JP5142278B2 - グラフェン又は超薄膜グラファイトの厚さ検出方法および厚さ検出システム - Google Patents
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Description
グラフェンは、炭素原子で6員環状に形成された原子薄膜とする。鉛筆の芯やグラファイトファイバーを分解するとグラフェンになる。つなぎ無く円筒状に丸まった物質がナノチューブである。
超薄膜グラファイトは、グラフェンが数層重なったものである。グラファイトを構成するグラフェンの層の間隔は0.34nmである。ナノメートルスケールの厚さのグラファイトを超薄膜グラファイトと呼称する。
炭素原子で6員環状に形成されたグラフェン原子薄膜の電気伝導に関しては、電子の移動度が既存半導体よりも1桁以上大きいことが理論的に予想され、実験によっても検証されつつある。
また、1枚のフィルムは室温において量子ホール効果を示すことから、取り扱いやすく有効な量子標準抵抗素子としても注目されている。
しかしながら、実用化するためには、薄膜の枚数を目的に応じて限定しなければならない。次世代電子素子では1−4層の間の層数の相違を特定できることが必要であり、量子ホール効果素子では1層あるいは2層前後で特定できることが必須である。
この原子シート1層の厚さは0.34nmであり、この厚さを正確に計測することは容易ではない。
従来の原子薄膜枚数検出方法として考えられていた、(a)原子間力顕微鏡を用いた方法、(b)ラマン散乱を用いた方法、(c)光学顕微鏡を用いた方法を説明し、同時にそれらの問題点を説明する。
原子シートの厚さを検出する感度を原理的に持ち得る検出方法としてのSTMおよびAFMを解説する。
走査型トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope)は、0.34nmの段差を正確に検出する感度を有するが、導電性基板上のみに有効な方法であり、電子素子応用を目指す場合は絶縁基板上に素子を作製しなければならない。
原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)は、一般に1nm程度以下の段差の検出には、検出機構(ピエゾ素子の非線形性)のため困難である。標準試料との比較を常に行うことで、正確な計測も可能となるが、現実的でない。また、観察誤差の揺らぎや表面の微小付着物、基板表面の凹凸によるノイズなどに感度が高すぎ、可能な装置ではあるが効率的で有効な装置とは言えない。
これらの方法は共に最低1000万円程度の高価な装置を必要とする。
光学的分光法であるラマン散乱では、グラフェン膜が数枚重なった超薄膜と比較して、グラフェン膜1層に特徴的な信号が再現性よく検出できることが報告されている。この方法を用いることでグラフェンを1層と特定できることは可能となったが、2層以上を正確に特定することは難しい(非特許文献3参照)。
また、ラマン散乱の信号を理解する経験が必要であり、だれでもがすぐに取り扱える検出方法とは言えない。
さらには装置の総額が最低2000万円程度となり高価であり、簡便性にかける(非特許文献3参照)。
金属顕微鏡(一般の光学顕微鏡)の観察によって1層のグラフェンを特定可能である(非特許文献1、2、4参照)。観察の原理は、基板と基板上のグラフェンの光学反射によるコントラスト差である。酸化膜を有するSi基板を用いたときに、グラフェンのある部位と無い部位のコントラストは約12%程度となることが理論的に導かれており、実験においても近い値が報告されている。このコントラストはSi上に形成した酸化シリコン薄膜の上にグラフェンを配置した場合、酸化シリコン膜厚を280nmあるいは90nmとし、560nm程度の光学フィルターを使うことでコントラストを視覚的に強調することが可能である。
必要装置は一般的な光学顕微鏡セットのみ(おおよそ150万円程度)であり、多くの研究グループでは最も基本的な研究道具として初期に設置している。
本発明の目的は、安価かつ容易に導入可能であり、装置スペースも小さく、初心者でも簡単にグラフェン原子薄膜の枚数を再現性よく確定することが可能なグラフェン又は超薄膜グラファイトの厚さ検出方法および厚さ検出システムを提供することにある。
(1) 単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトを設けた基準サンプルとなる基板と計測対象サンプルとなる基板を、所定の色のフィルタを介してそれぞれ撮像し、前記撮像したそれぞれの画像から前記所定の色の輝度値に対する出現頻度特性を求め、その出現頻度特性を基板部分の前記所定の色の輝度値を100として規格化し、両特性を比較できるようにモニタに表示する。好ましくは、
