JP5140958B2 - 燃料電池システムおよびこの制御方法 - Google Patents
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Description
燃料電池を備える燃料電池システムであって、
水素を含有する燃料ガスを前記燃料電池に供給する供給流路に対して、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを供給する循環流路と、
前記循環流路中に設けられ、前記アノードオフガスを加圧して前記供給流路に流す循環ポンプと、
前記循環流路中に前記循環ポンプよりも下流側に設けられ、該循環流路の流路断面積を変化させる可変絞りと、
前記燃料電池システムの停止時に、前記可変絞りの開度を低下させるとともに前記循環ポンプの仕事量を増加させることにより前記アノードオフガスを昇温させる昇温制御を行う制御部と、
前記燃料電池のアノードから排出されるガスの湿度を検出する出口湿度検出部と、を備え、
前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が所定の出口湿度になるように、前記昇温制御を行う
ことを要旨とする。
更に、前記循環流路内から前記アノードオフガスを外部に排出する排出弁を備え、
前記制御部は、前記昇温制御を行った後に、前記排出弁を開弁する手段を備えるものとしてもよい。
前記制御部は、前記所定の条件下として、当該燃料電池システムの停止時に、前記昇温制御を行うものとしてもよい。
更に、前記燃料電池のアノードに流入するガスの湿度を検出する入口湿度検出部を備え、
前記制御部は、前記昇温制御の実行に伴って、前記入口湿度検出部によって検出された湿度が所定の入口湿度以上になった場合に、前記排出弁を開弁する手段を備えるものとしてもよい。
更に、前記燃料電池のアノードから排出されるガスの湿度を検出する出口湿度検出部を備え、
前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が所定の出口湿度になるように、前記昇温制御を行うものとしてもよい。
前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が前記所定の出口湿度未満であれば、前記増加させた循環ポンプの仕事量を低減し、該湿度が前記所定の出口湿度以上であれば、前記循環ポンプの仕事量を更に増加させることにより、前記昇温制御を行うものとしてもよい。
前記燃料電池内の水分量を検出する水分量検出部を備え、
前記制御部は、前記水分量検出部によって検出された水分量が所定の目標値まで低下した場合に、前記昇温制御を停止する手段を備えるものとしてもよい。
前記水分量検出部は、前記燃料電池の内部抵抗値を交流インピーダンス法によって測定し、該測定結果に基づき、前記水分量を推定するものとしてもよい。
前記可変絞りは、前記循環ポンプの下流側に設けられているものとしてもよい。
燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、
水素を含有する燃料ガスを前記燃料電池に供給する供給流路に対して、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを供給する循環流路を設け、
前記循環流路中に設けられた循環ポンプを駆動し、前記アノードオフガスを加圧して前記供給流路に循環させ、
前記循環流路中に設けられ、該循環流路の流路断面積を変化させる可変絞りの開度を、所定の条件下で、低下させるとともに前記循環ポンプの仕事量を増加させることにより前記アノードオフガスを昇温させて前記燃料電池のアノードに存在する水分を排出する
制御方法である。
A.燃料電池システムの構成:
B.アノードパージ処理:
C.変形例:
図1は、実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。図示するように、本実施例の燃料電池システム100は、水素と酸素の電気化学反応によって発電を行う燃料電池10や、高圧の水素ガスを貯蔵する水素タンク20、燃料電池10に対して圧縮空気を供給するエアコンプレッサ30、燃料電池10から排出されたアノードオフガスを循環させる循環ポンプ40、燃料電池システム100の動作を制御する制御コンピュータ50などを備えている。
図2は、イグニッションスイッチ80がオフにされ、燃料電池システム100による発電が停止される条件下で制御コンピュータ50が実行するアノードパージ処理のフローチャートである。このアノードパージ処理は、燃料電池10のアノード側に存在する水分を外部に排出するための処理である。このアノードパージ処理が実行される前提として、可変バルブ49は全開にされており、循環ポンプ40は、燃料電池10での発電に適した所定の基準回転数で稼働しているものとする。なお、燃料電池システム100の停止時には、エアコンプレッサ30を所定時間駆動することでカソード側についてもパージ処理を行うが、本実施例では、かかるカソード側のパージ処理については説明を省略する。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、以下のような変形が可能である。
上記実施例では、燃料ガス循環管44の流路断面積を調整するために、可変バルブ49を設けるものとしたが、可変バルブ49に代えて、開度を調整可能な可変オリフィスを設けるものとしてもよい。
上記実施例のアノードパージ処理では、図3に示したマップに基づき水分量を推定し、この推定した水分量と目標値とを比較するものとした。これに対して、水分量センサ76が測定した抵抗値を、水分量の目標値に相当する抵抗値と直接比較するものとしてもよい。この場合、マップを参照する処理が不要となるため、処理を簡略化することが可能になる。
