JP5130492B2 - 耐座屈特性に優れた車両用アンダーラン・プロテクタ - Google Patents

耐座屈特性に優れた車両用アンダーラン・プロテクタ Download PDF

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Description

本発明は、車両と車両の衝突時に、一方の車両が他方の車両の下に潜り込むことを防止する車両のフロント下部あるいはリア下部に設けられたアンダーラン・プロテクタに関する。
トラックと乗用車の追突、正面衝突事故では、トラックのフロントあるいはリア下部に乗用車が潜り込み、乗用車側の乗員に大きな被害をもたらすことがある。このような背景のなか、欧州では衝突事故による乗用車乗員の被害を軽減させるものとして、トラック側に装備するアンダーラン・プロテクタの開発が開始された。その後、法規化に向けての本格的な検討が進められ、2003年から大・中型トラックにアンダーラン・プロテクタの装備が義務付けられた。一方、日本国内でもアンダーラン・プロテクタの検討が進められており、2011年秋に正面衝突時に乗用車がトラック下面に潜り込むことを防ぐフロント・アンダーラン・プロテクタ(FUP)の装備が法規化され、続いて、追突時に乗用車がトラックの後面に潜り込むことを防ぐリア・アンダーラン・プロテクタ(RUP)の装備が法規制される。
アンダーラン・プロテクタはトラックのフロント下部またはリア下部に乗用車のサイドメンバまたはフレームとラップする高さに配置され、乗用車との衝突(追突、正面衝突)時に乗用車の侵入を受け止め、トラックの下に潜り込むことを防止する装置である。それゆえ、アンダーラン・プロテクタは乗用車への被害を効果的に軽減し、かつ積載効率の向上が課題であり、特に、衝突強度と軽量化を同時に満足したアンダーラン・プロテクタの開発が不可欠である。
従来のアンダーラン・プロテクタは、図6に示すように、車両のフロント下部またはリア下部に車幅方向に延出させて配置されるアンダーラン・プロテクタ本体11と、アンダーラン・プロテクタ本体11と車体フレーム12とを連結するブラケット13とで構成される。ブラケット13は、アンダーラン・プロテクタ本体11の非負荷側の面に締結されている。従来のアンダーラン・プロテクタは衝突荷重を担うことから高い座屈強度を有することが要求される。この性能要件に対しては、欧州では図7に示すように、車両衝突時の負荷モードを模擬し、車両の最外側より所定距離(例えば、タイヤ21の側面部から200mm)内側の位置に所定の荷重P(例えば、車重の25%)を負荷する試験が行われる。アンダーラン・プロテクタ本体11にこのような負荷を与えると、アンダーラン・プロテクタ本体11とブラケット13との締結部Sを中心とするモーメントが生じるため(図7中、矢印M)、アンダーラン・プロテクタ本体11の非負荷側の締結部Sに応力が集中し、アンダーラン・プロテクタ本体11が容易に座屈し、規定された衝突強度を得ることができないという問題がある。
従来のアンダーラン・プロテクタの耐座屈強度を高める方法としては、レインフォースやガセットなど補強部品の追加が提案されているが(例えば、特許文献1〜4)、部品点数が増すとアンダーラン・プロテクタの重量が増加するため、耐座屈強度の向上と軽量化とを両立させることが容易ではない。
その一方で、乗用車では車体軽量化と衝突安全性を同時に満足させるため、解決策として車体骨格部品への高強度鋼板の適用が進められている。しかしながらアンダーラン・プロテクタにおいて、種々の強度クラスの鋼板から最適な材料と板厚を選択し衝突性能を損なわず軽量化するには、部品設計・材料・加工方法を通じてトータルとして最適化を行う必要があり、従来の軟鋼板を多用したときと比べ最適化は容易ではなく、これまでアンダーラン・プロテクタに高強度鋼板を適用した事例はない。
特開2004-243984号公報 特開2005-225326号公報 特開2006-36071号公報 特開2008-62838号公報
