JP5135824B2 - 慣性力センサ素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として自動車等のカーナビゲーションシステムや車両制御システム、あるいはカメラ等の手ブレ検知システム等に用いられる角速度センサ素子や加速度センサ素子などの慣性力センサ素子の製造方法に関するものである。
慣性力を利用して角速度または加速度を検出するセンサは広く知られているが、このような慣性力センサにおいて、特性を調整するために慣性力センサ素子の一部をトリミングする方法も知られている。このような慣性力センサ素子のトリミングの一例として、音叉形状の角速度センサ素子の梁部をトリミングする方法も知られている(特許文献1参照)。
また、半導体の分野の技術であるが、1枚のウエハから複数個の半導体チップを得る場合において、紫外線硬化フィルムからなる粘着フィルムにウエハを貼り付けて固定した状態でダイシングによりウエハを個片に分割し、この粘着フィルムに紫外線を照射させることにより粘着力を低下させてから各個片の半導体チップを取り出す方法も知られている(特許文献2参照)。
特開2004−93158号公報 特開平1−233736号公報
慣性力センサ素子の製造においても、1枚の基板から複数の慣性力センサ素子を形成する方法が考えられる。このような場合においては、上記の半導体の製造方法と同様に、紫外線硬化フィルムからなる粘着フィルムに基板の片面を貼り付けて固定している状態でダイシングにより個片の慣性力センサ素子に分割する方法が考えられる。
この様な場合において、特性を調整するためのトリミングは個片の慣性力センサ素子に分割した後に行うことも可能であるが、分割前の1枚の基板として取り扱える状態でトリミングを行うようにする方が取扱いに優れ、また作業効率が優れているので好ましい。
しかしながら、本発明者らはトリミングを行った後に基板を分割する場合において、以下のような課題が生じることを見出した。
すなわち、トリミングを施した部分に粘着フィルムを貼り付けると、基板から個片に分割された慣性力センサ素子を粘着フィルムから引き離した後においてもこのトリミング部に粘着フィルムの粘着材が残ってしまうというものである。このように粘着材がトリミング部に残ってしまうと粘着材の質量分が慣性力センサ素子に加算されてしまい、特性の悪化を引き起こしてしまうというものである。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、特性を向上させることができる慣性力センサ素子を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、質量部とこの質量部の変位に対応した電気出力を行う検出電極とを備えた慣性力センサ素子の製造方法において、基板の一部を加工することによって質量部を形成する工程と前記基板上に直接的または間接的に検出電極を含んだ形成物を形成する工程とを含んだ基板加工工程と、前記検出電極からの電気出力を検出する測定工程と、前記検出電極からの電気出力に対応して前記質量部の変位に対する電気出力を所定の関係にするために前記基板または前記形成物のいずれか一方もしくは両方をトリミングすることによってトリミング部を形成するトリミング工程と、前記基板における前記トリミング部が形成された側の面に粘着フィルムを貼った後に前記基板を個片の慣性力センサ素子に分割する分割工程と、前記粘着フィルムの粘着力を低下させる粘着力低下工程と、前記慣性力センサ素子と前記粘着フィルムを分離させる分離工程とを備え、前記分割工程の前に、分割工程における前記トリミング部に前記粘着フィルムが粘着される力を低下させるように前記粘着フィルムに粘着力低下領域を形成する粘着力低下領域形成工程を設けたもので、この製造方法によれば、基板におけるトリミング部が形成された側の面に粘着フィルムを貼った後に前記基板を個片の慣性力センサ素子に分割する分割工程の前に、分割工程における前記トリミング部に前記粘着フィルムが粘着される力を低下させるように前記粘着フィルムに粘着力低下領域を形成する粘着力低下領域形成工程を設けているため、慣性力センサ素子と粘着フィルムを分離させる分離工程後に粘着フィルムの粘着材がトリミング部に残留するのを実用上問題のないレベルにまでなくすことができ、これにより、慣性力センサ素子の特性を向上させることができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、測定工程において、検出電極からの電気出力を検出しながら質量部の変位に対する