JP5129965B2 - ミシン主軸のモータ制御方法及び装置 - Google Patents

ミシン主軸のモータ制御方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、ミシン主軸のモータ制御方法及び装置に係り、特に、ミシン主軸に用いられるモータ制御装置の振動抑制制御に関する。
ミシンで、針棒を駆動するためのメカ的機構と、駆動源であるモータとを接続する場合の一例を図1に示す(特許文献1の図3参照)。図において、モータMは、タイミングベルトBとプーリPを介して、主軸Sに接続されている。また、さらに主軸Sから先は、クランクC、天秤D、コネクティングロッドR等のメカ的機構を介して、モータMの制御対象である針棒Nを駆動する。
図2は、ダイレクトドライブミシンでのモータMと主軸Sや天秤Dとの接続の一例である(特許文献2の図6参照)。この例では、モータMが主軸Sに直接接続されるため、図1に比べて剛性は遥かに高くなるが、モータ軸から見て主軸Sが長いこと、途中にカップリングEやその他のメカ的機構を介して針棒Nを駆動していることにより、モータと負荷が低剛性の弾性軸で結合されている共振系と見なすことができる。図において、Fは下軸、Gは釜軸、Hはミシン釜である。
前記のような共振系では、軸ねじれ等が原因となる振動が発生し問題となることが多い。振動が発生する場合、制御ゲインを抑えざるを得ず、速度制御系の応答を向上させることが出来なくなる。
実際の共振系は、多数の振動モードや固有周波数が存在するため、図3に例示する如く、多慣性共振系としてモデル化される。図3において、JmはモータMの慣性、Kf1、Kf2・・・は、ばね定数、Ja1、Ja2・・・Janは負荷Aの慣性である。
この多慣性共振系は、図4に示すようなブロック図で表わされる。図4において、θmはモータMの回転角度(モータ位置)、θaは負荷Aの回転角度(負荷位置)、Tはトルク、sはラプラス演算子、添字mはモータ、添字aは負荷、添字disは外乱、添字reacは軸ねじれ反力を表わす。
このような共振系の振動抑制と外乱抑圧制御に対して、状態フィードバック制御やH∞制御、遅い外乱オブザーバ制御、共振比制御(非特許文献1参照)等の手法が提案されている。
特開平6−285285号公報(図3) 特開2002−159772号公報(図6) 特許第3381880号公報 結城他「共振比制御による2慣性共振系の振動抑制制御」電学論D、113巻(平成5年)10号、1162頁−1169頁
しかしながら、状態フィードバック制御やH∞制御は、制御対象の厳密なモデル化が必要、制御系が複雑、計算量が膨大であることなどから、高速、高機能のCPUが必要となり、コストアップにつながるため、ミシンへの適用には問題がある。
又、防振を目的として、針棒部分にセンサを取付けることも困難である。
これに対して、遅い外乱オブザーバ制御と共振比制御は、比較的簡単な制御系から構成されるため、安価な実現が可能であり、調整もゲインの調整のみで済む等、現場での対応も容易であり、ミシン製品等への適用について、非常に実用性が高い。
しかしながら、非特許文献1に記載された非共振制御では、システムを2慣性共振系としてモデル化しているため、1次の共振に対しては抜群の効果があるものの、現実の多慣性系では高次の共振を招いてしまうことがある等、高次の振動に対しての効果は低いという問題点を有していた。
一方、特許文献3には、サーボ系に別体の位相進みフィルタを設けることが記載されているが、構成が複雑であり、細かい計算が必要で計算時間が長くなり、安価な制御装置で実現できなくなる。設計も複雑で、応答が安定なパラメータをみつけにくいという問題点を有していた。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、簡単な構成で、1次の共振モードだけでなく、それより高次の振動モードも含む、全ての共振極の安定化を図ることを課題とする。
本発明は、ミシン主軸のモータ制御に際して、1次の共振モードに対しては共振比制御を適用し、それより高次の振動モードに対しては位相進み補償を適用するに際して、前記位相進み補償を、共振比制御内の外乱オブザーバで用いるモータ慣性のノミナル値と実際のモータ慣性の値の比率を変化させることで行なって、全ての共振極の安定化を図るようにして、前記課題を解決したものである。
