JP2009233970A - インクジェット記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像記録された面同士を接触させた場合にも、画像の色調変化の発生を抑制することができるインクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】インクジェット記録媒体において、支持体上の両面に、無機微粒子と、水溶性樹脂と、水溶性アルミニウム化合物とを含有するインク受容層を設ける。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録媒体およびその製造方法に関する
近年の情報技術産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発されると共に、各々の情報処理システムに適した記録方法及び記録装置も実用化されている。これらの中でも、インクジェット記録方法は、多種の被記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価でコンパクトであること、静粛性に優れること等の利点から広く利用されるようになっている。そして、インクジェット記録方法を利用した記録では、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきている。
インクジェット記録用の記録材料は、一般に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)ドット径が適正で均一であること(滲みのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)画像部の耐水性や耐光性、耐オゾン性が良好なこと、(8)白色度が高いこと、(9)保存安定性が高いこと(長期保存で黄変着色や画像の滲みのないこと)、(10)変形しにくく寸法安定性が良好であること(低カールであること)、(11)ハード走行性が良好なこと等の特性を持つことが求められている。
上記に鑑み、近年ではインクを受容する層が多孔質構造を有する記録材料が実用化されている。これによれば、速乾性に優れ、高い光沢が得られるとされている。ところが、記録画像に対する品質は常に高いものが求められる傾向にあり、速乾性や光沢以外にも、記録後の画像に例えば色調変化などの色変わりが生じず、画像の滲み、ブロンジングなどの発生による画像品質の低下がないことが重要である。
上記に関連して、滲みや発色性の改良、ブロンジングの抑制等を目的としたインクジェット記録媒体として、インク受容層中に含まれる水溶性多価金属塩の分布が不均一であることを特徴とするインクジェット記録媒体が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)
また、支持体の両面にインク受容層を設けたインクジェット記録媒体が開示されている(例えば、特許文献3〜5参照)。それらによれば、カールの発生や搬送性、あるいはインクの裏抜けによる視認性の低下を防ぐことができるとされている。
特開2006−110771号公報 特開2002−160442号公報 特開2005−349797号公報 特開2006−159755号公報 特開平8−11422号公報
しかしながら、特許文献3〜5に記載の支持体の両面にインク受容層が設けられたインクジェット記録媒体においては、画像記録された面同士が接触することに起因する画像の色変りが発生するという問題点があった。
本発明は、画像記録された面同士を接触させた場合にも、画像の色調変化(色変り)の発生を抑制することができるインクジェット記録材料およびその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 支持体の両面に、無機微粒子と、水溶性樹脂と、水溶性アルミニウム化合物とを含有するインク受容層をそれぞれ有するインクジェット記録媒体。
<2> 前記インク受容層に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークは、前記インク受容層の支持体から遠い側の表面から層厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在することを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録媒体。
<3> 前記無機微粒子は、気相法シリカであることを特徴とする前記<1>または<2>に記載のインクジェット記録媒体。
<4> 無機微粒子と水溶性樹脂とを含み、少なくとも1種は更に水溶性アルミニウム化合物を含む2種以上のインク受容層形成用塗布液を用いて、塗布形成された塗布膜の全膜中に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが、支持体から最も離れた塗布膜の支持体から遠い側の膜面から膜厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在するように、前記2種以上のインク受容層形成用塗布液を、支持体の両面にそれぞれ重層塗布する工程を有するインクジェット記録媒体の製造方法。
本発明によれば、画像記録された面同士を接触させた場合にも、画像の色調変化(色変り)の発生を抑制することができるインクジェット記録材料およびその製造方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体の両面にそれぞれインク受容層を有し、前記インク受容層が、無機微粒子の少なくとも1種と、水溶性樹脂の少なくとも1種と、水溶性アルミニウム化合物の少なくとも1種とを含むことを特徴とする。かかる構成であることにより、画像記録された面同士を接触させた場合にも、画像の色変りの発生を抑制することができる。特に本発明のインクジェット記録媒体においては、両面に画像記録可能なため、画像記録後のインクジェット記録媒体が積層された場合における色調変化の発生を効果的に抑制することができる。
また本発明のインクジェット記録媒体においては、前記インク受容層に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークは、前記インク受容層の支持体から遠い側の表面から層厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在することが好ましく、40%〜55%の深さに存在することがより好ましい。水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが20%の深さよりも深い支持体側にあることで、ブロンジングの発生を効果的に抑制することができ、60%の深さよりも浅い表面側にあることで画像記録された面同士の接触による色調変化をより効果的に抑制することができ、経時滲みの発生を効果的に抑制することができる。