(2) 上記規格化した所定の色の輝度値対頻度特性における変化の特徴の異同を判断し、計測対象サンプルにおける1層〜n層(任意層)までの各層の存否を判断する。
(3) 上記所定の色は、基板を撮像した画像のコントラスト値および輝度値の変化が大きい色とする。
(4) 上記所定の色は、光の3原色の内の1色、2色の混合色および3色の混合色のうちのいずれか1つとする。
(5) 上記所定の色は、基板の色に影響を受けずに、単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトの層数を所定の色の輝度値に対する出現頻度特性により判断できる色であればどのような色であってもよい。
(6) 単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトが設けられた基板をカラーで撮像する撮像装置と、撮像装置の撮像画像信号を色信号に変換する信号変換手段と、信号変換手段の色信号のうち基板の色と異なり且つ単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトがコントラスト良く且つ同じ離散的輝度値の発生頻度が多くなる所定の色を特定し、この所定の色のフィルタで前記単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトが設けられた基準サンプルの基板および計測対象サンプルの基板を撮像し、両撮像画像から所定の色の輝度値変化の発生頻度特性を求め、その求めた所定の色の輝度値変化の発生頻度特性を基板部分の前記所定の色の輝度値を基準として規格化したグラフデータを作成し、モニタへ出力する画像処理手段と、画像処理手段の出力を表示するモニタとを有する。
(7) 上記画像処理手段は、上記規格化したグラフデータを上記基準サンプルおよび計測対象サンプルで対比し、離散的輝度値の発生頻度の増減が対応しているか否かを判断し、その判断の結果に基づき輝度値に対応する層数の有無を判断し、その判断結果を出力するようにし、上記モニタ装置は、上記画像処理手段の出力を表示するようにする。
これらの方法に対して、本発明の検査方法と検査システムは、安価かつ容易に導入可能であり、検査システムの収納スペースも小さくでき、初心者でも簡単にグラフェン原子薄膜の枚数を再現性よく確定することができる。
本発明の検査方法は、従来のものに比べ、格別な検査結果が容易に判断できる程度に高い再現性を有し、経験によらない簡便さおよび人によらない普遍性を有する効果がある。本発明の検査システムは、格別な簡単で安価、省スペースな構成を採ることができ、検査結果が容易に判断できる程度に高い再現性を有し、経験によらない簡便さおよび人によらない普遍性を有する効果がある。
本発明は、光学顕微鏡の焦点の僅かなズレによって画像の明暗やコントラストが変わっても、検出する薄膜直近の反射光強度を測定し基板基準点として層数を検出することから、薄膜観察の経験の有無に大きく依存しない。また、装置も簡略且つ安価であり、簡単に導入可能となる。
特定色の基板の上に設けた単層のグラフェンおよびグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトを撮像したフルカラー画像が処理の対象となる。
基板に設けられる単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトは、例えば、天然グラファイトをテープに広げ、300nmSiO2/Si基板上に押し付けることで得られたグラフェンならびに数層のグラフェンからなる超薄膜グラファイトで構成する。
グラフェンの色は、空気とグラフェン、グラフェンとSiO2、SiO2とSiの各界面で反射された光の干渉によって決まるため、干渉の様子はSiO2の厚さに依存する。
したがって、コントラストを得やすい光の波長はSiO2の厚さに依存する。
SiO2の厚さと使う色の関係は非特許文献2の図3に示されている。図3は式(3)に基づく波長とSiO2厚の関数としてのコントラストの色図表が示されている。波長軸(縦軸)には、400〜500nmの間のblue(青)領域、500〜600nmの間のgreen(緑)領域、600〜700nmの間のred(赤)領域が表示されている。
図1(a)は、単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトを設けた基板からなる基準サンプルの求めるフルカラー撮像画像を、説明の都合上グレースケールで表示してある。