上記実施例では、水分量センサ76によって測定した燃料電池10の内部抵抗値に基づきアノードパージ処理を終了するか否かを判断するものとした。これに対して、内部抵抗値の微分値を算出し、この微分値が略ゼロになった場合に、アノードパージ処理を終了するものとしてもよい。微分値が略ゼロであれば、それ以上アノード側から水分を排出することができないと判断できるためである。
上記実施例では、燃料電池システム100を停止させる条件下で、可変バルブ49の開度を低下させつつ循環ポンプ40の回転数を増加させることにより、アノードオフガスを昇温させるものとした。これに対して、例えば、燃料電池システム100の起動時や運転中等の条件下においても同様の処理を実行することにより、アノードオフガスを昇温させることができる。起動時にアノードオフガスを昇温させれば、低温状態から発電に適した温度に速やかに燃料電池10を昇温させることが可能となる。また、運転中に昇温させれば、アノード側のフラッディングを抑制することが可能となる。
上記実施例では、循環ポンプ40の仕事量を増加させることにより、アノードオフガスを昇温させるものとしたが、かかる昇温制御によってもその温度上昇が不足する場合には、別途、ヒータ等の熱源を燃料ガス循環管44等に近接して設けることで、アノードオフガスを昇温させるものとしてもよい。
20…水素タンク
30…エアコンプレッサ
32…酸化ガス供給管
34…カソードオフガス排出管
36…希釈器
38…背圧調整弁
40…循環ポンプ
42…燃料ガス供給管
44…燃料ガス循環管
46…シャットバルブ
48…調圧弁
49…可変バルブ
50…制御コンピュータ
62…排気バルブ
64…排気管
72…入口湿度センサ
74…出口湿度センサ
76…水分量センサ
80…イグニッションスイッチ
Claims (9)
- 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
水素を含有する燃料ガスを前記燃料電池に供給する供給流路に対して、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを供給する循環流路と、
前記循環流路中に設けられ、前記アノードオフガスを加圧して前記供給流路に流す循環ポンプと、
前記循環流路中に前記循環ポンプよりも下流側に設けられ、該循環流路の流路断面積を変化させる可変絞りと、
前記燃料電池システムの停止時に、前記可変絞りの開度を低下させるとともに前記循環ポンプの仕事量を増加させることにより前記アノードオフガスを昇温させる昇温制御を行う制御部と、
前記燃料電池のアノードから排出されるガスの湿度を検出する出口湿度検出部と、を備え、
前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が所定の出口湿度になるように、前記昇温制御を行う
燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
更に、前記循環流路内から前記アノードオフガスを外部に排出する排出弁を備え、
前記制御部は、前記昇温制御を行った後に、前記排出弁を開弁する手段を備える
燃料電池システム。 - 請求項2に記載の燃料電池システムであって、
更に、前記燃料電池のアノードに流入するガスの湿度を検出する入口湿度検出部を備え、
前記制御部は、前記昇温制御の実行に伴って、前記入口湿度検出部によって検出された湿度が所定の入口湿度以上になった場合に、前記排出弁を開弁する手段を備える
燃料電池システム。 - 請求項3に記載の燃料電池システムであって、
前記所定の入口湿度とは、100%である
燃料電池システム。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が前記所定の出口湿度未満であれば、前記増加させた循環ポンプの仕事量を低減し、該湿度が前記所定の出口湿度以上であれば、前記循環ポンプの仕事量を更に増加させることにより、前記昇温制御を行う
燃料電池システム。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、
前記所定の出口湿度とは、100%である
燃料電池システム。 - 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池内の水分量を検出する水分量検出部を備え、
前記制御部は、前記水分量検出部によって検出された水分量が所定の目標値まで低下した場合に、前記昇温制御を停止する手段を備える
燃料電池システム。 - 請求項7に記載の燃料電池システムであって、
前記水分量検出部は、前記燃料電池の内部抵抗値を交流インピーダンス法によって測定し、該測定結果に基づき、前記水分量を推定するものである
燃料電池システム。 - 燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池システムは、水素を含有する燃料ガスを前記燃料電池に供給する供給流路に対して、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを供給する循環流路を備え、
前記循環流路中に設けられた循環ポンプを駆動し、前記アノードオフガスを加圧して前記供給流路に循環させる循環工程と、
前記燃料電池システムの停止時に、前記循環流路中に前記循環ポンプよりも下流側に設けられ該循環流路の流路断面積を変化させる可変絞りの開度を低下させるとともに前記循環ポンプの仕事量を増加させることにより前記アノードオフガスを昇温させる昇温制御を行い、前記燃料電池のアノードに存在する水分を排出する昇温制御工程と、
前記燃料電池のアノードから排出されるガスの湿度を検出する検出工程と、を備え、
前記昇温制御工程では、前記検出工程において検出された湿度が所定の出口湿度になるように、前記昇温制御を行う
制御方法。
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