水溶性アルミニウム化合物の分布のピークを前記深さの範囲に存在させる場合、インク受容層を2層以上のインク受容層から構成し、各インク受容層中の水溶性アルミニウム化合物の濃度、水溶性アルミニウム化合物を含むインク受容層と含まないインク受容層との間の層数の比又は厚みの比、インク受容層全体における水溶性アルミニウム化合物を含むインク受容層の配置位置、などを適宜考慮することにより、水溶性アルミニウム化合物の分布の深さ方向(層厚方向)におけるピーク位置を調整することができる。
水溶性アルミニウム化合物の分布のピークのインク受容層の表面からの深さは、インク受容層が複数のインク受容層から構成される場合、最も水溶性アルミニウム化合物の含有量の多い層の厚み方向の中間位置を基準に定めることができる。具体的には、例えば支持体上に2層又は3層のインク受容層のみが積層されたインクジェット記録媒体である場合、水溶性アルミニウム化合物の分布のピークのインク受容層の表面からの深さは、次にように決定することができる。
例えば3層のインク受容層が、例えば、濃度aの水溶性アルミニウム化合物を含む最表層(支持体から最も離れたインク受容層)と、濃度bの水溶性アルミニウム化合物を含む中間層と、濃度cの水溶性アルミニウム化合物を含む下層とで構成され、b>a>cである場合、「水溶性アルミニウム化合物の分布のピークがインク受容層の支持体から遠い側の表面(ここでは最表層の露出面)から層厚方向に向かって20%〜60%の深さ」とは、インク受容層全体の厚み方向における、最表層の露出面から最も濃度の高い中間層の厚みが1/2となる位置までの距離が、インク受容層全体の厚みの20%〜60%であることをいう。
また、例えば2層のインク受容層が、例えば、水溶性アルミニウム化合物非含有の上層(最表層)と、濃度dの水溶性アルミニウム化合物を含む下層とで構成される場合、「水溶性アルミニウム化合物の分布のピークがインク受容層の支持体から遠い側の表面(ここでは上層の露出面)から層厚方向に向かって20%〜60%の深さ」とは、インク受容層全体の厚み方向における、上層の露出面から水溶性アルミニウム化合物含有の下層の厚みが1/2となる位置までの距離が、インク受容層全体の厚みの25%〜70%であることをいう。
また、インク受容層中に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布は、支持体上のインク受容層の全体を支持体に垂直な面で切断した断面に対して、走査電子顕微鏡(SEM)に付設されたエネルギー分散型蛍光X線分析装置(SEM−EDX)を用いて、常法により測定することができる。SEM−EDXとしては、一般に用いられている装置から適宜選択することができ、具体的には、日本電子(株)製のJSM−6700とエダックス・ジャパン(株)製のGenesisとを用いて以下のように測定される。
上記のようにインク受容層を切断して得られた断面試料に約3nmの白金をスパッタコーティングし、SEM観察(加速電圧20kV)後、インク受容層の最表面から層厚方向に支持体に達するまでのインク受容層の全厚みの範囲を、電子ビーム電流量を一定値に調整して走査し、X線取り込みを100秒間行なって得られたスペクトルから水溶性アルミニウム化合物の分布、更には該分布のピークを求めることができる。
本発明のインクジェット記録媒体を構成するインク受容層の厚みは、ブロンジングの低減と記録後の画像の滲み及び色調変化(色変わり)の抑制を図る観点から、15〜60μmが好ましく、25〜50μmがより好ましい。
また、本発明のインクジェット記録媒体が片面に2層以上のインク受容層を有する場合、各層の厚みとしては、5〜25μmが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
本発明においては、インク受容層の層厚が25〜50μmであって、インク受容層の全体に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが支持体から遠い側の表面から層厚方向に向かって20%〜60%(好ましくは40%〜55%)の深さに存在している場合が特に好ましい。
以下、本発明におけるインク受容層を構成する無機微粒子、水溶性樹脂、水溶性アルミニウム化合物などの各成分について詳述する。
−無機微粒子−
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子の少なくとも1種を含有する。
無機微粒子としては、例えば、シリカ粒子、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ粒子、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム等が挙げられる。これらの中でも、良好な多孔質構造を形成する観点より、シリカ微粒子、アルミナ粒子又は擬ベーマイトが好ましく、シリカ微粒子がより好ましく、気相法シリカが特に好ましい。
微粒子は1次粒子のまま用いても、又は2次粒子を形成した状態で使用してもよい。これら微粒子の平均一次粒径は、2μm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
シリカ粒子は、製造法によって、気相法シリカと湿式法シリカとに大別することができる。
このうち、気相法シリカは、乾式法シリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には、四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独又は四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており、入手することができる。
気相法シリカは、平均一次粒子径が5〜50nmのものが好ましい。より高い光沢を得るためには、5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m/gの気相法シリカが好ましい。
BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の1つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、又は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer Emmett Tellerの式であり、BET式と呼ばれ、表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
