JP5135794B2 - モータ制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1つの回転子を備え、少なくとも2つの周波数成分の交流電流を重畳して駆動する交流モータの制御方法に関するものである。
従来、少なくとも1つの回転子を備え、少なくとも2つの周波数成分の交流電流を重畳して駆動する交流モータの制御方法が知られており(例えば、特許文献1参照)、このモータ制御方法では、矩形波電圧パルスを振幅方向に重ね、複合電流を制御している。
特開2003−299393号公報
しかしながら、上述した従来のモータ制御方法においては、矩形波電圧パルスを振幅方向に重ねるために、電力変換器をマルチレベルのインバータで構成する必要があり、インバータのスイッチ数が増加し、装置のコスト・サイズの増大を伴う問題があった。また、直流電圧を振幅方向で分割した矩形波になるため、直流電圧値を線間に印加している時間比率が短くなり、電圧利用率が低下するという問題もあった。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、通常の2レベルインバータを用いても、矩形波電圧による複合電流の制御を可能とし、電圧利用率を向上させ、モータの出力を増加させることができるモータ制御方法を提供しようとするものである。
本発明のモータ制御方法は、少なくとも1つの回転子を備え、少なくとも2つの周波数成分の交流電流を重畳して駆動する交流モータの制御方法において、交流電流のいずれかの周波数の電気角1周期内に、複数の矩形波相電圧パルスを生成し、複数の矩形波相電圧パルスの位相と幅とを操作し、前記電気角周波数成分の交流電流と、その複数次数の周波数成分の交流電流とを制御することを特徴とするものである。
本発明のモータ制御方法では、マルチレベルインバータを用いずとも、複数パルスの幅と位相を操作することによって、基本周波数によるトルクと複数次数成分によるトルクのそれぞれを制御することが可能になる。また、複数パルス駆動により、PWMによる複合電流制御や、電源電圧よりも低い電圧を用いるマルチレベルインバータと比較して、電源電圧の利用率を向上することができ、同じ電源電圧でありながら、最大出力を増加することができる。さらに、PWMに対しては、スイッチング損失を低減して、効率を向上することができる。
また、本発明のモータ制御方法の好適例としては、生成する矩形波相電圧パルスの数が2つであり、2つの矩形波相電圧パルスの位相と幅とを操作し、前記電気角周波数成分の交流電流と、その2倍の周波数成分の交流電流とを制御するよう構成することができる。このように構成することで、マルチレベルインバータを用いずとも、2パルスの幅と位相とを操作することによって、基本波周波数によるトルクと2次成分によるトルクのそれぞれを制御することが可能になる。また、2パルス駆動により、PWMによる複合電流制御や、電源電圧よりも低い電圧を用いるマルチレベルインバータと比較して、電源電圧の利用率を向上することができ、同じ電源電圧でありながら、最大出力を増加することができる。さらに、PWMに対しては、スイッチング損失を低減して、効率を向上することができる。
さらに、本発明のモータ制御方法の好適例としては、2つの矩形波相電圧パルスのそれぞれの幅と位相とを制御する手段を備え、トルク指令値と回転速度とから、矩形波相電圧パルスの幅と位相とを求めるよう構成することができる。このように構成することで、トルク指令値や回転速度が変化する場合に、パルス幅と位相とを操作することによって、トルク指令値を実現することができる。
さらにまた、本発明のモータ制御方法の好適例としては、2つの矩形波相電圧パルスが、高電位と低電位との時間を均等にしたパルス電圧であるよう構成することができる。このように構成することで、相電流に不要なオフセットを発生させず、損失やトルクリプルを生じさせずにすむ。
また、本発明のモータ制御方法の好適例としては、2つの矩形波相電圧パルスが、高電位と低電位との時間を均等にしたパルス電圧であるよう構成することができる。このように構成することで、均等なパルス電圧でも、インバータの回路や不均衡によって、相電流にオフセットが生じるようなときに、不要なオフセット電流を生じさせずにすむ。