カラーフィルタは、R(赤:レッド)、G(緑:グリーン)、B(青:ブルー)のフィルタとし、基板を背景としたグラフェンおよび超薄膜グラファイトを撮像した。
図1(b)は基準サンプルのフルカラー画像をR(レッド: 赤色)のフィルタをとおした画像をグレースケール表示した画像、
図1(c)は基準サンプルのフルカラー画像をG(グリーン:緑色)のフィルタをとおした画像をグレースケール表示した画像、
図1(d)は基準サンプルのフルカラー画像をB(ブルー:青色)のフィルタをとおした画像をグレースケール表示した画像である。
RGBそれぞれの画像の表示結果から、Bはコントラストが出にくく、Rはグラファイト薄膜を基板に移す際に付着した有機物の汚れが目立ちノイズが多すぎる。Gは他に比べコントラストが最も良いといえる。
このことから、通常フルカラー画像を構成するRGBそれぞれの画像の内、コントラストの最も良い所定の色の画像における検出対象領域内の輝度値の変化に基づいて層数の差を判別できることになる。
図2は、本発明の層数を判別できる原理を説明する説明図である。
図2(a)は、特定色の基板の上に設けた単層のグラフェンおよびグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトを撮像したフルカラー画像を、RGBの3元色に分解した内のG(グリーン)の画像のグレースケール表示画像を示す。
本文中の説明には、輝度値のフルレンジを256階調としたときの値を用いる。なお、輝度値は、256階調に限らず任意の階調とすることができる。
図2(b)は、輝度値の発生頻度が増減する特性を示す輝度値−頻度特性図である。
図2(b)の横軸は、図2(a)のG(グリーン)の色のフィルタをとおした画像における輝度値の規格化した数値を表す。
図2(c)は、画像全体の輝度を、図2(a)中の層数に応じた数字1、2、3、4、6で示す画像領域を表示する値としたときのグレースケール表示画像を示す。層数に対応した画像領域は、層数に応じて離散的な輝度値をとる。
図2(d)は、画像全体の輝度を、図2(a)中の層数に応じた数字2、3、4、6で示す画像領域を表示する値としたときのグレースケール表示画像を示す。
図2(e)は、画像全体の輝度を、図2(a)中の数字3、4、6で示す画像領域を表示する値としたときのグレースケール表示画像を示す。
図2(f)は、画像全体の輝度を、図2(a)中の数字4、6で示す画像領域を表示する値としたときのグレースケール表示画像を示す。
図2(g)は、画像全体の輝度を、図2(a)中の数字6で示す画像領域を表示する値としたときのグレースケール表示画像を示す。
(1)層数が離散的な値をとる特徴点、
(2)層数がG(グリーン)の色のフィルタをとおした画像において、層数が離散的な輝度値に対応する特徴点、
を有することがわかる。
本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
具体的な計測の手順を示す。計測から画像解析を経た原子膜数確定までの実効的な時間は約5分程度となる。
(1)薄膜の撮像画像を取得する:(ステップS1)
光学顕微鏡に取り付けた撮像装置(例えば、少なくともCCDカメラおよび信号増幅回路を含む)によって、基板上に設けた単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトの薄膜画像を通常の白色光源のもとで撮像(NTSC信号として)し、その撮像信号を信号処理装置へ出力する。
(2)撮像信号から各色毎の画像信号を抽出する:(ステップS2)
I/Oインターフェース回路を介して撮像信号(NTSC)を取り込み、信号変換手段で撮像信号(NTSC)からRGB各色の画像信号を抽出する。
(3)画像処理手段で最適な色の画像信号を選択する:(ステップS3)
RGB各色の画像信号から、現在使用している基板(300nmSiO2/Si)において最も大きなコントラスト値が得られる特定色、例えばG(グリーン画像、波長500〜570 nm)の画像信号を選択する。
(4)基準サンプルでの特定色の画像信号における基板基準点値を検出する:(ステップS4)
計測対象のグラフェン片に近い部位での基板からの特定色における光反射強度値(G光を取り出しているために、G光の強さ)を基板基準点の値として検出し数値化する。
(5)計測対象サンプルでの特定色の画像信号における基板基準点値を検出する:(ステップS5)