電気出力を所定の関係にするために基板または形成物のいずれか一方もしくは両方をトリミングすることによってトリミング部を形成するようにして、前記測定工程とトリミング工程とを一つの工程にしたもので、この製造方法によれば、慣性力センサ素子の特性を測定しながらトリミングによりその特性の調整を行うようにしているため、より一層の特性の向上を図ることができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、分割工程における粘着フィルムとして紫外線により硬化するフィルムを使用し、かつ粘着力低下工程は前記粘着フィルムに紫外線を照射することにより前記粘着フィルムの粘着力を低下させるようにし、さらに粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を前記粘着フィルムに紫外線を照射することによって形成したもので、この製造方法によれば、簡単な方法で粘着フィルムに粘着力低下領域を形成することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、分割工程における粘着フィルムとして熱により硬化するフィルムを使用し、かつ粘着力低下工程は前記粘着フィルムに熱を与えることにより前記粘着フィルムの粘着力を低下させるようにし、さらに粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を前記粘着フィルムに熱を与えることによって形成したもので、この製造方法によれば、簡単な方法で粘着フィルムに粘着力低下領域を形成することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項5に記載の発明は、特に、粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を粘着フィルムに貫通孔を設けることによって形成したもので、この製造方法によれば、簡単な方法で粘着フィルムに粘着力低下領域を形成することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項6に記載の発明は、特に、粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を粘着フィルムに凹部を設けることによって形成したもので、この製造方法によれば、簡単な方法で粘着フィルムに粘着力低下領域を形成することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項7に記載の発明は、特に、分割工程における粘着フィルムとして基材テープとこの基材テープ上に形成された粘着材とで構成されたものを使用するとともに、粘着力低下領域工程における粘着力低下領域を前記粘着フィルムの粘着材を除去することによって形成したもので、この製造方法によれば、簡単な方法で粘着フィルムに粘着力低下領域を形成することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項8に記載の発明は、特に、粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を非粘着材で覆うことによって形成したもので、この製造方法によれば、簡単な方法で粘着フィルムに粘着力低下領域を形成することができるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明の慣性力センサ素子の製造方法は、質量部とこの質量部の変位に対応した電気出力を行う検出電極とを備えた慣性力センサ素子の製造方法において、基板の一部を加工することによって質量部を形成する工程と前記基板上に直接的または間接的に検出電極を含んだ形成物を形成する工程とを含んだ基板加工工程と、前記検出電極からの電気出力を検出する測定工程と、前記検出電極からの電気出力に対応して前記質量部の変位に対する電気出力を所定の関係にするために前記基板または前記形成物のいずれか一方もしくは両方をトリミングすることによってトリミング部を形成するトリミング工程と、前記基板における前記トリミング部が形成された側の面に粘着フィルムを貼った後に前記基板を個片の慣性力センサ素子に分割する分割工程と、前記粘着フィルムの粘着力を低下させる粘着力低下工程と、前記慣性力センサ素子と前記粘着フィルムを分離させる分離工程とを備え、前記分割工程の前に、分割工程における前記トリミング部に前記粘着フィルムが粘着される力を低下させるように前記粘着フィルムに粘着力低下領域を形成する粘着力低下領域形成工程を設けているため、慣性力センサ素子と粘着フィルムを分離させる分離工程後に粘着フィルムの粘着材がトリミング部に残留するのを実用上問題のないレベルにまでなくすことができ、これにより、慣性力センサ素子の特性を向上させることができるという優れた効果を奏するものである。
