JP2008060054A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池スタックへ供給されるカソードガスの供給圧を調圧する調圧弁が開固着故障した場合でも運転継続を可能にする。
【解決手段】燃料電池システム10は、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタック40と、燃料電池スタック40への反応ガス供給圧を調圧する調圧弁16と、電池運転を制御するコントローラ50とを備える。コントローラ50は、調圧弁16の開固着故障の発生時に調圧弁16の固着開度を検出し、固着開度を基に燃料電池スタック40への反応ガス供給量を制限しつつ電池運転を継続する。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池システム10は、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタック40と、燃料電池スタック40への反応ガス供給圧を調圧する調圧弁16と、電池運転を制御するコントローラ50とを備える。コントローラ50は、調圧弁16の開固着故障の発生時に調圧弁16の固着開度を検出し、固着開度を基に燃料電池スタック40への反応ガス供給量を制限しつつ電池運転を継続する。
【選択図】図1
Description
本発明は燃料電池スタックへの反応ガス供給圧を調圧する調圧弁を備える燃料電池システムに関する。
燃料電池システムの発電電力でトラクションモータを駆動して走行する燃料電池車両においては、アクセル開度や車速等を基にシステム要求電力を算出し、燃料電池システムの発電電力が目標電力に一致するように反応ガスの供給量及び供給圧を調整している。例えば、燃料電池スタックのカソード極に供給されるカソードガスを加圧するエアコンプレッサを目標回転数で運転し、燃料電池スタック内のカソードガス供給圧を調整する調圧弁を制御することにより、カソード極に供給されるカソードガスを目標圧力に調整する。また、水素タンクから流出する高圧アノードガスの圧力をレギュレータにて調圧することにより、燃料電池スタックのアノード極に供給されるアノードガスを目標圧力に調整する。
燃料電池システムを車載電源として運用する燃料電池車両においては、例えば、特開2005−32502号公報に開示されているように、故障が発生した場合でも必要最小限の運転継続が可能となるようにフェールセーフ処理の検討が行われている。
特開2005−32502号公報
しかし、特開2005−32502号公報では、燃料電池スタックへのカソードガス供給圧を調圧する調圧弁が開固着故障したり、或いは閉固着故障したりした場合のフェールセーフ処理について十分な検討がなされていない。
例えば、調圧弁が開固着故障すると、カソードガスの調圧制御が破綻するので、運転継続が困難になる。
また例えば、カソードガス供給路から燃料電池スタック及び調圧弁をバイパスして酸素オフガス排出路に合流するバイパス流路を流れるカソードガスの流量を調整するバイパス弁を備える燃料電池システムにおいては、低温始動時において、カソードガスバイパス流量を略一定に保持しつつ、調圧弁の弁開度を調整することにより、カソードガス供給路から燃料電池スタックへ流れるカソードガスの流入量と、カソードガス供給路から燃料電池スタック及び調圧弁をバイパスして酸素オフガス排出路に合流するカソードガスのバイパス流量との流量比を調整し、低効率発電による燃料電池スタックの暖機を実施しているものがある。このような燃料電池システムでは、調圧弁が開固着故障すると、カソードガスのバイパス流量制御が不能になるので、低温起動が困難になる。
また例えば、調圧弁が全開故障すると、燃料電池スタックのカソード極では、低圧下(大気圧下)での運転になるので、カソードオフガス中の水蒸気分圧が相対的に高まり、カソード極側が次第に乾燥雰囲気になる。すると、燃料電池スタックの発電効率が著しく低下し、運転継続が困難になる。
また例えば、調圧弁が閉固着故障すると、調圧弁を流れるカソードオフガスの流量はゼロになってしまうので、燃料電池スタック内部やカソードガス配管系内部のガス圧が著しく上昇し、セルの損傷やカソードガス配管系の破損等を招く原因になる。このような問題は、燃料電池スタックへのカソードガス供給を遮断する入口シャット弁や燃料電池スタックからのカソードオフガス排出を遮断する出口シャット弁が閉固着故障した場合にも生じ得る。
そこで、本発明は燃料電池スタックへ供給される反応ガスの供給圧を調圧する調圧弁が故障したときのフェールセーフ処理を適切に実行する燃料電池システムを提案することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る燃料電池システムは、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックへの反応ガス供給圧を調圧する調圧弁と、調圧弁の開固着故障の発生時に調圧弁の固着開度を検出する検出手段と、固着開度を基に燃料電池スタックへの反応ガス供給量を制限しつつ電池運転を継続する制御手段と、を備える。
