JP2004242424A - 永久磁石形モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供する。
【解決手段】巻線14を有するステータ10と、複数の磁極数に着磁されたリング磁石を有するロータ1から構成した永久磁石形モータにおいて、リング磁石を中空円筒形の内周側リング磁石4aとその外周を覆った中空円筒形の外周側リング磁石5aの2個で構成し、内周側リング磁石4aの磁極数をN(Nは自然数)とした場合、外周側リング磁石5aの磁極数を3×Nにするとともに、外周側リング磁石5aの外径をDm、内周側リング磁石4aの外径をDc1、内径をDbとした場合、
0.5 < Db/Dm < 1 において、
0.88 < Dc1/Dm < 1 とする。
【選択図】 図1
【解決手段】巻線14を有するステータ10と、複数の磁極数に着磁されたリング磁石を有するロータ1から構成した永久磁石形モータにおいて、リング磁石を中空円筒形の内周側リング磁石4aとその外周を覆った中空円筒形の外周側リング磁石5aの2個で構成し、内周側リング磁石4aの磁極数をN(Nは自然数)とした場合、外周側リング磁石5aの磁極数を3×Nにするとともに、外周側リング磁石5aの外径をDm、内周側リング磁石4aの外径をDc1、内径をDbとした場合、
0.5 < Db/Dm < 1 において、
0.88 < Dc1/Dm < 1 とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工作機械や半導体製造装置などのFA分野で、特に速度リプルを嫌う駆動軸に用いられるサーボモータおよびダイレクトドライブモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
速度リプルを嫌う駆動軸には、その発生原因となるコギングトルクが極めて小さい永久磁石形モータが適用される。例えば、このような永久磁石形モータとして、例えば特許文献1に開示されるラジアル異方性リング磁石を用いたものがある。図5は従来技術における永久磁石形モータを示す正断面図である。
図において、1はロータ、2はシャフト、3はロータヨーク、4はラジアル異方性リング磁石、10はステータ、11はステータヨーク、12はティース、13はスロット、14は巻線である。
ロータ1は、シャフト2、シャフト2外周を覆うロータヨーク3、ロータヨーク3外周を覆う6極に着磁されたラジアル異方性リング磁石4から構成されている。ここで、ラジアル異方性リング磁石4の外周面は円形、内周面は6角形に製作され、それに合わせロータヨーク3の外周は6角形に加工されている。また、ロータ1は、シャフト2に取り付けられた図示しない軸受によって、ステータ10に対し回転自在に支持されている。
一方、ステータ10は、一体となったステータヨーク11とティース12、スロット13に巻回された巻線14から構成されている。例えば、ステータヨーク11およびティース12には交番磁界による鉄損を低減する積層珪素鋼板が使われる。
このような永久磁石形モータは、ロータ1の磁極に応じた電流を巻線14に流すことによりロータ1とステータ10間のギャップ部に回転磁界を生じさせ、この回転磁界とロータ1の磁極が作る磁界との吸引、反発作用によってロータ1にトルクを生じさせている。
さらには、ラジアル異方性リング磁石4を内周6角形に製造されている、つまり、磁極の中心で厚く、磁極間に近づくに連れ薄くなっていることにより、永久磁石の起磁力分布が正弦波化されている。つまり、ラジアル異方性リング磁石4とティース12間とのパーミアンス変化にともなうコギングトルクが小さいことを特長としている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−213521号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来技術における永久磁石形モータには、以下のような問題が発生した。
ラジアル異方性リング磁石4の内周6角形に合わせ、ロータヨーク3の外周を6角形に製造しなければならない。ロータヨーク3の外周寸法精度はコギンギトルクおよびロータバランスに影響を及ぼすため、数十μmの加工精度が要求される。したがって、旋盤だけの加工にとどまらず、フライス加工またはワイヤーカット加工が追加され、工数が増えることによるコスト高が生じた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、請求項1に記載の第1の発明は、巻線を有するステータと、複数の磁極数に着磁されたリング磁石を有するロータから構成した永久磁石形モータにおいて、前記リング磁石を中空円筒形の内周側リング磁石とその外周を覆った中空円筒形の外周側リング磁石の2個で構成し、前記内周側リング磁石の磁極数をN(Nは自然数)とした場合、前記外周側リング磁石の磁極数を3×Nにするとともに、前記外周側リング磁石の外径をDm、前記内周側リング磁石の外径をDc1、内径をDbとした場合、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Dc1/Dm < 1
としたものである。
