JP2009233970A - インクジェット記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット記録媒体において、支持体上の両面に、無機微粒子と、水溶性樹脂と、水溶性アルミニウム化合物とを含有するインク受容層を設ける。
【選択図】なし
Description
また、支持体の両面にインク受容層を設けたインクジェット記録媒体が開示されている(例えば、特許文献3〜5参照)。それらによれば、カールの発生や搬送性、あるいはインクの裏抜けによる視認性の低下を防ぐことができるとされている。
本発明は、画像記録された面同士を接触させた場合にも、画像の色調変化(色変り)の発生を抑制することができるインクジェット記録材料およびその製造方法を提供することを課題とする。
<1> 支持体の両面に、無機微粒子と、水溶性樹脂と、水溶性アルミニウム化合物とを含有するインク受容層をそれぞれ有するインクジェット記録媒体。
<2> 前記インク受容層に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークは、前記インク受容層の支持体から遠い側の表面から層厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在することを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録媒体。
<3> 前記無機微粒子は、気相法シリカであることを特徴とする前記<1>または<2>に記載のインクジェット記録媒体。
<4> 無機微粒子と水溶性樹脂とを含み、少なくとも1種は更に水溶性アルミニウム化合物を含む2種以上のインク受容層形成用塗布液を用いて、塗布形成された塗布膜の全膜中に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが、支持体から最も離れた塗布膜の支持体から遠い側の膜面から膜厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在するように、前記2種以上のインク受容層形成用塗布液を、支持体の両面にそれぞれ重層塗布する工程を有するインクジェット記録媒体の製造方法。
例えば3層のインク受容層が、例えば、濃度aの水溶性アルミニウム化合物を含む最表層(支持体から最も離れたインク受容層)と、濃度bの水溶性アルミニウム化合物を含む中間層と、濃度cの水溶性アルミニウム化合物を含む下層とで構成され、b>a>cである場合、「水溶性アルミニウム化合物の分布のピークがインク受容層の支持体から遠い側の表面(ここでは最表層の露出面)から層厚方向に向かって20%〜60%の深さ」とは、インク受容層全体の厚み方向における、最表層の露出面から最も濃度の高い中間層の厚みが1/2となる位置までの距離が、インク受容層全体の厚みの20%〜60%であることをいう。
また、例えば2層のインク受容層が、例えば、水溶性アルミニウム化合物非含有の上層(最表層)と、濃度dの水溶性アルミニウム化合物を含む下層とで構成される場合、「水溶性アルミニウム化合物の分布のピークがインク受容層の支持体から遠い側の表面(ここでは上層の露出面)から層厚方向に向かって20%〜60%の深さ」とは、インク受容層全体の厚み方向における、上層の露出面から水溶性アルミニウム化合物含有の下層の厚みが1/2となる位置までの距離が、インク受容層全体の厚みの25%〜70%であることをいう。
上記のようにインク受容層を切断して得られた断面試料に約3nmの白金をスパッタコーティングし、SEM観察(加速電圧20kV)後、インク受容層の最表面から層厚方向に支持体に達するまでのインク受容層の全厚みの範囲を、電子ビーム電流量を一定値に調整して走査し、X線取り込みを100秒間行なって得られたスペクトルから水溶性アルミニウム化合物の分布、更には該分布のピークを求めることができる。
また、本発明のインクジェット記録媒体が片面に2層以上のインク受容層を有する場合、各層の厚みとしては、5〜25μmが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
本発明においては、インク受容層の層厚が25〜50μmであって、インク受容層の全体に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが支持体から遠い側の表面から層厚方向に向かって20%〜60%(好ましくは40%〜55%)の深さに存在している場合が特に好ましい。
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子の少なくとも1種を含有する。
無機微粒子としては、例えば、シリカ粒子、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ粒子、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム等が挙げられる。これらの中でも、良好な多孔質構造を形成する観点より、シリカ微粒子、アルミナ粒子又は擬ベーマイトが好ましく、シリカ微粒子がより好ましく、気相法シリカが特に好ましい。
微粒子は1次粒子のまま用いても、又は2次粒子を形成した状態で使用してもよい。これら微粒子の平均一次粒径は、2μm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
このうち、気相法シリカは、乾式法シリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には、四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独又は四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており、入手することができる。
BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の1つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、又は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer Emmett Tellerの式であり、BET式と呼ばれ、表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造される。製造過程で粒子成長したシリカ粒子は、凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
湿式法シリカとしては、沈降法シリカが好ましい。沈降法シリカは、その二次粒子が緩やかな凝集粒子であるので、粉砕するのに好適である。
本発明におけるインク受容層は、水溶性樹脂の少なくとも1種を含有する。水溶性樹脂を含有することで、皮膜特性を維持し、高い透明性とインクのより高い浸透性を得ることができる。
また、支持体から離れたインク受容層側から支持体に近いインク受容層にスムーズにインクを通過させる観点からは、前記質量比(b/p)の関係は、支持体に近いインク受容層に比べて支持体から離れたインク受容層の方が小さいことが好ましい。