気相法シリカは、数nm〜数十nmの一次粒子が網目構造あるいは鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在することができる。この凝集粒子(二次粒子)の平均粒径が500nm以下になるまで分散されるのが好ましく、より好ましくは300nm以下になるまで分散される。下限の粒子径は50nm程度である。ここで、凝集粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡による写真観察により求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製のLA910)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
湿式法シリカは、製造方法によって更に沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。
沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造される。製造過程で粒子成長したシリカ粒子は、凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造される。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
湿式法シリカとしては、沈降法シリカ又はゲル法シリカが好ましい。これらの湿式法シリカの平均粒径(平均二次粒子径)は、通常1μm以上であるが、これらの湿式法シリカを平均粒径が500nm以下になるまで粉砕して用いることが好ましい。より好ましくは、平均粒径が300nm以下になるまで粉砕して用いる。下限の粒子径は、50nm程度である。粉砕された湿式法シリカの粒子径は、既述の透過型電子顕微鏡あるいはレーザー散乱式の粒度分布計で求めることができる。
湿式法シリカの粉砕は、分散媒にシリカ微粒子を添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液中のシリカを粉砕する二次分散工程を設けることにより行なえる。一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。湿式法シリカの粉砕方法としては、分散媒中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、特にビーズミル等のメディアミルが好ましく用いられる。
湿式法シリカは、平均粒子径(平均二次粒子径)が5μm以上のものが好ましい。比較的大きな粒子径のシリカを粉砕することによって、より高濃度での分散が可能となる。湿式法シリカの平均粒子径の上限は、特に制限されないが、通常は湿式法シリカの平均粒子径は200μm以下である。
湿式法シリカとしては、沈降法シリカが好ましい。沈降法シリカは、その二次粒子が緩やかな凝集粒子であるので、粉砕するのに好適である。
無機微粒子のインク受容層の1層中における含有量としては、2〜30g/mが好ましく、3〜15g/mがより好ましい。無機微粒子の含有量が前記範囲内であると、多孔質を得やすく、インク吸収性、光沢を確保することができる。
−水溶性樹脂−
本発明におけるインク受容層は、水溶性樹脂の少なくとも1種を含有する。水溶性樹脂を含有することで、皮膜特性を維持し、高い透明性とインクのより高い浸透性を得ることができる。
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロースやそれらの誘導体が挙げられる。中でも、水溶性樹脂は、完全もしくは部分ケン化のポリビニルアルコールが特に好ましい。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分もしくは完全ケン化のポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの平均重合度は、500〜5000の範囲が好ましい。
インク受容層中における無機微粒子(p)と水溶性樹脂(b)との比率(p:b;質量比)としては、1.5:1〜12:1が好ましく、より好ましくは2:1〜10:1であり、特に好ましくは3:1〜8:1である。
また、支持体から離れたインク受容層側から支持体に近いインク受容層にスムーズにインクを通過させる観点からは、前記質量比(b/p)の関係は、支持体に近いインク受容層に比べて支持体から離れたインク受容層の方が小さいことが好ましい。
水溶性樹脂のインク受容層の1層中における含有量としては、無機微粒子に対して、10〜30質量%が好ましく、特に12〜25質量%が好ましい。
−水溶性アルミニウム化合物−
本発明におけるインク受容層の少なくとも1層は、水溶性アルミニウム化合物の少なくとも1種を含有する。水溶性アルミニウム化合物は、複数層のうちの1層のみに含有されてもよいし、濃度差を設ける等して2層以上に含まれてもよい。水溶性アルミニウム化合物を含有することにより、画像の滲み及び記録後の色調変化を抑制することができる。
ここで、「水溶性」とは、20℃の水に1質量%以上溶解することをいう。
水溶性アルミニウム化合物としては、例えば、無機塩として塩化アルミニウム又はその水和物、硫酸アルミニウム又はその水和物、アンモニウムミョウバン等が挙げられる。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が挙げられる。中でも、インク受容層形成用の塗布液に安定に添加することができるものが好ましく、特に記録後の色調変化の抑制及び染料の耐オゾン性向上の点で、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が特に好ましい。
塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の式1、式2、又は式3で表され、例えば、[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等の、塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n ・・・式1
[Al(OH)AlCl ・・・式2
Al(OH)Cl(3n−m) (0<m<3n) ・・・式3