以下、本発明の一実施の形態における慣性力センサ素子について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の一実施の形態においては、慣性力センサ素子の一例として角速度センサ素子を取り上げて説明を行う。
本発明の一実施の形態で説明する角速度センサ素子の動作原理は、公知になっている角速度センサ素子と同様であり、音叉形状の角速度センサ素子の2つの梁を開閉するように振動させておき、この状態で撓んでいないときの梁の軸方向まわりの角速度がこの角速度センサ素子に印加された場合にコリオリの力により2つの梁が振動方向に対する直角方向に撓むことを利用するものである。
図1は本発明の一実施の形態における慣性力センサ素子の製造方法を示す製造工程のフローチャート、図2は同慣性力センサ素子のトリミング工程後の斜視図、図3は同慣性力センサ素子のトリミング工程後の拡大底面図、図4は図3の横断面図、図5は同慣性力センサ素子の粘着力低下領域形成工程の斜視図、図6は同慣性力センサ素子の粘着力低下領域形成工程後の斜視図、図7は同慣性力センサ素子の分割工程前の斜視図、図8は図7の一部拡大断面図、図9は同慣性力センサ素子の分割工程後の斜視図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態における慣性力センサ素子の製造方法は、基板加工工程、測定工程、トリミング工程、粘着力低下領域形成工程、分割工程、粘着力低下工程および分離工程を備えているものである。以下、これらについて順番に説明する。
まず、図1〜図4を用いて基板加工工程を説明する。図1〜図4において、基板1はSiで構成された円板形状の基板であって、この基板1には一般の半導体の製造に用いられるウエハを用いることができる。慣性力センサ素子2は音叉形状を有し、前記基板1上に複数形成されている。分割部3は図2において2点鎖線を施した部分であり、後の分割工程において、この分割部3に沿って分割することにより、個片に分割された慣性力センサ素子2を得ることができるものである。基板開口部4は基板1を貫通する開口である。質量部5は慣性力センサ素子2の一部であり、かつ音叉形状の構成を有する慣性力センサ素子2の2本の梁に該当するものであって、1個の慣性力センサ素子2は2個の質量部5を有するものである。トリミング部6は質量部5に溝状に形成されたものであり、質量部5の変位による出力特性を調整するために形成されるものである。グランド電極7は前記質量部5に形成された導体からなる電極であり、かつこのグランド電極7は1個の質量部5について3箇所形成されており、図4に示すように質量部5の上面における中央部と両端部に形成されるものである。圧電体8はグランド電極7上に形成されており、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で構成することができる。駆動電極9は質量部5の上面における両端に位置する圧電体8上に形成された電極であり、この駆動電極9に所定の交流電圧を印加することにより、質量部5を紙面左右方向に撓ませて振動させるものである。検出電極10は質量部5の上面における中央に位置する圧電体8上に形成された電極であり、この検出電極10は質量部5の紙面上下方向の撓みに応じた電圧を出力するものである。
上記した基板加工工程は、以下の工程を含むものである。まず、基板1の全面にPtからなる導体層をスパッタ法で形成する。このPtで構成された導体層は、後にグランド電極7となるものである。次にPtで構成された導体層の上にPZTで構成された圧電体層をスパッタ法で形成する。この圧電体層は後に圧電体8となるものである。そしてこの圧電体層の上にAuで構成された導体層をスパッタ法で形成する。このAuで構成された導体層は後に駆動電極9または検出電極10となるものである。次にAuで構成された導体層、圧電体層およびPtで構成された導体層をエッチングで所定の形状に加工する。このときのエッチングはドライエッチング法を用いることができる。次に基板1の一部をエッチングにより除去することによって基板開口部4を形成する。これにより質量部5が形成され、そしてこの質量部5は撓むことが可能となる。