又、前記位相進み補償を、共振比制御内の外乱オブザーバで用いるモータ慣性のノミナル値と実際のモータ慣性の値の比率を変化させることで行なうようにして、別体の位相進み補償手段を不要としたものである。
又、前記位相進み補償の極と零点を、共振比制御の極よりも内側に配置するようにして、位相進み補償と共振比制御を両立させるようにしたものである。
本発明は、又、軸ねじれ反力が無視できる剛性の高い負荷に対して、外乱オブザーバのみを用いて位相進み補償を行うに際して、前記位相進み補償を、前記外乱オブザーバで用いるモータ慣性のノミナル値と実際のモータ慣性の値の比率を変化させることで行なって、全ての共振極の安定化を図るようにしたものである。
本発明は、又、1次の共振モードに対して適用される共振比制御手段と、2次以上の高次の振動モードに対して適用される位相進み補償手段と、を備え、前記共振比制御手段が、外乱オブザーバと軸ねじれ反力推定オブザーバとから構成されることを特徴とするミシン主軸のモータ制御装置を提供するものである。
本発明においては、共振比制御に加えて、位相進み補償を行なうので、1次の共振モードに対しては2慣性共振系の振動抑制に有効な共振比制御を適用し、それより高次の振動モードに対しては位相進み補償を用いて共振極の安定化を図ることにより、全ての共振極の安定化を図ることができる。
即ち、殆どの縫製物には、布の折り返し部分があり、この部分は一般的に段部と言われ、他の縫製部の倍の厚さになっており、速度が急激に低下し、目飛び、ピッチズレ等のトラブルが発生しやすいが、本発明により、主軸モータのゲインが十分高い状態で縫製できれば、速度変動は少なく、トラブルの発生も防止できる。
又、皮やシートベルトなどの厚い素材を縫う際には、主軸1回転中の速度変動が大きく、作業者にとって不快な振動となるが、本発明の外乱制御により、振動を防止することができる。
特に、本縫い糸切りミシンでは、糸切り動作を制御するカムが主軸を駆動源としており、このカムの負荷が大きく、糸を切断した後、負荷が軽くなり、すぐ停止するため、この負荷変動が主軸停止角度のバラツキとなっていたが、本発明の外乱制御により、停止角度の安定が可能となる。
ここで、位相進み補償制御は、例えば共振比制御内の外乱オブザーバで用いるモータ慣性のノミナル値Jmnを、実際のモータ慣性の値Jmより大(Jmn>Jm)に設定することで、別体の位相進み補償手段を付加することなく、位相進み補償制御を実現することができる。
又、外乱オブザーバに基づいた制御とした場合には、振動抑制効果を持ちながらロバスト性の確保も可能となる。即ち、布厚の変化による負荷変動や、摩擦、外乱等に対する影響を抑えた制御が可能となる。又、振動による騒音の発生も抑えることができる。
又、軸ねじれ反力推定オブザーバを用いることで、制御対象部にセンサを取り付けることなく、軸ねじれ反力を推定することが可能となる。
更に、状態フィードバック制御やH∞制御に比べて制御系が簡単で、演算量も少ないため、高価なCPU等を使用する必要がない。又、設計や調整も容易である。
又、軸ねじれ反力が無視できる剛性の高い負荷に対しては、外乱オブザーバのみを用いて位相進み補償を行うことができる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の第1実施形態に係る制御装置の全体のブロック図を図5に示す(図では負荷を2慣性共振系として示しているが、多慣性共振系の場合も同様である)。
本制御装置では、図6に示すような外乱オブザーバ10と、図8に示すような軸ねじれ反力推定オブザーバ20を用いて共振比制御を行ない、多慣性共振系の振動抑制制御を行なう。
モータ側に外乱オブザーバ10を適用することにより、モータに作用する各種外乱の影響を相殺、除去することができ、図7に示すロバストな加速度制御系を構築することができる。ロバスト性を確保することで、布厚の変化による負荷変動や、摩擦、外乱等に対する影響を抑えた制御が可能となる。
即ち、モータに作用する外乱トルクTdismは、次式のように表わすことができる。
Tdism=(Jm−Jmn)(d2θm/dt2)+(Ktn−Kt)Iaref
+Tfric+Dm(dθm/dt)+Treac …(1)