水溶性アルミニウム化合物は、大明化学工業より塩基性塩化アルミニウム(アルファイン83)の名称で、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名称で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名称で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名称で、さらにそれ以外のメーカーからも同様の目的で上市されており、各種グレードのものが容易に入手できる。
水溶性アルミニウム化合物のインク受容層の1層中における含有量としては、インク受容層の全固形分に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、特に2〜4質量%が最も好ましい。水溶性アルミニウム化合物の含有量が前記範囲内であると、画像の滲み及び色調変化が抑えられ、また、光沢度、耐水性、耐ガス性、耐光性の向上の点でも有利である。
本発明においては、上記の水溶性アルミニウム化合物に加えて、他の水溶性の多価金属化合物を併用することができる。
水溶性の多価金属化合物の具体例としては、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニル、炭酸ジルコニル・アンモニウム、炭酸ジルコニル・カリウム、硫酸ジルコニル、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩化チタン、硫酸チタン、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。これらの中でも特に、アルミニウムあるいは周期表IVa族元素(ジルコニウム、チタン)の水溶性塩が好ましい。
ここで、「水溶性」とは、常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを意味する。
中でも、水溶性ジルコニウム化合物(例えば、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニル、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニル、炭酸ジルコニル・アンモニウム、炭酸ジルコニル・カリウム、硫酸ジルコニル、フッ化ジルコニウム化合物等)が好ましい。
−他の成分−
本発明におけるインク受容層は、上記成分に加えて、必要に応じてカチオン性ポリマーや油滴、硬膜剤、その他各種添加剤を用いて構成することができる。
<カチオン性ポリマー>
本発明におけるインク受容層には、無機微粒子を分散あるいは粉砕する過程でカチオン性ポリマーを用いることが好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号、WO99/64248号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。
カチオン性ポリマーの平均分子量は、重量平均分子量で10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、特に好ましくは2千〜3万程度である。
また、カチオン性ポリマーの含有量は、無機微粒子に対して、1〜10質重%の範囲が好ましい。
<油滴>
本発明におけるインク受容層には、各種油滴を含有することができる。各種油滴を用いることで、膜としての脆弱性を改良することができる。油滴としては、室温下での水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や、重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)が挙げられる。
油滴のインク受容層の1層中における含有量は、水溶性樹脂に対して、10〜50質量%の範囲が好ましい。
<硬膜剤>
本発明におけるインク受容層には、前記水溶性樹脂を架橋硬化させる硬膜剤を含有することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオン等のケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書に記載の反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書に記載の、反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書に記載のN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書に記載のイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号明細書に記載のアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書に記載のカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書に記載のエポキシ化合物、ムコクロル酸等のハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ホウ酸及びホウ酸塩等の無機硬膜剤等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、特にホウ酸又はホウ酸塩が好ましい。
硬膜剤のインク受容層の1層中における含有量は、インク受容層を構成する水溶性樹脂に対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
<各種添加剤>
本発明におけるインク受容層には、更に、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調整剤などの公知の各種添加剤を添加することができる。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジド及びその誘導体を含有させることにより、記録後の保存性を改良することができる。
前記カルボヒドラジド誘導体は、同一分子中に同構造を1つ又は2つ以上有する化合物であっても、同構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
前記チオエーテル化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等が含まれる。中でも特に、親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましい。
これらの化合物は、既知の合成法や、特開2002−321447号公報、同2003−48372号公報に記載の合成法などを参考に合成できる。また、一部の化合物については、市販の化成品をそのまま使用してもよい。