そこで本発明は、上記実状に鑑み、軽量で耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、車両の前部または後部に配置され車幅方向に延びるアンダーラン・プロテクタ本体と、アンダーラン・プロテクタ本体の補強部品であるレインフォースと、アンダーラン・プロテクタ本体を車体フレームに固定するためのブラケットと、その補強部品であるガセットとを備え、これらの構造の最適化を図ることで、軽量で耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタが得られることを見出して、本発明を完成させた。また、本発明者らは更に、アンダーラン・プロテクタの構成部材のうち、少なくとも1つ以上の部材に対して材料の引張強さにして590−1450MPaの範囲の高強度鋼板を用いることで、更なる軽量化及び耐座屈性の向上が図れることを見出した。
本発明の要旨は、次の通りである。
(1) 車両の前部または後部に配置され車幅方向に延びるアンダーラン・プロテクタ本体と、前記アンダーラン・プロテクタ本体を前記車両の車体フレームに固定するものであって前記アンダーラン・プロテクタ本体の車幅方向に沿って離間して配置された一対のブラケットと、前記アンダーラン・プロテクタ本体の補強部品であって前記アンダーラン・プロテクタ本体の長手方向に沿って前記アンダーラン・プロテクタ本体の非負荷側に取り付けられるとともに、その長手寸法が前記一対のブラケット間長さよりも長く設定され、長手方向両端の端部の位置が前記一対のブラケットよりも外側に位置しているレインフォースと、前記ブラケット及び前記アンダーラン・プロテクタ本体の接続部を補強するガセットと、を具備してなり、前記一対のブラケット間長さをL [mm]としたとき、前記レインフォースの長手寸法が1.4L 〜1.8L [mm]の範囲であることを特徴とする耐座屈特性に優れた車両用アンダーラン・プロテクタ
) 前記アンダーラン・プロテクタ本体と、前記レインフォースと、前記ブラケットと、前記ガセットのうち少なくとも1つ以上の部材が、材料の引張強さにして590MPa級以上、1450MPa級以下の範囲の高強度鋼板で構成されていることを特徴とする(1)に記載の耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタ。
) 前記アンダーラン・プロテクタ本体が、負荷を受ける負荷部と、前記負荷部の反対側に配置された非負荷部と、前記負荷部及び前記非負荷部を連結する一対の連結部とによって区画形成された中空筒状の部材から構成され、前記レインフォースが、前記アンダーラン・プロテクタ本体の前記非負荷部に接合するレインフォース本体部と、前記レインフォース本体部の短手方向両端で折曲されて前記アンダーラン・プロテクタ本体の前記連結部に接合する一対のレインフォース折曲部とから構成され、前記アンダーラン・プロテクタ本体と前記ブラケットとの接続部において前記レインフォース本体部が前記アンダーラン・プロテクタ本体と前記ブラケットとの間に配設されていることを特徴とする(1)乃至()の何れか一項に記載の耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタ。
) 前記ブラケットが、前記車体フレームと前記アンダーラン・プロテクタ本体とを連結するブラケット本体と、前記ブラケット本体を補強するブラケット補強体とから構成され、前記ブラケット本体の短手方向両端に折曲部が設けられることによって前記ブラケット本体に凹部が形成され、前記凹部に前記ブラケット補強体が嵌め込まれて閉断面形状が形成されていることを特徴とすることを特徴とする(1)乃至()の何れか一項に記載の耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタ。
) 前記ガセットが略三角形状の板材とされ、前記アンダーラン・プロテクタ本体と前記ブラケットとの間に掛け渡して設けられていることを特徴とする(1)乃至()の何れか一項に記載の耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタ。
本発明によれば、軽量で耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
アンダーラン・プロテクタはトラック等のフロント下部またはリア下部に乗用車のサイドメンバまたはフレームとラップする高さに配置され、乗用車との衝突(追突、正面衝突)時に乗用車の侵入を受け止め、トラックの下に潜り込むことを防止する装置である。