かかる構成によれば、調圧弁が開固着故障した場合であっても、調圧弁の弁開度に対応した電池運転制御が可能となるので、燃料電池スタックにダメージを与えることなく、運転継続を可能にできる。
検出手段は、燃料電池スタックに供給される反応ガスの流量を漸増させながら調圧弁を流れる反応ガスの圧力損失を計測し、その流量特性を基に固着開度を検出するのが好適である。
かかる構成によれば、弁開度検出用のセンサ類を新たに設置することなく、反応ガスの流量制御によって得られる流量特性を基に調圧弁の弁開度を検出できる。
制御手段は、反応ガス供給圧が調圧目標値に略一致するときの反応ガスの流量より求まる発電電力を最大出力電力として、電池運転を制御するのが好適である。
かかる構成によれば、燃料電池スタックにダメージを与えることなく、運転継続を可能にできる。
本発明の好適な態様において、燃料電池システムは、燃料電池スタックに供給される反応ガスを流すための反応ガス供給路から分岐して、燃料電池スタック及び調圧弁をバイパスし、燃料電池スタックから排出される反応ガスを流すための反応ガス排出路に合流するバイパス流路と、バイパス流路を流れる反応ガスの流量を調整するバイパス弁と、を更に備える。制御手段は、調圧弁の開固着故障の発生時に、バイパス弁の弁開度を調整することにより反応ガス供給路から燃料電池スタックへ流れる反応ガスの流量と、反応ガス供給からバイパス流路へ分流する反応ガスの分流量とを制御する。
かかる構成によれば、調圧弁が開固着故障した場合であっても、反応ガス供給路から燃料電池スタックへ流れる反応ガスの流量と、反応ガス供給からバイパス流路へ分流する反応ガスの分流量とを制御できるので、低温始動時の低効率発電の実施が可能となる。
上記の課題を解決するため、本発明に係る燃料電池システムは、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、反応ガスを加湿する加湿器と、燃料電池スタックへの反応ガス供給圧を調圧する調圧弁と、調圧弁の開固着故障の発生時に調圧弁の固着開度を検出する検出手段と、加湿器における反応ガスの加湿量を調圧弁の固着開度に基づいて制御する制御手段と、を備える。
かかる構成により、調圧弁が開固着故障した場合であっても、加湿器における反応ガスの加湿量を調圧弁の固着開度に基づいて制御するので、燃料電池スタックの電解質膜の乾燥を防ぐことができる。
ここで、制御手段は、固着開度に対応する加湿量において燃料電池スタックの電解質膜の水バランスが成立する電力負荷の近傍で電池運転を継続するのが好適である。
かかる構成により、燃料電池スタックの電解質膜の水バランスを最適状態に維持し、安定した電池運転を可能にできる。
上記の課題を解決するため、本発明に係わる燃料電池システムは、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックへの反応ガス供給圧を調圧する調圧弁と、調圧弁の閉固着故障を検出する検出手段と、調圧弁の上流側において反応ガス流路から分岐する分岐流路に配設されるリリーフ弁と、検出手段が調圧弁の閉固着故障を検出したときにリリーフ弁を開くことにより反応ガス流路内のガス圧力を減圧する減圧制御手段とを備える。
かかる構成により、調圧弁が閉固着故障したときに、反応ガス流路内及び燃料電池スタック内のガス圧を低減できるので、燃料電池スタック内部や反応ガス流路内部のガス圧上昇による破損等を抑制できる。
本発明の好適な態様において、反応ガス流路上に配設される、燃料電池スタックへの反応ガス供給を遮断する第一のシャット弁と、燃料電池スタックからの反応ガス排出を遮断する第二のシャット弁とを更に備えてもよい。この場合、検出手段は、第一及び第二のシャット弁の閉固着故障を検出する。減圧制御手段は、検出手段が第一又は第二のシャット弁の閉固着故障を検出すると、リリーフ弁を開くことにより反応ガス流路内のガス圧力を減圧する。
かかる構成により、第一又は第二のシャット弁が閉固着故障したときに、反応ガス流路内及び燃料電池スタック内のガス圧を低減できるので、燃料電池スタック内部や反応ガス流路内部のガス圧上昇による破損等を抑制できる。
本発明によれば、燃料電池スタックに供給される反応ガスの供給圧を調圧する調圧弁が故障した場合に、フェールセーフ処理を適切に実行できる。
以下、各図を参照しながら本発明の実施例について説明する。以下の実施例は、特許請求の範囲に係わる発明を限定するものではなく、また実施例の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は実施例1に係る燃料電池システム10のシステム構成を示す。燃料電池システム10は、車載用電力発電システムとして機能するものであり、複数のセルを積層してなるスタック構造からなる固体高分子電解質型の燃料電池スタック40を備えている。セルは、電解質膜の一方の面にアノード極を配置し、他方の面にカソード極を配置してなる膜−電極接合体と、膜−電極接合体に反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)を流すためのガス流路(アノードガス流路、カソードガス流路)や冷媒を流すための冷媒流路が形成されたセパレータとから成る。燃料電池スタック40は、アノード極にアノードガス(燃料ガス)の供給を受けるともに、カソード極に酸素等の酸化ガスを含むカソードガス(例えば空気)の供給を受けて発電する。