本発明におけるインク受容層の少なくとも1層は、水溶性アルミニウム化合物の少なくとも1種を含有する。水溶性アルミニウム化合物は、複数層のうちの1層のみに含有されてもよいし、濃度差を設ける等して2層以上に含まれてもよい。水溶性アルミニウム化合物を含有することにより、画像の滲み及び記録後の色調変化を抑制することができる。
ここで、「水溶性」とは、20℃の水に1質量%以上溶解することをいう。
[Al(OH)3]nAlCl3 ・・・式2
Aln(OH)mCl(3n−m) (0<m<3n) ・・・式3
水溶性の多価金属化合物の具体例としては、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニル、炭酸ジルコニル・アンモニウム、炭酸ジルコニル・カリウム、硫酸ジルコニル、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩化チタン、硫酸チタン、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。これらの中でも特に、アルミニウムあるいは周期表IVa族元素(ジルコニウム、チタン)の水溶性塩が好ましい。
ここで、「水溶性」とは、常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを意味する。
本発明におけるインク受容層は、上記成分に加えて、必要に応じてカチオン性ポリマーや油滴、硬膜剤、その他各種添加剤を用いて構成することができる。
本発明におけるインク受容層には、無機微粒子を分散あるいは粉砕する過程でカチオン性ポリマーを用いることが好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号、WO99/64248号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。
カチオン性ポリマーの平均分子量は、重量平均分子量で10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、特に好ましくは2千〜3万程度である。
また、カチオン性ポリマーの含有量は、無機微粒子に対して、1〜10質重%の範囲が好ましい。
本発明におけるインク受容層には、各種油滴を含有することができる。各種油滴を用いることで、膜としての脆弱性を改良することができる。油滴としては、室温下での水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や、重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)が挙げられる。
油滴のインク受容層の1層中における含有量は、水溶性樹脂に対して、10〜50質量%の範囲が好ましい。
本発明におけるインク受容層には、前記水溶性樹脂を架橋硬化させる硬膜剤を含有することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオン等のケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書に記載の反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書に記載の、反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書に記載のN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書に記載のイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号明細書に記載のアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書に記載のカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書に記載のエポキシ化合物、ムコクロル酸等のハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ホウ酸及びホウ酸塩等の無機硬膜剤等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、特にホウ酸又はホウ酸塩が好ましい。
硬膜剤のインク受容層の1層中における含有量は、インク受容層を構成する水溶性樹脂に対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明におけるインク受容層には、更に、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調整剤などの公知の各種添加剤を添加することができる。
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体を用いて構成されている。支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、原紙の両側にポリオレフィン樹脂を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙などの耐水性支持体、等が好適である。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
更に、下引き層は、他に界面活性剤や硬膜剤を含有することが好ましい。下引き層を設けることによって、インク受容層の塗布形成時のひび割れを防止する点で有効であり、均一な塗布面が得られる。
次に、インクジェット記録媒体の製造方法について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体の両面に、既述のように水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが所定の深さに存在するようにインク受容層をそれぞれ形成することができる方法であれば、いずれの方法で作製されてもよい。
支持体の両面にインク受容層を形成する方法としては、例えば、支持体の一方の面上に、以下に詳述する方法を用いてインク受容層を形成する工程と、支持体の他方の面上に同様にしてインク受容層を形成する工程とを含む作製方法、片面に以下に詳述する方法を用いてインク受容層を形成された2つの支持体を用い、インク受容層が形成されていない面同士を張り合わせる工程を含む作製方法を挙げることできる。本発明においては、支持体の一方の面上に、以下に詳述する方法を用いてインク受容層を形成する工程と、支持体の他方の面上に同様にしてインク受容層を形成する工程とを含む作製方法であることが好ましい。
1層ごとの逐次塗布は、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等の塗布方法が好ましい。また、同時重層塗布は、例えば、スライドビードコーター、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター等を挙げることができる。
本発明においては、多層同時重層塗布によるのが好ましい。
