JP5140958B2 - 燃料電池システムおよびこの制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関し、詳しくは、燃料電池のアノード側に存在する水分を排出する技術に関する。
燃料ガスとしての水素と酸化ガスとしての酸素の供給を受けて発電する燃料電池システムでは、水素と酸素の電気化学反応の過程においてカソード側で水が生成される。この水がシステムの停止時に各種流路や燃料電池中に過剰に存在すると、例えば、低温環境下において流路が閉塞する原因となり、また、電解質膜や電極、拡散層からなるMEA(Membrane Electrode Assembly)が凍結して劣化する原因となる。従来、このような問題に対処するため種々の技術が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、燃料電池に空気を供給するエアコンプレッサを過回転させることにより空気を断熱圧縮して空気を昇温させる技術が開示されている。かかる技術によれば、空気の飽和水蒸気量が増大し、カソード側に存在する水分を効率的に排出することが可能になる。
特開2000−106206号公報 特開2005−317224号公報 特開2005−276547号公報
しかし、カソード側で生成された水は、燃料電池内の電解質膜を介してアノード側にも透過する場合がある。従来は、このようにアノード側に透過した水分を効率的に排出することに関して、十分な検討がなされていなかった。特に、燃料電池から排出されたアノードオフガスを循環して燃料電池に再供給する燃料電池システムでは、アノードオフガスを循環させるための循環ポンプを上述した特許文献1のように過回転させたとしても、流路系が閉じているため、エアコンプレッサによる加圧のように前後圧差を確保しにくく、断熱圧縮の効果を利用してアノードオフガスを昇温させることは困難であった。
このような問題を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、アノードオフガスを循環させて燃料電池に再供給する燃料電池システムにおいて、アノード側に存在する水分を効率的に排出することにある。
上記課題を踏まえ、本発明の燃料電池システムを次のように構成した。すなわち、
燃料電池を備える燃料電池システムであって、
水素を含有する燃料ガスを前記燃料電池に供給する供給流路に対して、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを供給する循環流路と、
前記循環流路中に設けられ、前記アノードオフガスを加圧して前記供給流路に流す循環ポンプと、
前記循環流路中に前記循環ポンプよりも下流側に設けられ、該循環流路の流路断面積を変化させる可変絞りと、
前記燃料電池システムの停止時に、前記可変絞りの開度を低下させるとともに前記循環ポンプの仕事量を増加させることにより前記アノードオフガスを昇温させる昇温制御を行う制御部と
前記燃料電池のアノードから排出されるガスの湿度を検出する出口湿度検出部と、を備え、
前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が所定の出口湿度になるように、前記昇温制御を行う
ことを要旨とする。
このような構成の燃料電池システムでは、循環流路中に設けた可変絞りの開度を低下させた上で、循環ポンプの仕事量を増加させるので、アノードオフガスの循環量を確保しながら、循環ポンプ自体を発熱させることができる。この結果、循環ポンプを通過するアノードオフガスの温度も上昇することになるので、アノードオフガスの飽和水蒸気量が増加し、燃料電池内のアノードから水分をより多く排出することが可能になる。なお、可変絞りとしては、例えば、弁体の開度が調整可能な可変バルブや可変オリフィスなどを用いることができる。
上記構成の燃料電池システムにおいて、
更に、前記循環流路内から前記アノードオフガスを外部に排出する排出弁を備え、
前記制御部は、前記昇温制御を行った後に、前記排出弁を開弁する手段を備えるものとしてもよい。
このような構成であれば、燃料電池内から持ち出した水分によって湿度の高まったアノードオフガスをシステムの外部に排出することができる。
上記構成の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記所定の条件下として、当該燃料電池システムの停止時に、前記昇温制御を行うものとしてもよい。
このような構成であれば、システムの停止後に水分がアノード側に滞留することを抑制することができるので、低温環境に晒されたとしても流路の凍結や電解質膜等を含むMEAの劣化を抑制することができる。燃料電池システムが停止されたか否かは、例えば、イグニッションスイッチの状態に応じて判断することができる。なお、燃料電池システムの起動時や運転中に上述した昇温制御を行うものとしても、燃料電池の温度を上昇させることができるので、システムの起動時間を短縮したり、アノード側のフラッディングを抑制したりすることが可能となる。