この第1の発明では、内周側リング磁石の内周面は円形となっており、ロータヨークを旋盤加工のみで製造することができる。また、内周側リング磁石の3倍高調波起磁力成分を外周側リング磁石の基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。よって、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
また、請求項2に記載の第2の発明は、巻線を有するステータと、複数の磁極数に着磁されたリング磁石を有するロータから構成した永久磁石形モータにおいて、前記リング磁石を中空円筒形の内周側リング磁石とその外周を覆った中空円筒形の外周側リング磁石の2個で構成し、前記外周側リング磁石の磁極数をNとした場合、前記内周側リング磁石の磁極数を3×Nにするとともに、前記外周側リング磁石の外径をDm、前記内周側リング磁石の外径をDc2、内径をDbとした場合、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Db/Dc2 < 1
としたものである。
この第2の発明では、第1の発明同様、内周側リング磁石の内周面は円形となっており、ロータヨークを旋盤加工のみで製造することができる。また、外周側リング磁石の3倍高調波起磁力成分を内周側リング磁石の基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。よって、第1の発明同様、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施例を示す永久磁石形モータの正断面図である。
以下、本発明の構成要素が従来技術と同じものについては同一符号を付してその説明を省略し、異なる点のみ説明する。
図において、3aは第1の実施例によるロータヨーク、4aは内周側リング磁石、5aは外周側リング磁石である。なお、内周側リング磁石4aと外周側リング磁石5aは複数極に着磁された中空円筒形のラジアル異方性リング磁石である。
第1の実施例が従来技術と基本的に異なる点は、ロータヨーク3aの外周に内周側リング磁石4aを覆い、さらにその外周に外周側リング磁石5aを覆いロータ1を構成している点である。
ここで、内周側リング磁石4aの磁極数はN=6、外周側リング磁石5aの磁極数は3×N=18であり、内周側リング磁石4aと外周側リング磁石5aはその磁極の中心が一致するように、ロータヨーク3aと一体に固着されている。
さらには、外周側リング磁石5aの外径Dm、内周側リング磁石4aの外径Dc1と内径Dbは、コギングトルクの発生原因となる内周側リング磁石4aの3倍高調波起磁力成分を、外周側リング磁石の基本波起磁力成分で相殺するように決められている。
ここで、N=2、4、6、8極において、内周側リング磁石4aの3倍高調波起磁力成分を外周側リング磁石5aで相殺することができる内外径寸法比を図2に示す。同図より、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Dc1/Dm < 1
の範囲になるように、Dm、Dc1、Dbを決めれば良いことがわかる。
ここで、Db/Dm比は、内周側リング磁石4aと外周側リング磁石5aを合わせた磁石厚さを表しており、Db/Dmが小さいほど磁石厚が大きいことを意味する。したがって、磁石厚が極端に大きすぎず、現実可能なDb/Dm比である
0.5 < Db/Dm < 1
を条件とした。
このような構成により、内周側リング磁石4aの内周面は円形となっており、ロータヨーク3aを旋盤加工のみで製造することができる。
また、内周側リング磁石4aの3倍高調波起磁力成分を外周側リング磁石5aの基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。よって、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
次に第2の実施例について説明する。
図3は、本発明の第2の実施例を示す永久磁石形モータの正断面図である。
以下、本発明の構成要素が従来技術と同じものについては同一符号を付してその説明を省略し、異なる点のみ説明する。
図において、3bは第2の実施例によるロータヨーク、4bは内周側リング磁石、5bは外周側リング磁石である。なお、内周側リング磁石4bと外周側リング磁石5bは複数極に着磁された中空円筒形のラジアル異方性リング磁石である。
第2の実施例が従来技術と基本的に異なる点は、ロータヨーク3bの外周に内周側リング磁石4bを覆い、さらにその外周に外周側リング磁石5bを覆いロータ1を構成している点である。
ここで、外周側リング磁石5bの磁極数はN=6、内周側リング磁石4bの磁極数は3×N=18であり、内周側リング磁石4bと外周側リング磁石5bはその磁極の中心が一致するように、ロータヨーク3bと一体に固着されている。
さらには、外周側リング磁石5bの外径Dm、内周側リング磁石4bの外径Dc2と内径Dbは、コギングトルクの発生原因となる外周側リング磁石5bの3倍高調波起磁力成分を、内周側リング磁石4bの基本波起磁力成分で相殺するように決められている。