本発明におけるインク受容層は、インク受容層形成用の塗布液を用いて塗布形成することが可能である。この場合、インク受容層形成用の塗布液のpHは、3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。
<支持体>
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体を用いて構成されている。支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、原紙の両側にポリオレフィン樹脂を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙などの耐水性支持体、等が好適である。
耐水性支持体の厚みは、50〜300μmが好ましく、より好ましくは80〜260μmである。
前記ポリオレフィン樹脂被覆紙(以下、「ポリオレフィン樹脂被覆紙」と称する。)について詳述する。ポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に制限されないが、カール性の点で、好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられる紙が使用できるが、好ましくは、例えば写真用支持体に用いられるような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には、一般に製紙で用いられるサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
原紙の厚みには、特に制限はなく、紙を抄造中又は抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮する等した表面平滑性に優れたものが好ましい。その坪量は、30〜250g/m2が好ましい。
原紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンのホモポリマー、又はエチレン−プロピレン共重合体等の2以上のオレフィンからなる共重合体、並びにこれらの混合物が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを1種単独で又は2種以上を混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の製造は、主として、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により行なえ、原紙の両側が樹脂で被覆される。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にはコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。樹脂の被覆厚としては、5〜50μmが適当である。
耐水性支持体を用いる場合、耐水性支持体のインク受容層が塗設される側には、下引き層を設けるのが好ましい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾燥して設けることができる。下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に形成することができる。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これら水溶性ポリマー等の付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。
更に、下引き層は、他に界面活性剤や硬膜剤を含有することが好ましい。下引き層を設けることによって、インク受容層の塗布形成時のひび割れを防止する点で有効であり、均一な塗布面が得られる。
〜インクジェット記録媒体の製造方法〜
次に、インクジェット記録媒体の製造方法について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体の両面に、既述のように水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが所定の深さに存在するようにインク受容層をそれぞれ形成することができる方法であれば、いずれの方法で作製されてもよい。
支持体の両面にインク受容層を形成する方法としては、例えば、支持体の一方の面上に、以下に詳述する方法を用いてインク受容層を形成する工程と、支持体の他方の面上に同様にしてインク受容層を形成する工程とを含む作製方法、片面に以下に詳述する方法を用いてインク受容層を形成された2つの支持体を用い、インク受容層が形成されていない面同士を張り合わせる工程を含む作製方法を挙げることできる。本発明においては、支持体の一方の面上に、以下に詳述する方法を用いてインク受容層を形成する工程と、支持体の他方の面上に同様にしてインク受容層を形成する工程とを含む作製方法であることが好ましい。
支持体上に、水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが所定の深さに存在するようにインク受容層を形成する方法として、好ましくは、無機微粒子及び水溶性樹脂を含み、少なくとも1種は更に水溶性アルミニウム化合物を含む2種以上のインク受容層形成用塗布液を用いて、塗布形成された塗布膜の全膜中に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが、支持体から遠い側の膜面から膜厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在するように、支持体上に2種以上のインク受容層形成用塗布液を重層塗布する工程を有する方法を挙げることができる。
上記の製造方法にいう「塗布膜の全膜中に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピーク」は、塗布後乾燥前でのピークであり、例えば、塗布時の塗布厚及び水溶性アルミニウム化合物の含有量から、重層された塗布膜のうち、最も水溶性アルミニウム化合物の含有量の多い塗布膜の厚み方向の中間位置を基準に既述の乾燥後のインク受容層における場合と同様に定めることができる。このとき、塗布時の塗布厚及び水溶性アルミニウム化合物の含有量と乾燥後のインク受容層の層厚及び水溶性アルミニウム化合物の含有量との関係を予め求めておくことで、乾燥後のインク受容層における水溶性アルミニウム化合物のピークの深さも得られる。