燃料電池スタック40では、アノード極において(1)式の酸化反応が生じ、カソード極において(2)式の還元反応が生じる。燃料電池スタック40全体としては(3)式の起電反応が生じる。
H2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
燃料電池システム10のカソードガス供給系には、燃料電池スタック40にカソードガスを供給するためのカソードガス供給路11と、燃料電池スタック40から排出されるカソードオフガスを外部に排気するためのカソードオフガス排出路12とが配設されている。カソードガス供給路11には、大気中のカソードガスに含有されている粉塵等を除去するためのフィルタ13と、カソードガスを加圧するためのエアコンプレッサ14と、エアコンプレッサ14により加圧されるカソードガスを適度に加湿するための加湿器15とが配設されている。
加湿器15は、大気から取り込まれた低湿潤のカソードガス(ドライガス)と、燃料電池スタック40のカソード極から排気された高湿潤のカソードオフガス(ウェットガス)との間で水分交換を行う。(2)式に示すように、カソード極では、水分が生成されるので、カソード極から排出されるカソードオフガスは、多量の水分を含有している。加湿器15にて加湿されたカソードガスは、カソードガス供給路11を介して燃料電池スタック40に供給され、燃料電池スタック40の発電に供される。カソードオフガス排出路12は、カソードガスの排出系に設けられた配管であり、加湿器15と燃料電池スタック40との間には、燃料電池スタック40内のカソードガス圧(カソード出口圧力)を調圧する調圧弁(背圧制御弁)16が配設されている。燃料電池スタック40のカソード出口には、カソード出口圧力を検出するための圧力センサ60が設置されており、カソード出口圧力が略一定となるように調圧弁16の弁開度が調整される。カソードオフガス排出路12を流れるカソードオフガスは、調圧弁16を通って加湿器15にて水分交換に供された後、排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
カソードガス供給系には、カソードガス供給路11の上流から加湿器15をバイパスしてカソードガス供給路11の下流に合流するバイパス流路20を流れるカソードガスの流量を調整するバイパス弁18と、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40及び調圧弁16をバイパスしてカソードオフガス排出路12に合流するバイパス流路19を流れるカソードガスの流量を調整するバイパス弁17とが配設されている。
バイパス弁18の弁開度を調整することにより、カソードガス供給路11から加湿器15に流入するカソードガスの流量と、カソードガス供給路11の上流から加湿器15をバイパスしてカソードガス供給路11の下流に合流するカソードガスのバイパス流量との流量比を調整し(分流比制御)、加湿器15におけるカソードガスの加湿量を制御することができる。
一方、バイパス弁17の弁開度を調整することにより、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40へ流れるカソードガスの流入量と、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40及び調圧弁16をバイパスしてカソードオフガス排出路12に合流するカソードガスのバイパス流量との流量比を調整することができる(分流比制御)。低温始動時において、カソードガスのバイパス流量を多くすることで、低効率発電を実施し、燃料電池スタック40から取り出す熱エネルギーを意図的に増大させることで、暖機運転時間を短縮できる。
燃料電池システム10のアノードガス供給系には、高圧のアノードガスを貯蔵した水素供給源としての水素タンク21と、水素タンク21内に充填されているアノードガスを燃料電池スタック40に供給するアノードガス供給路22と、燃料電池スタック40から排出されたアノードオフガス(未反応アノードガス)をアノードオフガス排出路22に還流させるための循環路23と、循環路23を流れるアノードオフガスをアノードガス供給路22に圧送する水素ポンプ24と、循環路23から分岐し、カソードオフガス排出路12に合流する排出路25が配設されている。
アノードオフガス排出路22の上流側には、水素タンク21から流出される高圧アノードガスの圧力を調整するレギュレータ27が介設され、レギュレータ27の下流側に循環路23が合流している。水素タンク21からアノードガス供給路22へ流出するアノードガスと、循環路23を還流するアノードオフガスとは、アノードガス供給路22と循環路23との接続点で合流し、混合ガスとなって燃料電池スタック40に供給される。循環路23の水素ポンプ24の下流側には、燃料電池スタック40に還流するアノードオフガスの逆流を抑制するための逆止め弁26が介設されている。