ここで、Iarefは電流参照値を表わし、式の右辺の第1項は慣性変動トルク、第2項はトルクリップル、第3項はクーロン摩擦トルク、第4項は粘性摩擦トルク、第5項は軸ねじれ反力を表わす。
負荷に作用する外乱トルクTdisaは、軸ねじれ反力Treacに含まれることによりモータへ作用する。電流参照値Iarefとモータ速度が検出可能であるとき、(1)式で定義される外乱トルクTdismは、図6に示される外乱オブザーバ10により、1次のローパスフィルタを通して、次式のように推定される。図6において、Icmpは外乱トルクを補償してロバスト性を確保するための補償電流である。
Figure 0005129965
この推定外乱トルクTdismをフィードバックすることにより、外乱に対してロバストな制御系を構築することが可能となる。
この外乱オブザーバ10に基づくロバスト制御系は、図7に示すような加速度制御系となる。外乱オブザーバゲインGdisを大きく設定することにより外乱トルクTdismの影響が除去されることが分かる。これにより、モータは軸ねじれ反力Treacを除去し、負荷側の影響を受けないロバストな制御系となる。
外乱オブザーバ10をモータ側に適用することにより、唯一の負荷側の情報である軸ねじれ反力Treacを相殺、除去してしまうため、負荷側の振動を誘発することとなる。
そこで、外乱オブザーバ10とほぼ同構造を持つ軸ねじれ反力推定オブザーバ20を用いて軸ねじれ反力Treacの推定を行なう。
(1)式の外乱トルクTdisにおいて、モータ慣性のノミナル値Jmnを、加速度試験により同定した値とすることで、モータ慣性の変動トルクの影響を除去することが可能である。又、クーロン摩擦トルクTfric、粘性摩擦トルクDm(d2θm/dt2)を等速度試験により同定し、差し引くことにより、軸ねじれ反力Treacは、次式のように推定される。
Treac=Tdism−Tfric−Dm(dθm/dt) …(3)
軸ねじれ反力推定オブザーバ20のブロック線図を図8に示す。Greacは、軸ねじれ反力推定オブザーバ20に含まれる1次のローパスフィルタのカットオフ周波数である。
モータ側に外乱オブザーバ10を適用することにより加速度制御系を構成した制御対象に、軸ねじれ反力Treacをフィードバックした系を図9に示す。Krは軸ねじれ反力Treacのフィードバックゲインであり、任意に設定することができる。
この系における加速度参照値(d2θm/dt2refからモータ位置θmまでの伝達関
数とモータ位置θmから負荷位置θaまでの伝達関数はそれぞれ以下のようになる。
Figure 0005129965
又、モータ共振周波数ωm、及び、負荷共振周波数ωaを、以下のように定義する。
Figure 0005129965
ここで、共振比Kを、次式に定義する。
Figure 0005129965
負荷共振周波数ωaは、モータ側には零点として作用する逆共振周波数となる。ωaは、任意パラメータを含まず制御対象により決定される。又、モータ側の状態フィードバックに対して不可制御である。
一方、ωmはモータ側の共振周波数であり、軸ねじれ反力フィードバックゲインKrに
より任意に設定できる。
(6)、(7)式を用いることによって、図9は図10のブロック線図へ等価変換される。同図より、モータ側フィードフォワードによる零点操作がなく、モータ側で極零相殺がない限り、負荷側共振極ωaはモータ側逆共振零点と相殺するのが分かる。
共振比制御は軸ねじれ反力Treacをフィードバックするものであり、軸ねじれ反力フィードバックゲインKrにより共振比Kを任意に設定することができる。
共振比Kを制御することは、仮想的モータ慣性を制御することに相当し、共振比Kが大きいとき、即ちフィードバックゲインKrが大きい場合には、負荷慣性に対しモータ慣性
が小さくなり、負荷側の影響を受け易くなる。又、逆も同様である。
共振比Kを
K=√5 …(10)
に設定することにより、如何なる2慣性共振系に対しても、振動抑制、即応性とも優れるゲイン設定が可能となる。
各ゲインは以下のとおりである。
Kr=4/Ja …(11)
Kp=ωa2 …(12)
Kv=4ωa …(13)
ここで、モータMに印加される外乱が、パラメータ変動による外乱トルクTdismのみで構成されていたとすると、次式のように表わされる。