上記構成の燃料電池システムにおいて、
更に、前記燃料電池のアノードに流入するガスの湿度を検出する入口湿度検出部を備え、
前記制御部は、前記昇温制御の実行に伴って、前記入口湿度検出部によって検出された湿度が所定の入口湿度以上になった場合に、前記排出弁を開弁する手段を備えるものとしてもよい。
このような構成であれば、燃料電池のアノードに流入するアノードオフガスの湿度が所定の入湿度以上になる度に、このガスを外部に排出することができるので、循環しているアノードオフガスの湿度が下がり、燃料電池内の水分をより多く排出することが可能になる。なお、所定の入口湿度とは100%とすることができる。
上記構成の燃料電池システムにおいて、
更に、前記燃料電池のアノードから排出されるガスの湿度を検出する出口湿度検出部を備え、
前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が所定の出口湿度になるように、前記昇温制御を行うものとしてもよい。
このような構成であれば、燃料電池のアノードから排出されるガスの湿度が所定の出口湿度になるように昇温制御を行うため、効率的に燃料電池内の水分を排出することができる。なお、所定の出口湿度とは100%とすることができる。
上記構成の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が前記所定の出口湿度未満であれば、前記増加させた循環ポンプの仕事量を低減し、該湿度が前記所定の出口湿度以上であれば、前記循環ポンプの仕事量を更に増加させることにより、前記昇温制御を行うものとしてもよい。
このような構成であれば、燃料電池のアノード側から排出されるガスの湿度が所定の出口湿度(例えば、100%)未満の場合には、アノードオフガスを昇温させなくても水分を排出することができるので、循環ポンプの仕事量を抑えることより、補機損を低減することが可能になる。また、湿度が所定の出口湿度以上の場合には、循環ポンプの仕事量を増加させるため、アノードオフガスを昇温させてより多くの水分を排出することが可能になる。
上記構成の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池内の水分量を検出する水分量検出部を備え、
前記制御部は、前記水分量検出部によって検出された水分量が所定の目標値まで低下した場合に、前記昇温制御を停止する手段を備えるものとしてもよい。
このような構成であれば、燃料電池内の湿度を十分に低減させた上で昇温制御を停止することができる。
上記構成の燃料電池システムにおいて、
前記水分量検出部は、前記燃料電池の内部抵抗値を交流インピーダンス法によって測定し、該測定結果に基づき、前記水分量を推定するものとしてもよい。
このような構成であれば、比較的簡易な構成で燃料電池内の水分量を検出することができる。
上記構成の燃料電池システムにおいて、
前記可変絞りは、前記循環ポンプの下流側に設けられているものとしてもよい。
このような構成であれば、循環ポンプによって加圧されたアノードオフガスが、すぐに可変絞りに流入することになるので、循環ポンプを効率よく発熱させることが可能になる。
なお、本発明は、上述した燃料電池システムとしての構成のほか、以下のような燃料電池システムの制御方法としても構成することができる。すなわち、
燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、
水素を含有する燃料ガスを前記燃料電池に供給する供給流路に対して、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを供給する循環流路を設け、
前記循環流路中に設けられた循環ポンプを駆動し、前記アノードオフガスを加圧して前記供給流路に循環させ、
前記循環流路中に設けられ、該循環流路の流路断面積を変化させる可変絞りの開度を、所定の条件下で、低下させるとともに前記循環ポンプの仕事量を増加させることにより前記アノードオフガスを昇温させて前記燃料電池のアノードに存在する水分を排出する
制御方法である。
以下、上述した本発明の作用・効果を一層明らかにするため、本発明の実施の形態を実施例に基づき次の順序で説明する。
A.燃料電池システムの構成:
B.アノードパージ処理:
C.変形例:
A.燃料電池システムの構成:
図1は、実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。図示するように、本実施例の燃料電池システム100は、水素と酸素の電気化学反応によって発電を行う燃料電池10や、高圧の水素ガスを貯蔵する水素タンク20、燃料電池10に対して圧縮空気を供給するエアコンプレッサ30、燃料電池10から排出されたアノードオフガスを循環させる循環ポンプ40、燃料電池システム100の動作を制御する制御コンピュータ50などを備えている。