さらに、本発明のモータ制御方法の好適例としては、相電流のオフセットを検出する手段と、補正パルス幅を演算するオフセット電流制御手段とを備え、オフセット電流制御手段は、検出オフセット電流値を0になるように補正パルス幅を演算し、前記高電位と低電位との時間を均等にしたパルス電圧と補正パルス幅とから、補正したパルス電圧指令を出力するよう構成することができる。このように構成することで、相電流オフセットを生じさせずにすむ。
さらにまた、本発明のモータ制御方法の好適例としては、PWM電圧パルスと、前記回転子の1つの電気角周期内に、2つの矩形波相電圧パルス、もしくは、1つの矩形波相電圧パルスのいずれかの電圧パルスを、前記交流モータに供給するよう構成することができる。このように構成することで、PWM駆動よりも2パルス駆動を用いて、電圧利用率を向上させ、モータの出力を向上させることができる。また、DC電流の上限リミッタを超過しないように、2パルス駆動から1パルス駆動へ切り替えることにより、DC電圧・電流の制約のもと、電圧利用率を向上させて、モータの出力を最大限に用いることが可能となる。
また、本発明のモータ制御方法の好適例としては、PWM電圧パルス指令と矩形波相電圧パルス指令とを選択して電圧パルス指令を出力する手段と、前記電圧パルス指令にデッドタイムを付加する手段とを備え、電力変換装置を、デッドタイムを付加した電圧パルス指令に基づいて駆動するよう構成することができる。このように構成することで、どのようなパルスの立ち上がり・立ち下がり時にも、必ずデッドタイムを付加し、上下アームの短絡を防止することができる。
さらに、本発明のモータ制御方法の好適例としては、PWM電圧パルス指令と矩形波相電圧パルス指令とを選択して電圧パルス指令を出力する手段は、ロータの回転速度と、トルク指令値とから、電圧パルス指令を選択して出力するよう構成することができる。このように構成することで、駆動方法の切り替え条件を求め、モータに多大な電流が流れるよなことなく、電圧利用効率向上を得ることができる。また、未然に、DC電流の上限リミッタを超過しないように、2パルス駆動から1パルス駆動へ切り替えることができる。
さらにまた、本発明のモータ制御方法の好適例としては、相電圧指令値を生成する電流制御手段を備え、PWM電圧パルス指令は、前記相電圧指令値をPWMキャリア周波数で変調して生成するモータ制御装置であって、PWM電圧パルス指令と矩形波相電圧パルス指令とを選択して電圧パルス指令を出力する手段は、前記相電圧指令値のピークと、予め設定した相電圧しきい値を超過した際に矩形波相電圧パルス指令を選択するよう構成することができる。このように構成することで、バッテリ電圧が変動するような場合であっても、2つの周波数を制御する相電圧指令値ピークと、バッテリ電圧で決まる上限値との比較を行って、各次数成分の電圧値が大きく変化することなく、すなわち、大きな電流変動を伴わずに切り替えを行うことができる。
また、本発明のモータ制御方法の好適例としては、交流モータは、1つの回転子を備え、前記回転子の電気角周波数と、その2倍の周波数成分の誘起電圧を生じる交流モータであるよう構成することができる。このように構成することで、磁石磁束に基本波成分と2次成分とを含むモータであるため、それぞれの磁束の方向を基準として、基本波周波数の電圧と2次成分の電圧とを2つの駆動は電圧パルスで生成し、それぞれの周波数成分でトルク制御することができる。
以下、図面を参照して、本発明のモータ制御方法の実施態様を説明する。
<本発明のモータ制御方法の対象となるモータについて>
図1(a)、(b)はそれぞれ本発明のモータ制御方法の対象となるモータの一例を説明するための図である。図1(a)、(b)に示す例において、モータ1は、円筒形状のステータ2とステータ2の内側に設けた円筒形状のロータ3とを、所定のギャップを保って同軸状に形成して構成されている。ステータ2は、複数(ここでは18スロット)の電磁鋼板等からなるステータティース2−1を組み合わせて構成されている。また、各ステータティース2−1に対し、軸方向にコイル2−2を巻回している。ロータ3は、外側の3極対の磁石3−1と内側の6極対の磁石3−2とを重ね合わせて構成されている。