次に測定工程は、基板1が全体として静止している状態、すなわち、角速度が印加されていない状態で、駆動電極9に所定の交流電圧を印加して質量部5を図3における紙面左右方向に振動させ、そしてこのときの検出電極10からの出力電圧を各慣性力センサ素子2毎に測定して記憶しておく。
そして、トリミング工程は、測定工程における各慣性力センサ素子2の出力電圧に応じて質量部5をレーザーでトリミングするものである。この点について説明を加えると、理想状態にあっては、角速度が印加されていないならば、質量部5にコリオリの力は発生せず、質量部5は図3における紙面左右方向に振動をするものの図3における紙面上下方向には撓まないこととなる。しかしながら、現実的には質量部5は、図4における紙面上下方向にも撓むものとなる。この理由は、例えば質量部5の外形はエッチングにより形成されるが、エッチングによる加工において、エッチングにより形成される側壁面は垂直にはならず、僅かではあっても斜めに形成されるものである。具体的には、図4に示す質量部5の側壁面、言い換えると図4の質量部5において紙面左右方向を向いている面の形状は基板1の上面および下面に対し垂直ではなく、斜めになるものである。このことや、質量部5内が完全に均一ではないことなどが理由であると考えられる。このように、理想状態にあっては、質量部5は図3における紙面上下方向には撓まないはずであるので、理想状態にするため、あるいは理想状態に近づけるためにトリミングを行うもので、測定工程における検出電極10からの出力電圧に応じた量のトリミングを行うものである。なお、出力電圧とこれに応じたトリミングの量は、あらかじめ実験などにより求めておけばよい。
次に、図5、図6を用いて、粘着力低下領域形成工程を説明する。粘着フィルム11は粘着性を備えた紫外線硬化樹脂を表面に塗布したフィルムを用いることができる。マスク12は円板状のマスクであり、マスク開口部13はマスク12に複数形成された長方形の開口部である。粘着力低下領域14は図6において二点鎖線で囲まれた領域で、粘着フィルム11において粘着力が低下された領域である。粘着力低下領域形成工程においては、まず、マスク12を粘着フィルム11と間隔を空けて、粘着フィルム11の一部をマスク開口部13から露出させた状態で配置する。この状態で、マスク12側から紫外線を照射させると、マスク開口部13から露出している粘着フィルム11の粘着力が低下するもので、この粘着力が低下した領域が粘着力低下領域14になるものである。
次に、図7、図8、図9を用いて分割工程について説明する。図9における分割痕15は基板1を分割部3に沿って分割したことにより生じた分割痕である。この分割工程は以下のように行われるものである。基板1におけるトリミング部6が粘着力低下領域14と接触するように基板1に粘着フィルム11を貼り付ける。このようにして基板1を固定しておいて、分割部3に沿ってダイシングを行うことにより、個片の慣性力センサ素子2に分割することができる。
次に、粘着力低下工程について説明する。この工程は粘着フィルム11の基板1と接していない面の全面に紫外線を照射して粘着フィルム11の粘着力を全体的に低下させ、粘着フィルム11から慣性力センサ素子2を剥がし易くするものである。
次に、分離工程について説明する。この工程は、粘着フィルム11から個片に分割された慣性力センサ素子2を分離するもので、例えば、粘着フィルム11側からピックアップニードルを慣性力センサ素子2に突き当てながら、その反対側から慣性力センサ素子2を吸引して分離させる方法をとることができる。
以上の工程により本発明の一実施の形態における慣性力センサ素子の製造は行われるものである。
なお、上記本発明の一実施の形態における慣性力センサ素子の製造方法においては、角速度センサ素子を例に挙げて説明したが、本発明は加速度センサ素子においても適用することができるものである。加速度センサ素子に適用する場合においては、その加速度の検出方式によっては駆動電極を不要にすることができ、また、トリミング部6を質量部ではなく、質量部に連結して撓むことが可能な部分に形成することもでき、さらには、この部分と質量部の両方に形成することもできる。
また、上記本発明の一実施の形態においては、測定工程とトリミング工程とを別工程にしたが、検出電極10からの電気出力を検出しながらトリミングを行うようにすれば、測定工程とトリミング工程を同時に行うことができるものである。この場合においては、測定工程において、トリミングを行う部分が静止していることが必要となるが、例えば重力による基板1の撓みを測定しながらトリミングするなどの場合に可能となるものである。特に、慣性力センサ素子が加速度センサ素子の場合などには有効な方法である。そして、この場合には、電気出力をモニターしながらトリミングを行うことができるため、より高精度の特性の調整が可能となるものである。