そのため、アンダーラン・プロテクタは乗用車への被害を効果的に軽減し、かつ積載効率の向上が課題であり、特に、衝突強度と軽量化を同時に満足したアンダーラン・プロテクタの開発が不可欠である。ここでは、アンダーラン・プロテクタとして図6の従来形状について詳細に検討し、その結果をアンダーラン・プロテクタの改良に反映させることで軽量かつ耐座屈性に優れた本発明に係るアンダーラン・プロテクタを完成させた経緯を具体的に説明する。
まず、従来のアンダーラン・プロテクタとして厚み4.5mmの400MPa級高強度鋼板からなる角パイプで構成されたアンダーラン・プロテクタ本体11と、アンダーラン・プロテクタ本体11を車両フレーム12に固定するために440MPa級高強度鋼板で構成されたブラケット13から構成されるアンダーラン・プロテクタの変形モード、反力特性について、図6〜7及び図1を用いて説明する。図6は従来のアンダーラン・プロテクタの構造を示し、図7は衝突負荷の入力位置とそれによって生じるモーメントを示す図であり、図1は入力負荷に対するアンダーラン・プロテクタの変形モードとひずみ状態を説明する図であって、図1(a)は変形前の状態を示す模式図であり、図1(a)は変形後の状態を示す模式図である。
アンダーラン・プロテクタに対する強度要件としては、衝突を静負荷に置き換え、負荷に対する変位量を規定する強度要件が定められている。例えば欧州では、図7に示すように、車両フレーム12の変位・回転を拘束したうえで、図1(a)に示すように車両の最外側より200mm内側の位置に対して負荷子(P)を一定速で押し込む試験が行われる。ここでも欧州の評価試験に倣って、負荷子に作用する反力と変位の関係を検討した。
負荷子の反力は、負荷子の侵入にともない単調に増加するが、負荷がアンダーラン・プロテクタ本体11の座屈耐力を超えたときに最大値を観測し、その後、減少に転じる。これは、アンダーラン・プロテクタ本体11とブラケット13との締結部Sを中心とするモーメントMが生じ、アンダーラン・プロテクタ本体11の非負荷側の締結部Sに応力が集中することで図1(b)に示すように座屈が生じるためである。なお、座屈後の変形部には0.02程度の残留歪みが存在している。このような観点から発明者らはアンダーラン・プロテクタの変形メカニズムを考え、耐座屈性の向上にはアンダーラン・プロテクタ本体11とブラケット13との締結部Sの補強が有効であることに想到した。
締結部Sの補強には、アンダーラン・プロテクタ本体11の長手方向に沿ってレインフォースを配置することが有効であるが、レインフォース等の補強部品の追加によってアンダーラン・プロテクタ全体の重量増を招くため、ここでは、重量増を極力抑えつつ効果的に耐座屈性能を向上するようなレインフォースの形状を検討した。
レインフォースによる補強部位の最適化について、図2と図3を用いて説明する。
ここでは、1.4mm厚の980MPa級高強度鋼板からなる角パイプで構成されたアンダーラン・プロテクタ本体1に、1.4mm厚の980MPa級高強度鋼板で構成されて全長が異なるレインフォース4を取付け、負荷子の入力に対する反力特性や変形モードを分析した。図3にアンダーラン・プロテクタ本体1にレインフォース4及びブラケット3を加えた重量と部材変形反力の関係を示す。
図2及び図3における符号hは、アンダーラン・プロテクタ本体1にレインフォース4を取り付けない補強なしの例である。
また、符号aは、アンダーラン・プロテクタ本体1とブラケットの締結部にアンダーラン・プロテクタ本体1の負荷側と非負荷側の両方を囲むレインフォース4を取り付けた例であり、符号bは、アンダーラン・プロテクタ本体1とブラケット3との締結部に符号aの場合に比べて2倍の長さのレインフォース4を取り付けた例であり、符号cは、アンダーラン・プロテクタ本体1とブラケット3との締結部に符号aの場合に比べて3倍の長さのレインフォース4を取り付けた例である。
また、符号dは、アンダーラン・プロテクタ本体1とブラケットの締結部の非負荷側に符号aと同じ長さのレインフォース4を取り付けた例であり、符号eは、アンダーラン・プロテクタ本体1とブラケットの締結部の負荷側に符号aと同じ長さのレインフォース4を取り付けた例である。
更に、符号fは、アンダーラン・プロテクタ本体1の非負荷側にレインフォース4を取り付けた例であり、符号gは、アンダーラン・プロテクタ本体1の非負荷側に符号fよりも長いレインフォース4を取り付けた例である。なお、符号fのレインフォース4の全長は、ブラケット間距離の1.2倍の長さであり、符号gのレインフォース4の全長は、ブラケット間距離の1.6倍の長さである。