図1(a)に示す例において、3極対の磁石3−1と6極対の磁石3−2とを重ね合わせたロータ3の径方向に異極同士重なっている部分を鋼板4(好ましくはエアギャップ)に置き換えるとともに、3極対の磁石3−1と6極対の磁石3−2とが径方向に同極同士重なっている部分を、極性毎に一方の磁極の磁石5と他方の磁極の磁石6と置き換えることで、モータ1のロータ3を構成している。
図2は本発明のモータ制御方法の対象となるモータの他の例を説明するための図である。図2に示す例において、モータ1は、1個の円環状のステータ2と、その半径方向内方および外方にそれぞれ互いに同軸上にて回転自在に配置されたインナーロータ3Iとアウターロータ3Oとよりなる三重構造とし、これらをハウジング7内に収納して構成されている。
図1(a)、(b)に示す例および図2に示す例とも、図1(a)、(b)に示す例では外側の磁石および内側の磁石のそれぞれに対応した電流を複合した複合電流を、図2に示す例ではインナーロータおよびアウターロータ内の磁石のそれぞれに対応した電流を複合した複合電流を、1つのステータに給電することで、ロータを回転させることができる。
<第1実施例>
図3は本発明のモータ制御方法の第1実施例を説明するための回路・ブロック図である。図3に示す例において、三相交流モータ51へ電力を供給するインバータ52を、平滑コンデンサ53を介して直流電源54と接続する。このインバータ52の各スイッチのゲート駆動指令を生成するのが、モータ制御器100であり、トルク指令値T*を入力とし、検出した相電流iu、iwと位置センサ(PS)61から得たロータ位相をもとに、制御演算を行う。ここで三相交流モータ51は、例えば図1(a)、(b)に示すように、永久磁石同期モータであり、誘起電圧波形には、基本波周波数と2次周波数とを含んでいる。
相電流は電流センサ60a、60bにて検出を行う。三相交流をそれぞれ検出しても良いが、三相交流の和が0となるという条件を用いれば、二相を検出すれば、残る一相は推定ができる。また、位置センサ61から得た位相を用いて、位相・速度演算器106にて、電気角θと機械的な回転角速度ωmを演算する。
モータトルク制御器102は、トルク指令値T*、回転角速度ωmおよびインバータの直流電圧Vdcを入力として、電流指令値id1*、iq1*、id2*、iq2*を生成する。ここで、電流指令値は、電気角周波数に同期して回転するdq座標系における電流指令であり、モータの基本波電流に相当するのがid1*、iq1*であって、2次高調波電流に相当するのが、id2*、iq2*である。この電流指令値は、トルク指令値T*のトルクを実現できる電流指令値の組み合わせの中で、モータ・インバータの効率を最大とする組み合わせを選択し、Vdc、ωm、T*の3次元のマップとして記録しておく。それら用意されたマップの中間値となる値を参照した場合には、線形補完をすることによって、出力値を演算する。また、このモータトルク制御器102は、高回転時のパルス駆動でのパルス指令と、PWM駆動とパルス駆動の切替を選択する切替信号とを出力する。パルス駆動の詳細は後に述べる。
電流変換101では、基本波・二次高調波それぞれの電気角に同期した回転座標に、相電流を座標変換し、id1、iq1、id2、iq2を得る。これらの電流値と電流指令値とを用いて、電流制御器103で、各相の相電圧指令値vu*、vv*、vw*を演算する。この基本波と高調波の電流制御方法については、特許第3775290号などの高調波電流制御を用いることによって、相電圧指令値を演算することができる。これら相電圧指令値は、直流電圧Vdcを用いて規格化し、変調率mu*、mv*、mw*を以下のように演算する。
mu*=2vu*/Vdc
mv*=2vv*/Vdc
mw*=2vw*/Vdc
これら変調率は、駆動パルス生成器105に入力し、PWMパルスを生成する。駆動パルス生成器105のうち、U相の詳細を図4に示す。図4に示す例において、変調率指令mu*は、PWMパルス生成器151にて、設定したキャリア周波数の三角波と比較し、インバータのP側スイッチの駆動指令UP1とN側の指令UN1を生成する。この駆動指令は、キャリア周波数のパルス波形となる。