そしてまた、上記本発明の一実施の形態においては、粘着フィルム11として紫外線フィルムを用いたが、この粘着フィルム11として熱硬化フィルムを用い、そして粘着力低下領域形成工程および粘着力低下工程において行った紫外線の照射に代えて、熱を加えることを行ってもよいものである。この熱を加える方法としては、レーザー光や赤外線を照射する方法のほかに、高温に熱した部材を押し当てる方法等を用いることができる。
さらに、粘着力低下領域14の形成方法としては、粘着フィルム11の所定の領域に貫通孔や凹部を形成するようにしてもよい。そしてこの貫通孔や凹部を形成する方法としては、パンチによりこれらを形成する方法を用いることができる。
さらにまた、粘着フィルム11としては、基材テープに粘着材を形成したものを用い、そして粘着力低下領域形成工程における前記粘着力低下領域14は所定の領域の粘着材を除去することにより形成してもよい。この粘着材を除去する方法としては、粘着材をレーザーで焼き切る方法を用いることができる。
また、粘着力低下領域14の形成方法としては、粘着フィルム11の所定領域を粘着性のない非粘着材で覆ってもよい。このような非粘着材で覆う方法としては、粘着フィルム11の所定領域に固体の非粘着材を貼り付ける方法や、液状、半流動体状またはペースト状の物質を粘着フィルム11の所定領域に塗ってその後硬化させるという方法を用いることができる。
そしてまた、粘着力低下領域形成工程は、分割工程より前に行うのであれば、いずれの工程の前に行ってもよい。
さらに、上記本発明は音叉形状の角速度センサ素子だけでなく、柱状の角速度センサ素子や質量部である梁を4つ設けたH型の角速度センサ素子にも適用可能なものである。
さらにまた、上記本発明の一実施の形態においては、Siで構成された基板1にグランド電極7、圧電体8、駆動電極9および検出電極10を形成した構成にしているが、前記基板は水晶などの圧電体で構成してもよいものである。
また、グランド電極7はPtで構成したものについて説明したが、これに限定されるものではなく、導体であっても信頼性および加工性等の点から良好なものを選択することができる。この点で、Ptを用いることは好ましい。
そしてまた、圧電体8はPZTに限定されるものではなく、他の圧電体材料で構成してもよい。
さらに、駆動電極9および検出電極10はAuで構成しているが、これに限定されるものではなく、導体であっても信頼性および加工性等の点から良好なものを選択することができる。
さらにまた、グランド電極7と圧電体8との間にバッファ層を形成してもよい。圧電体8と駆動電極9および検出電極10との間においても同様である。
また、粘着フィルム11は外周をリングに固定してもよく、この場合は、加工時の取扱いが容易になるという利点を有することになる。
そしてまた、粘着フィルム11に粘着力低下領域14を形成する場合、紫外線を粘着フィルム11の基板1に接する面の方から照射したが、これとは反対側の面にマスク12を配置して、こちらの方から照射してもよい。この場合、粘着フィルム11としては、裏面から紫外線を照射しても、表面側の粘着力も低下させることができるものを用いることが必要である。
さらに、トリミング工程において、トリミングする部分は基板1に限定されるものではなく、基板1上に形成された各種の電極や保護膜あるいはトリミング用に追加的に形成されたダミーの形成物であってもよい。
さらにまた、分割工程においては、ダイシングで分割するのではなく、他の分割方法であってもよい。例えば、レーザーにより分割する方法が挙げられる。
また、粘着力低下領域14は図6に示すように横方向に大きな形状になっており、基板1において横に並んでいる複数の慣性力センサ素子2のトリミング部6と一つの粘着力低下領域14が対向するような形状にしているが、一つのトリミング部6毎に一つの粘着力低下領域14を形成してもよい。このような構成にすれば、分離工程において粘着フィルム11から個片の慣性力センサ素子2を安定して分離させることができるという効果を得ることができるものである。