ここで、N=2、4、6、8極において、外周側リング磁石5bの3倍高調波起磁力成分を内周側リング磁石4bの基本波起磁力成分で相殺することができる内外径寸法比を図4に示す。同図より、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Db/Dc2 < 1
の範囲になるように、Dm、Dc2、Dbを決めれば良いことがわかる。
このような構成により、第1の実施例同様、内周側リング磁石4bの内周面は円形となっており、ロータヨーク3bを旋盤加工のみで製造することができる。同じく第1の実施例同様、外周側リング磁石5bの3倍高調波起磁力成分を内周側リング磁石4bの基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。よって、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
また、第1および第2の実施例では、内周側リング磁石と外周側リング磁石をラジアル異方性リング磁石として説明したが、極異方性リング磁石としても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0007】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、請求項1および請求項2に記載の第1の実施例および第2の実施例に示す構成にすることにより、次のような効果がある。(1) 内周側リング磁石の内周面は円形となり、ロータヨークを旋盤加工のみで製造することができる。
(2) また、内周側リング磁石の3倍高調波起磁力成分を外周側リング磁石の基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。
(3) したがって、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す永久磁石形モータの正断面図である。
【図2】永久磁石の起磁力分布を正弦波化する、第1の実施例の内周側リング磁石と外周側リング磁石の内外径比を表すグラフである。
【図3】本発明の第2実施例を示す永久磁石形モータの正断面図である。
【図4】永久磁石の起磁力分布を正弦波化する、第2の実施例の内周側リング磁石と外周側リング磁石の内外径比を表すグラフである。
【図5】従来技術における永久磁石形モータを示す正断面図である。
【符号の説明】
1 ロータ
2 シャフト
3、3a、3b ロータヨーク
4 ラジアル異方性リング磁石
4a、4b 内周側リング磁石
5a、5b 外周側リング磁石
10 ステータ
11 ステータヨーク
12 ティース
13 スロット
14 巻線
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工作機械や半導体製造装置などのFA分野で、特に速度リプルを嫌う駆動軸に用いられるサーボモータおよびダイレクトドライブモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
速度リプルを嫌う駆動軸には、その発生原因となるコギングトルクが極めて小さい永久磁石形モータが適用される。例えば、このような永久磁石形モータとして、例えば特許文献1に開示されるラジアル異方性リング磁石を用いたものがある。図5は従来技術における永久磁石形モータを示す正断面図である。
図において、1はロータ、2はシャフト、3はロータヨーク、4はラジアル異方性リング磁石、10はステータ、11はステータヨーク、12はティース、13はスロット、14は巻線である。
ロータ1は、シャフト2、シャフト2外周を覆うロータヨーク3、ロータヨーク3外周を覆う6極に着磁されたラジアル異方性リング磁石4から構成されている。ここで、ラジアル異方性リング磁石4の外周面は円形、内周面は6角形に製作され、それに合わせロータヨーク3の外周は6角形に加工されている。また、ロータ1は、シャフト2に取り付けられた図示しない軸受によって、ステータ10に対し回転自在に支持されている。
一方、ステータ10は、一体となったステータヨーク11とティース12、スロット13に巻回された巻線14から構成されている。例えば、ステータヨーク11およびティース12には交番磁界による鉄損を低減する積層珪素鋼板が使われる。
このような永久磁石形モータは、ロータ1の磁極に応じた電流を巻線14に流すことによりロータ1とステータ10間のギャップ部に回転磁界を生じさせ、この回転磁界とロータ1の磁極が作る磁界との吸引、反発作用によってロータ1にトルクを生じさせている。
さらには、ラジアル異方性リング磁石4を内周6角形に製造されている、つまり、磁極の中心で厚く、磁極間に近づくに連れ薄くなっていることにより、永久磁石の起磁力分布が正弦波化されている。つまり、ラジアル異方性リング磁石4とティース12間とのパーミアンス変化にともなうコギングトルクが小さいことを特長としている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−213521号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来技術における永久磁石形モータには、以下のような問題が発生した。