燃料電池10は、固体高分子電解質型の燃料電池であり、構成単位である単セルを複数積層したスタック構造を有している。各単セルは、電解質膜を挟んで水素極(以下、アノードと呼ぶ)と酸素極(以下、カソードと呼ぶ)とが配置された構成をとっている。各々の単セルのアノードに水素を含有する燃料ガスを供給し、カソードに酸素を含有する酸化ガスを供給することで電気化学反応が進行し、起電力が生じる。こうして発電された電力は、燃料電池10に接続されたモータ等の負荷に供給される。
燃料電池10のカソード側入口には、酸化ガス供給管32が接続され、出口にはカソードオフガス排出管34が接続されている。燃料電池10のカソードには、酸化ガス供給管32を通じて、エアコンプレッサ30により圧縮された空気が酸化ガスとして供給される。この空気は、燃料電池10内での電気化学反応によって酸素が消費された後、カソードオフガス排出管34を通じて外部に排出される。こうしてカソードから排出されるガスをカソードオフガスという。カソードオフガス排出管34には、背圧調整弁38が設けられており、これにより、燃料電池10に供給される酸化ガスの背圧が調整される。
燃料電池10のアノード側入口には、燃料ガス供給管42が接続され、出口には燃料ガス循環管44が接続されている。燃料ガス供給管42は、本願の「供給流路」に対応し、燃料ガス循環管44は、本願の「循環流路」に対応する。燃料電池10のアノードには、燃料ガス供給管42を通じて、水素タンク20から燃料ガスとしての水素が供給される。燃料ガス供給管42には、シャットバルブ46と調圧弁48とが備えられている。シャットバルブ46は、燃料電池システム100の停止時に、水素タンク20からの燃料ガスの供給を遮断するためのバルブである。調圧弁48は、水素タンク20から供給される燃料ガスの圧力を、燃料電池10による発電に適した圧力まで減圧するためのバルブである。
燃料電池10のアノードに供給された燃料ガス中の水素は、その一部が電気化学反応によって消費されることになる。しかし、電気化学反応によって消費しきれなかった水素は、アノードオフガスとして燃料ガス循環管44に排出される。この燃料ガス循環管44は、燃料ガス供給管42中の、調圧弁48と燃料電池10との間に接続されており、その管路には循環ポンプ40が備えられている。燃料ガス循環管44に排出されたアノードオフガスは、この循環ポンプ40によって加圧されて燃料ガス供給管42に供給され、再度、燃料電池10のアノードに供給される。上述したように、アノードオフガスには、燃料電池10による電気化学反応で消費しきれなかった水素が含まれるため、アノードオフガスを燃料電池10に循環して供給することにより、効率的に水素を利用することができる。
燃料ガス循環管44の循環ポンプ40の下流側には、燃料ガス循環管44の流路断面積を調整するための可変バルブ49が備えられている。この可変バルブ49は、本願の「可変絞り」に対応し、制御コンピュータ50による制御によって、その開度(絞り量)が調整される。この可変バルブ49の制御方法については後で詳しく説明する。
燃料ガス循環管44の循環ポンプ40の上流側(燃料電池10側)には、排気バルブ62が接続されている。この排気バルブ62は、本願の「排出弁」に対応するものであり、排気管64を通じて、希釈器36に接続されている。排気バルブ62は、制御コンピュータ50による制御によって、所定のタイミングで開閉される。排気バルブ62が開くと、アノードオフガスは、排気管64を通って、希釈器36中に排出される。希釈器36は、カソードオフガス排出管34から入力したカソードオフガスによって水素を含有するアノードオフガスを希釈し、これらのガスをまとめて燃料電池システム100の外部に排出する。燃料電池10から排出されたアノードオフガス中には、水素以外にも、燃料電池10内のカソード側から電解質膜を通じてアノード側に透過してきた水分や窒素等の不純物が含まれている。そのため、上述のように、排気バルブ62を所定のタイミングで開閉することで、燃料ガス循環管44内を循環することによって不純物濃度の高まったアノードオフガスを外部に排出することができる。
制御コンピュータ50は、CPUやRAM、ROMを備えている。ROMには、燃料電池システム100の動作を制御するためのプログラムやマップが記録されている。CPUは、RAMをワークエリアとしてこのプログラムを実行することにより、後述するアノードパージ処理を実現する。
制御コンピュータ50は、複数のI/Oポートを備えている。このI/Oポートには、燃料電池システム100の起動あるいは停止を行うためのイグニッションスイッチ80や、可変バルブ49、循環ポンプ40、エアコンプレッサ30、背圧調整弁38、シャットバルブ46、調圧弁48、排気バルブ62等が接続されている(結線状態の詳細については不図示)。また、制御コンピュータ50には、燃料ガス供給管42の燃料電池10入口近傍に設けられ、燃料電池10内に流入するガスの湿度を測定するための入口湿度センサ72と、燃料ガス循環管44の燃料電池10出口近傍に設けられ、燃料電池10から排出されるガスの湿度を測定するための出口湿度センサ74とが接続されている。