以上のように本発明の一実施の形態における慣性力センサ素子の製造方法においては、質量部5とこの質量部5の変位に対応した電気出力を行う検出電極10とを備えた慣性力センサ素子の製造方法において、基板1の一部を加工することによって質量部5を形成する工程と前記基板1上に直接的または間接的に検出電極10を含んだ形成物を形成する工程とを含んだ基板加工工程と、前記検出電極10からの電気出力を検出する測定工程と、前記検出電極10からの電気出力に対応して前記質量部5の変位に対する電気出力を所定の関係にするために前記基板1または前記形成物のいずれか一方もしくは両方をトリミングすることによってトリミング部6を形成するトリミング工程と、前記基板1における前記トリミング部6部が形成された側の面に粘着フィルム11を貼った後に前記基板1を個片の慣性力センサ素子2に分割する分割工程と、前記粘着フィルム11の粘着力を低下させる粘着力低下工程と、前記慣性力センサ素子2と前記粘着フィルム11を分離させる分離工程とを備え、前記分割工程の前に、前記分割工程における前記トリミング部6に前記粘着フィルム11が粘着される力を低下させるように前記粘着フィルム11に粘着力低下領域14を形成する粘着力低下領域形成工程を設けているため、前記慣性力センサ素子2と前記粘着フィルム11を分離させる分離工程後に粘着フィルム11の粘着材がトリミング部6に残留するのを実用上問題のないレベルにまでなくすことができ、これにより、慣性力センサ素子2の特性を向上させることができるものである。
また、測定工程において、検出電極10からの電気出力を検出しながら質量部5の変位に対する電気出力を所定の関係にするために基板1または形成物のいずれか一方もしくは両方をトリミングすることによってトリミング部6を形成するようにして、前記測定工程とトリミング工程とを一つの工程にした場合は、慣性力センサ素子2の特性を測定しながらトリミングによりその特性の調整を行うことができるため、より一層の特性の向上を図ることができるものである。
そしてまた、分割工程における粘着フィルム11として紫外線により硬化するフィルムを使用し、そして粘着力低下工程においては、前記粘着フィルム11に紫外線を照射することにより前記粘着フィルム11の粘着力を低下させ、さらに粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域14を前記粘着フィルム11に紫外線を照射することによって形成するようにすれば、簡単な方法で粘着フィルム11に粘着力低下領域14を形成することができるものである。
さらに、前記分割工程における粘着フィルム11として熱により硬化するフィルムを使用し、そして粘着力低下工程においては、前記粘着フィルム11に熱を与えることにより前記粘着フィルム11の粘着力を低下させ、さらに粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域14を前記粘着フィルム11に熱を与えることによって形成するようにすれば、簡単な方法で粘着フィルム11に粘着力低下領域14を形成することができるものである。
さらにまた、粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域14を粘着フィルム11に貫通孔を設けることによって形成するようにすれば、簡単な方法で粘着フィルム11に粘着力低下領域14を形成することができるものである。
また、粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域14を粘着フィルム11に凹部を設けることによって形成するようにすれば、簡単な方法で粘着フィルム11に粘着力低下領域14を形成することができるものである。
そしてまた、分割工程における粘着フィルム11として基材テープとこの基材テープ上に形成された粘着材とで構成されたものを使用するとともに、粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域14を前記粘着フィルム11の粘着材を除去することによって形成するようにすれば、簡単な方法で粘着フィルム11に粘着力低下領域14を形成することができるものである。
さらに、粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域14を非粘着材で覆うことによって形成するようにすれば、簡単な方法で粘着フィルム11に粘着力低下領域14を形成することができるものである。
本発明に係る慣性力センサ素子の製造方法は、分割工程の前に、分割工程におけるトリミング部に粘着フィルムが粘着される力を低下させるように前記粘着フィルムに粘着力低下領域を形成する粘着力低下領域形成工程を設けることにより、慣性力センサ素子の特性を向上させることができるという効果を得たものであり、特に自動車等のカーナビゲーションシステムや車両制御システム、あるいはカメラ等の手ブレ検知システム等に使用される角速度センサや加速度センサあるいはその他の電気機器に用いる角速度センサや加速度センサに適用しても有用なものである。