ここで、膜面温度は、乾燥時の塗布膜表面の温度であり、放射温度計により測定できる。
<支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1質量%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2なるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙の両面に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。
・石灰処理ゼラチン ・・・100部
・スルホコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 ・・・2部
・クロム明ばん ・・・10部
上記より得られた支持体の下引き層上に、支持体に隣接する下層(第1インク受容層)形成用の塗布液として、下記組成の第1インク受容層用塗布液(1)を、第1インク受容層の上の中間層(第2インク受容層)形成用の塗布液として、下記組成の第2インク受容層用塗布液(1)を、更に第2インク受容層上の最表層(第3インク受容層)形成用の塗布液として、下記組成の第3インク受容層用塗布液(1)を、それぞれ下引き層側から順に、下記表1に記載の塗布量にてスライドビードコーターにより同時重層塗布した。
塗布後、10℃で20秒間冷却した後(膜面温度15℃)、30〜55℃の加熱空気を吹き付けてセット乾燥を行なって多孔質のインク受容層とした。
分散媒としての水と変性エタノールとの混合溶液中に、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーを添加し、次いで気相法シリカを添加した後、予備分散して粗分散液を得た。次に、この粗分散液を高圧ホモジナイザーで2回処理して、シリカ濃度が20質量%の気相法シリカ分散液1を調製した。気相法シリカの平均粒子径は、100nmであった。
<組成>
・水 ・・・430部
・変性エタノール ・・・22部
・ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー ・・・3部
(シャロールDC902P(平均分子量9000)、第一工業製薬(株)製;カチオン性ポリマー)
・気相法シリカ ・・・100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
下記組成の成分を混合して、第1インク受容層用塗布液(1)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・界面活性剤 ・・・0.1部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(1)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・3部
(アルファイン83、大明化学工業(株)製)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
下記組成の成分を混合して、第3インク受容層用塗布液(1)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・界面活性剤 ・・・0.3部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
実施例1において、第3インク受容層用塗布液(1)を下記の第3インク受容層用塗布液(2)に代え、第2インク受容層用塗布液(1)を下記の第2インク受容層用塗布液(2)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
下記組成の成分を混合して、第3インク受容層用塗布液(2)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・0.6部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.3部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(2)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・2.4部
(アルファイン83、大明化学工業(株)製)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
実施例1において、第3インク受容層用塗布液(1)を下記の第3インク受容層用塗布液(3)に代え、第2インク受容層用塗布液(1)を下記の第2インク受容層用塗布液(3)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
下記組成の成分を混合して、第3インク受容層用塗布液(3)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・1.2部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.1部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(3)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・1.8部
(アルファイン83、大明化学工業(株)製)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
実施例1において、第3インク受容層用塗布液(1)を下記の第3インク受容層用塗布液(4)に代え、第2インク受容層用塗布液(1)を下記の第2インク受容層用塗布液(4)に代え、第3インク受容層用塗布液(4)の塗布量を12g/m2に変更し、第2インク受容層用塗布液(4)の塗布量を6g/m2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
下記組成の成分を混合して、第3インク受容層用塗布液(4)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・3.0部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.1部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(4)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
実施例1において、第1インク受容層用塗布液(1)と第3インク受容層用塗布液(1)を塗布せず、第2インク受容層用塗布液(1)を塗布量20g/m2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
実施例1において、第3インク受容層用塗布液(1)を上記の第3インク受容層用塗布液(4)に代え、第2インク受容層用塗布液(1)を上記の第2インク受容層用塗布液(4)に代え、第3インク受容層用塗布液(4)の塗布量を4g/m2に変更し、第2インク受容層用塗布液(4)の塗布量を8g/m2に変更し、第1インク受容層用塗布液(1)の塗布量を8g/m2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