既述のように、2層以上の積層構造を有する塗布膜全体の膜厚方向における両端近傍よりも中央部付近、具体的には塗布膜全体の支持体から最も離れた最外膜の表面から20〜60%の深さ位置に、水溶性アルミニウム化合物を多く存在させるように塗布して、インク受容層を形成することで、ブロンジングが低減され、記録後に生じやすい画像の滲みを抑え、画像記録された面同士を接触させた場合にも色調変化が発生することがないインクジェット記録用媒体が得られる。
本発明においては、2種以上のインク受容層形成用塗布液を用い、これらを重層塗布することが好ましい。重層塗布は、インク受容層形成用塗布液を逐次塗布して一層ごとに積層してもよいし、複数のインク受容層形成用塗布液を同時に重層塗布(同時重層塗布)してもよい。本発明におけるインク受容層を構成する複数の層を、乾燥工程を設けずに殆ど同時に塗布して形成すると、各層に要求される特性が効率よく得られ、生産効率の点で好ましい。すなわち、各層を湿潤状態で積層することで各層に含有される成分が下層へ浸透しにくくなり、乾燥後も各層の成分構成が良く保たれるためと推定される。
インク受容層形成用塗布液の塗布は、公知の塗布装置を用いて行なうことができる。
1層ごとの逐次塗布は、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等の塗布方法が好ましい。また、同時重層塗布は、例えば、スライドビードコーター、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター等を挙げることができる。
本発明においては、多層同時重層塗布によるのが好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体の製造方法では、塗布膜の膜面温度が20℃未満になる場合を含む条件で乾燥を行なうことが好ましい。すなわち、塗布後の乾燥過程において、膜面温度が20℃未満となる乾燥段階が含まれていればよく、乾燥初期に膜面温度が20℃未満になるようにしてもよいし、乾燥開始から所定時間経過した後あるいは乾燥後期に膜面温度が20℃未満まで下がるように乾燥させるようにしてもよい。中でも、均一塗布面状、空隙容量の観点から、膜面温度が20℃未満となる乾燥段階を乾燥初期、特には乾燥開始直後に行なうことが好ましい。乾燥初期(特に乾燥開始直後)に膜面温度が20℃未満になるように乾燥を行なうことにより、塗布液が低粘度でも乾燥ムラを回避でき、光沢感を高めることができる。乾燥初期を高温で乾燥させると、特に塗布液の粘度が低い場合など、乾燥ムラが生じて光沢感は低下する。
膜面温度が20℃未満となる乾燥段階を設けることで、塗布液の膜面が増粘し、より均一な塗布面状を得ることができる。また、膜面温度としては、0℃以上20℃未満が好ましく、5℃以上15℃以下が更に好ましい。膜面温度を0℃以上とすることにより、塗布液の増粘が進みすぎるのを抑え、塗布膜表面の凹凸形成を防止してより高い光沢度を得ることができる。
ここで、膜面温度は、乾燥時の塗布膜表面の温度であり、放射温度計により測定できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。本実施例では、インクジェット記録媒体の例としてインクジェット記録用シートを作製する場合を中心に示す。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1質量%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mなるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙の両面に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。
上記より得られたポリオレフィン樹脂被覆紙表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下引き層が下記組成であって、ゼラチン量が50mg/mとなるように下引き層を形成し、片方の面に下引き層が形成された支持体を作製した。
−下引き層−
・石灰処理ゼラチン ・・・100部
・スルホコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 ・・・2部
・クロム明ばん ・・・10部
<インクジェット記録用シートの作製>
上記より得られた支持体の下引き層上に、支持体に隣接する下層(第1インク受容層)形成用の塗布液として、下記組成の第1インク受容層用塗布液(1)を、第1インク受容層の上の中間層(第2インク受容層)形成用の塗布液として、下記組成の第2インク受容層用塗布液(1)を、更に第2インク受容層上の最表層(第3インク受容層)形成用の塗布液として、下記組成の第3インク受容層用塗布液(1)を、それぞれ下引き層側から順に、下記表1に記載の塗布量にてスライドビードコーターにより同時重層塗布した。
塗布後、10℃で20秒間冷却した後(膜面温度15℃)、30〜55℃の加熱空気を吹き付けてセット乾燥を行なって多孔質のインク受容層とした。
次いで、支持体上のインク受容層が形成された面とは逆の面上に、上記と同様にして下引き層を設けた。さらに下引き層上に上記と同様にしてインク受容層を形成し、支持体の両面にそれぞれ第1インク受容層、第2インク受容層、第3インク受容層を積層して有するインクジェット記録用シートを作製した。
−気相法シリカ分散液1の調製−
分散媒としての水と変性エタノールとの混合溶液中に、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーを添加し、次いで気相法シリカを添加した後、予備分散して粗分散液を得た。次に、この粗分散液を高圧ホモジナイザーで2回処理して、シリカ濃度が20質量%の気相法シリカ分散液1を調製した。気相法シリカの平均粒子径は、100nmであった。
<組成>
・水 ・・・430部
・変性エタノール ・・・22部
・ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー ・・・3部
(シャロールDC902P(平均分子量9000)、第一工業製薬(株)製;カチオン性ポリマー)
・気相法シリカ ・・・100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)
−第1インク受容層用塗布液(1)−
下記組成の成分を混合して、第1インク受容層用塗布液(1)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・界面活性剤 ・・・0.1部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