本発明の一実施の形態における慣性力センサ素子の製造方法を示す製造工程のフローチャート 同慣性力センサ素子のトリミング工程後の斜視図 同慣性力センサ素子のトリミング工程後の拡大底面図 図3の横断面図 同慣性力センサ素子の粘着力低下領域形成工程の斜視図 同慣性力センサ素子の粘着力低下領域形成工程後の斜視図 同慣性力センサ素子の分割工程前の斜視図 図7の一部拡大断面図 同慣性力センサ素子の分割工程後の斜視図
符号の説明
1 基板
2 慣性力センサ素子
3 分割部
4 基板開口部
5 質量部
6 トリミング部
7 グランド電極
8 圧電体
9 駆動電極
10 検出電極
11 粘着フィルム
12 マスク
13 マスク開口部
14 粘着力低下領域
15 分割痕

Claims (8)

  1. 質量部とこの質量部の変位に対応した電気出力を行う検出電極とを備えた慣性力センサ素子の製造方法において、基板の一部を加工することによって質量部を形成する工程と前記基板上に直接的または間接的に検出電極を含んだ形成物を形成する工程とを含んだ基板加工工程と、前記検出電極からの電気出力を検出する測定工程と、前記検出電極からの電気出力に対応して前記質量部の変位に対する電気出力を所定の関係にするために前記基板または前記形成物のいずれか一方もしくは両方をトリミングすることによってトリミング部を形成するトリミング工程と、前記基板における前記トリミング部が形成された側の面に粘着フィルムを貼った後に前記基板を個片の慣性力センサ素子に分割する分割工程と、前記粘着フィルムの粘着力を低下させる粘着力低下工程と、前記慣性力センサ素子と前記粘着フィルムを分離させる分離工程とを備え、前記分割工程の前に、分割工程における前記トリミング部に前記粘着フィルムが粘着される力を低下させるように前記粘着フィルムに粘着力低下領域を形成する粘着力低下領域形成工程を設けた慣性力センサ素子の製造方法。
  2. 測定工程において、検出電極からの電気出力を検出しながら質量部の変位に対する電気出力を所定の関係にするために基板または形成物のいずれか一方もしくは両方をトリミングすることによってトリミング部を形成するようにして、前記測定工程とトリミング工程とを一つの工程にした請求項1記載の慣性力センサ素子の製造方法。
  3. 分割工程における粘着フィルムとして紫外線により硬化するフィルムを使用し、かつ粘着力低下工程は前記粘着フィルムに紫外線を照射することにより前記粘着フィルムの粘着力を低下させるようにし、さらに粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を前記粘着フィルムに紫外線を照射することによって形成した請求項1〜2のいずれかに記載の慣性力センサ素子の製造方法。
  4. 分割工程における粘着フィルムとして熱により硬化するフィルムを使用し、かつ粘着力低下工程は前記粘着フィルムに熱を与えることにより前記粘着フィルムの粘着力を低下させるようにし、さらに粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を前記粘着フィルムに熱を与えることによって形成した請求項1〜2のいずれかに記載の慣性力センサ素子の製造方法。
  5. 粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を粘着フィルムに貫通孔を設けることによって形成した請求項1〜2のいずれかに記載の慣性力センサ素子の製造方法。
  6. 粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を粘着フィルムに凹部を設けることによって形成した請求項1〜2のいずれかに記載の慣性力センサ素子の製造方法。
  7. 分割工程における粘着フィルムとして基材テープとこの基材テープ上に形成された粘着材とで構成されたものを使用するとともに、粘着力低下領域工程における粘着力低下領域を前記粘着フィルムの粘着材を除去することによって形成した請求項1〜2のいずれかに記載の慣性力センサ素子の製造方法。
  8. 粘着力低下領域形成工程における粘着力低下領域を非粘着材で覆うことによって形成した請求項1〜2のいずれかに記載の慣性力センサ素子の製造方法。
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