一方で、矩形波パルス生成器152では、パルス指令信号を入力し、図5に示すような電気角周波数内に2つ、もしくは1つのパルス波形を駆動指令UP2、UN2として生成する。パルス指令は、それぞれのパルスの中心位置となる位相P1、P2と、そのパルスの幅a、bとを入力して、電気角θと比較するための位相x1、x2、x3、x4を演算する。
x1=P1−a/2
x2=P1+a/2
x3=P2−b/2
x4=P2+b/2
図6に示すように、これらの演算結果とθとを比較し、UP2を生成する。x1、x3でパルスをHレベルにし、x2、x4でパルスをLレベルにする。このパルス幅a、bの和はπになるように操作し、x1=x2のような場合には、x3、x4で生成されるパルスのみになるため、電気角1周期に現れるパルスは1つになる。また、UN2はUP2と反転した信号として生成する。同様にして、V相、W相の駆動指令を生成する。
図5に示した2パルスでは、電気角θの基本波周波数成分と、その2次周波数成分を含む。このaとbの幅が等しくなるように操作すると、電気角θの2次周波数成分が最も大きく、そのほか、偶数次の周波数成分を含むことになる。また、どちらか一方のパルス幅を0にすると、電気角θの基本波周波数成分を最も大きくすることができ、そのほか、奇数次周波数成分を含むことになる。このaとbの幅の和はπとしていることから、これらの比率によって、基本波周波数成分と2次周波数成分との幅の比率を操作することができる。また、この2つのパルスの位相P1、P2を操作することによって、基本波周波数・2次周波数成分の電圧位相を制御することができる。
パルスの幅bとP2位相とを操作したときの基本波周波数成分の位相δ1の変化を図7に示した。bの幅を変化させることで、δ1はP2に対して非線形に変化するようになるが、図7の位相の範囲では、P2に対して単調減少の関係となる。また、2次周波数成分の位相は、P1の位相の±π/2の関係となり、P1を操作することで制御することができる。前述の関係ではb>aの幅であり、このように、2パルスのうち、パルス幅の大きなパルスの位相を操作することによって、基本波周波数成分の電圧振幅を制御することとなる。一方で、パルス幅の小さなパルスの位相を操作すれば、2次周波数の電圧位相を制御することができ、その幅を制御することで、2次周波数の電圧振幅を制御することができる。
永久磁石同期モータでは、d軸を磁石磁束の方向にとり、電圧ベクトルがq軸に対してなす角度δ(図8参照)を操作することで、トルクを制御できることが知られている。δを0〜π/2の範囲で正方向に増加させていけば、トルクを増加させることができ、また、逆にδを負方向に操作することで、負のトルクを増加させることができる。本実施例のモータは図1(a)、(b)に示すように、磁石磁束に基本波成分と2次成分を含むモータであるため、それぞれの磁束の方向を基準として、同期する回転座標系を設ければ、基本波周波数の電圧と2次成分の電圧とで、それぞれの周波数成分でトルクを制御することができる。モータトルク制御器102は、トルク指令値をもとに、これらのパルス指令信号である幅と位相とを生成する。
このため、本発明により、マルチレベルインバータを用いずとも、2パルスの幅と位相とを操作することによって、基本波周波数によるトルクと2次成分によるトルクのそれぞれを制御することが可能になる。2パルス駆動により、PWMによる複合電流制御や、電源電圧よりも低い電圧を用いるマルチレベルインバータと比較して、電源電圧の利用率を向上することができ、同じ電源電圧でありながら、最大出力を増加することができる。また、PWMに対しては、スイッチング損失を低減して、効率を向上することができる。本発明により、2パルス電圧をモータに印加した場合の相電流波形を図9に示す。図9のように、基本波電流と2次電流とを複合した電流に制御できていることがわかる。
また、2パルス駆動、1パルス駆動、PWM駆動をモータトルク制御器102にて切替信号を出力する。モータトルクトルク制御器102は、図10に示したようなマップデータを予めもっておき、トルク指令値とモータの回転速度とを入力として、各モードの切り替えを行う。このように切り替えを行うことで、PWM駆動よりも2パルス駆動を用いて、電圧利用率を向上させ、モータの出力を向上することができる。また、2パルス駆動時には、相電流の2次高調波に起因したDC電流脈動も生じるため、DC電流の上限リミッタを超過しないように、2パルス駆動から1パルス駆動に切り替える。1パルス駆動は、パルス幅指令a、bのうちb=0とすることで行うため、1パルス駆動用のパルス生成手段は持たずによい。このように駆動することによって、DC電圧・電流の制約の元、電圧利用率を向上させて、モータの出力を最大限に用いることが可能となる。