計測対象のグラフェン片に近い部位での基板からの特定色における光反射強度値(G光を取り出しているために、G光の強さ)を基板基準点の値として検出し数値化する。
(6)層数を検出する:(ステップS6)
両サンプル上のグラフェン片の部位に限定して光反射強度を検出し数値化し、同じ光反射強度特性を比較し、同じ特性があることを判断して同じ層数の存在を決定する。
この数値はグラフェンの層数に強く依存し、層数が増加するにしたがって注目している波長の信号はグラフェンあるいはグラファイトによって遮られて小さくなる。また、層数が1枚ずつ増加するために、それに応じて数値はデジタル的に減少する。それ故層数を正確に検出することが可能となる。
ストップ
本発明のグラフェン又は超薄膜グラファイトの厚さ検出システム1は、撮像装置2、信号処理装置3およびモニタ装置6を電気的に接続して構成する。
厚さ検出システム1は、基板上に配置した単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトのカラー画像を取得する機能を備え、少なくとも、層数の相異を表示できる程度の拡大倍率の高いレンズ系と、高解像度の撮像装置2を備える。
前記レンズ系は、例えば、実用上の都合から、光学顕微鏡7で構成する。
撮像装置2は、微細な撮像素子を組み込んで構成する。好ましくは高い解像度を得易いCCD方式がよい。また、撮像装置2は、読み取り方式に応じて取得した画像信号(例えば、NTSC方式の画像信号)を信号処理装置3へ出力する都合から信号増幅回路を含むものが好都合で、例えばCCDカメラとして構成されているものがよい。
信号処理装置3は、少なくともI/Oインターフェース回路、中央演算回路(CPU)およびメモリを備えたパーソナルコンピュータやマイクロコンピュータで構成され、ハードウエアを周知のように機能させて以下説明する処理を行なう。
信号処理装置3は、信号変換手段4と画像処理手段5を備える。
信号変換手段4は、撮像装置2から送られてくる読み取り方式に応じて取得した画像信号(例えば、NTSC方式の画像信号)を異なる色の画像信号、例えばRGB3元色それぞれの色画像信号へフィルタを介して変換する。
RGB画像は、例えば図1(b)〜(d)に示すようになる。
実用上は、通常のRGB3元色それぞれ個別の画像を用いることもできる。
画像処理手段5は、信号変換手段4から取り込んだ基準サンプルのフルカラー画像信号から所定の関数を用いて所定色画像情報を抽出する。この所定色画像情報から微少領域単位の離散的輝度値の発生頻度特性データを抽出しメモリに記憶し、頻度が突出するピーク値に対応する輝度値を演算しメモリに記憶する。
次に、規格化した基準サンプルと計測対象サンプルの離散的輝度値の発生頻度特性データを読み込み、上記輝度値の発生頻度が突出するピーク値が対応するか否かを判断するため演算する、即ち、基準サンプルにおける発生頻度が突出する輝度値をメモリに記憶し、計測対象サンプルにおける発生頻度が突出する輝度値をメモリに記憶し、メモリに記憶した基準サンプルと計測対象サンプルの輝度値を比較し、両サンプルにおける輝度値を対比し、両輝度値が一方のピーク値を含む所定幅の輝度値内にあると判断されたときは、このピーク値に対応する層の存在が判断され、判断結果がメモリに記憶される。
測定に使用する機材は、
対物レンズ X100を備えた光学顕微鏡(オリンパス(登録商標)製 BX51)、CCDカメラ(アームスシステム製 ARUSB−202K)、画像処理・画像解析ソフト PopImaging(デジタル・ビーイング・キッズ製)を用いた。
図3は、本発明の測定原理を説明する説明図である。
図3(a)は、基準サンプルの実線枠内を、基板の色に対してコントラスト値の高い特定の色、この場合G(グリーン)のフィルタで、撮像したグラフェンおよび超薄膜グラファイトの撮像画像である。
図3(b)は、計測対象サンプルの点線枠内を図3(a)と同じくG(グリーン)のフィルタで撮像したグラフェンおよび超薄膜グラファイトの撮像画像である。
図3(c)は、実線の特性が図3(a)の実線枠内のグリーンフィルタを介した撮像画像の輝度値−頻度特性を表し、点線の特性が図3(b)の点線枠内のグリーンフィルタを介した撮像画像の輝度値−頻度特性を表す。
図3(c)では、両特性における基板の値の整合ができていないため、両特性の比較ができない。
図3(d)は、図3(c)における両特性を、基板部分のG(グリーン)輝度を100として規格化した特性図である。