−第2インク受容層用塗布液(1)−
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(1)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・3部
(アルファイン83、大明化学工業(株)製)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
−第3インク受容層用塗布液(1)−
下記組成の成分を混合して、第3インク受容層用塗布液(1)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・界面活性剤 ・・・0.3部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
(実施例2)
実施例1において、第3インク受容層用塗布液(1)を下記の第3インク受容層用塗布液(2)に代え、第2インク受容層用塗布液(1)を下記の第2インク受容層用塗布液(2)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
−第3インク受容層用塗布液(2)−
下記組成の成分を混合して、第3インク受容層用塗布液(2)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・0.6部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.3部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
−第2インク受容層用塗布液(2)−
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(2)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・2.4部
(アルファイン83、大明化学工業(株)製)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
(実施例3)
実施例1において、第3インク受容層用塗布液(1)を下記の第3インク受容層用塗布液(3)に代え、第2インク受容層用塗布液(1)を下記の第2インク受容層用塗布液(3)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
−第3インク受容層用塗布液(3)−
下記組成の成分を混合して、第3インク受容層用塗布液(3)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・1.2部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.1部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
−第2インク受容層用塗布液(3)−
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(3)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・1.8部
(アルファイン83、大明化学工業(株)製)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
(実施例4)
実施例1において、第3インク受容層用塗布液(1)を下記の第3インク受容層用塗布液(4)に代え、第2インク受容層用塗布液(1)を下記の第2インク受容層用塗布液(4)に代え、第3インク受容層用塗布液(4)の塗布量を12g/mに変更し、第2インク受容層用塗布液(4)の塗布量を6g/mに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
−第3インク受容層用塗布液(4)−
下記組成の成分を混合して、第3インク受容層用塗布液(4)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・3.0部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.1部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
−第2インク受容層用塗布液(4)−
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(4)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
(実施例5)
実施例1において、第1インク受容層用塗布液(1)と第3インク受容層用塗布液(1)を塗布せず、第2インク受容層用塗布液(1)を塗布量20g/mに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
(実施例6)
実施例1において、第3インク受容層用塗布液(1)を上記の第3インク受容層用塗布液(4)に代え、第2インク受容層用塗布液(1)を上記の第2インク受容層用塗布液(4)に代え、第3インク受容層用塗布液(4)の塗布量を4g/mに変更し、第2インク受容層用塗布液(4)の塗布量を8g/mに変更し、第1インク受容層用塗布液(1)の塗布量を8g/mに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
(実施例7)
実施例1において、第2インク受容層用塗布液(1)を下記の第2インク受容層用塗布液(5)に代え、第1インク受容層用塗布液(1)を上記の第2インク受容層用塗布液(5)に代え、第3インク受容層用塗布液(1)の塗布量を8g/mに変更し、第2インク受容層用塗布液(5)の塗布量を6g/mに変更し、第1インク受容層用塗布液(5)の塗布量を6g/mに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
−第2インク受容層用塗布液(5)−
下記組成の成分を混合して、第2インク受容層用塗布液(5)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・1.5部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
−第1インク受容層用塗布液(5)−
下記組成の成分を混合して、第1インク受容層用塗布液(5)を調製した。
<組成>
・前記気相法シリカ分散液1 ・・・100部(固形分)
・ホウ酸 ・・・3部