水素ポンプ24の上流側には、循環路23を流れるアノードオフガスから水分を分離させるための気液分離器30が介設されている。循環路23を流れる流体には、燃料電池スタック40から排出されるアノードオフガスと、燃料電池スタック40での電気化学反応によって生成された生成水とが含まれている。気液分離器30は、この生成水をアノードオフガスから分離する。水分が分離されたアノードオフガスは、水素ポンプ24によって燃料電池スタック40に還流させられる一方、気液分離器30にて回収された水分は、ドレイン弁31を介して流体配管32からカソードオフガス排出路12に排出される。
流体配管32は、その上流端が気液分離器30のドレイン弁31に接続され、その下流端がカソードオフガス排出路12に接続されており、気液分離器30で分離された水分をカソードオフガス排出路12に流入させる。排出路25には、これを開閉するシャットバルブとして機能するパージ弁33が配設されている。パージ弁33を適宜開閉させることで、アノードオフガスに含まれている不純物をアノードオフガスと共に排出路25経由でカソードオフガス排出路12に排出させることができる。アノードオフガスに含まれている不純物を排出路25から排出することで、水素オフガス中の不純物濃度を下げるとともに燃料電池スタック40に循環供給されるアノードオフガス中の水素濃度を高めることができる。
燃料電池システム10の電力系には、燃料電池スタック40の発電電力又は車両制動時の回生エネルギーを蓄電するための二次電池(蓄電装置)42と、燃料電池スタック40の出力電圧を調整して燃料電池スタック40と二次電池42との電力供給分配を制御するDC/DCコンバータ41と、燃料電池スタック40又は二次電池42から供給される直流電力を交流電力に変換してトラクションモータ(車両走行モータ)44に供給するインバータ43とが配設されている。
燃料電池システム10の制御系には、燃料電池システム10全体を制御するためのコントローラ50が配設されている。コントローラ50は、中央処理装置(CPU)、記憶装置(ROM,RAM)、入出力インタフェース等を備える制御ユニット(ECU)である。コントローラ50は、メモリ51に格納された各種制御プログラムやデータに基づいて燃料電池システム10を制御する。
例えば、コントローラ50は、イグニッションスイッチ52から出力される起動信号を受信すると、燃料電池システム10の運転を開始し、アクセルセンサ54から出力されるアクセル開度信号や、車速センサ53から出力される車速信号などを基にシステム全体の要求電力を求める。システム全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。補機電力には、例えば、車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。
そして、コントローラ50は、燃料電池スタック40と二次電池42の出力電力の配分を決定し、燃料電池スタック40の発電量が目標電力に一致するように、エアコンプレッサ14の回転数やレギュレータ27の弁開度を調整し、燃料電池スタック40への反応ガス供給量を調整するとともに、DC/DCコンバータ41を制御して燃料電池スタック40の出力電圧を調整することにより燃料電池スタック40の運転ポイント(出力電圧、出力電流)を制御する。更に、コントローラ50は、アクセル開度に応じた目標車速が得られるように例えば、スイッチング指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧指令値をインバータ43に出力し、トラクションモータ44の出力トルク、及び回転数を制御する。
ここで、本明細書で使用する語句の意義について補足する。
「開固着故障」は、「半開故障(弁が半開きのまま保持される故障)」及び「全開故障(弁が全開のまま保持される故障)」を総称する。
「閉固着故障」は、弁が全閉のまま保持される故障を示すものであり、「全閉故障」と同義である。
「反応ガス流路」は、「反応ガス供給路」、及び「反応ガス排出路」を総称する。
「反応ガス供給路」は、「アノードガス供給路」、及び「カソードガス供給路」を総称する。
「反応ガス排出路」は、「アノードガス排出路」、及び「カソードガス排出路」を総称する。
「カソードガス配管系」は、「カソードガス供給路」、及び「カソードオフガス排出路」を総称する。
「開固着故障」は、「半開故障(弁が半開きのまま保持される故障)」及び「全開故障(弁が全開のまま保持される故障)」を総称する。
「閉固着故障」は、弁が全閉のまま保持される故障を示すものであり、「全閉故障」と同義である。
「反応ガス流路」は、「反応ガス供給路」、及び「反応ガス排出路」を総称する。
「反応ガス供給路」は、「アノードガス供給路」、及び「カソードガス供給路」を総称する。
「反応ガス排出路」は、「アノードガス排出路」、及び「カソードガス排出路」を総称する。
「カソードガス配管系」は、「カソードガス供給路」、及び「カソードオフガス排出路」を総称する。
ところで、調圧弁16は、例えば、弁開度を電磁的に制御できるバタフライ弁又はポペット弁などの電磁弁である。調圧弁16の開閉部に異物が混入したり、電気系統に異常が生じたりしたときは、励磁コイルへの通電を遮断しても閉弁せずに半開きのまま保持される、いわゆる半開故障が生じる場合がある。また、調圧弁16の開閉部の固着等により励磁コイルを通電しても開弁せずに閉弁したままに保持される、いわゆる閉固着故障が生じる場合がある。弁故障の中でも、特に、調圧弁16が全閉のまま保持されて開弁不能な全閉故障では、燃料電池スタック40からカソードオフガスを排気できないので、電池運転の継続は不能となる。
