3300)及び(株)クラレ製「PVA235」(けん化度88%、重合度3500)(詳しくは、JM33及びPVA235を質量比〔JM33:PVA235〕=85:15で併用する形態)に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、インク受容層用塗布液A1(上層)中のPVA117を、(株)クラレ製「PVA235」(けん化度88%、重合度3500)に変更し、インクジェット記録用シートを作製する際、インク受容層用塗布液A1のみを乾燥塗布量が27g/mとなるように塗布したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、インク受容層用塗布液B1(下層)中のPVA117を、(株)クラレ製「PVA235」(けん化度88%、重合度3500)に変更し、インクジェット記録用シートを作製する際、インク受容層用塗布液B1のみを乾燥塗布量が27g/mとなるように塗布したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
比較例2において、インク受容層用塗布液B1を、下記のようにして調製したインク受容層用塗布液A2に変更した以外は比較例2と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<インク受容層用塗布液A2の調製>
下記組成の(1)気相法シリカ微粒子と、(2)イオン交換水と、(3)「シャロールDC−902P」と、(4)「ZA−30」と、を混合し、超音波分散機((株)エスエムテー製)を用いて分散させた後、分散液を45℃に加熱し20時間保持した。その後、分散液に下記(5)ホウ酸と、(6)ポリビニルアルコール溶解液と、(6)水溶性ポリ塩化アルミニウムと、を30℃で加え、インク受容層用塗布液B1を調製した。
〜インク受容層用塗布液A2の組成〜
(1)気相法シリカ微粒子(顔料)(AEROSIL300SV、日本アエロジル(株)製) ・・・ 10.0部
(2)イオン交換水 ・・・ 62.8部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%水溶液)(分散剤、第一工業製薬(株)製) ・・・ 0.87部
(4)「ZA−30」(酢酸ジルコニル、第一稀元素化学工業(株)製;水溶性ジルコニウム化合物) ・・・ 0.54部
(5)ホウ酸(架橋剤) ・・・ 0.44部
(6)ポリビニルアルコール(バインダー)溶解液 ・・・ 34.9部
(7)水溶性ポリ塩化アルミニウム(アルファイン83、大明化学工業(株);水溶性アルミニウム化合物)
・・・ 1.4部
上記ポリビニルアルコール溶解液の組成は以下の通りである。
〜〜ポリビニルアルコール溶解液の組成〜〜
・(株)クラレ製「PVA235」(けん化度88%、重合度3500)
・・・ 2.43部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤)(「エマルゲン109P」(10%水溶液)、HLB値13.6部、花王(株)製) ・・・ 0.03部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチセノール20P、協和発酵ケミカル(株)) ・・・ 0.74部
・イオン交換水 ・・・ 31.0部
〔比較例4〕
比較例3において、インク受容層用塗布液A2中のPVA235を、(株)クラレ製「PVA117」(けん化度99%、重合度1700)に変更した以外は比較例3と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔比較例5〕
実施例1において、インク受容層用塗布液A1(上層)中のPVA117、及びインク受容層用塗布液B1(下層)中のPVA117を、いずれも(株)クラレ製「PVA235」(けん化度88%、重合度3500)に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔比較例6〕
実施例1において、インク受容層用塗布液A1(上層)中のPVA117及びインク受容層用塗布液B1(下層)中のPVA117を、いずれも、(株)日本酢ビポバール製「JM33」(けん化度95%、重合度3300)及び(株)クラレ製「PVA235」(けん化度88%、重合度3500)(詳しくは、JM33及びPVA235を質量比〔JM33:PVA235〕=75:25で併用する形態)に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
得られたインクジェット記録用シートについて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(※1) 表1中「多価金属化合物」欄において、「Zr」は水溶性ジルコニウム化合物を表し、「Al」は水溶性アルミニウム化合物を表す。
表1に示すように、実施例1〜4では、高湿環境下での滲みやブロンジングの発生が抑制され、かつ、色相の変化や重ね跡の発生が抑制され、耐水性に優れていた。
また、実施例1では許容できる程度のわずかな膜割れが発生していたが、実施例2〜4では膜割れが改善された。特に、実施例3については膜割れが顕著に改善された。

Claims (6)

  1. 耐水性支持体上に少なくとも2層のインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、
    前記インク受容層のうち第1の層が、顔料、水溶性ジルコニウム化合物、及びバインダーを含み、
    前記インク受容層のうち前記第1の層より前記耐水性支持体に近い側の第2の層が、顔料及びバインダーを含み、かつ、前記第1の層よりも水溶性アルミニウム化合物を多く含み、
    前記インク受容層全層を形成するために用いられるバインダーの総量のうち80質量%以上が、けん化度95%以上のポリビニルアルコールであることを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 前記第1の層中のバインダーが重合度2000以下のポリビニルアルコールであり、前記第2の層中のバインダーが重合度2000以上のポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料。
  3. 前記第1の層中のバインダーが重合度1900以下のポリビニルアルコールであり、前記第2の層中のバインダーが重合度3000以上のポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録材料。
  4. 耐水性支持体上に、少なくとも、
    バインダー、顔料、及び水溶性ジルコニウム化合物を含む塗布液Aと、
    顔料及びバインダーを含み、かつ、前記塗布液Aよりも水溶性アルミニウム化合物を多く含む塗布液Bと、
    を該耐水性支持体側からみて塗布液B、塗布液Aの順となるように塗布してインク受容層を形成する工程を含み、
    前記インク受容層を形成するために用いられるバインダーの総量のうち80質量%以上が、けん化度95%以上のポリビニルアルコールであることを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
  5. 前記塗布液A中のバインダーが重合度2000以下のポリビニルアルコールであり、前記塗布液B中のバインダーが重合度2000以上のポリビニルアルコールである請求項4に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  6. 前記塗布液A中のバインダーが重合度1900以下のポリビニルアルコールであり、前記塗布液B中のバインダーが重合度3000以上のポリビニルアルコールである請求項4又は請求項5に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
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