図3の符号a〜fのように、レインフォース4による補強域を拡張すると反力特性は向上するものの、図2に示すように補強外に座屈点Zが遷移する。一方、符号gのように補強するとレインフォース4による補強内で座屈し、符号fと比較し大幅に反力特性が向上する。
また、符号dのように負荷側のみ補強するよりも符号eのように非負荷側のみ補強した方が反力特性は向上することが明らかになった。
以上、補強部品の最適化を図ることで重量増を極力抑えつつ座屈性能を向上することができ、非負荷側のアンダーラン・プロテクタ本体とブラケットの間に、左右ブラケット間長さの1.4倍から1.8倍の範囲内に補強することが最適であることがわかった。
続いて、本発明による軽量で座屈性にすぐれたアンダーラン・プロテクタについて、図4と図5を用いて具体的に説明する。
図4及び図5に示すように、本実施形態のアンダーラン・プロテクタは、アンダーラン・プロテクタ本体1と、アンダーラン・プロテクタ本体1を車両の車体フレーム2に固定する一対のブラケット3と、アンダーラン・プロテクタ本体1の補強部品であるレインフォース4と、ブラケット3及びアンダーラン・プロテクタ本体1の接続部を補強するガセット5とを具備して構成されている。
アンダーラン・プロテクタ本体1は、車両の前部または後部に配置され車幅方向に延在している。このアンダーラン・プロテクタ本体1は、例えば1.4mm厚の引張強さが980MPaの高強度鋼板で構成されている。アンダーラン・プロテクタ本体1は、この高強度鋼板を角パイプ状に成形したものであって、負荷を受ける負荷部1aと、負荷部1aの反対側に配置された非負荷部1bと、負荷部1a及び非負荷部1bを連結する一対の連結部1cとによって区画形成されている。
一対のブラケット3は、アンダーラン・プロテクタ本体1を車両の車体フレーム2に固定するものであってアンダーラン・プロテクタ本体1の車幅方向に沿って離間して配置されている。
ブラケット3は、車体フレーム2とアンダーラン・プロテクタ本体1とを連結するブラケット本体3aと、ブラケット本体3aを補強するブラケット補強体3bとから構成されている。ブラケット本体3aの短手方向両端には折曲部3cが設けられており、これによりブラケット本体3aに凹部3dが形成されている。また、ブラケット補強体3bにはその長手方向両端に折曲部3eが設けられている。そして、凹部3dにブラケット補強体3bが嵌め込まれることによって、ブラケット本体3aの折曲部3cとブラケット補強体3bの折曲部3eに囲まれた閉断面形状が形成されている。
また、ブラケット本体3a及びブラケット補強体3bは、例えば3.5mm厚の引張強さが780MPaの高強度鋼板で構成されている。
次に、レインフォース4は、アンダーラン・プロテクタ本体1の補強部品であってアンダーラン・プロテクタ本体1の長手方向に沿ってアンダーラン・プロテクタ本体1の非負荷側に取り付けられている。レインフォース4は、例えば1.4mm厚の引張強さが980MPaの高強度鋼板で構成されている。
レインフォース4は、アンダーラン・プロテクタ本体1の非負荷部1bに接合するレインフォース本体部4aと、レインフォース本体部4aの短手方向両端で折曲されてアンダーラン・プロテクタ本体1の連結部1cに接合する一対のレインフォース折曲部4bとから構成されており、このレインフォース4がアンダーラン・プロテクタ本体11の非負荷側に嵌め込まれている。また、アンダーラン・プロテクタ本体1とブラケット3との接続部においてレインフォース本体部4aがアンダーラン・プロテクタ本体1とブラケット3との間に配設されている。
また、レインフォース4の長手寸法は、一対のブラケット3間の長さLよりも長く設定することが好ましく、レインフォース4の全長が、一対のブラケット3間の長さLの1.4倍〜1.8倍の範囲とすることがより好ましい。レインフォース4の全長をブラケット3間の長さLの1,4倍とすることで、補強内で座屈させることができ、アンダーラン・プロテクタ本体1の強度を高められる。また、レインフォース4の全長をブラケット3間の長さLの1,8倍以下とすることで、レインフォース4による重量増を抑制できる。