一方、調圧弁16が半開きのまま保持される半開故障や、全開のまま保持される全開故障では、燃料電池スタック40からカソードオフガスを排気することができるので、運転条件を制限することにより、電池運転の継続は可能となる。
以下、図2乃至図4を参照しながら、調圧弁16が開固着故障したときのフェールセーフ処理について説明する。
図2は第一のフェールセーフ処理を示すフローチャートである。
コントローラ50は、電池運転中に調圧弁16の開固着故障を検出すると(ステップ201)、一時的に電池運転を休止する(ステップ202)。コントローラ50は、例えば、調圧弁16の電気系統の断線を電気的に検出したり、或いはセル電圧値を基に発電異常を検出したりすることにより、調圧弁16の開固着故障の発生を検出できる。
コントローラ50は、電池運転中に調圧弁16の開固着故障を検出すると(ステップ201)、一時的に電池運転を休止する(ステップ202)。コントローラ50は、例えば、調圧弁16の電気系統の断線を電気的に検出したり、或いはセル電圧値を基に発電異常を検出したりすることにより、調圧弁16の開固着故障の発生を検出できる。
コントローラ50は、エアコンプレッサ14の回転数やレギュレータ27の弁開度を調整し、燃料電池スタック40への反応ガス供給量を極少量(又はゼロ)から次第に漸増させながら圧力センサ60から出力される圧力値を逐次監視し、調圧弁16を流れるカソードオフガスの流量と圧力損失との関係(流量特性)を測定することにより、調圧弁16の弁開度(固着開度)を検出する(ステップ203)。
次に、コントローラ50は、燃料電池スタック40へのカソードガス供給圧が調圧目標に一致するときのカソードガス流量をメモリ51に記憶し(ステップ204)、メモリ51に記憶されたカソードガス流量から算出される発電電力を最大出力電力として設定する(ステップ205)。調圧目標とは、出力制限下において最低限度の運転継続が可能となるカソードガスの供給圧力範囲をいう。
そして、コントローラ50は、その最大出力電力を上限として、エアコンプレッサ14の回転数やレギュレータ27の弁開度を調整し、燃料電池スタック40への反応ガス供給量を調整しながら出力制限運転を実施する(ステップ206)。
コントローラ50は、第一のフェールセーフ処理を実行することにより、調圧弁16の開固着故障の発生時に調圧弁16の固着開度を検出する検出手段、及び調圧弁16の固着開度を基に燃料電池スタック40へのカソードガス供給量を制限しつつ電池運転を継続する制御手段として機能する。
以上の処理によれば、調圧弁16が所定の弁開度で開固着故障した場合でも、調圧弁16を流れるカソードオフガスの流量と圧力損失との関係を示す流量特性を基に調圧弁16の固着開度を推定できるので、固着開度を検出するための新たなセンサ類等は不要となる。また、調圧弁16の弁開度に応じた最低限度の運転継続を可能とするカソードガス供給流量を上限として、出力制限運転を実施することで、燃料電池スタック40にダメージを与えることなく、必要最小限の運転継続(退避走行)を可能にできる。
図3は第二のフェールセーフ処理を示すフローチャートである。
コントローラ50は、低温始動時における燃料電池スタック40の暖機運転中に電池運転中に調圧弁16の開固着故障を検出すると(ステップ301)、バイパス弁17の弁開度を調整することにより、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40へ流れるカソードガスの流入量と、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40及び調圧弁16をバイパスしてカソードオフガス排出路12に合流するカソードガスのバイパス流量との流量比を制御する(ステップ302)。
コントローラ50は、低温始動時における燃料電池スタック40の暖機運転中に電池運転中に調圧弁16の開固着故障を検出すると(ステップ301)、バイパス弁17の弁開度を調整することにより、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40へ流れるカソードガスの流入量と、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40及び調圧弁16をバイパスしてカソードオフガス排出路12に合流するカソードガスのバイパス流量との流量比を制御する(ステップ302)。