各駆動方法の切り替えは、図4に示す例のように、ゲート信号選択153におけるゲート選択によって行い、その選択出力後、デッドタイム生成154にて、各パルスの立ち上がり時間を設定したデッドタイム時間分遅延させることで、上下アームの短絡を防止する。PWM駆動、矩形波駆動それぞれにデータタイム生成回路を設けた場合には、切り替え時の上下短絡を防止できないが、本発明の構成のように、各駆動方法を選択した後にデッドタイム生成を行うことによって、どのようなパルスの立ち上がり・立ち下がり時にも、必ずデッドタイムを付加し、上下アームの短絡を防止することができる。
<第2実施例>
図11は本発明のモータ制御方法の第2実施例を説明するための回路・ブロック図である。第2実施例では、第1実施例との差異のみを説明する。図11に示す例においては、アウターロータとインナーロータとを持ち、その間のステータは6相の巻線が施されているモータ51b(図2の例を参照)を対象としている。この6相のモータ51bをインバータ52bで駆動する。モータ制御器100bは、アウターロータの位相θ1およびインナーロータの位相θ2を、位置センサ61a、61bで検出する。また、6相の相電流を検出し、座標変換を行って、dq座標における電流制御をPWM駆動時に行う。なお、本実施例では、6相モータを3相巻線の二組の構成にすることで、3相での第1実施例と同様に、3相中1相を推定することで、相電流センサ60a、60b、60c、60dの4つでよい。
インナーロータの電気角速度とアウターロータの電気角速度とが2:1のとき、第1実施例と同様に、アウターロータの回転に同期した電気角1周期内に、2パルスの電圧を生成する。このとき、パルス幅の広いほうのパルスをアウターロータのトルク制御に用い、その位相と幅を操作する。また、インナーロータのトルク制御には、パルス幅の細いほうのパルスを用いる。これらのパルス幅は、両ロータに供給する電圧の比率を、パルスの幅の比率にする。このような2パルス駆動を行うことによって、6相インバータをマルチレベル化することもなく、電圧利用率と効率を向上させたモータ駆動が可能になる。
<第3実施例>
図12は本発明のモータ制御方法の第3実施例を説明するための回路・ブロック図である。第3実施例でも、第1実施例との差異のみを説明する。図12に示す例において、LPF(ローパスフィルタ)107では、各相毎に検出した相電流に含まれるDC成分を抽出する。補正パルス演算108では、抽出したDC成分iu0とiw0を元に、DC成分電流指令値を0として、PI制御を行ってDC成分制御パルスとしてのU相補正パルスvu0*、V相補正パルスvv0*を演算する。
この補正パルスvu0*、vv0*は、パルス幅を示す値である。この補正パルスは、モータトルク制御器から出力される2つのパルス幅の指令a、bのうち、パルス幅の広いほうにa=a+vu0*として加算する。ただし、図13に示すように、パルス幅の指令は、補正後のaも0以下にならないようにリミッタ111を設ける。このようにして生成されたパルス幅a、bを用いて、2パルスを生成する。一例を図14に示す。
<第4実施例>
図15は本発明のモータ制御方法の第4実施例を説明するための回路・ブロック図である。第4実施例でも、第1実施例との差異のみを説明する。図15に示す例において、モータ制御器100dの電流制御器103dでは、モータ51の各次数成分のdq座標上での電流指令値id1*、iq1*、id2*、iq2*と、検出した電流値id1、iq1、id2、iq2とを入力として、各相の相電圧指令値vu*、vv*、vw*を演算する。
電流制御器103dの詳細を図16に示す。各電流指令値と検出した電流値との差を求め、PI制御器201〜204に入力し、それぞれ制御電圧を演算する。また、演算部205、206において、電流指令値と電気角速度から、モータのインダクタンス値、誘起電圧定数のパラメータを用いて、速度起電力項をフィードフォワード的に演算する。この出力vd1f、vq1f、vd2f、vq2fは、それぞれのPI制御器の出力に加算して、3相交流への座標変換器207、208で、それぞれ3相交流へ変換し、各相毎に相電圧指令値をkさんして、vu*、vv*、vw*を演算する。