更にガセット5は、ブラケット3及びアンダーラン・プロテクタ本体1の接続部を補強するものであって、ガセット5が略三角形状の板材とされ、アンダーラン・プロテクタ本体1とブラケット3との間に掛け渡して設けられている。ガセット5は例えば、3.5mm厚の780MPa級高強度鋼板で構成されている。ガセット5を設けることでアンダーラン・プロテクタ本体1をより補強することができる。
また、アンダーラン・プロテクタ本体1と、レインフォース4と、ブラケット3と、ガセット5のうち少なくとも1つ以上の部材が、材料の引張強さにして590MPa級以上、1450MPa級以下の範囲の高強度鋼板で構成されていることが好ましい。また、アンダーラン・プロテクタ本体1及びレインフォース4は比較的大きな部材になることから、板厚が1.2〜3.2mmの範囲とすることが好ましい。一方、ブラケット3及びガセット5は、アンダーラン・プロテクタ本体1及びレインフォース4よりも小型の部材であるから、板厚を厚くしても軽量化を妨げるおそれがないので、例えば3.2〜4.5mmの範囲とすることが好ましい。これにより、アンダーラン・プロテクタの耐座屈性の向上と軽量化を同時に達成できる。
図5には、アンダーラン・プロテクタの重量と部材反力の関係を示す。図5中の点線は、反力の目標性能を示している。
図5において、符号nは図6に示す従来のアンダーラン・プロテクタであって構成部材の全てを板厚4.5mmの400MPa級鋼板で構成した例であり、反力は25kNを示しているが、重量が22.5kgと大きくなっている。
次に、図5における符号iは、図6に示すアンダーラン・プロテクタと同一の構成からなり、かつ構成部材の全てを板厚1.4mmの980MPa級鋼板で構成した例である。この例では、重量が10kg以下になるものの、反力が大幅に低下している。
次に、図5における符号jは、図6に示すアンダーラン・プロテクタのうち、ブラケットのみを図4に示すブラケットに置き換えたものであって、ブラケットを3.5mm厚の780MPa級高強度鋼板で構成し、その他の構成部材の全てを板厚1.4mmの980MPa級鋼板で構成した例である。この例では、閉断面構造を有するブラケットによって符号iに比べて反力が向上するものの、まだ充分ではない。
次に、図5における符号kは、図6に示すアンダーラン・プロテクタのうち、ブラケットを図4に示すブラケットに置き換え、更にブラケット間距離Lの1.4倍の全長のレインフォースを取り付け、ブラケットを3.5mm厚の780MPa級高強度鋼板で構成し、レインフォースを1.4mm厚の980MPa級高強度鋼板で構成し、その他の構成部材の全てを板厚1.4mmの980MPa級鋼板で構成した例である。この例では、閉断面構造を有するブラケットとレインフォースによって符号iに比べて反力が更に向上するものの、まだ充分ではない。
次に、図5における符号lは、図6に示すアンダーラン・プロテクタと同一の構成からなり、かつ構成部材の全てを板厚2.3mmの980MPa級鋼板で構成した例である。この例では、反力はほぼ目標値(25kN)を達成するが、重量が13kg程度となり、軽量化が充分ではない。
次に、図5における符号mは、図6に示すアンダーラン・プロテクタのうち、ブラケットを図4に示すブラケットに置き換え、更にブラケット間距離Lの1.4倍の全長のレインフォースを取り付け、更に図4に示すようなガセットを取り付け、ブラケット及びガセットを3.5mm厚の780MPa級高強度鋼板で構成し、その他の構成部材の全てを板厚1.4mmの980MPa級鋼板で構成した例であり、図4に示す本実施形態のアンダーラン・プロテクタに相当するものである。この例では、反力が28kNまで向上し、重量も12.2kgとなり、軽量化が達成されていることがわかる。
以上述べたように、本発明によれば、最適な引張り強さの高強度鋼板を選択し,アンダーラン・プロテクタ本体の長手方向に沿って設けられるレインフォースやアンダーラン・プロテクタを車体フレームに固定するためのブラケットの材料・構造最適化をすることで、軽量で耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタを得ることができる。
また、アンダーラン・プロテクタ本体1やブラケット3への高強度鋼板の最適配置とあわせて、ブラケット3の閉断面化、アンダーラン・プロテクタ本体1の非負荷側への補強、ブラケット3にガセット5を追加するなど座屈強度を高めた構造により、軽量化と耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタを得ることができる。