カソードガス供給路11から燃料電池スタック40へ流れるカソードガスの圧力損失と、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40及び調圧弁16をバイパスしてカソードオフガス排出路12に合流するカソードガスの圧力損失との比率に応じて、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40へ流れるカソードガスの流入量と、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40及び調圧弁16をバイパスしてカソードオフガス排出路12に合流するカソードガスのバイパス流量との流量比を制御できる。低温始動時においては、バイパス弁17の弁開度を大きく設定し、カソードガスのバイパス流量を多くすることで、低効率発電を実施し、燃料電池スタック40から取り出す熱エネルギーを意図的に増大させることで、暖機運転時間を短縮できる。
コントローラ50は、第二のフェールセーフ処理を実行することにより、調圧弁16の開固着故障の発生時にバイパス弁17の弁開度を調整することにより、カソードガス供給路11から燃料電池スタック40へ流れるカソードガスの流量と、カソードガス供給路11からバイパス流路19へ分流するカソードガスの分流量とを制御する制御手段として機能する。
以上の処理によれば、調圧弁16が所定の弁開度で開固着故障した場合でも、低温始動時のフェールセーフ制御が可能になる。
図4は第三のフェールセーフ処理を示すフローチャートである。
コントローラ50は、電池運転中に調圧弁16の開固着故障を検出すると(ステップ401)、エアコンプレッサ14の回転数やレギュレータ27の弁開度を調整し、燃料電池スタック40への反応ガス供給量を極少量(又はゼロ)から次第に漸増させながら圧力センサ60から出力される圧力値を逐次監視し、調圧弁16を流れるカソードオフガスの流量と圧力損失との関係(流量特性)を測定することにより、調圧弁16の弁開度を検出する(ステップ402)。
コントローラ50は、電池運転中に調圧弁16の開固着故障を検出すると(ステップ401)、エアコンプレッサ14の回転数やレギュレータ27の弁開度を調整し、燃料電池スタック40への反応ガス供給量を極少量(又はゼロ)から次第に漸増させながら圧力センサ60から出力される圧力値を逐次監視し、調圧弁16を流れるカソードオフガスの流量と圧力損失との関係(流量特性)を測定することにより、調圧弁16の弁開度を検出する(ステップ402)。
そして、コントローラ50は、加湿器15におけるカソードガスの加湿量を調圧弁16の弁開度に応じて制御する(ステップ403)。具体的には、燃料電池スタック40の電解質膜が水分不足によるドライアップ現象を起こしたり、又は水分過多によるフラッディング現象を起こしたりすることがないように、加湿器15におけるカソードガスの加湿量を適宜調整する。例えば、調圧弁16の固着開度が大きい程、加湿器15におけるカソードガスの加湿量を多くする。調圧弁16が全開故障しているならば、バイパス弁18の弁開度を最小(又は全閉)に設定し、加湿器15をバイパスしてバイパス弁18を流れるカソードガス流量を最小(又はゼロ)に制御すればよい。水噴射式インジェクタによってカソードガスを加湿する方式においては、調圧弁16の固着開度が大きい程、水噴射量を多くすればよい。
コントローラ50は、ステップ403で設定された加湿量において燃料電池スタック40の電解質膜の水バランスが成立する電力負荷を算出し(ステップ404)、その電力負荷の近傍で、エアコンプレッサ14の回転数やレギュレータ27の弁開度を調整し、燃料電池スタック40への反応ガス供給量を調整しながら出力制限運転を実施する(ステップ405)。
尚、コントローラ50は、開固着故障した調圧弁16の弁開度を燃料電池スタック40の内部インピーダンスに基づいて推定し、加湿器15におけるカソードガスの加湿量を調整してもよい。燃料電池スタック40の内部インピーダンスは、燃料電池スタック40に高周波電流を印加し、その電圧応答を検出する高周波インピーダンス計測器によって求めることができる。
コントローラ50は、第三のフェールセーフ処理を実行することにより、調圧弁16の開固着故障の発生時に調圧弁16の固着開度を検出する検出手段、及び加湿器15におけるカソードガスの加湿量を調圧弁16の固着開度に基づいて制御する制御手段として機能する。
以上の処理によれば、調圧弁16が所定の弁開度で開固着故障した場合でも、燃料電池スタック40の電解質膜の水バランスの破綻によるドライアップ現象やフラッディング現象を回避し、必要最小限の運転継続が可能になる。
図5は実施例2に係る燃料電池システム100のシステム構成を示す。図1に示す符号と同一符号の装置は同一の装置を示すものとして、その詳細な説明を省略する。また、実施例2におけるアノードガス供給系や電力系の構成は、実施例1と同一なので、説明の便宜上、カソードガス供給系を中心とするシステム構成を図示し、その他の構成は図示を省略している。
カソードガス供給路11には、燃料電池スタック40へのカソードガス供給を遮断するための入口シャット弁70が配設されている。入口シャット弁70は、エア室73,74を区画するダイアフラム71に連結されてなる弁体72を有するダイアフラム式バルブであり、エア室73,74の圧力差に応じてダイアフラム71を介して弁体72がその軸線方向に移動することにより、開閉制御される。
入口シャット弁70を開閉制御するための補機類として、圧抜き弁Vi1,Vi2と、分岐弁Vi3とが配設されている。分岐弁Vi3は、ポートA1,A2,A3を有する電磁弁である。ポートA1,A2は、カソードガス供給路11から分岐してエア室74に接続するエア流路91に設けられており、ポートA3は、カソードガス供給路11から分岐してエア室73に接続するエア流路92に設けられている。