更に、制御コンピュータ50には、燃料電池10内の水分量を検出するための水分量センサ76が接続されている。この水分量センサ76は、交流インピーダンス法によって燃料電池10の内部抵抗(詳しくは、電解質膜の膜抵抗)を測定するものである。制御コンピュータ50は、この内部抵抗を水分量センサ76によって測定すると、ROMに記憶された所定のマップに基づき、その内部抵抗に応じた水分量を推定する。交流インピーダンス法によって燃料電池内部の水分量を検出する技術は周知であり、例えば、特開2003−297408号にその詳細な技術が開示されている。
B.アノードパージ処理:
図2は、イグニッションスイッチ80がオフにされ、燃料電池システム100による発電が停止される条件下で制御コンピュータ50が実行するアノードパージ処理のフローチャートである。このアノードパージ処理は、燃料電池10のアノード側に存在する水分を外部に排出するための処理である。このアノードパージ処理が実行される前提として、可変バルブ49は全開にされており、循環ポンプ40は、燃料電池10での発電に適した所定の基準回転数で稼働しているものとする。なお、燃料電池システム100の停止時には、エアコンプレッサ30を所定時間駆動することでカソード側についてもパージ処理を行うが、本実施例では、かかるカソード側のパージ処理については説明を省略する。
図2に示すように、アノードパージ処理が実行されると、まず、制御コンピュータ50は、シャットバルブ46を閉じて水素の供給を遮断する(ステップS100)。そして、可変バルブ49の開度を所定の開度(例えば、70%)に低下させた上で(ステップS110)、上述した循環ポンプ40の基準回転時におけるアノードオフガスの循環量が維持されるように、循環ポンプ40の回転数を増加させる(ステップS120)。すると、循環ポンプ40の仕事量が増加し、循環ポンプ40自体が発熱することになる。循環ポンプ40自体が発熱すると、この循環ポンプ40を通過するアノードオフガスが昇温され、飽和水蒸気量が増加する。そのため、燃料電池10内部から持ち出される水分量が増加することになる。上記ステップS110とステップS120による処理が、本願の「昇温制御」に相当する。
次に、制御コンピュータ50は、入口湿度センサ72を用いて、燃料電池10に流入するアノードオフガスの湿度H1を測定する(ステップS130)。そして、この湿度H1が、100%RH以上であるかを判定し(ステップS140)、100%RH以上であれば(ステップS140:Yes)、排気バルブ62を一定時間(例えば、1秒)開く(ステップS150)。燃料電池10に流入する燃料ガスの湿度が100%RH以上であれば、それ以上、燃料電池10内部から水分を持ち出すことができない。そのため、上記ステップS150によって、排気バルブ62を開弁すれば、排気管64を通じてアノードオフガスが外部に排出されるため、燃料ガス循環管44中を循環するアノードオフガスの湿度を低下させることができる。これに対して、上記ステップS130において測定した湿度H1が100%RH未満であれば(ステップS140:No)、まだ、燃料電池10内部から水分を持ち出すことができるため、排気バルブ62の開弁は行わない。
次に、制御コンピュータ50は、出口湿度センサ74を用いて、燃料電池10から排出されるアノードオフガスの湿度H2を測定する(ステップS160)。そして、この湿度H2が100%RH未満であるかを判定し(ステップS170)、100%RH未満であれば(ステップS170:Yes)、循環ポンプ40の回転数を上記ステップS120によって設定した回転数から減少させる(ステップS180)。これに対して、100%RH以上であれば(ステップS170:No)、循環ポンプ40の回転数を上記ステップS120によって設定した回転数から増加させる(ステップS190)。
燃料電池10から排出されるアノードオフガスの湿度H2が100%未満の場合には、アノードオフガスが飽和状態にまで達していないため、アノードオフガスの温度を昇温する必要がない。そのため、上記ステップS180によって循環ポンプ40の回転数を下げて、循環させるアノードオフガスの温度を下げる。こうすれば、循環ポンプ40を必要以上に回転する必要がないため、補機損を低減することができる。また、燃料電池10から排出されるアノードオフガスの湿度H2が100%以上であれば、アノードオフガスに含まれる水蒸気がすでに飽和状態となっていることになるため、上記ステップS190によって循環ポンプの回転数を増加させる。こうすることにより、循環ポンプの仕事量の増加に伴いアノードオフガスが昇温するので、飽和水蒸気量が増し、より多くの水分を燃料電池10内から持ち出すことができる。つまり、これらの処理によれば、燃料電池10から排出されるアノードオフガスの湿度H2が100%になるように、循環ポンプ40の回転数を制御することになる。なお、本実施例では、湿度H2が100%未満か否かに応じて循環ポンプ40の回転数を増減させるものとしたが、湿度H2と循環ポンプ40の回転数との関係を予め定義したマップや関数によって、湿度H2に応じた回転数の制御を行うものとしてもよい。