図3(d)の両特性を、モニタに表示して見たり、特性値を比較演算してみたりして、ピーク値の存否を比較し、基準サンプルのピークと対応する計測対象サンプルのピークの存否を判断し、どの層があるかを判断する。図3(d)の場合、計測対象サンプルの点線枠内には2層の領域と3層の領域があることが判断できる。この判断は、モニタを見ることによっても、また、両特性の比較演算結果を比較することによっても、どの層があるか判断できる。
表1は、以上説明した本発明の特徴をまとめたもので、輝度値−層数特性を表す。
図4の特性は、回帰分析の結果、直線で近似できることがわかった。
グラフェンの1層分は、この場合、輝度値でおおよそ6の差があることがわかる。
応用の態様としては、
・本方法自体の装置構成におる「原子薄膜層数計測システム」としての製品
・現CMOSの次世代エレクトロニクス作製のための作製ならびに素子の検査用具
・超高速高周波トランジスタ作製のための作製ならびに素子の検査用具
・抵抗標準量子ホール効果素子作製のための作製ならびに素子の検査用具等がある。
低次元ナノ構造材料、例えば基本構造体のグラフェンからなるナノチューブ、ナノワイヤ、ナノ粒子等は、将来のデバイス、内部配線、リソグラフィ、パッケージング等の潜在的な技術課題を解決できる可能性のあるユニークな性質を有しているとして期待されている。例えば、カーボンナノチューブは高い熱伝導率とバリスティックな伝導を提供する可能性がある(「2007年度国際半導体ロードマップ(ITRS2007)参照」)。
2 撮像装置
3 信号処理手段
4 信号変換手段
5 画像処理手段
6 モニタ
7 光学顕微鏡
Claims (7)
- 単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトを設けた基準サンプルとなる基板と計測対象サンプルとなる基板を、所定の色のフィルタを介してそれぞれ撮像し、前記撮像したそれぞれの画像から前記所定の色の輝度値に対する出現頻度特性を求め、その出現頻度特性を基板部分の前記所定の色の輝度値を100として規格化し、両特性を比較できるようにモニタに表示することを特徴とする検査方法。
- 上記規格化した所定の色の輝度値対頻度特性における変化の特徴の異同を判断し、計測対象サンプルにおける1層〜n層(任意層)までの各層の存否を判断することを特徴とする請求項1記載の検査方法。
- 上記所定の色は、基板を撮像した画像のコントラスト値および輝度値の変化が大きい色とすることを特徴とする請求項1又は2記載の検査方法。
- 上記所定の色は、光の3原色の内の1色、2色の混合色および3色の混合色のうちのいずれか1つとすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の検査方法。
- 上記所定の色は、基板の色に影響を受けずに、単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトの層数を所定の色の輝度値に対する出現頻度特性により判断できる色であればどのような色であってもよいとすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の検査方法。
- 単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトが設けられた基板をカラーで撮像する撮像装置と、撮像装置の撮像画像信号を色信号に変換する信号変換手段と、信号変換手段の色信号のうち基板の色と異なり且つ単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトがコントラスト良く且つ同じ離散的輝度値の発生頻度が多くなる所定の色を特定し、この所定の色のフィルタで前記単層のグラフェン又はグラフェンを複数層積層した超薄膜グラファイトが設けられた基準サンプルの基板および計測対象サンプルの基板を撮像し、両撮像画像から所定の色の輝度値変化の発生頻度特性を求め、その求めた所定の色の輝度値変化の発生頻度特性を基板部分の前記所定の色の輝度値を基準として規格化したグラフデータを作成し、モニタへ出力する画像処理手段と、画像処理手段の出力を表示するモニタとを有することを特徴とする検査システム。
- 上記画像処理手段は、上記規格化したグラフデータを上記基準サンプルおよび計測対象サンプルで対比し、離散的輝度値の発生頻度の増減が対応しているか否かを判断し、その判断の結果に基づき輝度値に対応する層数の有無を判断し、その判断結果を出力するようにし、上記モニタ装置は、上記画像処理手段の出力を表示するようにすることを特徴とする請求項6記載の検査システム。
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