また、演算したvd1f、vq1f、vd2f、vq2fを、相電圧ピーク値Vpkのピーク演算器209に入力する。vd1f、vq1fから、基本波の電圧位相と振幅を演算し、vd2f、vq2fから、二次高調波の電圧位相と振幅を演算した後に、それらの位相差と振幅から、相電圧のピーク値Vpkを演算する。このVpkを切替信号生成器210に入力して、バッテリ電圧Vdcの半分Vdc/2の値と比較して、Vpkが超過した場合には2パルス駆動に切り替えし、超過しない場合にはPWM駆動に切り替える。
このように切り替えを行うことで、バッテリ電圧が変動するような場合であっても、2つの周波数を制御する相電圧指令値ピークと、バッテリ電圧で決まる上限値との比較を行って、各次数成分の電圧値が大きく変化することなく、すなわち、大きな電流変動を伴わずに切り替えを行うことができる。また、PI制御のようなフィードバック制御の結果の相電圧指令値を切り替えの判別に用いるのではなく、電流指令値と回転速度とからフィードフォワード的に演算することで、定常状態の相電圧指令値に近い値を演算することができる。これによって、トルク指令値の過渡変化時に、相電圧指令値のピーク値が過渡的に大きくなってしまう場合にも、不要にPWM駆動と2パルス駆動の切り替えを発生させることもない。
本発明のモータ制御方法によれば、マルチレベルインバータを用いずとも、複数パルスの幅と位相を操作することによって、基本周波数によるトルクと複数次数成分によるトルクのそれぞれを制御することが可能になる。そのため、通常の2レベルインバータを用いても、矩形波電圧による複合電流の制御を可能とし、電圧利用率を向上させ、モータの出力を増加させることができるモータ制御方法を提供することができる。
(a)、(b)はそれぞれ本発明のモータ制御方法の対象となるモータの一例を説明するための図である。 本発明のモータ制御方法の対象となるモータの他の例を説明するための図である。 本発明のモータ制御方法の第1実施例を説明するための回路・ブロック図である。 第1実施例において、図3に示す駆動パルス生成器のうち、U相の詳細を示すブロック図である。 第1実施例で用いるパルスの一例として2パルスの状態を示す図である。 第1実施例において、演算結果x1、x2、x3、x4と電気角θとの関係を説明するための図である。 第1実施例において、パルスの幅bとP2位相とを操作したときの基本波周波数成分の位相δ1の変化を説明するためのグラフである。 第1実施例において、dq座標系において電圧ベクトルVdqとそのq軸とのなす角δとの関係を説明するためのグラフである。 第1実施例において、2パルス電圧をモータに印加した場合の相電流波形を説明するためのグラフである。 第1実施例において、トルク指令値とロータ回転速度との関係のマップデータを説明するためのグラフである。 本発明のモータ制御方法の第2実施例を説明するための回路・ブロック図である。 本発明のモータ制御方法の第3実施例を説明するための回路・ブロック図である。 第3実施例において、リミッタを用いたパルス幅の補正の一例を説明するための図である。 第3実施例で用いるパルスの一例として2パルスの状態を示す図である。 本発明のモータ制御方法の第4実施例を説明するための回路・ブロック図である。 第3実施例において、図15に示す電流制御器の詳細を説明するためのブロック図である。
符号の説明
1 モータ
2 ステータ
2−1 スタータティース
2−2 コイル
3 ロータ
3−1、3−2、5、6 磁石
3I インナーロータ
3O アウターロータ
4 鋼板
7 ハウジング
51 三相交流モータ
52 インバータ
53 平滑コンデンサ
54 直流電源
60a、60b、60c、60d 電流センサ
61、61a、61b 位置センサ
100、100b、100c、100d モータ制御器
101、101b、101c、101d 電流変換
102、102b、102c、102d モータトルク制御器
103、103b、103c、103d 電流制御器