ラジアル異方性リング磁石4の内周6角形に合わせ、ロータヨーク3の外周を6角形に製造しなければならない。ロータヨーク3の外周寸法精度はコギンギトルクおよびロータバランスに影響を及ぼすため、数十μmの加工精度が要求される。したがって、旋盤だけの加工にとどまらず、フライス加工またはワイヤーカット加工が追加され、工数が増えることによるコスト高が生じた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、請求項1に記載の第1の発明は、巻線を有するステータと、複数の磁極数に着磁されたリング磁石を有するロータから構成した永久磁石形モータにおいて、前記リング磁石を中空円筒形の内周側リング磁石とその外周を覆った中空円筒形の外周側リング磁石の2個で構成し、前記内周側リング磁石の磁極数をN(Nは自然数)とした場合、前記外周側リング磁石の磁極数を3×Nにするとともに、前記外周側リング磁石の外径をDm、前記内周側リング磁石の外径をDc1、内径をDbとした場合、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Dc1/Dm < 1
としたものである。
この第1の発明では、内周側リング磁石の内周面は円形となっており、ロータヨークを旋盤加工のみで製造することができる。また、内周側リング磁石の3倍高調波起磁力成分を外周側リング磁石の基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。よって、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
また、請求項2に記載の第2の発明は、巻線を有するステータと、複数の磁極数に着磁されたリング磁石を有するロータから構成した永久磁石形モータにおいて、前記リング磁石を中空円筒形の内周側リング磁石とその外周を覆った中空円筒形の外周側リング磁石の2個で構成し、前記外周側リング磁石の磁極数をNとした場合、前記内周側リング磁石の磁極数を3×Nにするとともに、前記外周側リング磁石の外径をDm、前記内周側リング磁石の外径をDc2、内径をDbとした場合、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Db/Dc2 < 1
としたものである。
この第2の発明では、第1の発明同様、内周側リング磁石の内周面は円形となっており、ロータヨークを旋盤加工のみで製造することができる。また、外周側リング磁石の3倍高調波起磁力成分を内周側リング磁石の基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。よって、第1の発明同様、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施例を示す永久磁石形モータの正断面図である。
以下、本発明の構成要素が従来技術と同じものについては同一符号を付してその説明を省略し、異なる点のみ説明する。
図において、3aは第1の実施例によるロータヨーク、4aは内周側リング磁石、5aは外周側リング磁石である。なお、内周側リング磁石4aと外周側リング磁石5aは複数極に着磁された中空円筒形のラジアル異方性リング磁石である。
第1の実施例が従来技術と基本的に異なる点は、ロータヨーク3aの外周に内周側リング磁石4aを覆い、さらにその外周に外周側リング磁石5aを覆いロータ1を構成している点である。
ここで、内周側リング磁石4aの磁極数はN=6、外周側リング磁石5aの磁極数は3×N=18であり、内周側リング磁石4aと外周側リング磁石5aはその磁極の中心が一致するように、ロータヨーク3aと一体に固着されている。
さらには、外周側リング磁石5aの外径Dm、内周側リング磁石4aの外径Dc1と内径Dbは、コギングトルクの発生原因となる内周側リング磁石4aの3倍高調波起磁力成分を、外周側リング磁石の基本波起磁力成分で相殺するように決められている。
ここで、N=2、4、6、8極において、内周側リング磁石4aの3倍高調波起磁力成分を外周側リング磁石5aで相殺することができる内外径寸法比を図2に示す。同図より、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Dc1/Dm < 1
の範囲になるように、Dm、Dc1、Dbを決めれば良いことがわかる。
ここで、Db/Dm比は、内周側リング磁石4aと外周側リング磁石5aを合わせた磁石厚さを表しており、Db/Dmが小さいほど磁石厚が大きいことを意味する。したがって、磁石厚が極端に大きすぎず、現実可能なDb/Dm比である
0.5 < Db/Dm < 1
を条件とした。
このような構成により、内周側リング磁石4aの内周面は円形となっており、ロータヨーク3aを旋盤加工のみで製造することができる。
また、内周側リング磁石4aの3倍高調波起磁力成分を外周側リング磁石5aの基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。よって、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
次に第2の実施例について説明する。
図3は、本発明の第2の実施例を示す永久磁石形モータの正断面図である。
以下、本発明の構成要素が従来技術と同じものについては同一符号を付してその説明を省略し、異なる点のみ説明する。