Figure 0005129965
モータの加速度参照値(d2θm/dt2refから加速度応答値d2θm/dt2までの
伝達関数を、パラメータ変動を考慮に入れて求めると、次式のようになる。
Figure 0005129965
ここで、トルク定数の変動は十分小さいとして、外乱オブザーバ10で用いるノミナル値Jmn、Ktnを、以下のように設定する。
Jmn=αJm …(16)
Ktn=Kt …(17)
従来は、Jm=Jmn、即ち、α=1となるように制御されている。
(16)、(17)式を(15)式に代入すると、以下の式が得られる。
Figure 0005129965
この(18)式をブロック線図で表わすと図11のようになる。
図11より、加速度参照値(d2θm/dt2refに対しては、(s+Gdis)/{(1/α)s+Gdis}の位相補償30を加え、外乱Tdismに対しては、ハイパスフィルタのカットオフ周波数をα倍することと等価であると言える。
ここで、
α<1の場合 位相遅れ補償、外乱オブザーバゲイン低下
α>1の場合 位相進み補償、外乱オブザーバゲイン増加
即ち、外乱オブザーバ10で用いるモータ慣性のノミナル値Jmnと実際のモータ慣性の値Jmの比αを変えることにより、加速度参照値の位相補償と外乱オブザーバのカットオフ周波数を変化させる効果がある。
続いて、多慣性共振系において、外乱オブザーバ10で用いるモータ慣性のノミナル値Jmnを変化させた場合の振動抑制効果を根軌跡を用いて示す。
図12に、多慣性共振系の極(×印)と零点(○印)を複素平面上に図示する。Reは実軸、Imは虚軸である。多慣性共振系の極と零点は虚軸Im上に交互に並ぶことが分かる。
以下の説明では、簡単のため2慣性共振系を負荷として位相補償を行なった場合について、解析を行なう。2慣性共振系に位相補償を行なった際のブロック線図を図13に示す。ここで、θcmdは位置指令値(任意に設定できる)、Cpは比例制御のゲインである。
図13の伝達関数は、以下のようになる。
Figure 0005129965

Figure 0005129965
位相補償器30の値により、特性が変わる。即ち、位相補償器30は、0<α<1の場合、位相遅れ補償となる。このときの極と零点をPlag、Zlagとすると、以下のように表わされる。
Plag=[0,0,jωm,−jωm,−αGdis] …(23)
Zlag=[jωa,−jωa,Gdis] …(24)
これを図示すると図14のようになる。×が極、○が零点である。
ここで、位相遅れ補償器30の極−αGdisと振動極s=jωmのなす角をθp、***振の零点s=jωaのなす角をΦpとする。又、位相遅れ補償器30の零点−Gdisと振動極s=iωmのなす角をθz、***振の零点s=jωaのなす角をΦzとする。
このとき、それぞれの極の出発角θi(i=1〜5)と零点の到着角θi(i=1〜3)は、以下のように計算される。
θ1=−π
θ2=−π
θ3=θz−θp+(π/2)
θ4=−{θz−θp+(π/2)}
θ1=−Φz+Φp−(π/2)
θ2=−{−Φz+Φp−(π/2)}
図15に、3慣性共振系に位相遅れ補償を行なった際の根軌跡を示す。比例制御ゲインCpを変化させると、系が必ず不安定の方向に動くことが確認できる。
一方、位相補償器30は、α>1の場合、位相進み補償となる。このときの極と零点をPlead、Zleadとすると、以下のように表わされる。
Plead=[0,0,jωm,−jωm,−Gdis] …(25)
Zlead=[jωa,−jωa,Gdis] …(26)
これを図示すると図16のようになる。
ここで、位相進み補償器30の極−αGdisと振動極s=jωmのなす角をθp、***振の零点s=iωaのなす角をΦpとする。又、位相進み補償器30の零点−Gdisと共振極s=iωmのなす角をθz、***振の零点s=iωaのなす角をΦzとする。
このとき、それぞれの極の出発角θi(i=1〜5)と零点の到着角θi(i=1〜3)は、以下のように計算される。
θ1=−π
θ2=−π
θ3=θz−θp+(π/2)
θ4=−{θz−θp+(π/2)}
θ1=−Φz+Φp−(π/2)
θ2=−{−Φz+Φp−(π/2)}
図17に、3慣性共振系に、本発明による位相進み補償を行なった際の根軌跡を示す。比例制御ゲインCpを変化させると、系が必ず安定の方向に動くことが確認できる。