・ポリビニルアルコール ・・・22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム ・・・1.5部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83)
・界面活性剤 ・・・0.2部
(スワノールAM−2150、日本サーファクタント社製;ベタイン系)
(比較例1)
実施例1において、第1インク受容層用塗布液(1)と第2インク受容層用塗布液(1)を塗布せず、第3インク受容層用塗布液(1)を塗布量20g/mに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
(評価)
上記の実施例及び比較例で作製したインクジェット記録用シートについて、以下の評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
−1.Alピークの測定−
第1インク受容層、第2インク受容層、及び第3インク受容層の全体に含まれるアルミニウム(Al)量の分布とAl量の分布のピークをSEM-EDX装置を用いて下記のように測定した。
各インクジェット記録用シートをウルトラカットUCT(ライカ社製)でダイヤモンドナイフを用いて切断し、インク受容層の断面試料を作製した。これを適当な大きさに裁断して試料台に固定し、約3nmの厚みの白金をスパッタコーティングしてサンプルとした。SEM−EDX装置には、日本電子(株)製のJSM−6700とエダックス社製のGenesisを用いた。まず、サンプルを装置内に導入し、加速電圧20kV、倍率1500倍でサンプル断面をSEM観察し、SEM画像上で最表面からインク受容層の厚み方向に第1インク受容層の支持体との接触面までの深さ(Lμm)と、支持体に平行な方向に70μmの長さとからなる長方形の領域(Lμm×70μm)に電子ビームを照射し、そこから発生するX線を取り込み測定した。測定は、電子ビーム電流量を一定値に調整し、100秒間取り込みを行なって、得られたスペクトルから装置付属の解析ソフトを用いてアルミニウム(Al)量の分布及びそのピークを求めた。
このとき、インク受容層の全体に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークは、3層からなるインク受容層全体の厚み方向における、第3インク受容層の露出面から最もAl濃度の高いインク受容層の厚みが1/2となる位置までの距離を、インク受容層全体の最表面からの深さとした。
なお、インク受容層が1層からなる実施例5では、該インク受容層の厚み方向の中間位置をインク受容層全体の最表面からの深さとした。
−2.色調変化(色変わり)−
インクジェットプリンターA820(セイコーエプソン社製)を用い、各インクジェット記録シートのインク受容層(第3インク受容層)上に、グレーのベタ画像を記録した。このとき、グレタグ スペクトロリノ SPM−50(グレタグマクベス社製;視野角2°、光源D50、フィルターなし)で測定されたグレー濃度が1.7になるように、画像データの階調を調整した。
ベタ画像が記録された面同士が接するように重ね合わせた条件下で1日放置した。
プリント直後(プリント後3分以内)と、プリント後重ね合わせて1日経過後とに、それぞれグレーのベタ画像について、分光光度計スペクトロリノ(グレタグマクベス社製)を用いて視野角2°、光源F8、フィルターなしの条件でLを計測し、それぞれの計測値から色差(ΔE)を求め、色調変化を評価する指標とした。評価は、色差の値から、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
◎:ΔE<2 ;色調変化はほとんど認識できなかった。
○:2≦ΔE<4;色調変化がわかるがあまり目立たない程度であった。
×:ΔE≧7 ;色調変化が顕著であった。
−3.ブロンジング−
各インクジェット記録シートを35℃、80%RHの環境下に16時間置いて調温調湿した後、同じ環境下でインクジェットプリンターPMG−800(セイコーエプソン(株)製)を用いて、ブルー色のベタ画像を記録した。その後、記録画像を目視にて観察し、下記の評価基準にしたがってブロンジングを評価した。
<評価基準>
○:赤味を帯びたブロンズ状の金属光沢はみられなかった。
△:赤味を帯びたブロンズ状の金属光沢が一部生じた。
×:赤味を帯びたブロンズ状の金属光沢が全面に生じた。
−4.画像滲み−
インクジェットプリンターPMG−800(セイコーエプソン(株)製)を用いて、各インクジェット記録用シートにマゼンタインクとブラックインクとが互いに隣接する格子状の線状パターン(線幅0.28mm)を記録した。この記録サンプルを、温度23℃、湿度90%RHの環境下に14日間保管した後、黒線の滲みを下記の評価基準にしたがって目視で評価した。
<評価基準>
○:滲みは観測されなかった。
△:多少滲みが観測されたが、実用上許容できる範囲であった。
×:滲みが多く、実用上許容できない範囲であった。
Figure 2009233970
前記表1に示すように、本発明のインクジェット記録媒体では、画像記録された面同士を接触させた場合にも、画像の色調変化(色変り)の発生を抑制することができた。
また、ブロンジングの発生を伴うことなく、画像中の滲みの発生を効果的に抑制することができた。これに対し、比較例では、画像の色調変化の発生を防止することはできなかった。

Claims (4)

  1. 支持体の両面に、無機微粒子と、水溶性樹脂と、水溶性アルミニウム化合物とを含有するインク受容層をそれぞれ有するインクジェット記録媒体。
  2. 前記インク受容層に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークは、前記インク受容層の支持体から遠い側の表面から層厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記無機微粒子は、気相法シリカであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 無機微粒子と水溶性樹脂とを含み、少なくとも1種は更に水溶性アルミニウム化合物を含む2種以上のインク受容層形成用塗布液を用いて、
    塗布形成された塗布膜の全膜中に含まれる水溶性アルミニウム化合物の分布のピークが、支持体から最も離れた塗布膜の支持体から遠い側の膜面から膜厚方向に向かって20%〜60%の深さに存在するように、前記2種以上のインク受容層形成用塗布液を、支持体の両面にそれぞれ重層塗布する工程を有するインクジェット記録媒体の製造方法。
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