図において、3bは第2の実施例によるロータヨーク、4bは内周側リング磁石、5bは外周側リング磁石である。なお、内周側リング磁石4bと外周側リング磁石5bは複数極に着磁された中空円筒形のラジアル異方性リング磁石である。
第2の実施例が従来技術と基本的に異なる点は、ロータヨーク3bの外周に内周側リング磁石4bを覆い、さらにその外周に外周側リング磁石5bを覆いロータ1を構成している点である。
ここで、外周側リング磁石5bの磁極数はN=6、内周側リング磁石4bの磁極数は3×N=18であり、内周側リング磁石4bと外周側リング磁石5bはその磁極の中心が一致するように、ロータヨーク3bと一体に固着されている。
さらには、外周側リング磁石5bの外径Dm、内周側リング磁石4bの外径Dc2と内径Dbは、コギングトルクの発生原因となる外周側リング磁石5bの3倍高調波起磁力成分を、内周側リング磁石4bの基本波起磁力成分で相殺するように決められている。
ここで、N=2、4、6、8極において、外周側リング磁石5bの3倍高調波起磁力成分を内周側リング磁石4bの基本波起磁力成分で相殺することができる内外径寸法比を図4に示す。同図より、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Db/Dc2 < 1
の範囲になるように、Dm、Dc2、Dbを決めれば良いことがわかる。
このような構成により、第1の実施例同様、内周側リング磁石4bの内周面は円形となっており、ロータヨーク3bを旋盤加工のみで製造することができる。同じく第1の実施例同様、外周側リング磁石5bの3倍高調波起磁力成分を内周側リング磁石4bの基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。よって、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
また、第1および第2の実施例では、内周側リング磁石と外周側リング磁石をラジアル異方性リング磁石として説明したが、極異方性リング磁石としても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0007】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、請求項1および請求項2に記載の第1の実施例および第2の実施例に示す構成にすることにより、次のような効果がある。(1) 内周側リング磁石の内周面は円形となり、ロータヨークを旋盤加工のみで製造することができる。
(2) また、内周側リング磁石の3倍高調波起磁力成分を外周側リング磁石の基本波起磁力成分で相殺することにより、コギングトルクの発生原因となる永久磁石の高調波起磁力成分を無くすことができる。
(3) したがって、低コストかつ低コギングトルクの永久磁石形モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す永久磁石形モータの正断面図である。
【図2】永久磁石の起磁力分布を正弦波化する、第1の実施例の内周側リング磁石と外周側リング磁石の内外径比を表すグラフである。
【図3】本発明の第2実施例を示す永久磁石形モータの正断面図である。
【図4】永久磁石の起磁力分布を正弦波化する、第2の実施例の内周側リング磁石と外周側リング磁石の内外径比を表すグラフである。
【図5】従来技術における永久磁石形モータを示す正断面図である。
【符号の説明】
1 ロータ
2 シャフト
3、3a、3b ロータヨーク
4 ラジアル異方性リング磁石
4a、4b 内周側リング磁石
5a、5b 外周側リング磁石
10 ステータ
11 ステータヨーク
12 ティース
13 スロット
14 巻線
Claims (2)
- 巻線を有するステータと、複数の磁極数に着磁されたリング磁石を有するロータから構成した永久磁石形モータにおいて、
前記リング磁石を中空円筒形の内周側リング磁石と、前記内周側リング磁石の外周を覆った中空円筒形の外周側リング磁石の2個で構成し、
前記内周側リング磁石の磁極数をN(Nは自然数)とした場合、前記外周側リング磁石の磁極数を3×Nにするとともに、前記外周側リング磁石の外径をDm、前記内周側リング磁石の外径をDc1、内径をDbとした場合、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Dc1/Dm < 1
としたことを特徴とする永久磁石形モータ。 - 巻線を有するステータと、複数の磁数極に着磁されたリング磁石を有するロータから構成した永久磁石形モータにおいて、
前記リング磁石を中空円筒形の内周側リング磁石と、前記内周側リング磁石の外周を覆った中空円筒形の外周側リング磁石の2個で構成し、
前記外周側リング磁石の磁極数をNとした場合、前記内周側リング磁石の磁極数を3×Nにするとともに、前記外周側リング磁石の外径をDm、前記内周側リング磁石の外径をDc2、内径をDbとした場合、
0.5 < Db/Dm < 1
において、
0.88 < Db/Dc2 < 1
としたことを特徴とする永久磁石形モータ。
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