上記ステップS180またはステップS190によって循環ポンプの回転数を制御した後、制御コンピュータ50は、水分量センサ76によって、電解質膜に含まれる水分量MHを推定する(ステップS200)。水分量センサ76は、交流インピーダンス法によって燃料電池10の内部抵抗を測定するセンサであるため、かかる処理では、この内部抵抗と水分量の関係を予め定義したマップに基づき、水分量MHを推定する。
図3は、上記ステップS200において参照されるマップの一例を示す説明図である。図示するように、このマップを参照すれば、水分量センサ76によって測定した抵抗値Rが増加するにつれ、水分量MHが減少することになる。電解質膜は、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す部材であるため、電解質膜の水分量が減少すれば、それだけ電解質膜の導電率が低下し、その結果、抵抗値Rが増大するからである。
水分量MHを推定すると、制御コンピュータ50は、この水分量MHが、目標値以下(例えば、最大水分量の10%以下)になったか否かを判定する(ステップS210)。かかる判定によって、水分量MHが、目標値以下となった場合には(ステップS210:Yes)、アノード側の水分が十分に排出されたと判断できるため、制御コンピュータ50は、当該アノードパージ処理を終了する。一方、水分量MHが目標値を超えている場合には(ステップS210:No)、処理を上記ステップS130に戻して、引き続き、アノードパージ処理の実行を継続する。
以上で説明した本実施例の燃料電池システム100では、システムの停止時において、可変バルブ49の開度を低下させ、循環ポンプ40の仕事量を増加させることで、循環ポンプ40自体を発熱させ、この循環ポンプ40を通過するアノードオフガスを昇温させるものとした。こうしてアノードオフガスを昇温させると、燃料ガス循環管44や燃料電池10内を循環して流れるアノードオフガスの飽和水蒸気量が増加することになるため、燃料電池10のアノードやアノードに接続される配管内に存在する水分を効率的に短時間で排出することが可能になる。
C.変形例:
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、以下のような変形が可能である。
(C1)変形例1:
上記実施例では、燃料ガス循環管44の流路断面積を調整するために、可変バルブ49を設けるものとしたが、可変バルブ49に代えて、開度を調整可能な可変オリフィスを設けるものとしてもよい。
(C2)変形例2:
上記実施例のアノードパージ処理では、図3に示したマップに基づき水分量を推定し、この推定した水分量と目標値とを比較するものとした。これに対して、水分量センサ76が測定した抵抗値を、水分量の目標値に相当する抵抗値と直接比較するものとしてもよい。この場合、マップを参照する処理が不要となるため、処理を簡略化することが可能になる。
(C3)変形例3:
上記実施例では、水分量センサ76によって測定した燃料電池10の内部抵抗値に基づきアノードパージ処理を終了するか否かを判断するものとした。これに対して、内部抵抗値の微分値を算出し、この微分値が略ゼロになった場合に、アノードパージ処理を終了するものとしてもよい。微分値が略ゼロであれば、それ以上アノード側から水分を排出することができないと判断できるためである。
(C4)変形例4:
上記実施例では、燃料電池システム100を停止させる条件下で、可変バルブ49の開度を低下させつつ循環ポンプ40の回転数を増加させることにより、アノードオフガスを昇温させるものとした。これに対して、例えば、燃料電池システム100の起動時や運転中等の条件下においても同様の処理を実行することにより、アノードオフガスを昇温させることができる。起動時にアノードオフガスを昇温させれば、低温状態から発電に適した温度に速やかに燃料電池10を昇温させることが可能となる。また、運転中に昇温させれば、アノード側のフラッディングを抑制することが可能となる。
(C5)変形例5:
上記実施例では、循環ポンプ40の仕事量を増加させることにより、アノードオフガスを昇温させるものとしたが、かかる昇温制御によってもその温度上昇が不足する場合には、別途、ヒータ等の熱源を燃料ガス循環管44等に近接して設けることで、アノードオフガスを昇温させるものとしてもよい。
燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。 アノードパージ処理のフローチャートである。 抵抗値Rと水分量MHの関係を予め定義したマップである。