コントローラ50は、通常運転時には、ポートA1,A2を開き、エア室74に加圧エアを導入する一方で、ポートA3を閉じる。すると、エア室74の圧力がエア室73の圧力より高くなり、弁体72は上方に押し上げられて開弁する。圧抜き弁Vi2は、エア室74の圧力を適度に調整するための電磁弁であり、コントローラ50によって開閉制御され、エア室74からエアを抜く機能を有する。
コントローラ50は、電池運転停止時には、ポートA1,A3を開き、エア室73に加圧エアを導入する一方で、ポートA2を閉じる。すると、エア室73の圧力がエア室74の圧力より高くなり、弁体72は下方に押し下げられて閉弁する。圧抜き弁Vi3は、エア室73の圧力を適度に調整するための電磁弁であり、コントローラ50によって開閉制御され、エア室73からエアを抜く機能を有する。
カソードオフガス排出路12には、燃料電池スタック40からのカソードオフガス排出を遮断するための出口シャット弁75が配設されている。出口シャット弁75は、エア室78,79を区画するダイアフラム76に連結されてなる弁体77を有するダイアフラム式バルブであり、エア室78,79の圧力差に応じてダイアフラム76を介して弁体77がその軸線方向に移動することにより、開閉制御される。
出口シャット弁75を開閉制御するための補機類として、圧抜き弁Vo1,Vo2と、分岐弁Vo3とが配設されている。出口シャット弁75、圧抜き弁Vo1,Vo2、及び分岐弁Vo3の動作は、入口シャット弁70、圧抜き弁Vi1,Vi2、及び分岐弁Vi3の動作と同様なので、詳細な説明を省略する。
カソードガス供給路11の上流には、カソードガス供給路11から分岐して外気に抜ける分岐流路(エア流路)95と、分岐流路95から外気へのカソードガス流出を制御するリリーフ弁80とが配設されている。リリーフ弁80は、電磁遮断弁であり、コントローラ50によって開閉制御される。通常運転時には、リリーフ弁80は閉弁している。
ところで、入口シャット弁70が閉固着故障すると、入口シャット弁70よりも上流側に位置するカソードガス配管系に設置されている機器類(加湿器15、及びカソードガス供給路11など)のガス圧が過大となり、破損する虞がある。更に出口シャット弁75、又は調圧弁16のうち何れかが閉固着故障すると、出口シャット弁75、又は調圧弁16よりも上流側に位置するカソードガス配管系に設置されている機器類(燃料電池スタック40、カソードオフガス排出路12、加湿器15、及びカソードガス供給路11など)のガス圧が過大となり、破損する虞がある。
コントローラ50は、カソードガス供給路11上における入口シャット弁70の上流位置に配設されてなる圧力センサ61の検出値(以下、FC入口圧力と称する。)、又はカソードオフガス排出路12上における調圧弁16及び出口シャット75の上流位置に配設されてなる圧力センサ62の検出値(以下、FC出口圧力と称する。)に基づいて、調圧弁16、入口シャット弁70、又は出口シャット弁75の何れかの閉固着故障に起因するカソードガス配管系の圧力異常を検出する。コントローラ50は、カソードガス配管系の圧力異常を検出すると、リリーフ弁80を開くことにより、カソードガス配管系の圧力を減圧し、機器類の破損等を回避する。
図6は調圧弁16が閉固着故障したときのフェールセーフ処理を示すタイミングチャートである。
調圧弁16が閉固着故障すると、調圧弁16を通過するカソードオフガス流量はゼロになるので、FC出口圧力は閾値Pthを超える。コントローラ50は、FC出口圧力が閾値時間ΔTの間、継続して閾値Pthを越えていることを検出すると(時刻T)、エアコンプレッサ14の運転を停止する(電池運転停止)とともに、バイパス弁17、調圧弁16、入口シャット弁70、出口シャット弁75、及びリリーフ弁80のそれぞれに全開指令を出力し、カソードガス配管系のガス圧を減圧する。
調圧弁16が閉固着故障すると、調圧弁16を通過するカソードオフガス流量はゼロになるので、FC出口圧力は閾値Pthを超える。コントローラ50は、FC出口圧力が閾値時間ΔTの間、継続して閾値Pthを越えていることを検出すると(時刻T)、エアコンプレッサ14の運転を停止する(電池運転停止)とともに、バイパス弁17、調圧弁16、入口シャット弁70、出口シャット弁75、及びリリーフ弁80のそれぞれに全開指令を出力し、カソードガス配管系のガス圧を減圧する。
コントローラ50は、上記のフェールセーフ処理を実行することにより、調圧弁16の閉固着故障を検出する検出手段、及び調圧弁16の閉固着故障時にリリーフ弁80を開くことによりカソードガス配管系のガス圧力を減圧する減圧制御手段として機能する。
尚、入口シャット弁70又は出口シャット弁75が閉固着故障したときのフェールセーフ処理は、図6に示す手順と同様である(但し、圧力センサ61の位置から燃料電池スタック40へ至る経路の圧力損失を考慮して、入口シャット弁70の閉固着故障を検出するための閾値Pthは、出口シャット弁75又は調圧弁16の閉固着故障を検出するための閾値Pthよりも高圧に設定するのが好ましい。)。