これらは、高次の共振系についても、同様の結果が得られる。即ち、位相進み補償を行なうことで、多慣性共振系の振動抑制制御が可能となることが分かる。
本実施形態では、これらの位相進み補償を、共振比制御内の外乱オブザーバ10で用いるモータ慣性のノミナル値Jmnと実際のモータ慣性の値Jmの比率αを変化させることで、特に新たに位相進み補償器30を追加することなく実現している。
この位相進み補償と共振比制御を両立させるために、位相進み補償の極と零点を、共振比制御の極よりも内側に配置する必要がある。即ち、制御系全体の極配置を図18のように設定することで、1次の振動モードについては、共振比制御により積極的に抑制を行ない、それより高次の振動モードについては、元々の影響が小さいために、位相進み補償により安定性を確保することが可能となる。
なお、第1実施形態では、モータと負荷とが柔軟な駆動軸により結合され、軸ねじれが問題となるような剛性の低い制御系を対象としていたが、負荷と軸の剛性が高く軸ねじれ補償が必要ないような場合には、図19に示す第2実施形態のように、軸ねじれ反力推定オブザーバを省略して、外乱オブザーバ10のみで位相進み補償制御を構成することが可能である。
この第2実施形態においても、位相進み補償の効果により、第1実施形態と同様に全ての共振極に対して安定化を図ることができる。
なお、前記実施形態においては、位置制御系を構成しているが、速度制御系のみでも適用可能である。
又、前記実施形態においては、速度演算部にP(比例)制御を用いているが、速度演算の制御の種類はこれに限定されず、PI(比例積分)制御、PD(比例微分)制御、PID(比例積分微分)制御等を用いてもよい。
本発明の適用対象の一例を示す構成図 同じくの他の例を示す構成図 本発明の適用対象のモデル図 同じくブロック図 本発明の第1実施形態の全体ブロック図 第1実施形態で用いられている外乱オブザーバの構成を示すブロック図 前記外乱オブザーバにより構成される加速度制御系のブロック図 第1実施形態で用いられている軸ねじれ反力推定オブザーバの構成を示すブロック図 同じく軸ねじれ反力フィードバックを示すブロック図 図9の等価ブロック線図 第1実施形態で用いられている外乱オブザーバのパラメータ変動による位相補償を示すブロック図 同じく多慣性共振系の極と零点を示す図 同じく2慣性共振系に位相補償を行なった際のブロック線図 0<α<1の比較例における位相遅れ補償時の極と零点の配置を示す図 同じく3慣性共振系に位相遅れ補償を行なった際の根軌跡を示す図 α>1とした本発明における位相進み補償時の極と零点の配置を示す図 同じく3慣性共振系に本発明による位相進み補償を行なった際の根軌跡を示す図 第1実施形態における極配置を示す図 本発明の第2実施形態の全体ブロック図
符号の説明
M…モータ
A…負荷
10…外乱オブザーバ
20…軸ねじれ反力フィードバック
30…位相補償器

Claims (4)

  1. 1次の共振モードに対しては共振比制御を適用し、それより高次の振動モードに対しては位相進み補償を適用するに際して、
    前記位相進み補償を、共振比制御内の外乱オブザーバで用いるモータ慣性のノミナル値と実際のモータ慣性の値の比率を変化させることで行なうことを特徴とするミシン主軸のモータ制御方法。
  2. 前記位相進み補償の極と零点を、共振比制御の極よりも内側に配置することを特徴とする請求項1に記載のミシン主軸のモータ制御方法。
  3. 軸ねじれ反力が無視できる剛性の高い負荷に対して、外乱オブザーバのみを用いて位相進み補償を行うに際して、
    前記位相進み補償を、前記外乱オブザーバで用いるモータ慣性のノミナル値と実際のモータ慣性の値の比率を変化させることで行なうことを特徴とするミシン主軸のモータ制御方法。
  4. 1次の共振モードに対して適用される共振比制御手段と、
    2次以上の高次の振動モードに対して適用される位相進み補償手段と、を備え
    前記共振比制御手段が、外乱オブザーバと軸ねじれ反力推定オブザーバとから構成されることを特徴とするミシン主軸のモータ制御装置。
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