104、104b、104c、104d 変調率演算器
105、105b、105c、105d 駆動パルス生成器
106、106b、106c、106d 位相・速度演算器
107 LPF
108 補正パルス演算
151 PWMパルス生成器
152 矩形波パルス生成器
153 デッドタイム生成
201〜204 PI制御器
205、206 演算部
207、208 座標変換器
209 ピーク演算器
210 切替信号生成器

Claims (11)

  1. 少なくとも1つの回転子を備え、少なくとも2つの周波数成分の交流電流を重畳して駆動する交流モータの制御方法において、交流電流のいずれかの周波数の電気角1周期内に、複数の矩形波相電圧パルスを生成し、複数の矩形波相電圧パルスの位相と幅とを操作し、前記2つの周波数成分のうち低い方の電気角周波数成分の交流電流と、その複数次数の周波数成分の交流電流とを制御することを特徴とするモータ制御方法。
  2. 生成する矩形波相電圧パルスの数が2つであり、2つの矩形波相電圧パルスの位相と幅とを操作し、前記電気角周波数成分の交流電流と、その2倍の周波数成分の交流電流とを制御することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御方法。
  3. 2つの矩形波相電圧パルスのそれぞれの幅と位相とを制御する手段を備え、トルク指令値と回転速度とから、矩形波相電圧パルスの幅と位相とを求めることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御方法。
  4. 2つの矩形波相電圧パルスは、高電位と低電位との時間を均等にしたパルス電圧であることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御方法。
  5. 2つの矩形波相電圧パルスは、高電位と低電位との時間を不均等にしたパルス電圧であることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御方法。
  6. 相電流のオフセットを検出する手段と、補正パルス幅を演算するオフセット電流制御手段とを備え、オフセット電流制御手段は、検出オフセット電流値を0になるように補正パルス幅を演算し、前記高電位と低電位との時間を均等にしたパルス電圧と補正パルス幅とから、補正したパルス電圧指令を出力することを特徴とする請求項5に記載のモータ制御方法。
  7. PWM電圧パルスと、前記回転子の1つの電気角周期内に、2つの矩形波相電圧パルス、もしくは、1つの矩形波相電圧パルスのいずれかの電圧パルスを、前記交流モータに供給することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータ制御方法。
  8. PWM電圧パルス指令と矩形波相電圧パルス指令とを選択して電圧パルス指令を出力する手段と、前記電圧パルス指令にデッドタイムを付加する手段とを備え、電力変換装置を、デッドタイムを付加した電圧パルス指令に基づいて駆動することを特徴とする請求項7に記載のモータ制御方法。
  9. PWM電圧パルス指令と矩形波相電圧パルス指令とを選択して電圧パルス指令を出力する手段は、ロータの回転速度と、トルク指令値とから、電圧パルス指令を選択して出力することを特徴とする請求項7に記載のモータ制御方法。
  10. 相電圧指令値を生成する電流制御手段を備え、PWM電圧パルス指令は、前記相電圧指令値をPWMキャリア周波数で変調して生成するモータ制御装置であって、PWM電圧パルス指令と矩形波相電圧パルス指令とを選択して電圧パルス指令を出力する手段が、前記相電圧指令値のピークと、予め設定した相電圧しきい値を超過した際に矩形波相電圧パルス指令を選択することを特徴とする請求項7に記載のモータ制御方法。
  11. 交流モータは、1つの回転子を備え、前記回転子の電気角周波数と、その2倍の周波数成分の誘起電圧を生じる交流モータであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のモータ制御方法。
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