以上のフェールセーフ処理によれば、調圧弁16、入口シャット弁70、又は出口シャット弁75の何れかが閉固着故障したときに、カソードガス配管系の損傷を抑制できる。
発明の実施形態を通じて説明された実施例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施形態の記載の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲から明らかであろう。
例えば、上述の実施例では、燃料電池システム10,100を車載電源システムとして用いる利用形態を例示したが、燃料電池システム10,100の利用形態はこの例に限られるものではない。例えば、燃料電池システム10,100を定置用コージェネレーション(熱電併給)システムに組み入れても良い。コージェネレーションシステムは、商用又は家庭用の何れでもよい。
10,100…燃料電池システム 11…カソードガス供給路 12…カソードオフガス排出路 15…加湿器 16…調圧弁 17,18…バイパス弁 40…燃料電池スタック 50…コントローラ 70…入口シャット弁 75…出口シャット弁 80…リリーフ弁
Claims (9)
- 反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックへの反応ガス供給圧を調圧する調圧弁と、
前記調圧弁の開固着故障の発生時に前記調圧弁の固着開度を検出する検出手段と、
前記固着開度を基に前記燃料電池スタックへの反応ガス供給量を制限しつつ電池運転を継続する制御手段と、
を備える燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記検出手段は、前記燃料電池スタックに供給される反応ガスの流量を漸増させながら前記調圧弁を流れる反応ガスの圧力損失を計測し、その流量特性を基に前記固着開度を検出する、燃料電池システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムであって、
前記制御手段は、前記反応ガス供給圧が調圧目標値に略一致するときの前記反応ガスの流量より求まる発電電力を最大出力電力として電池運転を制御する、燃料電池システム。 - 請求項1乃至請求項3のうち何れか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記調圧弁は、前記燃料電池スタックのカソード出口圧力を調圧するための背圧制御弁である、燃料電池システム。 - 請求項1乃至請求項4のうち何れか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池スタックに供給される反応ガスを流すための反応ガス供給路から分岐して前記燃料電池スタック及び前記調圧弁をバイパスし、前記燃料電池スタックから排出される反応ガスを流すための反応ガス排出路に合流するバイパス流路と、
前記バイパス流路を流れる反応ガスの流量を調整するバイパス弁と、を更に備え、
前記制御手段は、前記調圧弁の開固着故障の発生時に前記バイパス弁の弁開度を調整することにより前記反応ガス供給路から前記燃料電池スタックへ流れる反応ガスの流量と、前記反応ガス供給から前記バイパス流路へ分流する反応ガスの分流量とを制御する、燃料電池システム。 - 反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、
前記反応ガスを加湿する加湿器と、
前記燃料電池スタックへの反応ガス供給圧を調圧する調圧弁と、
前記調圧弁の開固着故障の発生時に前記調圧弁の固着開度を検出する検出手段と、
前記加湿器における前記反応ガスの加湿量を前記固着開度に基づいて制御する制御手段と、
を備える燃料電池システム。 - 請求項6に記載の燃料電池システムであって、
前記制御手段は、前記固着開度に対応する前記加湿量において前記燃料電池スタックの電解質膜の水バランスが成立する電力負荷の近傍で電池運転を継続する、燃料電池システム。 - 反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックへの反応ガス供給圧を調圧する調圧弁と、
前記調圧弁の閉固着故障を検出する検出手段と、
前記調圧弁の上流側において反応ガス流路から分岐する分岐流路に配設されるリリーフ弁と、
前記検出手段が前記調圧弁の閉固着故障を検出したときに前記リリーフ弁を開くことにより前記反応ガス流路内のガス圧力を減圧する減圧制御手段と、
を備える燃料電池システム。 - 請求項8に記載の燃料電池システムであって、
前記反応ガス流路上に配設される、前記燃料電池スタックへの反応ガス供給を遮断する第一のシャット弁と、前記燃料電池スタックからの反応ガス排出を遮断する第二のシャット弁とを更に備え、
前記検出手段は、前記第一及び第二のシャットの閉固着故障を検出し、
前記減圧制御手段は、前記検出手段が前記第一又は第二のシャット弁の閉固着故障を検出すると、前記リリーフ弁を開くことにより前記反応ガス流路内のガス圧力を減圧する、燃料電池システム。
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