図1は、アンダーラン・プロテクタの入力負荷に対する変形モードとひずみ分布を示す模式図である。 図2は、レインフォース配置とアンダーラン・プロテクタの変形モードを示す模式図である。 図3は、図2のa〜fのアンダーラン・プロテクタの重量と座屈強度を示すグラフである 図4は、本発明の実施形態であるアンダーラン・プロテクタを示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。 図5は、アンダーラン・プロテクタの重量と座屈強度との関係を示すグラフである。 図6は、従来のアンダーラン・プロテクタの外観を示す部分拡大図である。 図7は、アンダーラン・プロテクタの衝突負荷の入力位置とそれによって生じるモーメントを示す模式図である。
符号の説明
1…アンダーラン・プロテクタ本体、1a…負荷部、1b…非負荷部、1c…連結部、2…車体フレーム、3…ブラケット、3a…ブラケット本体、3b…ブラケット補強体、3c…折曲部、3d…凹部、4…レインフォース、4a…レインフォース本体部、4b…レインフォース折曲部、5…ガセット。

Claims (5)

  1. 車両の前部または後部に配置され車幅方向に延びるアンダーラン・プロテクタ本体と、
    前記アンダーラン・プロテクタ本体を前記車両の車体フレームに固定するものであって前記アンダーラン・プロテクタ本体の車幅方向に沿って離間して配置された一対のブラケットと、
    前記アンダーラン・プロテクタ本体の補強部品であって前記アンダーラン・プロテクタ本体の長手方向に沿って前記アンダーラン・プロテクタ本体の非負荷側に取り付けられるとともに、その長手寸法が前記一対のブラケット間長さよりも長く設定され、長手方向両端の端部の位置が前記一対のブラケットよりも外側に位置しているレインフォースと、
    前記ブラケット及び前記アンダーラン・プロテクタ本体の接続部を補強するガセットと、を具備してなり、
    前記一対のブラケット間長さをL [mm]としたとき、前記レインフォースの長手寸法が1.4L 〜1.8L [mm]の範囲であることを特徴とする耐座屈特性に優れた車両用アンダーラン・プロテクタ。
  2. 前記アンダーラン・プロテクタ本体と、前記レインフォースと、前記ブラケットと、前記ガセットのうち少なくとも1つ以上の部材が、材料の引張強さにして590MPa級以上、1450MPa級以下の範囲の高強度鋼板で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタ。
  3. 前記アンダーラン・プロテクタ本体が、負荷を受ける負荷部と、前記負荷部の反対側に配置された非負荷部と、前記負荷部及び前記非負荷部を連結する一対の連結部とによって区画形成された中空筒状の部材から構成され、
    前記レインフォースが、前記アンダーラン・プロテクタ本体の前記非負荷部に接合するレインフォース本体部と、前記レインフォース本体部の短手方向両端で折曲されて前記アンダーラン・プロテクタ本体の前記連結部に接合する一対のレインフォース折曲部とから構成され、前記アンダーラン・プロテクタ本体と前記ブラケットとの接続部において前記レインフォース本体部が前記アンダーラン・プロテクタ本体と前記ブラケットとの間に配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタ。
  4. 前記ブラケットが、前記車体フレームと前記アンダーラン・プロテクタ本体とを連結するブラケット本体と、前記ブラケット本体を補強するブラケット補強体とから構成され、前記ブラケット本体の短手方向両端に折曲部が設けられることによって前記ブラケット本体に凹部が形成され、前記凹部に前記ブラケット補強体が嵌め込まれて閉断面形状が形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタ。
  5. 前記ガセットが略三角形状の板材とされ、前記アンダーラン・プロテクタ本体と前記ブラケットとの間に掛け渡して設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の耐座屈性に優れたアンダーラン・プロテクタ。
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