符号の説明
10…燃料電池
20…水素タンク
30…エアコンプレッサ
32…酸化ガス供給管
34…カソードオフガス排出管
36…希釈器
38…背圧調整弁
40…循環ポンプ
42…燃料ガス供給管
44…燃料ガス循環管
46…シャットバルブ
48…調圧弁
49…可変バルブ
50…制御コンピュータ
62…排気バルブ
64…排気管
72…入口湿度センサ
74…出口湿度センサ
76…水分量センサ
80…イグニッションスイッチ

Claims (9)

  1. 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    水素を含有する燃料ガスを前記燃料電池に供給する供給流路に対して、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを供給する循環流路と、
    前記循環流路中に設けられ、前記アノードオフガスを加圧して前記供給流路に流す循環ポンプと、
    前記循環流路中に前記循環ポンプよりも下流側に設けられ、該循環流路の流路断面積を変化させる可変絞りと、
    前記燃料電池システムの停止時に、前記可変絞りの開度を低下させるとともに前記循環ポンプの仕事量を増加させることにより前記アノードオフガスを昇温させる昇温制御を行う制御部と
    前記燃料電池のアノードから排出されるガスの湿度を検出する出口湿度検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が所定の出口湿度になるように、前記昇温制御を行う
    燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    更に、前記循環流路内から前記アノードオフガスを外部に排出する排出弁を備え、
    前記制御部は、前記昇温制御を行った後に、前記排出弁を開弁する手段を備える
    燃料電池システム。
  3. 請求項に記載の燃料電池システムであって、
    更に、前記燃料電池のアノードに流入するガスの湿度を検出する入口湿度検出部を備え、
    前記制御部は、前記昇温制御の実行に伴って、前記入口湿度検出部によって検出された湿度が所定の入口湿度以上になった場合に、前記排出弁を開弁する手段を備える
    燃料電池システム。
  4. 請求項に記載の燃料電池システムであって、
    前記所定の入口湿度とは、100%である
    燃料電池システム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記出口湿度検出部によって検出された湿度が前記所定の出口湿度未満であれば、前記増加させた循環ポンプの仕事量を低減し、該湿度が前記所定の出口湿度以上であれば、前記循環ポンプの仕事量を更に増加させることにより、前記昇温制御を行う
    燃料電池システム。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、
    前記所定の出口湿度とは、100%である
    燃料電池システム。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池内の水分量を検出する水分量検出部を備え、
    前記制御部は、前記水分量検出部によって検出された水分量が所定の目標値まで低下した場合に、前記昇温制御を停止する手段を備える
    燃料電池システム。
  8. 請求項に記載の燃料電池システムであって、
    前記水分量検出部は、前記燃料電池の内部抵抗値を交流インピーダンス法によって測定し、該測定結果に基づき、前記水分量を推定するものである
    燃料電池システム。
  9. 燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池システムは、水素を含有する燃料ガスを前記燃料電池に供給する供給流路に対して、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを供給する循環流路を備え、
    前記循環流路中に設けられた循環ポンプを駆動し、前記アノードオフガスを加圧して前記供給流路に循環させる循環工程と
    前記燃料電池システムの停止時に、前記循環流路中に前記循環ポンプよりも下流側に設けられ該循環流路の流路断面積を変化させる可変絞りの開度を低下させるとともに前記循環ポンプの仕事量を増加させることにより前記アノードオフガスを昇温させる昇温制御を行い、前記燃料電池のアノードに存在する水分を排出する昇温制御工程と、
    前記燃料電池のアノードから排出されるガスの湿度を検出する検出工程と、を備え、
    前記昇温制御工程では、前記検出工程において検出された湿度が所定の出口湿度になるように、前記昇温制御を行う
    制御方法。
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