実施例1において、第2インク受容層用塗布液(1)を下記の第2インク受容層用塗布液(5)に代え、第1インク受容層用塗布液(1)を上記の第2インク受容層用塗布液(5)に代え、第3インク受容層用塗布液(1)の塗布量を8g/m2に変更し、第2インク受容層用塗布液(5)の塗布量を6g/m2に変更し、第1インク受容層用塗布液(5)の塗布量を6g/m2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(5)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・1.5部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
下記組成の成分を混合して、第1インク受容層用塗布液(5)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・1.5部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
実施例1において、第1インク受容層用塗布液(1)と第2インク受容層用塗布液(1)を塗布せず、第3インク受容層用塗布液(1)を塗布量20g/m2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
上記の実施例及び比較例で作製したインクジェット記録用シートについて、以下の評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
第1インク受容層、第2インク受容層、及び第3インク受容層の全体に含まれるアルミニウム(Al)量の分布とAl量の分布のピークをSEM-EDX装置を用いて下記のように測定した。
各インクジェット記録用シートをウルトラカットUCT(ライカ社製)でダイヤモンドナイフを用いて切断し、インク受容層の断面試料を作製した。これを適当な大きさに裁断して試料台に固定し、約3nmの厚みの白金をスパッタコーティングしてサンプルとした。SEM−EDX装置には、日本電子(株)製のJSM−6700とエダックス社製のGenesisを用いた。まず、サンプルを装置内に導入し、加速電圧20kV、倍率1500倍でサンプル断面をSEM観察し、SEM画像上で最表面からインク受容層の厚み方向に第1インク受容層の支持体との接触面までの深さ(Lμm)と、支持体に平行な方向に70μmの長さとからなる長方形の領域(Lμm×70μm)に電子ビームを照射し、そこから発生するX線を取り込み測定した。測定は、電子ビーム電流量を一定値に調整し、100秒間取り込みを行なって、得られたスペクトルから装置付属の解析ソフトを用いてアルミニウム(Al)量の分布及びそのピークを求めた。
なお、インク受容層が1層からなる実施例5では、該インク受容層の厚み方向の中間位置をインク受容層全体の最表面からの深さとした。
インクジェットプリンターA820(セイコーエプソン社製)を用い、各インクジェット記録シートのインク受容層(第3インク受容層)上に、グレーのベタ画像を記録した。このとき、グレタグ スペクトロリノ SPM−50(グレタグマクベス社製;視野角2°、光源D50、フィルターなし)で測定されたグレー濃度が1.7になるように、画像データの階調を調整した。
ベタ画像が記録された面同士が接するように重ね合わせた条件下で1日放置した。
プリント直後(プリント後3分以内)と、プリント後重ね合わせて1日経過後とに、それぞれグレーのベタ画像について、分光光度計スペクトロリノ(グレタグマクベス社製)を用いて視野角2°、光源F8、フィルターなしの条件でL*a*b*を計測し、それぞれの計測値から色差(ΔE)を求め、色調変化を評価する指標とした。評価は、色差の値から、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
◎:ΔE<2 ;色調変化はほとんど認識できなかった。
○:2≦ΔE<4;色調変化がわかるがあまり目立たない程度であった。
×:ΔE≧7 ;色調変化が顕著であった。
各インクジェット記録シートを35℃、80%RHの環境下に16時間置いて調温調湿した後、同じ環境下でインクジェットプリンターPMG−800(セイコーエプソン(株)製)を用いて、ブルー色のベタ画像を記録した。その後、記録画像を目視にて観察し、下記の評価基準にしたがってブロンジングを評価した。
<評価基準>
○:赤味を帯びたブロンズ状の金属光沢はみられなかった。
△:赤味を帯びたブロンズ状の金属光沢が一部生じた。
×:赤味を帯びたブロンズ状の金属光沢が全面に生じた。
インクジェットプリンターPMG−800(セイコーエプソン(株)製)を用いて、各インクジェット記録用シートにマゼンタインクとブラックインクとが互いに隣接する格子状の線状パターン(線幅0.28mm)を記録した。この記録サンプルを、温度23℃、湿度90%RHの環境下に14日間保管した後、黒線の滲みを下記の評価基準にしたがって目視で評価した。
<評価基準>
○:滲みは観測されなかった。
△:多少滲みが観測されたが、実用上許容できる範囲であった。
×:滲みが多く、実用上許容できない範囲であった。
また、ブロンジングの発生を伴うことなく、画像中の滲みの発生を効果的に抑制することができた。これに対し、比較例では、画像の色調変化の発生を防止することはできなかった。
Claims (4)
- 支持体の両面に、無機微粒子と、水溶性樹脂と、水溶性アルミニウム化合物とを含有するインク受容層をそれぞれ有するインクジェット記録媒体。
- 前記インク受容層に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークは、前記インク受容層の支持体から遠い側の表面から層厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記無機微粒子は、気相法シリカであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録媒体。
- 無機微粒子と水溶性樹脂とを含み、少なくとも1種は更に水溶性アルミニウム化合物を含む2種以上のインク受容層形成用塗布液を用いて、
塗布形成された塗布膜の全膜中に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが、支持体から最も離れた塗布膜の支持体から遠い側の膜面から膜厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在するように、前記2種以上のインク受容層形成用塗布液を、支持体の両面にそれぞれ重層塗布する工程を有するインクジェット記録媒体の製造方法。
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- 2009-03-24 US US12/410,070 patent/US20090244248A1/en not_active Abandoned
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